説明

流体作動機械及び流体作動機械を操作する方法

本発明は、制御器(12)と、作動チャンバ(2)と、作動チャンバと関連する電子的に制御可能な低圧弁(14)と、作動チャンバと関連する高速高圧弁(20)とを備える流体作動機械(1)において、作動チャンバが、2次高圧マニホールド(32)への前記作動チャンバの接続を制御するために、作動チャンバと関連する低速高圧弁(30)を有することを特徴とする流体作動機械に関する。本発明による流体作動機械は、例えば風力タービン発電機40の容易な保守を可能にするために、流体作動機械のシャフト(8)をある位置に回転させるように操作可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体作動機械、流体作動機械を操作する方法及びコンピュータプログラムコードに関する。
【背景技術】
【0002】
最も一般的な容積式油圧機械では、流体チャンバは、概ね正弦曲線関数に従って容積が周期的に変化する。欧州特許第0361927号明細書から、作動チャンバと低圧源との間に配置された電磁作動弁を開放状態に保持することによって、チャンバをアイドル状態のままにしておくことができることが知られている。したがって、このような総合的調整型機械の出力は、各々の作動チャンバを最初に液体で満たし、次に、低圧源への液体の戻りを拒絶するべきか、あるいは圧力をかけて液体を出力マニホールドにポンプ供給するべきかどうかを決定する動作を通して変更される。液体をポンプによって低圧源に戻すことは、作動チャンバが最小待ち時間期間で生産的になることをなお可能にしつつ、作動チャンバがアイドルである時間中に非常に少量の動力消費のみで済むことを意味する。
【0003】
米国特許第4,496,847号明細書には、風力タービン又は潮力タービンのような再生可能なエネルギー装置から動力を吸収する第1の流体作動機械(ポンプ)、及び発電機を駆動して電気を発生する第2の流体作動機械が示されている。しかし、ポンプのシャフトを回転させる必要がある場合、再生可能なエネルギー装置の保守に問題が見出されるが、この理由は、必要とするトルクが非常に高い可能性があるからである。この必要性は、例えば再生可能なエネルギー装置の保守又は始動中に感じられるかもしれない。
【0004】
最初の段落で言及した流体作動機械は、効率性及び制御可能性という望ましい特性を有するが、流体源からエネルギーを吸収し、流体作動機械のシャフトにエネルギーを適用してシャフトを回転させることができない。欧州特許第0494236号明細書では、追加の操作モードと、トルクが回転シャフトに適用される場合、モータリングサイクルにおける機械の使用を可能にし、したがって、制御可能な双方向のエネルギー流れを可能にする制御可能な弁とが紹介されている。国際公開第2008/029073号パンフレットでは、さらに別の操作モードと、及び欧州特許第0494236号明細書の機械では不可能であったが、油圧機械が静止状態から始動することを可能にする改良された弁とが紹介されている。しかし、この機械に必要な弁は、複雑であり、したがって高価であり、ほぼ完全にポンプとして操作される流体作動機械に最適な流量を供給しない。
【0005】
上述のことから、流体作動機械のシャフトを回転させることが望ましいかもしれないが、これを行うために利用可能な外部トルクが不十分であり、流体作動機械がそれ自体のシャフトを回転できない用途があることが認識されるであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、油圧ポンプのシャフトを回転させるための装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の形態で、本発明は、請求項1に記載の流体作動機械を提供し、本発明の好ましい又は任意の特徴は従属請求項に規定されている。
【0008】
以下により詳細に説明するように、作動チャンバは、回転シャフト、直線的に変位可能なリンク又は他の任意の適切な機械装置に機械的に(例えばカムによって)結合することが可能であり、この場合、作動チャンバ間の圧力差を機械的仕事に変換することが可能である。したがって、本発明は、従来技術の機械が必要とする複雑で高価な次善の弁を排除しつつ、機械的仕事(例えば流体作動機械のシャフトの駆動)の出力を可能にするために、2次高圧マニホールドから作動チャンバ内への流体通路を提供する。
【0009】
好ましくは、流体作動機械は、作動チャンバを周期的に駆動するか又は作動チャンバによって周期的に駆動されるための回転可能なシャフトを備える。このように、回転可能なシャフトの回転は、作動チャンバ容積のサイクルに典型的に結合される。好ましくは、シャフトは偏心カムシャフトである。シャフトは、リングカムを備えてもよい。制御器は、流体作動機械の作動チャンバの容積サイクルの位相を示す位相信号を受信するための位相入力部を備えることが好ましい。位相信号は、位相センサ、例えば光学式、磁気式又は誘導式位相センサから受信してもよい。位相センサは、シャフトの位相を感知することが好ましく、制御器は、感知した偏心クランクシャフトの位相から作動チャンバの位相を推定することが可能である。
【0010】
「低速」及び「低いサイクル速度」という用語は、それぞれ「高速」又は「高いサイクル速度」と記載される何かよりも少なくともより遅いと解釈されるべきである。したがって、低いサイクル速度は高いサイクル速度よりも遅く、遅い高圧弁は高速高圧弁よりも遅く動作する。より詳細には、好ましくは、高速高圧弁は、流体作動機械の少なくとも定格速度の速度で動作可能である。好ましくは、高いサイクル速度は、流体作動機械の定格速度における(又は実質的にそれに近い)作動チャンバのサイクル速度である。低速高圧弁は、流体作動機械の定格速度よりも低い(好ましくは実質的にそれよりも低い)速度においてのみ動作可能であることがあり得る。好ましくは、低いサイクル速度は、流体作動機械の定格速度よりも実質的に低い作動チャンバのサイクル速度である。「で動作可能」という用語は、作動チャンバ容積の半サイクル以内で開放かつ閉鎖できることを意味し得る。「で動作可能な」という用語は、作動チャンバ容積のサイクルの実質的に半分未満で開放又は閉鎖できることを意味し得る。本開示における「実質的により低い」という用語は、例えば、半分、五分の一、十分の一またはそれ以下であることを意味し得る。したがって、例えば、高いサイクル速度は、流体作動機械の定格速度における作動チャンバのサイクル速度であり得、低いサイクル速度はその速度の十分の一であり得る。
