説明

液封入式防振装置

【課題】通常使用領域での減衰性能を確保するとともに、大振幅入力時の急激な圧力変動に起因するキャビテーションを緩和することができる構造を安価に提供する。
【解決手段】防振基体16とダイヤフラム20との間に液体封入室18が形成され、該液体封入室が仕切り部32により仕切られて、2液室18A,18b間がオリフィス通路34で連通された液封入式防振装置において、防振基体16の外面16Aと第2取付具14のフランジ部26との間にゴム状弾性体からなる拘束弾性部38を設ける。拘束弾性部38は、無負荷状態では、防振基体の外面16Aとフランジ部26との間に軸方向の隙間40を有し、初期荷重負荷状態では上記隙間40がなくなるように防振基体の外面16Aとフランジ部26との間に挟まれ、これにより防振基体の外面16Aを拘束して、防振基体16の拡張バネ定数を増大させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液封入式防振装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車エンジン等の振動源の振動を車体側に伝達しないように支承するエンジンマウント等の防振装置として、車体側に取り付けられる第1取付具と、振動源側に取り付けられる第2取付具と、これら取付具の間に介設されたゴム状弾性体からなる防振基体と、ゴム状弾性膜からなるダイヤフラムと、防振基体が室壁の一部をなす主液室と、ダイヤフラムが室壁の一部をなす副液室と、これら液室間を連通させるオリフィス通路とを備えた液封入式防振装置が知られている。
【0003】
かかる液封入式防振装置においては、通常の振動入力時には、オリフィス通路での液流動による液柱共振作用や防振基体の制振効果により、振動減衰機能と振動絶縁機能が果たされるが、大きな振動が入力したときに、防振装置自体が異音発生源となってこれが車室内に伝達されてしまうことがある。
【0004】
この異音は、液室内でのキャビテーションにより発生するものである。キャビテーションは、防振装置に大きな振動が入力したときに、オリフィス通路が目詰まりし、これにより主液室内が過度な負圧状態となって、封入された液体の飽和蒸気圧を下回ることで、多数の気泡が発生することにより生じる現象である。そして、このようにして発生した気泡が消滅するときの衝撃音が異音となって外部に伝達されるのである。
【0005】
そこで、このキャビテーションによる異音の発生を防止するために、例えば、下記特許文献1には、主液室と副液室を仕切る仕切り部にチェックバルブを設けて、主液室の圧力が所定圧力以下になるとチェックバルブが開口して、液圧を緩和させる構成が開示されている。
【0006】
また、下記特許文献2には、主液室と副液室を仕切る仕切り部に弾性膜を設けるとともに、該弾性膜に自身を貫通する切断部を設けて弁を構成し、この弁を開閉することで極度の正圧状態及び極度の負圧状態を回避し、不愉快な騒音やキャビテーションによる異音を抑制することが開示されている。
【特許文献1】特開2005−48906号公報
【特許文献2】特公平7−107416号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1のようなチェックバルブを設ける方策では、液室内の構造が複雑になり、コストが高くなるという問題がある。
【0008】
また、上記特許文献2のような仕切り部の弾性膜に切断部により弁を設ける構成では、キャビテーションが問題となる引張側だけでなく、圧縮側においても弁からの液体流動が発生し、通常使用領域において本来期待されるオリフィス通路での液体流動が減少し、結果として減衰性能が低下してしまう。
【0009】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、通常使用領域での減衰性能を確保するとともに、大振幅入力時の急激な圧力変動に起因するキャビテーションを緩和することができる構造を安価に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る液封入式防振装置は、振動源側と支持側の一方に取り付けられる筒状の第1取付具と、前記第1取付具の軸芯上に配されて振動源側と支持側の他方に取り付けられる第2取付具と、前記第1取付具と第2取付具との間に介設されたゴム状弾性体からなる防振