説明

洗濯機および洗濯乾燥機

【課題】 洗濯機や洗濯乾燥機など洗濯機能を有する機器においても、衣類の黄ばみや防黴、防臭を図ることができ、衣類の傷みや機器の汚れを防止できる洗濯機および洗濯乾燥機を得る。
【解決手段】 外箱1と、この外箱1内に洗濯兼脱水槽3を回転自在に配設し、外気を吸込み、洗濯兼脱水槽3内に外気を供給する手段を備える洗濯機において、供給する外気の吹出口周辺または外気の供給通路周辺に、揮発性の抗酸化成分を含有する材料である抗酸化剤17を搭載し、前記洗濯兼脱水槽3内に抗酸化成分を拡散させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は洗濯機および洗濯乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
洗濯乾燥機は、衣類の洗濯行程に続けて洗濯兼脱水槽内の衣類に温風を接触させて乾燥させる乾燥行程を備えるものであるが、衣類の乾燥のみを行なうものとして衣類乾燥機が周知である。かかる衣類乾燥機において、回転ドラムに温風を供給して衣類を乾燥させるとともに、少なくとも抗菌性、抗黴性、防臭性、防虫性のいずれか一種の性状を有する薬剤を揮発拡散させて衣類に抗菌、抗黴、防臭、防虫処理ができるようにしたものがある。
【0003】
これは、例えば、衣類を転動攪拌する回転ドラム内への送風経路に乾燥用ヒータを設け、回転ドラムと熱交換型ファンをモータにより駆動して回転ドラム内に温風を送り、回転ドラム内に少なくとも抗菌性、抗黴性、防臭性、防虫性のいずれか一種の性状を有する薬剤を気化供給する薬剤供給手段と、前記薬剤供給手段を加熱する加熱手段とを備えるものである(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また、他の例として、衣類を転動攪拌する回転ドラム内へ乾燥用空気を供給し、乾燥用空気を供給する循環ダクトに乾燥用空気を加熱するヒータを設け、回転ドラム内に少なくとも抗菌性、抗黴性、防臭性、防虫性のいずれか一種の性状を有する薬剤を気化供給する薬剤供給手段を設け、この薬剤供給手段を乾燥用空気が持つ熱により加熱し薬剤を気化供給するようにしている(例えば特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平9−24193号公報
【特許文献2】特開平9−38388号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来技術は、衣類の乾燥のみを目的とした衣類乾燥機において抗菌、抗黴、防臭、防虫処理をなすもので、衣類の乾燥に深くかかわり、その前段階である衣類の洗浄を行なう洗濯機や、洗濯の行程と乾燥行程とを続けて行なう機能を有する洗濯乾燥機においては、衣類の防臭、防虫などを目的とした処理はなされていないため、衣類の抗菌、抗黴、防臭、防虫管理としては十分なものとはいえなかった。
【0007】
この発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、洗濯機や洗濯乾燥機など洗濯機能を有する機器においても、衣類の黄ばみや防黴、防臭を図ることができ、衣類の傷みを防止できる洗濯機および洗濯乾燥機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は前記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、外箱と、この外箱内に洗濯兼脱水槽を回転自在に配設し、外気を吸込み、洗濯兼脱水槽内に外気を供給する手段を備える洗濯機において、供給する外気の吹出口周辺または外気の供給通路周辺に、揮発性の抗酸化成分を含有する材料を搭載し、前記洗濯兼脱水槽内に抗酸化成分を拡散させることを特徴とする。
【0009】
