説明

液晶表示装置、照明装置ユニットおよび太陽電池

【課題】省電力化が図られる液晶表示装置と、その液晶表示装置に用いられる照明装置ユニットおよび太陽電池と、を提供する。
【解決手段】液晶表示装置10は、表示面22を有する液晶パネル21と、液晶パネル21に対して表示面22が形成される側とは反対側に配置され、液晶パネル21に向けて照明光を照射するバックライト61と、液晶パネル21とバックライト61との間に配置され、バックライト61から発せられた照明光を液晶パネル21に向けて透過させることが可能な光透過型の太陽電池31とを備える。太陽電池31は、液晶パネル21を透過した外光を利用して光電変換を行なう光電変換層32と、バックライト61から照射された照明光を利用して光電変換を行なう光電変換層42とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的には、液晶表示装置、照明装置ユニットおよび太陽電池に関し、より特定的には、太陽電池を備える液晶表示装置と、その液晶表示装置に用いられる照明装置ユニットおよび太陽電池とに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池を備えた機器の従来例として、たとえば、特開2005−310896号公報には、発電効率の低下を最小限に留めつつ、全面発光を達成する光源一体型太陽電池モジュールが開示されている(特許文献1)。特許文献1に開示された光源一体型太陽電池モジュールは、光透過型の太陽電池と、太陽電池の裏面側に設けられたLED照明装置と、LED照明装置を収容し、かつ太陽電池の裏面側を覆う反射板とを有する。太陽電池は、その表面側から入射する太陽光を利用して電力を発生する。LED照明装置から発せられたLED光は、反射板に反射された後、太陽電池の裏面側から表面側に出射される。
【0003】
また、特開2007−171321号公報には、消費電力を確実に低減することを目的とした電気光学装置が開示されている(特許文献2)。特許文献2に開示された電気光学装置においては、液晶パネルの表示領域に、光電変換素子により構成される太陽電池セルが設けられている。
【0004】
また、特開2006−41291号公報には、太陽電池に入射する光が減衰することなく、太陽電池の出力低下を防止でき、さらに簡単に製造することが可能な発光モジュールが開示されている(特許文献3)。特許文献3に開示された発光モジュールは、昼間に発電する太陽電池部と、電源供給することによって発光する発光部とを備える。
【0005】
また、特開2006−120387号公報には、発光素子の配置の自由度を高めつつ、簡易な構成によって低コスト化を図ることを目的とした太陽電池付き照明装置が開示されている(特許文献4)。特許文献4に開示された太陽電池付き照明装置は、互いに隣接する複数の太陽電池セルからなる非透過型の集積型太陽電池と、集積型太陽電池の裏面に実装されるLEDとを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−310896号公報
【特許文献2】特開2007−171321号公報
【特許文献3】特開2006−41291号公報
【特許文献4】特開2006−120387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1、3および4に開示された太陽電池を備える各種機器は、屋外照明などの照明装置や、発光看板、案内標識などに用いられる。これらの機器によれば、太陽電池で発電した電力を利用して発光するため、機器の省電力化を図ることができる。また、特許文献2に開示された太陽電池部を備える電気光学装置は、携帯電話機やパーソナルコンピュータ、デジタルスチルカメラなどの液晶パネルに用いられる。太陽電池部で発生した電力は、液晶パネルのデバイスの駆動に利用される。
【0008】
しかしながら、近年、液晶パネルが大型化するのに伴って液晶表示装置の消費電力を大幅に低減することが求められており、特許文献2に開示された電気光学装置においては、省電力化という点でさらなる改善の余地がある。
【0009】
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、省電力化が図られる液晶表示装置と、その液晶表示装置に用いられる照明装置ユニットおよび太陽電池とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に従った液晶表示装置は、表示面を有する液晶パネルと、液晶パネルに対して表示面が形成される側とは反対側に配置され、液晶パネルに向けて照明光を照射する照明装置と、液晶パネルと照明装置との間に配置され、照明装置から発せられた照明光を液晶パネルに向けて透過させることが可能な光透過型の太陽電池とを備える。太陽電池は、液晶パネルを透過した外光を利用して光電変換を行なう第1光電変換層と、照明装置から照射された照明光を利用して光電変換を行なう第2光電変換層とを有する。
【0011】
このように構成された液晶表示装置によれば、太陽電池に第1光電変換層および第2光電変換層を設けることによって、液晶パネル側から透過する外光と、照明装置側から照射される照明光との双方を利用して発電を行なう。このように発電された電力を液晶表示装置の駆動電力として利用することにより、液晶表示装置の省電力化を図ることができる。
【0012】
また好ましくは、第1光電変換層および第2光電変換層には、照明装置と液晶パネルとを結ぶ方向に貫通し、照明装置から照射された照明光を液晶パネルに向けて透過させるための光透過層が配置される開口部が形成される。
【0013】
このように構成された液晶表示装置によれば、第1,第2光電変換層に光透過層が配置される開口部を形成することによって、照明装置から照射された照明光を光透過層を通じて液晶パネルに到達させる。これにより、照明装置から照射される照明光を効率的に液晶パネルに届かせることが可能となり、照明装置の省電力化を図ることができる。
【0014】
また好ましくは、照明装置は、照明光を発し、開口部の直下に配置される光源を有する。このように構成された液晶表示装置によれば、照明装置から照射される照明光を効率的に液晶パネルに届かせることが可能となる。これにより、照明装置の省電力化を図ることができる。
【0015】
また好ましくは、太陽電池の有効発電領域は、表示面を正面から見た平面視において表示面の周縁領域に重なる周縁部と、表示面の中央領域に重なる中央部とを有する。第1光電変換層および第2光電変換層の開口率は、周縁部よりも中央部の方が大きくなる。なお、太陽電池の有効発電領域とは、第1光電変換層および第2光電変換層によって発電が可能な領域を意味する。
