説明

液晶表示装置

【課題】帯電の解消を可能とするとともに、特有の表示ムラが低減されて、マルチプレックス駆動に好適な垂直配向型の液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶表示装置は、表面に前面電極51を有する基板と、背面電極52を有する基板とにより液晶層を挟持し、液晶層は電圧無印加時に電極面に垂直となるよう配向され、マルチプレックス駆動による電圧印加によって、画素内で基板と平行となるよう配向変化する。液晶層の比抵抗は1×1010Ωcm〜2×1011Ωcmの範囲にあり、前面電極51に設けられた画素分割手段であるスリット54により、1つの画素50が複数のサブ画素55に分割され、スリット54を挟んで隣接するサブ画素間では、電圧印加時の液晶層の配向変化の方向が異なるようにするとともに、サブ画素の形成ピッチP1が50μm〜100μmの範囲内にあるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、観察者の側に配置される透明な基板と、この透明な基板に対向して観察者とは反対側に配置される透明な基板との間に、液晶層が挟持されて構成される。液晶層は、例えば、ネマチック相の液晶(以下、ネマチック液晶とも言う)からなる。各基板の内面には、パターニングされた、例えばITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)などからなる透明な電極が設けられている。各基板上の電極と液晶層の間には、液晶の均一な初期配向を実現する液晶配向層として配向膜が設けられる。そして、電極間に印加される電界に応じて、液晶層が初期配向状態から配向変化し、液晶層を透過する光の偏光状態が制御される。また、2枚の基板を挟んで、観察者の側とその反対側に一対の偏光板が配置される。
【0003】
液晶表示装置は、液晶層の初期配向状態並びに電圧印加時の液晶の動作などから、いくつかのモードに分類される。例えば、液晶テレビや、自動車などの車両のインストルメントパネルなどいわゆる車載用に利用される液晶表示装置には、垂直配向(Vertical Alignment:VA)モードが用いられる(例えば、特許文献1および2参照。)。
【0004】
垂直配向型の液晶表示装置において基板間に挟持される液晶層は、初期配向状態が基板と概ね垂直(垂直配向)となるように配向された負の誘電率異方性(Δε)を有する液晶層である。2枚の基板上には、液晶層を挟んで、通常はクロスニコルを構成するように一対の偏光板が配置される。電極を介して液晶層に電圧を印加すると、液晶の配向が変化し、液晶層が電界に対して垂直、すなわち、液晶の配向方向が基板と平行になろうとする。これにより、電圧を印加した部分では初期の液晶の配向状態に比べ、液晶の屈折率異方性(Δn)と液晶層の厚み(d)との積(Δn・d)によって定まる光の透過特性が変化する。垂直配向型の液晶表示装置では、電圧の印加部分で光の透過特性が変化する性質を利用して、所望とする表示が行われる。
【0005】
垂直配向型の液晶表示装置は、正面から見たときのコントラスト比が高く、また、視野角が広いことから、視認性に優れるという特徴を備える。したがって、画素毎にTFTなどのスイッチング素子を配置したアクティブマトリクス表示装置に応用され、上述のように、TVなどに広く用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−113561号公報
【特許文献2】特開平10−123576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
垂直配向型の液晶表示装置は、優れた特徴を備えるため、より広い範囲での応用が求められている。具体的には、より製造が簡便で生産性の高い、マルチプレックス駆動を用いたパッシブマトリクス表示装置に応用することが求められている。しかしながら、現状、応用は限定的であり、用途も限定されている。その理由の一つに、マルチプレックス駆動時に特有の表示ムラの問題がある。そして、この表示ムラを回避するためには高周波数の駆動をしなければならないことがある。高周波駆動は、電極抵抗あるいは駆動ICの制約となり、応用範囲を限定する理由となる。
【0008】
また、垂直配向型の液晶表示装置は、一般に配向膜の絶縁性が高く、外部静電場で容易に帯電して異常表示を起こし、さらに、この異常表示状態が長時間保たれるという問題を有する。例えば、このような垂直配向型の液晶表示装置を、TV等の画像表示システムに搭載・組み立てをする場合、組み立て中の静電気により異常点灯し、異常点灯状態が解消するまでの長時間、検査工程に移せないなどの問題が生じていた。
こうした静電気帯電の問題を解消する方法としては、セル外側に静電場解消用の透明電極のアース電極を設ける方法が知られている。しかし、製品製造のコストを上昇させるという問題がある。
【0009】
また、STN(Super Twisted Nematic)モード液晶表示装置など、他のモードの液晶表示装置においては、液晶中にイオン性不純物を添加し、液晶層の導電性を増加させ、後述するパネル比抵抗を低下させて帯電を解消する方法が知られている。このパネル比抵抗を低下させる方法は、簡便であり、製品の製造コストを上昇させることも少なく、液晶表示装置の帯電解消には有効な方法となる。
【0010】
しかしながら、マルチプレックス駆動する垂直配向型の液晶表示装置においては、液晶層へのイオン性不純物の添加が、上述の特有の表示ムラを助長することがわかっている。したがって、マルチプレックス駆動の垂直配向型の液晶表示装置においては、実用上、こうした簡便な帯電解消方法を採用することが難しいとされていた。
【0011】
本発明は、こうした点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、帯電の解消を可能とするとともに、特有の表示ムラが低減されて、マルチプレックス駆動に好適な垂直配向型の液晶表示装置を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の態様は、表面に電極の形成された一対の基板により液晶層を挟持するとともに、
液晶層は電圧無印加時に電極面にほぼ垂直に配向され、マルチプレックス駆動による電圧の印加によって、画素内の液晶層が基板と平行になるよう配向変化する液晶表示装置であって、
液晶層の比抵抗は、1×1010Ωcm〜2×1011Ωcmの範囲にあり、
前記電極に設けられた画素分割手段により、1つの画素が複数のサブ画素に分割され、前記画素分割手段を挟んで隣接する前記サブ画素間では、電圧印加時の前記液晶層の配向変化の方向が異なるよう構成されるとともに、
前記サブ画素の形成ピッチが50μm〜100μmの範囲内にあることを特徴とする液晶表示装置に関する。
【0014】
本発明の態様において、画素分割手段による1つの画素の分割数は4以上であることが好ましい。
【0015】
本発明の態様において、マルチプレックス駆動により発生する液晶層の液晶の流動方向が、画素分割手段を挟んで隣接するサブ画素間で異なるよう構成されることが好ましい。
【0016】
本発明の態様において、マルチプレックス駆動により発生する液晶層の液晶の流動方向が、サブ画素内での液晶層の配向変化方向と等しいことが好ましい。
【0017】
本発明の態様において、画素分割手段は、電極に設けられたスリットおよび電極上に設けられた突起のうちのいずれかであることが好ましい。
【0018】
本発明の態様において、基板一対の基板の前記液晶層を挟持する面と反対側の面にはそれぞれ偏光板が設けられ、偏光板のそれぞれの偏光軸は互いに直交するように配置されており、
スリットおよび突起は、画素内で直線状に伸びる形状を有し、