請求項1記載の本発明によれば、洗濯後の衣類を乾燥させるために吹出口から洗濯兼脱水槽内に外気を供給するとき、吸込んだ外気は吹出口周辺や供給通路周辺に搭載した揮発性の抗酸化成分を含有する材料の中を通過するから、洗濯兼脱水槽内に供給される外気にこの抗酸化成分が含まれることになり、洗濯兼脱水槽内に抗酸化成分が拡散される。よって、洗濯兼脱水槽内にある衣類にこの抗酸化成分が付着し、汚れ残りや洗剤残りから発生する衣類の黄ばみを抑制し、また、防黴、防虫も図れる。
【0010】
請求項4記載の本発明は、外箱と、この外箱内に洗濯兼脱水槽を回転自在に配設し、この洗濯兼脱水槽に駆動用のモータを接続し、乾燥行程時には洗濯兼脱水槽内に温風を供給する手段を備える洗濯乾燥機において、供給する温風の吹出口周辺または温風の供給通路周辺に、揮発性の抗酸化成分を含有する材料を搭載し、前記洗濯兼脱水槽内に抗酸化成分を拡散させることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の本発明によれば、乾燥行程で衣類を乾燥させるとき、温風の吹出口から洗濯兼脱水槽内に吹出される温風は、吹出口周辺や温風の供給通路周辺に搭載した揮発性の抗酸化成分を含有する材料の中を通過するから、洗濯兼脱水槽内に供給される外気にこの抗酸化成分が含まれることになり、洗濯兼脱水槽内に抗酸化成分が拡散される。よって、洗濯兼脱水槽内にある衣類にこの抗酸化成分が付着し、汚れ残りや洗剤残りから発生する衣類の黄ばみを抑制し、また、防黴、防虫も図れる。そして、抗酸化成分を含有する材料は温風で加温されるから、揮発しやすくなり、黄ばみ防止や防黴、防虫効果が高まる。
【発明の効果】
【0012】
この発明の洗濯機および洗濯乾燥機は、外箱と、この外箱内に洗濯兼脱水槽を回転自在に配設し、外気を吸込み、洗濯兼脱水槽内に外気を供給する手段を備える洗濯機において、供給する外気の吹出口周辺または外気の供給通路周辺に、揮発性の抗酸化成分を含有する材料を搭載し、前記洗濯兼脱水槽内に抗酸化成分を拡散させることを特徴とする。
【0013】
これにより、洗濯後の衣類を乾燥させるために吹出口から洗濯兼脱水槽内に外気を供給するとき、吸込んだ外気は吹出口周辺や供給通路周右辺に搭載した揮発性の抗酸化成分を含有する材料の中を通過するから、洗濯兼脱水槽内に供給される外気にこの抗酸化成分が含まれることになり、洗濯兼脱水槽内に抗酸化成分が拡散される。よって、洗濯兼脱水槽内にある衣類にこの抗酸化成分が付着し、汚れ残りや洗剤残りから発生する衣類の黄ばみを抑制し、また、防黴、防虫も図れるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
実施の形態1.
以下、図面についてこの発明の実施の形態を詳細に説明する。図1はこの発明の第1実施形態を示す洗濯機の縦断側面図で、洗濯兼脱水槽内に外気を供給する手段を備えるものであり、かかる洗濯機の全体構成から説明する。
【0015】
外箱1内に水槽2を防振装置を介して揺動自在に吊支し、この水槽2内に底部に回転翼4を設けた洗濯兼脱水槽3を回転自在に配設し、水槽2の上端縁には、洗濯兼脱水槽3の上部の開口縁に取付けたバランサ6の上方を覆うようにして水槽カバー5が取り付けてある。また、外箱1の上部には水槽カバー5の上方を覆うようにして蓋7を設けたトップカバー8が配設される。
【0016】
水槽2の底部の下方に、モータ9を配設し、このモータ9から下方に向けて突出する駆動軸にプーリ10aと一体の冷却用のモータファン10を結合し、同じく水槽2の底部の下方に配設した減速機構11の回転軸に連結したプーリ12とをベルト13で連結した。
【0017】
かかる構成の洗濯機において、洗濯兼脱水槽3内に外気を供給する手段として前記蓋7に吸気口7aを形成し、洗濯兼脱水槽3に供給された外気を排出する手段として回転翼4に通気孔14を形成し、洗濯兼脱水槽3の底部に排水兼排気孔15を設け、また、外箱1の上部後壁面に排出口16を形成した。