【0016】
このように構成された液晶表示装置によれば、ユーザが知覚し易い表示面の中央領域に重なる中央部で光電変換層の開口率をより大きく設定することにより、中央領域における輝度ばらつきを低減し、見掛け上の表示品質を向上させることができる。また、逆にユーザが知覚し難い表示面の周縁領域に重なる周縁部で光電変換層の開口率を小さくすることにより、光電変換層を用いた発電を効率的に行ない、液晶表示装置の省電力化を図ることができる。
【0017】
また好ましくは、光透過層は、照明装置から液晶パネルに向かう光を拡散させる光拡散性を有する。また好ましくは、太陽電池は、第1光電変換層と液晶パネルとの間に配置され、光透過性を有する透明基板をさらに有する。透明基板は、開口部の延長上において光拡散性を有するように形成される。
【0018】
このように構成された液晶表示装置によれば、照明装置から液晶パネルに向かう光を光透過層もしくは透明基板において拡散させることにより、液晶パネルの輝度均一性を向上させることができる。
【0019】
また好ましくは、照明装置は、照明光を発する光源を有する。液晶表示装置は、光源と太陽電池との間に配置され、光透過性を有するとともに光を反射可能な半透過型反射板をさらに備える。このように構成された液晶表示装置によれば、太陽電池を透過して照明装置に入射した外光を、半透過型反射板によって反射させ、第2光電変換層を向かわせることができる。一方、光源から発せられた照明光は、半透過型反射板を透過することによって、液晶パネルに向かわせることができる。結果、液晶パネルに向けて照明光を照射する照明装置の機能を維持しつつ、第2光電変換層による発電効率を向上させることができる。
【0020】
また好ましくは、第1光電変換層および第2光電変換層は、第1光電変換層が液晶パネルに対向し、第2光電変換層記照明装置に対向するように、照明装置と液晶パネルとを結ぶ方向に積層される。このように構成された液晶表示装置によれば、互いに積層された第1光電変換層および第2光電変換層による発電により、液晶表示装置の省電力化を図ることができる。
【0021】
また好ましくは、液晶表示装置は、液晶パネルと太陽電池との間の距離を一定に保つように設けられ、光透過性を有する距離保持部をさらに備える。
【0022】
このように構成された液晶表示装置によれば、距離保持部によって液晶パネルと光電変換層との間に一定距離が設けられる。これにより、照明装置から照射され、太陽電池を透過した照明光が、多方向に重なり合いながら液晶パネルに到達する。この際、距離保持部は光透過性を有するため、照明光の進行が距離保持部によって妨げられるということがない。このため、液晶パネルの輝度均一性を向上させることができる。
【0023】
また好ましくは、第1光電変換層および第2光電変換層には、照明装置と液晶パネルとを結ぶ方向に貫通し、照明装置から照射された照明光を液晶パネルに向けて透過させるための光透過層が配置される開口部が形成される。距離保持部は、第1光電変換層の直上から液晶パネルに向けて延伸する柱形状を有する。開口部の直上には、空気層が形成される。
【0024】
このように構成された液晶表示装置によれば、照明装置から照射され、太陽電池を透過した照明光が、空気層を進行する間に多方向に重なり合うため、液晶パネルの輝度均一性を向上させることができる。さらに、空気層が太陽電池と液晶パネルとの間に配置されるため、太陽電池もしくは照明装置で発生した熱が液晶パネルに伝わることを抑制できる。これにより、温度変化に起因して液晶パネルの表示品質が低下することを防止できる。
【0025】
また好ましくは、距離保持部は、気泡を内包するように形成される。また好ましくは、距離保持部は、樹脂材料から形成される複数の樹脂層と、複数の樹脂層間に介挿され、空気が配置される断熱層とを有して形成される。また好ましくは、距離保持部は、空気層と境界をなす凹凸形状の表面を有する。
【0026】
このように構成された液晶表示装置によれば、距離保持部の断熱性を高めることで、熱が距離保持部を通じて液晶パネルに伝わることを抑制できる。これにより、温度変化に起因して液晶パネルの表示品質が低下することを防止できる。
【0027】
また好ましくは、太陽電池は、第1光電変換層と液晶パネルとの間に配置され、光透過性を有する透明基板をさらに有する。距離保持部は、透明基板と一体に形成される。また好ましくは、太陽電池は、第1光電変換層に積層される透明電極をさらに有する。距離保持部は、透明電極と一体に形成される。
【0028】
このように構成された液晶表示装置によれば、距離保持部を簡易な構成により形成することができる。
【0029】
また好ましくは、距離保持部は、光拡散性を有する。このように構成された液晶表示装置によれば、距離保持部を透過する照明光が多方向に拡散するため、液晶パネルの輝度均一性をさらに向上させることができる。
【0030】
また好ましくは、照明装置は、照明光を発する光源と、光源を取り囲むように設けられ、光源から発せられた光を液晶パネルに向かわせる導光層とを有する。このように構成された液晶表示装置によれば、光源から発せられた光を導光層を通じ、照明光として液晶パネルに向かわせる。
【0031】
また好ましくは、光源は、発光ダイオードから構成される。このように構成された液晶表示装置によれば、光源で消費される電力を低減させることで、液晶表示装置の省電力化をさらに図ることができる。
【0032】
また好ましくは、第1光電変換層および第2光電変換層は、アモルファスシリコン層と、アモルファスシリコン層に対して積層された微結晶シリコン層とを含む。このように構成された液晶表示装置によれば、第1,第2光電変換層を、アモルファスシリコン層と微結晶シリコン層とからなるタンデム構造に形成する。
【0033】
この発明に従った照明装置ユニットは、液晶表示装置に用いられ、液晶パネルと組み合わされる照明装置ユニットである。照明装置ユニットは、液晶パネルに向けて照明光を照射する照明装置と、液晶パネルと照明装置との間に配置され、照明装置から発せられた照明光を液晶パネルに向けて透過させることが可能な光透過型の太陽電池とを備える。太陽電池は、液晶パネルを透過した外光を利用して光電変換を行なう第1光電変換層と、照明装置から照射された照明光を利用して光電変換を行なう第2光電変換層とを有する。
【0034】
このように構成された照明装置ユニットによれば、太陽電池に第1光電変換層および第2光電変換層を設けることによって、液晶パネル側から透過する外光と、照明装置側から照射される照明光との双方を利用して発電を行なう。これにより、照明装置ユニットが用いられる液晶表示装置の省電力化を図ることができる。