偏光板のいずれかの偏光軸と、スリットおよび突起の伸びる方向との間の角度が40度〜50度の範囲内にあることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、帯電の解消を可能とするとともに、特有の表示ムラが低減されて、マルチプレックス駆動に好適な垂直配向型の液晶表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(a)は、垂直配向型の液晶表示装置で液晶層への電圧の印加によって生じる液晶の配向変化を説明する模式的な断面図であり、(b)は、垂直配向型の液晶表示装置で液晶層への電圧の印加により生じる液晶の流動現象の発生を説明する模式的な断面図である。
【図2】垂直配向型の液晶表示装置の画素において発生する液晶の流動現象を模式的に説明する拡大平面図である。
【図3】画素を分割して液晶の流動現象を抑制する方法を模式的に説明する画素の平面図である。
【図4】電極にスリットを設けて液晶のチルト角を制御し、画素を分割する方法を模式的に説明する図である。
【図5】電極上に突起を形成して液晶のチルト方向を制御し、画素を分割する方法を模式的に説明する図である。
【図6】本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第1の電極形態の第1例を示す模式的な拡大平面図である。
【図7】本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第1の電極形態の第2例を示す模式的な拡大平面図である。
【図8】本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第1の電極形態の第3の例を示す模式的な拡大平面図である。
【図9】本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第1の電極形態の第4の例を示す模式的な拡大平面図である。
【図10】本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第2の電極形態の第1の例を示す模式的な拡大平面図である。
【図11】本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第2の電極形態の第2の例を示す模式的な拡大平面図である。
【図12】本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第2の電極形態の第3の例を示す模式的な拡大平面図である。
【図13】本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置の構造を説明する模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明者らによって、垂直配向型の液晶表示装置をマルチプレックス駆動した際に生じる表示ムラについて解析をした結果、以下の原因が判明した。
【0022】
図1は、垂直配向型の液晶表示装置においてマルチプレックス駆動した場合に液晶層で発生する流動現象を模式的に説明する図である。図1(a)は、垂直配向型の液晶表示装置で液晶層への電圧の印加によって生じる液晶の配向変化を説明する模式的な断面図であり、図1(b)は、垂直配向型の液晶表示装置で液晶層への電圧の印加により生じる液晶の流動現象の発生を説明する模式的な断面図である。
【0023】
液晶表示装置1において、マルチプレックス駆動する場合、液晶層2の初期配向は、通常、基板4、5と垂直な方向からの傾き角(以下、プレチルト角と言う。)が、0.5度から1.5度程度となるように制御されている。
【0024】
垂直配向型の液晶表示装置1では、初期配向状態である、ほぼ垂直な配向状態の液晶層2に対し、基板4、5上の電極(図示されない)を介して駆動電圧を印加する。すると、図1(a)に示すように、液晶3は初期配向で与えられた一定方向の微小な傾きに規制された方向(チルト方向)に傾くよう配向変化する。
【0025】
その場合、マルチプレックス駆動される液晶層2では、電圧印加によって液晶3が初期配向時の位置に留まって傾き角のみ変化させるのではない。電圧印加開始を止めた後に液晶3が初期配向状態を回復しようとする場合、図1(b)に示すように、駆動条件と液晶3の傾き方向に依存して、基板4、5の面内方向に流動する。図1(b)では、例えば、矢印で示す流動方向6に液晶3が流動する様子を矢印を用いて模式的に示す。すなわち、垂直配向型の液晶表示装置1においては、液晶3が初期配向の位置から動く、液晶3の流動現象を引き起こすことが知られている。
【0026】
マルチプレックス駆動時の特有の表示ムラはこの流動現象と密接に関係する。
マルチプレックス駆動時において、配向膜により付与されたプレチルト角の形成方向と異なる方向に液晶流動が生じた場合に、液晶がプレチルト角の形成方向と異なる方向に傾き、表示ムラは発生する。
すなわち、流動によって液晶の再配列が生じ、チルト方向とは異なる方向に液晶が傾くことにより表示のムラとして視認されるものであった。尚、以下、この液晶の再配列現象を流動再配列と称することにする。
【0027】
流動再配列に影響する主な要因には、液晶表示装置の駆動条件と液晶の粘性がある。
駆動条件に関しては、液晶表示装置における駆動走査線数が多いほど、また駆動周波数が低いほど、液晶の流動を生じやすく、流動再配列が生じやすい。そして、液晶の粘性が低いほど流動再配列は生じやすい。
高速の応答動作が可能な液晶は一般に粘性が低く、表示のムラは発生しやすくなる。
【0028】
そして、液晶中のイオン性不純物の影響は次のとおりである。
液晶中のイオンは2つの影響を与えている。一つは電圧印加により流れる電流に依存する配向変形で、動的散乱モードと呼ばれ、電界によるイオンの動き(電極間での移動)が液晶配向を乱す。ただし、動的散乱モードは導電率の高い液晶でかつ高電圧印加で発生する状態である。したがって、本実施形態のように液晶中のイオン濃度が低く、導電率が低い場合には、次に説明する要因が支配的となり、無視することができると解される。
【0029】
もう一つの要因は、イオン性不純物の移動に起因するものである。
液晶表示装置の駆動により液晶の流動が生じると、上述した液晶自体の流動に加え、液晶中のイオン性不純物が移動する。液晶とイオン性不純物の流動によって相乗効果が生じ、液晶層の配向の乱れはより大きくなると解される。実際に、イオン濃度を増大した液晶では流動再配列による表示ムラが発生しやすくなることが確認されている。
【0030】
以上の原因解析に基づき、本実施形態の垂直配向型の液晶表示装置においては、帯電と表示ムラを低減できるよう、次のように構成される。
【0031】
まず、液晶表示装置において静電気印加による帯電を低減できるよう、パネル比抵抗を制御して、液晶表示装置を構成する。
【0032】
パネル比抵抗としては、1×1010Ωcm〜2×1011Ωcmの範囲にあることが好ましく、1×1010Ωcm〜1×1011Ωcm以下の範囲にあることがさらに好ましい。尚、ここで規定するパネル比抵抗とは、液晶表示装置の製造後にその液晶表示装置を用い、対向する一対の基板それぞれの上に配置された電極間に挟持された状態で評価された液晶層の比抵抗である。例えば、液晶表示装置に適用される前の所謂バルクの比抵抗に対し、液晶表示装置に適用された後の特性であり、本発明においては区別して、パネル比抵抗と称する。
【0033】
