温度制御装置
【課題】定着ローラが過昇温する前にヒータへの電力供給を停止する。
【解決手段】周期タイマ8からタイマ出力があると、検出温度と目標温度を比較し、検出温度が目標温度より高い場合は、出力ポート10にポートP2をオフするライトアクセスを行い、他方、検出温度が目標温度より低い場合は、出力ポート10にポートP2をオンするライトアクセスを行う。既に出力ポートP2がHとなっているときに、検出温度が目標温度より低かった場合も、出力ポート10に対してポートP2をオンするライトアクセスが行われる。監視タイマ11の異常検出により、マイクロコンピュータ6の動作に異常があることを検出できる。
【解決手段】周期タイマ8からタイマ出力があると、検出温度と目標温度を比較し、検出温度が目標温度より高い場合は、出力ポート10にポートP2をオフするライトアクセスを行い、他方、検出温度が目標温度より低い場合は、出力ポート10にポートP2をオンするライトアクセスを行う。既に出力ポートP2がHとなっているときに、検出温度が目標温度より低かった場合も、出力ポート10に対してポートP2をオンするライトアクセスが行われる。監視タイマ11の異常検出により、マイクロコンピュータ6の動作に異常があることを検出できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱手段の温度を制御する温度制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、複写機等の乾式電子写真装置は、感光ドラム上に形成されたトナー像が転写器により転写紙上に転写され、この転写紙上のトナー像が、熱定着器により転写紙上に熱定着される。このような熱定着器に組み込まれた定着ローラには、ヒータが内蔵され、このヒータにより定着ローラが加熱され、定着ローラ表面の温度が一定になるよう温度制御される。
【0003】
このような定着器の温度制御装置としては、例えば、図10ないし図12に示すような温度制御装置が知られている。
【0004】
まず、図10の温度制御装置を説明する。定着ローラ101のヒータ102には、交流電源103がスイッチング回路104を通して接続されている。定着ローラ101の表面温度はサーミスタ105により温度に応じた電圧値を有する出力信号aに変換され、マイクロコンピュータ106の入力ポートP0に入力され、A/D変換される。マイクロコンピュータ106は検出温度が目標温度より低い場合は、スイッチング回路104に対してオンを意味するHを出力ポートP1(信号b)に出力し、検出温度が目標温度より高い場合は、オフを意味するLを出力ポートP1(信号b)に出力する。
【0005】
交流電源103とヒータ102の間には、サーモスイッチ107が接続されている。サーモスイッチ107は、電気的ノイズ等によるマイコンの暴走やソフトウェアのバグにより、マイクロコンピュータ106がスイッチング回路104のオン・オフをコントロールする出力ポートP1をオンし続けた場合に、スイッチング回路104がオンし続けて、定着ローラ101の温度が過昇温したときに働いて、定着ローラ101への電力供給を遮断するようになっている。
【0006】
ついで、図11の温度制御装置を説明する。定着ローラ101のヒータ102には、交流電源103がスイッチング回路104を通して接続されている。定着ローラ101の表面温度はサーミスタ105により、温度に応じた電圧値を有する出力信号aに変換され、マイクロコンピュータ116の入力ポートP0に入力され、A/D変換される。マイクロコンピュータ116の出力ポートP1をコントロールするレジスタ1167のビット3がヒータ102のオン/オフのために割り当てられている。マイクロコンピュータ116は、入力ポートP0に入力された信号aを温度に換算した検出温度が目標温度より低い場合は、レジスタ1167のビット3にヒータオンを意味する例えば1を書くことにより、スイッチング回路104に対してオンを意味するHを、出力ポートP1(信号b)に出力し、他方、検出温度が目標温度より高い場合は、レジスタ1167のビット3にヒータオフを意味する0を書くことにより、出力ポートP1(信号b)にオフを意味するLを出力する。
【0007】
レジスタ1167のビット3以外のビットには、他の入出力ポートのコントロールのために割り当てられている。また、交流電源103とヒータ102の間には、定着ローラ101の過昇温時にヒータ102の電力供給を遮断するサーモスイッチ107が接続されている。
【0008】
次に、図12の温度制御装置を説明する。この温度制御装置は、図11の温度制御装置と異なり、ヒータオンオフを意味する1と0を書き込むレジスタ1207を、マイクロコンピュータ126の外部のIC120内に設け、レジスタ1207に、マイクロコンピュータ126のアドレスバス、データバス、コントロール信号等が接続されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図10の温度制御装置では、本来過昇温時に動作するはずのサーモスイッチ107が、定着ローラ101が過昇温しても速やかに動作しないことがあった。例えば、朝一番に、定着ローラ101の温度が室温から過昇温するような場合には、サーモスイッチ107の温度が上がるまでに時間がかかるため、サーモスイッチ107が動作する前に、過昇温に起因して定着ローラ101や定着ローラ101のブッシュが破損してしまうことがあった。
【0010】
このような問題点を解決する方法としては、例えば、特開平4−136881号に記載の方法が知られている。この方法によれば、ヒータへの通電が周期的に一定時間強制的にオフにされ、しかも、ヒータのオン・オフ状態検知手段により検知されたヒータのオン状態が一定時間以上続いた場合には、ヒータへの通電が遮断される。
【0011】
しかし、このような方法では、異常と判断されて、ヒータへの通電が遮断された場合に、故障がSSR等のスイッチング回路で起こったのか、マイクロプロセッサの動作異常で起こったのかを判断することができなかった。
【0012】
また、定着ローラの温度が低い場合でも、ヒータへの電力供給のオフ・オンが周期的に行われるため、通電、遮断時にヒータへ流れる電流の断続に応じてAC電源電圧が変動するという問題があった。
【0013】