【0035】
この発明に従った太陽電池は、液晶表示装置に用いられ、液晶パネルと、液晶パネルに向けて照明光を照射するための照明装置との間に配置される太陽電池である。太陽電池は、表面を有し、光透過性を有する透明基板と、その表面上に設けられ、互いに積層される第1光電変換層および第2光電変換層とを備える。第1光電変換層は、液晶パネルを透過した外光を利用して光電変換を行ない、第2光電変換層は、照明装置から照射された照明光を利用して光電変換を行なう。
【0036】
このように構成された太陽電池によれば、太陽電池に第1光電変換層および第2光電変換層を設けることによって、液晶パネル側から透過する外光と、照明装置側から照射される照明光との双方を利用して発電を行なう。これにより、太陽電池が用いられる液晶表示装置の省電力化を図ることができる。
【発明の効果】
【0037】
以上に説明したように、この発明に従えば、省電力化が図られる液晶表示装置と、その液晶表示装置に用いられる照明装置ユニットおよび太陽電池とを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明の実施の形態1における液晶表示装置を示す断面図である。
【図2】図1中の液晶表示装置の第1変形例を示す断面図である。
【図3】図1中の液晶表示装置の第2変形例を示す平面図である。
【図4】図3中の2点鎖線IVで囲まれた範囲を拡大して示す平面図である。
【図5】図3中の2点鎖線Vで囲まれた範囲を拡大して示す平面図である。
【図6】図1中の液晶表示装置の第3変形例を示す断面図である。
【図7】図1中の液晶表示装置の第4変形例を示す断面図である。
【図8】図1中の液晶表示装置の第5変形例を示す断面図である。
【図9】図1中の液晶表示装置の第6変形例を示す断面図である。
【図10】図1中の液晶表示装置の第7変形例を示す断面図である。
【図11】図1中の液晶表示装置の第8変形例を示す断面図である。
【図12】図11中に示す距離保持部の第1変形例を示す断面図である。
【図13】図11中に示す距離保持部の第2変形例を示す断面図である。
【図14】図1中の液晶表示装置の第9変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0040】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1における液晶表示装置を示す断面図である。図1を参照して、まず、この発明の実施の形態1における液晶表示装置の基本的な構造について説明すると、本実施の形態における液晶表示装置10は、表示面22を有する液晶パネル21と、液晶パネル21に対して表示面22が形成される側とは反対側に配置され、液晶パネル21に向けて照明光を照射する照明装置としてのバックライト61と、液晶パネル21とバックライト61との間に配置され、バックライト61から発せられた照明光を液晶パネル21に向けて透過させることが可能な光透過型の太陽電池31とを備える。
【0041】
太陽電池31は、液晶パネル21を透過した外光を利用して光電変換を行なう第1光電変換層としての光電変換層32と、バックライト61から照射された照明光を利用して光電変換を行なう第2光電変換層としての光電変換層42とを有する。
【0042】
続いて、本実施の形態における液晶表示装置10の構造について詳細な説明を行なう。
液晶表示装置10は、液晶パネル21およびバックライト61を有する。液晶パネル21には、画像を表示するための表示面22が形成されている。表示面22は、外部空間に面して形成されており、太陽光や、液晶表示装置10が設置された部屋の室内照明の光などを受光する。
【0043】
液晶パネル21の構造は、特に限定されず、公知の液晶パネルを適宜使用することができる。一例を挙げれば、液晶パネル21は、複数の薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が形成されたアクティブマトリクス基板と、アクティブマトリクス基板に対向して配置される対向基板とを有し、これら一対の基板の間に液晶がシール部材によって封入された構造を有する。
【0044】
表示面22とは反対側の液晶パネル21の表面には、光学部材26および透明板27が設けられている。たとえば、光学部材26は、液晶パネル21のエリア内においてバックライト61から照射される光に輝度差が生じることを緩和するため設けられる拡散板と、液晶表示装置10の使用形態に応じて最適な配向特性を供給するために設けられる拡散シートと、特定方向の光を集光するために設けられるプリズムシートとの組み合わせにより設けられている。透明板27は、光学部材26を保護するために設けられている。
【0045】
なお、バックライト61に使用される光学部材は、上記組み合わせに限られず、液晶表示装置10に必要とされる光学性能に応じて適宜、変更される。
【0046】
表示面22を正面から見て液晶パネル21の裏側には、バックライト61が配置されている。液晶表示装置10においては、表示面22が配置される側が表示側であり、バックライト61が配置される側が背面側である。バックライト61は、液晶パネル21と距離を隔てて配置されている。バックライト61は、液晶パネル21を背面側から照らす機能を有する。
【0047】
バックライト61は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)62と、空気層63と、基板64とから構成されている。
【0048】
LED62は、光を発する光源として設けられている。本実施の形態では、LED62として、R,G,Bのチップが1つのパッケージにモールドされたものが用いられている。LED62は、基板64の表面上に互いに間隔を隔てて設けられている。光源として発光ダイオードを用いることにより、バックライト61の消費電力を低減することができるとともに、光源の長寿命化を図ることができる。
【0049】
空気層63と境界をなす基板64の表面上には、バックライト反射板65が設けられている。バックライト反射板65は、LED62から発せられた光を反射可能な反射層として機能する。バックライト反射板65は、たとえば、基板64の表面にアルミニウムなどの金属を蒸着させることにより形成されている。
【0050】
空気層63は、基板64上に形成されている。空気層63は、LED62の周囲を取り囲むように設けられている。空気層63は、LED62から発せられた光を液晶パネル21に向かわせる導光層としての機能を有する。
【0051】
