説明

液晶ディスプレイの支持構造及び電子機器

【課題】表示側筐体の装置サイズが大型化することがなく、液晶ディスプレイ及びバックライト部を衝撃から保護することができる液晶ディスプレイの支持構造を提供する。
【解決手段】液晶ディスプレイ30を収容凹部51に内に収容する筐体50と、収容凹部51内に配置され、液晶ディスプレイ30を支持する支持フレーム45と、を備え、筐体50の収容凹部51には、支持フレーム45の外周部に当接することで、支持フレーム45を介して液晶ディスプレイ30を収容凹部51内で支持する支持部53bと、液晶ディスプレイ30の外周部と接触しないように、支持部53bの支持フレーム45との当接部位から所定距離オフセットしたオフセット部53aとが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイの支持構造及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などの電子機器の筐体には、矩形板状の液晶ディスプレイユニットが設けられている。この液晶ディスプレイユニットは、液晶分子が封入され、駆動電圧の印加によって文字、画像等を表示する表示部である液晶ディスプレイを有する。液晶ディスプレイユニットは、さらに液晶ディスプレイに光を照射するバックライト部と、バックライト部を取り囲むとともに液晶ディスプレイをその周縁部で支持する矩形枠状のバックライトフレームとを有する。バックライトフレームは、電子機器が落下などの大きな衝撃を受けた場合、破損し易い液晶ディスプレイ及びバックライト部をその衝撃から保護する機能を有する。
【0003】
近年、携帯電話機などの電子機器の小型化及び液晶ディスプレイの大型化に伴い、液晶ディスプレイが配置される筐体が大きくなる問題が生じている。この筐体の壁部の厚さを薄くすれば筐体を小さくすることができる。しかしこの場合には、筐体の強度が不足してしまい、バックライトフレームによる、液晶ディスプレイ及びバックライト部の衝撃からの保護が不十分となる場合があった。また、繊維強化樹脂など、強度の大きな材料を用いて筐体を形成すればその壁部の厚さを薄くしても当該筐体の強度が確保される。しかしこの場合には、筐体自体、ひいては電子機器のコストが上昇してしまう問題が生じる。
【0004】
このような液晶ディスプレイ及びバックライト部の保護構造として、図10に示すように、平面視矩形枠体状であり、枠体を構成する各辺の断面がL字状とされたバックライトフレーム1上に液晶ディスプレイ2の周縁部を載置するとともに、液晶ディスプレイ2の外周面を当該バックライトフレーム1の枠体の外周リブで包囲した技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−192769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この技術によれば、筐体の壁部の厚さが薄い割にはその強度が確保され、しかも、液晶ディスプレイの外周面がバックライトフレームの枠体で包囲されているため、液晶ディスプレイを衝撃から効果的に保護することができる。しかしその反面、バックライトフレームが液晶ディスプレイの外周面を包囲することから、バックライトフレームは、必然的に液晶ディスプレイの外周よりも大きくなってしまう。このため、バックライトフレームを収納するための筐体の収容凹部が大きくなり、筐体のサイズが大型化する。そして、筐体の強度をさらに高めるためにその壁部の厚さを従来と同等とすると、筐体のサイズがさらに大型化するという問題が生じていた。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、液晶ディスプレイを大型化するとともに、液晶ディスプレイが配置される筐体の強度を確保すべくその壁部を従来と同種の材料及び同等の厚さで形成しても、当該筐体のサイズを大型化することなく、液晶ディスプレイを落下などの衝撃から効果的に保護することができる液晶ディスプレイの支持構造及び該支持構造を有する電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る液晶ディスプレイの支持構造は、
収容凹部を有し、該収容凹部内に液晶ディスプレイを収容する筐体と、
前記筐体の前記収容凹部内に配置され、前記液晶ディスプレイを支持する支持フレームと、
を備え、
前記筐体の収容凹部には、
前記支持フレームの外周部に近接又は接触する支持部と、
前記液晶ディスプレイの外周部と接触しないように、前記支持部と前記支持フレームとの当接部位から所定距離外方にオフセットしたオフセット部と、が、
前記収容凹部の底面から順に形成されている、
ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第2の観点に係る電子機器は、
液晶ディスプレイと、本発明の第1の観点に係る液晶ディスプレイの支持構造と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、液晶ディスプレイを大型化するとともに、液晶ディスプレイが配置される筐体の強度を確保すべくその壁部を従来と同種の材料及び同等の厚さで形成しても、当該筐体のサイズを大型化することなく、液晶ディスプレイを落下などの衝撃から効果的に保護することができる液晶ディスプレイの支持構造及び該支持構造を有する電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態に係る携帯電話機を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る携帯電話機の筐体を示す分解斜視図である。
【図3】図2のIII−III線断面図(Aで示す領域内は筐体の一部拡大図)である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る携帯電話機の液晶ディスプレイユニット(Bで示す領域内は筐体の一部拡大図)と、筐体(Cで示す領域内は筐体の一部拡大図)を示す分解斜視図である。
【図5】図2のV−V線断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る携帯電話機が落下など衝撃を受けたときに、液晶ディスプレイの外周部が収容凹部の内壁面に接触しないことを示す図3のAで示す領域に対応する作用図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る携帯電話機の筐体を示す斜視図(Dで示す領域は筐体の一部拡大図)である。
【図8】図7のVIII−VIII線断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る携帯電話機の筐体において、液晶ディスプレイの外周面とオフセット部の内壁面との間に、緩衝材が介設されている状態を示す断面拡大図である。
【図10】従来の液晶ディスプレイの保護構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の実施形態を説明する。各種の携帯電話機、電子カメラ、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートパソコンなどの表示部として液晶ディスプレイを有する電子機器において本発明を適用することができる。すなわち、以下に記載する実施形態は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素又は全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0013】
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る携帯電話機は、液晶ディスプレイを保護するスクリーン15の下方に矩形板状の液晶ディスプレイユニット20が配置される第1筐体10と、液晶ディスプレイを制御するための制御回路や駆動用の電池などが配置される第2筐体11とを備えている。第1筐体10は、第2筐体11に対して軸Qを回転中心として折り畳み可能とされている。尚、以下の説明において、スクリーン15は省略する。
図2に示すように、第1筐体10は、有底矩形枠状の筐体50を有しており、筐体50の中央部には、上方(Z方向)に開口する矩形板状の収容凹部51が設けられている。そして、収容凹部51内には、液晶ディスプレイユニット20が収納されている。
【0014】
また、液晶ディスプレイユニット20は、矩形枠状とされたバックライトフレーム45を有しており(図3参照)、バックライトフレーム45の外周部の所定位置には6つ(複数)の係合凸部47が設けられている。筐体50の収容凹部51の内周壁には各係合凸部47と対応する所定位置に6つ(複数)の係合凹部57が設けられている。そして、液晶ディスプレイユニット20は、係合凸部47が係合凹部57に係合した状態で筐体50の収容凹部51に収容固定される。
【0015】
図3に示すように、液晶ディスプレイユニット20は、矩形平板状の液晶ディスプレイ30と、該液晶ディスプレイ30にその背面から光を照射するバックライト部40と、バックライト部40を取り囲むとともに液晶ディスプレイ30をその周縁部で支持するバックライトフレーム45と、から構成されている。
【0016】