パネル比抵抗の制御方法としては、液晶表示装置を構成する液晶中にイオン性不純物を導入することで実現することができる。そして、液晶へのイオン性不純物の効果的な導入と比抵抗の制御については、イオン性不純物を直接に導入する方法の他に、フェノチアジンや下記の(式1)に示すTris(2−(2−methoxyethoxy)ethyl)amine(以下、TDAと称する)など、液晶中にイオン性不純物を効果的に導入する化合物を添加物として液晶に添加することにより実現することも可能である。
【0034】
【化1】

【0035】
本実施の形態の液晶表示装置では、イオン性不純物の添加によって導電性を向上させて帯電の低減が可能とされた液晶を用い、パネル比抵抗を低下させる。併せて、本実施の形態の液晶表示装置では、液晶表示装置内で発生する液晶の流動を抑制する構成を備える。こうした構造を備えることにより、本実施の形態の液晶表示装置では、帯電と表示ムラの低減を実現することが可能となる。
【0036】
図2は、液晶表示装置の画素において発生する液晶の流動現象を模式的に説明する拡大平面図である。図2では、ドットマトリクス表示を行うよう構成された液晶表示装置の、点灯する上下二つの画素10、15を拡大して示している。
【0037】
図2中、符号11が付された矢印は、液晶(図示されない)が電圧印加により傾斜動作するチルト方向11を示す。図2の例では、基板に対してほぼ垂直な初期配向状態を備える液晶層(図示されない)が、電圧印加により図の上下方向に配向変化する。
【0038】
その場合、液晶の流動方向は、図2に示すように、上に向かう流動方向12と下に向かう流動方向13の2つの方向を取り得る。そして、液晶層を挟持する上下基板(図示されない)でのプレチルト角が上下基板で異なる場合や、液晶表示装置における駆動走査線の選択タイミングの順番により隣接する水平画素ラインの影響を受けて、図2の上下2つの流動方向12、13のうち、いずれか1つの流動方向に偏ることがある。
【0039】
例えば、画素10と画素15において、ともに液晶の流動方向12に偏る場合、点灯する2つの画素10、15をまたがるような、1つの流動方向12の広範な液晶流動が形成される。このような広範な液晶の流動は、表示ムラの発生を助長する。
具体的には、電圧印加されて液晶流動の発生している画素10、15の周囲を、非点灯状態で液晶流動が発生していない画素(図示されない)が取り囲む場合がある。その場合、画素10、15内の、周囲の画素との境目部分で、流動再配列が発生し、表示ムラが発生しやすくなる。図2では、画素10の上端部や画素15の下端部、および画素10、15の側部で表示ムラは発生しやすくなる。
【0040】
そこで、垂直配向型の液晶表示装置において、表示ムラを低減するためには、液晶の流動現象を抑制することが必要となる。特に、画素毎に液晶の流動を抑えることが重要となる。
【0041】
図3は、画素を分割して液晶の流動現象を抑制する方法を模式的に説明する画素の平面図である。
【0042】
図3では、1つの画素20を拡大して示す。画素20では、画素領域が4分割されており、各サブ画素21、22、23、24毎に液晶(図示されない)のプレチルト角方向が異なるように制御されている。その結果、サブ画素21、22、23、24に分割する境界を挟んで隣接するサブ画素間では電圧印加により発生する液晶の流動方向が異なる。よって、電圧印加により発生する液晶の流動方向25、26、27、28はそれぞれ異なる方向となっている。
【0043】
その結果、1つの画素20内では、各サブ画素21、22、23、24毎の液晶の流動方向がつり合い、画素20全体とした液晶の流動は抑制される。そして、液晶表示装置において表示ムラの発生は抑制されることになる。したがって、画素の分割数は、4以上が好ましい。
【0044】
本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置では、画素を分割し、液晶の流動を抑制して表示ムラの発生を抑制する。その場合、電圧印加時の液晶の配向変化の方向(チルト方向)を制御することによって、画素の分割を実現する。
【0045】
液晶のチルト方向を制御して画素を分割する方法としては、画素内に画素分割手段を設けることが好ましい。液晶のチルト方向の制御可能な画素分割手段としては、例えば、二つの好ましい態様がある。1つは、液晶層を挟持する基板表面に形成された電極に設けられたスリットである。もう1つは、画素内の電極上に形成された突起である。
【0046】
図4は、電極にスリットを設けて液晶のチルト角を制御し、画素を分割する方法を模式的に説明する図である。
【0047】
図4では、電極31にスリット32が形成され、電極構造の改善された液晶表示装置30の断面を模式的に示す。垂直配向型の液晶表示装置30では、垂直配向する液晶34を挟持する一対の基板36と基板37のうち、一方の基板36上の電極31にスリット32を設ける。スリット32の形成により、駆動電圧の印加に従い、電極31と対向する基板37上の電極35との間に斜め電界33が形成される。斜め電界33の形成により、1つの画素内で、スリット32を挟んで、液晶34のチルト方向が異なる二つの領域(サブ画素)が形成される。したがって、例えば、1つの画素内に直交する2本のスリットを設けた電極構造とすることにより、1つの画素を4つのサブ画素に分割することができる。
【0048】
その結果、サブ画素に分割するスリット32を挟んで隣接するサブ画素間では電圧印加により発生する液晶のチルト方向が異なり、発生する液晶の流動方向は、隣接サブ画素間でそれぞれ異なる方向となっている。
【0049】
図5は、電極上に突起を形成して液晶のチルト方向を制御し、画素を分割する方法を模式的に説明する図である。図5では、電極41上に突起42が形成し電極構造が改善された液晶表示装置40の断面を模式的に示す。この突起42の形成された電極を用いることにより、1つの画素内に、突起42を挟んで液晶44のチルト方向が異なる二つの領域(サブ画素)が形成される。
【0050】
その結果、サブ画素に分割する突起42を挟んで隣接するサブ画素間では電圧印加により発生する液晶のチルト方向が異なり、電圧印加により発生する液晶の流動方向は隣接サブ画素間でそれぞれ異なる方向となっている。
【0051】
尚、形成される突起42において対称性が良好でない場合、突起42を挟んだ両側で液晶44のプレチルト角が変動し、液晶44の流動の対称性は悪化する。その結果、突起42を挟んで分割されるサブ画素間での液晶流動の釣り合いが取れなくなることがある。したがって、より簡便に形状制御の可能な、電極へのスリット形成による画素分割の方法がより好ましい。
【0052】
以下、本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置を構成する、好ましい電極の形態について説明する。本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置の電極は、流動再配列現象の抑制に有効なスリットを有することが好ましい。
【0053】
はじめに、1つの画素をサブ画素に分割することで、液晶の流動を異なる方向に細分化し、画素全体で液晶の流動を抑制するための、本実施形態の液晶表示装置の第1の電極形態について説明する。
【0054】
図6は、本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第1の電極形態の第1例を示す模式的な拡大平面図である。
【0055】
図6に示すように、前面電極51と背面電極52は、液晶層(図示されない)を挟持する一対の基板(図示されない)上にそれぞれ設けられる。そして、それらの重なる部分が1つの画素50を構成する。基板(図示されない)上の前面電極51と背面電極52のうち、前面電極51には、くの字状に、直角に屈曲したスリット54が設けられている。
【0056】