なお、本実施の形態では、LED62から発せられた光を液晶パネル21へと向かわせる導光層として空気層63を用いたが、本発明はこれに限られず、たとえば導光板を用いてもよい。導光板は、光透過性を有する部材から形成され、一例を挙げれば、PMMA(メタクリル酸メチル樹脂)等の(メタ)アクリル系樹脂、「ゼオノア」(登録商標、日本ゼオン株式会社製)等のCOP(シクロオレフィンポリマー)、COC(シクロオレフィンコポリマー)、ポリカーボネート等の透明樹脂から形成される。
【0052】
液晶表示装置10は、太陽電池31をさらに有する。太陽電池31は、液晶パネル21とバックライト61との間に配置されている。太陽電池31は、バックライト61に隣接して設けられている。太陽電池31は、透明基板としてのガラス基板36と、光電変換層32,42と、電極33,34,43,44とから構成されている。
【0053】
光電変換層32,42は、光電効果を利用して発電を行なう機能を有する。
本実施の形態においては、光電変換層32,42は、アモルファスシリコン層と微結晶シリコン層とが積層されてなるタンデム型の薄膜太陽電池から形成されている。アモルファスシリコン層は、a−Si:Hp層、a−Si:Hi層およびa−Si:Hn層からなり、微結晶シリコン層は、μc−Si:Hp層、μc−Si:Hi層およびμc−Si:Hn層からなるが、これに限定されるものではない。
【0054】
なお、薄膜太陽電池である光電変換層32,42は、プラズマCVD装置内でガス状のシリコンをプラズマ放電によって分解し、ガラス基板上に薄いシリコン膜を積層することによって作製される。光電変換層32,42に薄膜太陽電池を用いた場合、液晶パネル21を作製する際に必要なシリコン薄膜の技術を太陽電池31の作製に水平展開できるため、太陽電池31を有する液晶表示装置10を効率的に生産することができる。
【0055】
光電変換層32および光電変換層42は、互いに積層されている。光電変換層32および光電変換層42は、表示面22を正面から見た液晶表示装置10の平面視において、互いに重なり合うように積層されている。光電変換層32は、液晶パネル21に対向する側、すなわち液晶表示装置10の表示側に配置されている。光電変換層42は、バックライト61に対向する側、すなわち液晶表示装置10の背面側に配置されている。
【0056】
光電変換層32,42には、開口部40が形成されている。開口部40は、液晶パネル21とバックライト61とを結ぶ方向において、光電変換層32,42を貫通するように形成されている。開口部40は、液晶パネル21とバックライト61とを結ぶ方向に直交する平面により切断された場合に、いずれの位置においても同一の断面形状を有するように形成されている。開口部40によって、光電変換層32,42は、複数のセルに分割されている。液晶表示装置10の平面視において、光電変換層32,42のセルは、マトリクス状に配置されている。
【0057】
本実施の形態では、開口部40に、バックライト61から照射された照明光を液晶パネル21に向けて透過させるための光透過層としての空気層41が配置されている。なお、光透過層は、光透過性を有する層であればよく、たとえば、開口部40に上記の各種透明樹脂を用いた透明樹脂層が配置されてもよい。
【0058】
電極33,34は、光電変換層32の各セルに対して積層され、電極43,44は、光電変換層42の各セルに対して積層されている。より具体的には、電極33は、光電変換層32の各セルに対して液晶表示装置10の表示側から積層されている。電極34は、光電変換層32に対して液晶表示装置10の背面側から積層されている。電極43は、光電変換層42の各セルに対して液晶表示装置10の背面側から積層されている。電極44は、光電変換層42の各セルに対して液晶表示装置10の表示側から積層されている。電極34,44は、光電変換層32と光電変換層42との間に配置されている。電極34と電極44とは、互いに電気的に絶縁された状態で隣り合って配置されている。電極33は、光電変換層32と液晶パネル21との間に配置され、電極43は、光電変換層42とバックライト61との間に配置されている。
【0059】
電極33,43は、光透過性を有する透明電極として設けられており、たとえばSnO(酸化錫)から形成されている。電極34,44は、遮光性を有し、たとえばZnO(酸化亜鉛)層とAg(銀)層とを積層して形成されている。
【0060】
本実施の形態では、LED62が開口部40の直下に位置するように設けられている。なお、LED62の配置は、上記形態に限られず、たとえば、LED62が1つおきの開口部40ごとに設けられてもよいし、光電変換層32のセルの直下に位置するように設けられてもよい。
【0061】
ガラス基板36は、光透過性を有する。ガラス基板36は、光電変換層32と液晶パネル21との間に配置されている。ガラス基板36は、液晶パネル21、光学部材26および透明板27と距離を隔てて配置されている。ガラス基板36は、液晶パネル21とバックライト61との結ぶ方向の直交方向に延在する表面37を有する。電極33、光電変換層32、電極34、電極44、光電変換層42および電極43は、挙げた順に、ガラス基板36の表面37上に積層されている。ガラス基板36は、表面37がバックライト61と対向するように設けられている。
【0062】
なお、太陽電池31に用いられる基板は、上記のガラス基板に限られず、光透過性を有する透明基板であって、太陽電池31の製造プロセス時の高温に耐え得るだけの耐熱性を有する基板であればよい。
【0063】
液晶表示装置10は、距離保持部51をさらに有する。距離保持部51は、液晶パネル21と太陽電池31との間の距離を一定に保つように設けられている。より具体的には、距離保持部51は、液晶パネル21と太陽電池31との間に配置されている。距離保持部51は、液晶パネル21とガラス基板36との間に配置されている。距離保持部51は、太陽電池31から液晶パネル21に向けて延伸する柱形状を有する。距離保持部51は、光電変換層32のセルの直上から液晶パネル21に向けて延伸する柱形状を有する。本実施の形態では、距離保持部51が、光電変換層32の各セルに対応して設けられている。
【0064】
距離保持部51は、太陽電池31から液晶パネル21に近づくに従って断面積が小さくなるように形成されている。距離保持部51は、液晶パネル21側の先端が尖った形状を有する。距離保持部51は、液晶パネル21側に頂点が配置される円錐形状を有する。
【0065】
距離保持部51は、光透過性を有する部材から形成されている。本実施の形態では、距離保持部51が、上記に例を挙げた透明樹脂から形成されている。
【0066】
