説明

流体流、特に合成ガスからの二酸化炭素の回収方法

流体から二酸化炭素を除去する方法において、(a)流体を、第1の吸収領域で、その後第2の吸収領域で、液体吸収剤と向流接触させることによって処理し、前記流体に含有された二酸化炭素の少なくとも1部を前記吸収剤に吸収させる工程;(b)負荷された吸収剤を減圧して第1の二酸化炭素の流れを放出させ且つ部分的に再生した吸収剤を得る工程;(c)第1の部分的に再生した吸収剤の流れを第1の吸収領域中に再循環させる工程;(d)第2の部分的に再生した吸収剤の流れを加熱して第2の二酸化炭素の流れを放出させ且つ再生した吸収剤を得る工程;(e)再生した吸収剤を第2の吸収領域中に再循環させる工程;(f)第2の二酸化炭素の流れを冷却し且つ回収された熱の少なくとも1部を部分的に再生した吸収剤に間接熱交換により伝達することによって、第2の二酸化炭素の流れに同伴された水蒸気を凝縮する工程を含む、前記方法。本発明は、2段階の二酸化炭素回収方法において、二酸化炭素の回収に要求される全エネルギーを削減する及び/又は二酸化炭素の少なくとも1部が大気圧よりも高い圧力で回収されて二酸化炭素の圧縮、例えば、分離に要求されるエネルギーを削減する、前記回収方法を提供する。液体から二酸化炭素を除去するためのプラントも開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は、二酸化炭素含有流体流からの、特に合成ガス、シフトした合成ガス又は天然ガスからの二酸化炭素及び他の酸性ガスの回収方法に関する。
【0002】
近年では、大気の二酸化炭素の増加による地球温暖化が問題として考えられるようになった。従って、石炭火力発電所及び工業用煙突からの二酸化炭素排出物を捕捉し、これを地球又は海洋内に深く沈めることによって隔離することが試みられてきた。
【0003】
石炭、油、天然ガス、バイオマス又は石油コークスなどの炭素質燃料は、豊富で且つ低コストであり、これは発電に使用できる。別の発電の技術は市場で利用可能である。微粉炭(PC)又は天然ガス複合サイクル(NGCC)などの従来の発電所技術は、典型的には、空気、酸素が豊富な空気又は酸素を用いて化石燃料を焼却する。より厳しい環境規制、高効率の発電プロセスの調査並びに石油コークス及びバイオマスの原料としての使用に対して高まる要求がきっかけとなって、従来の発電所と比較して改善された効率を達成する可能性のある総合気化混合サイクル(IGCC)系が開発されてきた。かかる系では、合成ガス(水素及び一酸化炭素の混合物)は、石炭又は他の炭素質燃料の部分的な酸化によって生成される。これは燃焼の前に硫黄及び他の不純物の洗浄を可能にする。更に、炭素分離が所望される場合、水性ガスシフト反応を用いて一酸化炭素と水蒸気とを反応させて二酸化炭素と水素を形成することができる。従って二酸化炭素は、当該技術分野で公知の従来技術を用いて回収されてよい。これは分離のための二酸化炭素の予燃焼回収を可能にする。
【0004】
WO2008/157433号は、炭素の捕捉及び貯蔵を提供するために改良されたハイブリッドIGCCプラントを記載しており、その際、暖かいガスの浄化システムを出ていく合成ガスが、気体燃料から二酸化炭素を分離するために部分酸化装置、合成ガス冷却機、水性ガスシフト反応器、及び吸収システムを通過し、それによって前記二酸化炭素が乾燥され且つ分離前に圧縮される。
【0005】
工業規模では、有機塩基の水溶液、例えば、アルカノールアミンは、流体流から二酸化炭素を除去するために吸収液体として頻繁に使用されている。二酸化炭素が溶解した時に、イオン生成物が塩基及び二酸化炭素から形成される。吸収流体は、逆反応するイオン生成物を用いて、低い圧力への膨張、又はストリッピングによって再生し、二酸化炭素及び/又は水蒸気によってストリッピングされた二酸化炭素を遊離することができる。吸収流体は再生プロセス後に再利用することができる。
【0006】
しかしながら、高圧流体が処理されるという事実にもかかわらず、慣用のプロセスによって流体から分離される二酸化炭素は大気圧に近い低圧を有する。これは上記の永久貯蔵の目的のために、二酸化炭素は低圧から噴射に要求される約150バールの圧力(絶対圧)まで加圧されなければならない点で不利である。高圧の二酸化炭素は、ある工業用途、例えば、尿素の生産にも要求されている。
【0007】
高圧ガス供給流の処理において、典型的には2段階の方法が利用されている。比較的小さい部分の再生した吸収液体(貧溶媒)を吸収塔の上部で供給し、比較的大きな部分の部分的のみ再生した吸収液体(半貧溶媒)を吸収塔の中央に供給する。二酸化炭素の大部分は、部分的に再生した吸収液体の回路(半貧ループ)で除去され、ポリッシングだけが再生した吸収液体を用いて行われる。再生工程は、典型的には、吸収塔に見られる高圧から低圧までの膨張又は二酸化炭素の豊富な吸収流体のフラッシングを含み、それによって負荷された吸収液体が部分的に再生される。より小さい部分の吸収液体は直接又は間接加熱によって熱的に再生される。
