説明

浄水装置、および浄水システム

【課題】井戸水等に用いられる浄水装置において、RO膜で処理する水の量を必要最小限に抑え、装置を小型化し、ランニングコストを低減する。
【解決手段】水の取り入れ部の下流に配された第一浄化部7と、この第一浄化部7の下流に配された第二浄化部8とを経由して、下流側へ接続される生活用水系統3を有するとともに、上記第二浄化部8の下流側で上記生活用水系統3から分岐し、第三浄化部9を経由して下流側へ接続される飲用水系統4を有し、上記第一浄化部7は、活性炭、イオン交換フィルター、砂濾過器、および造核ユニット濾過器のうち少なくとも1つ以上を具備し、上記第二浄化部8は、UF膜および/またはMF膜を具備し、上記第三浄化部9は、RO膜および/またはNF膜を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水源または排水源から取水した水を浄化する浄水装置であって、集合住宅や集落等への水の供給を行うことができる浄水装置およびこれを用いた浄水システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、水道水から残留塩素(次亜塩素酸)、カビ臭、濁り、微生物等を除去することを目的とした小型浄水器が広く普及している。
これらの浄水器には、水道水中の残留塩素、異味や異臭を取り除く活性炭、セラミックフィルタや、懸濁物質や微生物を取り除く精密濾過膜、中空糸膜等が用いられていた。
このような浄水器を住居等に設ける場合、台所の蛇口やシンク下に設置されることが多く、水道水を飲用や調理用に適するように浄化していた。
【0003】
一方で、ビル全体や建物内の全域で浄化した水道水を使用したい、あるいは井戸水を浄化してビル全体や建物内で使用したいといったニーズが存在したが、全ての浄水の使用場所にそれぞれ浄水器を設置するのは煩雑である。そこで、建物へ水道水等を導入する入口に大型の浄水器を取り付けて、水道水をまとめて浄化して建物全体に給水する浄水システムも普及し始めている。
これらの大型浄水器も、小型浄水器と同様に活性炭、セラミックフィルタ、MF膜(精密濾過膜)などで構成され、これらを通過させることにより水道水中の残留塩素や懸濁物質等を取り除き、建物内にある複数の浄水の使用場所へ浄水を供給する。
【0004】
従来の浄水システムは、図2に示すように、建物1へ水道水等を導入する入口付近に設けられたセントラル浄水装置20と、住宅等に付設された配管21と、浄水の使用場所である台所、浴室、洗面所、洗濯場、トイレ、給湯器、屋外取水場等に設けられた蛇口等の浄水使用器具22とから構成されている。
【0005】
このような浄水システムにおいて、セントラル浄水装置20は、水道本管より分岐され住宅へ付設された水道配管に接続されている。セントラル浄水装置20には、活性炭、セラミックフィルタ、MF膜等から構成される浄化材が収容され、水道本管から給水された水道水は、この浄化材を通過させることにより残留塩素、懸濁物質、イオン、微生物、化学物質等を取り除かれて浄水となる。
セントラル浄水装置20で処理された浄水は配管21を通り、各家庭の浄水の使用場所に設けられた各浄水使用器具22へ供給されていた。
【0006】
このような浄水システムを、硬度が高く、塩分や重金属を含む井戸水の浄化に用いた場合には、セントラル浄水装置20のMF膜等による処理だけでは、塩分等の除去を十分に行うことができなかった。
そのため、塩分を含む水源から塩分を除去して飲用に用いるために、MF膜の代わりにRO膜(逆浸透膜)を備えた浄水装置があった(特許文献1)。
しかし、RO膜で水を処理するには、水を加圧する高圧のポンプが必要で電力費用がかかる、発生する濃縮水を排気するために大量の希釈水を必要とする、目詰まりしやすいRO膜の化学洗浄が必要になる、といったランニングコストが発生する。
特許文献1の浄水装置では、砂濾過器およびチェックフィルターで粗濾過された水をRO膜で濾過していたため、RO膜では、塩分だけでなく、砂濾過器およびチェックフィルターで除去できない懸濁物質、細菌、原虫、コロイド物質等を水から除去することになり、RO膜の寿命が短くなってしまっていた。
【0007】
そこで、塩分を含む水をMF膜またはUF膜(限外濾過膜)で濾過し、水から細菌や原虫等を除去した後、この水をRO膜またはNF膜(ナノ濾過膜)で処理し塩分を除去する浄水装置があった(特許文献2、特許文献3)。
これらの浄水装置ではRO膜の寿命を長期化することができたが、どのような用途に用いるかを区別せず、一棟の建物で使用する水を全てRO膜で処理することになるため、浄水装置のランニングコストが不必要に高くなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第2797075号公報