このような構成を備える距離保持部51によって、液晶パネル21と太陽電池31との間には、空気層52が形成されている。空気層52は、開口部40の直上に位置して形成されている。空気層52は、互いに隣り合う距離保持部51間の空間に形成されている。空気層52は、透明板27およびガラス基板36と境界をなすように形成されている。空気層52は、液晶パネル21と太陽電池31との間で一定の厚みを有しながら平面状に延在するように形成されている。
【0067】
液晶表示装置10に用いられ、液晶パネル21と組み合わされる照明装置ユニットとしてのバックライトユニット12は、液晶パネル21に向けて照明光を照射する照明装置としてのバックライト61と、液晶パネル21とバックライト61との間に配置され、バックライト61から発せられた照明光を液晶パネル21に向けて透過させることが可能な光透過型の太陽電池31とを備える。太陽電池31は、液晶パネル21を透過した外光を利用して光電変換を行なう第1光電変換層としての光電変換層32と、照明装置から照射された照明光を利用して光電変換を行なう第2光電変換層としての光電変換層42とを有する。
【0068】
液晶表示装置10に用いられ、液晶パネル21と、液晶パネル21に向けて照明光を照射するためのバックライト61との間に配置される太陽電池31は、表面37を有し、光透過性を有する透明基板としてのガラス基板36と、その表面37上に設けられ、互いに積層される第1光電変換層としての光電変換層32および第2光電変換層としての光電変換層42とを備える。光電変換層32は、液晶パネル21を透過した外光を利用して光電変換を行ない、光電変換層42は、バックライト61から照射された照明光を利用して光電変換を行なう。
【0069】
続いて、本実施の形態における液晶表示装置10によって奏される作用、効果について説明する。
【0070】
まず、照明光による液晶パネル21の照射について説明すると、LED62から発せられた光は、空気層63を通り、照明光として液晶パネル21に向けて照射される。この際、液晶表示装置10の背面側に向かう光は、バックライト反射板65が反射層として機能することによって液晶パネル21に向けて反射される。バックライト61から照射された照明光は、空気層41を通り、さらに光透過性を有するガラス基板36を透過することによって太陽電池31を透過する。
【0071】
照明光は、さらに空気層52を通過し、液晶パネル21に向けて照射される。この際、光は、空気層52において多方向に重なり合いながら液晶パネル21に到達する。また、空気層52を形成する距離保持部51は光透過性を有するため、空気層52を進行する光が距離保持部51によって遮られるということがない。本実施の形態における液晶表示装置10においては、このような照明光が液晶パネル21に向けて照射されるため、液晶パネル21における輝度均一性を向上させることができる。
【0072】
また、空気層52は、液晶パネル21と太陽電池31との間に介在する断熱層として機能する。これにより、太陽電池31もしくはバックライト61で発生した熱が液晶パネル21に伝わることを抑制できる。液晶パネル21に熱が伝わり、パネル内の液晶の温度が上昇すると、液晶の応答性が変化する。本実施の形態では、液晶パネル21への伝熱を抑制することで、液晶の応答性変化に起因する表示品質の劣化を防ぐことができる。
【0073】
また、本実施の形態では、バックライト61から照射された照明光を空気層41を通じて液晶パネル21に到達させるため、太陽電池31を液晶パネル21に対して外付けする構造が可能となる。このため、太陽電池31を設けたことに起因して液晶パネル21内の画素の開口率が低下するということがなく、液晶パネル21の表示品質の維持を図ることができる。
【0074】
次に、照明光および外光による発電作用について説明すると、LED62から発せられた光の一部は、空気層63を通って電極43に向かう。光は、透明電極である電極43を透過して、光電変換層42に達する。一方、表示面22を通じて液晶パネル21に入射する外光は、液晶パネル21を透過し、空気層52に入射する。空気層52を通過し、ガラス基板36および透明電極である電極33を透過した外光は、光電変換層32に達する。これにより、光電変換層42にて照明光を利用した発電が行なわれ、光電変換層32にて外光を利用した発電が行なわれる。
【0075】
このように構成された、この発明の実施の形態1における液晶表示装置10によれば、光電変換層32,42にて発電された電力を、バックライト61におけるLED62の発光や液晶パネル21におけるデバイスの駆動に利用することができる。これにより、液晶表示装置10の省電力化を図ることができる。
【0076】
なお、本実施の形態における液晶表示装置10の構造は、液晶テレビなど、液晶パネルを用いた各種の機器に適用されるが、より好適には、デジタルサイネージとして用いられる大型インフォメーションディスプレイなど、消費電力が大きい大型の液晶表示装置に適用される。
【0077】
(実施の形態2)
本実施の形態では、図1中の液晶表示装置10の各種変形例について説明を行なう。本実施の形態における液晶表示装置は、実施の形態1における液晶表示装置10と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造についてはその説明を繰り返さない。
【0078】
図2は、図1中の液晶表示装置の第1変形例を示す断面図である。図2を参照して、本変形例における液晶表示装置は、半透過型反射板66を有する。半透過型反射板66は、光透過性を有するとともに光を反射可能なように形成されている。より具体的には、半透過型反射板66は、光を反射可能な板材、たとえばアルミニウム板から形成されている。半透過型反射板66には、その板厚方向に貫通する複数の孔67が形成されている。
【0079】
半透過型反射板66は、LED62と太陽電池31との間に配置されている。半透過型反射板66は、LED62と太陽電池31との間を遮るように、液晶パネル21とバックライト61とを結ぶ方向の直交方向に平面状に延在して配置されている。半透過型反射板66は、LED62および光電変換層42の双方から距離を隔てた位置に配置されている。
【0080】
このような構成によれば、LED62から発せられ、空気層63に出射された光は、孔67を通過することによって、半透過型反射板66を透過する。また、半透過型反射板66の表面に反射された光は、バックライト反射板65に再び反射されることによって半透過型反射板66に向かう。半透過型反射板66を透過した照明光の一部が空気層41を通って液晶パネル21に照射され、残る部分が光電変換層42における発電に寄与する。
【0081】