【0008】
先行技術は二酸化炭素が大気圧よりも高い圧力で回収される複数のプロセスを開示している。上記の大気圧にて再生工程を実施する利点は、低圧段階の圧縮を省略してもよいことである。
【0009】
従って、EP−A768365号は、高圧天然ガスからの高濃度二酸化炭素の除去方法であって、30kg/cm(30バールの絶対圧)以上の圧力を有する天然ガスを、吸収液体と気液接触させる工程;及び二酸化炭素が豊富な吸収流体を減圧しないで加熱し、それによって高圧の二酸化炭素が遊離する再生工程を含む、前記方法を教示する。
【0010】
US6,497,852号は、二酸化炭素の回収方法において、選択的に供給流れからの二酸化炭素を液体吸収剤流体に吸収させ、得られた流れを、35psia(2.4バールの絶対圧力)以上の圧力で、流れがストリッパーの上部に到達できるだけの十分な圧力まで加圧し、且つ35psia(2.4バールの絶対圧力)以上の圧力で、ストリッパー中の流れから二酸化炭素をストリップすることによる、前記回収方法を記載している。
【0011】
WO2005/009592号は、50psia(3.5バールの絶対圧力)を超えて且つ300psia(20バールの絶対圧力)を超えない圧力下で行う酸性ガス再生方法に関する。再生器から出てくる分離されたガス流れは圧縮されて下のリザーバーに注入される。
【0012】
しかしながら、二酸化炭素が大気圧よりも高い圧力で回収されるこれらの方法は、上記の2段階の方法よりも有意に高いリボイラーの使用を含む。
【0013】
本発明は、2段階の二酸化炭素回収方法において、二酸化炭素の回収に要求される全てのエネルギーを削減する及び/又は少なくとも1部の二酸化炭素を大気圧よりも高い圧力で回収して、プロセスのエネルギー要求量の有意な増加なしに、二酸化炭素の圧縮、例えば、分離に要求されるエネルギーを削減する、前記回収方法を提供しようとしている。
【0014】
本発明は、流体から二酸化炭素を除去する方法において、
(a)流体を、第1の吸収領域で、その後第2の吸収領域で、液体吸収剤と向流接触させることによって処理し、前記流体に含有された二酸化炭素の少なくとも1部を前記吸収剤に吸収させる工程;
(b)負荷された吸収剤を減圧して第1の二酸化炭素の流れを放出させ且つ部分的に再生した吸収剤を得る工程;
(c)第1の部分的に再生した吸収剤の流れを第1の吸収領域中に再循環させる工程;
(d)第2の部分的に再生した吸収剤の流れを加熱して第2の二酸化炭素の流れを放出させ且つ再生した吸収剤を得る工程;
(e)再生した吸収剤を第2の吸収領域中に再循環させる工程;
(f)第2の二酸化炭素の流れを冷却し且つ回収された熱の少なくとも1部を部分的に再生した吸収剤に間接熱交換により伝達することによって、第2の二酸化炭素の流れに同伴された水蒸気を凝縮する工程を含む、前記方法を提供する。
【0015】
本発明は更に、流体から二酸化炭素を除去するプラントであって、
(a)流体を液体吸収剤と向流接触させるための第1の吸収領域及び第2の吸収領域を含む吸収塔;
(b)負荷された吸収剤を減圧して第1の二酸化炭素の流れを放出させ且つ部分的に再生した吸収剤を得るための減圧装置;
(c)第1の部分的に再生した吸収剤の流れを第1の吸収領域中に再循環させるための、減圧装置の底部から第1の吸収領域までのライン;
(d)第2の部分的に再生した吸収剤の流れを加熱して第2の二酸化炭素の流れを放出させ且つ再生した吸収剤を得るためのストリッピング装置;
(e)再生した吸収剤を第2の吸収領域中に再循環させるためのストリッピング装置の底部から第2の吸収領域までのライン;及び
(f)第2の二酸化炭素の流れを冷却し且つ回収された熱の少なくとも1部を減圧装置の底部で部分的に再生した吸収剤上に伝達するための間接熱伝達手段
を含む、前記プラントを提供する。
【0016】
好ましい実施態様において、第2の部分的に再生した吸収剤の流れの加熱は、少なくとも3バール(絶対)、好ましくは3.5〜10バールの高圧で行われ、且つ第2の二酸化炭素の流れは高圧で回収される。高圧で回収される第2の二酸化炭素の流れは、都合よく二酸化炭素加圧装置中に導入され、その際、低圧段階の圧縮が省かれてよい。
【0017】
好ましい実施態様において、少なくとも高圧で回収される第2の二酸化炭素の流れは、第1及び第2の二酸化炭素の流れにおいて除去された二酸化炭素の総量の、少なくとも15%、好ましくは20〜30%(例えば、s.t.p.を基準として体積%)を占める。
【0018】