【特許文献2】特開2005−185985号公報
【特許文献3】特開2007−245003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、硬度が高く、塩分や重金属を含む井戸水等に用いられる浄水装置において、RO膜で処理する水の量を必要最小限に抑え、装置を小型化し、ランニングコストを低減することができる浄水装置、およびこれを用いた浄水システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明において、上記課題が解決される手段は以下の通りである。
第1の発明は、一または複数の建物への井戸水等を供給元とする原水の入口に配されて、導入した原水を浄化して複数の水使用器具へと供給する浄水装置であって、水の取り入れ部の下流に配された第一浄化部と、この第一浄化部の下流に配された第二浄化部とを経由して、下流側へ接続される生活用水系統を有するとともに、上記第二浄化部の下流側で上記生活用水系統から分岐し、第三浄化部を経由して下流側へ接続される飲用水系統を有し、上記第一浄化部は、活性炭、イオン交換フィルター、砂濾過器、および造核ユニット濾過器のうち少なくとも1つ以上を具備し、上記第二浄化部は、UF膜および/またはMF膜を具備し、上記第三浄化部は、RO膜および/またはNF膜を具備することを特徴とする。
【0011】
第2の発明は、一または複数の建物への井戸水等を供給元とする原水の入口に配されて、導入した原水を浄化して複数の水使用器具へと供給する浄水装置であって、水の取り入れ部の下流に配された第一浄化部と、この第一浄化部の下流に配された第二浄化部とを経由して、下流側へ接続される生活用水系統を有するとともに、上記第二浄化部の下流側で上記生活用水系統から分岐し、第三浄化部を経由して下流側へ接続される飲用水系統を有し、上記第一浄化部は、カビ臭、カルシウム、第二浄化部および/または第三浄化部を目詰まりさせる不純物の少なくともいずれかを除去する浄化材を具備し、上記第二浄化部は、細菌または原虫の少なくとも一方を除去する浄化材を具備し、上記第三浄化部は、上記第一浄化部および上記第二浄化部の浄化材よりも塩分除去率が高い浄化材を具備することを特徴とする。
【0012】
第3の発明は、上記生活用水系統の上記第二浄化部の下流に水を貯留可能な受水槽を設け、上記飲用水系統が、上流側で上記受水槽に接続されていることを特徴とする。
【0013】
第4の発明は、上記生活用水系統および/または上記飲用水系統の経路中には、水に塩素を添加する塩素添加部を設けたことを特徴とする。
【0014】
第5の発明は、本発明の浄水装置を有する浄水システムであって、上記生活用水系統は、下流側で水を飲用以外の目的に用いる1以上の浄水使用器具に接続され、上記飲用水系統は、下流側で水を飲用に用いる1以上の飲用水使用器具に接続されることを特徴とする。
【0015】
第6の発明は、上記浄水使用器具および/または上記飲用水使用器具には、通過する水から塩素を除去する浄化材を有する塩素除去装置を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
第1の発明によれば、水の取り入れ部の下流に配された第一浄化部と、この第一浄化部の下流に配された第二浄化部とを経由して、下流側へ接続される生活用水系統を有するとともに、上記第二浄化部の下流側で上記生活用水系統から分岐し、第三浄化部を経由して下流側へ接続される飲用水系統を有し、上記第一浄化部は、活性炭、イオン交換フィルター、砂濾過器、および造核ユニット濾過器のうち少なくとも1つ以上を具備し、上記第二浄化部は、UF膜および/またはMF膜を具備し、上記第三浄化部は、RO膜および/またはNF膜を具備することにより、飲用に用いる水のみを第三浄化部で浄化するため、第三浄化部のRO膜および/またはNF膜の使用量を必要最小限に抑えることができて、ランニングコストを節減し、寿命を長期化することができるとともに、第三浄化部の装置を小型化することができる。
【0017】
また、飲用水系統から供給される飲用水は、第三浄化部で浄化される前に、第一浄化部で粗濾過され、第二浄化部のUF膜および/またはMF膜で浄化されているため、RO膜および/またはNF膜を目詰まりしにくくして、寿命を長期化することができるとともに、第三浄化部で逆浸透に伴い発生する濃縮水の廃棄量を減らすことができ、より多くの飲用水を得ることができる。
【0018】