図6中に示すように、スリット54は、屈曲部分の先端が、例えば、画素のY方向など、一方向を向くよう形成され、一つの画素50内でX方向とY方向に複数配置されている。そして、画素50のY方向に配列されたスリット54の列については、隣接する列間でスリット54のピッチが半ピッチずつずれるように形成されている。その結果、3つのスリット54a、54b、54cによって区切られたサブ画素55が形成される。好ましいサブ画素55の形成ピッチP1は、50μm〜100μmである。尚、サブ画素の形成ピッチは、図6に示すように、スリット54の同じ方向に伸びる部分の形成ピッチであって、その部分が伸びる方向と垂直な方向における形成ピッチである。画素50の斜め方向のスリット54形成のピッチとなる。
【0057】
このようなスリット構造とすることで、サブ画素55内に形成される液晶の流動方向56は細分化されるとともに、互いに釣り合いが取れる。その結果、サブ画素55内で液晶の流動が相殺され、画素50全体として、液晶の流動は抑制される。
【0058】
図7は、本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第1の電極形態の第2例を示す模式的な拡大平面図である。
【0059】
図7に示す電極形態の第2例では、上述の第1例と同様、くの字状に、直角に屈曲したスリット64が第1例と同様のピッチP2で、画素60を構成する前面電極61に設けられている。そして、背面電極62には、サブ画素65の中央付近に位置するよう、円形スリット67が設けられている。この円形スリット67を設けることにより、液晶(図示されない)の配向は安定化し、表示ムラを引き起こす配向乱れが生じにくくなる。
【0060】
図8は、本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第1の電極形態の第3の例を示す模式的な拡大平面図である。
【0061】
図8に示すように、前面電極71と背面電極72は、液晶層(図示されない)を挟持する一対の基板(図示されない)上にそれぞれ設けられる。そして、それらの重なる部分が1つの画素70を構成する。
【0062】
基板(図示されない)上の前面電極71と背面電極72のうち、前面電極71には、画素70のY方向に伸びる複数の直線状のスリット73と、X方向に伸びる複数の直線状のスリット74とが、互いに交わることがないように、組み合わされて形成されている。その結果、図8に示すように、4本のスリット73a、73b、74a、74bによって、正方形に区切られたサブ画素75が形成される。好ましいサブ画素75の形成ピッチP3は、50μm〜100μmである。尚、サブ画素75の形成ピッチは、図8に示すように、同じ方向に伸びるスリット部分の形成ピッチであって、スリット部分が伸びる方向と垂直な方向における形成ピッチである。
【0063】
そして、背面電極72には、サブ画素75の中央付近に位置するよう、円形スリット77が設けられている。直線状のスリット73、74に加えてこの円形スリット77を設けることにより、液晶(図示されない)の配向は安定化し、表示ムラを引き起こす配向乱れが生じにくくなる。
【0064】
このようなスリット構造とすることで、サブ画素75内に形成される液晶の流動方向は細分化されるとともに、互いに釣り合いが取れる。その結果、サブ画素75内で液晶の流動が相殺され、画素70全体として、液晶の流動は抑制される。
【0065】
尚、図8に示す、本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第1の電極形態の第3の例では、背面電極72に円形スリット77を設けている。しかし、この第3の例では、円形スリット77を設けること無く、前面電極71における直線状のスリット73、74のみを用いてスリット構造を構成することも可能である。こうした構造でも、サブ画素75内の液晶の流動方向を細分化することができ、液晶の流動と表示ムラを抑制することができる。
【0066】
図9は、本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第1の電極形態の第4の例を示す模式的な拡大平面図である。
【0067】
図9に示すように、前面電極81と背面電極82は、液晶層(図示されない)を挟持する一対の基板(図示されない)上にそれぞれ設けられる。そして、それらの重なる部分が1つの画素80を構成する。本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第1の電極形態の第4の例では、直交する平行なスリットにより画素が分割される構造を有する。
【0068】
図9に示すように、前面電極81には、X方向に直線状に伸びるスリット83a、83bが設けられ、この例では、3本のストライプ状の電極部分に分割されている。背面電極82には、Y方向に直線状に伸びるスリット84a、84bが設けられ、この例では、3本のストライプ状の電極部分に分割されている。したがって、図9に示す例では、1つの画素80が9個のサブ画素により構成される。そして、例えば、サブ画素85では、X方向に伸びるスリット83a、83bと、Y方向に伸びるスリット84a、84bの4本の直線状のスリットによって区切られた構造を有している。他のサブ画素でも、同様に、4本の直線状のスリットによって区切られた構造を有している。
【0069】
好ましいサブ画素の形成ピッチP4は、50μm〜100μmである。尚、サブ画素の形成ピッチは、図9に示すように、同じ方向に伸びるスリットの形成ピッチである。
【0070】
このようなスリット構造とすることで、例えば、サブ画素85内に形成される液晶の流動方向86は細分化されるとともに、互いに釣り合いが取れる。その結果、サブ画素85内で液晶の流動が相殺される。同様に他のサブ画素でも液晶の流動が相殺され、画素80全体として、液晶の流動は抑制されることになる。
【0071】
次に、本実施形態の液晶表示装置の第2の電極形態について説明する。
本実施形態の液晶表示装置の第2の電極形態では、画素を構成する電極に、直線状の平行スリットを設け、液晶の流動をスリットの両側に生じる対称なものとする。その結果、液晶の流動が生じた場合でも、元々の液晶のチルト方向と一致させるようにし、液晶流動の影響を低減する。
【0072】
そして、この第2の電極形態では、併せて、スリットにより1つの画素をサブ画素に分割するため、液晶の流動を異なる方向に細分化し、画素全体で液晶の流動を抑制することも可能となる。
こうして、本実施形態の液晶表示装置の第2の電極形態では、流動再配列を低減することができる。
【0073】
図10は、本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第2の電極形態の第1の例を示す模式的な拡大平面図である。
【0074】
第2の電極形態の第1の例では、前面電極91と背面電極92は、液晶層(図示されない)を挟持する一対の基板(図示されない)上にそれぞれ設けられる。
そして、図10に示すように、1つの画素90内で、前面電極91と背面電極92とに複数の平行スリット93a、93b、94a、94bが形成される。複数の平行スリットのうち、例えば、平行スリット93a、93bは、Y方向から時計回りに45度傾けて等間隔に配列され、平行スリット94a、94bは、Y方向から反時計まわりに45度傾けて等間隔に配列される。その結果、1つの画素90内で、平行スリット93a、93bと平行スリット94a、94bは、それぞれY方向に列をなすよう配置されている。そして、こうした列が、1つの画素90内で複数配置される。
【0075】
尚、平行スリット93a、93b、94a、94bの形成角度については、液晶の方向を考慮して最適なものに設定することができる。最適な形成角度設定を行い、液晶の流動方向と駆動による液晶のチルト方向とを一致させることにより、液晶配向に対する液晶の流動の影響を低減することができる。
