説明

液圧シリンダ

【課題】液圧シリンダにおいて、作動液の圧力によって減衰バルブを収容するケースの溶接部に生じる応力を軽減する。
【解決手段】作動液が封入されたシリンダ内に、ピストンロッドが連結されたピストンを摺動可能に挿入し、シリンダの外周に設けた外筒3の側壁に減衰力発生機構17を取付ける。シリンダ内のピストンの摺動によって生じる作動液の流れを減衰力発生機構17に収容した減衰力発生機構19によって制御して減衰力を発生させる。減衰力発生機構17のバルブケース18は、外筒3に溶接する接合部23を縮径して、バルブケース18に収容した減衰力発生機構19よりも小径としている。溶接部である接合部23を小径としたことにより、作動液の液圧によって接合部23に生じる応力が軽減されるので、溶接部の液圧に対する強度を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダ部の側部に減衰力発生機構が設けられた液圧シリンダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車等のサスペンション装置に装着される筒型のショックアブソーバにおいて、例えば特許文献1(特に図9)に記載されているように、作動液が封入されたシリンダ内にピストンロッドを連結したピストンを摺動可能に挿入し、シリンダの側部に、ディスクバルブ及びオリフィス等からなる減衰バルブを内部に有する通路を設けたものがある。特許文献1に記載されたショックアブソーバでは、円筒状のシリンダを軸方向に3つの筒体として分割し、前述の通路は、分割シリンダのうちの真ん中のシリンダに一体成型されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−45738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来では、シリンダが3分割されており、接続部が多く、製造工数や部品点数が多くなるという問題点があった。
【0005】
本発明は、製造工数や部品点数を低減させた液圧シリンダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明に係る液圧シリンダは、作動液が封入されたシリンダと、一端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、一端が前記シリンダの外周に固着され、他端は前記シリンダ内の作動液を外部へ流通させる配管が接続される継手と、前記継手の内部に設けられ、前記ピストンロッドのストロークによって生じる作動液の流動を制御して減衰力を発生させる減衰力発生機構とを備え、
前記減衰力発生機構は、前記継手内に収納され、前記作動液を流動させる通路及び弁座を有する弁座部材と、前記弁座部材に設けられた弁座に着座する円形のディスクバルブからなり、前記継手と前記シリンダとの固着部は、溶接による固着で、前記固着部の内形面積は、前記ディスクバルブの外形面積よりも小さいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る液圧シリンダによれば、必要な耐久性を得ながら製造工数や部品点数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液圧シリンダの要部である減衰力発生機構の外筒への取付部を拡大して示す縦断面図である。
【図2】図1に示す液圧シリンダの縦断面図である。
【図3】図1に示す液圧シリンダの変形例の要部である減衰力発生機構の取付部を拡大して示す縦断面図である。
【図4】図1に示す液圧シリンダの他の変形例の要部である減衰力発生機構の取付部を拡大して示す縦断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る液圧シリンダの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の第1実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。