第2の発明によれば、水の取り入れ部の下流に配された第一浄化部と、この第一浄化部の下流に配された第二浄化部とを経由して、下流側へ接続される生活用水系統を有するとともに、上記第二浄化部の下流側で上記生活用水系統から分岐し、第三浄化部を経由して下流側へ接続される飲用水系統を有し、上記第一浄化部は、カビ臭、カルシウム、第二浄化部および/または第三浄化部を目詰まりさせる不純物の少なくともいずれかを除去する浄化材を具備し、上記第二浄化部は、細菌または原虫の少なくとも一方を除去する浄化材を具備し、上記第三浄化部は、上記第一浄化部および上記第二浄化部の浄化材よりも塩分除去率が高い浄化材を具備することにより、飲用に用いる水のみを第三浄化部で浄化するため、第三浄化部の使用量を必要最小限に抑えることができて、ランニングコストを節減し、寿命を長期化することができるとともに、第三浄化部の装置を小型化することができる。
【0019】
また、飲用水系統から供給される飲用水は、第三浄化部で浄化される前に、第一浄化部で粗濾過され、第二浄化部で細菌や原虫を除去されているため、第三浄化部の浄化材を目詰まりしにくくして、寿命を長期化することができるとともに、第三浄化部で逆浸透に伴い発生する濃縮水の廃棄量を減らすことができ、より多くの飲用水を得ることができる。
【0020】
第3の発明によれば、上記生活用水系統の上記第二浄化部の下流に水を貯留可能な受水槽を設け、上記飲用水系統が、上流側で上記受水槽に接続されていることにより、使用量の少ない時間帯に水を浄化して受水槽に貯めておくことで、ピーク時の使用量を供給することができ、第一浄化部および第二浄化部に要求される水処理性能を小さくすることができる。
また、飲用水使用器具が使用されるときに、受水槽に貯められた水を第三浄化部で浄化して供給することができるため、水の使用量が比較的少ない飲用水使用器具が使用される度に、第一浄化部、第二浄化部を作動させる必要がなく、ランニングコストを節約することができる。
【0021】
第4の発明によれば、上記生活用水系統および/または上記飲用水系統の経路中には、水に塩素を添加する塩素添加部を設けたことにより、生活用水系統および/または飲用水系統の配管においても細菌の繁殖を防止し、使用者に衛生的な水を供給することができる。
【0022】
第5の発明によれば、上記生活用水系統は、下流側で水を飲用以外の目的に用いる1以上の浄水使用器具に接続され、上記飲用水系統は、下流側で水を飲用に用いる1以上の飲用水使用器具に接続されることにより、浄水使用器具および飲用水使用器具のそれぞれの用途に適した水を供給することのできる浄水システムを実現することができる。
【0023】
第6の発明によれば、上記浄水使用器具および/または上記飲用水使用器具には、通過する水から塩素を除去する浄化材を有する塩素除去装置を具備することにより、塩素添加部で水に添加した塩素を使用の直前に除去することができ、使用者に衛生的で安全な水を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係る浄水システムを示す説明図である。
【図2】従来の浄水システムを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態に係る浄水システムについて説明する。
浄水システムは、ビルや一戸建て、集合住宅といった建物において、内外に設けられた複数の器具に、浄化した水を供給するためのものである。本発明の実施形態では、例として、浄水システムを集合住宅に設けた場合について説明する。
図1に示すように、この浄水システムでは、建物1における井戸水等の原水の取り入れ口に浄水装置2が配置されており、建物1で使用する井戸水の全てが浄水装置2を通過するようになっている。浄水装置2の設置場所は、建物1内の一室、屋外、地下など、特に限定されない。
本発明の浄水装置及び浄水システムにおいて、浄水装置に供給される原水は、井戸水、池の水、湖の水、海水、河川の水、河口における汽水等である。本発明の浄水装置及び浄水システムは、特に塩分が含まれる原水を浄水する場合に効果的に浄化可能なものであり、例えば、塩分を含む井戸水を原水として、当原水を効果的に浄化可能なものである。
【0026】
浄水システムおよび浄水装置2は、生活用水系統3と飲用水系統4とからなる2つの配管系統を有している。
生活用水系統3は、水を飲用以外の生活用途に用いる風呂場の蛇口や洗濯機用蛇口などの浄水使用器具5へと水を供給するもので、1以上の飲用を目的としない浄水使用器具5へと水を供給する水系統である。
飲用水系統4は、生活用水系統の途中から分離して、水を飲用に用いる台所の蛇口等の飲用水使用器具6へと水を供給するもので、1以上の飲用水使用器具6へと水を供給する水系統である。
【0027】
浄水装置2の生活用水系統3には、水の取り入れ部側(上流側)から順に、水の粗濾過を行う第一浄化部7と、懸濁物質(SS)、細菌、原虫、コロイド物質等を水から除去する第二浄化部8とが配置されている。
