浴室の出窓構造
【課題】 良好な介護スペースを確保することのできる浴室の出窓構造を提供する。
【解決手段】 出窓2内に形成されたカウンター部3に、背もたれ勾配立面4a,フランジ部4bをオーバーラップさせ、左右側には開放スペース6a,6bを形成させて浴槽4が設置されている。
【解決手段】 出窓2内に形成されたカウンター部3に、背もたれ勾配立面4a,フランジ部4bをオーバーラップさせ、左右側には開放スペース6a,6bを形成させて浴槽4が設置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室における出窓構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、出窓に形成されたカウンターにオーバーラップさせて浴槽が設置されたものが存在する。
【特許文献1】特開平11−190137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に開示されている構造は、浴槽の左右側にスペースが存在せず、浴槽の側部に介護者が立って老人等の入浴動作を補助できるような構造とはなっておらず、介護を良好に行なうことができないものであった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、良好に老人等の介護を行なうことのできる浴室の出窓構造を提供せんとするものであり、その請求項1は、出窓に形成されたカウンター部にオーバーラップさせ、左右側にはスペースを空けて浴槽が設置されたことである。
また、請求項2は、前記出窓を形成する出窓フレームを防水パン上に載置したことである。
また、請求項3は、前記出窓を形成する出窓フレームを、土台と梁間隔いっぱいに形成し、該土台と梁に固定させたことである。
また、請求項4は、前記浴槽の立ち面の一部が前記出窓内に配置されていることである。
【発明の効果】
【0005】
本発明の浴室の出窓構造は、出窓に形成されたカウンター部にオーバーラップさせ、左右側にはスペースを空けて浴槽が設置されたことにより、浴槽の一部を出窓内のカウンターにオーバーラップさせて設置して、浴室空間を広く確保することができ、浴槽の左右側に形成されるスペースを利用して、このスペース内に介護者が入り、老人等の入浴動作を良好に介護できるものとなる。
【0006】
出窓を形成する出窓フレームを防水パン上に載置したことにより、出窓からの流水を確実に防水パン上に排水することができ、漏水の虞がないものとなる。
【0007】
出窓を形成する出窓フレームを、土台と梁間隔いっぱいに形成し、土台と梁に固定させたことにより、出窓フレームを土台と梁の補強として機能させることができ、しかも出窓を土台と梁間いっぱいに形成することができるために、出窓のスペースを最大限に確保することができるものとなる。
【0008】
浴槽の立ち面の一部が出窓内に配置されていることにより、浴室内の床面積を拡張せずに浴室の空間容積を最大限に利用することができるものとなる。
【実施例】
【0009】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、出窓を設けた浴室の概略斜視構成図である。
図において、浴室1には、外側へ出っ張って窓2aを有する出窓2が設けられており、この出窓2内には、所定高さ位置に水平状にカウンター部3が形成されている。
【0010】
このカウンター部3の長手方向中央部に、浴槽4のフランジ部4bがオーバーラップして載せられており、このフランジ部4b側の浴槽4には、傾斜状の背もたれ勾配立面4aが形成され、この背もたれ勾配立面4aがカウンター部3内に嵌まり込んだ状態で、浴槽4がカウンター部3の長手方向と直交状に浴室1の洗い場5に設置されており、浴槽4の左右側には洗い場5と連通したスペース6a,6bが形成されている。
【0011】
また、浴槽のフランジ部4bの左右側のカウンター部3上には、余裕スペース3a,3bが形成されており、この余裕スペース3a,3bは、腰掛け用や移乗台用としても、また仮置き棚としても用いることができるように構成されている。
なお、前記浴槽4の左右側の介護スペース6a,6bは、例えば介護者が自由に入って身体を動かすことのできる程度の300mm〜600mmの寸法aに設定されている。
【0012】
このような構成では、浴槽1の一部が出窓2内のカウンター部3にオーバーラップさせて設置されているため、洗い場5の空間を広く確保することができるものとなり、しかも、この洗い場5と連通状に浴槽4の左右に形成されている介護スペース6a,6bに介護者が入って、浴槽4内で入浴する老人等を介護できるものとなる。