本実施形態に係る液圧シリンダ1は、自動車の前後、左右の車輪のサスペンション装置にそれぞれ装着され、これらを管路によって外部の液圧回路を介して互いに連結し、車体の姿勢変化等によって生じる液圧シリンダ間の作動液の流れを外部の液圧回路のアキュムレータ及び減衰バルブ等によって制御することにより、車体の振動及び姿勢制御を行なうためのものである。そのようなサスペンション装置、外部の液圧回路等については、例えば特許文献1に示されている。
【0010】
図1及び図2に示すように、液圧シリンダ1は、円筒状の内筒2の外周に円筒状の外筒3が設けられて、これらの間に環状通路4が形成された二重筒構造となっている。内筒2内には、ピストン5が摺動可能に挿入され、このピストン5によって内筒2の内部がシリンダ室2Aとシリンダ室2Bとの2室に仕切られている。ピストン5には、ピストンロッド6の一端部がナット7によって連結され、ピストンロッド6の他端側は、内筒2及び外筒3の下端部に取付けられたロッドガイド8及びオイルシール9に摺動可能かつ液密的に挿入されて外部へ突出している。ロッドガイド8及びオイルシール9は、外筒3内に嵌合されてカシメによって固定されたリテーナ10、11によって固定されている。シリンダ室2Aと環状通路4とは、ロッドガイド8に設けられた切欠き12によって連通されている。
内筒2及び外筒3は、引抜管や接合管等の通常用いられる円筒管を切断することで、それぞれ1本の管で形成される。これによって、鋳造等で作られる管と2つの円筒管で外筒を構成する特許文献1の構造より、安価で部品点数も少なく、軽いシリンダを得ることができる。
なお、前記内筒2及び外筒3が本願発明のシリンダを構成する。
【0011】
内筒2の上端部には、第2の減衰力発生機構である減衰力発生機構13が取付けられ、減衰力発生機構13は、外筒3の上端部に溶接によって固定された通路部材14の内部に嵌合され固定されている。通路部材14には、第2接続ポートである接続ポート15が軸方向に沿って貫通され、シリンダ室2Bが減衰力発生機構13を介して接続ポート15に連通され、環状通路4の上端部が減衰力発生機構13及び通路部材14によって閉鎖されている。減衰力発生機構13には、接続ポート15側からシリンダ室2B側への作動液の流れを許容する逆止弁及びシリンダ室2B側から接続ポート15側への作動液の流れを制御して減衰力を発生させるオリフィス、ディスクバルブ等からなる減衰機構が設けられている。構造としては、後述の減衰力発生機構19と同様の構造である。
なお、上記通路部材14は、外周にネジが設けられ、車体に取付けるための取付け部となっている。
【0012】
外筒3の側壁の中間部には、円形の開口16が設けられ、開口16には、減衰力発生機構19を内部に納めた継手17が接続されている。継手17は、一端部が縮径された円筒状のバルブケース18と、バルブケース18内に収容された減衰力発生機構19と、バルブケース18の大径側の開口端部にナット20によって取付けられた接続部材21とを含んでいる。そして、接続部材21には、バルブケース18内に連通する第1接続ポートである接続ポート27が設けられ、この接続ポート27の外側周囲にネジ穴Aが複数形成され、図示せぬ外部の液圧回路に接続される接続配管の先端が、ネジにより接続される。
【0013】
バルブケース18の縮径された一端側の開口部22の周囲に、環状の接合部23が突出している。バルブケース18は、接合部23を外筒3の開口16の周囲の外周面に当接させ、接合部23を外筒3の側壁に溶接することにより、外筒3に結合している。接合部23と外筒3とは、拡散接合、特にコンデンサ溶接によって接続されている。コンデンサ溶接は、短時間で溶接が可能となり、製造時間を短時間にすることができ最も望ましいが、他の摩擦接合等、管にバルブケース18を接合できる手段であれば接合可能である。
【0014】
減衰力発生機構19は、有底円筒状の外側バルブ部材24と、外側バルブ部材24の底部の内側にピン25によって一体的に結合された内側バルブ部材26とを備えている。減衰力発生機構19は、外側バルブ部材24をバルブケース18内に嵌合し、ナット20の締付けにより、接続部材21で外側バルブ部材24の外周の段部24Aをバルブケース18の内周の段部に当接させて固定されている。
【0015】