一実施態様において、再生工程の間に遊離した二酸化炭素を含む流れは、貯蔵のために地下領域中に捨てられる。例えば、高圧で回収された流れは、炭化水素を有する地下層、特に、永久貯蔵のための油を有する地下層に注入されてよい。遊離したガス流れは、地下領域中への注入を可能にするのに十分に高い圧力まで加圧することを要求する。
【0019】
二酸化炭素の別の使用は、アンモニアとの反応による尿素への転換に関する。尿素反応器への供給用途にも、二酸化炭素を圧縮しなければならない。
【0020】
二酸化炭素の別の使用は、第2の二酸化炭素流れからのCOが非常に高いCO不純物を有し、更に下流の精製工程を容易にするので、食品用銘柄のCOの製造に関する。
【0021】
大気圧よりも高い圧力で少なくとも1部の二酸化炭素を回収することの利点は、全ての圧縮の必要性が低減されることである。例えば、5バール(絶対圧力)の圧力での二酸化炭素の回収は、少なくとも1つの圧縮段階の削減を可能にする一方、9バールの圧力での再生工程の実施は、大気圧での酸性ガスの遊離と比較した場合、2段階までの圧縮を削減する可能性を有する。
【0022】
本発明の一実施態様において、処理されるべき流体は、二酸化炭素を含有する合成ガス又はシフトした合成ガスから選択される。本願明細書のために、「シフトした合成ガス」との用語は完全に又は部分的にシフトした合成ガスを包含することを意図する。合成ガス(合成用ガス)は主として水素、一酸化炭素、及び非常に多くの場合、二酸化炭素からなり、且つかなりの量の窒素を含有し得る。合成ガスを製造するための複数の方法がある。
【0023】
ガス化(又は部分酸化)は、石炭、バイオマス、及び石油などの炭素ベースの生成物を一酸化炭素及び水素に転換する方法である。これは、合成ガスを生成するためのガス化器において生成物と化学量論量以下の酸素との間に化学反応を引き起こすことによってなされる。ガス化は、有機材料からエネルギーを得るための高効率の方法であり、廃棄物の処理方法として用いることができる。本発明の一実施態様において、本方法は、炭素質材料、炭化水素系材料、バイオマス及び一般廃棄物から選択される材料をガス化して合成ガスを形成することを含む。ガス化プロセスが適している燃料として、歴青炭、亜歴青炭、褐炭、亜炭、クリンカー、高灰分石炭及びバイオマスが挙げられるがこれらに限定されない。ガス化プロセスは、下流プロセスに適した所望の高圧に達するために必要とされる合成ガスの圧縮を最小限にするか又は省くために、高圧下で運転してよい。
【0024】
ガス化器を出る合成ガスは、典型的には、合成ガスの冷却器及び暖かいガスの浄化システム、例えば、ハロゲン化物のスクラバー及び脱硫器を通る。
【0025】
ハロゲン化物のスクラバーは塩化水素及び他のハロゲン化物を除去し得る。幾つかの実施態様において、ハロゲン化物のスクラバーは、ナーコライト又はトロナ、活性成分が重炭酸ナトリウムである鉱物のペブルベッドで充填された圧力容器から構成されている。
【0026】
脱硫器は、例えば、典型的には精油所で使用される反応器のデザインを使用してよい。幾つかの実施態様において、輸送脱硫器は、合成ガス中の硫黄化合物が(例えば、亜鉛ベースの吸収剤の粒子によって)吸収される吸収器ループ、及び吸収剤を再生する再生器ループからなる。再生器を出ていくガスは二酸化硫黄を含有し、且つ通常、酸プラント又はクラウス装置に送られる。酸プラントは、二酸化硫黄を、再生器ガス中で硫酸に転換する。クラウス装置は元素の硫黄を生成する。
【0027】
あるいは、低温吸収プロセスは、硫黄化合物のないガスを洗浄するために利用されてよい。これらのプロセスは、典型的にはHS及びSOなどの硫黄含有種について高容量を有する溶媒を使用する。硫黄含有種の除去は、主に物理的吸収、例えば、Rectisol(登録商標)、Selexol(登録商標)又はPuraTreat(登録商標)Aプロセス、又は化学吸収、例えば、MDEA、sMDEA(登録商標)又はFlexsorb(登録商標)SEプロセスに依存し得る。ストリッピングガスからの硫黄の回収も含まれてよい。
【0028】
フライアッシュ及び破砕した吸収剤は、金属のキャンドル型フィルタによって合成ガスから除去してよい。
【0029】
炭化水素系材料の水蒸気改質は合成ガスを形成するための別の重要な方法である。水蒸気改質は、H、CO、CO、CH、及びHO(H対COの比が約3:1又はそれより高い)を含む、合成ガスを生成するための蒸気と、天然ガスなどの炭化水素系材料との触媒反応である。この水蒸気改質反応は吸熱である。従って、外部熱が必要である。天然ガス及び水蒸気は典型的には、改質反応のためにニッケルベース触媒を含有する合金管中に供給される。触媒管は耐火材が敷設された構造内に配置される。天然ガスの一部は燃料として使用されて反応に要求される熱を提供する。
【0030】
任意に、合成ガスは、シフトした合成ガスを得るために水性ガスシフト反応器に通される。水性ガスシフト反応(WGS)は、一酸化炭素が水と反応して二酸化炭素と水素を形成する化学反応である。
