説明

活性物質を含有するフィルムのための包装、およびその製造方法

活性物質を含有するフィルム(1、1’)のための包装(10)であり、該包装(10)は、キャリア層(8)およびキャリア層に開放可能に連結したカバー層(7)を有し、対の配置にある2つの対照的な表面領域(3、3’)を有し、これらは互いに向かい合っており、ウェブ(5)によって互いに分離され、それらの中で、カバー層(7)は、キャリア層(8)に連結せず、その結果、前記フィルム(1、1’)を対になって受け容れるための、互いに分離され、全ての側面が囲まれた2つの空間が形成される。前記ウェブ(5)内に、さらなる表面領域(4)が存在し、該表面領域(4)において、キャリア層は、カバー層に連結せず、その結果、全ての側面が囲まれた空洞(4a)が形成される。少なくとも1つのミシン目線(6)が、ウェブ(5)内に存在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は活性物質含有フィルムのための、特に薬学的活性物質を含有するフィルムのための包装に関する。さらに、本発明は、それらの包装の、活性物質含有フィルムの包装のための使用、および本発明の包装が得られる製造方法に関する。本発明の包装は特に活性物質含有フィルムのチャイルドプルーフ(child-proof)包装に適している。
【背景技術】
【0002】
薬物療法において、錠剤、カプセルなど、知られた投与の形態に加えて、「ウエファー」として知られている活性物質含有フィルムが薬物を投与するために、とりわけ経口投与に利用されている。これらは活性物質含有フィルムからなる薄いウエファーまたはストリップであり、これらのウエファーまたはストリップは、投薬される活性物質の量によって、その厚みおよび面積を調整される。ウエファーは一般的に柔軟性があり、柔らかく、軽く、引き裂くことができる。このタイプのフィルム状薬物の全体の厚みは5μmから5mmであってよく、たいてい50μmから1mmである。
【0003】
表面の形は、円形、楕円形、三角形または四角形または多角形の形状でもよく、またはあらゆる所望の方法で丸まった形を有してよい。全ての分類の薬物、例えば鎮痛剤または向精神薬あるいは喫煙癖を治療するためのニコチンなどを活性物質と考えてよい。後に患者に投与される、活性物質含有フィルムに含有される活性物質は、フィルムから放出され、その後再吸収されることができる。
【0004】
活性物質含有フィルムは活性物質を含有しているため、許可されていない人間によって、特に子どもによって、抽出および摂取または嚥下されないようなやり方で、それらを包装することが所望されるかまたは絶対に必要である。開封操作は少なくとも妨げられまたは遅らせられるべきであるが、一方で、かかるチャイルドプルーフ包装は、それにもかかわらず、然程の労力も道具の助けもなくとも、大人によって容易に開けることができるべきである。
【0005】
既知の製品(Theraflu(登録商標)、Novartis AG)において、活性物質含有フィルムストリップは、シールの継ぎ目によってお互いに連結しているキャリア層およびカバー層の間に封入されている。かかる包装(90)は、図1中に、上面図として図示されている。二つの包装材シート(キャリア層およびカバー層)は、斜線部分の領域で、お互いにシールされている。包装は外部シールマージン(92)を有し、バッグの内部空間をさらに分割し、それによって二つの構成部分(93、94)に形成するウェブ(95)もまた有する。第一の空間(93)は包装された活性物質含有フィルムストリップ(91)を含有し、第二の空間(94)は空であり、チャイルドプルーフ引裂開封補助部を形成する役割を果たす。この目的のため、包装は、外部シールマージン領域に、外部マージンから間隔をあけて、ミシン目または打抜き(96)を備える。
【0006】
包装を開けるためには、包装を線(y)に沿って曲げなければならず、その結果として、第二の空間(94)の表面領域を通る線(x)に沿って、包装を破くことが可能となる。裂くことまたは引きちぎることによって、自由に利用できるキャリア層およびカバー層の末端部分が形成され、これが把持補助部の役割を果たし、キャリア層からカバー層を引きはがすことを可能にし、その結果包装内容物(91)が利用可能となる。構造物の結果によって開封操作を妨げることは、実質的に包装をチャイルドプルーフにすることに貢献する。
【0007】
しかしながら、上記の知られた包装は、かなりの不利点も有する。引裂開封補助部(94)の形成に必要な面積が比較的大きく、フィルムストリップを受け容れることを対象とした区画(93)の面積の約30%となるため、材料の観点から、包装されるフィルムストリップの大きさに対して経費がとても高く、製品コストが増大する。包装される内容物を封入するのに有用な面積(93)は、包装の総面積に関してとても低く、約40%である。これは、製造における材料の消費を増大させるだけでなく、貯蔵に要求される空間も増大する。
