説明

洗濯乾燥機

【課題】洗濯兼脱水槽内や、洗濯兼脱水槽と水槽との間の隙間空間内などの外箱内の温度が高温になって、製品に使用しているプラスチック部品が変形することを防止する。
【解決手段】外箱1と、この外箱1内に配設する水槽5と、この水槽5内に回転自在に配設する洗濯兼脱水槽6と、この洗濯兼脱水槽6の内に温風を供給する温風供給手段とを具備し、前記温風供給手段は、これに流れる空気の一部を機体外に排出する手段を有する洗濯乾燥機において、外箱上面を覆う上部カバーに設けられた温風供給手段収納部とこれを覆うパネル53により空間を形成し、前記空間54中に前記温風供給手段を収納し、前記温風供給手段より排出した空気を前記空間54を介して前記パネル53に設けた排気口55から排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯乾燥運転の乾燥工程において洗濯兼脱水槽内に温風を供給して洗濯物を乾燥する洗濯乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
洗濯後に洗濯物に温風を接触させて乾燥させる洗濯乾燥機として、例えば出願人が先に提案した特願平9−298867号(特開平11−128582号)などがある。図9は、この特願平9−298867号に記載の洗濯乾燥機の構造図であり、図において1は外箱、2はこの外箱1の上部に配設し洗濯物出し入れ用の開口部3を設けたトップカバーで、蓋4により開口部3の開閉を可能としている。
【0003】
5は外箱1内に洗濯液・濯ぎ液を溜める水槽で、防振装置(図示せず)により外箱1に揺動自在に支持されている。6は水槽5内に回転自在に配設され、複数の脱水孔6aを周壁面に穿設した洗濯兼脱水槽、7は洗濯兼脱水槽6の底面に回転自在に配設する回転翼、8は水槽5の外側底部に配設され回転翼7および洗濯兼脱水槽6の回転の駆動力を提供する駆動装置であり、駆動力を発生させるモータ9と、その駆動力を滅速して伝達するモータプーリ10とベルト11で連結している主軸プーリー12と、ギアー装置13と、このギアー装置13への駆動力を切り替えるクラッチ装置14とで構成される。
【0004】
15は洗濯兼脱水槽6の上端部周縁に取り付けられ、脱水工程における洗擢兼脱水槽6の振動を低減させるリング状のバランサー、16は水槽5の上端からバランサー15の上方を覆うように配設し、洗濯兼脱水槽6の回転による水の飛び散りを押さえるリング状の水槽カバー、18は水槽5の底部に設けた排水弁、40は排水弁18に接続した排水ホース、39は洗濯兼脱水槽6の内壁に設けたバッフルである。
【0005】
19は外箱1を覆うトップカバー2と水槽カバー16との間に形成される空間に設けた温風発生装置であり、ヒーターケース19a内にモータ20aで駆動する送風ファン20bによる送風機20とヒータ21とを配設し、該ヒーターケース19aに一体に形成した送風ダクト34の下端に形成した温風の排気口35を水槽カバー16に形成した温風の吸気口36と離間状態で対向させる。
【0006】
また、洗濯兼脱水槽6と水槽5との間の隙間空間41の上方位置に水槽5の側からの温風の排気口37を、前記ヒーターケース19aに形成した温風の吸気口38の下方に離間状態で対向させて開口する。この場合、ヒーターケース19a内で送風ファン20bは前記吸気口38の上方に位置し、その下流側にヒータ21が配設されることになる。
【0007】
これにより温風発生装置19から供給される温風は、離間位置に対向して配設される排気口35と吸気口36、および、排気口37と吸気口38との箇所で外箱1内に連通し、さらに、外箱1の底部や、外箱1とトップカバー2との隙間などを介して機外である大気と連通する。
【0008】
洗濯兼脱水槽6と水槽5との間の隙間空間41を除湿空間として、ここに除湿機構45を設ける。除湿機構45は一例として、外箱1の上部のトップカバー2などの静止部に冷却水の給水部として、注水孔を有する供給部46を設け、その下方位置で、かつ、洗濯兼脱水槽6の上縁部に配設してあるバランサー15の上面と対向する位置に、前記供給部46と離間させて冷却水を受ける受水部47を水槽カバー16に設けた。図中48は該受水部47に形成した滴下孔を示す。
【0009】
次に、洗い、濯ぎ、脱水の各工程終了後に設定された乾燥工程の動作について説明する。送風ファン20bとヒータ21とが作動することにより、ヒーターケース19a内の空気が加熱されて、温風が発生して送風ダクト34の下端の排気口35から温風が水槽5の側の吸気口36に向かって吹き出し、温風が洗濯兼脱水槽6の内部へと供給される。
【0010】