【0031】
一実施態様において、本発明によるプロセスは、二酸化炭素をそこから除去した後に、合成ガス又はシフトした合成ガスによってガスタービンを燃焼させることを含む。合成ガスが電気を発生させるために使用されるべき場合、これは一般的にIGCC(総合気化混合サイクル)発電構造において燃料として使用される。シフトした合成ガスへの合成ガスの第1の転換は、水素/窒素混合物からのCOの分離を可能にする。COは、例えば、地質学的貯蔵において、乾燥、加圧、及び分離してよい。本発明の予備燃焼炭素捕捉システムは、煙道ガスからのCOを除去するシステムよりも更に安価にCOを除去する。これは、例えば、スクラバー中の高い圧力及び濃度のためである。
【0032】
天然ガス複合サイクル発電所(NGCCs)の役割を果たすために初めて開発されたガスタービンはIGCCに使用されてよい。幾つかの実施態様において、本発明に関連する合成ガスと共に使用されるガスタービンは、変更しないで運転されてよい。他の実施態様において、ガスタービンは改変される。例えば、ガスタービンは、エキスパンダの入口ベーンへの流通路を開いてより高い体積流量の合成ガスを収容することによって改変してよい。これは失速の公差を増加させてフレームアウトの危険を低下させ得る。合成ガスで運転されるガスタービンは、天然ガスで運転されるタービンよりも高い流量及び出力を有し得る。ガスタービン中での水素の燃焼は、水素の高い反応性、その速い乱流火炎速度、及びH/空気混合物の自動点火する傾向のために、有意な技術的及び工学的な課題を示す。典型的には、燃料/空気混合物は不活性ガスによる希釈を要求し得る。
【0033】
合成ガスを使用する幾つかの実施態様において、通常、(NOx排出を最小限にするための)天然ガスとの予備混合設計である燃焼器は、合成ガス中の水素による逆火を防ぐために合成ガスとのノズル混合(又は拡散設計)でなければならない。幾つかの実施態様において、更なる拡散バーナは、IGCCs(15ppmv)について確立されたNOx基準を満たし得る。
【0034】
幾つかの実施態様において、シフトした合成ガスはアンモニアの合成に使用される。
【0035】
他の実施態様において、処理されるべき流体は、炭化水素流体であり、特に天然ガス又は液化天然ガス(LNG)である。本発明による方法は、原油蒸留装置CDU又は転換プラントなどの精油プラントからのオフガスを処理するのにも適しており、これは触媒プロセス(例えば、接触流動分解装置FCCU及び水素分解装置HCU)及び熱的プロセス(例えば、ビスブレーカ装置VDU及びコーカー装置DCU)を含んでよい。
【0036】
本発明の方法において、第1の吸収領域で、その後、第2の吸収領域で、流体を液体吸収剤と向流接触させることによって処理し、該流体に含有される二酸化炭素の少なくとも1部を前記吸収剤中に吸収させる。液体吸収剤は、二酸化炭素の吸収が可能であり且つ低圧への膨張、加熱及び/又は不活性流体によるストリッピングによって再生される。
【0037】
二酸化炭素に加えて、本発明によって処理される流体は、例えば、HS、SO、CS、HCN、COS又はメルカプタンなどの他の酸化合物を含有し得る。これらの酸化合物は、二酸化炭素と一緒に完全に又は部分的に除去され得る。
【0038】
好ましくは、吸収剤はアミン水溶液を含む。好ましいのは、30〜70質量%、特に40〜60質量%の全アミン含有率を有するアミン水溶液である。
【0039】
好ましくは、吸収媒体はモノエタノール−アミン(MEA)、メチルアミノプロピルアミン(MAPA)、ピペラジン、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、ジエチルエタノールアミン(DEEA)、ジイソプロピルアミン(DIPA)、アミノ−エトキシエタノール(AEE)、ジメチルアミノプロパノール(DIMAP)及びメチルジエタノールアミン(MDEA)、メチルジイソプロパノールアミン(MDIPA)、2−アミノ−1−ブタノール(2−AB)又はそれらの混合物の水溶液を含む。
【0040】
好ましい吸収媒体は、炭素数4〜12の少なくとも1種のアルカノールアミンを含む。特に好ましい吸収媒体は、少なくとも1種の第4級アルカノールアミン、好ましくは第1級又は第2級アミンの形の活性剤を含む。好ましい活性剤は、少なくとも1つのNH基を有し、適切な場合、酸素原子及び窒素原子から選択される更なるヘテロ原子を環中に有する飽和の5員〜7員の複素環化合物である。好適な活性化剤は、ピペラジン、1−メチルピペラジン、2−メチルピペラジン、1−アミノエチルピペラジン、モルホリン、ピペリジンである。他の好ましい活性化剤は、メチルアミノプロピルアミン、2−アミノ−1−ブタノール及びアミノエトキシエタノールから選択される。
【0041】
