説明

浄化空気通風式の保管設備

【課題】 物品搬出入用の開口部を通して空気が多量に装置外部に流出することを回避させることが可能となる浄化空気通風式の保管設備を提供する。
【解決手段】 物品搬出入用の開口部及び外気取り入れ口を備える状態で外気遮蔽状態に区画形成された設置空間内に、複数の収納部を上下方向に並ぶ状態で備えた棚本体、及び、物品搬送手段が設けられ、棚本体の背面側箇所に形成された背部側通風路、及び、前部側浄化用空気通風路が互いに連通する状態で設けられ、複数の浄化空気送風ユニットが背部側通風路内の空気を吸引して、複数の収納部の収納空間に夫々に対して、その背部側から前部側に向けて浄化空気を通風するように構成され、複数の浄化空気送風ユニットの通風により、前部側通風路及び背部側通風路を通して循環流動される浄化用空気の一部を吸引して排出する排気用通風手段が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、液晶表示素子や半導体製品等の物品を塵埃の少ない清浄な環境において保管するための保管設備に関し、詳しくは、物品搬出入用の開口部及び外気取り入れ口を備える状態で外気遮蔽状態に区画形成された設置空間が設けられ、その設置空間内に、物品収納用の収納空間を備える複数の収納部を上下方向に並ぶ状態で備えた棚本体、及び、その棚本体の前面側に位置して、前記物品搬出入用開口部と前記複数の収納部との間での物品搬送を行う物品搬送手段とが設けられ、前記棚本体の背面側箇所に形成された背部側浄化用空気通風路、及び、前記棚本体前面側箇所において前記物品搬送手段が配備される前部側浄化用空気通風路とが互いに連通する状態で設けられ、空気浄化フィルタ及び送風機を備えた複数の浄化空気送風ユニットが、前記背部側浄化用空気通風路内の空気を吸引して、複数の収納部の収納空間に夫々に対して、その背部側から前部側に向けて浄化空気を通風する状態で、前記棚本体の背部側に設置された浄化空気通風式の保管設備に関する。
【0002】
【従来の技術】上記構成の浄化空気通風式の保管設備において、従来では、例えば、特開平6−345206号公報に示されるように、棚本体の背部側に設置された複数の浄化空気送風ユニットにより、背部側浄化用空気通風路内の空気を吸引して、複数の収納部の収納空間に夫々に対して、その背部側から前部側に向けて浄化空気を通風するとともに、棚本体前面側箇所において物品搬送手段が配備される前部側浄化用空気通風路、及び、棚本体の下部に形成された連通路を通して前記背部側浄化用空気通風路に循環通風されるようになっている。そして、循環通風される空気のうちの一部を棚本体の下端部に形成された流出口や物品の外部への搬出入作業のために開口されている物品搬出入用の開口部を通して装置外部に排出させる構成となっている。尚、この保管設備は、クリーンルーム内に設置される構成となっており、前記背部側浄化用空気通風路における上端部に形成された外気取り入れ口を通して、クリーンルームにおける天井部から下向きに吹き出される清浄化された空気を取入れる構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来構成においては、上記したように循環通風させながら、上記したような複数の浄化空気送風ユニットにより浄化空気を通風することで、例えば、物品搬送手段が搬送作動することによって発生する細かな粉塵等や空気中に浮遊する細かな塵埃を除去して、物品が収納されている各収納部の収納空間には常に清浄化された空気が供給されることで塵埃の少ない清浄な環境になるようにしている。