基体と、前記第1取付具に取付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するゴム状弾性膜からなるダイヤフラムと、前記液体封入室を前記防振基体側の主液室と前記ダイヤフラム側の副液室に仕切る仕切り部と、前記主液室と副液室を連通させるオリフィス通路と、を備える液封入式防振装置において、前記防振基体の外面と前記第2取付具の外周部との間に、無負荷状態では両者の間に軸方向の隙間を設けるとともに、初期荷重負荷状態では前記隙間がなくなるように前記防振基体の外面と前記第2取付具の外周部との間に挟まれることで前記防振基体の外面を拘束し前記防振基体の拡張バネ定数を増大させる、ゴム状弾性体からなる拘束弾性部を設けたものである。
【発明の効果】
【0011】
このような構成の拘束弾性部を設けたことにより、防振基体の拡張バネ定数としての膨出方向へのバネ定数を変化させることができる。すなわち、例えば、液封入式防振装置の通常使用領域では、拘束弾性部が防振基体の外面と第2取付具の外周部との間で挟まれることで、防振基体の外面が拘束弾性部によって拘束されるので、防振基体の拡張バネ定数が高くなる。そのため、オリフィス通路を通じての液体流動が十分に確保されるので、高い減衰性能が発揮される。一方、大振幅入力時において、主液室内でキャビテーションが問題となる引張側での変位時には、防振基体の外面と第2取付具の外周部との間に軸方向の隙間ができることで拘束弾性部による防振基体外面の拘束が解除される。そのため、防振基体の拡張バネ定数が低い状態となり、これにより、主液室内の極度な負圧状態が緩和されて、キャビテーションが発生しにくくなる。
【0012】
このように本発明によれば、通常使用領域での減衰性能を確保するとともに、大振幅入力時の急激な圧力変動に起因するキャビテーションを緩和することができる。しかも、上記拘束弾性部を設けることでこのような機能を持たせることができるので、安価にキャビテーション対策を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、一実施形態に係る液封入式防振装置10の縦断面図である。この防振装置10は、自動車のエンジンを支承するエンジンマウントであり、支持側の車体に取り付けられる筒状をなす下側の第1取付具12と、振動源であるエンジン側に取り付けられる上側の第2取付具14と、これら両取付具12,14の間に介設されて両者を連結するゴム弾性体からなる防振基体16と、この防振基体16に対向して第1取付具12に取り付けられて防振基体16との間に液体封入室18を形成するゴム状弾性膜からなるダイヤフラム20とを備えてなる。
【0015】
第1取付具12は、内側に上記液体封入室18を形成する筒状胴部22と、その下端部22Aにかしめ締結された有底筒状部24とからなる本体金具である。筒状胴部22の上端開口部22Bは、上方X1ほど径大に広がる逆テーパ状に形成されている。
【0016】
第2取付具14は、第1取付具12の軸芯A上に配されたボス金具であり、詳細には、前記軸芯A上において、筒状胴部22の上端開口部22Bよりも軸方向Xの上方X1に位置している。第2取付具14は、第1取付具12の軸直角方向Yに向かって突出するストッパ用のフランジ部26を外周部に有する。フランジ部26は、この例では、第2取付具14の軸方向X中央部において、全周にわたって径方向外方に突出するリング板状に形成されている。
【0017】
防振基体16は、その上部に第2取付具14の下部(即ち、フランジ部26よりも下側の部分)が埋設された状態に加硫接着され、下端外周部が筒状胴部22の上端開口部22Bに加硫接着されており、全体として略傘形状をなしている。従って、大気に面する防振基体16の外面(即ち、上面)16Aは、上方X1ほど漸次径小となるテーパ面状に形成され、この例では液体封入室18側に向けてわずかに凹状をなす断面湾曲状に形成されている。また、液体封入室18に面する内面(即ち、下面)16Bは、下方X2に向けて開口する凹状に形成されている。防振基体16の下端部には、筒状胴部22の内周面を覆うゴム層28が連なっている。
【0018】