減衰力発生機構19には、バルブケース18の開口部22と接続部材21の接続ポート27とを連通する伸び側通路28及び縮み側通路29が設けられている。伸び側通路28は、互いに連通する外側バルブ部材24の底部の内周側に設けられた通路28Aと内側バルブ部材26に設けられた通路28Bとからなり、縮み側通路29は、外側バルブ部材24の底部の外周側に設けられている。内側バルブ部材26の弁座26Aには、伸び側通路28の作動液の圧力を受けて開弁して減衰力を発生させる円形の減衰バルブ30が弁座26Aに着座して設けられ、減衰バルブ30には、伸び側通路28を接続ポート27に常時連通するオリフィス30Aが設けられている。また、外側バルブ部材24には、縮み側通路29の接続ポート27側から開口22側への作動液の流れのみを許容するディスク状の逆止弁31が設けられている。
ここで、減衰バルブ30及び逆止弁31が本発明のディスクバルブを構成し、外側バルブ部材24及び内側バルブ部材26が弁座部材を構成する。
【0016】
バルブケース18の接合部23の直径d(外筒3とバルブケース18との接続面で内圧が作用する部分の直径であり、この接続部が本発明の固着部を構成する。)は、減衰力発生機構19の内径の直径D(バルブケース18内の減衰力発生機構19により圧力が区画されたシリンダ側の最大内径)よりも小さく、かつ、開口部22が減衰力発生機構19の伸び側通路28及び縮み側通路29に対して充分な流路面積が得られるように設定されている。
【0017】
以上のように構成した本実施形態の作用について次に説明する。
液圧シリンダは、通路部材14及びピストンロッド6が自動車の各車輪のバネ上及びバネ下にそれぞれ連結され、また、通路部材14の接続ポート15及び接続部材21の接続ポート27に、サスペンション装置を構成する外部の液圧回路がそれぞれ接続される。
【0018】
ピストンロッド6の伸び行程時には、内筒2内のピストン5の摺動によってシリンダ室2A側の作動液が加圧されて、切欠き12、環状通路4、開口16、開口部22、伸び側通路28及び接続ポート27を通って外部の液圧回路へ流れる。一方、内筒2内のピストン5の摺動によって減圧されるシリンダ室2Bには、減衰力発生機構13の逆止弁を通して、通路部材14の接続ポート15に接続された外部の液圧回路から作動液が流入する。これにより、ピストンロッド6のストロークに対して、減衰力発生機構19のオリフィス30A及び減衰バルブ30によって減衰力が発生し、また、外部の液圧回路による抵抗力が作用する。
【0019】
また、ピストンロッド6の縮み行程時には、内筒2内のピストン5の摺動によってシリンダ室2B側の作動液が加圧されて、減衰力発生機構13を通して、通路部材14の接続ポート15に接続された外部の液圧回路へ流れる。一方、内筒2内のピストン5の摺動によって減圧されるシリンダ室2Aには、接続ポート27に接続された外部の液圧回路から、縮み側通路29、逆止弁31、開口部22、開口16、環状油路4及び切欠き12を通して作動液が流入する。これにより、ピストンロッド6のストロークに対して、減衰力発生機構13の減衰機構によって減衰力が発生し、また、外部の液圧回路の抵抗力が作用する。
【0020】
このとき、例えば、左右の車輪に装着された液圧シリンダ1間において、継手17の接続ポート27、15をアキュムレータを有する外部の液圧回路に接続して、シリンダ室2Aとシリンダ室2Bとを互いに連結することにより、左右の車輪の液圧シリンダ1の同じ方向(同相)のストロークに対しては、アキュムレータによる反力が小さくなり、異なる方向(逆相)のストロークに対しては、アキュムレータによる反力を大きくなり、旋回時の車体の姿勢変化を抑制するスタビライザとしての効果を得ることができる。
【0021】
通常の考えでは、接合部23の直径dを小さくすると、図示しない接続配管等の質量により接続部23に曲げ方向の応力が加わるため、直径dを小さくするという発想には至らないが、本願の発明にあっては、特に20MPa以上というような高圧が接続部23に作用する液圧シリンダを考慮し、バルブケース18の一端部を縮径して、外筒3との溶接部である接合部23の直径dを減衰力発生機構19の直径Dよりも小さくしたことにより、ピストン5によって加圧された作動液の圧力によって溶接部である接合部23に生じる円周方向の応力(フープ応力)及び縦方向の応力を小さくして、作動液の圧力に対する溶接部の強度を高めることにより、総合的に耐久性を高めることができる。特に、液圧シリンダ1では、ピストンロッド6の伸び行程時に、加圧されたシリンダ室2Aの高い液圧が接合部23に直接作用することになるため、液圧に対する接合部23の強度を高めることが重要となっている。