第一浄化部7、第二浄化部8で浄化された水は、下流に設けられた受水槽10に一時貯留され、生活用水系統3の配管によって各家庭1aの浄水使用器具5へと供給される。
【0028】
受水槽10には、生活用水系統3から分岐する飲用水系統4の配管も接続されている。
飲用水系統4は、受水槽10の下流に、溶解性物質、ウイルス、塩分や他のイオン物質等を水から除去する第三浄化部9を設けており、この第三浄化部9で処理された飲用に適する水(飲用水)が各家庭1aの飲用水使用器具6へと供給される。
【0029】
第一浄化部7は浄水装置において最も上流側に配置され、浄化材として、活性炭フィルター、イオン交換フィルター、砂濾過器、または造核ユニット濾過器の少なくとも一つ以上を具備している。
活性炭フィルターは、粒状活性炭および/または繊維状活性炭からなり、通過する水から、残留塩素、カビ臭、SS、色素、有機物を除去することができる。
なお、カビ臭を除去するとは、カビ臭を発生させるジオスミン((4S,4aS,8aR)−4,8a−ジメチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロナフタレン−4a−オール)、および/または、2−MIB(2−メチルイソボルネオール)を原水から除去することをいう。
【0030】
イオン交換樹脂フィルター等のイオン交換フィルターは、通過する水から、硝酸態窒素、亜硝酸態窒素、硬度の原因となるカルシウム、マグネシウムを除去することができる。
【0031】
砂濾過器は、10μm程度の孔径のフィルターを具備し、通過する水から、SS、砂、マンガン、色素を除去することができる。
【0032】
造核ユニット濾過器は、水に造核剤を添加することで、電化を帯びた金属イオン、ヒ素、フッ素、シリカ、塩素等を凝集して大粒子化し(フロック)、沈殿または濾過によって除去することができる。造核剤としては、たとえば水酸化第二鉄コロイド溶液を用いることができる。
造核ユニット濾過器は、造核剤タンクと、定量ポンプと、フィルターとを有する。造核ユニット濾過器内に導入された水は、定量ポンプによって造核剤タンクに貯留された造核剤を投与され、フィルターによってフロックを除去される。
フィルターは、水をフィルター表面に平行に流しながら水の一部を通過させるクロスフロー方式と、水をフィルターに直交するように流すデッドエンド方式とが考えられるが、目詰まりを起こしにくいクロスフロー方式のほうが、フィルターの寿命が長くなり、第二浄化部の浄化材の寿命を長期化することにもつながるため、好ましい。
【0033】
また、造核ユニット濾過器にフィルターを設けず、フロックを沈殿させ、上澄みの水を下流に供給してもよいが、金属イオン等を確実に除去するためにはフィルターを設けることが望ましい。
また、造核ユニット濾過器にフィルターを設けず、フロックを第二浄化部の浄化材で除去するようにしてもよい。しかし、第二浄化部の浄化材の目詰まりを防止し、寿命を延ばすためには、造核ユニット濾過器にフィルターを設けるのが望ましい。
【0034】
いずれの浄化材を第一浄化部7に用いるかは、水源の水質に合わせて決定してよく、これらの浄化材のうち複数種類を組み合わせて用いてもよい。
活性炭フィルターを用いると、後述する第二浄化部8のUF膜、MF膜や、第三浄化部9のRO膜では除去することが難しいカビ臭を除去することができるため、好ましい。
また、イオン交換フィルターを用いると、UF膜、MF膜では除去することが難しいカルシウムやマグネシウムを除去して軟水化することができるため、好ましい。RO膜ではカルシウムやマグネシウムを除去することができるが、RO膜の負担を減らし寿命を長期化するためには、第一浄化部7にイオン交換フィルターを用いることが好ましい。
本発明の実施形態では、第一浄化部7の例として、活性炭フィルターおよびイオン交換フィルターを具備したプレフィルター11と、造核ユニット濾過器12とを用いている。
【0035】
第二浄化部8は、第一浄化部7の下流側に設けられ、浄化材として、UF膜(限外濾過膜)および/またはMF膜(精密濾過膜)を具備している。例として、UF膜およびMF膜は、中空糸膜状に形成して用いることができる。
第二浄化部8では、水を加圧して浄化材を通過させ、細菌や原虫等を除去して受水槽へ供給する。
【0036】
UF膜は、0.001〜0.01μmの孔径を有し、通過する水から、第一浄化部で除去できなかったSS、農薬、細菌、原虫、高分子物質、コロイド物質等を除去することができる。
MF膜は、0.01〜10μmの孔径を有し、通過する水から、微細な粒子や細菌を除去することができる。
UF膜、MF膜の材料としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、酢酸セルロース(CA)、ポリエチレン(PE)、ポリスルホン(PS)、ポリエーテルスルホン(PES)、セラミックス等を用いることができる。