また、カウンター部3上の左右の余裕スペース3a,3bに腰を降ろした状態で、良好に浴槽4内に足を跨ぎ込ませて入ることができ、また、この余裕スペース3b上には備品等を良好に仮置きしておくことができるものとなる。
【0013】
なお、図2は、形状の異なる浴槽4をカウンター部3に一部をオーバーラップさせて設置した状態を示すものであり、浴槽4の背もたれ勾配立面4aがカウンター部3内へ張り出して設置され、カウンター部3上に浴槽のヘッドレスト部4cがオーバーラップされた状態で設置されている。
このような浴槽4においても、浴槽4の左右側には、介護者が入って良好に介護できる介護スペース6a,6bが形成されている。
【0014】
さらに図3は、形状の異なる浴槽の設置状態であり、図3における長方形状の浴槽4においても、背もたれ勾配立面4aがカウンター部3内に張り出しており、カウンター部3上にオーバーラップしてヘッドレスト部4cが配置されて、浴槽4の左右側には介護スペース6a,6bが形成されている。
【0015】
なお、図4は、図3の概略断面構成図を示すものであり、浴槽4の背もたれ勾配立面4aはカウンター部3の内部に入り込んで設置されており、この背もたれ勾配立面4aの裏のカウンター部3の下方に、配管を通すことのできる配管スペースSが形成され、この配管スペースS内に、配管を良好に隠蔽させてすっきりとした状態で施工することができるものである。
なお、図4では、浴槽のヘッドレスト部4cの窓2a側は垂直な後端面4dとなっており、また、洗い場5側のエプロン7も垂直に立設されている。
【0016】
図5では、変更例を示すものであり、図5においては、浴槽のヘッドレスト部4cの窓2a側の後端面4dが、窓2a側へ向かって上傾した逆勾配の傾斜状に形成されており、また、洗い場5側のエプロン7は、洗い場5側へ向かって上傾した逆勾配の傾斜状に設けられている。
このような形状とすることで、カウンター部3上面を広く活用して備品等を置くことができるものとなり、また、逆勾配のエプロン7により洗い場5のスペースを広く確保することができるものとなる。
【0017】
次に、図6の平面図で示すものは、略円形状の浴槽4をカウンター部3に一部をオーバーラップさせて設置したものであり、このような略円形状の浴槽4において、浴槽4の外周面と浴室の壁面8間に、移乗台9を位置ずれしない状態に設置することができるものとなる。
この移乗台9は、浴槽4の外周曲面に対応した湾曲凹面9aを有しており、この湾曲凹面9aが浴槽4の外周面にほぼ当接状態で設置されることにより、位置ずれしないものとなり、この移乗台9上に腰を降ろした状態で、良好に浴槽4内に足を跨ぎ込ませて入ることができるものとなる。
【0018】
なお、図7の縦概略断面構成図で示すものは、浴室1の床面を構成する浴室防水パン10と、出窓2を形成する出窓フレーム20との連結状態を示すものであり、出窓2を形成する出窓フレーム20は金属製であり、梁12側に連結される上面20aの外端から窓2aを有する前面20bが垂設され、前面20bの下端で浴室側へ水平状に下面20cが形成されており、この下面20cは土台11上に載せられて設置され、下面20cの先端の垂下片20dが、浴室防水パン10の先端に立ち上げ形成されている水切片10aの内側に重ね合わされて設置されるものである。
なお、カウンター部3は、下面20cから所定高さの位置に、前面20b側から浴室側に略水平に設置されている。
【0019】
このような構成では、カウンター部3上を流れる水等は良好に浴室防水パン10に流し込まれるため、カウンター部3上等で発生する水が外側へ漏水することがない。
なお、図中4eは、浴槽4の下面に垂設された脚部であり、この脚部4eが浴室防水パン10上に設置されるものである。
【0020】
なお、図8で示すように、出窓2を形成する出窓フレーム20を、土台11と梁12の上下間隔いっぱいの寸法に形成して、出窓フレーム20の下面20cに垂設されている垂下片20dと平行状に垂設させて係合垂下片20eを一体形成させておき、この係合垂下片20eと垂下片20d間に土台11を挟み込んで、土台11に出窓フレーム20の下面側を固定することができ、また、出窓フレーム20の上面20aと一体状に上面が開口した断面コの字状の係合コの字部20fを形成させておき、この係合コの字部20fを梁12に嵌め込んで係合させることができるように構成しておけば、出窓フレーム20が強固な設置状態で取り付けられることとなり、出窓フレーム20は土台11と梁12間の補強材としての機能も果たすこととなり、出窓フレーム20内の上下寸法が十分に確保されて、広い出窓空間を形成することができるものとなる。
【0021】