【0004】しかし、上記従来構成においては、複数の浄化空気送風ユニットにより浄化空気を通風する構成であり、全ての浄化空気送風ユニットから通風される空気が前部側浄化用空気通風路、すなわち、物品搬送手段が移動する移動用空間に集合して循環通風される構成となっているので、この前部側浄化用空気通風路内部における内部空気圧が高くなることがある。例えば、複数の浄化空気送風ユニット夫々の風量調節量が少し多めに設定されていると、それらの供給空気が集合する場所である前部側浄化用空気通風路内部における内部空気圧が高くなり過ぎて、例えば、物品の外部への搬出入作業のために開口されている物品搬出入用の開口部を通して空気が多量に装置外部に流出してしまうおそれがある。特に、物品収納量を多くするために棚本体における収納部の個数を多くさせるようにした場合には上記したような外部排出空気の量が多くなる。このように物品搬出入用の開口部を通して空気が多量に装置外部に流出すると、外部の装置に付着している塵埃を空気中に巻き上げたりするといった不利があり、改善が望まれていた。例えば、クリーンルームに設置されるような場合であれば、クリーンルームの天井部から下向きに吹き出される清浄化された空気の流れが乱されて乱流を起こし、塵埃が舞い上がるおそれがある。
【0005】本発明はかかる点に着目してなされたものであり、その目的は、例えば、棚本体における収納部の個数を多くさせるようにした場合であっても、上記したような物品搬出入用の開口部を通して空気が多量に装置外部に流出することを回避させることが可能となる浄化空気通風式の保管設備を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、物品搬出入用の開口部及び外気取り入れ口を備える状態で外気遮蔽状態に区画形成された設置空間が設けられ、その設置空間内に、物品収納用の収納空間を備える複数の収納部を上下方向に並ぶ状態で備えた棚本体、及び、その棚本体の前面側に位置して、前記物品搬出入用開口部と前記複数の収納部との間での物品搬送を行う物品搬送手段とが設けられ、前記棚本体の背面側箇所に形成された背部側浄化用空気通風路、及び、前記棚本体前面側箇所において前記物品搬送手段が配備される前部側浄化用空気通風路とが互いに連通する状態で設けられ、空気浄化フィルタ及び送風機を備えた複数の浄化空気送風ユニットが、前記背部側浄化用空気通風路内の空気を吸引して、複数の収納部の収納空間に夫々に対して、その背部側から前部側に向けて浄化空気を通風する状態で、前記棚本体の背部側に設置された浄化空気通風式の保管設備において、前記複数の浄化空気送風ユニットの通風により、前部側浄化用空気通風路及び前記背部側浄化用空気通風路を通して循環流動される浄化用空気の一部を吸引して、前記設置空間外の排出箇所に排出する排気用通風手段が設けられていることを特徴とする。
【0007】すなわち、前記排気用通風手段が、前記複数の浄化空気送風ユニットの通風により前部側浄化用空気通風路及び背部側浄化用空気通風路を通して循環流動される浄化用空気の一部を吸引して前記設置空間外の排出箇所に排出するのである。そうすると、複数の浄化空気送風ユニットにより通風される空気が前部側浄化用空気通風路に集合して循環通風されて、この前部側浄化用空気通風路内部における内部空気圧が高くなるような場合であれば、排気用通風手段が循環流動される浄化用空気の一部を吸引して設置空間外の排出箇所に排出することによって、前部側浄化用空気通風路内部における内部空気圧を低下させることが可能となり、物品搬出入用の開口部を通して空気が多量に装置外部に流出することを未然に防止できる。
【0008】従って、例えば、前記複数の浄化空気送風ユニット夫々の風量調節量が適正値よりも少し多めに設定されているような場合や、あるいは、物品の保管可能な個数を増やすために棚本体の収納部の個数を増加させるようにした場合であっても、前部側浄化用空気通風路内部における内部空気圧が高くなることを抑制して、物品搬出入用の開口部を通して空気が多量に装置外部に流出するという不利を回避させることが可能となる浄化空気通風式の保管設備を提供できるに至った。
【0009】請求項2によれば、請求項1において、前記排気用通風手段が、その通風量を変更調整自在に構成されていることを特徴とする。
【0010】すなわち、排気用通風手段が通風量を変更調整自在であるから、その通風量を変更調整することで、例えば、前部側浄化用空気通風路内部における内部空気圧が使用状況等に応じて変化するような場合であっても、常に適正な内部空気圧になるように変更させるによって適正な状態に維持させることが可能となり、請求項1を実施するのに好適な手段が得られる。