また、表示面22を通じて液晶パネル21に入射する外光の一部は、空気層41を通じてバックライト61に向かう。本実施の形態では、このような外光を半透過型反射板66によって反射させることによって、光電変換層42における発電に寄与させることができる。これにより、太陽電池31における発電効率を向上させることができる。
【0082】
このように構成された、この発明の実施の形態2における液晶表示装置によれば、実施の形態1に記載の効果を同様に得ることができる。
【0083】
(実施の形態3)
本実施の形態では、図1中の液晶表示装置10の各種変形例について説明を行なう。本実施の形態における液晶表示装置は、実施の形態1における液晶表示装置10と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造についてはその説明を繰り返さない。
【0084】
図3は、図1中の液晶表示装置の第2変形例を示す平面図である。図中には、図1中の太陽電池31を構成する光電発光層32,42の平面視が示されている。図4は、図3中の2点鎖線IVで囲まれた範囲を拡大して示す平面図である。図5は、図3中の2点鎖線Vで囲まれた範囲を拡大して示す平面図である。
【0085】
図3から図5を参照して、図中には、光電発光層32,42が配置される領域であり、その光電発光層32,42によって発電が可能な領域である有効発電領域110が示されている。有効発電領域110は、中央部113および周縁部112を含む。中央部113は、図1中の表示面22の中央領域に重なって配置されている。周縁部112は、図1中の表示面22の周縁領域に重なって配置されている。周縁部112は、中央部113の周囲で環状に延在する。
【0086】
なお、図3中には、略矩形の平面形状を有する中央部113が示されているが、これに限られず、中央部113は円形などの平面形状を有してもよい。
【0087】
本変形例では、太陽電池31の有効発電領域110における光電変換層32,42の開口率が、周縁部112よりも中央部113で大きくなる。すなわち、単位面積当たりに形成される開口部40の面積が、周縁部112よりも中央部113で大きくなるということである。光電変換層32,42のセルがマトリクス状に配置された状態において、中央部113におけるセル間のピッチL1は、周縁部112におけるセル間のピッチL2よりも大きくなる。
【0088】
このような構成によれば、開口部40を通じてバックライト61から液晶パネル21に向けて照射される光量が、周縁部112よりも中央部113で大きくなる。液晶表示装置の視聴者は、表示面22の周縁部よりも中央部の映像を知覚し易い傾向があるため、本変形例によれば、その中央部における輝度ばらつきを低減し、見掛け上の表示品質を向上させることができる。
【0089】
このように構成された、この発明の実施の形態3における液晶表示装置によれば、実施の形態1に記載の効果を同様に得ることができる。
【0090】
(実施の形態4)
本実施の形態では、図1中の液晶表示装置10の各種変形例について説明を行なう。本実施の形態における液晶表示装置は、実施の形態1における液晶表示装置10と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造についてはその説明を繰り返さない。
【0091】
図6は、図1中の液晶表示装置の第3変形例を示す断面図である。図6を参照して、本変形例における液晶表示装置は、図1中の距離保持部51に替えて、距離保持部71を有する。本変形例では、距離保持部71がガラス基板36と一体に形成されている。すなわち、距離保持部71は、ガラスから形成されている。
【0092】
このような構成によれば、距離保持部71を太陽電池31を構成するガラス基板36と一体に形成することによって、部品点数を削減しつつ、液晶パネル21における輝度均一性を向上させることができる。
【0093】
図7は、図1中の液晶表示装置の第4変形例を示す断面図である。図7を参照して、本変形例では、ガラス基板36が、光電変換層42とバックライト61との間に配置されている。ガラス基板36は、表面37が液晶パネル21と対向するように設けられている。表面37上には、電極43、光電変換層42、電極44、電極34、光電変換層32および電極33が順に積層されている。
【0094】
本変形例における液晶表示装置は、図1中の距離保持部51に替えて、距離保持部としてのガラス板76を有する。ガラス板76は、ガラスから形成されており、光透過性を有する。ガラス板76は、電極33および透明板27と接するように設けられている。ガラス板76は、液晶パネル21と太陽電池31との間で一定の厚みを有しながら平面状に延在するように形成されている。
【0095】
このような構成においては、太陽電池31を透過した照明光が、さらにガラス板76を透過し、液晶パネル21に向けて照射される。この際、光は、ガラス板76において多方向に重なり合いながら液晶パネル21に到達するため、液晶パネル21における輝度均一性を向上させることができる。
【0096】
図8は、図1中の液晶表示装置の第5変形例を示す断面図である。図8を参照して、本変形例では、図7中に示す変形例と同様に、ガラス基板36が、表面37が液晶パネル21と対向するように設けられている。
【0097】
本変形例における液晶表示装置は、図1中の距離保持部51に替えて、距離保持部78を有する。本変形例では、距離保持部78が、透明電極である電極33と一体に形成されている。すなわち、距離保持部78はSnO(酸化錫)から形成されている。距離保持部78は、太陽電池31から液晶パネル21に向けて延伸する円柱形状を有する。
【0098】
このような構成によれば、距離保持部78を太陽電池31を構成する電極33と一体に形成することによって、部品点数を削減しつつ、液晶パネル21における輝度均一性を向上させることができる。
【0099】
このように構成された、この発明の実施の形態4における液晶表示装置によれば、実施の形態1に記載の効果を同様に得ることができる。
【0100】
(実施の形態5)
本実施の形態では、図1中の液晶表示装置10の各種変形例について説明を行なう。本実施の形態における液晶表示装置は、実施の形態1における液晶表示装置10と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造についてはその説明を繰り返さない。
【0101】
図9は、図1中の液晶表示装置の第6変形例を示す断面図である。図9を参照して、本変形例では、距離保持部51が光拡散性を有する。より具体的には、距離保持部51を形成する透明樹脂に、LED62から発せられた光を散乱させる散乱粒子81が分散して設けられている。散乱粒子81としては、たとえば、TiO、SiO、アルミナ、窒化アルミニウム、またはムライトの粉末(粒径は、たとえば10nm〜10μm)などを利用することができる。
