説明

清掃車の水再利用汚水処理装置

清掃車の汚水処理装置は、収集した汚水から汚泥を分離し、再利用可能な水を供給するために汚水をろ過する。本装置は、汚泥タンク(10)の内部の仕切りとして設けられた第1のフィルター(20)と、第1のフィルター(20)によってろ過された汚水をろ過するための第2のフィルター(30)と、第2のフィルター(30)を通過した汚水を汚泥タンク(10)の外部へと送るための第1の水ポンプ(40)と、第1の水ポンプ(40)によって送られた汚水を受け取り、フィルターユニット(60)にて汚水をろ過して再利用可能な水として処理後の水を生成するフィルタータンク(50)と、処理後の水を水タンク(80)へと送るための第2の水ポンプ(70)と、第2の水ポンプ(70)によって送られた処理後の水を受け取るための水タンク(80)と、を備えている。水タンク(80)は、汚泥タンク(10)の両側に配置され、連絡パイプによって水を分配することができるように構成された別個の水タンク(80a)および(80b)を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンホールまたは下水管を清掃するための真空吸引車に関し、さらに詳しくは、清掃車の水再利用汚水処理装置であって、汚泥を含む汚水をマンホールまたは下水管から吸引し、汚水を汚泥タンクに集め、集めた汚水から汚泥を分離し、汚水をろ過して清掃作業のために噴霧ポンプへと再利用可能な水を供給するようなやり方で、水の再利用を可能にする清掃車の水再利用汚水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電気または通信施設のためのマンホールや下水管などの設備は、腐食や異物の流入などに起因して、定期的な清掃を必要とする。マンホールや下水管を清掃するとき、従来の真空吸引車は、一般的に、高圧で水を噴霧し、清掃後に汚水を汚泥とともに吸い込む。
【0003】
従来の真空吸引車は、汚泥および塵埃を清掃するために高圧で噴霧される水を含んでいる水タンクと、汚泥および塵埃を含む汚水を集めるための汚泥タンクとに分割された2連のタンク、水タンクから高圧で水を噴霧するための高圧ポンプおよびノズル、ならびに汚泥および塵埃を含む汚水を吸い込むための吸引ポンプを備えている。
【0004】
上述のように、このような従来の清掃車を使用してマンホールまたは下水管を清掃するとき、水タンクの水が、清掃作業を実行するために高圧ポンプによってノズルを通じて噴霧され、清掃後に残る汚水が、吸引ポンプによって吸引されて、汚泥とともに汚泥タンクに集められる。
【0005】
ここで、汚泥タンクが汚水で一杯になると、次の清掃作業のために汚水を汚泥タンクから排出しなければならず、水タンクの水が無くなると、水を再び水タンクへと補給しなければならない。
【0006】
したがって、従来の清掃車は、清掃作業中に汚水の排出または水の補給のために別の場所へと移動しなければならないため、清掃作業の実行に長時間がかかるという欠点があり、汚泥および汚水を混合状態で汚泥タンク内に有するため、この混合物の処理にさらなるコストが必要であり、従来の清掃車の経済効率が損なわれるという欠点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来技術の問題に照らしてなされたものであり、本発明の目的は、清掃車の汚水処理装置であって、清掃によって生成されて装置へと吸引された汚水から汚泥を分離し、汚水をろ過して清掃のために再利用可能な水を供給することによって清掃効率を向上させるようなやり方で、水の効率的な再利用を可能にする清掃車の汚水処理装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、清掃車の汚水処理装置であって、装置の中央に配置された汚泥タンクと、汚泥タンクの周囲に配置された少なくとも1つの水タンクと、汚泥タンクから分離され、汚泥タンクのフィルターメッシュによってろ過された汚水を浄化するファイバーフィルターを備えているフィルタータンクと、を含む独立したタンクで構成され、より効率的な汚泥の分離および個々のタンクへの容量の割り当てならびに車両の搭載スペースの有効利用を可能にする清掃車の汚水処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、