米国特許第4,336,233号に記載された吸収剤もまた特に有効であることが分かった。これは吸収促進剤又は活性化剤(aMDEA(登録商標)、BASF AG、Ludwigshafen)としてのメチルジエタノールアミン(MDEA)及びピペラジンの水溶液である。そこに記載された吸収剤は、1.5〜4.5モル/lのメチルジエタノールアミン(MDEA)及び0.05〜0.8モル/l、好ましくは0.4モル/lのピペラジンを含む。
【0042】
更に有利な吸収剤はジメチルアミノプロパノール(DI−MAP)及びピペラジンの水溶液である。吸収剤は好ましくは2〜5.5モル/lのジメチル−アミノプロパノール(DIMAP)及び0.03〜0.8モル/lのピペラジンを含む。
【0043】
吸収工程において、二酸化炭素含有ガス供給流を、液体吸収剤と気液接触させる。そのために任意の好適な吸収塔を使用してよい。吸収塔は、ガス流れと吸収剤との間で密接させるトレイ、充填層又は他の接触装置などの接触手段を含み得る。ガス流れは吸収塔の下部に導入されて該吸収塔の上部に移動してよい。吸収剤は吸収塔の上部に導入されてガス流れに対して向流の吸収塔の底部に移動してよい。
【0044】
吸収工程において、高温では達成可能な二酸化炭素の充填が少なく且つ、一般に、高温は望ましくない腐触を引き起こすので、吸収剤の温度は100℃を超えてはならない。吸収工程は、原則として、40℃〜60℃の吸収塔の最高温度で実施されるが、温度は75℃の高さであってよい。吸収工程は、低温、例えば、25℃以上で実施されてもよいが、かかる低温はエネルギー消費の増加につながる。吸収塔の底部温度は100℃より高くてはならない。
【0045】
任意に、充填された吸収剤は、吸収塔を満たしている高圧から中圧まで、膨張又はフラッシュされてよく、その圧力で供給流れの吸収された成分、例えば、わずかな炭化水素、窒素、一酸化炭素、及び他の不活性ガスなどの不活性ガスが放出される。この中圧のフラッシュは、好ましくは、有意な量の二酸化炭素が放出されないように、運転されている。典型的には、15〜3バール(絶対圧)の圧力がこの段階で使用される。
【0046】
次に、充填された吸収剤を(更に)膨張又はフラッシュ(減圧)して、最初の二酸化炭素の流れ(及び存在すれば供給流れ中の他の酸性ガス)を放出させ、部分的に再生した吸収剤を得る。典型的には、4バール〜200ミリバール、好ましくは3〜1バール(絶対圧)の圧力がこの段階で使用される。圧力膨張は、例えば、スロットルバルブを使用して、フラッシュタンク中に充填された吸収剤を膨張させて行ってよい。追加的に、又は代替的に、吸収流体は、発電機を駆動させ且つ電気エネルギーを生成し得る膨張タービンを通過し得る。フラッシュタンクから回収される二酸化炭素は、水蒸気及びアミン吸収剤を同伴する。好ましくは、これは部分的に凝縮されたコンデンサを通過する。得られる2相の流れは、二酸化炭素ガスと凝縮物に分離され得る。主に水とアミンを含む凝縮物は、フラッシュタンクに戻される。
【0047】
第1流れの部分的に再生した吸収剤は、第1の吸収領域に再循環される。第1の吸収領域に入る部分的に再生した吸収剤は好ましくは50〜90℃、特に60〜80℃の温度を有する。
【0048】
第2の部分的に再生した吸収剤の流れを加熱して第2の二酸化炭素(及び存在すれば供給流れ中の他の酸性ガス)の流れを放出させ、再生した吸収剤を得る。この再生工程は、二酸化炭素の豊富な吸収剤を、直接又は間接加熱によって、典型的には130℃を上回る、好ましくは150℃を上回る温度まで加熱することを要求する。好ましくは、再生工程は、不活性流体による吸収液体をストリッピングすることを含む。このために、吸収剤とストリッピング媒体(熱い不活性ガス、窒素又は水蒸気が好ましい)を、向流様式で、緩い充填物、整列した充填物又はトレイを備えた脱離カラムに通過させる。必要な加熱を与えるために、カラムの底には適したリボイラーが備わっている。好ましくは、ストリッピング媒体は、カラムの底で吸収剤の部分蒸発によって形成する蒸気である。
【0049】
吸収塔に供給する前に、再生した吸収剤を、通常、熱交換器に通して吸収工程に要求される温度にする。ストリッピングカラムを出ていく再生した吸収剤から除去される熱の一部は、フラッシュタンクを出ていく第2の部分的に再生した吸収剤の流れを予備加熱するために使用されてよい。従って、有利な実施態様において、第2の部分的に再生した吸収剤の流れを、再生した吸収剤を用いて間接熱交換によって予備加熱する。
【0050】
再生した吸収剤を次いで第2の吸収領域中に再循環させる。第2の吸収領域に入る再生した吸収媒体は、好ましくは25〜75℃、特に40〜60℃の温度を有する。これらの温度を設定するために、再生した吸収剤を典型的には冷却器に通す。
【0051】