【0018】
さらに、この発明では供給する外気の吹出口の周辺箇所として図1に示すように吸気口7aの下部または図示は省略するが外気の供給通路周辺として蓋7の下方位置でトップカバー8内に、揮発性の抗酸化成分を含有する材料である抗酸化剤17を搭載する。
【0019】
揮発性の抗酸化成分を含有する材料は、衣類の汚れ残りや洗剤残りから発生する黄ばみを抑制し、また、衣類の防黴、防臭効果も期待できるものとして、例えば、天然素材のローズマリーなどのハーブを使用し、このような材料を粉末の状態にして例えばティーバッグの袋のようなカートリッジ方式の容器に充填する。この容器は外気の供給を妨げない構造のものとする。
【0020】
次ぎに作用について説明する。洗い行程、すすぎ行程、脱水行程が自動的に進行し、脱水行程の終了後、洗濯物18に含まれている水分をさらに減少させるたため、洗濯兼脱水槽3、または洗濯兼脱水槽3と回転翼4とを回転させる。この洗濯兼脱水槽3と回転翼4の回転作用により遠心力が発生すると同時に、洗濯兼脱水槽3の上方に位置する吸気口7aから外気が洗濯兼脱水槽3内に取り入れられる。
【0021】
吸気口7aから吸込まれる外気は、ここを通過する際に、抗酸化剤17の中を通りぬける。これにより外気は抗酸化剤17の成分を含んだものとなり、このような外気が洗濯兼脱水槽3内に拡散されて洗濯物18に接触する。その結果、洗濯物18はこれに含まれている水分が気化され水分量が減少するとともに、外気に含まれた抗酸化剤17の成分が付着することによって汚れ残りや洗剤残りから発生する黄ばみや油汚れによる酸化が抑制され、防黴、防臭も図れる。また、洗濯物18だけでなく、洗濯機の機体も抗酸化成分に接触することで同様の効果が得られる。
【0022】
洗濯物18と接触して水分を含んだ外気の一部は回転翼4に多数形成された通気孔14から洗濯兼脱水槽3の底部に形成した排水兼排気孔15を通って、洗濯兼脱水槽3外に流れ出て、洗濯兼脱水槽3と水槽2との隙間を通って外箱1の上部後壁面に形成した排出口16から機外へと排出される。
【0023】
また、残りの外気は、洗濯兼脱水槽3の上部の衣類投入口である開口から外箱1内に排出され、ここから排気口16へと直接流れ出る。
【0024】
以上のようにして吸気した外気に抗酸化剤17の成分を混入してこれを洗濯物18に付着させるものであるが、外気の取込み量を制御することで抗酸化成分の拡散量を可変とすることができる。
【0025】
外気の取込み量の制御は、洗濯兼脱水槽3や回転翼4の回転数、すなわちモータ9の回転数を可変とし、または、回転速度を変化させることで、洗濯兼脱水槽3内に圧力を発生させ、外気を取込みやすくして、外気の流れに強弱をつける。これにより、洗濯物18の水分の気化蒸発を促進させることができるだけでなく、抗酸化成分の拡散量も増加でき、効率よく拡散できる。また、回転方向を左右に可変とすれば、取込んだ外気の流れが変わり、洗濯物18をほぐす作用が発生し、洗濯物18に満遍なく外気を当てることができて、抗酸化成分も洗濯物18の各部に均等に付着させることができるようになる。
【0026】
洗濯兼脱水槽3の回転終了後に回転翼4のみを回転させて洗濯兼脱水槽3内の洗濯物18を掻き落とし、ほぐすようにすることでも洗濯物18に抗酸化剤17の成分を含んだ外気を満遍なく接触させることができる。
【0027】
図2は第2実施形態を示し、脱水行程の次ぎに乾燥行程を設けた洗濯乾燥機に実施する場合である。洗濯乾燥機の構成を説明すると、基本構成は図1に示した全自動一槽式洗濯機と同様であり、同一の構成要素には同一の参照符号を付してここでの詳細な説明は省略する。
【0028】