他方で、図11の温度制御装置では、レジスタ1167のビット3に1を書き込むだけで、ヒータ102がオンされるので、マイクロコンピュータ116のプログラムの単純なバグや、ノイズ等による誤動作でヒータがオンにされてしまう可能性があった。
【0014】
また、レジスタ1167のビット3以外のビットが他の入出力ポートに割り当てられていて、ヒータ102のオン/オフ以外の目的でも頻繁にレジスタ1167がアクセスされているため、ヒータオン/オフ以外の目的でレジスタ1167がアクセスされた際に電気的ノイズ等に起因してビット反転が発生し、不必要にヒータ102がオンされるおそれがあった。
【0015】
このような場合、図10の温度制御装置と同様に、本来過昇温時に動作するはずのサーモスイッチ107が、定着ローラが過昇温しても速やかに動作しないことがあった。例えば、朝一番に、定着ローラ101の温度が室温から過昇温するような場合には、サーモスイッチ107の温度が上がるまでに時間がかかるため、サーモスイッチ107が動作する前に、過昇温に起因して定着ローラ101や定着ローラ101のブッシュが破損してしまうことがあった。
【0016】
つぎに、図12の温度制御装置では、マイクロコンピュータ126の外部にIC120を設け、IC120に、マイクロコンピュータ126のアドレスバス、データバス、コントロール信号等を接続して、マイクロコンピュータ126がIC120内のレジスタ1207に書き込むようにしたので、ヒータ102のオン/オフをコントロールしようとした場合に、これらのバスやコントロール信号に電気的ノイズが作用することがあった。
【0017】
マイクロコンピュータ126が他のアドレスへの書き込みアクセスを行なおうとした際に、このような電気的ノイズに起因して、アドレスの一部が反転し、IC120がレジスタ7への書き込みと誤って認識してしまうことがあった。
【0018】
この誤認識により、ヒータ102がオンされたり、レジスタ1207に配置された他の機能に割り振られたビットを書き換えるためのアクセスが行われ、ヒータオン/オフのためのビット3が電気的ノイズで反転してしまい、ヒータ102を不必要にオンしてしまうおそれがあった。
【0019】
本発明の第1の目的は、上記のような問題点を解決し、定着ローラが過昇温する前にヒータへの電力供給を停止することができる温度制御装置を提供することにある。
【0020】
本発明の第2の目的は、上記のような問題点を解決し、ヒータの連続通電が必要な場合でも余分なヒータのオフ・オンを行うことなく、温度制御装置の故障を検出することができる温度制御装置を提供することにある。
【0021】
本発明の第3の目的は、上記のような問題点を解決し、電気的ノイズに起因する誤動作を防止することができる温度制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、加熱手段の温度を検出する温度検出手段と、該温度検出手段により検出された温度が目標温度より低い場合に、オンを指示し、前記検出された温度が目標温度より高い場合に、オフを指示する指示手段と、第1ないし第n(≧2)レジスタと、前記第1レジスタに、前記指示手段によりオンが指示された場合に第1の所定値をセットし、オフが指示された場合に第2の所定値をセットする第1セット手段と、第1セット手段が第1レジスタに第1の所定値をセットするのに先立って、前記第2ないし第nレジスタに、それぞれ、前記指示手段によりオンが指示されるたびに第3ないし第n+1の所定値をセットする第2セット手段と、前記第2ないし第nレジスタのそれぞれの内容がそれぞれ前記第3ないし第n+1の所定値と同じかどうかを判断して同じ場合に加熱手段オン許可状態と判定する判定手段と、該判定手段により加熱手段オン許可状態と判定された状態で、前記第1レジスタに前記第1の所定値がセットされた場合、前記加熱手段への電力供給をオンし、前記第1レジスタに前記第1セット手段が第2の所定値をセットした場合に前記加熱手段への電力供給をオフするオンオフ手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、上記のように構成したので、定着ローラが過昇温する前にヒータへの電力供給を停止することができる。
【0024】
また、本発明によれば、上記のように構成したので、ヒータの連続通電が必要な場合でも余分なヒータのオフ・オンを行うことなく、温度制御装置の故障を検出することができる。
【0025】
さらに、本発明によれば、上記のように構成したので、電気的ノイズに起因する誤動作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】マイクロコンピュータ6にストアされるプログラムの一例を示すフローチャートである。
【図3】温度制御動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】異常信号をラッチ可能な回路例を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図6】マイクロコンピュータ56にストアされるプログラムの一例を示すフローチャートである。
【図7】温度制御動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】フリッカ防止可能な回路例を示すブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態を示すブロック図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態を示すブロック図である。
【図11】従来の温度制御装置の一例を示すブロック図である。
【図12】従来の温度制御装置の別の例を示すブロック図である。
【図13】従来の温度制御装置の他の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
図1は本発明の第1の実施の形態を示す。図1において、2は定着ローラ1に内蔵されたヒータであり、スイッチング回路4を通して交流電源3に接続されている。5は定着ローラ1に接触させたサーミスタであり、温度を検出するものであり、サーミスタ5からの温度に応じた電圧信号aがマイクロコンピュータ6の入力ポートP0に入力されている。7はサーモスイッチであって、交流電源3とヒータ2の間に接続してあり、定着ローラ1の過昇温時にヒータ2の電源供給を遮断するものである。8は周期タイマであり、周期タイマ8からのタイマ入力bがマイクロコンピュータ6の入力ポートP1に入力されている。マイクロコンピュータ6はタイマ入力周期で温度の制御を行う。