ストリッピング装置から排出される第2の二酸化炭素の流れは水蒸気で飽和される。二酸化炭素は、更に処理される、例えば、圧縮される前に、乾燥されなければならない。本発明の本質的な特徴は、第2の二酸化炭素の流れを(第2の二酸化炭素の流れと他のプロセス流れとを混合することなしに、特に、第2の二酸化炭素の流れと減圧段階で放出された第1の二酸化炭素の流れとを混合することなしに)冷却し、且つ回収された熱の少なくとも1部を間接熱交換により部分的に再生した吸収剤に伝達することによって、第2の二酸化炭素の流れに同伴された水蒸気が凝縮されることである。「間接熱交換」とは、物理的な接触又は流体同士を互いに混合することなしに、2種の流体を熱交換の関係にすることを意味する。
【0052】
好都合には、第2の二酸化炭素の流れはコンデンサ又は一連のコンデンサによって冷却される。分離された水はストリッピング装置に戻されてよい。コンデンサで回収された熱は、減圧装置から部分的に再生した吸収剤を引き出し、これをコンデンサに循環させ且つ加熱された部分的に再生した吸収剤を減圧装置に戻し、任意にフラッシングすることによって、減圧装置(フラッシュタンク)の底で部分的に再生した吸収剤に伝達されてよい。代替的に、冷却材を強制的に冷却材回路に循環させてよく、該回路は第2の二酸化炭素の流れを冷却するための熱交換器を含み、更に部分的に再生した吸収剤と熱交換の関係にある熱交換器を含む。
【0053】
特に、第2の二酸化炭素の流れが高圧で回収される実施態様において、第2の二酸化炭素の流れの冷却によってエアロゾルの形成が生じ得る。エアロゾルは非常に小さい液滴から生じる霧である。凝縮エアロゾルはガス混合物が露点を下回って冷却される時に生じる。エアロゾルの液滴の除去は困難な問題を起こし得る。エアロゾルの形成は、第2の二酸化炭素の流れの冷却が少なくとも2つの連続段階で起こって、この流れの温度が段階的に低下する時に、事実上防止されることが判明した。従って、第2の二酸化炭素の流れは、第1のコンデンサ及び少なくとも1つの連続したコンデンサを通過し得る。第1のコンデンサにおいて、第2の二酸化炭素の流れは、100℃から65℃までの範囲の温度に適切に冷却され、第2のコンデンサにおいて、該流れは60℃を下回る温度まで冷却される。少なくとも1つのコンデンサ、好ましくは第1のコンデンサで回収された熱は、部分的に再生した吸収剤に伝達される。
【0054】
本発明は、ここで以下の添付の図面及び実施例に基づいて更に詳細に記載される。
【0055】
図1は本発明による例示的なプラントを描く図である。
【0056】
図2は比較のプラント設備の図である。
【0057】
図1に関して、供給ガス1は、二酸化炭素除去塔2の下部に設置された第1の二酸化炭素吸収領域3に供給される。ガスは第1の二酸化炭素吸収領域3の上方に移動し、その後、第2の二酸化炭素吸収領域4に移動する。吸収領域3及び4は、塔内装物又は物質移動要素、例えば、トレイ又はランダム又は構造化充填材を含有する。アミン吸収液体は、二酸化炭素除去塔2の上部から冷却器20を介して供給される。供給ガス及びアミン吸収液体は互いに接触し、アミン吸収液体は供給ガスに含有される二酸化炭素を吸収する。処理されたガス5は二酸化炭素除去塔2から排出される。
【0058】
他方では、吸収された二酸化炭素を有するアミン吸収液体は、ライン6を介してフラッシュタンク7まで伝導されて、中圧まで減圧される。減圧によって、わずかな炭化水素、窒素、一酸化炭素、及び他の不活性ガスがアミン吸収液体から放出される。これらのガスはライン8を介して取り出される。
【0059】
得られる不活性ガスが除去された二酸化炭素負荷のアミン吸収液体が、フラッシュタンク7から引き出され、これがライン29を介してフラッシュタンク9まで通過して、低圧まで減圧される。大部分の吸収された二酸化炭素はアミン吸収液体から放出される。二酸化炭素の頂部蒸気はフラッシュタンク9の上部から引き出され、該蒸気が部分的に凝縮される還流凝縮器10を通過する。得られる2相の流れは相分離装置11に移り、ここで、該流れは二酸化炭素ガスと凝縮物とに分離される。二酸化炭素は、流れ12において相分離装置11から除去される。主に水とアミンを含む凝縮物は、相分離装置から引き出されてフラッシュタンク9に戻される。
【0060】
第1の部分的に再生したアミン吸収液体の流れは、フラッシュタンク9の底から引き出され、ポンプ13を介して二酸化炭素除去塔2に再循環される。部分的に再生したアミン吸収液体は、第1の吸収領域3より上方の二酸化炭素除去塔2に入る。第2の部分的に再生したアミン吸収液体の流れはポンプ14を通り、これは熱交換器15で再生した吸収液体18によって加熱されて再生塔16に供給される。再生塔16は、二酸化炭素を放出させ且つ部分的に再生したアミン吸収溶液を完全に再生させるために、リボイラー17により高温に保持されている。再生した吸収液体18は、熱交換器15によって冷却されて且つポンプ19及び冷却器20を介して二酸化炭素吸収塔2の頂部に再循環される。再生したアミン吸収液体は、第2の吸収領域4より上方の二酸化炭素除去塔2に入る。