【0008】
加えて、上記の包装において、キャリア層とカバー層とがお互い開放可能に連結されるシールの継ぎ目は、包装の総面積のかなりの割合を占め、正確には約30%となる。その結果、製造スピードは対応して低下せざるをえず、したがって、その結果今度は製造コストが増大する。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、したがって、活性物質含有フィルムのための包装およびその目的に適した製造方法を提供することであった一方、同時にこの包装は、活性物質含有フィルムのチャイルドプルーフ包装を可能にするが、上記の欠点を回避または減らす。特に、目標は、材料の使用を減らすこと、製造スピードを上げることおよび包装の面積のより良い利用を可能にすることであった。
【0010】
この目標は、本発明によると、キャリア層およびそれに開放可能に連結したカバー層を有する活性物質含有フィルムのための包装により達成され、
− 包装は、対の配置で2つの対照的な表面領域を有し、それらはウェブによって互いに分離され、それらの中で、カバー層は、キャリア層に連結せず、その結果、前記フィルムを対になって受け容れるための、互いに分離され、全ての側面が囲まれた2つの空間が形成される;
− 前記ウェブ内に、さらなる表面領域が存在し、ここでキャリア層は、カバー層に連結せず、その結果、全ての側面が囲まれた空洞が形成される;
− 少なくとも1つのミシン目線が、ウェブ内に存在する。
【0011】
活性物質含有フィルムストリップを受け容れるための2つの向かい合った空間の対の配置により、包装の総面積の最適な利用、およびその結果、材料の消費の削減がもたらされる。2つ続きの包装のウェブの領域に配置されている引裂開封補助部を形成するさらなる表面領域によって、この目的に必要な面積は、包装された内容物を収容することを意図する表面領域に対して小さくなる。さらに、前記表面領域の本発明による配置により、ウェブの領域のカバー層をキャリア層に連結するシールの継ぎ目が、包装の外部マージンの周辺のシールの継ぎ目よりも実質的に狭い形状を有するようにすることが可能である。全体に、シールによって連結される表面の削減が、これによって達成され、より速い製造スピードが可能となる。加えて、本発明の包装はまた、上記の既知の製品と同様に、活性物質含有製品のチャイルドプルーフ包装が可能となる特徴を有する。
【0012】
活性物質含有フィルムが対に包装されることにより、2倍の数の活性物質含有フィルムを、シール操作の所定時間幅で包装することができる。これによって、製造スピードのさらなる増加がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】既知の製品の上面図である。
【図2A】図2Aは、本発明の包装(10)の上面図である。
【図2B】図2Bは、図2Aの面(a)の断面を示す図である。
【図3A】図3Aは、本発明の包装のさらなる態様の上面図である。
【図3B】図3Bは、本発明の包装のさらなる態様の上面図である。
【図3C】図3Cは、本発明の包装のさらなる態様の上面図である。
【図3D】図3Dは、本発明の包装のさらなる態様の上面図である。
【図4】図4は、同様に上面図であり、製造中の状態で、縦方向に一方の後ろに他方が配置される2つの包装を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の包装は、それらに含まれる活性物質(単数)または活性物質(複数)の種類または用量により、通例、包装から同時にまたは短時間の間隔で連続して取り出される活性物質含有フィルムの対になった包装に、特に好適である。この状況は、例えば、鎮痛剤の場合、痛みの強さにより、2倍の用量を投与する必要があるときにしばしば生じる。さらに、本発明の包装は、活性物質の組合せを投与する目的のために、異なる活性物質を含み、包装からその都度対で取り出すフィルムの対になった包装に特に使用してもよい。
【0015】
紙、ボール紙、プラスチックフィルム(例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、セロファン、ポリアミド類、ポリカーボネート類、エチレン酢酸ビニル共重合体)、および金属箔(例えば、アルミニウムホイル)、また前記材料から構成される複合材料からなる包装材を、キャリア層およびカバー層を製造するために考慮してもよい。さらに好ましいフィルム材料は、Barex(登録商標)(BP Chemicals)というアクリロニトリルおよびブタジエンの共重合体である。その良好なバリア性および耐薬品性のため、それは、攻撃的なおよび/または揮発性の活性物質、例えばニコチンの内容物を有する薬物の包装に特に好適である。