ダイヤフラム20は、その外周部に埋設一体化された環状の補強金具30を介して、筒状胴部22と有底筒状部24とのかしめ締結部に固定されている。そして、このダイヤフラム20と防振基体16との間に形成された液体封入室18は、仕切り部32によって、防振基体16側、即ち防振基体16が室壁の一部をなす上側の主液室18Aと、ダイヤフラム20側、即ちダイヤフラム20が室壁の一部をなす下側の副液室18Bとに仕切られており、両液室18A,18Bは、単一のオリフィス通路34により互いに連通されている。なお、符号34Aが、オリフィス通路34の主液室18A側の連通口であり、符号34Bが、オリフィス通路34の副液室18B側の連通口である。
【0019】
仕切り部32は、この例では、金属板のプレス加工品からなり、外周部に上記オリフィス通路34を形成する筒状のオリフィス形成部32Aを備え、その内側に主液室18Aと副液室18Bを仕切る仕切り板部32Bを備える。そして、筒状胴部22の内周面にゴム層28を介して嵌着されており、外周フランジ32Cを介して、ダイヤフラム20の補強金具30とともに、筒状胴部22と有底筒状部24とのかしめ締結部に固定されている。
【0020】
符号36は、第1取付具12の上端開口部22Bにかしめ固定されて、第2取付具14の軸方向(上下方向)Xの変位に対するストッパ作用を果たすように設けられたストッパ金具である。このストッパ金具36は、防振基体16の周りを取り囲む筒状部36Aと、その上端から内向き(即ち、軸直角方向内方)に延びて第2取付具14のフランジ部26に対するストッパ用の当接部を構成するストッパ板部36Bとを備えてなる。ストッパ金具36の上面には、カバーゴム37が被せられている。
【0021】
上記構成を持つ液封入式防振装置10において、本実施形態では、防振基体16の外面16Aと第2取付具14のフランジ部26との間に、ゴム弾性体からなる拘束弾性部38が設けられている。拘束弾性部38は、図1に示す無負荷状態では防振基体16の外面16Aと上記フランジ部26の間に軸方向Xの隙間40を設けるとともに、図2に示す初期荷重負荷状態では上記隙間40がなくなるように防振基体16の外面16Aと上記フランジ部26との間に挟まれることで防振基体16の外面16Aを拘束するものである。ここで、無負荷状態とは、車両組付け前などの防振装置10に荷重を負荷していない状態のことである。初期荷重負荷状態とは、防振連結すべき振動源側と支持側の間に液封入式防振装置10を組み付けたときに、当該防振装置10にかかる分担支持荷重が負荷された状態であり、この例ではエンジンの分担支持荷重が負荷された状態である。
【0022】
拘束弾性部38は、本実施形態では、第2取付具14のフランジ部26に対し下方X2に向けて突出形成されており、無負荷状態では防振基体16の外面16Aとの間で上記隙間40を有するとともに、初期荷重負荷状態では防振基体16の外面16Aに当接して、当該防振基体16が外側に膨らみにくくなるように(即ち、主液室18Aが拡張しにくくなるように)防振基体16の外面16を拘束する。そのため、初期荷重負荷状態では、無負荷状態に比べて、防振基体16の拡張バネ定数が増大する。ここで、拡張バネ定数とは、主液室18Aの圧力変化に伴って主液室18Aを拡張するように膨出変形するときの防振基体16のバネ定数である。
【0023】
より詳細には、第2取付具14のフランジ部26は内外分割式に構成されており、外側のリング部26Aが、内側の本体部26Bの外周縁に対して、圧入により外嵌固定されるよう構成されている。拘束弾性部38は、リング部26Aの下面側に加硫成形されており、この例ではリング部26Aの全周にわたって環状に設けられている。防振基体16の外面16Aに当接可能な拘束弾性部38の下面38Aは、上記外面16Aに対応するテーパ面状に形成されており、これにより、上記隙間40は軸直角方向Yに略一定に設けられている。
【0024】
隙間40の軸方向Xにおける寸法は、初期荷重負荷状態で防振基体16の外面16Aに当接するように、搭載される車両での初期荷重に応じて適宜に設定される。より詳細には、通常使用領域(例えば、振幅1mm程度以下の領域)において拡張バネ定数が高い状態に保持されるように(即ち、拘束弾性部38による防振基体16の外面16Aの拘束が維持されるように)、初期荷重負荷状態で拘束弾性部38は防振基体16の外面16Aを圧接しており、そのように隙間40の軸方向X寸法が設定される。
【0025】
なお、第2取付具14のフランジ部26の上面には、ストッパ金具36との衝撃を和らげるためのストッパゴム42が設けられており、ストッパゴム42は拘束弾性部38と一体のゴムで形成されている。