洗濯兼脱水槽6内に吹き出された温風は、脱水工程が終了して洗濯兼脱水槽6の回転翼7上にある水分を含んだ洗濯物と直接接触し、水分を蒸発させてこれを乾燥させる。洗濯物に含まれた水分を奪って多湿となった温風は、洗濯兼脱水槽6の底部に形成された通気孔や脱水孔6aを経て水槽5と洗擢兼脱水槽6との隙間空間41に流れ込む。
【0011】
この隙間空間41は除湿空間であり、例えば水道栓から供給部46に供給した水道水を受水部47に供給し、滴下孔48から隙間空間41に滴下させる。よって、隙間空間41内の水分を含んだ温風に冷却水が接触して温風を直接冷却することにより、または、隙間空間41の周囲の洗濯兼脱水槽6の側壁や水槽5の側壁を冷却水で冷却することにより温風が間接的に冷却されて、温風に含まれている水分が凝縮して回収される。
【0012】
除湿された温風は、排気口37から吸気口38を介して温風発生装置19へと吸い込まれ、ここで再び加熱されて排気口35、吸気口36を介して洗濯兼脱水槽6内に吹き出される。かかる循環を繰り返して洗濯兼脱水槽6内の洗濯物を乾燥する。このとき、循環する温風の一部は前記のように離間位置に対向して配設される排気口35と吸気口36、および、排気口37と吸気口38との箇所で外箱1内に連通し、さらに、外箱1の底部の開口部1aや、外箱1とトップカバー2との隙間などを介して機外である大気に排出される。
【特許文献1】特開平11−128582号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
乾燥後の水分を含んだ多湿の空気の一部が前記排気口37と吸気38との箇所より外箱1内に洩れ出し、さらに外箱1の底部の開口部1aから機体外に排出されるが、この開口部1aは開口面積が大きく、多湿の空気と洗濯乾燥機の設置場所の床面との間で熱交換が発生し、床面に結露が発生し床面を濡らす。しかも、温風発生装置19から吹き出された温風の一部が排気口35と吸気口36の箇所より洩れ出し洗濯兼脱水槽6内の洗濯物と熱交換されないまま外箱1外に排出されることになり、乾燥効率もよくない。
【0014】
かかる不都合を解消するものとして、温風発生装置の温風の排気口と除湿空間の吸気口、および除湿空間からの温風の排気口と温風発生装置の吸気口との間の隙間を無くして、温風発生装置の吸気口と排気口とを洗濯兼脱水槽と除湿空間内にそれぞれ開口し、温風を循環させる構造とするものもあるが、循環の途中で温風の一部が排気されないと洗濯兼脱水槽内や隙間空間内の温度が高温となり、外箱や水槽カバーなどの製品に使用しているプラスチック部品に過大な熱負荷がかかり、部品変形のおそれがある。
【0015】
また、外箱の上面側では湿度が非常に高くなり、この多湿の空気が外箱やフタを介して外気と熱交換し、その結果、外箱や蓋などに結露が発生し、水タレなどの原因となる。
【0016】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、洗濯兼脱水槽内や、洗濯兼脱水槽と水槽との間の隙間空間内などの外箱内の温度が高温になって、製品に使用しているプラスチック部品がこの熱により変形することを防止するとともに、多湿による外箱の上面側での結露を防止し、外箱から外部に排出される温風の、床面の側への排気量を減少でき、床面における結露を防止できる洗濯乾燥機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は前記目的を達成するため、第1に、外箱と、この外箱内に配設する水槽と、この水槽内に回転自在に配設する洗濯兼脱水槽と、この洗濯兼脱水槽の内に温風を供給する温風供給手段とを具備し、前記温風供給手段は、これに流れる空気の一部を機体外に排出する手段を有する洗濯乾燥機において、外箱上面を覆う上部カバーに設けられた温風供給手段収納部とこれを覆うパネルにより空間を形成し、前記空間中に前記温風供給手段を収納し、前記温風供給手段より排出した空気を前記空間を介して前記パネルに設けた排気口から排出することにより、外箱の底部の開口部からの排気量を低減でき、洗濯機の設置場所の床面が結露で濡れることを防止できるうえ、外箱内が高温多湿になることを排気することにより防げる。
【0018】
第2に、前記温風供給手段に設けた排気口と前記パネルに設けた排気口とは、開口面が全面的には一致しないように位置決めることにより、開口面の開口方向を違えたり、開口方向は同じでも開口面をずらすことで、両排気口の開口面が全面的に重なって対向することがなくなる。その結果、温風供給手段が収納されるパネル下方の空間内に排出空気を十分に回すことができ、この空間内の温度をより効果的に下げることができる。また、パネルに設けた排気口から水が浸入した場合、この水が温風供給手段に設けた排気口から送風ダクト内に直接浸入することを防止でき、送風機やヒータを水から保護できる。
【0019】