液晶ディスプレイ30は、それぞれ矩形平板状とされた上下一対のガラス基板(図示せず)と、当該一対のガラス基板で挟み込まれた液晶層と、を有しており、上記制御回路から印加された駆動電圧に応じて、文字、数字、記号、画像等を表示する。
【0017】
バックライト部40は、光学シート41、導光板42、反射板43、LED(Light Emitting Diode)(図示せず)を備えている。導光板42は、光源であるLEDからの出射光を光入射端面から内部に取り込み、その取り込んだ光を、発光部にて反射と透過を繰り返しながら面状発光とし、液晶ディスプレイ30側に出射する。そして、光学シート41は、導光板42から照射される光を液晶ディスプレイ30側に集光する。なお、反射板43は、矩形状の光反射部材であり、筐体50の収容凹部51の底部に配置され、導光板42から反射板43側へ漏れる光を反射し、導光板42側に戻す機能を有する。
【0018】
図3に示すように、バックライトフレーム45の四辺を構成する枠状部は断面矩形状とされている。図3のAで示す領域内に示すように、枠状部の各辺は、それぞれ、表面45a、内側面45b、裏面45c、外側面45dを有する。バックライトフレーム45は、例えば、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂などの、剛性及び弾性を兼ね備えた樹脂で形成されている。
【0019】
図3に示すように、バックライトフレーム45は、その内壁面45bでバックライト部40を包囲することで、バックライト部40の導光板42等を落下などの衝撃から保護するものである。また、バックライトフレーム45の裏面45cは、反射板43に固着されている。そして、この状態で、図3を参照して、バックライトフレーム45と反射板43の高さの合計はh(mm)となっている。
【0020】
また、バックライトフレーム45は、その上表面45aが平坦とされており、この上表面45aの所定領域に貼付された粘着テープ(図示せず)を介して、液晶ディスプレイ30の周縁部と接合される。これにより、バックライトフレーム45に液晶ディスプレイ30が取り付けられている。
【0021】
図3に示すように、液晶ディスプレイ30の左右方向(X方向)の幅寸法は、バックライトフレーム45の左右方向の外形寸法よりもやや小さくなるように設定されている。そして、液晶ディスプレイ30は、バックライトフレーム45に固定されている。詳しくは、液晶ディスプレイ30は、その左右の外周面30aよりもバックライトフレーム45の外側面45dが、それぞれC3(mm)だけ外方にシフトした位置で、バックライトフレーム45に上記粘着テープによって固定されている。なお、液晶ディスプレイ30の外周面30aは、バックライトフレーム45の外側面45dと面一であってもよく、僅かに該外側面45dより外方に位置していてもよい。
【0022】
図4に示すように、バックライトフレーム45の左右の外側面45dには、複数の左右一対の係合凸部47が設けられている(図2参照)。また、筐体50の収容凹部51の内周壁には各係合凸部47と対応する複数の係合凹部57が設けられている。そして、図5に示すように、各係合凸部47には、テーパー面48が下方に向けて幅狭になるように形成されている。バックライトフレーム45を収容凹部51に収容するときに、この係合凸部47のテーパー面48が収容凹部51の内壁面53(53a)と当接することで、ポリカーボネート樹脂からなるバックライトフレーム45が撓むことで、バックライトフレーム45が収容凹部51内へ安定して収納されるようになっている。
【0023】
図2に戻り、筐体50は、有底矩形枠状とされ、収容凹部51が設けられている。収容凹部51は、矩形状の開口を有する凹部であり、底面52と、4つの側面53、54、55、56と、から構成されている。
【0024】
そして、図3のAで示す領域内に示すように、長手方向の側面53は、底面52と連設する支持面53bと、段部53cと、支持面53bより筐体50の外側にオフセットして設けられたオフセット部53aと、から形成されている。支持面53bは、収容凹部51に収容されるバックライトフレーム45の外周部と近接又は接触することで、液晶ディスプレイユニット20を支持する支持部として機能するものである。また、オフセット部53aは、液晶ディスプレイ30が筐体50と直接接触することを防ぐために、支持面53bから筐体50の外方にオフセットされている。
【0025】
側面53に対向する側面55も、同様に、支持面、段部、オフセット部、から形成されており、また、液晶ディスプレイユニット20に設けられた係合凸部47に対応する位置に、係合凹部57が設けられている。
【0026】