【0011】
好ましくは、高速高圧弁は、非制御弁、すなわち、電子制御下にない弁である。しかし、高速高圧弁は能動的に制御される弁でもよい。高速高圧弁は、直接作用するソレノイド弁であることが可能である。高速高圧弁は、圧力に対抗して開放できないことがあり得る。
【0012】
好ましくは、低圧弁は、能動的に制御可能な弁、すなわち、制御器の電子制御下にある弁である。好ましくは、低圧弁は、実質的により多くの流量容量及び/又は低速高圧弁よりも実質的により多くの流れ面積を有する。低圧弁は、直接作用するソレノイド弁であることが可能である。低圧弁は、圧力に対抗して開放できないことがあり得る。低圧弁は、圧力作動されるか又は機械的に作動される弁であることが可能である。複数の低圧弁が共に作動されることが可能である。
【0013】
好ましくは、低速高圧弁は、能動的に制御可能な弁、すなわち、制御器の電子制御下にある弁である。好ましくは、低速高圧弁は、高速高圧弁よりも実質的により小さな流量容量及び/又は実質的により小さな流れ面積を有する。好ましくは、低速高圧弁は、低圧弁よりも実質的に小さな流量容量及び/又は実質的に小さな流れ面積を有する。低速高圧弁は、直接作用するソレノイド弁であることが可能である。低速高圧弁は、圧力に対抗して開放できることが可能である。低速高圧弁は、圧力平衡弁、又は圧力平衡ソレノイド弁であることが可能である。低速高圧弁は、圧力作動されるか又は機械的に作動される弁であることが可能である。複数の低速高圧弁が共に作動されることが可能である。
【0014】
好ましくは、低圧マニホールド内の圧力は、高圧マニホールドのいずれの圧力よりも実質的に小さい。好ましくは、1次高圧マニホールドは流体負荷に接続される。好ましくは、流体負荷は、使用中の高圧流体のシンクとして作用する。2次高圧マニホールドは、高圧流体の2次源に流体的に接続されることが可能である。二次源は、少なくとも1つの構造において、流体作動機械の外部の別の装置に高圧流体を供給することが可能である。好ましくは、高圧流体の2次源は、ブレードピッチ制御機構に高圧流体を供給する。高圧流体の2次源は、少なくとも1つの操作モードで高圧流体を流体負荷に供給し、これには、流体負荷の始動が含まれ得ることが可能である。
【0015】
1次及び2次高圧マニホールドは、永続的に流体的に接続される(すなわち、2つのマニホールドは流体連通し得る)ことが可能である。1次及び2次高圧マニホールドは、流体作動機械の少なくとも1つの構造で接続可能であることがあり得る。1次及び2次高圧マニホールドは一致することが可能である。2次高圧マニホールドは、1次高圧マニホールドから隔離されることが可能である。
【0016】
好ましくは、低速弁が2次高圧マニホールドに開放しているときに、1次高圧マニホールドは、流体が作動チャンバから前記1次高圧マニホールドを通過するのを防止するためのブロック手段を備える。好ましくは、前記ブロック手段は、高速高圧弁と、高圧マニホールドに接続された流体負荷との間に位置する。前記ブロック手段は、制御器の制御下にあることが可能である。前記ブロック手段は、手動で操作されるか又は手動で挿入されることが可能であるか、あるいは他の制御器の制御下にあり得る。ブロック手段は、高速高圧弁でもよい。ブロック手段は、流体作動機械から遠隔に配置してもよい。複数の作動チャンバ及び複数の高圧マニホールドと関連する複数のブロック手段が存在し得る。前記ブロック手段は、ブロック弁、ボール弁、ブランキングプレート又はプラグでもよい。
【0017】
好ましくは、流体作動機械は、説明したように複数の作動チャンバを備える。流体作動機械は、さらに、周期的に変化する容積の1つ以上の追加の作動チャンバ、作動チャンバと関連する1つ以上の電子的に制御可能な追加の低圧弁、作動チャンバと関連する1つ以上の追加の高速高圧弁を備えることが可能である。関連の低速高圧弁を有するのは、すべての作動チャンバでないかもしれない。関連の高速高圧弁を有するのは、すべての作動チャンバでないかもしれない。
【0018】
制御器は、受信した要求信号に応答して作動チャンバの時間平均変位を調整するために、作動チャンバ容積のサイクルに対し位相調整された関係で、前記電子的に制御可能な弁を能動的に制御することが可能である。
【0019】
流体作動機械は、モータとしてのみ、又はポンプとしてのみ機能してもよい。代わりに、流体作動機械は、モータとして、又は代替的操作モードのポンプとしてのみ機能し得る。
【0020】
好ましくは、各々の作動チャンバは、チャンバが作動流体の正味変位を行う能動サイクル又はチャンバが実質的に作動流体の正味変位を行わないアイドルサイクルを実施するように、作動チャンバ容積の各々のサイクルで動作可能である。各々の作動チャンバは、能動サイクルの間に作動流体の複数の容積の1つ(例えば、作動流体の容積範囲)を変位させるように動作可能であり得る。前記容積範囲は、例えば、不連続であり得、作動流体の容積範囲は、第1の最小の実質的にゼロの正味流体変位から、作動チャンバの最大の正味流体変位の多くても25%又は40%の第1の最大に及び、次に作動チャンバの最大の正味流体変位の少なくとも60%又は75%の第2の最小から、作動チャンバの最大の正味流体変位の100%の領域の第2の最大に及ぶ範囲を含むことが可能である。このことは、例えば、操作上の作動流体の圧力が十分に高く、作動チャンバ容積の膨張又は収縮行程の中央で弁を開放又は閉鎖することができない、あるいは流体流量が十分に高く、連続的な容積範囲による操作が作動チャンバ、作動チャンバの弁、又は流体作動機械の他の部分に損傷を与えるであろう場合に生じ得る。
【0021】
「能動的に制御する」とは、電力を消費する制御機構によって、少なくともいくつかの状況において、制御器が弁の状態に影響を及ぼすようにさせることを指し、受動的な応答、例えば、弁にわたる圧力差のみに応答して弁を開放又は閉鎖することに限らない。「能動制御」のような関連の用語が、それに応じて解釈されるべきである。それにもかかわらず、低圧弁、存在する場合には、他の1つ以上の弁が、受動手段によって開放又は閉鎖するように動作可能であることが同様に好ましい。低圧弁は、典型的に、例えば吸気行程中に、作動チャンバ内の圧力低下のため受動的に開放する。例えば、低圧弁、存在する場合には、他の1つ以上の弁が、少なくともいくつかのサイクルの間に、圧力差のため受動的に開放し、サイクルの部分の間に制御器の能動制御の下で選択的に閉鎖可能であり得る。