第3に、前記パネルの排気口は、パネル天面に形成することにより、洗濯乾燥機を壁面近くに寄せて設置した場合に、排気を壁面とは反対の離れた方向に流すことができ、壁面の結露を防止できる。また、排気口にゴミ侵入防止用のフィルターを装着する場合の作業性がよい。
【発明の効果】
【0020】
以上述べたように本発明の洗濯乾燥機は、第1に、外箱と、この外箱内に配設する水槽と、この水槽内に回転自在に配設する洗濯兼脱水槽と、この洗濯兼脱水槽の内に温風を供給する温風供給手段とを具備し、前記温風供給手段は、これに流れる空気の一部を機体外に排出する手段を有する洗濯乾燥機において、外箱上面を覆う上部カバーに設けられた温風供給手段収納部とこれを覆うパネルにより空間を形成し、前記空間中に前記温風供給手段を収納し、前記温風供給手段より排出した空気を前記空間を介して前記パネルに設けた排気口から排出することにより、外箱の底部の開口部からの排気量を低減でき、洗濯機の設置場所の床面が結露で濡れることを防止できるうえ、外箱内が高温多湿になることを排気することにより防げる。
【0021】
第2に、前記温風供給手段に設けた排気口と前記パネルに設けた排気口とは、開口面が全面的には一致しないように位置決めることにより、開口面の開口方向を違えたり、開口方向は同じでも開口面をずらすことで、両排気口の開口面が全面的に重なって対向することがなくなる。その結果、温風供給手段が収納されるパネル下方の空間内に排出空気を十分に回すことができ、この空間内の温度をより効果的に下げることができる。また、パネルに設けた排気口から水が浸入した場合、この水が温風供給手段に設けた排気口から送風ダクト内に直接浸入することを防止でき、送風機やヒータを水から保護できる。
【0022】
第3に、前記パネルの排気口は、パネル天面に形成することにより、洗濯乾燥機を壁面近くに寄せて設置した場合に、排気を壁面とは反対の離れた方向に流すことができ、壁面の結露を防止できる。また、排気口にゴミ侵入防止用のフィルターを装着する場合の作業性がよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の洗濯乾燥機の第1実施形態を示す要部の縦断側面図で、図9に示した従来例と同一の構成要素には同一の参照符号を付してある。本発明では、外箱1内に配設した水槽5の内部に回転自在に配設した洗濯兼脱水槽6の上方をトップカバー2で覆い、このトップカバー2の上に温風供給手段である温風発生装置19を配設した。
【0024】
該温風発生装置19は、温風供給手段の収納部である送風ダクト34と該送風ダクト34端に設けた送風機20と送風機20の下流側に設けたヒータ21とにより構成されるもので、送風機20は送風ダクト34の外側に取り付けたモータ20aと、送風ダクト34の内側に取り付けた送風ファン20bとで構成される。
【0025】
送風ダクト34は、吸気口38を前記トップカバー2を貫通させて洗濯兼脱水槽6の周壁部より及び外箱1の側壁よりに開口し、排気口35を洗濯兼脱水槽6の中心部に開口するもので、該送風ダクト34の吸気口38側の端部に前記送風機20が位置し、排気口35側にヒータ21が位置する。そして、送風機20とヒータ21の間の送風ダクト34の側壁面に、該送風ダクト34内に流通する空気の一部を機体外に排出するための排気口50を設けた。
【0026】
図中51は洗濯兼脱水槽6内から外箱1への空気の排気口であり、トップカバー2と洗濯兼脱水槽6及び水槽5との間に形成される隙間により形成される。また、52はトップカバー2の上に配設した給水ケースを示す。
【0027】
前記温風発生装置19を構成する送風ダクト34は前記のようにして上部カバー49の上に配設されるものであるが、この送風ダクト34の上方はさらにトップカバー2の上部に取り付けられるパネル53で覆われる。この状態で、温風発生装置19の上部とパネル53の間には空間54が形成され、温風発生装置19はこの空間54内に配設されることになる。
【0028】
そして、パネル53の天面には送風ダクト34に設けた排気口50から排出された空気を機体外に排出する排気口55を設け、該排気口55には水やゴミの侵入を阻止するためのキャップ60を装着した。
【0029】
この場合、送風ダクト34に設けた排気口50とパネル53に設けた排気口55とは開口面が全面的には一致しないように位置決める。図2はその第1例を示し、両排気口50,55の開口方向を異ならせたもので、パネル53側の排気口55がパネル天面に水平に形成されるのに対して、送風ダクト34側の排気口50を該送風ダクト34の側壁面に垂直に形成した。
【0030】
図3は第2例を示し、両排気口50,55の開口方向は同じ水平方向であるが、開口位置を水平方向でずらせて、上方に位置するパネル53の排気口55の直下位置に送風ダクト34側の排気口50が重なって位置しないようにした。