次に、図9で示すものは変更例であり、出窓フレーム20の下面20cの先端に垂設されている垂下片20dを、浴槽防水パン10の水切片10aの内側に重ね合わせて設置し、出窓フレーム20内にカウンターが設置されていない場合においても、浴槽4の傾斜状の背もたれ勾配立面4aを出窓フレーム20内に張り出させて、背もたれ勾配立面4aを出窓フレームの下面20cの上方に配置させて浴槽4を設置することができ、このように浴槽4の一部を出窓フレーム20内に張り出して設置すれば、その分、浴室内空間を広く確保することができるものとなる。
【0022】
なお、図9のような構造は、図10に示すようなシャワールーム21においても適応することができるものであり、シャワールーム21内に設置される腰掛け22の腰掛け部22a及び背部22bを、出窓20内に張り出させて、出窓フレームの下面20c上方に配置させることができ、このように腰掛け部22aの一部を出窓20内に配置させることで、シャワールーム21の室内空間を広く確保することができるものとなる。
【0023】
同様に、図11に示すように、出窓フレーム20内にカウンター部3を設置し、このカウンター部3に洗面器23等を設置して、出窓フレーム20内の空間を洗面空間として有効に使用することができ、洗面器23等を備えた水廻り空間において室内側を広く確保することができるものとなる。
【0024】
なお、図12の側面縦断面図で、また図13の要部斜視構成図で示すように、出窓フレーム20の側面に側面ルーバー26を設けて、この側面ルーバー26により出窓フレーム20内部の空気を対流させて良好に給排気させることができるものであり、また、出窓フレーム20の前面20bの外側に半透明な半透明板25を設置し、この半透明板25の外周を出窓フレーム20の外周よりも外側へ延長させて外周延出部25aを形成させておけば、良好に出窓フレーム20の内側に太陽光を入れることができ、しかも、外側からは半透明板25により出窓フレーム20及び側面ルーバー26を遮蔽することができ、外側から見た場合の出窓の意匠性が確保されるとともに、浴室内等への採光を確保しつつ、室内側は外側からは見えなくなるためプライバシーも良好に確保されるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】出窓を備えた浴室の斜視構成図である。
【図2】形状の異なる浴槽の設置状態の斜視構成図である。
【図3】さらに形状の異なる浴槽の設置状態の斜視構成図である。
【図4】図3の浴槽を設置した状態の縦断面構成図である。
【図5】形状の異なる浴槽を設置した場合の図4に対応させた縦断面構成図である。
【図6】略円形状の浴槽を設置した場合の平面構成図である。
【図7】防水パン上に出窓フレームが設置される場合の縦断面構成図である。
【図8】出窓フレームの変形例の要部縦断面構成図である。
【図9】出窓フレーム内に浴槽の立面の一部を配置して浴槽を設置した状態の概略断面構成図である。
【図10】シャワールームにおいて出窓内に腰掛けの一部を配置させた状態の縦断面構成図である。
【図11】水廻り構造において出窓内にカウンターおよび洗面器を設置した状態の縦断面構成図である。
【図12】出窓フレームの側面にルーバーを設け、出窓フレームの外側に半透明板を設けた場合の側面縦断面構成図である。
【図13】図12の斜視構成図である。
【符号の説明】
【0026】
1 浴室
2 出窓
2a 窓
3 カウンター
3a,3b 余裕スペース
4 浴槽
4a 背もたれ勾配立面
4b フランジ部
4c ヘッドレスト部
4d 後端面
5 洗い場
6a,6b 介護スペース
7 エプロン
8 壁面
9 移乗台
10 浴室防水パン
10a 水切片
11 土台
12 梁
20 出窓フレーム
20a 上面
20b 前面
20c 下面
20d 垂下片
20e 係合垂下片
20f 係合コの字部
21 シャワールーム
22 腰掛け
22a 腰掛け部
22b 背部
23 洗面器
25 半透明板
25a 外周延出部
26 側面ルーバー
S 配管スペース
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室における出窓構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、出窓に形成されたカウンターにオーバーラップさせて浴槽が設置されたものが存在する。
【特許文献1】特開平11−190137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に開示されている構造は、浴槽の左右側にスペースが存在せず、浴槽の側部に介護者が立って老人等の入浴動作を補助できるような構造とはなっておらず、介護を良好に行なうことができないものであった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、良好に老人等の介護を行なうことのできる浴室の出窓構造を提供せんとするものであり、その請求項1は、出窓に形成されたカウンター部にオーバーラップさせ、左右側にはスペースを空けて浴槽が設置されたことである。