本発明の上記の目的および他の目的は、水タンクから高圧水を噴霧し、汚水および汚泥を真空吸引によって汚泥タンクに引き込むことによって、マンホールまたは下水管を清掃するための真空吸引車の汚水処理装置であって、汚泥タンクの内部の仕切りとして設けられ、汚泥タンクの吸引ポートを通じて汚泥タンクへと吸引された汚水から大きな体積を有するごみまたは異物をろ過する第1のフィルターと、汚泥タンクの排出ポートに配置され、第1のフィルターを通過した汚水の二次のろ過を行う第2のフィルターと、汚泥タンクから排出ポートを通じて外部へと汚水を送るための第1の水ポンプと、第1の水ポンプによって汚泥タンクから供給される汚水を受け取り、汚水から汚泥を分離するために、内部に配置された回転フィルターユニットを使用して汚水をろ過するフィルタータンクと、ろ過されて汚泥が除去された水をフィルタータンクを通じて送り、この水を水タンクへと供給するための第2の水ポンプと、を備える真空吸引車の汚水処理装置を提供することによって達成することができる。
【0010】
フィルターユニットは、フィルタータンクの外部に設けられ、時計方向または反時計方向の回転力を生成する動力発生器と、フィルタータンクの内部に設けられ、動力発生器の回転力を伝達する一方で、処理後の水を排出するための排出経路を定めている動力伝達部と、動力伝達部の排出経路に接続され、処理後の水を排出経路に沿ってフィルタータンクの外部へと排出するために案内する排出ホースと、動力伝達部からの回転力によって回転され、内部に定められた中空空間を有する回転継ぎ手部材と、内部に複数の水通過孔が形成された円筒形のフィルターバレルであって、処理後の水を排出経路へと流れるように案内するために回転継ぎ手部材の中空孔を通じて動力伝達部の排出経路へと接続される接続筒をフィルターバレルの一端から延伸させており、その他端においては閉じられているフィルターバレルと、フィルターバレルの一方の側の回転継ぎ手部材およびフィルターバレルの閉じられた他端のブラケットへと放射状に固定された複数のファイバーホルダーと、フィルターバレルの両側のファイバーホルダーの間に固定して接続された複数のファイバーフィルターと、片側において回転継ぎ手部材に、他方の側においてフィルターバレルの回転軸に接続され、フィルターユニットを保持しつつフィルターバレルの回転を保つ保持フレームと、保持フレームへと設けられた回転阻止部材およびブラケットに形成されたラッチ突起を含んでおり、一方向の回転を規制しつつ反対方向の回転を可能にする回転阻止機構と、を備えることができる。
【0011】
さらに、本装置は、フィルターユニットの初期動作の所定の時間、再利用可能な水を第2の水ポンプからフィルタータンクへと戻すために、第2の水ポンプと水タンクとの間に定められる再利用可能な水の経路を開閉するためのオン/オフバルブおよび第2の水ポンプとフィルタータンクとの間に定められる戻り経路を開閉するための戻りバルブをさらに備えることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、真空吸引車の汚水処理装置は、フィルターユニットおよび他のコンポーネントを使用し、水噴霧による清掃の後で収集される汚水をろ過することによって、汚水を清掃用の水として再利用することができ、少なくとも1つの水タンク、汚泥タンクおよびフィルタータンクを独立に設置することによって、車両の搭載スペースの効率的な使用が達成され、車両のサイズに対して水タンクおよび汚泥タンクの容量が最適化される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態による清掃車の水再利用汚水処理装置の図である。
【図2】本発明による装置の独立したタンクの構成を説明するブロック図である。
【図3】本発明による装置のフィルタータンクおよびフィルターユニットの構成を説明する図である。
【図4】本発明による装置のフィルターユニットの構造図である。
【図5】本発明によるフィルターユニットの回転阻止機構の図である。
【図6】本発明の別の実施形態による清掃車の水再利用汚水処理装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の典型的な実施形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態による清掃車の水再利用汚水処理装置の図である。