【0031】
また、図4は第3例を示し、送風ダクト34側の排気口50をダクトの上面にら形成する場合であっても、排気口50を筒状に形成し、その開口端を水平方向に向けることもできる。これにより、排気口50の開口端はパネル53の排気口55の開口と対向することがない。
【0032】
前記した第1実施形態は排気口50を送風ダクト34の壁面に形成するものであるが、第2実施形態として、図5〜図7に示すように、送風機20の吹出し口56に送風ダクト34の吸気口38の開口端を垂直位置で対向させるとともに、前記送風機20の吹出し口56と送風ダクト34の吸気口38の開口端との間に、流通する空気の一部を機体外に排出するための隙間を設け、この隙間を排気口57とした。
【0033】
この場合、送風機20側の吹出し口56の開口面積と、送風ダクト34の吸気口38の開口面積は、図5に示すように同じに形成してもよいが、図6に示すように送風機20側の吹出し口56の開口面積の方を大きく、またはこれとは反対に図7に示すように送風ダクト34の吸気口38の開口面積を大きく形成してもよい。
【0034】
そして、これら排気口50,57から排出する空気の量は、温風発生装置19を通過する空気量の30〜60%程度に設定する。これは、乾燥効率が低下してロスが大きくなることを防止しつつ、機体内の温度が高温になりすぎることを防止できる量として実験的に得られたものとして設定した。
【0035】
そして、図8に示すように例えばトップカバー2と外箱1との間の隙間から機体外に排出される空気の排出口58は、外箱1の後面に形成する場合、排出口58の上部に下向きの鍔59を設けて、排出される空気の流れが外箱1の外壁面にそって下方の垂直方向に流れるように構成する。
【0036】
次に洗い、すすぎ、脱水の各工程終了後に設定された乾燥工程の動作について説明する。送風ファン20bとヒータ21とが作動することにより、送風ダクト34内の空気が加熱されて、温風が発生し送風ダクト3内の下端の排気口35から温風が洗濯兼脱水槽6内に向かって吹き出す。
【0037】
この温風は脱水工程が終了して回転翼7上にある水分を含んだ洗濯物と直接接触し、水分を蒸発させてこれを乾燥させる。洗濯物に含まれていた水分を奪って多湿となった温風の一部は、洗濯兼脱水槽6とトップカバー2との間の排気口51から外箱1内に流れ込み、また残りは洗濯兼脱水槽6の上部に開口している吸気口38から送風ファン20bにより送風ダクト34内に吸い込まれる。このとき、外箱1の底部の開口部1aから外部の冷たい空気も外箱1と水槽5との隙間を通って吸気口38から送風ダクト34内に吸い込まれる。
【0038】
吸気口38から吸い込まれた洗濯兼脱水槽6内の温風は、機体外から吸い込まれた冷たい空気と混合し、その一部は送風ダクト34に設けてある排気口50から送風ダクト3の上方の空間54内に排出される。残りの空気は、ヒータ21で再び加熱されて洗濯兼脱水槽6内に供給される。
【0039】
空間54に排出された空気は、この空間54内を流れて上方のパネル53に設けてある排気口55から機体外に排出される。このとき、空間54内を流れる空気は前記のように外箱1の底部の開口部1aから吸い込んだ冷たい外気と混合して温度が多少低下しているものであり、この空気によってヒータ21によって加熱され高温となっている送風ダクト34からの放熱により加熱されている空間54内の温度が下げられる。
【0040】
また、空間54内に排出される空気は、湿度の高い温風に湿度の少ない外気が混合したものであるから、外箱1の上方を覆う蓋4などにおける結露発生を防止できる。さらに、外箱1の底部の開口部1aから冷たい外気を吸い込むことで、外箱1の水槽5との間の空気温度や湿度も低下させることができ、この部分での結露も防止できる。
【0041】
また、パネル53側の排気口55と送風ダクト34側の排気口50とは、開口面の方向を違えたり、方向が同じでも開口面をずらせてあるから、排気口50から排出した空気は排気口55に至るまでの間、空間54内を曲がりながら流れることになり、この空間54内の空気と十分に熱交換できる。そして、排気口55から水が内部に侵入しても、この水が送風ダクト34内に流れ込むことはなく、ゴミの侵入もキャップ60により阻止される。さらに排気口55はパネル53の天面に形成することにより、洗濯乾燥機を壁面近くに寄せて設置した場合に、排気を壁面とは反対の離れた方向に流すことができ、壁面の結露を防止できる。
【0042】