また、請求項2は、前記出窓を形成する出窓フレームを防水パン上に載置したことである。
また、請求項3は、前記出窓を形成する出窓フレームを、土台と梁間隔いっぱいに形成し、該土台と梁に固定させたことである。
また、請求項4は、前記浴槽の立ち面の一部が前記出窓内に配置されていることである。
【発明の効果】
【0005】
本発明の浴室の出窓構造は、出窓に形成されたカウンター部にオーバーラップさせ、左右側にはスペースを空けて浴槽が設置されたことにより、浴槽の一部を出窓内のカウンターにオーバーラップさせて設置して、浴室空間を広く確保することができ、浴槽の左右側に形成されるスペースを利用して、このスペース内に介護者が入り、老人等の入浴動作を良好に介護できるものとなる。
【0006】
出窓を形成する出窓フレームを防水パン上に載置したことにより、出窓からの流水を確実に防水パン上に排水することができ、漏水の虞がないものとなる。
【0007】
出窓を形成する出窓フレームを、土台と梁間隔いっぱいに形成し、土台と梁に固定させたことにより、出窓フレームを土台と梁の補強として機能させることができ、しかも出窓を土台と梁間いっぱいに形成することができるために、出窓のスペースを最大限に確保することができるものとなる。
【0008】
浴槽の立ち面の一部が出窓内に配置されていることにより、浴室内の床面積を拡張せずに浴室の空間容積を最大限に利用することができるものとなる。
【実施例】
【0009】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、出窓を設けた浴室の概略斜視構成図である。
図において、浴室1には、外側へ出っ張って窓2aを有する出窓2が設けられており、この出窓2内には、所定高さ位置に水平状にカウンター部3が形成されている。
【0010】
このカウンター部3の長手方向中央部に、浴槽4のフランジ部4bがオーバーラップして載せられており、このフランジ部4b側の浴槽4には、傾斜状の背もたれ勾配立面4aが形成され、この背もたれ勾配立面4aがカウンター部3内に嵌まり込んだ状態で、浴槽4がカウンター部3の長手方向と直交状に浴室1の洗い場5に設置されており、浴槽4の左右側には洗い場5と連通したスペース6a,6bが形成されている。
【0011】
また、浴槽のフランジ部4bの左右側のカウンター部3上には、余裕スペース3a,3bが形成されており、この余裕スペース3a,3bは、腰掛け用や移乗台用としても、また仮置き棚としても用いることができるように構成されている。
なお、前記浴槽4の左右側の介護スペース6a,6bは、例えば介護者が自由に入って身体を動かすことのできる程度の300mm〜600mmの寸法aに設定されている。
【0012】
このような構成では、浴槽1の一部が出窓2内のカウンター部3にオーバーラップさせて設置されているため、洗い場5の空間を広く確保することができるものとなり、しかも、この洗い場5と連通状に浴槽4の左右に形成されている介護スペース6a,6bに介護者が入って、浴槽4内で入浴する老人等を介護できるものとなる。
また、カウンター部3上の左右の余裕スペース3a,3bに腰を降ろした状態で、良好に浴槽4内に足を跨ぎ込ませて入ることができ、また、この余裕スペース3b上には備品等を良好に仮置きしておくことができるものとなる。
【0013】
なお、図2は、形状の異なる浴槽4をカウンター部3に一部をオーバーラップさせて設置した状態を示すものであり、浴槽4の背もたれ勾配立面4aがカウンター部3内へ張り出して設置され、カウンター部3上に浴槽のヘッドレスト部4cがオーバーラップされた状態で設置されている。
このような浴槽4においても、浴槽4の左右側には、介護者が入って良好に介護できる介護スペース6a,6bが形成されている。
【0014】
さらに図3は、形状の異なる浴槽の設置状態であり、図3における長方形状の浴槽4においても、背もたれ勾配立面4aがカウンター部3内に張り出しており、カウンター部3上にオーバーラップしてヘッドレスト部4cが配置されて、浴槽4の左右側には介護スペース6a,6bが形成されている。
【0015】
なお、図4は、図3の概略断面構成図を示すものであり、浴槽4の背もたれ勾配立面4aはカウンター部3の内部に入り込んで設置されており、この背もたれ勾配立面4aの裏のカウンター部3の下方に、配管を通すことのできる配管スペースSが形成され、この配管スペースS内に、配管を良好に隠蔽させてすっきりとした状態で施工することができるものである。