【0011】請求項3によれば、請求項1又は2において、前記背部側浄化用空気通風路を上方側に位置する上側通風領域と下方側に位置する下側通風領域とに仕切る仕切り部材が設けられ、前記上側通風領域に対応して設けられる各浄化空気送風ユニットの通風作動により、前記外気取り入れ口から設置空間外の空気を取り入れ、前記上側通風領域及びその上側通風領域に対応して設けられる各収納部を通して前記前部側浄化用空気通風路に通風し、前記下側通風領域に対応して設けられる各浄化空気送風ユニットの通風作動により、前記前部側浄化用空気通風路に通風される浄化空気のうちの一部を、前記下側通風領域及びその下側通風領域に対応して設けられる各収納部を通して前記前部側浄化用空気通風路に通風し、前記前部側浄化用空気通風路に通風される浄化空気の残りの一部を前記設置空間外に排出させるように構成されていることを特徴とする。
【0012】すなわち、前記背部側浄化用空気通風路が仕切り部材によって上下に仕切られて、上側通風領域に対応して設けられる各浄化空気送風ユニットの通風作動により、外気取り入れ口から設置空間外の空気を取り入れて、上側通風領域を通してその上側通風領域に対応して設けられる各収納部を通して前部側浄化用空気通風路に通風させる。一方、下側通風領域に対応して設けられる各浄化空気送風ユニットの通風作動により、前部側浄化用空気通風路に通風される浄化空気のうちの一部を、下側通風領域を通してその下側通風領域に対応して設けられる各収納部を通して前部側浄化用空気通風路に循環通風させる。そして、前部側浄化用空気通風路に通風される浄化空気の残りの一部を前記設置空間外に排出させるようにしているので、上側通風領域に対応して設けられる各浄化空気送風ユニットの通風作動により通風される空気が、前部側浄化用空気通風路に滞留して内部空間の内部圧が高くなるのを防止できる。
【0013】例えば、収納量を多くさせるために収納部の個数を多くさせたような場合に、全ての浄化空気送風ユニットにより前部側浄化用空気通風路に通風される浄化空気の全てを背部側浄化用空気通風路を通して各浄化空気送風ユニットに循環通風させる構成とすると、背部側浄化用空気通風路における上下方向の通風経路が長くなってそれだけ通風抵抗が大になり、設置空間内での空気圧が高くなるおそれがあるが、上記したように、下側通風領域に対応して設けられる各浄化空気送風ユニットに循環通風させ、上側通風領域に対応して設けられる各浄化空気送風ユニットに対しては、設置空間外に排出した後に外気取り入れ口から取入れられる空気を通風させることで、設置空間内での空気圧が高くなるのを回避させることができ、しかも、全ての浄化空気送風ユニットに対して充分な空気が供給され、各収納部に対して充分に浄化空気を通風させることができる。従って、請求項1又は2を実施するのに好適な手段が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る浄化空気通風式の保管設備について図面に基づいて説明する。図1に、例えば、半導体製品や液晶表示素子等を製造するために塵埃の少ない清浄化された室内空間に設置される浄化空気通風式の保管設備を示している。上記したような製品の仕掛かり品や製造途中での半製品等は、細かな粉塵等の塵埃の少ない環境にて保管する必要があるが、前記保管設備は、このような物品を保管対象として、塵埃の少ない清浄化された空間にて物品を保管するようになっている。
【0015】この保管設備が設置される設置空間について説明を加えると、上記したように、上記したような製品についての製造装置や搬送装置等が設置される室は、所謂、クリーンルームとして構成され、そのクリーンルームR1の床部は、通気孔が多数形成されたメッシュ状のグレーティング床1に形成され、このグレーティング床1の下方側には、吸気用空間Qが形成される吸気ルームR2が設けられており、図に示すように、クリーンルームR1内の空気が吸気ルームR2内の空間及び循環路Qを通して通風ファンFによって吸気されるとともに、吸気された空気はクリーンルームR1の天井面2の上方側に形成された空気チャンバー室3を経由して、クリーンルームR1の天井面2に備えられた例えばHEPAフィルター等からなるエアーフィルター4を通して清浄化された後に、クリーンルームR1内に向けて下向きに吹き出し供給される構成となっている。従って、クリーンルームR1の空気が、上記したような経路を通して循環通風されて、常に清浄化された空気が天井面2から下方に吹き出される状態で供給されて清浄度の高い状態が維持できる構成となっている。