【0061】
再生塔16の頂部から排出され且つ水で飽和した二酸化炭素は、一連のコンデンサ21及び22で冷却され、そこに含有された水は分離装置23によって排出される。分離された水24は、再生塔16中に還流される。好ましい実施態様において、再生塔16は少なくとも3バールの高圧で運転され、流れ25で回収された二酸化炭素は、二酸化炭素加圧装置(図示していない)に導入されてよい。
【0062】
コンデンサ21で回収された熱は、部分的に再生したアミン吸収液体をフラッシュタンク9からポンプ26まで引き出し、これをコンデンサ21に循環させ且つ加熱された部分的に再生したアミン吸収液体をライン27を介してフラッシュタンク9に戻すことによって、フラッシュタンク9の底で部分的に再生したアミン吸収液体に伝達される。
【0063】
補給水を、ライン28を介して二酸化炭素除去塔2に追加し、処理プラントを出て行くガス流れによる水の損失を補う。
【0064】
図2に関して、同様の参照記号が、図1のような同様の要素について使用される。
【0065】
再生塔16の頂部から排出され且つ水で飽和した二酸化炭素は、ライン30を介してフラッシュタンク9の下部に移される。二酸化炭素の流れに含有される水蒸気は、凝縮されて且つ部分的に再生したアミン吸収液体による直接熱交換によって流れから洗い出される。
【0066】
このプラント設備は、事実上通例の設備に相当し、そこにはフラッシュ部分が再生塔の上部に設置されている。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1は本発明による例示的なプラントの図である。
【図2】図2は比較のプラント設備の図である。
【0068】
実施例
18%のCO含有率を有する29700m(s.t.p.)/hの合成ガス流れは、0.5体積%の残留CO含有率まで減少する。ガス中の更なる成分は実質的に水素、窒素、アルゴン、一酸化炭素及びメタンである。水(60質量%)、メチルジエタノールアミン(37質量%)及びピペラジン(3質量%)から構成される吸収液体を使用した。
【0069】
以下の表1において、図1による(本発明による)プラントの運転データを示した。このデータは特注設計されたアミン処理装置シミュレーションソフトを使用して得られた。比較可能な結果がProMax(登録商標)又はProTreat(登録商標)シミュレーションソフトなどの商業的なプロセスのシミュレーションソフトを使用して得られることが予想される。ガス流れの呼称は図中の参照記号に対応する:
【0070】
以下の表2において、図2による比較プラントの運転データを示す。
【0071】
【表1】

【0072】
【表2】

【0073】
これらの結果は、リボイラー17の熱効率が、本発明の実施例及び比較例において実質的に同じであることを示す。しかしながら、本発明の実施例において、かなりの部分の二酸化炭素が5バールの圧力で回収されており、これは二酸化炭素が例えば、分離されるべき又は尿素合成に使用されるべき場合に圧縮コストを削減する。
【符号の説明】
【0074】
1 供給ガス、 2 二酸化炭素除去塔、 3 第1の二酸化炭素吸収領域、 4 第2の二酸化炭素吸収領域、 5 処理されたガス、 6 ライン、 7 フラッシュタンク、 8 ライン、 9 フラッシュタンク、 10 還流凝縮器、 11 相分離装置、 12 流れ、 13 ポンプ、 14 ポンプ、 15 熱交換器、 16 再生塔、 17 リボイラー、 18 吸収液体、 19 ポンプ、 20 冷却器、 21 コンデンサ、 22 コンデンサ、 23 分離装置、 24 分離された水、 25 流れ、 26 ポンプ、 27 ライン、 28 ライン、 29 ライン、 30 ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体からの二酸化炭素の除去方法において、
(a)流体を、第1の吸収領域で、その後第2の吸収領域で、液体吸収剤と向流接触させることによって処理し、前記流体に含有された二酸化炭素の少なくとも1部を前記吸収剤に吸収させる工程;
(b)負荷された吸収剤を減圧して第1の二酸化炭素の流れを放出させ且つ部分的に再生した吸収剤を得る工程;
(c)第1の部分的に再生した吸収剤の流れを第1の吸収領域中に再循環させる工程;
(d)第2の部分的に再生した吸収剤の流れを加熱して第2の二酸化炭素の流れを放出させ且つ再生した吸収剤を得る工程;
(e)再生した吸収剤を第2の吸収領域中に再循環させる工程;
(f)第2の二酸化炭素の流れを冷却し且つ回収された熱の少なくとも1部を部分的に再生した吸収剤に間接熱交換により伝達することによって、第2の二酸化炭素の流れに同伴された水蒸気を凝縮する工程
を含む、前記方法。