UF膜とMF膜とでは、UF膜の方が孔径が小さく、農薬やウイルスなどをより除去することができるため、特にUF膜を用いるのが望ましい。
【0037】
また、第二浄化部8と受水槽10との間には、塩素添加部13が設けられている。この塩素添加部13は、次亜塩素酸タンク(図示せず)および定量ポンプ(図示せず)からなり、第二浄化部8で浄化された水に次亜塩素酸ナトリウムを添加することができる。
次亜塩素酸タンクには次亜塩素酸ナトリウム水溶液が貯留され、定量ポンプと配管を介して水に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を添加し、水中の塩素濃度が0.3〜1mg/lになるように調整する。次亜塩素酸ナトリウムを添加することにより、水中で次亜塩素酸イオンに電離するとともにその一部が水と反応して次亜塩素酸となるため、これらの殺菌力によって浄水装置2から浄水使用器具5までの配管における菌の繁殖を防止することができ、浄水使用器具5で使用する直前まで浄水の安全性を維持することができる。
なお、塩素濃度とは、水中の塩素分子、次亜塩素酸、次亜塩素酸イオンの濃度の合計をいうものとする。
【0038】
塩素添加部13の他の変形例として、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の代わりに次亜塩素酸水溶液をタンクに貯留し、定量ポンプによってこれを浄水に添加してもよい。
また、塩化ナトリウム水溶液を電気分解して次亜塩素酸を生成する装置を用い、定量ポンプによって次亜塩素酸を浄水に添加してもよい。
これらのように、水中の次亜塩素酸または次亜塩素酸イオンを増加させることを総称して、塩素を添加するという。
この中では、入手が容易である次亜塩素酸ナトリウムを水溶液にして用いるのがより好ましい。
なお、塩素添加部13を、第二浄化部8と受水槽10との間に独立に設けるのではなく、例えば、受水槽10に一体に設け、受水槽10内の水に塩素を添加する構成としてもよい。
【0039】
第一浄化部7、第二浄化部8で不純物を除去され、塩素添加部13で塩素を添加された水は、受水槽10に一時的に貯留され、生活用水系統3の配管によって各家庭1aの浄水使用器具5に供給される。
複数戸の集合住宅に浄水システムを設けた場合、同じ時間帯に複数の家庭1aで風呂場のシャワーを同時に使用するなど、浄水の使用が集中することがあるため、浄水システムにはピーク時の使用量の水を供給できる能力が求められる。本発明の実施形態では、受水槽10を設けたことにより、第一浄化部7、第二浄化部8および塩素添加部13の単位時間あたりの水処理性能をピーク時の使用量よりも小さなものにしたとしても、使用量の少ない時間帯に水を浄化して受水槽10に貯めておくことで、ピーク時の使用量を供給することができる。そのため、第一浄化部7や第二浄化部8に要求される水処理性能を小さくすることができ、イニシャルコストおよびランニングコストの双方を低減させることができるとともに、浄水装置2を小型化することができる。
【0040】
また、受水槽10を設けたことにより、飲用水使用器具6が使用されるときに、受水槽10に貯められた水を第三浄化部9で浄化して供給することができる。そのため、水の使用量が比較的少ない飲用水使用器具6が使用される度に、第一浄化部7、第二浄化部8を作動させる必要がなく、ランニングコストを節減することもできる。
【0041】
生活用水系統3の浄水使用器具5には、塩素除去装置14が取り付けられ、あるいは一体に設けられている。塩素除去装置14は、少なくとも浄水中の塩素を除去することができる浄化材を具備している。
この浄化材には、活性炭、RO膜、殺菌セラミック、イオン交換樹脂フィルター、ゼオライト、亜硫酸カルシウム等を使用でき、塩素除去性能を付加するため、少なくとも活性炭か亜硫酸カルシウムの一方を使用する必要がある。亜硫酸カルシウムは水に溶け出すことで塩素を除去するため、長期間使用する浄水使用器具5には活性炭を用いるのが好ましい。また、活性炭を含む浄化材を使用した場合には、水からさらにカビ臭を除去することができる。
なお、塩素除去装置14の大型化を抑止し、単位水量あたりの塩素除去能力を高め、使用経時における塩素除去能力の低下を抑止するために、浄化材としては、短繊維状の活性炭と粒子状の活性炭とを併用するのが好ましい。
【0042】
この塩素除去装置14により水中の塩素の60%以上、さらに70%以上、特に80%以上を除去するのが好ましい。また、塩素除去装置14を通過した水に含まれる残留塩素の濃度は、0.2mg/l以下、さらに0.1mg/l以下、特に0.05mg/l以下となるようにするのが好ましい。なお、水中の塩素濃度とは、水中の塩素分子、次亜塩素酸、次亜塩素酸イオンの濃度の合計をいうものとする。