なお、図4では、浴槽のヘッドレスト部4cの窓2a側は垂直な後端面4dとなっており、また、洗い場5側のエプロン7も垂直に立設されている。
【0016】
図5では、変更例を示すものであり、図5においては、浴槽のヘッドレスト部4cの窓2a側の後端面4dが、窓2a側へ向かって上傾した逆勾配の傾斜状に形成されており、また、洗い場5側のエプロン7は、洗い場5側へ向かって上傾した逆勾配の傾斜状に設けられている。
このような形状とすることで、カウンター部3上面を広く活用して備品等を置くことができるものとなり、また、逆勾配のエプロン7により洗い場5のスペースを広く確保することができるものとなる。
【0017】
次に、図6の平面図で示すものは、略円形状の浴槽4をカウンター部3に一部をオーバーラップさせて設置したものであり、このような略円形状の浴槽4において、浴槽4の外周面と浴室の壁面8間に、移乗台9を位置ずれしない状態に設置することができるものとなる。
この移乗台9は、浴槽4の外周曲面に対応した湾曲凹面9aを有しており、この湾曲凹面9aが浴槽4の外周面にほぼ当接状態で設置されることにより、位置ずれしないものとなり、この移乗台9上に腰を降ろした状態で、良好に浴槽4内に足を跨ぎ込ませて入ることができるものとなる。
【0018】
なお、図7の縦概略断面構成図で示すものは、浴室1の床面を構成する浴室防水パン10と、出窓2を形成する出窓フレーム20との連結状態を示すものであり、出窓2を形成する出窓フレーム20は金属製であり、梁12側に連結される上面20aの外端から窓2aを有する前面20bが垂設され、前面20bの下端で浴室側へ水平状に下面20cが形成されており、この下面20cは土台11上に載せられて設置され、下面20cの先端の垂下片20dが、浴室防水パン10の先端に立ち上げ形成されている水切片10aの内側に重ね合わされて設置されるものである。
なお、カウンター部3は、下面20cから所定高さの位置に、前面20b側から浴室側に略水平に設置されている。
【0019】
このような構成では、カウンター部3上を流れる水等は良好に浴室防水パン10に流し込まれるため、カウンター部3上等で発生する水が外側へ漏水することがない。
なお、図中4eは、浴槽4の下面に垂設された脚部であり、この脚部4eが浴室防水パン10上に設置されるものである。
【0020】
なお、図8で示すように、出窓2を形成する出窓フレーム20を、土台11と梁12の上下間隔いっぱいの寸法に形成して、出窓フレーム20の下面20cに垂設されている垂下片20dと平行状に垂設させて係合垂下片20eを一体形成させておき、この係合垂下片20eと垂下片20d間に土台11を挟み込んで、土台11に出窓フレーム20の下面側を固定することができ、また、出窓フレーム20の上面20aと一体状に上面が開口した断面コの字状の係合コの字部20fを形成させておき、この係合コの字部20fを梁12に嵌め込んで係合させることができるように構成しておけば、出窓フレーム20が強固な設置状態で取り付けられることとなり、出窓フレーム20は土台11と梁12間の補強材としての機能も果たすこととなり、出窓フレーム20内の上下寸法が十分に確保されて、広い出窓空間を形成することができるものとなる。
【0021】
次に、図9で示すものは変更例であり、出窓フレーム20の下面20cの先端に垂設されている垂下片20dを、浴槽防水パン10の水切片10aの内側に重ね合わせて設置し、出窓フレーム20内にカウンターが設置されていない場合においても、浴槽4の傾斜状の背もたれ勾配立面4aを出窓フレーム20内に張り出させて、背もたれ勾配立面4aを出窓フレームの下面20cの上方に配置させて浴槽4を設置することができ、このように浴槽4の一部を出窓フレーム20内に張り出して設置すれば、その分、浴室内空間を広く確保することができるものとなる。
【0022】
なお、図9のような構造は、図10に示すようなシャワールーム21においても適応することができるものであり、シャワールーム21内に設置される腰掛け22の腰掛け部22a及び背部22bを、出窓20内に張り出させて、出窓フレームの下面20c上方に配置させることができ、このように腰掛け部22aの一部を出窓20内に配置させることで、シャワールーム21の室内空間を広く確保することができるものとなる。
【0023】
同様に、図11に示すように、出窓フレーム20内にカウンター部3を設置し、このカウンター部3に洗面器23等を設置して、出窓フレーム20内の空間を洗面空間として有効に使用することができ、洗面器23等を備えた水廻り空間において室内側を広く確保することができるものとなる。