【請求項2】
第2の部分的に再生した吸収剤の流れの加熱を少なくとも3バール(絶対)の高圧で行い且つ第2の二酸化炭素の流れを高圧で回収する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第2の二酸化炭素の流れの冷却を、少なくとも2つの連続段階で行う、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第2の二酸化炭素の流れを二酸化炭素加圧装置中に導入する、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
流体が合成ガス及びシフトした合成ガスから選択される、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
炭素質材料、炭化水素系材料、バイオマス及び一般廃棄物から選択される材料をガス化して、合成ガスを形成し、任意に、前記合成ガスを水性ガスシフト反応器に通してシフトした合成ガスを得ることを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
炭化水素系材料を水蒸気改質して合成ガスを形成することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
二酸化炭素をそこから除去した後に合成ガス又はシフトした合成ガスによってガスタービンを燃焼させることを含む、請求項5から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
二酸化炭素をそこから除去した後に、合成ガス又はシフトした合成ガスを、アンモニアの合成のための触媒反応に供すことを含む、請求項5から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
流体が炭化水素系流体である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
第2の部分的に再生した吸収剤の流れを、再生した吸収剤を用いて間接熱交換によって予備加熱する、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
吸収剤がアミン水溶液を含む、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
アミン水溶液が少なくとも1種の第4級アルカノールアミン及び少なくとも1種の活性化剤を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
アミン水溶液がピペラジン及び少なくとも1種のメチルジエタノールアミン及びジメチルアミノプロパノールを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
流体から二酸化炭素を除去するプラントであって、
(a)流体を液体吸収剤と向流接触させるための第1の吸収領域及び第2の吸収領域を含む吸収塔;
(b)負荷された吸収剤を減圧して第1の二酸化炭素の流れを放出させ且つ部分的に再生した吸収剤を得るための減圧装置;
(c)第1の部分的に再生した吸収剤の流れを第1の吸収領域中に再循環させるための、減圧装置の底部から第1の吸収領域までのライン;
(d)第2の部分的に再生した吸収剤の流れを加熱して第2の二酸化炭素の流れを放出させ且つ再生した吸収剤を得るためのストリッピング装置;
(e)再生した吸収剤を第2の吸収領域中に再循環させるためのストリッピング装置の底部から第2の吸収領域までのライン;及び
(f)第2の二酸化炭素の流れを冷却し且つ減圧装置の底部で部分的に再生した吸収剤上に回収された熱の少なくとも1部を伝達するための間接熱伝達手段
を含む、前記プラント。
【請求項16】
合成ガス及び水性ガスシフト反応器を形成する炭化器/ガス化器を含む、請求項15に記載のプラント。
【請求項17】
シフトした合成ガスによって燃焼したガスタービンを含む、請求項15又は16に記載のプラント。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2012−527992(P2012−527992A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512330(P2012−512330)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【国際出願番号】PCT/EP2010/057107
【国際公開番号】WO2010/136425
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【出願人】(000004411)日揮株式会社 (94)
【Fターム(参考)】