【0016】
本発明によれば、汚水処理装置は、高圧水を噴霧することによって清掃作業を実行し、清掃作業によって生じた汚水を収集するために、清掃車に搭載されている。本装置は、汚水吸引ホース11、12を通じて汚水を吸い込むために真空吸引装置(図示されていない)によって真空へと排気される汚泥タンク10と、吸い込んだ汚水の一次のろ過のために汚泥タンク10の内部に仕切りとして設けられた第1のフィルター20と、第1のフィルター10によってろ過された汚水の二次のろ過のための第2のフィルター30と、第2のフィルター30によってろ過された汚水を汚泥タンク10から外部へと送るための第1の水ポンプ40と、第1の水ポンプ40によって送られた汚水をフィルターユニット60を使用してろ過し、浄化された水を再利用可能な水として供給するフィルタータンク50と、汚泥をフィルタータンク50のファイバーフィルターによって汚水から分離できるように、吸引力を生成してフィルタータンク50のフィルターユニット60へと加えるとともに、浄化された水を送るための第2の水ポンプ70と、第2の水ポンプ70によって送られた浄化された水が供給される水タンク80と、を備えている。水タンク80から、清掃作業のために高圧ノズル(図示されていない)を通じて水が高圧で噴霧される。本発明による装置においては、コントローラーが、通常、モーター、バルブおよび他のコンポーネントを制御するために車両の運転室に配置される。ここで、コントローラーは、各コンポーネントの動作状態を検出するセンサーから送られる信号に応答して、これらのコンポーネントの動作を監視し、従来の真空吸引清掃車のコントローラーと同様な構成を有している。コントローラーは、動作を制御するためのプログラム接続および信号接続を備えている。コントローラーおよびプログラムの詳細な説明を、本明細書では省略する。
【0017】
汚泥タンク10は、車両へと搭載でき、真空吸引のやり方で汚水を集めるように構成されている典型的な汚泥タンクである。真空吸引のために、汚泥タンク10は、円筒形の本体を有しており、ハッチ10aと、吸引ホース(図示されていない)の移動を可能にするためにタンク10の上部に配置されたブーム13とを備えている。汚泥タンク10は、ブーム13へと着脱可能に接続される第1の吸引ホース11aと、ハッチ10aを通過するバルブ12へと着脱可能に接続される第2の吸引ホース11bとによって定められる汚水吸引経路を有している。図1において、参照符号10bは、高真空装置へと接続される真空吸引接続装置を示している。ここで、汚泥タンク10は、従来の清掃車の汚泥タンクと同一または同様であり、吸引ホース接続装置、ハッチ、真空吸引装置、ノズルなどの構成は、当分野において周知であるため、これらの詳細な説明は、本明細書においては省略する。本発明は、第1のフィルター20が仕切りとして設けられており、汚泥タンク10内の第1のフィルター20を通じてろ過された汚水の二次のろ過のために、第2のフィルター30が設けられているという特徴を有している。
【0018】
汚泥タンク10の第1および第2のフィルターによってろ過された後、汚水は、第1の水ポンプ40によってバルブ41を通じてフィルタータンク50に向かって送られる。第1の水ポンプ40によってバルブ51を通じてフィルタータンク50へと供給されたとき、汚水は、汚水から汚泥を分離して再利用可能な水を生成するために、フィルタータンク50の内部のフィルターユニット60によって浄化され、このようにして生成された再利用可能な水が、清掃用の水としての再利用のために、バルブ53を通じて第2の水ポンプ70へと供給される。参照符号52は、フィルタータンク50の内部の汚泥を排出するためのドレインバルブを示している。
【0019】
水タンク80は、ただ1つのタンクを備えても、あるいは図2に示されているように、汚泥タンク10の両側に配置されて連絡パイプ(図示されていない)によって互いに連絡した2つの別個のタンク80aおよび80bを備えてもよい。水タンク80は、水タンク80の外部から水を供給するための水供給装置、水を高圧で噴霧するための高圧ポンプ、高圧ノズルが取り付けられたホースなどを備えている。これらは、図面には示されていないが、従来の清掃車のものと同じ構成を有している。
【0020】