【0022】
好ましくは、弁はまた、付勢手段によって開放付勢されるか又は閉鎖付勢される。好ましくは、弁は、能動制御の下で第1の位置から第2の位置に移動可能であり、付勢手段によって第2の位置から第1の位置に移動可能である。好ましくは、第1又は第2の位置の1つは閉位置にあり、他方は開位置にある。
【0023】
「能動的に制御する」(及び「能動制御」のような関連の用語)ことには、弁が開放、閉鎖、開放維持及び/又は閉鎖維持の1つ以上を実施するよう選択的に行わせるように制御器が動作可能である可能性が含まれる。制御器は、作動サイクルの部分の間の弁の状態のみに影響を及ぼすことができるかもしれない。例えば、制御器は、相当な圧力が作動チャンバ内にある場合、作動サイクルの大部分の間に圧力差に対抗して低圧弁を開放できないかもしれない。典型的に、制御器は、弁に又は半導体スイッチのような弁ドライバに直接制御信号を伝送することによって、低圧弁及び低速高圧弁を能動的に制御する。制御信号を伝送することには、意図する弁の状態(例えば開放又は閉鎖)を示す信号、又は弁の状態を変更すべきことを示すパルス(例えば、弁を開放又は閉鎖すべきこと)、又は弁の状態を維持すべきことを示すパルスを伝送することが含まれる。制御器は、連続的に信号を伝送し、信号を停止又は変更して、弁の状態の変化を引き起こすことが可能であり、例えば、低圧弁、又は1つ以上の他の弁は、電流の供給によって開放保持されかつ電流をスイッチオフすることによって能動的に閉鎖される通常閉のソレノイド開放弁を備えてもよい。
【0024】
「作動チャンバ容積のサイクルに対し位相調整された関係で」とは、低圧弁、存在する場合には、他の1つ以上の弁の制御器による能動制御のタイミングが、作動チャンバの容積サイクルの位相を基準に決定されることを意味する。したがって、流体作動機械は、典型的に、位置センサのような作動チャンバの位相決定手段を備える。例えば、作動チャンバ容積のサイクルがシャフトの回転に機械的に連結される場合、流体作動機械は、シャフト位置センサ、任意にシャフト速度センサを備えることが好ましく、制御器は、シャフト位置センサからシャフト位置信号、任意に前記シャフト速度センサからシャフト速度信号を受信するように動作可能である。異なる作動チャンバの容積サイクルの間に位相差を有する複数の作動チャンバを備える実施形態では、制御器は、典型的に、個々の作動チャンバの位相を決定するように動作可能である。
【0025】
好ましくは、受信したデマンド信号によって示されたデマンドが十分に低いとき、流体を変位させて作動機能を実施するように動作可能な1つ以上の作動チャンバは、作動チャンバ容積の1つ以上のサイクルの間に余分であり、すなわち、作動チャンバが存在しないか又は動作していなかった場合、流体作動機械は、とにかく十分な流体を変位させて、作動チャンバ容積の能動サイクルの周波数全体を変更することなくデマンドに対応することができるであろう。
【0026】
好ましくは、受信したデマンド信号によって示されたデマンドが十分に低いとき、作動機能を実施するために利用可能な作動チャンバの少なくとも1つによって変位される選択された流体容積は、作動チャンバ容積の少なくともいくつかのサイクルについて実質的にゼロである。ある実施形態では、受信したデマンド信号によって示されたデマンドが十分に低いとき、作動機能を実施するために利用可能な作動チャンバの少なくとも1つが、作動チャンバ容積の少なくともいくつかのサイクルについてアイドルサイクルを実施する。作動チャンバが作動流体の複数の容積の1つを変位させるように動作可能である一部の実施形態では、受信したデマンド信号によって示されたデマンドが十分に低いとき、作動機能を実施するために利用可能な作動チャンバの少なくとも1つによって変位される選択された流体容積は、作動チャンバの前記少なくとも1つが変位させるように動作可能である作動流体の最大容積よりも小さい。
【0027】
ある実施形態では、単一の低速高圧弁が各々の作動チャンバ用に設けられる。しかし、各々の低速高圧弁が、2次高圧マニホールドへの複数の作動チャンバの接続を制御することが可能である。したがって、複数の作動チャンバは、それと関連する同一の低速高圧弁を有することが可能である。
【0028】
ある実施形態では、各々の低速高圧弁が、逆止弁と、逆止弁から低速高圧弁に延びる流体ラインとを通して、2次高圧マニホールドへの1つ以上の作動チャンバの接続を制御することが可能である。この場合、逆止弁は、典型的に、作動チャンバ内に直接開放する。逆止弁は、作動チャンバに直接隣接することが好ましい。逆止弁は、逆止弁から低速高圧弁に延びる流体ライン内の作動チャンバ内の圧力を超える圧力によって開放でき、逆止弁から低速高圧弁に延びる流体ライン内の作動チャンバ内の圧力よりも小さな圧力によって閉鎖できる。逆止弁は、弾性の付勢部材によって付勢閉鎖することが可能である。
【0029】
受信したデマンド信号は、作動機能を満たすために変位されるべき(例えば受け取り又は出力される)作動流体の所望の容積を示すことが可能である。受信したデマンド信号は、所望の出力圧力又は入力圧力を示し得る。受信したデマンド信号は、作動機能を満たすために流体を変位させるために所望の速度を示し得る。流体応答センサは、受信した又は出力した流体の特性、例えば、受信した又は出力した流体の圧力又は受信した又は出力した流体の変位速度を監視するために、また流体応答信号を提供するために設けてもよい。制御器は、例えば閉ループ制御を実行するために、流体応答信号と受信したデマンド信号とを比較して、作動チャンバ容積の各々のサイクルの1つ以上の前記作動チャンバによって変位された作動流体の容積を選択することが可能である。
【0030】