そして、図3に示すように、底面52からの支持面53b(段部53c)の高さはH1(mm)とされている。
【0027】
次に、液晶ディスプレイユニット20が筐体50に収納された状態について詳細に説明する。
【0028】
図3に示すように、液晶ディスプレイユニット20は、筐体50に収納された際、バックライトフレーム45の外側面45dが筐体50に設けられた支持部53bと近接することで、筐体50によって支持される。なお、液晶ディスプレイユニット20は、筐体50に収納された際、バックライトフレーム45の外側面45dが筐体50に設けられた支持部53bと直接接触することで、筐体50によって支持されていてもよい。
【0029】
詳しくは、液晶ディスプレイユニット20が筐体50に収納されると、バックライトフレーム45の外側面45dと、収容凹部51の支持面53bとの間には、クリアランスC1(mm)が形成される。一方、液晶ディスプレイ30の外周面30aは、バックライトフレーム45の外側面45dより距離C3(mm)だけ内方に位置しており、さらに、筐体50は、支持面53bより外側にオフセットされたオフセット部53aを有しているので、液晶ディスプレイ30の外周面30aと、収容凹部51のオフセット部53aとの間には、クリアランスC2(mm)が形成される。オフセット部53aは、支持面53bより筐体50の外側にオフセットしているので、クリアランスC2は、C1よりも大きくなる。そのため、図6に示すように、携帯電話機が衝撃を受けた場合でも、液晶ディスプレイユニット20は、最大で距離C1(mm)しか移動せず、液晶ディスプレイ30の外周面30aが、収容凹部51のオフセット部53aと当接することはない。
【0030】
また、図3に示すように、収容凹部51の底面52からの支持面53b(段部53c)の高さH1(mm)は、バックライトフレーム45と反射板43の高さの合計h(mm)より小さいので、バックライトフレーム45の上表面45aは、段部53cより上方側(収容凹部の開口側)に配置される。そのため、取付誤差などにより、液晶ディスプレイ30の外周面30aがバックライトフレーム45の外側面45dよりわずかに突出した状態で液晶ディスプレイ30がバックライトフレーム45に固定された場合において、携帯電話機が衝撃を受けた場合でも、液晶ディスプレイ30の外周面30aと収容凹部51のオフセット部53aとの間に距離C2が確保されているので、外周面30aが収容凹部51のオフセット部53aに接触する可能性が低減する。
【0031】
以上説明したように、本実施形態の携帯電話機によれば、筐体50の収容凹部51に液晶ディスプレイユニット20を支持するための支持面53bより外方にオフセットしたオフセット部53aを形成した。また、バックライトフレーム45の四辺を構成する枠状部は断面矩形状とされており、バックライトフレーム45の上表面45aが段部53cより上側に配置されているので、携帯電話機が落下等により液晶ディスプレイユニット20が収容凹部内で位置ずれした場合でも、液晶ディスプレイ30の外周面30aが収容凹部51の内壁面に衝突することがなく、液晶ディスプレイ30の破損が防止される。
【0032】
また、従来、液晶ディスプレイの端部を、断面がL字状とされたバックライトフレームの外周リブで包囲していたが、本実施形態では外周リブが無いため、その外周リブの幅の分だけ、液晶ディスプレイを大きくすることができる。さらに、オフセット部53aのオフセット幅を、筐体50の壁部の厚さに比して十分小さくするだけで、液晶ディスプレイ30の外周面30aが収容凹部51の内壁面に衝突しないようにすることができるので、
筐体50は、従来のものと同等の強度を確保できる。
【0033】
また、バックライトフレームの外周リブを無くすことにより、外周リブの厚さに相当するスペースを、液晶ディスプレイの大きさの増加分と筐体の厚さの増加分とに振り分けることができる。具体的には、オフセット部53aの筐体壁部の厚さを従来の筐体壁部の厚さと同等とし、そのオフセット部53aの下方かつ筐体50の内側に支持面53bを形成する。これにより、支持面53bの筐体壁部の厚さは従来の筐体壁部の厚さより厚くなる。さらに、バックライトフレーム45が支持面53bに近接する位置まで、液晶ディスプレイユニット20を大きくする。これにより、従来のものより液晶ディスプレイを大きくすることができるとともに、筐体の強度を増加させることができる。
【0034】
(第2実施形態)
本実施形態では、収容凹部内の側面に凸部を設けた場合について説明する。以下、第1実施形態の携帯電話機の表示側筐体10と共通する構成については、特に説明する場合を除き、同一又は対応する符号を付すなどしてその説明を省略する。
【0035】