【0076】
そして、平行スリット93a、93b、94a、94bは、前面電極91と背面電極92の両方に形成されている。例えば、平行スリット93a、94aは前面電極91に形成され、隣接する平行スリット93b、94bは背面電極92に形成されている。すなわち、同一方向に伸びる直線状の平行スリット93a、93b、および平行スリット94a、94bは、前面電極91で形成されるものと背面電極92で形成されるものとが、1つの画素90内でY方向に互い違いに配置されるよう構成されている。また、X方向についても、隣接する、異なる方向に伸びる平行スリット同士で、一方が前面電極91で形成されるものとなり、他方が背面電極92で形成されるものとなるよう配置されている。
【0077】
そして、本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第2の電極形態の第1の例では、複数の同じ方向に伸びる平行なスリットにより画素が分割される構造を有する。このとき、好ましいサブ画素の形成ピッチP5は、50μm〜100μmである。尚、サブ画素の形成ピッチは、図10に示すように、1つの画素内で同じ方向に伸びるスリットの形成ピッチとなる。
【0078】
第2の電極形態の第1の例では、以上のようなスリット構造とすることで、例えば、サブ画素95内に形成される液晶の流動方向96は細分化されるとともに、互いに釣り合いが取れる。その結果、サブ画素95内で液晶の流動が相殺される。同様に他のサブ画素でも液晶の流動が相殺され、画素90全体として、液晶の流動は抑制されることになる。
【0079】
図11は、本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第2の電極形態の第2の例を示す模式的な拡大平面図である。
【0080】
第2の電極形態の第2の例では、前面電極101と背面電極102は、液晶層(図示されない)を挟持する一対の基板(図示されない)上にそれぞれ設けられる。
そして、図11に示すように、1つの画素100内でY方向に伸びる複数の平行スリット103a、103b、104a、104bが、前面電極101と背面電極102に形成されている。そして、複数の平行スリット103a、103b、104a、104bは、それぞれX方向とY方向に等間隔となるよう配置され、2方向にそれぞれに列をなすよう配置されている。
【0081】
そして、平行スリット103a、103b、104a、104bは、前面電極101と背面電極102の両方に形成されている。例えば、平行スリット103a、104aは前面電極101に形成され、それらに隣接する平行スリット103b、104bは背面電極102に形成されている。すなわち、平行スリット103a、103b、104a、104bのX方向の列では、前面電極101で形成されるものと背面電極102で形成されるものとが、互い違いに配置されている。同様に、Y方向に形成される列においても、前面電極101で形成されるものと背面電極102で形成されるものとが、互い違いとなるよう配置されている。
【0082】
そして、本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第2の電極形態の第2の例では、複数の同じ方向に伸びる平行スリットにより画素を分割する構造を有する。図11の例では、X方向に隣接する平行スリット103a、104bの間で一つのサブ画素105が形成され、平行スリット103b、104aの間で別のサブ画素が形成される。すなわち、X方向に隣接する2本の平行スリットによって区切られるサブ画素を形成する。
【0083】
このとき、好ましいサブ画素の形成ピッチP6は、50μm〜100μmである。尚、サブ画素の形成ピッチは、図11に示すように、一つの画素内で同じ方向に伸びるスリットのX方向の形成ピッチとなる。
【0084】
第2の電極形態の第2の例では、以上のようなスリット構造とすることで、例えば、サブ画素105内に形成される液晶の流動方向106は細分化されるとともに、互いに釣り合いが取れる。その結果、サブ画素105内で液晶の流動が相殺される。同様に他のサブ画素でも液晶の流動が相殺され、画素100全体として、液晶の流動は抑制されることになる。
【0085】
図12は、本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第2の電極形態の第3の例を示す模式的な拡大平面図である。
【0086】
前面電極111と背面電極112は、液晶層(図示されない)を挟持する一対の基板(図示されない)上にそれぞれ設けられる。そして、図12に示すように、それらの重なる部分が1つの画素110を構成する。本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第2の電極形態の第3の例では、前面電極111と背面電極112のうちの一方の電極に平行スリットが形成され、この平行スリットにより画素がサブ画素に分割される構造を有する。
【0087】
具体的には、図12に示すように、背面電極112に、Y方向に直線状に伸びる平行スリット113a、113bが設けられる。この例では、背面電極112が2本の平行スリット113a、113bにより、3本のストライプ状の電極部分に分割される構造を有する。したがって、図12に示すように、1つの画素110が3個のサブ画素により構成される。そして、例えば、サブ画素115では、2本の直線状の平行スリット113a、113bによって区切られた構造を有している。他のサブ画素でも、同様に、2本の直線状の平行スリットによって区切られた構造を有している。
【0088】
好ましいサブ画素の形成ピッチP7は、50μm〜100μmである。尚、サブ画素の形成ピッチは、図12に示すように、平行スリットの形成ピッチである。
【0089】
このような平行スリット113a、113bを有する電極構造とすることで、例えば、サブ画素115内に形成される液晶の流動方向116は細分化されるとともに、互いに釣り合いが取れる。その結果、サブ画素115内で液晶の流動が相殺される。同様に他のサブ画素でも液晶の流動が相殺され、画素110全体として、液晶の流動は抑制されることになる。
【0090】
次に、上述した構造の電極が適用される本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置について説明する。
【0091】
図13は、本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置の構造を説明する模式的な断面図である。
【0092】
本実施の形態の液晶表示装置200は、マルチプレックス駆動の可能な垂直配向型の液晶表示装置200である。そして、一対の基板201、202の表面には、例えば、図6〜図12を用いて説明した、本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な形態の電極203、204が配置される。例えば、図13において、電極203、204はスリット205を有する。電極203、204は、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)をパターニングして形成することができる。尚、図13においては、電極203、電極204、およびスリット205の構造を模式的に示している。液晶層206は、イオン性不純物の導入により導電性が高められた液晶により構成される。
【0093】