さらに、本装置は、フィルターユニットの初期段階の所定の時間、第2の水ポンプ70からの再利用可能な水をフィルタータンク50へと戻すために、第2の水ポンプ70と水タンク80との間に定められる再利用可能な水の経路を開閉するためのオン/オフバルブ72および第2の水ポンプ70とフィルタータンク50との間に定められる戻り経路を開閉するための戻りバルブ71を備えることができる。
【0021】
図3は、本発明による装置のフィルタータンクおよびフィルターユニットの構成を説明する図であり、図4は、本発明の装置のフィルターユニットの構造図であり、図5は、本発明によるフィルターユニットの回転阻止機構の図である。
【0022】
フィルタータンクにおいて、油圧モーター61が、動力発生ユニットとして設けられ、回転軸62bをケース62aへと回転可能に挿入して有している回り継ぎ手62が、動力伝達部として設けられ、回転カプラー62cが、回転接続部材として設けられている。
【0023】
具体的には、フィルターユニット60は、フィルタータンク50の外部に設けられ、時計方向または反時計方向の回転力を生成するためにブシュを通じてフィルタータンク50へと挿入された回転軸を有している油圧モーター61と、油圧モーター61からの回転力をフィルタータンク50の内部へと伝達するために油圧モーター61の回転軸に接続され、浄化された水が通過する中空空間を有する回転軸62bを備えており、この回転軸62bを、浄化された水の排出ポートを有しているケース62aへと回転可能に挿入してなる回り継ぎ手62と、回転力を伝達するために回り継ぎ手の回転軸62bへと接続され、内部に中空空間を有している回転カプラー62cと、複数の水通過孔が形成された円筒形のフィルターバレル63であって、回転カプラーの中空空間へと挿入される接続筒63aをフィルターバレル63の一端から延伸させるとともに、回転支持軸63bをその他端から延伸させており、前記接続筒63aが処理済みの水を通過させることができ、前記回転支持軸63bは、閉じられているフィルターバレル63と、フィルターバレル63の回転支持軸63bが挿入されるブラケット66dであって、複数のラッチ突起66cがブラケット66dの中心から所定の距離に円周状に形成されているブラケット66dと、それぞれ回転カプラー62cおよびブラケット66dへと放射状に固定された複数のファイバーホルダー66aおよび66bと、それぞれが両端においてフィルターバレルの両側に位置するファイバーホルダー66aおよび66bへとフックによって接続される複数のファイバーフィルター65と、回転カプラー62cおよび回転支持軸63へと接続され、回転カプラー62cおよび回転支持軸63を回転可能に支持しつつフィルターユニットを保持する保持フレーム67と、保持フレーム67へと固定され、ブラケット66dのラッチ突起66cとのラッチ挙動によって一方向のみの回転を可能にするために、一方向については、ばねによって畳まれ、反対方向については、ラッチされる回転阻止部材67aと、回り継ぎ手62のケース62aに形成された排出ポートに接続され、処理後の水をフィルタータンク50の外部のバルブ53を介して第2の水ポンプ70へと排出するために案内する排出ホース68と、を備えることができる。参照符号54は、空気安全バルブを指している。
【0024】
本発明の汚水処理装置を搭載した清掃車による清掃作業においては、水タンク80(80a、80b)を水で満たした後に、清掃車が、目標の位置へと移動し、高圧噴射装置(図示されていない)を使用して水タンク80からマンホールまたは下水管に向かって高圧の水を噴霧することによって、マンホールまたは下水管を清掃する。清掃の際に、汚泥タンク10が、汚水をブーム13へと接続された吸引ホース11aおよびハッチ10aへと接続された吸引ホース11bの一方または両方によって汚泥タンク10に集めることができるように、高真空装置(図示されていない)によって真空状態へと排気される。
【0025】
汚泥タンク10に集められた後に、汚水は、大きな体積を有するゴミまたは異物を汚水から分離する第1のフィルター20によってろ過され、次いで第2のフィルター30によって再びろ過される。このとき、第1の水ポンプ40を運転することで、第2のフィルター30によってろ過された汚水が、処理済みの水として汚泥タンク10からフィルタータンク50へと供給される。
【0026】