【0016】前記保管設備は、前記吸気ルームR2における床部5に載置される状態で設置されるとともに、前記グレーティング床1に形成された挿通孔6を挿通して、クリーンルームR1の天井面2近くに近接するように上下方向に長く形成され、物品の保管可能数を極力多くさせるように構成されている。
【0017】次に、保管設備の構成について説明する。図2、図3、図4に示すように、その外周部を覆う略箱形のカバー体7によって、外気遮蔽状態に区画形成された設置空間が形成されており、この外気遮蔽状態に区画形成された設置空間内部に、上下方向並びに横方向に並列する状態で、物品Cを収納する複数の収納部8が設けられた棚本体9A,9Bが、水平方向に所定間隔を隔てて一対並べて備えられ、それら一対の棚本体9A,9Bの中間部に、複数の収納部8との間及び後述するコンベア装置11との間での物品搬送を行う物品搬送手段としてのスタッカークレーン10が配備されている。このスタッカークレーン10は、床面に設置された走行レール10a上を走行しながら上端部が天井部に設置された案内レール10bに沿って案内されて横方向に移動走行自在な移動台車10cに、複数の収納部8との間及び後述するコンベア装置11との間での物品を移載させる移載装置10dを昇降自在に備えて構成されている。そして、図2に示すように、一方の棚本体9Aの複数の収納部8のうちの一部の空間を利用して、スタッカークレーン10から物品Cを受け取り、前記カバーに形成された物品搬出入用の開口部Kを通して物品Cを搬送させるためのコンベア装置11が備えられている。
【0018】前記各棚本体9A,9Bは、それらが互いに向かう合う側、すなわち、スタッカークレーン10側を前面側とし、それと反対側を背面側として、前記各棚本体9A,9B夫々の背面側箇所には、棚本体9A,9Bとカバー体7との間に背部側浄化用空気通風路L(以下、背部側通風路と称する)が夫々形成されており、又、前記各棚本体9A,9B夫々の前面側箇所には、スタッカークレーン10が配備される空間である前部側浄化用空気通風路M(以下、前部側通風路と称する)が形成されている。
【0019】そして、前記各収納部8の前面側はスタッカークレーン10により物品Cを出し入れするために開放状態となっており、前記各収納部8の背面側には、図に示すように、前記背部側通風路L内の空気を吸引して、複数の収納部8の収納空間に夫々に対して、その背部側から前部側に向けて浄化空気を通風する複数の浄化空気送風ユニットとしてのファンフィルターユニット12が夫々、設置されている。このファンフィルターユニット12は、図5に示すように、支持ケース13内に、空気を清浄化させる空気浄化フィルター14と、背部側から前部側に向けて空気を通風するモータ駆動式の送風機15とを備えて構成され、送風機15によって、背部側通風路L内の空気を吸引して収納部8の収納空間に夫々に対してその背部側から前部側に向けて空気を通風することにより、通過する空気中に含まれる細かな粉塵等の塵埃が空気浄化フィルター14により除去されて清浄化させた空気が収納部8の収納空間に供給されるように構成されている。前記複数のファンフィルターユニット12は夫々、前記各送風機15の回転速度を変更調節することで送風量を変更調節可能な構成となっている。
【0020】そして、図2に示すように、前記一対の背部側通風路Lには、夫々、各背部側通風路Lを上方側に位置する上側通風領域L1と下方側に位置する下側通風領域L2とに仕切る仕切り部材16が設けられるとともに、前記カバー体7における棚並び方向の両側に位置する側面の上下方向中間部に夫々、外気取り入れ口17が形成されている。そして、各外気取り入れ口17は、一対の背部側通風路L夫々の前記上側通風領域L1の下端側箇所に対応する箇所に設けられる。又、前記各棚本体9A,9Bの下端部には、前部側通風路Mと前記一対の背部側通風路L,Lとを夫々連通する連通路18、及び、循環通風する空気の一部を装置外部に排出させるための排気部19が形成されている。