液晶層206を挟持する基板201、202には、ガラス基板などの透明基板を使用することが可能である。透明基板としては、例えば、可視光に対する透過率が高い材料からなる基板を用いることができる。具体的には、上記ガラス基板の例として、アルカリガラス、無アルカリガラスおよび石英ガラスなどの無機ガラスが挙げられる。また、その他に、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコール、および、ポリフッ化ビニルなどのフッ素含有ポリマーなどの透明樹脂からなる基板が挙げられる。剛性が高い点で、無機ガラスからなる基板を用いることが好ましい。
【0094】
液晶層206を挟持する基板の厚みは、特に限定はないが、通常は0.2mm〜1.5mmとすることができ、好ましくは0.3mm〜1.1mmである。この基板には、必要に応じて、アルカリ溶出防止、接着性向上、反射防止またはハードコートなどを目的とした、無機物または有機物などからなる表面処理層が設けられていてもよい。
【0095】
基板201、202の電極203、204上には液晶層206を垂直配向するための配向膜(図示されない)が設けられる。この配向膜は、例えば、チッソ株式会社製の配向膜材料(商品名:A−8530)を用いて形成することができる。すなわち、その配向膜材料をフレキソ印刷法にて基板上成膜し、その基板を180℃で焼成する。その結果、厚さ600Å程度の配向膜として基板201、202の電極203、204上に設けられたものである。
【0096】
尚、本発明の実施形態液晶表示装置に使用される配向膜は、液晶を垂直に配向させる機能を有するものであればよく、上記例以外のものを用いることも可能である。具体的には、液晶表示装置の仕様に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリイミド、ポリアミド、あるいは長鎖アルキル基を有するシランカップリング剤などを使用できる。
【0097】
液晶表示装置200には、基板201、202を挟持するよう、一対の偏光板207、208が配置されている。
本実施の形態の液晶表示装置200において、偏光板207としては、株式会社ポラテクノ製の偏光板(商品名:SHC−13UL2SZ9)を用いることができ、偏光板208として、同社製の別の偏光(商品名:000R220N−SH38L2S)を用いることができる。この場合、観察者側から見たときの基準軸から偏光板207の吸収軸までの反時計回りの角度θ1が45°となるようにするとともに、上記基準軸から偏光板208の吸収軸までの反時計回りの角度θ2が135°となるように配置する。偏光板207と偏光板208との偏光軸は直交する。その後、偏光板207、208の上に、それぞれ保護用の樹脂フィルム(図示されない)を設ける。
【0098】
このとき、本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置200に適用可能な形態の電極204の有するスリット205は、図6〜図12を用いて説明したものと同様の形状を備える。すなわち、いずれも直線状に伸びる形状、または直線状に伸びる形状の部分を有する。そのスリット等が、直線状に伸びる方向と、偏光板207、208のいずれかの偏光軸との間の角度が40度〜50度の範囲内にあるよう液晶表示装置200は構成されることが好ましい。そして、特に、その角度が45度であることがより好ましい。垂直配向型の液晶表示装置200において、このような構造を備えることにより、液晶層206のチルト方向と、液晶層206の液晶流動方向とが一致し、液晶層206における流動再配列を発生し難くすることができる。
【実施例】
【0099】
以下、実施例に基づいて、本発明の実施形態をより具体的に説明する。また、本発明の実施形態に関する比較例を説明する。しかし、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0100】
〔液晶の調製〕
本発明の実施例において使用する液晶を調製した。ベース液晶に、ネマチック液晶からなり、液晶温度域が−40℃〜+102℃で、25℃での誘電率異方性(Δε)が−4.5で、25℃での屈折率異方性が0.180である液晶組成物を使用した。
このベース液晶に、TDAを10ppmとなるよう添加し、液晶1を調製した。ベース液晶に、TDAを50ppmとなるよう添加し、液晶2を調製した。TDAを500ppmとなるよう添加し、液晶3を調製した。
【0101】
〔表示ムラ評価〕
後述する実施例1〜実施例8および比較例1〜4で得られた垂直配向型の液晶表示装置を用いて表示ムラの評価を行った。
【0102】
表示ムラの評価は、評価対象である液晶表示装置において、駆動波形を1/32デューティー(Duty)、1/6バイアス(Bias)に固定し、フレーム周波数25Hz、50Hz、100Hz、150Hz、および200Hzと変化させて表示を行い、下記の基準により評価した。
○:広範な駆動電圧範囲で表示ムラの無い表示ができる。
△:駆動電圧範囲を限定することにより表示ムラの無い表示ができる。
×:駆動電圧条件を限定しても表示ムラの無い表示ができない。
【0103】
〔実施例1〕
上述した本実施の形態のマルチプレックス駆動の可能な垂直配向型の液晶表示装置に、前記の液晶2を適用し、実施例1である液晶表示装置を製造した。実施例1の液晶表示装置の画素の電極構造は、図10に示した、本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第2の電極形態の第1の例と同様とした。その場合、一画素のサイズは0.39mm角とし、サブ画素の形成ピッチを80μm、直線状のスリットの幅をいずれも10μmとした。パネル比抵抗は、4.6×1010Ωcmであった。
実施例1の垂直配向型の液晶表示装置を用い、液晶層を表示する基板面に静電気を印加したところ、帯電が解消されるまでの時間は5秒間であり、非常に短い時間であることがわかった。
【0104】
この実施例1の垂直配向型の液晶表示装置を用い、上述した表示ムラの評価を行った。
評価の結果、フレーム周波数25Hzの評価では評価結果は×であり、フレーム周波数50Hzの評価では評価結果は△であり、フレーム周波数100Hzと150Hzと200Hzの評価においては、評価結果はいずれも○であった。
【0105】
〔実施例2〕
上述した本実施の形態のマルチプレックス駆動の可能な垂直配向型の液晶表示装置に、前記の液晶2を適用し、実施例2である液晶表示装置を製造した。実施例2の液晶表示装置の画素の電極構造は、図6に示した、本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第1の電極形態の第1の例と同様とした。その場合、一画素のサイズは0.39mm角とし、サブ画素の形成ピッチを80μm、屈曲するスリット直線状に伸びるスリット部分の幅をいずれも10μmとした。パネル比抵抗は、4.6×1010Ωcmであった。
実施例2の垂直配向型の液晶表示装置を用い、液晶層を表示する基板面に静電気を印加したところ、帯電が解消されるまでの時間は4秒間であり、非常に短い時間であることがわかった。
【0106】
この実施例2の垂直配向型の液晶表示装置を用い、上述した表示ムラの評価を行った。
評価の結果、フレーム周波数25Hzの評価では評価結果は×であり、フレーム周波数50Hzの評価では評価結果は△であり、フレーム周波数100Hzと150Hzと200Hzの評価では評価結果はいずれも○であった。
【0107】
〔実施例3〕
上述した本実施の形態のマルチプレックス駆動の可能な垂直配向型の液晶表示装置に、前記の液晶2を適用し、実施例3である液晶表示装置を製造した。実施例3の液晶表示装置の画素の電極構造は、図11に示した、本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第2の電極形態の第2の例と同様とした。その場合、一画素のサイズは0.39mm角とし、サブ画素の形成ピッチを80μm、直線状のスリットの幅をいずれも10μmとした。パネル比抵抗は、4.6×1010Ωcmであった。