いくつかの実施形態では、流体作動機械は、回転可能なシャフトに結合された少なくとも1つの取り外し可能なブレードを備えてもよい。好ましくは、前記少なくとも1つの取り外し可能なブレードは、エネルギー抽出装置のブレードであり、流体作動機械はエネルギー抽出装置の部分である。好ましくは、前記エネルギー抽出装置は、風力タービン発電機(WTG)又は潮力エネルギー装置である。好ましくは、流体負荷は、電気を発生するための発電機に結合された油圧モータである。好ましくは、前記少なくとも1つの取り外し可能なブレードは、使用時の形状又はピッチ角度が可変である制御可能なブレードである。
【0031】
本発明は、第2の形態では、第1の形態による流体作動機械を制御する方法に及ぶ。好ましくは、低速高圧弁は、作動チャンバの膨張を推進するように開放される。好ましくは、低圧弁は、低速高圧弁が作動チャンバの膨張を推進するように開放されるときに閉鎖される。好ましくは、低速高圧弁は、流体作動機械のシャフトの所望の回転を引き起こすために、作動チャンバの膨張位相の始まりの近くで開放される。好ましくは、低速高圧弁は、作動チャンバの膨張の終わりの前に、好ましくは作動チャンバの膨張の終わりの十分にはるか前に閉鎖されて、作動チャンバが、その最大容積に達する前に減圧することを可能にする。
【0032】
本方法は、少なくとも1つの前記第1又は第2のブレードの代わりに少なくとも1つのカウンタウェイトを取り付けるか又は取り外すことを含むことが可能である。本方法は、複数のカウンタウェイトを使用し、次に、これらは、同一又は異なるブレードの代わりに取り付けられることが可能である。複数のカウンタウェイトの各々は、異なる質量を有することが可能であり、この質量は、上昇又は下降順序で取り付けるか又は取り外すことが可能である。
【0033】
本発明は、第3の形態で、制御器(12)と、周期的に変化する容積の作動チャンバ(2)とを備える流体作動機械(1)であって、作動チャンバが、低圧マニホールド(16)への作動チャンバの接続を制御するために、作動チャンバと関連する電子的に制御可能な低圧弁(14)を有し、サイクル毎に作動チャンバによって流体の正味変位を決定するために、作動チャンバ容積のサイクルと位相調整された関係で、制御器が低圧弁を能動的に制御するように動作可能であり、作動チャンバが、1次高圧マニホールド(22)への作動チャンバの接続を流体作動機械の通常のポンピングモードで制御するために、作動チャンバと関連する第1の高圧弁(20)を有する流体作動機械において、作動チャンバが、高圧流体源(32)への作動チャンバの接続を制御し、これによって、流体作動機械の代替的なモータリングモードで作動チャンバ容積の膨張を推進するために、作動チャンバと関連する第2の高圧弁(30)を有することを特徴とする流体作動機械に及ぶ。
【0034】
本発明は、第4の形態で、制御器(12)と、周期的に変化する容積の作動チャンバ(2)とを備える流体作動機械を操作する方法であって、作動チャンバが、低圧マニホールド(16)への作動チャンバの接続を制御するために、作動チャンバと関連する電子的に制御可能な低圧弁(14)を有し、サイクル毎に作動チャンバによって流体の正味変位を決定するために、作動チャンバ容積のサイクルと位相調整された関係で、制御器が低圧弁を能動的に制御するように動作可能であり、作動チャンバが、1次高圧マニホールド(20)への作動チャンバの接続を流体作動機械の通常のポンピングモードで制御するために、作動チャンバと関連する第1の高圧弁(18)を有する方法において、作動チャンバが、高圧流体源(26)への作動チャンバの接続を制御するために、作動チャンバと関連する第2の高圧弁(24)を有し、またこの方法が、流体作動機械の代替的なモータリングモードで、前記第2の高圧弁を開放し、これによって作動チャンバの膨張を推進することを含むことを特徴とする方法に及ぶ。
【0035】
本発明の第3及び第4の形態では、第1の高圧弁は、典型的に、比較的高速の高圧弁であり、第2の高圧弁は、典型的に、比較的低速の高圧弁である。第1及び第2の高圧弁のさらに任意の特徴は、高速高圧弁及び低速高圧弁に関し上記の特徴に対応する。通常のポンピングモードは、典型的に、高いサイクル速度で行われるモードであり、代替的なモータリングモードは、典型的に、低いサイクル速度で行われるモードである。前記高圧流体源は、2次高圧マニホールドのような高圧マニホールドであり得る。
【0036】
本発明は、第5の形態で、流体作動機械の制御器で実行されるとき、第1、第2、第3又は第4の形態の任意の1つを参照して説明した方法の任意の方法による流体作動機械を操作するコンピュータプログラムコードに及ぶ。本発明はまた、本発明の第5の形態によるコンピュータプログラムコードを記憶するコンピュータによって読み取り可能なキャリア(例えば、メモリ、又は磁気式又は光学式記憶装置)に及ぶ。
【0037】
本発明は、第6の形態で、第1の形態による流体作動機械を備えるエネルギー抽出装置を維持するか又は検査する方法に及び、この場合、本方法は、第2又は第4の形態による流体作動機械のシャフトを回転すること、及びブレードを取り付けるか又は取り外すか、エネルギー抽出装置にアクセスするか、又は装置の検査を行うことを含む。
【0038】
取り外し可能なブレードが存在するいくつかの実施形態では、本方法は、少なくとも1つの低速高圧弁を開放することによって、流体作動機械のシャフトを第1の予め定められた角度に回転することを含み得る。本方法は、第1の予め定められた角度で少なくとも1つの第1の前記ブレードを取り付けるか又は取り外すことを含み得る。本方法は、第1の予め定められた角度で少なくとも1つの第1の前記ブレードを取り付けるか又は取り外すことを含むことが可能であり、制御器の制御下で複数の低速高圧弁を開閉して、前記シャフトの回転を第2の予め定められた角度に駆動することが続くか又は先行する。好ましくは、第1の予め定められた角度は、少なくとも1つの第1の取り外し可能なブレードへのアクセス増大位置に対応する。好ましくは、第1の予め定められた角度は、流体作動機械の検査又は保守のために安全なアクセス位置に対応する。好ましくは、第2の予め定められた角度は、少なくとも1つの第2の取り外し可能なブレードへのアクセス増大位置に対応する。ブレード及び容易なアクセスのそれぞれの取り付け部又は取り外し部を有する第3、第4及び引き続く予め定められた位置があってもよい。予め定められた角度は、容認可能な角度範囲であり得る。回転は、2次高圧マニホールド内の流体圧力又は流量の制御によって、あるいは低速高圧弁を閉鎖することによって制御することが可能である。
【0039】