【0021】従って、図6に示すように、各ファンフィルターユニット12が送風動作を実行することにより、設置空間外の空気が前記外気取り入れ口17から取入れられ、前記上側通風領域L1を通してその上側通風領域L1に対応して設けられる各ファンフィルターユニット12に吸気され、各ファンフィルターユニット12に対応する収納部8を通過した後に、前部側通風路Mに向けて通風することになる。一方、前記下側通風領域L2に対応して設けられる各ファンフィルターユニット12の通風作動により、前部側通風路Mに通風される浄化空気のうちの一部を下側通風領域L2及びその下側通風領域L2に対応して設けられる各収納部8を通して前部側通風路Mに循環通風させる。そして、前記前部側通風路Mに通風される浄化空気の残りの一部を前記排気部19を通して設置空間外に排出させることになる。上記したように外気を取り入れることで、スタッカークレーンにより発生する熱等により設置空間内の空気の温度が上昇することを抑制することができる。
【0022】そして、この保管設備には、前記複数のファンフィルターユニット12の通風により、前部側通風路M及び背部側通風路Lを通して循環流動される浄化用空気の一部を吸引して、設置空間外の排出箇所に排出する排気用通風手段としての強制排気ファン20が設けられている。この強制排気ファン20は、前部側通風路M内部の空気を吸気経路21を通して吸引して、設置空間外の排出箇所としての吸気ルームR2内の空間に排出させるように構成されている。又、この強制排気ファン20は、その通風量を変更調整自在に構成されており、通風量を変更調整することで、設置空間内の内部空気圧を適切な値に調節することができるようになっている。適切な設置空間の内部空気圧とは、開口部を通して空気が勢いよく排出されることがなく、隙間を通して外部空間から塵埃等を吸入しないように、外部空間よりも少しだけ高い圧力である状態という。このように前部側通風路M内部の空気を吸引して設置空間の外部に排出させることで、例えば、設置空間内の内部空気圧が高くなって前記物品搬出入用の開口部Kを通して空気が勢いよく吹き出してクリーンルームR1内で下方に吹き出し供給されているクリーンエアーの流れを乱したり、外部装置に付着している塵埃を空気中に吹き飛ばしたりすることを未然に防止することができる。
【0023】〔別実施形態〕以下、別実施形態を列記する。
【0024】(1)上記実施形態では、前記背部側通風路Lを上下に仕切り、前記外気取り入れ口から取り入れた空気を、前記上側通風領域及びその上側通風領域に対応して設けられる各収納部を通して前部側通風路Mに通風し、前記前部側通風路Mに通風される浄化空気のうちの一部を前記下側通風領域及びその下側通風領域に対応して設けられる各収納部を通して前記前部側浄化用空気通風路に循環通風させる構成としたが、このような構成に限らず、前記背部側通風路Lを上下に仕切ることなく、前記前部側通風路Mに通風される浄化空気の全量の空気を、全ての収納部を通して前部側通風路Mに循環通風させるように構成してもよい。
【0025】(2)上記実施形態では、外気取入れ口がカバー体の前後両側面の方上下方向中間位置に形成される構成としたが、このような構成に限らず、前記各棚本体の上端部に形成して、クリーンルームR1の天井面から吹き出し供給されるクリーンエアーを直接、取り入れる構成としてもよく、あるいは、それ以外の他の箇所に形成するものでもよい。
【0026】(3)上記実施形態では、排気用通風手段がその通風量を変更調整自在に構成されるものを例示したが、このような構成に限らず、通風量を予め定めた一定値にて通風作動する構成としてもよい。
【0027】(4)上記実施形態では、前記物品搬送手段として、スタッカークレーンを例示したが、スタッカークレーンに限らず、例えば、収納部の水平並び方向、すなわち、装置の横幅方向ほぼ全幅にわたる昇降台が昇降操作自在に設けられ、この昇降台上に、横幅方向に沿って移動操作自在に、各収納部と搬出用のコンテナ装置との間で物品を移載自在な物品移載装置を備えた搬送装置等、各種の形態で実施することができる。