図7に示すように、筐体60は、有底矩形枠状とされ、収容凹部61が設けられている。収容凹部61は、矩形状の開口を有する凹部であり、底面62と、4つの側面63、64、65、66と、から構成されている。
【0036】
そして、図7のDで示す領域内に示すように、長手方向の側面63は、第1実施形態とは異なり、オフセット部及び段部を有さない平坦面からなり、側面63には、底面62と連設する複数の支持凸部69が形成されている。支持凸部69は、直方体状であり、支持面69bと、段部69cと、を有している。支持面69bは、収容凹部61に収容されるバックライトフレーム45の外周部と近接又は接触することで、液晶ディスプレイユニット20を支持する支持部として機能するものである。また、側面63は、液晶ディスプレイ30が筐体60と直接接触することを防ぐために、支持面69bから筐体60の外方にオフセットされている。
【0037】
側面63に対向する側面65にも、同様に、複数の支持凸部69が形成されている。
【0038】
そして、図8に示すように、底面62からの支持面69b(段部69c)の高さはH2(mm)とされている。
【0039】
次に、液晶ディスプレイユニット20が筐体60に収納された状態について詳細に説明する。
【0040】
図8に示すように、液晶ディスプレイユニット20は、筐体60に収納された際、バックライトフレーム45の外側面45dが筐体60に設けられた支持面69bと近接することで、筐体60によって支持される。なお、液晶ディスプレイユニット20は、筐体60に収納された際、バックライトフレーム45の外側面45dが筐体60に設けられた支持面69bと直接接触することで、筐体60によって支持されていてもよい。
【0041】
詳しくは、液晶ディスプレイユニット20が筐体60に収納されると、バックライトフレーム45の外側面45dと、収容凹部61の支持面69bとの間には、クリアランスC4(mm)が形成される。一方、液晶ディスプレイ30の外周面30aは、バックライトフレーム45の外側面45dより距離C3(mm)だけ内方に位置しており、さらに、筐体60の側面63は、支持面69bより外側にオフセットされているので、液晶ディスプレイ30の外周面30aと、収容凹部61の側面63との間には、クリアランスC5(mm)が形成される。側面63は、支持面69bより筐体60の外側にオフセットしているので、クリアランスC5は、C4よりも大きくなる。そのため、携帯電話機が衝撃を受けた場合でも、液晶ディスプレイユニット20は、最大で距離C4(mm)しか移動せず、液晶ディスプレイ30の外周面30aが、収容凹部61の側面63と当接することはない。
【0042】
また、図8に示すように、収容凹部61の底面62からの支持面69b(段部69c)の高さH2(mm)は、バックライトフレーム45と反射板43の高さの合計h(mm)より小さいので、バックライトフレーム45の上表面45aは、段部69cより上方側(収容凹部の開口側)に配置される。そのため、取付誤差などにより、液晶ディスプレイ30の外周面30aがバックライトフレーム45の外側面45dよりわずかに突出した状態で液晶ディスプレイ30がバックライトフレーム45に固定された場合において、携帯電話機が衝撃を受けた場合でも、液晶ディスプレイ30の外周面30aと収容凹部61の側面63との間に距離C5が確保されているので、外周面30aが収容凹部61の側面63に衝突することがない。
【0043】
以上説明したように、本実施形態の携帯電話機によれば、筐体60の収容凹部61に液晶ディスプレイユニット20を支持するための支持面69bより外方にオフセットした側面63を形成した。また、バックライトフレーム45の上表面45aが段部69cより上側に配置されているので、携帯電話機が落下等により液晶ディスプレイユニット20が収容凹部内で位置ずれした場合でも、液晶ディスプレイ30の外周面30aが収容凹部61の内壁面に衝突することがなく、液晶ディスプレイ30の破損が防止される。
【0044】
(第3実施形態)
本実施形態では、収容凹部のオフセット部に緩衝材を設けた場合について説明する。以下、第1実施形態の携帯電話機の表示側筐体10と共通する構成については、特に説明する場合を除き、同一又は対応する符号を付すなどしてその説明を省略する。
【0045】
図9に示すように、筐体50のオフセット部53aには、緩衝材70が設けられている。緩衝材70は、シリコンゴムから形成されており、その厚さは、液晶ディスプレイ30の外周面30aと、筐体50のオフセット部53aとの間のクリアランスC6より小さく形成されている。
【0046】
緩衝材70は、液晶ディスプレイ30の外周面30a全体と対向するように設けられている。なお、緩衝材70は、液晶ディスプレイ30の外周面30aの一部と対向するように設けてもよい。