洗濯乾燥機は、第1実施形態の洗濯機の構成に加えて、乾燥行程時に洗濯兼脱水槽3内に温風を供給する手段として、モータファン10をファンケーシング19で覆い、このファンケーシング19に一端を開口する送風ダクト20を水槽2の外壁にそって立ち上げ、この送風ダクト20の上端を水槽カバー5の開口縁に開口する。
【0029】
送風ダクト20は、水槽2に沿ってこれと平行に立ち上がる箇所では、水槽2の外壁をダクト壁と共用し、水槽2の外壁で送風ダクト20の一部を構成する。また、送風ダクト20の上部の開口20aも水槽カバー5の開口縁で開口20aの一部を構成する。
【0030】
そして、送風ダクト20の内部に加熱手段としてのヒータ21および送風ファン22を配設する。
【0031】
かかる構成の洗濯乾燥機において、この発明ではさらに送風ダクト20の吹出口である開口20aの周辺、または、図示は省略するが送風ダクト20の内部などの周辺に、揮発性の抗酸化成分を含有する材料である抗酸化剤17を搭載する。
【0032】
揮発性の抗酸化成分を含有する材料は、第1実施形態と同様に衣類の汚れ残りや洗剤残りから発生する黄ばみを抑制し、また、衣類の防黴、防臭効果も期待できるものとして、例えば、天然素材のローズマリーなどのハーブを使用し、このような材料を粉末の状態にして例えばティーバッグの袋のようなカートリッジ方式の容器に充填する。この容器は外気の供給を妨げない構造のものとする。
【0033】
また、抗酸化剤17は後述のように温風により加熱されるものであることから、常温での揮発を防止するために高温で揮発するようにしておく。
【0034】
図3は、抗酸化剤17の装着場所である水槽カバー5の具体例の一例を示し、水槽カバー5に抗酸化剤17の装填用の扁平な凹部5aを形成する。この凹部5aは、送風ダクト20および開口20aに連通するものであり、底部に多数の通気孔23を穿設する。図中5bは凹部5aを覆うカバーを示す。
【0035】
次ぎに作用について説明する。乾燥行程でヒータ21と送風ファン22に通電すれば、ヒータ21で加熱された空気が送風ダクト20の吹出口である開口20aから洗濯兼脱水槽3内に吹出す。このとき、水槽カバー5の凹部5aに装填されている抗酸化剤17の部分を温風が通過することで、開口20aおよび孔23から洗濯兼脱水槽3内に吹出す温風には抗酸化剤17の成分が含まれる。また、抗酸化剤17は温風によって加熱されるから揮発しやすくなり、効率よく空気中に取込まれる。
【0036】
このようにして抗酸化剤17の抗酸化成分を含有した空気は、洗濯兼脱水槽3内に拡散されて洗濯物18に接触する。その結果、洗濯物18はこれに含まれている水分が気化され水分量が減少するとともに、外気に含まれた抗酸化剤17の成分が付着することによって汚れ残りや洗剤残りから発生する黄ばみや油汚れによる酸化が抑制され、防黴、防臭も図れる。また、洗濯物18だけでなく、洗濯機の機体も抗酸化成分に接触することで同様の効果が得られる。
【0037】
また、乾燥行程で洗濯兼脱水槽3内に温風を供給する場合、前記のようにヒータ21と送風ファン22を使用することなく、モータ9の排熱を利用することもできる。この場合は、モータ9に通電すれば、モータ冷却用のモータファン10が回転し、モータ9の排熱により暖められた空気が温風としてモータファン10により送風ダクト20を介して吹出口である開口20aに送られ、ここから洗濯兼脱水槽3内に送風され、洗濯兼脱水槽3内の洗濯物18に当てられる。
【0038】
このようにモータ9の排熱を利用して温風を洗濯兼脱水槽3内に供給する場合も、ヒータ21で加熱した温風を供給する場合と同様に、温風は吹出す際に抗酸化剤17を通過するから、ここで抗酸化成分が含まれる。よって、抗酸化成分が含まれた温風が洗濯兼脱水槽3内に供給される。
【0039】