【0016】
分裂、鋭利物などによる包装の許可されていないまたは不注意な破壊を排除するために、2つの包装材の構成要素(キャリア層、カバー層)のそれぞれが十分な引裂強度(例えば、DIN 53455またはEN-ISO 527に準じる)を有することが必要である。この目的に適した材料は、当業者に知られている。キャリア層およびカバー層の厚さは、好ましくは0.01〜2mm、特に0.05〜0.5mmの範囲である。本発明の好ましい態様において、包装のキャリア層の厚さは、カバー層よりも大きい。
【0017】
キャリア層およびカバー層は、同じ材料または異なる種類の材料から製造してもよい。好ましくは、2つの包装材部分(キャリア層、カバー層)の少なくとも1つは、透明な材料(例えば、透明プラスチックフィルム)からなる。
さらに、本発明は、1つの包装材部分または両方の包装材部分が色に関して同一または別の色である態様を包含し、それぞれの場合透明または不透明であってもよい。
【0018】
例えばキャリアシートは、プラスチックと紙(またはボール紙)とからなる非透明な複合材料(例えば、ポリエチレンコーティングされたまたはポリエチレンテレフタレートコーティングされた紙)から製造してもよく、カバー層は、透明な無色のまたは着色されたプラスチックフィルムから製造してもよい。空気、光および水蒸気の透過性を下げるために、キャリア層および/またはカバー層の少なくとも1つの表面を金属化(例えば、アルミニウムでコーティングする)ことは有益である。
【0019】
本発明の包装は、可能な限り多様な幾何学的形状(例えば、長方形、台形、楕円形)で、異なる面積で製造することができる。表面の範囲は一般的に、包装された内容物(例えば、ウエファー)の大きさに依存し、通常、10〜100cmの範囲である。包装された内容物を受け容れるための第一の表面領域の大きさは同様に、包装される物品の表面の範囲に依存して、広範囲の中で様々であり得る。キャリアシートおよびカバー層は、同一の形および大きさであってもよいが、カバー層がキャリア層よりも小さいおよび/またはキャリア層からずれた幾何学的形状を有する態様もまた、提供する。
【0020】
キャリア層は、他の剥がすことができる包装から知られているように、特にカバー層を指の力により道具の助けを借りずにキャリア層から離すことができるように、カバー層に開放可能に連結される。
【0021】
カバー層とキャリア層との間の開放可能な連結は、好ましくはシールまたは溶接によって行われ、シールの継ぎ目またはシール面を作り出す好ましい手段および方法は、当業者に知られている。シールは、拡散および浸透バリアの役目を果たし、一般的に活性物質および大気湿度に対して不浸透性である。ホットシール方法およびコールドシール方法の両方を考慮することができる。シール層に使用される材料は、例えば、ホットメルト接着剤(ホットメルト、例えばポリエチレンLDベースのもの)、シール塗料、シール分散剤または接着剤であってもよい。
開放可能な連結は、好ましくは、50℃〜200℃、特に50〜90℃の範囲の温度で、ホットメルトを使用して、ホットシールによって作成する。
シールの継ぎ目またはシール面は、好ましくは、1N/15mm〜50N/15mm、好ましくは2N/15mm〜20N/15mmの範囲の強度(=シール強度)を有する。
【0022】
キャリア層およびカバー層は好ましくは、前記表面領域を除いて全面にわたり互いに連結する。ウェブの領域内で、2枚の包装材シート(キャリア層およびカバー層)は、引裂開封補助部を形成する領域を除いて互いにシールされる。ウェブは、本質的に包装の縦方向に対して垂直に延びる。
【0023】
既述のように、本発明のデザインの種類は、特に有益な方法で包装の総面積を利用することを可能とする。本発明の好ましい態様によると、前記表面領域は、前記フィルムを受け容れるための空間を形成する2つの向かい合った表面領域の面積の合計が、包装の総面積の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%となるよう選択される。さらに、前記さらなる表面領域の面積は、前記フィルムを受け容れるための空間を形成する2つの向かい合った表面領域の面積の合計の50%以下、好ましくは20%以下、特に好ましくは15%以下になるのが好ましい。
【0024】
対に配置され、前記フィルムを受け容れるための空間を形成する2つの向かい合った表面領域は好ましくは、同じ大きさおよび同じ幾何学的形状を有する。しかしながら、特定の用途のために、これらの2つの表面領域を異なる構成とすると有利であり得る。
【0025】