【0028】(5)上記実施形態では、一対の棚本体が向かい合わせて設けられる構成としたが、このような構成に限らず、棚本体が1つだけ設けられる構成であってもよく、要するに、棚本体の背面側箇所に背部側浄化用空気通風路が形成され、棚本体前面側箇所に前部側浄化用空気通風路が形成される構成であれば本発明は適用できる。又、前記棚本体としては、上下方向並びに横方向に並列する状態で複数の収納部が設けられる構成に限らず、上下方向に一列状態で並ぶ状態で設けられる構成としてもよく、各種の形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】保管設備の設置状態を示す側面図
【図2】保管設備の構成を示す側面図
【図3】保管設備の構成を示す平面図
【図4】保管設備の構成を示す正面図
【図5】ファンフィルターユニットの構成を示す図
【図6】空気の流れを示す図
【符号の説明】
8 収納部
9A,9B 棚本体
10 物品搬送手段
12 浄化空気送風ユニット
14 空気浄化フィルタ
15 送風機
16 仕切り部材
17 外気取り入れ口
20 排気用通風手段
K 開口部
L 背部側浄化用空気通風路
L1 上側通風領域
L2 下側通風領域
M 前部側浄化用空気通風路

【特許請求の範囲】
【請求項1】 物品搬出入用の開口部及び外気取り入れ口を備える状態で外気遮蔽状態に区画形成された設置空間が設けられ、その設置空間内に、物品収納用の収納空間を備える複数の収納部を上下方向に並ぶ状態で備えた棚本体、及び、その棚本体の前面側に位置して、前記物品搬出入用開口部と前記複数の収納部との間での物品搬送を行う物品搬送手段とが設けられ、前記棚本体の背面側箇所に形成された背部側浄化用空気通風路、及び、前記棚本体前面側箇所において前記物品搬送手段が配備される前部側浄化用空気通風路とが互いに連通する状態で設けられ、空気浄化フィルタ及び送風機を備えた複数の浄化空気送風ユニットが、前記背部側浄化用空気通風路内の空気を吸引して、複数の収納部の収納空間に夫々に対して、その背部側から前部側に向けて浄化空気を通風する状態で、前記棚本体の背部側に設置された浄化空気通風式の保管設備であって、前記複数の浄化空気送風ユニットの通風により、前部側浄化用空気通風路及び前記背部側浄化用空気通風路を通して循環流動される浄化用空気の一部を吸引して、前記設置空間外の排出箇所に排出する排気用通風手段が設けられている浄化空気通風式の保管設備。
【請求項2】 前記排気用通風手段が、その通風量を変更調整自在に構成されている請求項1記載の浄化空気通風式の保管設備。
【請求項3】 前記背部側浄化用空気通風路を上方側に位置する上側通風領域と下方側に位置する下側通風領域とに仕切る仕切り部材が設けられ、前記上側通風領域に対応して設けられる各浄化空気送風ユニットの通風作動により、前記外気取り入れ口から設置空間外の空気を取り入れ、前記上側通風領域及びその上側通風領域に対応して設けられる各収納部を通して前記前部側浄化用空気通風路に通風し、前記下側通風領域に対応して設けられる各浄化空気送風ユニットの通風作動により、前記前部側浄化用空気通風路に通風される浄化空気のうちの一部を前記下側通風領域及びその下側通風領域に対応して設けられる各収納部を通して前記前部側浄化用空気通風路に循環通風し、前記前部側浄化用空気通風路に通風される浄化空気の残りの一部を前記設置空間外に排出させるように構成されている請求項1又は2記載の浄化空気通風式の保管設備。

【図1】
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【図5】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【公開番号】特開2003−81405(P2003−81405A)
【公開日】平成15年3月19日(2003.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−273035(P2001−273035)
【出願日】平成13年9月10日(2001.9.10)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】