【0028】
スイッチング回路制御部9には、出力ポート10と、監視タイマ11と、ANDゲート12が含まれている。マイクロコンピュータ6からのバスおよびコントロール信号は、スイッチング回路制御部9の出力ポート10に入力され、マイクロコンピュータ6は出力ポート10にアクセスしてヒータ2のオン・オフを制御する。出力ポート10はマイクロコンピュータ6がポートP2をオン・オフするためのライトアクセスすることで、スイッチング回路4を制御するための信号cをオン(H)もしくはオフ(L)にコントロールできる。監視タイマ11はマイクロコンピュータ6からの出力ポート10へのアクセスを監視し、異常検出時にLとなる異常信号dを出力する。そして、出力ポート10の出力信号cと監視タイマの異常信号dがANDゲート12でANDされ、結果として監視タイマで異常が検出された場合、スイッチング回路4に接続される制御信号eはLとなる。
【0029】
マイクロコンピュータ6、周期タイマ8、スイッチング回路制御部9がエンジンボードに配置してあり、交流電源3、スイッチング回路4が電源ボードに配置してある。
【0030】
次に、温度制御動作を説明する。マイクロコンピュータ6は周期タイマ8からのタイマ出力bが入力ポートP0に入力された場合、サーミスタ5の出力する電圧信号aをA/D変換し温度に変換し、この検出温度を目標温度と比較し、検出温度が目標温度より高かった場合、出力ポート10に対してポートP2をオフするライトアクセスを行い、他方、検出温度が目標温度より低かった場合、出力ポート10に対してポートP2をオンするライトアクセスを行う。
【0031】
マイクロコンピュータ6は連続してヒータオンが必要な場合でも、周期タイマ8のタイマ出力bがあった場合、毎回、出力ポート10に対してポートP2をオンするライトアクセスを行うようにプログラムされている。
【0032】
監視タイマ11は出力ポート10がオンされている間、時間計測を行い、出力ポート10に対して、再度、ポートP2をオンにするライトアクセスもしくはポートP2をオフにするライトアクセスがあった場合、時間をリセットする。監視タイマ11は出力ポートがオンされている場合、あらかじめ設定した時間以上ポートP2を再度オンするライトアクセスもしくはポートP2をオフするライトアクセスが無い場合、異常信号を出力する。この設定時間は周期タイマ8の周期時間より長く設定されている。
【0033】
監視タイマ11から出力された異常信号dは異常検出時にLとなり、ANDゲート10に入力され、異常検出時にはANDゲート10の出力eがLにされるため、スイッチング回路4はオフされる。
【0034】
図2はマイクロコンピュータ6にストアされるプログラムの一例を示すフローチャートである。温度制御が必要になると、S0にて、周期タイマ8からのタイマ出力(P1:信号b)を待ち、そして、タイマ出力があると、S1にて、サーミスタ5からの電圧信号aを温度に換算した検出温度と目標温度を比較する。検出温度が目標温度より高い場合は、S5にて、出力ポート10にポートP2をオフするライトアクセスを行い、その後、S0に戻り、次のタイマ出力を待つ。他方、S1にて、検出温度が目標温度より低い場合は、出力ポート10にポートP2をオンするライトアクセスを行い、その後、S0に戻る。
【0035】
既に出力ポートP2がHとなっているときに、検出温度が目標温度より低かった場合も、S2の処理で出力ポート10に対してポートP2をオンするライトアクセスが行われるため、マイクロコンピュータ6の動作に異常がなければ、ポートP2に対するライトアクセスが必ず周期的に行われ、監視タイマ11が異常検出することはない。
【0036】
よって、監視タイマ11の異常検出により、マイクロコンピュータ6の動作に異常があることを検出できる。
【0037】
次に、温度制御動作を図3のタイミングチャートを参照して説明する。周期タイマ8のタイマ出力bは一定の周期でタイマパルスを出力している。マイクロコンピュータ6は周期タイマのタイマ出力bが入ると、サーミスタ5により検出された検出温度と目標温度を比較する。検出温度が目標温度より高かった場合、スイッチング回路4に対するポートP2(信号c)をLとするためのライトアクセスを行い、ヒータ2への通電は行なわない。
【0038】
他方、周期タイマ8からのタイマ出力bが入力された時点で検出温度が目標温度よりも低かった場合、マイクロコンピュータ6はスイッチング回路4に対する出力ポートP2(信号c)をHにするためのライトアクセスを行う。
【0039】
次の周期タイマ8のタイマ出力が入力された時点でも、検出温度が目標温度に達しない場合、マイクロコンピュータ6はスイッチング回路4への制御信号cが既にHになっていたとしても、再度Hにするためのライトアクセスを行う。
【0040】
マイクロコンピュータ6および周期タイマ8が正常に動作している場合、連続したヒータオンが必要な場合も、図3のように、出力ポートP2に対してライトアクセスが周期タイマ8の周期ごとに行われることになる。すなわち、このようなライトアクセスが存在することが、周期的な温度制御が正常に行なわれていることを示している。
【0041】
他方、マイクロコンピュータ6の動作等に異常がある場合、信号c’のように出力ポート10がHを出力している間に周期的なライトアクセスが行われず、監視タイマ11から異常信号d’が出力されて、マイクロコンピュータ6の動作に何らかの異常が発生したことが検出される。
【0042】
異常が検出され、異常検出信号が出力された際には、図4のように、その信号をラッチ13によりラッチすることにより、再度、ヒータオンとなることがないようにすることができる。
【0043】