本発明は、入力データを処理し、この処理に基づき前述の弁に制御信号を出力するために、システムの状態に関する入力データ(例えば、圧力差をシステムの接続部分の機械的仕事に変換するように、システムが操作サイクルを通るようにさせるために、例えばシステムの作動に関係するデマンド信号を含む)を受信するように動作可能な適切にプログラミングされた制御器に少なくとも部分的に及び得る。
【0040】
第2の形態から第6の形態の好ましいかつ任意の特徴は、第1の形態について説明した特徴に対応する。さらなる変更と修正は、当業者に想起されるように、本発明の範囲内で行うことが可能である。
次の図を参照して、本発明の例示的な実施形態について次に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1の形態による流体作動機械の実施形態を示す。
【図2】本発明の第1の形態による流体作動機械を利用する風力タービン発電機(WTG)を示す。
【図3】本発明の第4の形態の方法を利用するWTGにおける保守操作を示す。
【図4】本発明による流体作動機械の代替実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は、シリンダ4及びピストン6の内側面によって規定された容積を有する複数の作動チャンバ2を備える電子的に整流される油圧ポンプ/モータ1の形態の流体作動機械を示しており、ピストンは、偏心カム9によって回転可能なクランクシャフト8から駆動され、シリンダ内で往復運動して作動チャンバの容積を周期的に変更する。シャフト位置及び速度センサ10により、シャフトの瞬間的な角度位置及び速度が決定され、信号ライン11を通して制御器12に報告され、これによって、制御器は、各々の作動チャンバのサイクルの瞬間的な位相を決定することができる。制御器は、典型的に、マイクロプロセッサ又は使用時に記憶されたプログラムを実行するマイクロコントローラである。
【0043】
作動チャンバの各々は、電子的に作動される面シールポペット弁14の形態の低圧弁(LPV)と関連付けられ、低圧弁は、それらの関連の作動チャンバに向かって内側に向き、作動チャンバから低圧マニホールド16に延びるチャネルを選択的にシールするように動作可能であり、低圧マニホールドは、使用時に正味の流体源又はシンクとして一般に機能し、かつ1つまたは複数の作動チャンバ又は実際にここに示したようなすべての作動チャンバを、低圧ポート17を通してリザーバ(図示せず)に接続することが可能である。LPVは、通常開のソレノイド閉鎖弁であり、これらの閉鎖弁は、作動チャンバを低圧マニホールドと流体連通させるために、作動チャンバ内の圧力が低圧マニホールド内の圧力よりも小さいときに、すなわち吸気行程中に受動的に開放するが、作動チャンバと低圧マニホールドとの流体連通を解除するために、LPV制御ライン18を介して制御器の能動制御下で選択的に閉鎖可能である(接続部はグラフを簡略化するために大部分の場合Xで示されている)。代替的な電子的に制御可能な弁、例えば通常閉のソレノイド開放弁を使用することが可能である。
【0044】
作動チャンバの各々は、さらに、圧力作動される送出弁(高速高圧弁として作用)の形態の高圧弁(HPV)20と関連付けられる。HPVは、作動チャンバから外側に向き、作動チャンバから1次高圧マニホールド22に延びるチャネルをシールするように動作可能であり、1次高圧マニホールドは、使用時に正味の流体源又はシンクとして機能し、かつ1つまたは複数の作動チャンバ、又は実際にここに示したようなすべての作動チャンバを、流体負荷(図示せず)に通じる1次高圧ポート24に接続することが可能である。HPVは、通常閉の加圧開口逆止弁として機能し、これらの逆止弁は、作動チャンバ内の圧力が1次高圧マニホールド内の圧力を超えるときに受動的に開放する。HPVはまた、僅かに異なる実施形態では、通常閉のソレノイド開放逆止弁として機能でき、HPVが関連の作動チャンバ内の圧力によって開放されると、制御器はこれらの逆止弁を選択的に開放保持し得る。圧力リリーフ弁28は、流体作動機械を損傷から保護することが可能である。
【0045】
さらに、すべての第2の作動チャンバには、ブロック弁30(低速高圧弁として作用)が装備され、ブロック弁は、制御器(接続部はグラフを簡略化するために大部分の場合Xで示されている)によって制御可能である。ブロック弁は、作動チャンバから、使用時に高圧流体源として機能する2次高圧マニホールド32に延びるチャネルをシールするように動作可能である。ブロック弁は、制御ライン33による制御器の制御下で、作動チャンバ内に圧力がなく、2次高圧マニホールド内に圧力があるが、低い流量容量を有するときに開放するように動作可能である。例えば、流量容量は、偏心器カム9の定格RPMの10分の1で作動しているとき、ほぼ作動チャンバの吸気流量である。制御器12によって制御される隔離弁34(ブロック手段として作用)は、高速高圧弁を流体負荷から接続するか又は隔離し、一方、2次高圧マニホールドは、2次油圧ポンプに通じる2次高圧ポート36(図示しないが、独立源として作用)を有する。
【0046】
従来技術に記載された通常の操作モードでは、制御器は、関連の作動チャンバサイクル内の最大容積の点の近くでLPVの1つ以上を閉鎖し、低圧マニホールドへの通路を閉鎖し、これによって、引き続く収縮行程で関連のHPVを通して流体を導いて出す。制御器は、LPV閉鎖の数及び順序を選択して、受信したデマンドを満たすための流量を生じるか又はシャフトトルクを生成する。従来技術の方法でサイクル毎にLPVを閉鎖するか又は開放保持すべきかどうかの決定と同様に、制御器は、変化する作動チャンバ容積に対してLPVの閉鎖の精密な位相調整を変更するように動作可能である。ポート17、24の矢印は、ポンピングモードの流体流量を示している。本発明のブロック弁は、この操作モード全体にわたって閉鎖され、一方で隔離弁は開放している。
【0047】