フィルタータンク50において、処理済みの水が、フィルターユニット60によって浄化されて、再利用可能な水が生成され、第2の水ポンプ70によって水タンク80へと送られる。ここで、第2のフィルター30が汚泥によって塞がれて、第1の水ポンプ40が処理済みの水を送ることができない場合には、処理済みの水を第1のポンプ40を使用して第2のフィルター30へと戻すことによって、汚泥を第2のフィルター30から取り除くことができる。
【0027】
フィルタータンク50のフィルターユニット60は、時計方向/反時計方向に回転することができ、かつフィルタータンクが処理済みの水で満たされたときに、より低速で回転することができる油圧モーター61を使用する。モーター61の回転力が、動力伝達部として機能する回り継ぎ手62の回転軸62bによって、回転カプラー62cを回転させるために伝達される。
【0028】
ファイバーホルダー66aは、それぞれのファイバーフィルター65の一方の側を保持するために回転カプラー62cへと固定されており、ファイバーフィルター65を回転させるために回転される。ファイバーフィルター65が回転するとき、回転力が、ファイバーフィルター65から、それぞれのファイバーフィルター65の他方の側を保持しているファイバーホルダー66bへと加えられる。したがって、ブラケット66dのラッチ突起66cが回転阻止部材67aによってラッチされているとき、ファイバーフィルター65の回転が制限され、このことが、フィルターユニットの一方向回転を助けるように機能する。
【0029】
換言すると、時計方向の回転によって、一方の側のファイバーホルダー66aが回転する一方で、反対側のファイバーホルダー66bは、回転阻止部材の規制により止められる。結果として、ファイバーフィルター65がきつくねじられる。このとき、油圧モーター61は、所定の負荷が加わるまで回転力を生成し、この所定の負荷を維持するように制御される。
【0030】
上述のとおり、モーター61を動作させてファイバーフィルター65を回転させてねじりつつ、第2の水ポンプ70が、浄化された水をフィルターバレル63へと送るために運転される。その結果、汚水が上述のとおり回転力によってねじられた状態のファイバーフィルター65を通過するとき、汚泥が汚水から分離され、ろ過された汚水が外バレル64およびフィルターバレル63の水通過孔を通過するとき、汚泥が汚水からさらに分離される。
【0031】
第2の水ポンプ70が、ファイバーフィルター65、外バレル64およびフィルターバレル63によって処理され、浄化された水を送るために駆動されるとき、浄化された水は、フィルターバレル63の接続筒63aを通じて回り継ぎ手62の回転軸62bへと吸い込まれ、排出水ホース78へと回転軸62bを通過し、最終的にバルブ53を介して第2の水ポンプ70を通過して外部へと送られる。
【0032】
ここで、動作の初期段階において、第2の水ポンプ70の出口パイプと水タンク80との間に配置されたバルブ72を閉じる一方で、水をフィルタータンク50へと戻すように機能する戻りバルブ71を開くことによって、水がフィルタータンク50へと戻される。すなわち、初期の段階においては、ファイバーフィルター65が所望の密度までねじられるよりも前に汚泥を含んでいる水が吸い込まれるため、典型的には1〜2分間、第2の水ポンプ70の処理後の水がフィルタータンク50へと戻される。
【0033】
上述のように、このような戻しモードの後の通常モードにおいて、戻りバルブ71が閉じられる一方で、バルブ72が開かれて、浄化された水は、水タンク80へと流入することができる。
【0034】
上述のとおりのプロセスにおいて、フィルタータンクなどを通じて、汚水が収集され、ろ過および処理され、最終的に水タンク80へと供給され、水タンク80から、浄化された水を清掃用の水として供給することができる。次いで、汚泥がファイバーフィルター64のファイバーの間に捕捉されることによって、水がうまく吸い込まれなくなった場合、すなわち第2の水ポンプ70が水を欠いて過負荷になった場合には、第2の水ポンプ70が止められ、モーター61が反時計方向に駆動される。
【0035】