【0024】
なお、図12の側面縦断面図で、また図13の要部斜視構成図で示すように、出窓フレーム20の側面に側面ルーバー26を設けて、この側面ルーバー26により出窓フレーム20内部の空気を対流させて良好に給排気させることができるものであり、また、出窓フレーム20の前面20bの外側に半透明な半透明板25を設置し、この半透明板25の外周を出窓フレーム20の外周よりも外側へ延長させて外周延出部25aを形成させておけば、良好に出窓フレーム20の内側に太陽光を入れることができ、しかも、外側からは半透明板25により出窓フレーム20及び側面ルーバー26を遮蔽することができ、外側から見た場合の出窓の意匠性が確保されるとともに、浴室内等への採光を確保しつつ、室内側は外側からは見えなくなるためプライバシーも良好に確保されるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】出窓を備えた浴室の斜視構成図である。
【図2】形状の異なる浴槽の設置状態の斜視構成図である。
【図3】さらに形状の異なる浴槽の設置状態の斜視構成図である。
【図4】図3の浴槽を設置した状態の縦断面構成図である。
【図5】形状の異なる浴槽を設置した場合の図4に対応させた縦断面構成図である。
【図6】略円形状の浴槽を設置した場合の平面構成図である。
【図7】防水パン上に出窓フレームが設置される場合の縦断面構成図である。
【図8】出窓フレームの変形例の要部縦断面構成図である。
【図9】出窓フレーム内に浴槽の立面の一部を配置して浴槽を設置した状態の概略断面構成図である。
【図10】シャワールームにおいて出窓内に腰掛けの一部を配置させた状態の縦断面構成図である。
【図11】水廻り構造において出窓内にカウンターおよび洗面器を設置した状態の縦断面構成図である。
【図12】出窓フレームの側面にルーバーを設け、出窓フレームの外側に半透明板を設けた場合の側面縦断面構成図である。
【図13】図12の斜視構成図である。
【符号の説明】
【0026】
1 浴室
2 出窓
2a 窓
3 カウンター
3a,3b 余裕スペース
4 浴槽
4a 背もたれ勾配立面
4b フランジ部
4c ヘッドレスト部
4d 後端面
5 洗い場
6a,6b 介護スペース
7 エプロン
8 壁面
9 移乗台
10 浴室防水パン
10a 水切片
11 土台
12 梁
20 出窓フレーム
20a 上面
20b 前面
20c 下面
20d 垂下片
20e 係合垂下片
20f 係合コの字部
21 シャワールーム
22 腰掛け
22a 腰掛け部
22b 背部
23 洗面器
25 半透明板
25a 外周延出部
26 側面ルーバー
S 配管スペース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出窓に形成されたカウンター部にオーバーラップさせ、左右側にはスペースを空けて浴槽が設置されたことを特徴とする浴室の出窓構造。
【請求項2】
前記出窓を形成する出窓フレームを防水パン上に載置したことを特徴とする請求項1に記載の浴室の出窓構造。
【請求項3】
前記出窓を形成する出窓フレームを、土台と梁間隔いっぱいに形成し、該土台と梁に固定させたことを特徴とする請求項1に記載の浴室の出窓構造。
【請求項4】
前記浴槽の立ち面の一部が前記出窓内に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3に記載の浴室の出窓構造。
【請求項1】
出窓に形成されたカウンター部にオーバーラップさせ、左右側にはスペースを空けて浴槽が設置されたことを特徴とする浴室の出窓構造。
【請求項2】
前記出窓を形成する出窓フレームを防水パン上に載置したことを特徴とする請求項1に記載の浴室の出窓構造。
【請求項3】
前記出窓を形成する出窓フレームを、土台と梁間隔いっぱいに形成し、該土台と梁に固定させたことを特徴とする請求項1に記載の浴室の出窓構造。
【請求項4】
前記浴槽の立ち面の一部が前記出窓内に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3に記載の浴室の出窓構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−23516(P2007−23516A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−203729(P2005−203729)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】
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