可能な限り製造を効率化することを視野に入れると、前記フィルムを受け容れるための空間を形成する2つの向かい合った表面領域が、同じ大きさおよび同じ幾何学的形状を有し、包装の縦方向に対して対称的に配置される場合、ならびに2つの表面領域の間に位置するウェブの幅が、包装の端面外部マージンと前記フィルムを受け容れることを意図する隣接する表面領域との間に延びるマージンの幅の2倍に相当する場合、特に有利である。この結果、製造中、(包装の縦方向に対して)それぞれ隣接する活性物質含有フィルムの間に、事実上均一な間隔を維持することができる。
【0026】
その結果、製品加工が実質的により簡素であり、より速い加工スピードが可能となる。さらに、縦方向に広げられた実質的に均一な製品が、これによって可能となる。必要な場合、それぞれ隣接する活性物質含有フィルムの間の間隔を厳密に均一に設定してもよく、これによって最大の製造スピードをもたらす。
【0027】
さらに、前記表面領域は好ましくは、カバー層がキャリア層に連結する表面領域の合計が25%以下、好ましくは20%以下になるような寸法および配置になっている。これによって、シール操作に必要な時間を減らすことができる。包装されたフィルムの製品安定性が、包装の外部マージンに沿って延びるシールの継ぎ目によって確保される。前記シールの継ぎ目の幅は好ましくは、少なくとも3mm、特に少なくとも5mmとなる。ウェブの領域に延び、第一のまたは第二の表面領域を前記さらなる表面領域から分離するシールマージンのために、1.5〜2mmの幅は、包装された内容物の保護を確保するのに十分である。
【0028】
好ましい態様によると、本発明の包装は、前記フィルムを受け容れるためのすべての側面が囲まれた空間を形成する2つの表面領域の各々と、包装のそれぞれ隣接する外部マージンと間に、キャリア層がカバー層に連結し、幅が3〜7mm、好ましくは4〜5mmである領域があるよう、構成される。
【0029】
引裂開封補助部を形成するために、本発明の包装において、前記ウェブ内に、キャリア層がカバー層に連結しないさらなる表面領域があり、その結果、すべての側面が囲まれた空洞が形成される。空洞は単に把持および引裂開封補助部を形成するための役割を果たし、活性物質含有フィルムを受け容れることを意図していない。
【0030】
前記さらなる表面領域は好ましくは、細長い形をしている。好ましい態様によると、前記さらなる表面領域は、波形または鋸歯形の輪郭を備え、それによって、剥離するまたは引きはがす操作をより簡単にする。これは、特にミシン目を裂いた後に形成される把持補助部が比較的短いときに有利である。
【0031】
既述のように、少なくとも1つのミシン目線は、ウェブ内に存在する。このミシン目線は好ましくは、前記さらなる表面領域の方向に延びるよう設計される。ミシン目線でキャリア層およびカバー層を破くことにより、および続いて引き裂き続けることにより、前記第二の表面領域がおおよそ二等分に分割される。包装の2層を切断することによって、上記のとおり、引裂開封補助部としての役割を果たし得る自由縁が生じる。したがって、包装を破くとき、引裂開封補助部が、活性物質含有フィルムが封入された2つの空間のそれぞれに作られる。
【0032】
前記ミシン目線は、既知の方法により、例えば打抜きにより作ってもよい。かかるミシン目線に加えて、他の種類の弱化線もまた、包装を裂くことが可能である限りは、考慮してもよい。ミシン目線は好ましくは、切断に必要な指の力が、大人によって簡単に加えることができるが、一般的に小さな子供によって加えることができないものであるよう設計する。
【0033】
チャイルドプルーフ機能は、包装を開封するために、少なくとも3つの調整された手動の行為を必要とすることによって達成される:(i)ミシン目線を利用可能にするために包装を辺縁領域で曲げる、(ii)ミシン目を破き、引き裂き続ける、および(iii)これにより把持補助部(または把持用つまみ)として作られた自由縁を掴み、キャリア層とカバー層とを引き離す。
【0034】
包装材の要素(単数)または要素(複数)を破くことを可能にするのに特に適した構造は、直線の切れ目;鋸歯状または波形の切れ目;ミシン目、特に一方の後ろに他方が配置される点からなるミシン目、および/または切れ目;材料の隙間;打抜き、特に矢印形、三角またはひし形の打抜き;所定の切断点またはエンボス線である。
【0035】
包装の前記折りまたは曲げ操作をより簡単にするために、例えばエンボス加工または打抜きにより、包装に折り線または曲げ線を備えると有利である。この目的に適した方法は、当業者に知られている。
【0036】
前記折り線または曲げ線は好ましくは、包装の縦方向に延びて、例えば直角に、前記ミシン目線と接するまたは交差するよう配置される。これによって、裂く操作は、包装のチャイルドプルーフ機能を損なうことなく、かなり簡単になる。