【0043】
この塩素除去装置には、例えば特許第3799007号公報や特許第4648507号公報に開示されるようなシャワーヘッドを採用することができる。塩素除去装置14は、このように蛇口(浄水使用器具5)と一体型のものであっても、外付け型のものであってもよいが、設置スペースを小さくするため、一体型のものを用いるのが好ましい。
本発明の浄水システムでは、浄水装置2においてあらかじめ不純物が除去されているので、塩素除去装置14は最低限、供給される水から塩素を除去できればよい。よって、塩素除去装置14として蛇口等(浄水使用器具)と一体型の装置を用いることにより、浄水システム全体の衛生性、塩素除去装置の省スペース化、浄水システム全体および/または塩素除去装置のコスト低減を両立できる。
【0044】
本発明の浄水システムでは、既に浄水装置2で浄化された浄水が塩素除去装置14に供給されるので、塩素除去装置では最低限塩素を除去できればよく、塩素除去装置14に要求される浄化能力を比較的小さなものとすることができる。
また、全ての浄水使用器具5に塩素除去装置を設ける必要はなく、一部の浄水使用器具5には塩素除去装置を設けなくてもよい。また、特許第3799007号公報に記載されたシャワーヘッドのように、供給される全ての浄水について、浄化材を通過させて塩素を除去する流路と通過させずに吐出する流路とを切り換える流路切換弁を浄水使用器具5に設けてもよい。
【0045】
飲用水系統4は、受水槽10で生活用水系統3から分岐し、第三浄化部9で水から塩分等を除去して、各家庭1aの飲用水使用器具6に供給する。
第三浄化部9は、飲用水系統4に設けられ、浄化材として、RO膜(逆浸透膜)および/またはNF膜(ナノ濾過膜)を具備している。
第三浄化部9は、浄化材の上流側の水をポンプ(図示せず)で加圧して浄化材を通過させ、塩分を除去した飲用水を得て、下流の飲用水使用器具6へ供給する。
【0046】
RO膜は、通過する水から、溶解性物質、ウイルス、塩分その他のイオン物質等を除去することができる。
RO膜の材料としては、酢酸セルロースやセルロース系のポリマー、ポリアミド系、およびビニルポリマー等の合成樹脂を用いることができるが、耐久性の観点からポリアミド系のナイロンを用いるのが好ましい。
【0047】
NF膜は、逆浸透膜のうち孔径が1〜2nm程度のものであり、通過する水から、硬度の原因となるカルシウムやマグネシウム、フミン質、トリハロメタン、重金属イオン等を除去することができる。NF膜における塩分の除去率は、一般に60%程度である。
NF膜の材料としては、ポリアミド系、ポリピペラジンアミド系、ポリエステルアミド系、水溶性のビニルポリマーを架橋したもの等を用いることができる。
【0048】
RO膜とNF膜とでは、RO膜の方が孔径が小さく、塩分等のイオン物質や、塩素が水中の有機物と化合して発生するクロロホルム、ブロモホルム等のトリハロメタンの除去率が高いため、飲用水の安全性を高めるためにはRO膜を用いるのが望ましい。
他方、RO膜は孔径が小さく、水を通過させるための必要圧力がNF膜よりも高いため、ポンプの必要性能および消費電力が多くなる。そのため、ランニングコスト節減のためにはNF膜を用いるのが好ましい。
本発明の実施形態では、飲用水の安全性を高めるためにRO膜を使用した。
【0049】
第三浄化部9で水の浄化を続けると、浄化材の上流側の水の塩分等の濃度が上昇していくため、この濃縮水を一定の時間ごとに排水する必要がある。そのため、第三浄化部9の浄化材の上流側には、濃縮水を導出して廃棄する排水管15を接続するとともに、受水槽10からこの排水管15に合流する希釈水管16を設けて、受水槽10から供給される水により濃縮水を希釈して廃棄できるようになっている。
排水管15および希釈水管16には開閉弁(図示せず)等を設けて、開閉を制御できるようにしている。
本発明において、例えば第二浄化部8にUF膜を使用し、第三浄化部9にRO膜を用いた場合、第三浄化部9に供給される水は、第二浄化部8のUF膜で事前に不純物を除去されているため、第三浄化部9に供給される水の90%程度を濾過して飲用水とすることができ、濃縮水の量を10%程度に抑えることができる。なお、RO膜の上流に第二浄化部8を設けなかった場合には、飲用水とすることができるのは、第三浄化部9に供給される水の50%程度に留まる。
【0050】
第三浄化部9では、塩分や他のイオン物質と同様に水中の塩素も除去されるため、第三浄化部9の下流に塩素添加部17を設けている。
この塩素添加部17は、受水槽10の上流に設けた塩素添加部13と同じものであり、次亜塩素酸タンクおよび定量ポンプからなり、第三浄化部9で浄化された飲用水に次亜塩素酸ナトリウムを添加することができる。この塩素添加部17では、水中の塩素濃度が0.3〜1mg/lになるように調整される。