本発明の第2の形態による別の保守操作モードは、外部トルクの利点なしに流体作動機械の今や静止したシャフトを回転することを所望する場合に行われるが、この操作モードでは、隔離弁34は閉鎖され、一方、所望の方向で回転中にサイクルの膨張位相にあるであろう作動チャンバ2についてのみ、ブロック弁30が開放され、LPV14が閉鎖される。所望の方向で回転中にサイクルの収縮位相にある作動チャンバ2では、ブロック弁30が閉鎖され、LPV14は開放される。2次油圧ポンプは、開放ブロック弁30と2次高圧マニホールド32とを通して作動チャンバ2に加圧流体を供給し、偏心カム9の回転を引き起こす。1次高圧マニホールド22は加圧されるように配置されるか、あるいは流体は、流体が加圧されるまで高速高圧弁を通して作動チャンバからいずれにせよ通過する。制御器は、速度センサ10を監視し、また今説明した規則に従って、作動チャンバが膨張及び収縮するときに回転を維持するために、ブロック弁及びLPVを開閉するように配置される。
【0048】
加圧されるべき1次高圧マニホールドを配置する複数の方法がある。隔離弁34は、手動制御の弁、例えば四分の一回転弁であることが可能である。特に好ましい実施形態では、油圧モータは、流体をブロックするように構成することができ、加圧流体を1次高圧マニホールドにトラップする。油圧モータと1次高圧マニホールドとの間の流体接続は、破壊され、キャップできるであろう。油圧モータ又はそれに対する接続部は、自動シール接続部を組み込むことができ、例えば油圧モータ又はそれに対する接続部のバヨネットは、逆止弁を開放でき、さもなければ逆止弁は1次高圧マニホールドをシールするであろう。
【0049】
図2は、タワー44の頂部に取り付けられたナセル42を備える風力タービン発電機(WTG)40(エネルギー抽出装置として作用)を示している。ナセルは、それに取り付けられたハブ46を有し、図1に以前に示しているが、説明を容易にするためにここでは概略的に示した流体作動機械1を含み、流体作動機械は、ハブ46によって駆動され、1次高圧ポート24を介して油圧モータ48を駆動する。モータ48それ自体は、発電機50を駆動し、電力を配電網(図示せず)に供給する。ナセルはまた、流体作動機械1の2次高圧ポート36に接続する2次油圧ポンプ52を含み、流体作動機械1と油圧モータ48とを有する共通の低圧接続部54を共有する。ブレード61、62、63は、ハブに取り付けられるが、取り外し可能なブレードであり、ハブから取り外すことが可能である。ブレードのピッチ、ナセルの回転、又は他の機能を2次油圧ポンプによって駆動してもよい。
【0050】
1次及び2次高圧マニホールドが一致するか又は接続可能である(接続弁を介して)実施形態では、油圧モータ48は、シャフトを回転するために流体圧力を2次高圧マニホールドに供給するためのポンプとして使用してもよい。このような機械では、2次油圧ポンプ52は必要ではないかもしれないし、あるいは高圧流体のバックアップ供給部として望ましいかもしれない。
【0051】
図3は、本発明の第4の形態を使用する図2のWTGを維持する方法を示している。図3aでは、風力タービンは、第1のブレード61が下方に向き、かつ第2のブレード62と第3のブレードが水平から約30度である位置にハブをゆっくりと回転させるために、低速高圧弁及び2次高圧マニホールドからの流体を使用して制御器によって保守のために準備される。これは、例えば、ヘリコプターの着陸又はナセルの上のエンジニアの降下のために安全な構造である。当然、WTGの設計及び保守手順に応じて、他の向きが望ましいかもしれない。ブレードが必要な向きにあるとき、機械式安全ブレーキを適用することが可能である。
【0052】
図3bでは、地面に降下されている第1のブレード61が示されており、この場合、ハブから延伸しているウインチケーブルによっているが(ロータ取付け点の中心の近くから延びることが好ましい)、クレーンを使用してもよい。ブレードは、図示したような垂直の代わりに、水平の向きから降下することが可能である。
【0053】
図3cでは、第1のブレードは、第1のカウンタウェイト64で置き換えられ、このカウンタウェイトは、第1のブレードを取り外すために使用されるウィンチ又はクレーン手順の逆転の際に適所に持ち上げることが可能である。カウンタウェイトの目的は、流体作動機械1を次の所望の位置に回転させるために、ハブ46にかかるトルクが流体作動機械にとって高すぎないように、ハブ46上の重量のバランスをとることである。
【0054】
図3dでは、第2のブレード62が取り外し位置にあるようにハブが回転されており、第2のブレードが取り外される。図3eは、第2のカウンタウェイト65が取り付けられることを示し、一方、図3fはすべてのブレードが取り外され、カウンタウェイトが取り付けられることを示している。手順は、再び繰り返すことができ、今回は、第1から第3のカウンタウェイトを取り外し、より軽いカウンタウェイトを取付けるか、あるいは第1から第3のカウンタウェイトを簡単に取り除く。
【0055】
対応する部分が同一の番号によって番号付けされている本発明の代替的な実施形態が、図4に示されている。この場合、各々の作動チャンバは、作動チャンバと関連付けられる2次弁30(低速高圧弁として機能)を有するが、それぞれの作動チャンバ内に直接開放する受動的に開放する逆止弁である追加の加圧流体送出弁70も有する。追加の加圧流体送出弁は、駆動ライン72a、72b、72cによって2次弁に各々接続される。1つ以上の受動的に開放する逆止弁は、2次弁が複数の作動チャンバへの加圧流体の流量を調整できるように各々の駆動ラインに接続されるが、各々の2次弁は、駆動ライン72a、72b又は72cと受動的に開放する逆止弁とを通して、互いに同一の位相にある作動チャンバに接続される。例えば、チャンバの第1及び第3のバンクが互いに同一の位相にあり、かつチャンバの第2及び第4のバンクが互いに同一の位相にある4つのバンクのチャンバを有する機械では、1つの2次弁は、第1及び第3のバンクの対応する作動チャンバに流体を供給でき、また任意に他の2次弁は、第2及び第4のバンクの対応する作動チャンバに流体を供給できるであろう。各々の2次弁は、複数の作動チャンバへの作動流体の流量を調整し、それぞれの駆動ラインを2次高圧マニホールド32と流体連通させることによって、各々の2次弁は作動チャンバに接続され、2次高圧マニホールドは、制御器の制御下でポンプ40又は低圧流体タンク42によって加圧される。タンクはまた、低圧流体を低圧マニホールド16に供給し、圧力リリーフ弁28を通して1次高圧マニホールド22に接続される。
【0056】