【0022】
ここで、薄肉(肉厚t)の円筒(直径d)に内圧pが作用した場合の円周方向応力σ(フープ応力)は、
σ=dp/2t…(1)
であり、また、縦方向応力τは、
τ=dp/4t…(2)
である。
【0023】
(1)式及び(2)式より、溶接部である接合部23の直径dを開口部22が減衰力発生機構19の伸び側通路28及び縮み側通路29に対して充分な流路面積が得られる範囲で充分小さくすることにより、作動液の圧力によって接合部23に生じる円周方向応力σ及び縦方向応力τが小さくなるので、作動液の圧力に対する接合部23の強度を高めることができることが分かる。
【0024】
特許文献1に記載された従来例のように、接合部23の直径が減衰力発生機構19と同じで、その直径がD=35mmであり、接合部23の肉厚がt1=1.5mmである場合の円周方向応力σ1及び縦方向応力τ1と、本実施形態において、接合部23の直径をd=13mm、接合部23の肉厚をt2=2.5mmとした場合の円周方向応力σ2及び縦方向応力τ2との応力比σ2/σ1及びτ2/τ1を求めると、
σ2/σ1=τ2/τ1=t1・d/t2・D=0.22
となる。したがって、この場合、本実施形態により、従来例に比して、作動液の内圧によって接合部23に生じる円周方向応力σ及び縦方向応力τを78%低減することができる。
【0025】
また、接合部23の直径を小さくすることにより、接続部が平らではない円筒表面である外筒3の外表面に対して、円筒表面の曲率による影響が小さくなることにより接合部23を当接させ易くなるので、接合部の先端面が平面であっても溶接が可能になり、生産性を高めることができる。
さらに、従来技術は、本発明の継手に相当する弁ボスが接続されるのは、シリンダに比べて圧力、圧力変動ともに小さいリザーバであるのに対し、本第1実施形態に示す液圧シリンダは、圧力、圧力変動ともに大きい圧力室である外筒3に接続される。よって、接合部23には圧力、圧力変動による疲労が大きくかかるが、本発明の構造をとることによって、作動液の圧力変動に対する接合部23の強度を高めることができる。
なお、上記減衰力発生機構19の直径Dは、内部に設けられる減衰バルブ30及び逆止弁31等のディスクバルブの必要とされる直径に依存し、よって、直径Dは、このディスクバルブの直径よりも若干大きな径となる。
【0026】
次に、上記第1実施形態の変形例について、図3及び図4を参照して説明する。なお、図1及び図2に示す第1実施形態に対して、同様の部分には同じ参照符号を用いて、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0027】
図3に示す変形例では、バルブケース18の接合部23が傾斜しており、継手17が下方に傾斜した状態で外筒3に取付けられている。
また、図4に示す変形例では、バルブケース18の接合部23の突出高さを大きくし、また、外筒3の開口16の周囲を外側に突出させ、その先端部を傾斜させることにより、継手17が下方に傾斜した状態で外筒3に取付けられている。
これにより、減衰力発生機構17と、その周辺に配置された部品との干渉を防止し、また、接続部材21の接続ポート27に接続する外部の液圧回路の管路の接続角度を調整することができる。この変形例の場合は、バルブケース18又は外筒3を変形加工する必要があるが、開口16の内径が小さいので、塑性加工で対応できるので、特許文献1のような鋳造部品と比べ安価で軽量に作ることができる。
【0028】
次に、本発明の第2実施形態について、図5を参照して説明する。なお、図1及び図2に示す第1実施形態に対して、同様の部分には同じ参照符号を用いて、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0029】