温風の温度および温風の供給量はこれを制御することができ、これにより洗濯兼脱水槽3内への抗酸化成分の拡散量を可変とすることができる。温風の温度および温風の供給量の制御は、ヒータ21を使用する場合は、ヒータ21の温度と送風ファン22の風量を変えることで行ない、モータ9の排熱を利用する場合は、モータファン10の回転数を変えることで行なう。
【0040】
図4は、洗濯乾燥機を回転ドラム式とした場合であり、これは前部に衣類の出し入れ用の扉33を設けた外箱34内に配設した水槽となるケーシング35の内部に洗濯兼脱水槽となる回転ドラム36を軸着したもので、回転ドラム36およびケーシング35の背面側には吸気口31が形成され、前面側には排気口32が形成されている。
【0041】
前記ケーシング35の底部の下方に位置させてモータ24を外箱34に固定し、このモータ24の回転駆動軸に送風ファン25とこの送風ファン25に一体のプーリ29を取り付け、このプーリ29を回転ドラム36の回転軸に取り付けたプーリ28とベルト30で連結する。
【0042】
前記送風ファン25をファンケーシング26で覆い、このファンケーシング26に一端を開口する送風ダクト27を外箱34の内壁にそって立ち上げ、この送風ダクト27の上端を吸気口31に開口する。
【0043】
送風ダクト27は、外箱34に沿ってこれと平行に立ち上がる箇所では、外箱34の内壁面に密着させる。
【0044】
かかる構成の回転ドラム式の洗濯乾燥機において、この発明では前記構成に加えて、前記吸気口31に抗酸化剤17を搭載する。この抗酸化剤17の搭載手段は前記図1に示した洗濯機と同様であり、粉末状の抗酸化剤17を容器に充填したものを吸気口31に装着する。また、抗酸化剤17の構成も前記図1、図2に示した実施形態と同様であるから、ここでの詳細な説明は省略する。
【0045】
乾燥行程で回転ドラム36内の衣類を乾燥するには、モータ24に通電すれば、モータ冷却用の送風ファン25が回転し、モータ24の排熱で暖められた空気が温風として送風ファン25により送風ダクト27を介して上方の吸気口31に送られ、ここから回転ドラム36内に送風される。
【0046】
このとき、吸気口31に装填されている抗酸化剤17の部分を温風が通過することで、回転ドラム36内に吹出す温風には抗酸化剤17の成分が含まれる。また、抗酸化剤17は温風によって加熱されるから揮発しやすくなり、効率よく空気中に取込まれる。
【0047】
このようにして抗酸化剤17の抗酸化成分を含有した空気は、回転ドラム36内に拡散されて洗濯物18に接触する。その結果、洗濯物18はこれに含まれている水分が気化され水分量が減少するとともに、外気に含まれた抗酸化剤17の成分が付着することによって汚れ残りや洗剤残りから発生する黄ばみや油汚れによる酸化が抑制され、防黴、防臭も図れる。また、洗濯物18だけでなく、洗濯乾燥機の機体も抗酸化成分に接触することで同様の効果が得られる。
【0048】
なお、抗酸化剤17を水溶性のものとすれば、洗濯機や洗濯乾燥機の脱水行程や、洗濯乾燥機の乾燥行程において洗濯物をほぐす目的でミスト(霧状の水)を噴射する際に、この噴射水に抗酸化剤17を混入することも可能である。
【0049】
また、洗濯槽カバーを設けた洗濯機においては、この洗濯槽カバーに外気または温風の吹出口の機能と抗酸化剤の収納ケースの機能とを付与することもできる。
【0050】
さらに、抗酸化剤17の防水、防湿を図るために、収納容器に防水、防湿機能および構造をもたせたり、抗酸化剤であるローズマリーなどのハーブに対して防水、防湿効果のある除湿剤をブレンドすることも可能である。
【0051】
前記実施形態は洗濯機能を備えた機器に実施したが、乾燥機能だけを備える機器にも実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】この発明の第1実施形態である洗濯機の縦断側面図である。
【図2】この発明の第2実施形態である洗濯乾燥機の第1例を示す縦断側面図である。
