説明

液晶表示装置

【課題】従来になく狭額縁化したCOG方式の液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】本発明の第1の態様に係る液晶表示装置は、第1透明基板101上に形成された第1電極106と、第2透明基板102上に形成され、第1電極106と交差するように配置された第2電極107と、第2透明基板102上に搭載された駆動用半導体素子105と、第1電極106と駆動用半導体素子105とを接続する第1接続配線と、第2電極107と駆動用半導体素子105とを接続する第2接続配線108とを備えた液晶表示装置である。第1接続配線の一部又は全部が、第1及び第2透明基板101、102の外部に配置されたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関し、特に、ドライバICが透明基板に直接搭載されたCOG(Chip On Glass)方式の液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高度な映像・情報化社会の進展やマルチメディアシステムの普及に伴い、表示装置の重要性はますます増大している。液晶表示装置は、薄型・軽量・低消費電力という利点を有することから、表示装置として広く用いられている。
【0003】
特に、軽量化、小型化、狭額縁化の要請が強い携帯通信端末用などの液晶表示装置では、ドライバICをガラス基板に直接搭載したCOG(Chip On Glass)方式が採用されている。これにより、従来のTAB(Tape Automated Bonding)方式に比べ、大幅に、薄型・軽量化を実現することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図5に従来の液晶パネルの構成を示す。液晶パネル10は、内面に走査電極6が形成された透明基板1と、内面に信号電極7が形成された透明基板2との内面間に、液晶が挟持された構成を有する。液晶パネル10では、構成の簡素化や狭額縁化のため、両透明基板1、2の電極に接続される引回し配線が一方の透明基板2上に集約されている。透明基板1上の額縁領域には、走査電極6からの引回し配線3が形成されており、トランスファ9を介し、他方の透明基板2に形成された補助配線4と電気的に接続されている。また、補助配線4が形成された透明基板2上には、信号電極7からの引回し配線8も形成されている。そして、補助配線4及び引回し配線8がドライバIC5に接続されている。ドライバIC5は、透明基板2上に直接実装されており、すなわち、COG(Chip On Glass)実装されている。
【特許文献1】特開2002−72233号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の通り、COG方式は、従来のTAB方式に比べ、大幅に、薄型・軽量化できるものの、さらなる狭額縁化が要求されている。
【0006】
本発明は、このような事情を背景としてなされたものであり、本発明は、従来になく狭額縁化したCOG方式の液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る液晶表示装置は、第1透明基板上に形成された第1電極と、第2透明基板上に形成され、前記第1電極と交差するように配置された第2電極と、第2透明基板上に搭載された駆動用半導体素子と、前記第1電極と前記駆動用半導体素子とを接続する第1接続配線と、前記第2電極と前記駆動用半導体素子とを接続する第2接続配線とを備えた液晶表示装置であって、前記第1接続配線の一部又は全部が、前記第1及び第2透明基板の外部に配置されたものである。これにより、従来になく狭額縁化したCOG方式の液晶表示装置を提供することができる。
【0008】
本発明の第2の態様に係る液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、前記第1及び第2透明基板の外部に配置される前記第1接続配線は、フレキシブルプリント基板に形成されていることを特徴とするものである。これにより、確実に狭額縁化することができる。
【0009】
本発明の第3の態様に係る液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、前記フレキシブルプリント基板が両面配線フレキシブルプリント基板であることを特徴とするものである。これにより、額縁領域にトランスファが不要となり、より狭額縁化することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、従来になく狭額縁化したCOG方式の液晶表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0012】
実施の形態1
本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る液晶表示装置の一例の構成を示す断面図である。また、図2は、液晶表示装置に用いられる液晶パネル100の構成を示す平面図である。本実施の形態においては、液晶パネル100の一例として、STN型のパッシブマトリクス方式の液晶パネルについて説明する。
【0013】
図1に示すように、液晶表示装置は、液晶パネル100、バックライトユニット200を備えている。液晶パネル100は、入力される表示信号に基づいて画像表示を行う。バックライトユニット200は、液晶パネル100の反視認側に配置されており、液晶パネル100の背面側から光を照射する。
【0014】
図1及び図2に示すように、液晶パネル100は、第1基板101、第2基板102、第1引回し配線103、補助配線104、ドライバIC105、第1電極106、第2電極107、第2引回し配線108、フレキシブルプリント基板であるFPC(Flexible Printed Circuit)110、シール材130、液晶131、スペーサ132、配向膜133、偏光板134、を備えている。図1に示すように、液晶パネル100は、第1基板101と、第1基板101に対向配置される第2基板102と、両基板を接着するシール材130との間の空間に液晶131を封入した構成を有している。両基板の間は、スペーサ132によって、所定の間隔に保持されている。第1基板101及び第2基板102としては、例えば、光透過性のあるガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂などの絶縁性基板が用いられる。