【0051】
飲用水系統4の飲用水使用器具6にも、塩素除去装置18が取り付けられ、あるいは一体に設けられている。この塩素除去装置18は、浄水使用器具5に設けた塩素除去装置14と同様のものを用いることができ、少なくとも飲用水中の塩素を除去することができる浄化材を具備し、飲用水から塩素を除去して供給できるようになっている。
【0052】
本発明の浄水装置2および浄水システムでは、第一浄化部7で粗濾過され、第二浄化部8で細菌や原虫を除去された水を第三浄化部9に供給し、第三浄化部9のRO膜および/またはNF膜で少なくとも塩分を除去して飲用水を得ることにより、第三浄化部9には第一浄化部7および第二浄化部8で濾過された水が供給されるため、RO膜および/またはNF膜を目詰まりしにくくして、寿命を長期化することができる。また、第三浄化部9には第一浄化部7および第二浄化部8で濾過された水が供給されるため、第三浄化部9で逆浸透に伴い発生する濃縮水の廃棄量を減らすことができ、より多くの飲用水を得ることができる。
【0053】
さらに、飲用以外の目的に用いる水を、第一浄化部7および第二浄化部8で浄化した後、第三浄化部9を経由せずに各家庭1aの浄水使用器具5へと供給する生活用水系統3を有することにより、第三浄化部9では飲用に用いる水のみを処理するため、高価でランニングコストも大きいRO膜および/またはNF膜の使用量を低減させることができるため、ランニングコストを節減し、RO膜および/またはNF膜の寿命を長期化させることができるとともに、第三浄化部9の装置を小型化することができる。
また、飲用以外の目的に用いる水も、第一浄化部7および第二浄化部8で重金属を除去し軟水化されて浄水使用器具5に供給されるため、風呂場や洗濯機で使用する場合にも、泡立ちが悪いなどの問題を生じたり、身体への悪影響を生じたりすることがない。また、第一浄化部7および第二浄化部8で有害物質、細菌や原虫を除去されて浄水使用器具に供給されるため、風呂場や洗濯機で使用する場合にも、衛生上の問題を生じることがない。
【0054】
また、生活用水系統3および/または飲用水系統4において、水に塩素を添加する塩素添加部13、17を設けたことにより、次亜塩素酸や次亜塩素酸イオンの殺菌力によって、生活用水系統3および/または飲用水系統4の配管内で細菌が繁殖するのを防止して、浄水使用器具5および/または飲用水使用器具6で衛生的な水を使用することができる。
なお、前述の塩素添加部13と塩素添加部17との両方を設けた場合には、両塩素添加部の少なくとも一方のみで塩素を添加したり、両方で塩素を添加したりして、生活用水系統3と飲用水系統4に添加する塩素の量を両系統で相違させたり、飲用水系統4のみに塩素を添加したりして、塩素添加量の総量を低減させて本発明の浄水装置及び浄水システムでの使用におけるランニングコストを低減する等が可能である。また、塩素添加部17のみを設けて飲用水系統4の水のみに塩素を添加することにより、本発明の浄水装置及び浄水システムのコストを低減させたり、本発明の浄水装置及び浄水システムの使用におけるランニングコストを低減する等が可能である。
【0055】
さらに、浄水使用器具5および/または飲用水使用器具6に、水から塩素を除去する浄化材を具備した塩素除去装置14、18を設けたことにより、塩素添加部13、17で水に添加した塩素を塩素除去装置14、18で除去し、衛生的で安全な水を使用することができる。
なお、飲用水使用器具6のみに水から塩素を除去する浄化材を具備した塩素除去装置18を設けることにより、塩素除去が特に望まれる飲用水系統4に設けられる飲用水使用器具6で塩素を除去でき、且つ本発明の浄水システムのコストを低減できる。また、飲用水使用器具6の全てに水から塩素を除去する浄化材を具備した塩素除去装置18を設けるのが好ましいが、使用者の使用頻度等の使用状況に照らして、一部の飲用水使用器具6にのみ水から塩素を除去する浄化材を具備した塩素除去装置18を設けてもよい。
なお、浄水使用器具5に水から塩素を除去する浄化材を具備した塩素除去装置18を設ける場合も、使用者の使用頻度等の使用状況や水の使用目的に適合させて、一部の浄水使用器具5にのみ水から塩素を除去する浄化材を具備した塩素除去装置18を設けてもよい。
【0056】
なお、本発明の浄水システムは、マンションやアパート、ビル等の集合建物、複数の戸建てへ一括して井戸水を取り入れる取り入れ口、および、一以上の戸建ておよび/または一以上の集合建物に適用することができる。なお、戸建てには、住居用の戸建てのみならず、事務所用の戸建ても含まれる。
さらに、浄水の使用量が多い場合には、複数の浄水装置2を並設した浄水システムを採用してもよい。