【0026】
以上よりなる本実施形態の液封入式防振装置10であると、通常使用領域、例えば振幅0.5mm程度のシェイク振動時には、図2に示すように、拘束弾性部38が防振基体16の外面16Aと第2取付具14のフランジ部26との間で軸方向Xに挟まれることで、防振基体16の外面16Aが拘束されている。そのため、防振基体16の拡張バネ定数が高く、オリフィス通路34を通じての液体流動が十分に確保されるので、高い減衰性能が発揮される。
【0027】
一方、振幅1mmを超えるような大振幅入力時、例えば振幅2mm程度の振動入力時において、第2取付具14が上方に向かう引張側での変位時には、拘束弾性部38が防振基体16の外面16Aから離れて非接触状態となり、拘束弾性部38による防振基体外面16Aの拘束が解除される。そのため、防振基体16の拡張バネ定数が低い状態となり、これにより、主液室18A内の極度な負圧状態が緩和されて、キャビテーションが発生しにくくなる。
【0028】
図3は、かかる大振幅入力時における主液室18Aの圧力変化を示したグラフである。図中、点線は第2取付具14に対する入力波形(変位)を示し、グラフの上方が「圧縮」、即ち第2取付具14を下方X2に変位させる方向であり、グラフの下方が「引張」、即ち第2取付具14を上方X1に変位させる方向である。拘束弾性部38を持たない比較例に係る液封入式防振装置では、引張側において、長時間にわたって主液室が極度な負圧状態になっていた(図3のD部参照)。これに対し、本実施形態の場合、引張側において、主液室内が極度な負圧状態になるものの、その状態は速やかに解消された(D部参照)。そのため、本実施形態の場合、仮に主液室内が飽和蒸気圧に達したとしても、その状態が短いため、キャビテーションは生じにくい。
【0029】
このように本実施形態によれば、拘束弾性部38を設けたことにより防振基体16の拡張バネ定数を変化させることができ、これにより、通常使用領域での減衰性能の確保と、大振幅入力時のキャビテーションの緩和を、安価な構造で達成することができる。
【0030】
図4は他の実施形態に係る液封入式防振装置100を示したものである。この例では、拘束弾性部138は、第2取付具14と防振基体16の間に別体に設けられており、無負荷状態では、第2取付具14のフランジ部26との間で上記隙間40を有するとともに、初期荷重負荷状態では、図5に示すように、防振基体16の外面16Aと第2取付具14のフランジ部26との間に挟まれて、防振基体16の外面16Aを拘束するように構成されている。
【0031】
より詳細には、拘束弾性部138は、リング状をなすゴム部材であり、単独で加硫成形したものを、別に加硫成形された防振装置100に対して上方から組み付けることで、第2取付具14のフランジ部26と防振基体16の外面16Aとの間に配されている。拘束弾性部138の下面138Aは、図1の実施形態と同様、防振基体16の外面16Aに対応するテーパ面状に形成されている。拘束弾性部38の上面138Bは、軸直角方向Yに平行に設けられており、これにより、拘束弾性部38の上面138Bと第2取付具14のフランジ部26との間に形成される隙間40が軸直角方向Yに一定に設けられている。なお、第2取付具14のフランジ部26は、防振基体16から連なったゴムよりなるストッパゴム142にて包被されている。その他の構成は図1の実施形態と同様であり、この実施形態の場合も、図1の実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0032】
なお、上記実施形態では、拘束弾性部38,138を、第2取付具14のフランジ部26に設けたり、或いは、該フランジ部26と防振基体16との間に別体に設けたが、これらに限定されるものではなく、例えば、防振基体の外面に上方に突出する拘束弾性部を一体に設けてもよい。また、無負荷状態で形成される上記隙間40は、第2取付具14のフランジ部26と防振基体16の外面16Aとの間に形成されていればよく、従って、拘束弾性部38とフランジ部26との間でも、拘束弾性部38と防振基体外面16Aとの間でも、また、拘束弾性部38の上下両側に設けられてもよい。
【0033】