なお、第2実施形態のように送風機20の吹出し口56と送風ダクト34の吸気口38の開口端との間に、流通する空気の一部を機体外に排出するための隙間を設け、この隙間を排気口57とした場合は、パネル53の下方に形成されている空間54内の全方向に温風の一部が排出されるから、空間54内への空気の供給が良好に行われ、ヒータ21からの放出される熱と良好に熱交換される。
【0043】
洗濯兼脱水槽6内から排気口51を通って外箱1内に排出された空気は、外箱の底部の開口部1aから下方の床面に向けて排出されるが、外箱1内の空気の一部は前記のように吸気口38、排気口51、排気口55を通って機体外に強制的に排出されるから、底部の開口部1aからの排出量は減少する。
【0044】
また、外箱1の背面側の排出口58から機体外に排出される空気は、ここに設けた鍔59によって外箱1の外壁にそって下方に流れるように方向付けされる。よって、洗濯乾燥機を室内の壁面の近傍に設置した場合でも、外箱1の排出口58から排出される湿った空気が壁面に直接当たることを阻止でき、壁面の結露を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の洗濯乾燥機の第1実施形態を示す要部の縦断側面図である。
【図2】本発明の洗濯乾燥機の第1実施形態の要部である排気口部分の第1例の縦断側面図である。
【図3】本発明の洗濯乾燥機の第1実施形態の要部である排気口部分の第2例の縦断側面図である。
【図4】本発明の洗濯乾燥機の第1実施形態の要部である排気口部分の第2例の縦断側面図である。
【図5】本発明の洗濯乾燥機の第2実施形態の要部である排気口部分の第1例の縦断側面図である。
【図6】本発明の洗濯乾燥機の第2実施形態の要部である排気口部分の第2例の縦断側面図である。
【図7】本発明の洗濯乾燥機の第2実施形態の要部である排気口部分の第3例の縦断側面図である。
【図8】本発明の洗濯乾燥機の機体外への排出口部分の縦断側面図である。
【図9】従来の洗濯乾燥機の縦断側面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 外箱, 1a 開口部, 2 トップカバー,3 開口部, 4 蓋, 5 水槽,6 洗濯兼脱水槽, 6a 脱水孔, 7 回転翼,8 駆動装置, 9 モータ,
10 モータプーリ,11 ベルト, 12 主軸プーリー, 13 ギアー装置,
14 クラッチ装置, 15 バランサー, 16 水槽カバー,18 排水弁,
19 温風発生装置,19a ヒーターケース, 20 送風機,20a モータ,20b 送風ファン, 21 ヒータ,32 内蓋, 34 送風ダクト,35 排気口,
36 吸気口, 37 排気口,38 吸気口,39 バッフル,40 排水ホース,41 隙間空間,45 除湿機構,46 供給部,47 受水部,48 滴下孔,50 排気口,51 排気口, 52 給水ケース,53 パネル, 54 空間,55 排気口,56 吹出し口,57 排気口,58 排出口,59 鍔,60 キャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外箱と、この外箱内に配設する水槽と、この水槽内に回転自在に配設する洗濯兼脱水槽と、この洗濯兼脱水槽の内に温風を供給する温風供給手段とを具備し、前記温風供給手段は、これに流れる空気の一部を機体外に排出する手段を有する洗濯乾燥機において、
外箱上面を覆う上部カバーに設けられた温風供給手段収納部とこれを覆うパネルにより空間を形成し、前記空間中に前記温風供給手段を収納し、前記温風供給手段より排出した空気を前記空間を介して前記パネルに設けた排気口から排出することを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項2】
前記温風供給手段に設けた排気口と前記パネルに設けた排気口とは、開口面が全面的には一致しないように位置決めることを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項3】
前記パネルの排気口は、パネル天面に形成することを特徴とする請求項1または請求項2記載の洗濯乾燥機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−550(P2009−550A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−221481(P2008−221481)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【分割の表示】特願平11−82835の分割
【原出願日】平成11年3月26日(1999.3.26)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000004422)日本建鐵株式会社 (152)
【Fターム(参考)】