実施例3の垂直配向型の液晶表示装置を用い、液晶層を表示する基板面に静電気を印加したところ、帯電が解消されるまでの時間は5秒間であり、非常に短い時間であることがわかった。
【0108】
この実施例3の垂直配向型の液晶表示装置を用い、上述した表示ムラの評価を行った。
評価の結果、フレーム周波数25Hzの評価では評価結果は×であり、フレーム周波数50Hzの評価では評価結果は△であり、フレーム周波数100Hzと150Hzと200Hzの評価においては、評価結果はいずれも○であった。
【0109】
〔実施例4〕
上述した本実施の形態のマルチプレックス駆動の可能な垂直配向型の液晶表示装置に、前記の液晶2を適用し、実施例4である液晶表示装置を製造した。実施例4の液晶表示装置の画素の電極構造は、図9に示した、本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第1の電極形態の第4の例と同様とした。その場合、一画素のサイズは0.39mm角とし、サブ画素の形成ピッチを80μm、直線状のスリットの幅をいずれも10μmとした。パネル比抵抗は、4.6×1010Ωcmであった。
実施例4の垂直配向型の液晶表示装置を用い、液晶層を表示する基板面に静電気を印加したところ、帯電が解消されるまでの時間は3秒間であり、非常に短い時間であることがわかった。
【0110】
この実施例4の垂直配向型の液晶表示装置を用い、上述した表示ムラの評価を行った。
評価の結果、フレーム周波数25Hzの評価では評価結果は×であり、フレーム周波数50Hzの評価では評価結果は△であり、フレーム周波数100Hzと150Hzと200Hzの評価においては、評価結果はいずれも○であった。
【0111】
〔実施例5〕
上述した本実施の形態のマルチプレックス駆動の可能な垂直配向型の液晶表示装置に、前記の液晶1を適用し、実施例5である液晶表示装置を製造した。実施例5の液晶表示装置の画素の電極構造は、図9に示した、本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第1の電極形態の第4の例と同様とした。その場合、一画素のサイズは0.39mm角とし、サブ画素の形成ピッチを80μm、直線状のスリットの幅をいずれも10μmとした。パネル比抵抗は、1.0×1011Ωcmであった。
実施例5の垂直配向型の液晶表示装置を用い、液晶層を表示する基板面に静電気を印加したところ、帯電が解消されるまでの時間は15秒間であり、短い時間であることがわかった。
【0112】
この実施例5の垂直配向型の液晶表示装置を用い、上述した表示ムラの評価を行った。
評価の結果、フレーム周波数25Hzの評価では評価結果は×であり、フレーム周波数50Hzの評価では評価結果は△であり、フレーム周波数100Hzと150Hzと200Hzの評価においては、評価結果はいずれも○であった。
【0113】
〔実施例6〕
上述した本実施の形態のマルチプレックス駆動の可能な垂直配向型の液晶表示装置に、前記の液晶3を適用し、実施例6である液晶表示装置を製造した。実施例6の液晶表示装置の画素の電極構造は、図9に示した、本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第1の電極形態の第4の例と同様とした。その場合、一画素のサイズは0.39mm角とし、サブ画素の形成ピッチを100μm、直線状のスリットの幅をいずれも10μmとした。パネル比抵抗は、1.1×1010Ωcmであった。
実施例6の垂直配向型の液晶表示装置を用い、液晶層を表示する基板面に静電気を印加したところ、帯電が解消されるまでの時間は1秒間以下であり、非常に短い時間であることがわかった。
【0114】
この実施例6の垂直配向型の液晶表示装置を用い、上述した表示ムラの評価を行った。
評価の結果、フレーム周波数25Hzの評価では評価結果は×であり、フレーム周波数50Hzの評価では評価結果は△であり、フレーム周波数100Hzと150Hzと200Hzの評価においては、評価結果はいずれも○であった。
【0115】
〔実施例7〕
上述した本実施の形態のマルチプレックス駆動の可能な垂直配向型の液晶表示装置に、前記の液晶2を適用し、実施例7である液晶表示装置を製造した。実施例7の液晶表示装置の画素の電極構造は、図8に示した、本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第1の電極形態の第3の例と同様とした。その場合、一画素のサイズは0.39mm角とし、サブ画素の形成ピッチを80μm、直線状のスリットの幅をいずれも10μmとした。パネル比抵抗は、4.6×1010Ωcmであった。
実施例7の垂直配向型の液晶表示装置を用い、液晶層を表示する基板面に静電気を印加したところ、帯電が解消されるまでの時間は3秒間であり、非常に短い時間であることがわかった。
【0116】
この実施例7の垂直配向型の液晶表示装置を用い、上述した表示ムラの評価を行った。
評価の結果、フレーム周波数25Hzの評価では評価結果は×であり、フレーム周波数50Hzの評価では評価結果は△であり、フレーム周波数100Hzと150Hzと200Hzの評価においては、評価結果はいずれも○であった。
【0117】
〔実施例8〕
上述した本実施の形態のマルチプレックス駆動の可能な垂直配向型の液晶表示装置に、前記の液晶2を適用し、実施例8である液晶表示装置を製造した。実施例8の液晶表示装置の画素の電極構造は、図9に示した、本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置に適用可能な第1の電極形態の第4の例と同様とした。その場合、一画素のサイズは0.39mm角とし、サブ画素の形成ピッチを50μm、直線状のスリットの幅をいずれも10μmとした。パネル比抵抗は、4.6×1010Ωcmであった。
実施例8の垂直配向型の液晶表示装置を用い、液晶層を表示する基板面に静電気を印加したところ、帯電が解消されるまでの時間は4秒間であり、非常に短い時間であることがわかった。
【0118】
この実施例8の垂直配向型の液晶表示装置を用い、上述した表示ムラの評価を行った。
評価の結果、フレーム周波数25Hzの評価では評価結果は×であり、フレーム周波数50Hzの評価では評価結果は△であり、フレーム周波数100Hzと150Hzと200Hzの評価においては、評価結果はいずれも○であった。
【0119】
〔比較例1〕
電極構造が異なること、および配向膜表面をラビングすることで垂直方向にわずかにプレチルトさせた配向を与えたこと以外、上述した本実施の形態の液晶表示装置と同様の構造の、従来の垂直配向型液晶表示装置に、前記の液晶1を適用して比較例1である液晶表示装置を製造した。比較例1の液晶表示装置の画素電極は、画素のサイズが0.7mm角のドットマトリクス構造を有する。画素内にスリットは設けられておらず、本実施の形態の液晶表示装置のようなサブ画素の形成は無い。パネル比抵抗は、1.0×1011Ωcmであった。
比較例1の垂直配向型の液晶表示装置を用い、液晶層を表示する基板面に静電気を印加したところ、帯電が解消されるまでの時間は15秒間であった。
【0120】
この比較例1の垂直配向型の液晶表示装置を用い、上述した表示ムラの評価を行った。
評価の結果、フレーム周波数25Hzの評価では評価結果は×であり、フレーム周波数50Hzの評価では評価結果は×であった。フレーム周波数100Hzの評価では評価結果は△であり、フレーム周波数150Hzと200Hzの評価においては、評価結果はいずれも○であった。
【0121】