また、温度制御系のマイクロコンピュータ6の動作が異常となった場合は、そのマイクロコンピュータ6によって制御される全てのデバイスが異常な制御をされる可能性があり、そのままマイクロコンピュータ6に動作を継続させることは好ましくない。そこで、温度制御異常が検出された際にはマイクロコンピュータ6をリセットすることが望ましい。そして、そのような場合には、マイクロコンピュータ6をリセットして再起動がかかった後に、再度、異常動作を行ない、温度制御対象の温度が高いにも関わらずヒータ2をオンしてしまうことがないよう、マイクロコンピュータ6はリセットするものの、ラッチされた異常検出信号はリセットせず保持しつづけることにより、ヒータ2への通電を遮断しつづけることが可能である。
【0044】
以上、ヒータへの通電を遮断する方法として、スイッチング回路4への制御信号をマスクする方法を説明したが、遮断リレーを電源とリレーの間に設け、異常検出信号によりヒータへの給電を遮断してもよい。
【0045】
本実施の形態では、各機能ブロックごとに分けて説明したが、例えば、周期タイマ8はマイクロコンピュータ6に内蔵するようにしてもよいし、監視タイマ11をマイクロコンピュータ6に内蔵することができる。
【0046】
また、周期タイマ8や監視タイマ11、出力ポートP2等を含んだICを構成することもできる。
【0047】
なお、ヒータ2は誘導コイルと電磁誘導加熱部材とを有するヒータであってもよい。
【0048】
また、温度検出手段として、接触式温度センサであるサーミスタ5を用いた例を説明したが、これに代えて、サーミスタ5を内蔵した非接触式温度センサを用いてもよい。
【0049】
<第2の実施の形態>
図5は本発明の第2の実施の形態を示す。本実施の形態は第1の実施の形態との比較でいえば、異常検出方法が異なる。すなわち、第1の実施の形態では、監視タイマ11は出力ポート10がオンされている場合、あらかじめ設定された時間以上ポートP2を再度オンするライトアクセスもしくはポートP2をオフするライトアクセスが無い場合、異常信号を出力するようにした。
【0050】
これに対して、本実施の形態では、マイクロコンピュータ56は周期タイマ8からのタイマ出力bが入力ポートP1に入った場合、サーミスタ5の出力する電圧信号aをA/D変換し、温度に変換した後、目標温度と比較し、スイッチング回路4をオン・オフする制御信号fを出力ポートP2から出力する。監視タイマ511は制御信号fがスイッチング回路4のオンを表わすHの間、時間計測を行い、制御信号fがスイッチング回路4のオフを表わすLの間は、リセットされている。監視タイマ511は制御信号fがあらかじめ設定された時間以上Hの状態が続いた場合、異常信号dを出力する。この設定時間は周期タイマ8の周期時間より長く設定されている。監視タイマ511から出力された異常信号dは異常検出時にLとなり、ANDゲート10に入力され、異常検出時にはヒータオン信号がマスクされるため、ヒータオフとなる。
【0051】
第2の実施の形態では、マイクロコンピュータ56、周期タイマ8、監視タイマ511がエンジンボードに配置してあり、交流電源3、スイッチング回路4、ANDゲート10が電源ボードに配置してある。
【0052】
図6はマイクロコンピュータ56にストアされるプログラムの一例を示すフローチャートである。温度制御が必要になると、S60にて、周期タイマ8からポートP1へのタイマ出力bを待ち、タイマ入力があると、S61にて、サーミスタ5からの電圧信号aを温度に換算した検出温度と目標温度を比較し、検出温度が目標温度より高い場合は、S65にて、出力ポートP2にヒータオフを意味するL(制御信号f)を出力して、S60に戻り、次のタイマ入力を待つ。他方、S61にて、検出温度が目標温度より低い場合は、S62にて、一旦、出力ポートP2にヒータオフを意味する信号L(制御信号f)を送出し、S63にて、所定の微小時間(例えば100ns)待った後、S64にて、出力ポートP2にヒータオンを意味する信号H(制御信号f)を送出し、S60に戻る。
【0053】
よって、既に出力ポートP2がHとなっている時に、検出温度が目標温度より低かった場合もS62〜S64の処理で、出力ポートP2が一旦LにされてからHにされるため、マイクロコンピュータ56の動作や出力ポートP2等に異常がなければ、制御信号fは必ず周期的にLとなり、監視タイマ511が異常検出することはない。
【0054】
よって、監視タイマ511の異常検出により、マイクロコンピュータ56の異常や出力ポートP2、あるいは出力ポートP2によりドライブされる制御信号fの異常を検出することができる。
【0055】
なお、本実施の形態では、監視タイマ511をエンジンボード上に配置した例を説明したが、エンジンボードに代えて、電源ボード上に配置することもできる。
【0056】
次に、図7を参照して動作を説明する。周期タイマ8はタイマ出力bを一定の周期(例えば200ms)で出力している(図7(b))。マイクロコンピュータ56は周期タイマ8のタイマ出力bが入力されると、サーミスタ5により検出された温度(図7(a))と目標温度を比較し、検出温度が目標温度より高かった場合、スイッチング回路4に対する制御信号fをLとし、ヒータ2への通電を行なわない。
【0057】
周期タイマ8からのタイマ出力bが入力された時点で、検出温度が目標温度よりも低かった場合、マイクロコンピュータ56はスイッチング回路4への制御信号fを一旦Lにした後にHにする(図7(c))。次の周期タイマ8のタイマ出力bが入力された時点でも、検出温度が目標温度に達しない場合、再度、マイクロコンピュータ56はスイッチング回路4への制御信号fを−旦Lにした後にHにする(図7(c))。
【0058】
よって、マイクロコンピュータ56、出力ポートP2、タイマ、制御信号等が正常な場合、制御信号fは連続したヒータオンが必要な場合も、図7のように微少なパルス幅のLパルスを制御周期ごとに持つこととなる。すなわち、このようなLパルスが存在することが、周期的な温度制御が正常に行なわれていることを示している。
【0059】
これに対して、異常がある場合、制御信号fのようにHが一定の時間以上続いてしまい(図7(e))、監視タイマ9から異常信号が出力され(図7(f))、監視タイマ511により、何らかの異常が発生したことが検出される。
【0060】
本実施の形態においては、スイッチング回路4の制御信号fを連続的にHにしたい場合でも、周期的にLを挟むことでマイクロコンピュータ56等の異常を検出するようにしている。しかし、周期的に挟まれるLによりスイッチング回路4を周期的にオフ−オンすると、フリッカ等の弊害が生ずる可能性がある。