【図3】この発明の第2実施形態である洗濯乾燥機の要部の水槽カバーの分解斜視図である。
【図4】この発明の第2実施形態である洗濯乾燥機の第2例を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
【0053】
1 外箱 2 水槽
3 洗濯兼脱水槽 4 回転翼
5 水槽カバー 5a 凹部
5b カバー 6 バランサ
7 蓋 7a 吸気口
8 トップカバー 9 モータ
10 モータファン 10a プーリ
11 減速機構 12 プーリ
13 ベルト 14 通気孔
15 排水兼排気孔 16 排出口
17 抗酸化剤 18 洗濯物
19 ファンケーシング 20 送風ダクト
20a 開口 21 ヒータ
22 送風ファン 23 孔
24 モータ 25 送風ファン
26 ファンケーシング 27 送風ダクト
28 プーリ 29 プーリ
30 ベルト 31 吸気口
32 排気口 33 扉
34 外箱 35 ケーシング
36 回転ドラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外箱と、この外箱内に洗濯兼脱水槽を回転自在に配設し、外気を吸込み、洗濯兼脱水槽内に外気を供給する手段を備える洗濯機において、供給する外気の吹出口周辺または外気の供給通路周辺に、揮発性の抗酸化成分を含有する材料を搭載し、前記洗濯兼脱水槽内に抗酸化成分を拡散させることを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
前記洗濯兼脱水槽の内外への抗酸化成分の拡散量は、外気の取込み量を制御することで、これに応じて可変とすることを特徴とする請求項1記載の洗濯機。
【請求項3】
前記外気の取込み量の制御は、洗濯兼脱水槽および洗濯翼を回転させる駆動モータの回転数により調整することを特徴とする請求項1または請求項2記載の洗濯機。
【請求項4】
外箱と、この外箱内に洗濯兼脱水槽を回転自在に配設し、この洗濯兼脱水槽に駆動用のモータを接続し、乾燥行程時には洗濯兼脱水槽内に温風を供給する手段を備える洗濯乾燥機において、供給する温風の吹出口周辺または温風の供給通路周辺に、揮発性の抗酸化成分を含有する材料を搭載し、前記洗濯兼脱水槽内に抗酸化成分を拡散させることを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項5】
前記洗濯兼脱水槽内への抗酸化成分の拡散量は、温風の温度および温風の供給量を制御することで、これに応じて可変とすることを特徴とする請求項4記載の洗濯乾燥機。
【請求項6】
前記温風供給手段は、ヒータと送風ファンとをそれぞれ温風通路内に配設し、ヒータ温度とファンの風量により温風の供給量を可変できることを特徴とする請求項4または請求項5記載の洗濯乾燥機。
【請求項7】
前記温風供給手段は、駆動モータ付近の熱をモータファンにより温風供給通路を介して送風し、モータ付近の温度とモータファンの回転数により温風の供給量を可変とすることを特徴とする請求項4または請求項5記載の洗濯乾燥機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−119495(P2008−119495A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−339652(P2007−339652)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【分割の表示】特願2003−150917(P2003−150917)の分割
【原出願日】平成15年5月28日(2003.5.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000004422)日本建鐵株式会社 (152)
【Fターム(参考)】