これは、高齢者による包装の使用目的に関して特に重要である。それは、この場合ですら、包装を道具または他の助けを借りずに開封することができ、開封が短時間で、苛立たしい試みなく可能となることを確保する必要があるからである。
【0037】
ミシン目線(単数)またはミシン目線(複数)あるいはミシン目線のうちの少なくとも1つは、好ましくは、簡単および信頼性のある引き裂きが可能となるよう、キャリア層内およびカバー層内の両方に形成される。
【0038】
ミシン目線の位置に関しては、ミシン目線(単数)またはミシン目線(複数)あるいはミシン目線のうちの少なくとも1つを、包装の外部マージンと前記さらなる表面領域との間に位置する領域に配置することが好ましい。所望のチャイルドプルーフ機能を確保するために、ミシン目線(単数)またはミシン目線(複数)は好ましくは、包装の外部マージンまでは達しないべきである。
【0039】
本発明の好ましい態様によると、ミシン目線(単数)またはミシン目線(複数)あるいはミシン目線のうちの少なくとも1つは、引裂開封補助部の形成を意図する前記さらなる表面領域までは達しない。
【0040】
代わりに、本発明のさらに好ましい態様によると、ミシン目線(単数)またはミシン目線(複数)あるいはミシン目線のうちの少なくとも1つは、前記さらなる表面領域まで達するかまたはその中に及ぶ。さらに、前記さらなる表面領域を通って、好ましくは中心を通って完全に延びるようなミシン目線を設計することが有利であり得る。
【0041】
上記のデザイン特徴の理由で、本発明の包装は、活性物質含有フィルムのチャイルドプルーフ包装に適する。したがって、本発明は、上記の特徴を有するチャイルドプルーフの再閉不可能な包装を包含する。特に、本発明は、DIN EN 14375および/またはASTM D3475-03aに準じてチャイルドプルーフであることで区別される上記の種類の包装を包含する。
【0042】
本発明の包装は、当初に説明した種類の活性物質含有フィルムの包装、特にチャイルドプルーフ包装に適する。考慮し得る活性物質は、前記薬学的活性物質に加えて、化粧品用活性物質、フレーバー剤および芳香剤、栄養剤、ビタミン剤、診断試薬、毒素および植物の保護または害虫駆除に用いられる活性物質である。
【0043】
本発明はさらに、活性物質含有フィルムの包装方法を提供し、該方法は、以下のステップを有する。
− キャリア層の提供;
− キャリア層上での対の配置における2つの活性物質含有フィルムの位置決め;
− キャリア層およびその上に位置する活性物質含有フィルムのカバー層による被覆;
− 開放可能な連結によるキャリア層とカバー層との連結、特に、活性物質含有フィルムを封入する2つの表面領域が、キャリア層がカバー層に連結する辺縁領域によって完全に包囲される。その結果、すべての側面が囲まれ、包装されるべき2つのフィルムを含有する2つの空間、およびこれらの空間の間に位置するウェブが形成される。キャリア層とカバー層との連結は、包装が、前記2つの表面領域の間に存在するウェブの領域に、キャリア層がカバー層に連結しないさらなる表面領域を有するよう行われる;
− ウェブ内での少なくとも1つのミシン目線の作成。このミシン目線は好ましくは、前記さらなる表面領域の方向に延びるよう設計される。
【0044】
好ましい態様によると、該方法は、前記フィルムを受け容れるための空間を形成する2つの向かい合う表面領域が同じ大きさおよび同じ幾何学的形状を有し、対称的に配置されるよう、行われる。さらに、2つの表面領域の間に位置するウェブは、その幅が、包装の端面外部マージンと前記フィルムを受け容れることを意図する隣接する表面領域との間に延びるマージンの幅の2倍に相当するよう設計される。
【0045】
本発明の特徴、詳細および利点は、図面において図式的に説明された態様による以下の例を用いて説明する。図中の説明は、必ずしも実際の大きさの比率を再現しているわけではない。
【0046】
図2Aは、カバー層(7)およびカバー層の下にあってカバー層に連結したキャリア層から構成される長方形の水平な突起を有する包装(10)を示す(図2B参照)。カバー層は、図2Aにおいて透明に示す。
包装は、第一の表面領域(3)および第二の表面領域(3’)を有し、それらの中ではカバー層がキャリア層に連結しない。表面領域(3、3’)内には、包装された活性物質含有フィルム(1、1’)が位置する。カバー層(7)は、その下にあるキャリア層と同じ幾何学的形状および大きさを有し、第一のおよび第二の表面領域(3、3’)以外全面にわたって開放可能に、すなわち剥離可能に(斜線領域)、カバー層に連結する。
【0047】