【0015】
図2に示すように、第1基板101には、水平方向に複数の第1電極106が形成されている。一方、第2基板102には、第1電極106に対して垂直な方向に複数の第2電極107が形成されている。第1電極106及び第2電極107は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜から形成されている。第1電極106と第2電極107との交差する位置が、画素となる。すなわち、表示領域は、マトリクス状に配置された複数の画素から構成される。
【0016】
また、液晶パネル100を構成する第1基板101、第2基板102のうち、第2基板102は、駆動用半導体素子であるドライバIC105を搭載するために、第1基板101よりも平面寸法が大きく形成されている。従って、第2基板102は、第1基板101から突出するように配置される。
【0017】
第2基板102が第1基板101から突出した領域には、第1基板101上に形成された第1電極106へ表示信号などを伝送するための補助配線104及び第2電極107へ表示信号などを伝送するための第2引回し配線108が形成されている。また、補助配線104及び第2引回し配線108の端部には、IC接続端子(不図示)が形成されている。このIC接続端子には、異方性導電接着材を介してドライバIC105が接続される。すなわち、ドライバIC105は、COG(Chip On Glass)方式によって第2基板102上に直接に搭載されている。
【0018】
ドライバIC105は、外部接続配線112を介して外部から入力される表示信号等に基づいて、画像の表示に必要な各種の制御信号、走査電圧及び表示電圧等を出力する。
【0019】
図1に示すように、第1基板101において、上述した各電極及び配線等の上には配向膜133が形成されている。一方、第2基板102の第1基板101に対向する面には、第2電極107、配向膜133が順次積層形成されている。また、第1基板101及び第2基板102の外側の面にはそれぞれ、偏光板134が貼着されている。
【0020】
液晶パネル100の背面には、バックライトユニット200が備えられている。バックライトユニット200は、液晶パネル100の反視認側から当該液晶パネル100に対して光を照射する。バックライトユニット200としては、例えば、光源、導光板、反射シート、拡散シート、プリズムシート、反射偏光シートなどを備えた一般的な構成のものを用いることができる。
【0021】
次に、上述の液晶表示装置の動作について説明する。各第1電極106には、ドライバIC105から走査電圧が供給される。一方、各第2電極107には、ドライバIC105から走査電圧よりも低い表示電圧が供給される。第1電極106と第2電極107の電位差に応じて、各画素を構成する第1電極106と第2電極107との間の液晶の配列が変化する。これにより、バックライトユニット200からの光の透過率が変化して、表示を行うことができる。
【0022】
ここで、液晶パネル100を構成する第1基板101、第2基板102の構成について詳細に説明する。
【0023】
第1基板101には、複数の第1電極106が一定間隔を隔てて互いに平行に、水平方向に延設されている。そして、第1電極106と接続された第1引回し配線103が、表示領域の右端又は左端に形成されている。図2では、6本の第1電極106の各々に接続された6本の第1引回し配線103が形成されている。なお、第1電極106及び第1引回し配線103の数はこれに限られるものではない。
【0024】
この第1引回し配線103は、第1電極106と同じITOなどの透明導電膜によって構成される。すなわち、第1引回し配線103は、第1電極106から延設されている。第1引回し配線103の端部に形成された接続端子(不図示)は、異方性導電接着材を介して、FPC110に形成されたFPC配線111の一方の接続端子(不図示)と接続されている。そして、FPC110に形成されたFPC配線111の他方の接続端子(不図示)は、異方性導電接着材を介して、第2基板102上の補助配線104の端部に形成された接続端子(不図示)に接続されている。
【0025】
一方、第2基板102には、複数の第2電極107が一定間隔を隔てて互いに平行に、垂直方向に延設されている。そして、第2電極107と接続された第2引回し配線108が、表示領域の下端に形成されている。図2では、8本の第2電極107の各々に接続された8本の第2引回し配線108が形成されている。なお、第2電極107及び第2引回し配線108の数はこれに限られるものではない。
【0026】
ここで、第1電極106とドライバIC105とを接続する配線を第1接続配線とすると、第1接続配線は、第1引出し配線103、FPC配線111、補助配線104から構成される。すなわち、第1接続配線の一部であるFPC配線111が、第1基板101及び第2基板102の外部に形成されている。一方、第2電極107とドライバIC105とを接続する配線を第2接続配線とすると、第2接続配線は、第2引出し配線108のみから構成される。
【0027】
FPC110は両外側面に接続端子を備えた、いわゆる両面配線FPCである。ここで、FPC110は、第1引回し配線103に接続された面と反対側の面において、補助配線104と接続されている。すなわち、両面FPC110は図5におけるトランスファ9の機能も担っている。本実施の形態では、第1電極106からの第1引回し配線103を、第1基板101及び第2基板102の額縁領域において引回すことなく、代わりにFPC110を用いている。このFPC110はバックライトユニット200側に折り曲げることができるため、狭額縁化することができる。
【0028】
実施の形態2
次に、上記実施の形態1の液晶表示装置とは異なる実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、上記実施の形態1と同一の構成部材は、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