【0061】
そこで、図8に示すように、異常検出時に監視タイマ511から出力される異常検出信号をラッチ813によりラッチし、ANDゲート812によりラッチ813によりラッチされている信号と、マイクロコンピュータ56からの制御信号fをANDし、ANDゲート812の出力をフィルタ814を介してスイッチング回路4に出力するようにした。
【0062】
このように、異常信号dをラッチすることにより再度ヒータオンとなることがなく、また、ANDゲート812の出力をフィルタ814を介してスイッチング回路4に出力するようにしたので、スイッチング回路4は微少時間のLパルスに応答しないことになる。
【0063】
さらに、温度制御系が異常となった場合は、その制御を行なうマイクロコンピュータ56が異常になった可能性があり、そのままマイクロコンピュータ56に動作を継続させることは好ましくない。
【0064】
その場合は、温度制御異常が検出された際にはマイクロコンピュータ56をリセットすることが望ましい。そして、マイクロコンピュータ56をリセットして再起動がかかった後に、再度、異常動作を行ない、温度制御対象の温度が高いにも関わらずヒータをオンしてしまうことがないよう、マイクロコンピュータ56はリセットするものの、ラッチされた異常検出信号はリセットせず保持しつづけることにより、ヒータへの通電を遮断しつづけることが可能である。
【0065】
スイッチング回路4への制御信号をマスクして、ヒータへの通電を遮断するようにしたが、遮断リレーを電源とリレーの間に設け、異常検出信号によりヒータへの給電を遮断するようにしてもよい。
【0066】
本実施の形態では、各機能ブロックごとに分けた例を説明したが、例えば、マイクロコンピュータ56に周期タイマ8を内蔵するようにしてもよいし、さらに、監視タイマ9を内蔵するようにしてもよい。また、周期タイマ8や監視タイマ9、出力ポートP2等を含んだICを構成することもできる。
【0067】
<第3の実施の形態>
図9は本発明の第3の実施の形態を示す。本実施の形態は第1の実施の形態との比較でいえば、温度制御方法が異なる。すなわち、第1の実施の形態では、監視タイマ11は出力ポート10がオンされている場合、あらかじめ設定された時間以上ポートP2を再度オンするライトアクセスもしくはポートP2をオフするライトアクセスがない場合、異常信号を出力するようにした。
【0068】
これに対して、本実施の形態では、マイクロコンピュータ96はヒータプロテクトレジスタ961とヒータON/OFFレジスタ962を有する。ヒータプロテクトレジスタ961の最下位ビット(LSB)にマイクロコンピュータ96により1が書き込まれると、ヒータON許可状態になる。ヒータオン許可状態で、ヒータON/OFFレジスタ962のLSBにマイクロコンピュータ96により1が書き込まれると、マイクロコンピュータ96の出力ポートP2(信号g)がヒータONを表すHとなり、その結果、スイッチング回路4がオンとなり、ヒータ2に電力が供給される。
【0069】
マイクロコンピュータ96はヒータ2の温度制御が必要になると、周期的に入力ポートP0に入力された電圧信号aを温度に換算し、検出温度が目標温度より低い場合はヒータ2をオンにし、検出温度が目標温度より高い場合はヒータ2をオフにする。
【0070】
このように、本実施の形態では、ヒータ2をオンにする際には、ヒータプロテクトレジスタ961に所定値を書き込み、ヒータオン許可状態にした後、ヒータON/OFFレジスタ962に所定値を書き込むようにしたので、単一レジスタでヒータのオン/オフをコントロールをする従来例に比べて、マイクロコンピュータ96が誤動作した際に誤ってヒータ2をオンにする可能性が低くなり、誤動作を軽減することができる。
【0071】
なお、ヒータ2をオフにする際には、ヒータプロテクトレジスタ961とヒータON/OFFレジスタ962のLSBに所定値を書き込むヒータオンの場合と異なり、ヒータON/OFFレジスタ962の最下位ビットLSBに0を書き込むことにより、ヒータ2をオフにするとともに、ヒータプロテクトレジスタ961をヒータオン不許可となるように全てクリアする構成にすることができる。
【0072】
あるいはまた、ヒータオンの際は、ヒータオン許可状態で、ヒータON/OFFレジスタ962のLSBに所定値の書き込みがあった場合、ヒータ2をオンするとともに、全てのヒータプロテクトレジスタをクリアする構成にすることもできる。
【0073】
ヒータオン操作に関係するレジスタは、マイクロコンピュータ96の誤動作時の安全性を考えると、その他の機能、例えば、モータのオン/オフ機能やソレノイドのオン/オフ機能を持ったレジスタと別になっていることが望ましい。
【0074】
さらに、ヒータオンに際して、単にヒータプロテクトレジスタ961およびヒータON/OFFレジスタ962の特定ビットに特定値を書き込むのではなく、各レジスタに対して複数ビットで構成したキーワードを書き込むようにすれば、ノイズ等によるビットこけにより誤書き込みされる危険性を軽減することができる。
【0075】
以上のように、レジスタ構成を持った場合、ヒータプロテクトレジスタ961に所定値が書き込まれていないためにヒータオン不許可状態であるにも関わらず、ヒータON/OFFレジスタ962のLSBにヒータオンとするための1が書き込まれた場合は、マイクロコンピュータ96の通常の動作ではありえない操作が行われたことになり、マイクロコンピュータ96が正常に動作していないと判断することができる。
【0076】
温度制御に関してマイクロコンピュータ96の動作が異常となった場合は、その制御を行なうマイクロコンピュータ96自体が異常になった可能性があり、そのままマイクロコンピュータ96に動作を継続させることは好ましくないので、異常が検出された際にはマイクロコンピュータ96をリセットすることが望ましい。
【0077】
そして、そのような場合には、マイクロコンピュータ96をリセットして再起動がかかった後に、再度、異常動作を行ない、温度制御対象の温度が高いにも関わらずヒータ2をオンしてしまうことがないよう、マイクロコンピュータ96はリセットされるものの、異常信号をラッチしたうえで、ヒータオン信号を異常信号でマスクし、ヒータオン信号は出力されないようにすることができる。