その次に、モーター61の回転力は、回り継ぎ手62を介して回転カプラー62cへと伝達され、回転カプラー62cがファイバーホルダー66aを反時計方向に回転させるために回転され、それによって、ファイバーフィルター65のねじりが戻される。このとき、ファイバーフィルター65のねじりが戻されるので、フィルターバレルの反対側のファイバーホルダー66bに反時計方向のファイバーフィルター65の回転力が加わり、ファイバーホルダー66bが、ラッチ突起66cをそれぞれ回転阻止部材67aの斜めの平面に沿って滑らせつつ回転する。具体的には、ファイバーホルダー66bが反時計方向に回転されるとき、ばね(図示されていない)によって弾性的に支持されている回転阻止部材67aのそれぞれが、ラッチ突起66cをそれぞれの回転阻止部材67aの斜めの平面に沿って滑らせつつ回転させることを可能にし、したがって、ラッチ突起66cの時計方向の回転が規制される一方で、その反時計方向の回転は、許される。
【0036】
したがって、ファイバーフィルター65が片側のファイバーホルダー66aの回転力によって回転され、ねじりが戻されるとき、反対側のファイバーホルダー66bも、ファイバーフィルター65を介してファイバーホルダー66bへと伝達される回転力によって回転され、したがって反時計方向の回転中に、ファイバーフィルター65がねじられることはない。
【0037】
このやり方で、反時計方向の回転によってファイバーフィルター65のねじりを戻すことで、ファイバーの間に捕捉されていた汚泥が、ファイバーから分離される。その次に、本装置は、モーターを時計方向に回転させるときの初期段階の戻しモードで運転された後に、通常モードで運転される。
【0038】
ここで、フィルタータンク50の底部に溜まった汚泥を、ドレインバルブ52を開くことによって取り除くことができる。さらに、汚泥タンク10の内部に蓄積した汚泥および異物を、汚泥タンク10を開いて、汚泥タンク10を傾けることによって取り除くことができる。
【0039】
図6は、本発明の別の実施形態による汚水処理装置を示している。この実施形態の装置は、スクリーンフィルターの形状を有する第3のフィルター45が第1の水ポンプ40とフィルターユニット50との間に配置されている点で、図1の装置と相違している。この実施形態の他の構成は、上記の実施形態の構成と同じであり、以下での説明は、省略する。
【0040】
本発明を、実施形態および添付の図面を参照して説明したが、本発明は、これらの実施形態および図面に限定されない。当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明の技術的思想および技術的範囲から逸脱することなく、種々の変形および変更を行うことができることを、理解すべきである。
【符号の説明】
【0041】
10 汚泥タンク、10a ハッチ、10b 真空吸引接続装置、11a 第1の吸引ホース、11b 第2の吸引ホース、12、41、51、53 バルブ、13 ブーム、20 第1のフィルター、30 第2のフィルター、40 第1の水ポンプ、45 第3のフィルター、50 フィルタータンク、52 ドレインバルブ、54 空気安全バルブ、60 フィルターユニット、61 油圧モーター、62 回り継ぎ手、62a 静止部材、62b 回転軸、62c 回転カプラー、63 フィルターバレル、63a 接続筒、63b 回転支持軸、64 外バレル、65 ファイバーフィルター、66a、66b ファイバーホルダー、66c ラッチ突起、66d ブラケット、67 保持フレーム、67a 回転阻止部材、70 第2の水ポンプ、71 戻りバルブ、72 オン/オフバルブ、80、80a、80b 水タンク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃車に搭載され、高圧水を噴霧することによって清掃作業を実行し、清掃作業によって生じた汚水を収集する汚水処理装置であって、
汚水吸引ホース11、12を通じて汚水を吸い込むために真空吸引装置によって真空へと排気される汚泥タンク10と、
吸い込んだ汚水の一次のろ過のために汚泥タンク10の内部の仕切りとして設けられた第1のフィルター20と、
第1のフィルター20によってろ過された汚水の二次のろ過のための第2のフィルター30と、
第2のフィルター30によってろ過された汚水を汚泥タンク10から外部へと送るための第1の水ポンプ40と、
第1の水ポンプ40によって送られた汚水をフィルターユニット60を使用してろ過し、浄化された水を再利用可能な水として供給するフィルタータンク50と、