ポンプの通常の動作中、2次弁は、駆動ラインが低圧タンクの圧力にあるようにデフォルト状態にあり、このため追加の加圧流体送出弁は閉鎖されたままである。2次弁は閉鎖されたままであるが、この理由は、通常の動作中、ポンピングサイクルの膨張行程中に作動チャンバに送出される低圧流体が、駆動ラインよりも僅かに高い圧力(すなわちタンク圧力)、例えば5バール対1バールにあるか、あるいは2次弁が付勢閉鎖されるからである。しかし、追加の加圧流体送出弁が作動チャンバ用の2次源の低圧流体として動作する機械を設けることが可能であろう。
【0057】
保守操作モードでは、流体作動機械の制御器は、2次弁の少なくともいくつか、特に、2次弁の吸気行程と対応する位相にある作動チャンバへの加圧流体の供給を制御する2次弁を開放する。したがって、加圧流体は、通常動作中の定格角速度と比較して比較的低い角速度においてであるが、シャフトの回転を駆動するように、追加の加圧流体送出弁を通して作動チャンバに供給される。高圧マニホールド24は、この操作モードで2次高圧マニホールド32の圧力と少なくとも同程度に高い圧力に維持されなければならない。
【0058】
この構成は、制御される低速高圧弁が比較的ほとんど必要でなく、また追加の加圧流体送出弁を作動チャンバに非常に近接して配置でき、したがって、最小の死容積のみを作動チャンバに導入するという利点を有する。
【0059】
適用されるトルクは、例えば、ポンプ40の変位を調整して2次高圧マニホールド内の圧力を調整することによって、又は開放2次弁の数を調整することによって、又は2次弁を使用して、2次高圧マニホールドが作動チャンバと連通している作動チャンバ容積のサイクルの位相範囲を調整することによって変更できる。各々の作動チャンバでは、駆動ラインに追加の加圧流体送出弁及び接続部を有する必要はない。例えば、すべての第2の作動チャンバのみ、又は多バンク機械の作動チャンバのいくつかのバンクのみが、駆動ラインに接続可能であり得る。
【0060】
この実施形態では、ポンプは二重偏心で示されており、当業者は、本発明が例えば代わりの配置によって実施可能であることを認識するであろうが、作動チャンバを多ローブ付きリングカムに結合することが可能である。
【0061】
本発明の範囲内に含まれるさらなる修正と変更が、当業者に想起されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御器(12)と、周期的に変化する容積の作動チャンバ(2)とを備える流体作動機械(1)であって、前記作動チャンバが、低圧マニホールド(16)への前記作動チャンバの接続を制御するために、前記作動チャンバと関連する電子的に制御可能な低圧弁(14)を有し、前記制御器が、サイクル毎に前記作動チャンバによって流体の正味変位を決定するために、作動チャンバ容積のサイクルと位相調整された関係で、前記低圧弁を能動的に制御するように動作可能であり、前記作動チャンバが、1次高圧マニホールド(22)への前記作動チャンバの接続を高サイクル速度で制御するために、前記作動チャンバと関連する高速高圧弁(20)を有する、流体作動機械において、前記作動チャンバが、2次高圧マニホールド(32)への前記作動チャンバの接続を低サイクル速度で制御するために、前記作動チャンバと関連する低速高圧弁(30)を有することを特徴とする流体作動機械。
【請求項2】
前記制御器が、作動チャンバ容積の少なくともいくつかのサイクルの部分の間に前記低速高圧弁を能動的に制御するように動作可能である、請求項1に記載の流体作動機械。
【請求項3】
前記高速高圧弁が、圧力作動式の逆止弁である、請求項1又は2に記載の流体作動機械。
【請求項4】
前記制御器が、作動チャンバ容積の少なくともいくつかのサイクルの部分の間に前記高速高圧弁を能動的に制御するように動作可能である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の流体作動機械。
【請求項5】
前記高圧弁が、前記制御器の制御下で作動チャンバ容積のサイクルと位相調整された関係で開閉可能である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の流体作動機械。
【請求項6】
前記低速高圧弁が、前記高速高圧弁よりも実質的により低い流量容量である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の流体作動機械。
【請求項7】
前記低速高圧弁が、作動チャンバ内の圧力と比較して前記2次高圧マニホールド内の高い流体圧力に対抗して開放するように動作可能である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の流体作動機械。
【請求項8】
各々の低速高圧弁が、前記2次高圧マニホールドへの複数の作動チャンバの接続を制御する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の流体作動機械。
【請求項9】
各々の低速高圧弁が、逆止弁と、前記逆止弁から前記低速高圧弁に延びる流体ラインとを通して、前記2次高圧マニホールドへの1つ以上の作動チャンバの接続を制御する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の流体作動機械。
【請求項10】
前記1次高圧マニホールド及び前記2次高圧マニホールドが流体接続される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の流体作動機械。
【請求項11】
前記低速高圧弁が前記2次高圧マニホールドに開放しているときに、前記1次高圧マニホールドが、流体が前記作動チャンバから前記1次高圧マニホールドを通過するのを防止するためのブロック手段を備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の流体作動機械。
【請求項12】
低圧弁と、前記低圧弁と関連する高速高圧弁を有するが、前記低圧弁と関連する低速高圧弁を有しない少なくとも1つの作動チャンバをさらに備える、請求項1〜11のいずれか1項に記載の流体作動機械。
【請求項13】
前記チャンバが作動流体の正味変位を行う能動サイクル又は前記チャンバが実質的に作動流体の正味変位を行わないアイドルサイクルを実施するように、各々の作動チャンバが作動チャンバ容積の各々のサイクルで動作可能である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の流体作動機械。