【0102】
このような構成によれば、距離保持部51を透過する光が散乱粒子81によって拡散されるため、液晶パネル21に照射される照明光の輝度ムラをさらに低減させることができる。
【0103】
図10は、図1中の液晶表示装置の第7変形例を示す断面図である。図10を参照して、本変形例では、ガラス基板36が開口部40の延長上において光拡散性を有するように形成されている。より具体的には、ガラス基板36を形成するガラスに、LED62から発せられた光を散乱させる散乱粒子82が分散して設けられている。散乱粒子82は、液晶表示装置の平面視において開口部40と重なるガラス基板36の位置に設けられている。散乱粒子82としては、上記の各種粉末を利用することができる。
【0104】
このような構成によれば、ガラス基板36を透過する光が散乱粒子82によって拡散されるため、上記と同様の効果を得ることができる。
【0105】
このように構成された、この発明の実施の形態5における液晶表示装置によれば、実施の形態1に記載の効果を同様に得ることができる。
【0106】
(実施の形態6)
本実施の形態では、図1中の液晶表示装置10の各種変形例について説明を行なう。本実施の形態における液晶表示装置は、実施の形態1における液晶表示装置10と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造についてはその説明を繰り返さない。
【0107】
図11は、図1中の液晶表示装置の第8変形例を示す断面図である。図中には、図1中の2点鎖線XIにより囲まれた範囲が拡大して示されている。図11を参照して、本変形例では、距離保持部51を形成する透明樹脂の内部に多数の気泡56が形成されている。
【0108】
このような構成によれば、気泡56を形成する空気は樹脂材料と比較して熱伝導率が小さいため、距離保持部51の断熱性を高めることができる。これにより、太陽電池31もしくはバックライト61で発生した熱が、距離保持部51を通じて液晶パネル21に伝わることをより効果的に抑制できる。
【0109】
図12は、図11中に示す距離保持部の第1変形例を示す断面図である。図12を参照して、距離保持部51は、図1中の空気層52と境界をなす表面57を有する。表面57は、微細な凹凸形状を有するように形成されている。
【0110】
このような構成によれば、表面57に形成された凹部58に空気層が形成されるため、距離保持部51の断熱性を高めることができる。これにより、図11中に示す変形例と同様の効果を得ることができる。
【0111】
図13は、図11中に示す距離保持部の第2変形例を示す断面図である。図13を参照して、本変形例では、距離保持部51が、樹脂層51mと、断熱層59と、樹脂層51nとからなる多層構造を有する。樹脂層51mおよび樹脂層51nは、透明樹脂から形成されている。断熱層59は、樹脂層51mと樹脂層51nとの間に空気が封入されることによって形成されている。
【0112】
このような構成によれば、空気が封入された断熱層59の配置により、距離保持部51の断熱性を高めることができる。これにより、図11中に示す変形例と同様の効果を得ることができる。
【0113】
このように構成された、この発明の実施の形態6における液晶表示装置によれば、実施の形態1に記載の効果を同様に得ることができる。
【0114】
(実施の形態7)
本実施の形態では、図1中の液晶表示装置10の各種変形例について説明を行なう。本実施の形態における液晶表示装置は、実施の形態1における液晶表示装置10と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造についてはその説明を繰り返さない。
【0115】
図14は、図1中の液晶表示装置の第9変形例を示す断面図である。図14を参照して、本変形例では、開口部40に、図1中の空気層41に替えて透明樹脂層45が配置されている。透明樹脂層45を形成する透明樹脂については、実施の形態1において説明したとおりである。透明樹脂層45は、バックライト61から液晶パネル21に向かう光を拡散させる光拡散性を有する。より具体的には、透明樹脂層45を形成する透明樹脂に、LED62から発せられた光を散乱させる散乱粒子83が分散して設けられている。散乱粒子83を形成する粉末については、実施の形態5において説明したとおりである。
【0116】
このような構成によれば、透明樹脂層45を透過する光が散乱粒子83によって拡散されるため、液晶パネル21に照射される照明光の輝度ムラをさらに低減させることができる。
【0117】
このように構成された、この発明の実施の形態7における液晶表示装置によれば、実施の形態1に記載の効果を同様に得ることができる。
【0118】
なお、以上に説明した実施の形態1〜7における液晶表示装置の構造を適宜組み合わせて、新たな液晶表示装置を構成してもよい。
【0119】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0120】
この発明は、主に、周囲が明るく、発電に適した場所で使用され、消費電力が大きい大型の液晶表示装置に適用される。
【符号の説明】
【0121】
10 液晶表示装置、12 バックライトユニット、21 液晶パネル、22 表示面、26 光学部材、27 透明板、31 太陽電池、32,42 光電変換層、33,34,43,44 電極、36 ガラス基板、37,57 表面、40 開口部、41 空気層、45 透明樹脂層、51 距離保持部、51m,51n 樹脂層、52,63 空気層、56 気泡、58 凹部、59 断熱層、61 バックライト、64 基板、65 バックライト反射板、66 半透過型反射板、67 孔、71 距離保持部、76 ガラス板、78 距離保持部、81,82,83 散乱粒子、110 有効発電領域、112 周縁部、113 中央部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面を有する液晶パネルと、
前記液晶パネルに対して前記表示面が形成される側とは反対側に配置され、前記液晶パネルに向けて照明光を照射する照明装置と、
前記液晶パネルと前記照明装置との間に配置され、前記照明装置から発せられた照明光を前記液晶パネルに向けて透過させることが可能な光透過型の太陽電池とを備え、
前記太陽電池は、前記液晶パネルを透過した外光を利用して光電変換を行なう第1光電変換層と、前記照明装置から照射された照明光を利用して光電変換を行なう第2光電変換層とを有する、液晶表示装置。