【0078】
上記各レジスタがマイクロコンピュータ96に内蔵される例を説明したが、これらのレジスタを含んだICを構成することもできる。
【0079】
<第4の実施の形態>
図13は本発明の第4の実施の形態を示す。本実施の形態は第3の実施の形態との比較でいえば、レジスタの構成が異なる。すなわち、第3の実施の形態では、ヒータプロテクトレジスタ961とヒータON/OFFレジスタ962により構成した。
【0080】
これに対して、本実施の形態では、マイクロコンピュータ106はヒータプロテクトレジスタ1011とヒータONレジスタ1012およびヒータOFFレジスタ1013を有する。
【0081】
ヒータプロテクトレジスタ1011にマイクロコンピュータ106によりキーワード“19”が書き込まれると、ヒータON許可状態になる。ヒータオン許可状態で、ヒータONレジスタ1012にマイクロコンピュータ106により“C8”が書き込まれると、信号sにHパルスが出力され、それを受けたSR−FF1014がセットされ、マイクロコンピュータ106の出力ポートhがヒータONを表すHとなり、その結果、スイッチング回路104がオンとなり、ヒータ102に電力が供給される。ヒータプロテクトレジスタ1011およびヒータONレジスタ1012はともに信号sのHパルスにより“00”クリアされる。
【0082】
一方、ヒータ102をオフする際には、マイクロコンピュータ106がヒータOFFレジスタ1013のLSBに“1”をセットすると、信号rにHパルスが出力され、それを受けたSR−FF1014がリセットされ、マイクロコンピュータ106の出力ポートhがヒータOFFを表すLとなり、その結果、スイッチング回路104がオフとなり、ヒータ102の電力が遮断される。ヒータOFFレジスタ1013は信号rのHパルスにより0クリアされる。
【0083】
マイクロコンピュータ106はヒータ102の温度制御が必要になると、タイマ108から出力されるタイマ出力が入力ポートP1に入力されるのを待ち、タイマ出力が入力されると、入力ポートP0に入力された電圧信号aを温度に換算し、検出温度が目標温度より低い場合は上記した手順によりヒータ102をオンにし、検出温度が目標温度より高い場合はヒータ102をオフにする。
【0084】
マイクロコンピュータ106は連続してヒータオンが必要な場合でも、周期タイマ108のタイマ出力があった場合、毎回、上記した手順によりヒータ2をオンにするようにプログラムされている。
【0085】
監視タイマ115は出力ポートP2がオンされている間、時間計測を行い、信号sもしくは信号rにHパルスが発生すると、時間をリセットする。監視タイマ115は出力ポートがオンされている場合、あらかじめ設定した時間以上、信号sあるいは信号rにHパルスが無い場合、異常信号を出力する。この設定時間は周期タイマ108の周期時間より長く設定されている。
【0086】
監視タイマ115から出力された異常信号dは異常検出時にLとなり、ラッチ116にラッチされてANDゲート1017に入力され、異常検出時にはANDゲート1017の出力eがLにされるため、スイッチング回路104オフされる。
【0087】
このように、本実施の形態では、ヒータ102をオンにする際には、ヒータプロテクトレジスタ1014に所定値を書き込み、ヒータオン許可状態にした後、ヒータONレジスタ1012に所定値を書き込むようにしたので、単一レジスタでヒータのオン/オフをコントロールをする従来例に比べて、マイクロコンピュータ106が誤動作した際に誤ってヒータ102をオンにする可能性が低くなり、誤動作を軽減することができる。
【0088】
また、第1の実施の形態と同様に、連続してヒータ102をONする必要がある場合には、周期的にヒータプロテクトレジスタ1011に“19”を書いた上でヒータONレジスタ1012に“C8”を書く操作を行なわなければならず、それがおこなわれない場合には、マイクロコンピュータ106の動作に異常が発生したと判断できる。
【0089】
更に、ヒータプロテクトレジスタ1011とヒータONレジスタ1012に関して、以下のアクセスがあった場合には、マイクロコンピュータ106の動作が異常であると判断できる。すなわち、
・ヒータプロテクトレジスタ1011の内容が“19”と“00”以外になった場合。
・ヒータONレジスタ1012の内容が“C8”と“00”以外になった場合。
・ヒータプロテクトレジスタ1011が“00”にも関わらず、ヒータONレジスタ1012が“C8”になった場合。
の3つである。よって、これらの場合にはヒータ102をオフする。
【0090】
ヒータオン操作に関係するレジスタは、マイクロコンピュータの誤動作時の安全性を考えると、その他の機能、例えば、モータのオン/オフ機能やソレノイドのオン/オフ機能を持ったレジスタと別になっていることが望ましい。
【0091】
温度制御に関してマイクロコンピュータの動作が異常となった場合は、その制御を行なうマイクロコンピュータ自体が異常になった可能性があり、そのままマイクロコンピュータに動作を継続させることは好ましくないので、異常が検出された際にはマイクロコンピュータをリセットすることが望ましい。
【0092】
そして、そのような場合には、マイクロコンピュータをリセットして再起動がかかった後に、再度、異常動作を行ない、温度制御対象の温度が高いにも関わらずヒータ102をオンしてしまうことがないよう、マイクロコンピュータはリセットされるものの、異常信号をラッチしたうえで、ヒータオン信号を異常信号でマスクし、ヒータオン信号は出力されないようにすることができる。
【0093】
上記各レジスタがマイクロコンピュータに内蔵される例を説明したが、これらのレジスタを含んだICを構成することもできる。
【符号の説明】
【0094】
1,101 定着ローラ
2,102 ヒータ
3,103 交流電源
4,104 スイッチング回路
5,105 サーミスタ
6,56,96,106 マイクロコンピュータ
7,107 サーモスイッチ
8,108 周期タイマ
9 スイッチング回路制御部
10 出力ポート
11,115,511 監視タイマ
12,1017 ANDゲート
13,116,813 ラッチ
814 フィルタ
961,1011 ヒータプロテクトレジスタ
962 ヒータON/OFFレジスタ