【請求項14】
制御器(12)と、周期的に変化する容積の作動チャンバ(2)とを備える流体作動機械(1)を操作する方法であって、前記作動チャンバが、低圧マニホールド(16)への前記作動チャンバの接続を制御するために、前記作動チャンバと関連する電子的に制御可能な低圧弁(14)を有し、前記制御器が、サイクル毎に前記作動チャンバによって流体の正味変位を決定するために、作動チャンバ容積のサイクルと位相調整された関係で、前記低圧弁を能動的に制御するように動作可能であり、前記作動チャンバが、1次高圧マニホールド(20)への前記作動チャンバの接続を高サイクル速度で制御するために、前記作動チャンバと関連する高速高圧弁(18)を有する、方法において、前記作動チャンバが、2次高圧マニホールド(26)への前記作動チャンバの接続を低サイクル速度で制御するために、前記作動チャンバと関連する低速高圧弁(24)を有することと、前記方法が、前記作動チャンバの膨張を推進するために前記低速高圧弁を開放することを含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
高圧油圧流体の独立源から2次高圧マニホールドに供給することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記流体作動機械のシャフトの回転を第1の予め定められた角度に駆動するために、前記制御器の制御下で複数の低速高圧弁を開閉することをさらに含む、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記シャフトに、複数の取り外し可能なブレードを結合し、前記方法が、少なくとも1つの第1の前記ブレードを取り付けるか又は取り外すことを含み、前記制御器の制御下で複数の低速高圧弁を開閉して、前記シャフトの回転を第2の予め定められた角度に駆動することが続くか又は先行する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの前記ブレードの代わりに少なくとも1つのカウンタウェイトを取り付けるか又は取り外すことを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの前記カウンタウェイトを少なくとも1つの前記ブレードで置き換えることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
制御器(12)と、周期的に変化する容積の作動チャンバ(2)とを備える流体作動機械(1)であって、前記作動チャンバが、低圧マニホールド(16)への前記作動チャンバの接続を制御するために、前記作動チャンバと関連する電子的に制御可能な低圧弁(14)を有し、前記制御器が、サイクル毎に前記作動チャンバによって流体の正味変位を決定するために、作動チャンバ容積のサイクルと位相調整された関係で、前記低圧弁を能動的に制御するように動作可能であり、前記作動チャンバが、1次高圧マニホールド(22)への前記作動チャンバの接続を前記流体作動機械の通常のポンピングモードで制御するために、前記作動チャンバと関連する第1の高圧弁(20)を有する、流体作動機械(1)において、前記作動チャンバが、高圧流体源(32)への前記作動チャンバの接続を制御し、これによって、前記流体作動機械の代替的なモータリングモードで前記作動チャンバ容積の膨張を推進するために、前記作動チャンバと関連する第2の高圧弁(30)を有することを特徴とする流体作動機械(1)。
【請求項21】
制御器(12)と、周期的に変化する容積の作動チャンバ(2)とを備える流体作動機械(1)を操作する方法であって、前記作動チャンバが、低圧マニホールド(16)への前記作動チャンバの接続を制御するために、前記作動チャンバと関連する電子的に制御可能な低圧弁(14)を有し、前記制御器が、サイクル毎に前記作動チャンバによって流体の正味変位を決定するために、作動チャンバ容積のサイクルと位相調整された関係で、前記低圧弁を能動的に制御するように動作可能であり、前記作動チャンバが、1次高圧マニホールド(20)への前記作動チャンバの接続を前記流体作動機械の通常のポンピングモードで制御するために、前記作動チャンバと関連する第1の高圧弁(18)を有する、方法において、前記作動チャンバが、高圧流体源(26)への前記作動チャンバの接続を制御するために、前記作動チャンバと関連する第2の高圧弁(24)を有し、前記方法が、前記流体作動機械の代替的なモータリングモードで、前記第2の高圧弁を開放し、これによって前記作動チャンバの膨張を推進することを含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
流体作動機械制御器で実行されるとき、請求項14〜21のいずれか1項に記載の方法に従って流体作動機械を操作するコンピュータプログラムコード。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3(a)】
image rotate

【図3(b)】
image rotate

【図3(c)】
image rotate

【図3(d)】
image rotate

【図3(e)】
image rotate

【図3(f)】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2012−524852(P2012−524852A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502814(P2012−502814)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【国際出願番号】PCT/GB2011/050357
【国際公開番号】WO2011/104546
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(509066031)アルテミス インテリジェント パワー リミティド (25)
【氏名又は名称原語表記】ARTEMIS INTELLIGENT POWER LIMITED
【Fターム(参考)】