【0029】
図3は、本実施形態2に係る液晶表示装置に用いられる液晶パネル100の構成を示す平面図である。本実施形態2係る液晶表示装置に用いられる液晶パネル100では、第1基板101上の第1電極106から延設された第1引回し配線103を、第2基板102上へ移行させるために、トランスファ109が形成されている点が実施の形態1と異なる。そのため、第2基板上にFPC110を接続するための、補助配線113が形成されている点も異なる。
【0030】
第1基板101上の第1引回し配線103は、トランスファ109を介して、第2基板上の補助配線113に接続されている。補助配線113の端部に形成された接続端子(不図示)は、異方性導電接着材を介して、FPC110に形成されたFPC配線111の一方の接続端子(不図示)と接続されている。そして、FPC110に形成されたFPC配線111の他方の接続端子(不図示)は、異方性導電接着材を介して、第2基板102上の補助配線104の端部に形成された接続端子(不図示)に接続されている。
【0031】
以下に、トランスファ109の具体的構成を説明する。第1基板101上の第1引回し配線103の一端に形成されたトランスファパッドと、第2基板102上の補助配線113の一端に形成されたトランスファパッドとが、対向配置されている。この一対のトランスファパッドが導電材により、電気的に接続されている。このため、第1引回し配線103は第1基板101上において第1電極106の端部からトランスファパッドまで、補助配線113は第2基板102上においてトランスファパッドから第2基板102の端部まで形成されている。
【0032】
ここで、第1電極106とドライバIC105とを接続する配線を第1接続配線とすると、実施の形態2では、第1接続配線は、第1引出し配線103、トランスファ109、補助配線113、FPC配線111、補助配線104から構成される。すなわち、第1接続配線の一部であるFPC配線111が、第1基板101及び第2基板102の外部に形成されている。一方、第2電極107とドライバIC105とを接続する配線を第2接続配線とすると、実施の形態2でも、第2接続配線は、第2引出し配線108のみから構成される。
【0033】
トランスファ109を設けることにより、FPC110として片面側のみに配線が形成される片面FPCを用いることができる。また、実施の形態1同様に、第1電極106からの第1引回し配線103を、第1基板101及び第2基板102の額縁領域において引回すことなく、代わりにFPC110を用いている。そして、このFPC110はバックライトユニット200側に折り曲げることができるため、狭額縁化することができる。
【0034】
また、2枚のFPC110に代わり、図4に示した1枚のプリント基板113を用いてもよい。この場合、プリント基板113は、バックライトユニット200の背面側すなわち反視認側に配置される。この場合も、第2基板上の補助配線104と、同じく第2基板上の補助配線113とが、プリント基板113に形成されたFPC配線111を介して接続される。
【0035】
プリント基板113はFPC、硬質なプリント基板のいずれでもよい。プリント基板113がFPCの場合、FPC配線111の接続端子(不図示)と、補助配線104及び補助配線113の接続端子(不図示)との接続には、上記同様、異方性導電接着材を用いることができる。また、プリント基板113が硬質なプリント基板の場合には、特に、異方性導電材の一種であるゼブラゴムを用いて圧接するとよい。プリント基板113を用いた場合も、実施の形態1同様に、第1電極106からの第1引回し配線103を、第1基板101及び第2基板102の額縁領域において引回すことがない。そして、このプリント基板113はバックライトユニット200の背面に配置されるため、狭額縁化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施の形態1に係る液晶表示装置の構成を示す断面図である。
【図2】実施の形態1に係る液晶パネルの構成を示す平面図である。
【図3】実施の形態2に係る液晶パネルの構成を示す平面図である。
【図4】実施の形態3に係る液晶パネルに用いるプリント基板の構成を示す平面図である。
【図5】従来の液晶パネルの構成を示す平面図である。
【符号の説明】
【0037】
1、101 第1基板
2、102 第2基板
3、103 第1引回し配線
4、104、113 補助配線
5、105 ドライバIC
6、106 第1電極
7、107 第2電極
8、108 第2引回し配線
9、109 トランスファ
10、100 液晶パネル
110 FPC
111 FPC配線
112 外部接続配線
113 プリント基板
130 シール材
131 液晶
132 スペーサ
133 配向膜
134 偏光板
200 バックライトユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1透明基板上に形成された第1電極と、
第2透明基板上に形成され、前記第1電極と交差するように配置された第2電極と、
第2透明基板上に搭載された駆動用半導体素子と、
前記第1電極と前記駆動用半導体素子とを接続する第1接続配線と、
前記第2電極と前記駆動用半導体素子とを接続する第2接続配線とを備えた液晶表示装置であって、
前記第1接続配線の一部又は全部が、前記第1及び第2透明基板の外部に配置された液晶表示装置。
【請求項2】
前記第1及び第2透明基板の外部に配置される前記第1接続配線は、フレキシブルプリント基板に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記フレキシブルプリント基板が両面配線フレキシブルプリント基板であることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−209792(P2008−209792A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−48028(P2007−48028)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000103747)オプトレックス株式会社 (843)
【Fターム(参考)】