1012 ヒータONレジスタ
1013 ヒータOFFレジスタ
1014 SR−FF
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱手段の温度を制御する温度制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、複写機等の乾式電子写真装置は、感光ドラム上に形成されたトナー像が転写器により転写紙上に転写され、この転写紙上のトナー像が、熱定着器により転写紙上に熱定着される。このような熱定着器に組み込まれた定着ローラには、ヒータが内蔵され、このヒータにより定着ローラが加熱され、定着ローラ表面の温度が一定になるよう温度制御される。
【0003】
このような定着器の温度制御装置としては、例えば、図10ないし図12に示すような温度制御装置が知られている。
【0004】
まず、図10の温度制御装置を説明する。定着ローラ101のヒータ102には、交流電源103がスイッチング回路104を通して接続されている。定着ローラ101の表面温度はサーミスタ105により温度に応じた電圧値を有する出力信号aに変換され、マイクロコンピュータ106の入力ポートP0に入力され、A/D変換される。マイクロコンピュータ106は検出温度が目標温度より低い場合は、スイッチング回路104に対してオンを意味するHを出力ポートP1(信号b)に出力し、検出温度が目標温度より高い場合は、オフを意味するLを出力ポートP1(信号b)に出力する。
【0005】
交流電源103とヒータ102の間には、サーモスイッチ107が接続されている。サーモスイッチ107は、電気的ノイズ等によるマイコンの暴走やソフトウェアのバグにより、マイクロコンピュータ106がスイッチング回路104のオン・オフをコントロールする出力ポートP1をオンし続けた場合に、スイッチング回路104がオンし続けて、定着ローラ101の温度が過昇温したときに働いて、定着ローラ101への電力供給を遮断するようになっている。
【0006】
ついで、図11の温度制御装置を説明する。定着ローラ101のヒータ102には、交流電源103がスイッチング回路104を通して接続されている。定着ローラ101の表面温度はサーミスタ105により、温度に応じた電圧値を有する出力信号aに変換され、マイクロコンピュータ116の入力ポートP0に入力され、A/D変換される。マイクロコンピュータ116の出力ポートP1をコントロールするレジスタ1167のビット3がヒータ102のオン/オフのために割り当てられている。マイクロコンピュータ116は、入力ポートP0に入力された信号aを温度に換算した検出温度が目標温度より低い場合は、レジスタ1167のビット3にヒータオンを意味する例えば1を書くことにより、スイッチング回路104に対してオンを意味するHを、出力ポートP1(信号b)に出力し、他方、検出温度が目標温度より高い場合は、レジスタ1167のビット3にヒータオフを意味する0を書くことにより、出力ポートP1(信号b)にオフを意味するLを出力する。
【0007】
レジスタ1167のビット3以外のビットには、他の入出力ポートのコントロールのために割り当てられている。また、交流電源103とヒータ102の間には、定着ローラ101の過昇温時にヒータ102の電力供給を遮断するサーモスイッチ107が接続されている。
【0008】
次に、図12の温度制御装置を説明する。この温度制御装置は、図11の温度制御装置と異なり、ヒータオンオフを意味する1と0を書き込むレジスタ1207を、マイクロコンピュータ126の外部のIC120内に設け、レジスタ1207に、マイクロコンピュータ126のアドレスバス、データバス、コントロール信号等が接続されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図10の温度制御装置では、本来過昇温時に動作するはずのサーモスイッチ107が、定着ローラ101が過昇温しても速やかに動作しないことがあった。例えば、朝一番に、定着ローラ101の温度が室温から過昇温するような場合には、サーモスイッチ107の温度が上がるまでに時間がかかるため、サーモスイッチ107が動作する前に、過昇温に起因して定着ローラ101や定着ローラ101のブッシュが破損してしまうことがあった。
【0010】
このような問題点を解決する方法としては、例えば、特開平4−136881号に記載の方法が知られている。この方法によれば、ヒータへの通電が周期的に一定時間強制的にオフにされ、しかも、ヒータのオン・オフ状態検知手段により検知されたヒータのオン状態が一定時間以上続いた場合には、ヒータへの通電が遮断される。
【0011】
しかし、このような方法では、異常と判断されて、ヒータへの通電が遮断された場合に、故障がSSR等のスイッチング回路で起こったのか、マイクロプロセッサの動作異常で起こったのかを判断することができなかった。
【0012】
また、定着ローラの温度が低い場合でも、ヒータへの電力供給のオフ・オンが周期的に行われるため、通電、遮断時にヒータへ流れる電流の断続に応じてAC電源電圧が変動するという問題があった。
【0013】
他方で、図11の温度制御装置では、レジスタ1167のビット3に1を書き込むだけで、ヒータ102がオンされるので、マイクロコンピュータ116のプログラムの単純なバグや、ノイズ等による誤動作でヒータがオンにされてしまう可能性があった。
【0014】
また、レジスタ1167のビット3以外のビットが他の入出力ポートに割り当てられていて、ヒータ102のオン/オフ以外の目的でも頻繁にレジスタ1167がアクセスされているため、ヒータオン/オフ以外の目的でレジスタ1167がアクセスされた際に電気的ノイズ等に起因してビット反転が発生し、不必要にヒータ102がオンされるおそれがあった。
【0015】
このような場合、図10の温度制御装置と同様に、本来過昇温時に動作するはずのサーモスイッチ107が、定着ローラが過昇温しても速やかに動作しないことがあった。例えば、朝一番に、定着ローラ101の温度が室温から過昇温するような場合には、サーモスイッチ107の温度が上がるまでに時間がかかるため、サーモスイッチ107が動作する前に、過昇温に起因して定着ローラ101や定着ローラ101のブッシュが破損してしまうことがあった。