図5に示すように、本実施形態の液圧シリンダ1´では、外筒3が省略され、内筒2が外筒も兼ねるもので、内筒2の下部の側壁に開口16´が設けられ、継手17のバルブケース18の接合部23が内筒2の側壁に溶接されて、開口部22は、開口16´を通してシリンダ室2Aに直接連通している。このため、ピストン5が開口16´に干渉しないように、ピストンロッド6には、その伸長方向のストロークを規制するリバウンドストッパ32が設けられている。また、通路部材14は、内筒2の上端部にナット33によって取付けられている。これにより、上記第1実施形態のものに対して構造を簡素化することができる。本実施の形態では、内筒2が本発明のシリンダを構成する。
【0030】
なお、上記第1及び第2実施形態では、バルブケース18が円筒形状である例を示しているが、円筒であれば、円管を絞り加工で成型することも可能で、安価かつ軽量で製作できるが、これに限らず、スペース等により円形が適用できない場合は、楕円、角形などであってもよい。
また、上記第1及び第2実施形態では、開口16、開口部22、接続部23ともに円形のものを示したが、これに限ることはなく、楕円、角形であってもよい。特に接続部23は、シリンダの軸方向が長径となる楕円とすることで、溶接面積を増やすことができる。
【0031】
なお、上記実施の形態のフープ応力の説明においては、固着部である接合部23が円形であるので直径を用いて説明したが、本発明においては、固着部が非円形である場合もあるため、この内側の形の面積(内形面積)を比較対象とし、また、減衰力発生機構19の内側の直径Dについても、形状を特定していないので、直径Dより小さい径の円形であるディスクバルブ外側の形の面積(外形面積)を比較対象とし、固着部の内形面積は、ディスクバルブの外形面積よりも小さいこととした。
また、上記第1及び第2実施形態では、ピストンロッド6をバネ下側とする、いわゆる倒立型を例に説明した。これは、接続部23を振動の小さい車体側(バネ上)としたほうが、接続部23に加わる振動の応力が小さいので、固着部の内形面積をより小さくできるからであり、また、外部の液圧回路への配管を考慮したものであるが、これに限ることはない。
【符号の説明】
【0032】
1 液圧シリンダ2 内筒(シリンダ)、3 外筒(シリンダ)、5 ピストン、6 ピストンロッド、17 継手、18 バルブケース、19 減衰力発生機構、23 接合部(固着部)、24 外側バルブ部材(弁座部材)、26 内側バルブ部材、26A 弁座、28 伸び側通路(通路)、29 縮み側通路(通路)、30 減衰バルブ(ディスクバルブ)、31 逆止弁(ディスクバルブ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動液が封入されたシリンダと、一端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、一端が前記シリンダの外周に固着され、他端は前記シリンダ内の作動液を外部へ流通させる配管が接続される継手と、前記継手の内部に設けられ、前記ピストンロッドのストロークによって生じる作動液の流動を制御して減衰力を発生させる減衰力発生機構とを備え、
前記減衰力発生機構は、前記継手内に収納され、前記作動液を流動させる通路及び弁座を有する弁座部材と、前記弁座部材に設けられた弁座に着座する円形のディスクバルブからなり、
前記継手と前記シリンダとの固着部は、溶接による固着で、前記固着部の内形面積は、前記ディスクバルブの外形面積よりも小さいことを特徴とする液圧シリンダ。
【請求項2】
前記シリンダ内の一方の室を前記減衰力発生機構を介して外部の液圧回路に接続するための第1接続ポートと、前記シリンダ内の他方の室を第2の減衰力発生機構を介して外部の液圧回路に接続するための第2接続ポートとが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液圧シリンダ。
【請求項3】
前記継手の接合部は、前記シリンダの外周に拡散接合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液圧シリンダ。
【請求項4】
前記シリンダを円筒管で構成し、該円筒管の外周部に円形の孔を設け、該孔の周囲に前記継手を接合したことを特徴とする請求項3に記載の液圧シリンダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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