【0047】
本実施形態によれば、筐体50のオフセット部53aに緩衝材が設けられているので、液晶ディスプレイ30の外周面30aが内壁面に衝突するおそれがなく、液晶ディスプレイ30の破損が防止される。
【0048】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0049】
また、上記の実施形態では、凸部を直方体状としたが、これに限定されるものではなく、半球形状又は平板状であってもよい。
【0050】
また、上記の実施形態では、バックライトフレーム45の左右方向(X方向)の外形寸法は、液晶ディスプレイの外形寸法より大きく形成されていたが、これに限定されるものではなく、これらの寸法は、略同一であってもよい。
【0051】
また、上記の実施形態では、緩衝材70は、シリコンゴムから形成されていたが、これに限定されるものではない。緩衝性を有する材質であれば他の材質であってもよく、例えば、スポンジやポリエチレン発泡シートなどの発泡材料、衝撃吸収ゲル、ばねなどであってもよい。
【0052】
また、上記の実施形態では、液晶ディスプレイユニット20は、筐体50に収納された際、バックライトフレーム45の外側面45dが筐体50に設けられた支持部53bと近接又は接触することで、筐体50によって支持されていたが、外側面45dが支持面53bと当接することで、筐体50によって支持されていてもよい。
【符号の説明】
【0053】
10 表示側筐体
20 液晶ディスプレイユニット
30 液晶ディスプレイ
40 バックライト部
41 光学シート
42 導光板
43 反射板
45 バックライトフレーム(支持フレーム)
50 筐体
51 収容凹部
52 底面
53、54、55、56 側面
53a オフセット部
53b 支持面
53c 段部
69 凸部
69b 支持面
69c 段部
70 緩衝材



【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容凹部を有し、該収容凹部内に液晶ディスプレイを収容する筐体と、
前記筐体の前記収容凹部内に配置され、前記液晶ディスプレイを支持する支持フレームと、
を備え、
前記筐体の収容凹部には、
前記支持フレームの外周部に近接又は接触する支持部と、
前記液晶ディスプレイの外周部と接触しないように、前記支持部と前記支持フレームとの当接部位から所定距離外方にオフセットしたオフセット部と、が、
前記収容凹部の底面からこの順で形成されている、
ことを特徴とする液晶ディスプレイの支持構造。
【請求項2】
前記液晶ディスプレイは前記支持フレームの上表面で支持され、
前記支持部と前記オフセット部は段状に形成されており、
前記収容凹部の底面からの前記支持フレーム表面の高さは、同底面からの支持部の高さより高いことを特徴とする請求項1に記載の液晶ディスプレイの支持構造。
【請求項3】
前記支持部が前記支持フレームの外周部に当接することで、前記液晶ディスプレイが前記支持フレームを介して前記筐体に支持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶ディスプレイの支持構造。
【請求項4】
前記支持部は、前記収容凹部の内壁面の前記底面側の領域であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液晶ディスプレイの支持構造。
【請求項5】
前記支持部は、前記収容凹部の内壁面の前記底面側の領域にそれぞれ突出して形成された複数の凸部であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液晶ディスプレイの支持構造。
【請求項6】
前記液晶ディスプレイの外周面と前記オフセット部の内壁面との間には、緩衝材が介設されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液晶ディスプレイの支持構造。
【請求項7】
液晶ディスプレイと、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の液晶ディスプレイの支持構造と、を備えたことを特徴とする電子機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−49671(P2012−49671A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188054(P2010−188054)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】