〔比較例2〕
電極構造が異なること、および配向膜表面をラビングすることで垂直方向にわずかにプレチルトさせた配向を与えたこと以外、上述した本実施の形態の液晶表示装置と同様の構造の、従来の垂直配向型液晶表示装置に、前記の液晶2を適用して比較例2である液晶表示装置を製造した。比較例2の液晶表示装置の画素電極は、比較例1と同様、画素のサイズが0.7mm角のドットマトリクス構造を有する。画素内にスリットは設けられておらず、本実施の形態の液晶表示装置のようなサブ画素の形成は無い。パネル比抵抗は、4.6×1010Ωcmであった。
比較例2の垂直配向型の液晶表示装置を用い、液晶層を表示する基板面に静電気を印加したところ、帯電が解消されるまでの時間は5秒間であった。
【0122】
この比較例2の垂直配向型の液晶表示装置を用い、上述した表示ムラの評価を行った。
評価の結果、フレーム周波数25Hz、50Hz、100Hz、および150Hzの評価では評価結果は×であった。フレーム周波数200Hzの評価では評価結果は△であった。
【0123】
〔比較例3〕
電極構造が異なること、および配向膜表面をラビングすることで垂直方向にわずかにプレチルトさせた配向を与えたこと以外、上述した本実施の形態の液晶表示装置と同様の構造の、従来の垂直配向型液晶表示装置に、前記の液晶3を適用して比較例3である液晶表示装置を製造した。比較例2の液晶表示装置の画素電極は、比較例1と同様、画素のサイズが0.7mm角のドットマトリクス構造を有する。画素内にスリットは設けられておらず、本実施の形態の液晶表示装置のようなサブ画素の形成は無い。パネル比抵抗は、1.1×1010Ωcmであった。
比較例2の垂直配向型の液晶表示装置を用い、液晶層を表示する基板面に静電気を印加したところ、帯電が解消されるまでの時間は1秒間以下であった。
【0124】
この比較例3の垂直配向型の液晶表示装置を用い、上述した表示ムラの評価を行った。
評価の結果、フレーム周波数25Hz、50Hz、100Hz、および150Hzの評価では評価結果は×であった。フレーム周波数200Hzの評価では評価結果は△であった。
【0125】
〔比較例4〕
電極構造が異なること、および配向膜表面をラビングすることで垂直方向にわずかにプレチルトさせた配向を与えたこと以外、上述した本実施の形態の液晶表示装置と同様構造の従来の垂直配向型液晶表示装置に、上記液晶1〜液晶3のベース液晶である液晶組成物を適用して比較例4である液晶表示装置を製造した。上述のように、このベース液晶は、ネマチック液晶からなり、液晶温度域が−40℃〜+102℃で、25℃での誘電率異方性(Δε)が−4.5で、25℃での屈折率異方性が0.180である液晶組成物である。TDAは添加されていない。
【0126】
比較例4の液晶表示装置の画素電極は、比較例1と同様、画素のサイズが0.39mm角のドットマトリクス構造を有する。画素内にスリットは設けられておらず、本実施の形態の液晶表示装置のようなサブ画素の形成は無い。パネル比抵抗は、4.4×1011Ωcmであった。
比較例4の垂直配向型の液晶表示装置を用い、液晶層を表示する基板面に静電気を印加したところ、帯電が解消されるまでの時間は200秒間であり、非常に解消時間が長かった。
【0127】
この比較例4の垂直配向型の液晶表示装置を用い、上述した表示ムラの評価を行った。
評価の結果、フレーム周波数25Hzの評価では評価結果は×であり、フレーム周波数50Hzの評価では評価結果は×であった。フレーム周波数100Hzの評価では評価結果は△であり、フレーム周波数150Hzと200Hzの評価においては、評価結果はいずれも○であった。
【0128】
以上の実施例1〜実勢例8および比較例1〜比較例4での評価結果から、本実施の形態の垂直配向型の液晶表示装置は、優れた帯電解消特性を有するとともに、特有の表示ムラが低減され、マルチプレックス駆動に好適であることがわかった。
【0129】
尚、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0130】
1、30、40、200 液晶表示装置
2、206 液晶層
3、34、44 液晶
4、5、36、37、201、202 基板
6、12、13、25、26、27、28、56、86、96、106、116 流動方向
10、15、20、50、60、70、80、90、100、110 画素
11 チルト方向
21、22、23、24、55、65、75、85、95、105、115 サブ画素
31、35、41、203、204 電極
32、54、54a、54b、54c、64、67、73、73a、73b、74、74a、74b、77、83a、83b、84a、84b、205 スリット
33 斜め電界
42 突起
51、61、71、81、91、101、111 前面電極
52、62、72、82、92、102、112 背面電極
93a、93b、94a、94b、103a、103b、104a、104b、113a、113b 平行スリット
207、208 偏光板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に電極の形成された一対の基板により液晶層を挟持するとともに、
前記液晶層は電圧無印加時に電極面にほぼ垂直に配向され、マルチプレックス駆動による電圧の印加によって、画素内の前記液晶層が前記基板と平行になるよう配向変化する液晶表示装置であって、
前記液晶層の比抵抗は、1×1010Ωcm〜2×1011Ωcmの範囲にあり、
前記電極に設けられた画素分割手段により、1つの前記画素が複数のサブ画素に分割され、前記画素分割手段を挟んで隣接する前記サブ画素間では、電圧印加時の前記液晶層の配向変化の方向が異なるよう構成されるとともに、
前記サブ画素の形成ピッチが50μm〜100μmの範囲内にあることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記画素分割手段による1つの画素の分割数は4以上であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記マルチプレックス駆動により発生する前記液晶層の液晶の流動方向が、前記画素分割手段を挟んで隣接する前記サブ画素間で異なるよう構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記マルチプレックス駆動により発生する前記液晶層の液晶の流動方向が、前記サブ画素内での前記液晶層の配向変化方向と等しいことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記画素分割手段は、前記電極に設けられたスリットおよび前記電極上に設けられた突起のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記基板一対の基板の前記液晶層を挟持する面と反対側の面にはそれぞれ偏光板が設けられ、前記偏光板のそれぞれの偏光軸は互いに直交するように配置されており、
前記スリットおよび前記突起は、前記画素内で直線状に伸びる形状を有し、
前記偏光板のいずれかの偏光軸と、前記スリットおよび前記突起の伸びる方向との間の角度が40度〜50度の範囲内にあることを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−128038(P2012−128038A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277491(P2010−277491)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000103747)京セラディスプレイ株式会社 (843)
【Fターム(参考)】