2つの表面領域(3、3’)は、カバー箔(7)がキャリア層に連結するマージンにより完全に包囲される。第一の表面領域(3)と第二の表面領域(3’)との間に、ウェブ(5)が位置し、その領域において、カバー箔がキャリア層に同様に連結する。ウェブ(5)内で、その都度表面領域(3、3’)から間隔をあけて、さらなる表面領域(4)が位置し、その中で、カバー箔(7)はキャリア箔に連結せず、把持および引裂開封補助部を形成する役割を果たす。
ウェブ(5)の領域において、ミシン目線(6、6’)の形状の2つの弱化線が、外部マージンおよびさらなる表面領域(4)から明確に間隔をあけて形成される。ミシン目線は、細長い表面領域(4)と同じように包装の縦方向に対して垂直に延び(線a)、この表面領域に対して中心に配置される。
【0048】
包装はさらに、縦方向に延び、側縁領域において延び、ミシン目線(6’)に接する曲げ線(b)を有する。
【0049】
第二の曲げ線(b’)を任意に提供してもよい。包装の外部マージンを曲げ線(bまたはb’)に沿って丸く曲げた後、包装をミシン目線(6、6’)の1つに沿って破くことができ、カバー箔およびキャリア箔は、表面領域(4)の領域においておおよそ等しい大きさに二等分に分割される。そして、引き裂くことにより形成された、カバー層およびキャリア層の自由縁は、2つの層を互いから引き離し、活性物質含有フィルム(1、1’)を取り出すことを可能にするために、把持および引裂開封補助部として使うことができる。
【0050】
例えば、図2Aに示す包装は、長さ96mmおよび幅42mmである。第一のおよび第二の表面領域を包囲するシールの継ぎ目は、5mm幅であり、これらの表面領域の各々の大きさは、32×32mmである。この例において、包装される活性物質含有フィルム(1、1’)の大きさは、おおよそ22×22mmである。ウェブの領域にある表面領域(4)は、その細長い形については、幅10mmであり、隣接する表面領域(3、3’)から5mm幅のシールの継ぎ目によって分離され、この例において、ウェブの総幅は20mmとなる。包装が開封しているとき、長さがおおよそ5〜5.5mm(包装の縦方向に対して)の把持補助部が、2つの包装されたフィルムの各々について表面領域(4)から形成される。
【0051】
図2Bは、図2Aの面(a)における断面を示す。包装は、キャリア層(8)およびカバー層(7)から構成される。2つの層は、矢印で指定された領域において互いに開放可能に連結する。表面領域(3、3’)の領域において、2つの層は、互いに連結せず、活性物質含有フィルム(1、1’)を受け容れるための空間(3a、3a’)を形成する。表面領域(4)の領域において、空洞(4a)が、互いに連結しない層によって形成される。
【0052】
図3Aは、図2Aに示した包装を変更したものを示す図であり、さらなる表面領域(4)は細長い多角形の形をしており、包装の縦方向に対しておおよそ垂直に延びる2つの向かい合うミシン目(6、6’)は、この表面領域(4)まで達する。
【0053】
図3Bは、図2Aに示した包装をさらに変更したものを示す図であり、ミシン目(6、6’)は、さらなる表面領域(4)の内部空間内に延ばされる。
【0054】
表面領域(3、3’)に対する表面領域(4)の範囲を定めるシールの継ぎ目の幅(n)は、包装の外部マージンに向かって表面領域(3、3’)を閉鎖するシールの継ぎ目の幅よりも小さくてもよい。図2Aに例として示した面積と仮定すると、幅(n)は、例えば、2mmとなってもよい。これによって、表面領域(4)の幅を(その縦方向に対して)増大させることが可能となり(例えば、25mm)、そこから生じる把持補助部がより大きくなり、より簡単に掴むことができる。
【0055】
図3Cは、図2Aに示した包装をさらに変更したものを示す図であり、ミシン目線(6)は、さらなる表面領域(4)の内部空間を通って完全に延びる。
【0056】
図3Dは、図2Aに示した包装をさらに変更したものを示す図であり、ウェブ(5)の領域にある表面領域(4)は、鋸歯状のまたは波形の輪郭を有する。ウェブ領域に形成されたミシン目線(6)は、包装の外部端と表面領域(4)との間の領域に位置する。
【0057】
図4は、製造中の図3Bに示した型の2つの連続する包装(10、20)を示す。フィルム(3、3’;3a、3a’)を受け容れるための空間を形成する2つの向かい合った表面領域は、本質的に同じ大きさで、同じ幾何学的形状を有し、縦方向(矢印1)に対して対照的に配置される。2つの表面領域の間に位置するウェブは、その幅Dが、包装の端面外部マージンと前記フィルムを受け容れることを意図する隣接する表面領域との間に延びるマージンの幅の2倍に相当するよう設計される。
【0058】
これによって、活性物質含有フィルム(3、3’;3a、3a’)を実質的に均一な間隔Lで包装することが達成される。
【0059】