汚泥をフィルタータンク50のファイバーフィルターによって汚水から分離できるように、吸引力を生成してフィルタータンク50のフィルターユニット60へと加えるとともに、浄化後の水を送るための第2の水ポンプ70と、
第2の水ポンプ70によって送られた浄化後の水が供給される水タンク80と、
を備えており、水タンク80から、清掃作業のために高圧ノズルを通じて水が高圧で噴霧される汚水処理装置。
【請求項2】
水タンク80は、汚泥タンク10の両側に配置されて連絡パイプによって互いに連絡した2つの別個の水タンク80aおよび80bを備えている、請求項1に記載の前記装置。
【請求項3】
フィルターユニット60は、
フィルタータンク50の外部に設けられ、時計方向または反時計方向の回転力を生成するためにブシュを通じてフィルタータンク50へと挿入された回転軸を有している油圧モーター61と、
油圧モーター61の回転力をフィルタータンク50の内部へと伝達するために油圧モーター61の回転軸に接続され、浄化後の水が通過する中空空間を有する回転軸62bを備えており、この回転軸62bを、浄化後の水の排出ポートを有している静止部材62aへと回転可能に挿入してなる回り継ぎ手62と、
回転力を伝達するために回り継ぎ手の回転軸62bへと接続され、内部に中空空間が形成されている回転カプラー62cと、
複数の水通過孔が形成された円筒形のフィルターバレル63であって、回転カプラーの中空空間へと挿入される接続筒63aをフィルターバレル63の一端から延伸させるとともに、回転支持軸63bを他端から延伸させており、前記接続筒63aが処理済みの水を通過させることができ、前記回転支持軸63bが閉じられている円筒形のフィルターバレル63と、
フィルターバレル63の回転支持軸63bが挿入されるブラケット66dであって、複数のラッチ突起66cがブラケット66dの中心から所定の距離に円周状に形成されている前記ブラケット66dと、
それぞれ回転カプラー62cおよびブラケット66dへと放射状に固定された複数のファイバーホルダー66aおよび66bと、
それぞれが両端においてフィルターバレルの両側に位置するファイバーホルダー66aおよび66bへとフックによって接続される複数のファイバーフィルター65と、
回転カプラー62cおよび回転支持軸63へと接続され、回転カプラー62cおよび回転支持軸63を回転可能に支持しつつフィルターユニットを保持する保持フレーム67と、
保持フレーム67へと固定され、ブラケット66dのラッチ突起66cとのラッチ挙動によって一方向のみの回転を可能にするために、一方向については、ばねによって畳まれ、反対方向については、ラッチされる回転阻止部材67aと、
回り継ぎ手62の静止部材62aに形成された排出ポートに接続され、処理後の水をフィルタータンク50の外部のバルブを介して第2の水ポンプ70へと排出するために案内する排出ホース68と、
を備えている、請求項1に記載の前記装置。
【請求項4】
第2の水ポンプ70と水タンク80との間に定められる再利用可能な水の経路を開閉するためのオン/オフバルブ72と、
第2の水ポンプ70とフィルタータンク50との間に定められる戻り経路を開閉するための戻りバルブ71と、
をさらに備えており、処理後の水を第2の水ポンプ70からフィルタータンク50へと戻す、請求項1に記載の前記装置。
【請求項5】
第1の水ポンプ40とフィルターユニット50との間の第3のフィルター45
をさらに備えている、請求項1に記載の前記装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−501329(P2010−501329A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525479(P2009−525479)
【出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【国際出願番号】PCT/KR2007/002965
【国際公開番号】WO2008/023884
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(509050591)シーリー カンパニー リミテッド (1)
【出願人】(509049872)コリア エレクトリック パワー コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】