【請求項2】
前記第1光電変換層および前記第2光電変換層には、前記照明装置と前記液晶パネルとを結ぶ方向に貫通し、前記照明装置から照射された照明光を前記液晶パネルに向けて透過させるための光透過層が配置される開口部が形成される、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記照明装置は、照明光を発し、前記開口部の直下に配置される光源を有する、請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記太陽電池の有効発電領域は、前記表示面を正面から見た平面視において前記表示面の周縁領域に重なる周縁部と、前記表示面の中央領域に重なる中央部とを有し、
前記第1光電変換層および前記第2光電変換層の開口率は、前記周縁部よりも前記中央部の方が大きくなる、請求項2または3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記光透過層は、前記照明装置から前記液晶パネルに向かう光を拡散させる光拡散性を有する、請求項2から4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記太陽電池は、前記第1光電変換層と前記液晶パネルとの間に配置され、光透過性を有する透明基板をさらに有し、
前記透明基板は、前記開口部の延長上において光拡散性を有するように形成される、請求項2から5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記照明装置は、照明光を発する光源を有し、
前記光源と前記太陽電池との間に配置され、光透過性を有するとともに光を反射可能な半透過型反射板をさらに備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記第1光電変換層および前記第2光電変換層は、前記第1光電変換層が前記液晶パネルに対向し、前記第2光電変換層が前記照明装置に対向するように、前記照明装置と前記液晶パネルとを結ぶ方向に積層される、請求項1から7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記液晶パネルと前記太陽電池との間の距離を一定に保つように設けられ、光透過性を有する距離保持部をさらに備える、請求項1から8のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記第1光電変換層および前記第2光電変換層には、前記照明装置と前記液晶パネルとを結ぶ方向に貫通し、前記照明装置から照射された照明光を前記液晶パネルに向けて透過させるための光透過層が配置される開口部が形成され、
前記距離保持部は、前記第1光電変換層の直上から前記液晶パネルに向けて延伸する柱形状を有し、
前記開口部の直上には、空気層が形成される、請求項9に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記距離保持部は、気泡を内包するように形成される、請求項10に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記距離保持部は、樹脂材料から形成される複数の樹脂層と、前記複数の樹脂層間に介挿され、空気が配置される断熱層とを有して形成される、請求項10または11に記載の液晶表示装置。
【請求項13】
前記距離保持部は、前記空気層と境界をなす凹凸形状の表面を有する、請求項10から12のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項14】
前記太陽電池は、前記第1光電変換層と前記液晶パネルとの間に配置され、光透過性を有する透明基板をさらに有し、
前記距離保持部は、前記透明基板と一体に形成される、請求項10から13のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項15】
前記太陽電池は、前記第1光電変換層に積層される透明電極をさらに有し、
前記距離保持部は、前記透明電極と一体に形成される、請求項10から13のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項16】
前記距離保持部は、光拡散性を有する、請求項9から15のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項17】
前記照明装置は、照明光を発する光源と、前記光源を取り囲むように設けられ、前記光源から発せられた光を前記液晶パネルに向かわせる導光層とを有する、請求項1から16のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項18】
前記光源は、発光ダイオードから構成される、請求項17に記載の液晶表示装置。
【請求項19】
前記第1光電変換層および前記第2光電変換層は、アモルファスシリコン層と、前記アモルファスシリコン層に対して積層された微結晶シリコン層とを含む、請求項1から18のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項20】
液晶表示装置に用いられ、液晶パネルと組み合わされる照明装置ユニットであって、
液晶パネルに向けて照明光を照射する照明装置と、
液晶パネルと前記照明装置との間に配置され、前記照明装置から発せられた照明光を液晶パネルに向けて透過させることが可能な光透過型の太陽電池とを備え、
前記太陽電池は、液晶パネルを透過した外光を利用して光電変換を行なう第1光電変換層と、前記照明装置から照射された照明光を利用して光電変換を行なう第2光電変換層とを有する、照明装置ユニット。
【請求項21】
液晶表示装置に用いられ、液晶パネルと、液晶パネルに向けて照明光を照射するための照明装置との間に配置される太陽電池であって、
表面を有し、光透過性を有する透明基板と、
前記表面上に設けられ、互いに積層される第1光電変換層および第2光電変換層とを備え、
前記第1光電変換層は、液晶パネルを透過した外光を利用して光電変換を行ない、前記第2光電変換層は、照明装置から照射された照明光を利用して光電変換を行なう、太陽電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−47700(P2013−47700A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292147(P2009−292147)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】