例えば、図4に示す包装の各々は、長さ88mmおよび幅42mmである。第一のおよび第二の表面領域を包囲するシールの継ぎ目は、包装の外部マージンに向かって5mm幅である。ウェブ(5)の領域において表面領域(3、3’)に対する表面領域(4)の範囲を定めるシールの継ぎ目の幅は、包装の外部マージンに向かって表面領域(3、3’)を閉鎖するシールの継ぎ目の幅よりも小さく、1.5〜2mmになる。細長い表面領域(4)は、幅おおよそ10mmであり、包装が開封しているとき、長さがおおよそ5〜5.5mm(包装の縦方向に対して)の把持補助部が、2つの包装されたフィルムの各々について形成される。表面領域(4)は、有利に図3Dに示す形である。
【0060】
表面領域(3、3’)の各々は、大きさがおおよそ3×3cmであり、この例において、包装される活性物質含有フィルム(1、1’)の大きさは、おおよそ22×22mmである。表面領域およびシールの継ぎ目の既述の配置において、拡散により通り抜けられるシールの継ぎ目の幅は、包装の内部空間と周囲との間が少なくとも5mmになり、したがって、包装が開封されない限り製品安定性が確保される。
【0061】
本発明は、材料の消費を有利に減らし、活性物質含有フィルムのためのチャイルドプルーフ包装の製造において、製造スピードを上げることが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性物質含有フィルムのための包装であり、キャリア層および該キャリア層に開放可能に連結したカバー層を有し、
− 包装は、対の配置で2つの向かい合う表面領域を有し、それらはウェブによって互いに分離され、それらの中で前記カバー層は前記キャリア層に連結せず、その結果、前記フィルムを対になって受け容れるための、互いに分離され、全ての側面が囲まれた2つの空間が形成される;
− 前記ウェブ内に、さらなる表面領域が存在し、ここで前記キャリア層は、前記カバー層に連結せず、その結果、全ての側面が囲まれた空洞が形成される;
− 少なくとも1つのミシン目線が、ウェブ内に存在する
ことを特徴とする、前記包装。
【請求項2】
ミシン目線(単数)またはミシン目線(複数)あるいはミシン目線のうちの少なくとも1つをキャリア層内およびカバー層内の両方において形成することを特徴とする、請求項1に記載の包装。
【請求項3】
ミシン目線(単数)またはミシン目線(複数)あるいはミシン目線のうちの少なくとも1つを、包装の外部マージンとさらなる表面領域との間にある領域に配置することを特徴とする、請求項1または2に記載の包装。
【請求項4】
ミシン目線(単数)またはミシン目線(複数)が包装の外部マージンまでは達しないことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の包装。
【請求項5】
ミシン目線(単数)またはミシン目線(複数)あるいはミシン目線のうちの少なくとも1つがさらなる表面領域までは達しないことを特徴とする、請求項4に記載の包装。
【請求項6】
ミシン目線(単数)またはミシン目線(複数)あるいはミシン目線のうちの少なくとも1つがさらなる表面領域まで達するかまたはこの中に及ぶことを特徴とする、請求項4に記載の包装。
【請求項7】
フィルムを受け容れるための空間を形成する2つの向かい合う表面領域の面積の合計が、包装の総面積の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%になることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の包装。
【請求項8】
さらなる表面領域の面積が、フィルムを受け容れるための空間を形成する2つの向かい合う表面領域の面積の合計の50%以下、好ましくは20%以下、特に好ましくは15%以下になることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の包装。
【請求項9】
フィルムを受け容れるための空間を形成する2つの向かい合う表面領域の面積の合計が、同じ大きさおよび同じ幾何学的形状を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の包装。
【請求項10】
キャリア層が、表面領域を除いてカバー層の全面にわたり連結することを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の包装。
【請求項11】
フィルムを受け容れるためのすべての側面が囲まれた空間を形成する2つの表面領域の各々と、包装のそれぞれ隣接する外部マージンとの間に、キャリア層がカバー層に連結し、幅が3〜7mm、好ましくは4〜5mmである領域があることを特徴とする、請求項10に記載の包装。
【請求項12】