また、上記実施形態では、拘束弾性部38,138が防振基体16の外面16Aを全周にわたって拘束するように、防振基体16の外面16A又はフランジ部26に全周にわたって拘束弾性部38,138が当接するように構成したが、必ずしも全周にわたって当接状態になくてもよく、要求性能により適宜設定可能である。
【0034】
また、上記実施形態では、単一のオリフィス通路を持つシングルオリフィス構造の防振装置について説明したが、複数の液室間をオリフィス通路にて連通させる液封入式防振装置であれば、ダブルオリフィス構造の防振装置など、種々の液封入式防振装置に適用可能である。
【0035】
また、上記液封入式防振装置10,100は、上下反転させて車両に組み付けられるものであってもよく、更には、エンジンマウント以外にも、ボディマウント、デフマウントなど、種々の防振装置に適用可能である。その他、一々列挙しないが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】一実施形態に係る液封入式防振装置(無負荷状態)の縦断面図
【図2】同防振装置の初期荷重負荷状態での縦断面図
【図3】同防振装置における主液室内の圧力変化を示すグラフ
【図4】他の実施形態に係る液封入式防振装置(無負荷状態)の縦断面図
【図5】他の防振装置の初期荷重負荷状態での縦断面図
【符号の説明】
【0037】
10,100…液封入式防振装置
12…第1取付具
14…第2取付具
16…防振基体、16A…外面
18…液体封入室、18A…主液室、18B…副液室
20…ダイヤフラム
26…フランジ部
32…仕切り部
34…オリフィス通路
38,138…拘束弾性部
40…隙間
A…軸芯
X…軸方向
Y…軸直角方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動源側と支持側の一方に取り付けられる筒状の第1取付具と、
前記第1取付具の軸芯上に配されて振動源側と支持側の他方に取り付けられる第2取付具と、
前記第1取付具と第2取付具との間に介設されたゴム状弾性体からなる防振基体と、
前記第1取付具に取付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するゴム状弾性膜からなるダイヤフラムと、
前記液体封入室を前記防振基体側の主液室と前記ダイヤフラム側の副液室に仕切る仕切り部と、
前記主液室と副液室を連通させるオリフィス通路と、
を備え、
前記防振基体の外面と前記第2取付具の外周部との間に、無負荷状態では両者の間に軸方向の隙間を設けるとともに、初期荷重負荷状態では前記隙間がなくなるように前記防振基体の外面と前記第2取付具の外周部との間に挟まれることで前記防振基体の外面を拘束し前記防振基体の拡張バネ定数を増大させる、ゴム状弾性体からなる拘束弾性部が設けられた、
液封入式防振装置。
【請求項2】
前記拘束弾性部が、前記第2取付具の外周部に設けられて、無負荷状態では前記防振基体の外面との間で前記隙間を有するとともに、初期荷重負荷状態では前記防振基体の外面に当接して前記防振基体の外面を拘束する、
請求項1記載の液封入式防振装置。
【請求項3】
前記拘束弾性部が、前記第2取付具と前記防振基体の間に別体に設けられ、無負荷状態では前記防振基体の外面と前記第2取付具の外周部の少なくとも一方との間で前記隙間を有するとともに、初期荷重負荷状態では前記防振基体の外面と前記第2取付具の外周部との間に挟まれて前記防振基体の外面を拘束する、
請求項1記載の液封入式防振装置。
【請求項4】
前記第2取付具が前記第1取付具の軸直角方向に突出するフランジ部を外周部に有し、前記防振基体の外面と前記フランジ部との間に前記拘束弾性部が設けられた、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の液封入式防振装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−133346(P2009−133346A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−307977(P2007−307977)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【出願人】(000003148)東洋ゴム工業株式会社 (2,711)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】