【0057】
また、本発明の実施形態では、生活用水系統3と飲用水系統4との双方に塩素添加部13、17および塩素除去装置14、18を設けたが、イニシャルコストおよびランニングコストの節減のため、生活用水系統3には塩素添加部および塩素除去部を設けず、水を飲用に用いる飲用水系統4にのみ塩素添加部17および塩素除去装置18を設けるようにしてもよい。
塩素添加部13、17は、次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加する状態と添加しない状態との切り換えが可能なものを用いるのが好ましく、さらには次亜塩素酸ナトリウム溶液の供給量を制御して水の塩素濃度を調整できるものを用いるのがより好ましい。
【符号の説明】
【0058】
1 建物
1a 家庭
2 浄水装置
3 生活用水系統
4 飲用水系統
5 浄水使用器具
6 飲用水使用器具
7 第一浄化部
8 第二浄化部
9 第三浄化部
10 受水槽
11 プレフィルター
12 造核ユニット濾過器
13 塩素添加部
14 塩素除去装置
15 排水管
16 希釈水管
17 塩素添加部
18 塩素除去装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一または複数の建物への井戸水等を供給元とする原水の入口に配されて、導入した原水を浄化して複数の水使用器具へと供給する浄水装置であって、
水の取り入れ部の下流に配された第一浄化部と、
この第一浄化部の下流に配された第二浄化部とを経由して、
下流側へ接続される生活用水系統を有するとともに、
上記第二浄化部の下流側で上記生活用水系統から分岐し、第三浄化部を経由して下流側へ接続される飲用水系統を有し、
上記第一浄化部は、活性炭、イオン交換フィルター、砂濾過器、および造核ユニット濾過器のうち少なくとも1つ以上を具備し、
上記第二浄化部は、UF膜および/またはMF膜を具備し、
上記第三浄化部は、RO膜および/またはNF膜を具備することを特徴とする浄水装置。
【請求項2】
一または複数の建物への井戸水等を供給元とする原水の入口に配されて、導入した原水を浄化して複数の水使用器具へと供給する浄水装置であって、
水の取り入れ部の下流に配された第一浄化部と、
この第一浄化部の下流に配された第二浄化部とを経由して、
下流側へ接続される生活用水系統を有するとともに、
上記第二浄化部の下流側で上記生活用水系統から分岐し、第三浄化部を経由して下流側へ接続される飲用水系統を有し、
上記第一浄化部は、カビ臭、カルシウム、第二浄化部および/または第三浄化部を目詰まりさせる不純物の少なくともいずれかを除去する浄化材を具備し、
上記第二浄化部は、細菌または原虫の少なくとも一方を除去する浄化材を具備し、
上記第三浄化部は、上記第一浄化部および上記第二浄化部の浄化材よりも塩分除去率が高い浄化材を具備することを特徴とする浄水装置。
【請求項3】
上記生活用水系統の上記第二浄化部の下流に水を貯留可能な受水槽を設け、
上記飲用水系統が、上流側で上記受水槽に接続されていることを特徴とする請求項1または2記載の浄水装置。
【請求項4】
上記生活用水系統および/または上記飲用水系統の経路中には、水に塩素を添加する塩素添加部を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の浄水装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載された浄水装置を有するとともに、
上記生活用水系統は、下流側で水を飲用以外の目的に用いる1以上の浄水使用器具に接続され、
上記飲用水系統は、下流側で水を飲用に用いる1以上の飲用水使用器具に接続されることを特徴とする浄水システム。
【請求項6】
請求項4に記載された浄水装置を有するとともに、
上記生活用水系統は、下流側で水を飲用以外の目的に用いる1以上の浄水使用器具に接続され、
上記飲用水系統は、下流側で水を飲用に用いる1以上の飲用水使用器具に接続され
かつ、上記浄水使用器具および/または上記飲用水使用器具には、通過する水から塩素を除去する浄化材を有する塩素除去装置を具備することを特徴とする請求項5記載の浄水システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−94762(P2013−94762A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242480(P2011−242480)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(592243553)株式会社タカギ (31)
【Fターム(参考)】