カバー層がキャリア層に連結する表面領域の合計が、25%以下、好ましくは20%以下になることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の包装。
【請求項13】
フィルムを受け容れるための空間を形成する2つの向かい合う表面領域が、同じ大きさおよび同じ幾何学的形状を有し、包装の縦方向に対して対称的に配置されること、ならびに2つの表面領域の間に位置するウェブの幅が、包装の端面外部マージンとフィルムを受け容れることを意図する隣接する表面領域との間に延びるマージンの幅の2倍に相当することを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の包装。
【請求項14】
さらなる表面領域が、細長い形を有することを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載の包装。
【請求項15】
さらなる表面領域が、波形または鋸歯形の輪郭を有することを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の包装。
【請求項16】
開放可能な連結をシールの継ぎ目またはシール面により形成することを特徴とする、請求項1〜15のいずれかに記載の包装。
【請求項17】
包装の縦方向に延び、ミシン目と接するかまたは交差する少なくとも1つの折り線または曲げ線を有することを特徴とする、請求項1〜16のいずれかに記載の包装。
【請求項18】
チャイルドプルーフの再閉不可能な包装であることを特徴とする、請求項1〜17のいずれかに記載の包装。
【請求項19】
DIN EN 14375および/またはASTM D3475-03aに準じてチャイルドプルーフであることを特徴とする、請求項18に記載の包装。
【請求項20】
活性物質含有フィルムの包装のための、請求項1〜19のいずれかに記載の包装の使用。
【請求項21】
包装を活性物質含有フィルムのチャイルドプルーフ包装に使用することを特徴とする、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
活性物質含有フィルムの包装方法であり、以下のステップ:
− キャリア層の提供;
− キャリア層上での対の配置における2つの活性物質含有フィルムの位置決め;
− キャリア層およびその上に位置する活性物質含有フィルムのカバー層による被覆;
− 開放可能な連結によるキャリア層およびカバー層の連結、特に、活性物質含有フィルムを封入する2つの表面領域が、キャリア層がカバー層に連結する辺縁領域によって完全に包囲され、その結果、すべての側面が囲まれ、2つのフィルムを含有する2つの空間、およびこれらの空間の間に位置するウェブが形成されるよう、ならびにキャリア層およびカバー層の連結が行われるよう、さらに、包装が、前記2つの表面領域の間に存在するウェブの領域に、キャリア層がカバー層に連結しないさらなる表面領域を有するような連結;
− ウェブ内での少なくとも1つのミシン目線の作成、
を有する、前記方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であり、フィルムを受け容れるための空間を形成する2つの向かい合う表面領域が、同じ大きさおよび同じ幾何学的形状を有し、生産される包装の縦方向に対して対称的に配置されること、ならびに2つの表面領域の間に位置するウェブが、その幅が包装の端面外部マージンと前記フィルムを受け容れることを意図する隣接する表面領域との間に延びるマージンの幅の2倍に相当するよう設計されることを特徴とする、前記方法。
【請求項24】
キャリア層とカバー層との間の連結を、特に剥がすことが可能なシール塗料を使ったシールによって作ることを特徴とする、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
請求項1〜19のいずれかに記載の特徴を有する包装を生産することを特徴とする、請求項22〜24のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−502524(P2010−502524A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527031(P2009−527031)
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際出願番号】PCT/EP2007/007333
【国際公開番号】WO2008/028560
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(300005035)エルテーエス ローマン テラピー−ジステーメ アーゲー (128)
【Fターム(参考)】