【0016】
つぎに、図12の温度制御装置では、マイクロコンピュータ126の外部にIC120を設け、IC120に、マイクロコンピュータ126のアドレスバス、データバス、コントロール信号等を接続して、マイクロコンピュータ126がIC120内のレジスタ1207に書き込むようにしたので、ヒータ102のオン/オフをコントロールしようとした場合に、これらのバスやコントロール信号に電気的ノイズが作用することがあった。
【0017】
マイクロコンピュータ126が他のアドレスへの書き込みアクセスを行なおうとした際に、このような電気的ノイズに起因して、アドレスの一部が反転し、IC120がレジスタ7への書き込みと誤って認識してしまうことがあった。
【0018】
この誤認識により、ヒータ102がオンされたり、レジスタ1207に配置された他の機能に割り振られたビットを書き換えるためのアクセスが行われ、ヒータオン/オフのためのビット3が電気的ノイズで反転してしまい、ヒータ102を不必要にオンしてしまうおそれがあった。
【0019】
本発明の第1の目的は、上記のような問題点を解決し、定着ローラが過昇温する前にヒータへの電力供給を停止することができる温度制御装置を提供することにある。
【0020】
本発明の第2の目的は、上記のような問題点を解決し、ヒータの連続通電が必要な場合でも余分なヒータのオフ・オンを行うことなく、温度制御装置の故障を検出することができる温度制御装置を提供することにある。
【0021】
本発明の第3の目的は、上記のような問題点を解決し、電気的ノイズに起因する誤動作を防止することができる温度制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、加熱手段の温度を検出する温度検出手段と、該温度検出手段により検出された温度が目標温度より低い場合に、オンを指示し、前記検出された温度が目標温度より高い場合に、オフを指示する指示手段と、第1ないし第n(≧2)レジスタと、前記第1レジスタに、前記指示手段によりオンが指示された場合に第1の所定値をセットし、オフが指示された場合に第2の所定値をセットする第1セット手段と、第1セット手段が第1レジスタに第1の所定値をセットするのに先立って、前記第2ないし第nレジスタに、それぞれ、前記指示手段によりオンが指示されるたびに第3ないし第n+1の所定値をセットする第2セット手段と、前記第2ないし第nレジスタのそれぞれの内容がそれぞれ前記第3ないし第n+1の所定値と同じかどうかを判断して同じ場合に加熱手段オン許可状態と判定する判定手段と、該判定手段により加熱手段オン許可状態と判定された状態で、前記第1レジスタに前記第1の所定値がセットされた場合、前記加熱手段への電力供給をオンし、前記第1レジスタに前記第1セット手段が第2の所定値をセットした場合に前記加熱手段への電力供給をオフするオンオフ手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、上記のように構成したので、定着ローラが過昇温する前にヒータへの電力供給を停止することができる。
【0024】
また、本発明によれば、上記のように構成したので、ヒータの連続通電が必要な場合でも余分なヒータのオフ・オンを行うことなく、温度制御装置の故障を検出することができる。
【0025】
さらに、本発明によれば、上記のように構成したので、電気的ノイズに起因する誤動作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】マイクロコンピュータ6にストアされるプログラムの一例を示すフローチャートである。
【図3】温度制御動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】異常信号をラッチ可能な回路例を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図6】マイクロコンピュータ56にストアされるプログラムの一例を示すフローチャートである。
【図7】温度制御動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】フリッカ防止可能な回路例を示すブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態を示すブロック図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態を示すブロック図である。
【図11】従来の温度制御装置の一例を示すブロック図である。
【図12】従来の温度制御装置の別の例を示すブロック図である。
【図13】従来の温度制御装置の他の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
図1は本発明の第1の実施の形態を示す。図1において、2は定着ローラ1に内蔵されたヒータであり、スイッチング回路4を通して交流電源3に接続されている。5は定着ローラ1に接触させたサーミスタであり、温度を検出するものであり、サーミスタ5からの温度に応じた電圧信号aがマイクロコンピュータ6の入力ポートP0に入力されている。7はサーモスイッチであって、交流電源3とヒータ2の間に接続してあり、定着ローラ1の過昇温時にヒータ2の電源供給を遮断するものである。8は周期タイマであり、周期タイマ8からのタイマ入力bがマイクロコンピュータ6の入力ポートP1に入力されている。マイクロコンピュータ6はタイマ入力周期で温度の制御を行う。
【0028】
スイッチング回路制御部9には、出力ポート10と、監視タイマ11と、ANDゲート12が含まれている。マイクロコンピュータ6からのバスおよびコントロール信号は、スイッチング回路制御部9の出力ポート10に入力され、マイクロコンピュータ6は出力ポート10にアクセスしてヒータ2のオン・オフを制御する。出力ポート10はマイクロコンピュータ6がポートP2をオン・オフするためのライトアクセスすることで、スイッチング回路4を制御するための信号cをオン(H)もしくはオフ(L)にコントロールできる。監視タイマ11はマイクロコンピュータ6からの出力ポート10へのアクセスを監視し、異常検出時にLとなる異常信号dを出力する。そして、出力ポート10の出力信号cと監視タイマの異常信号dがANDゲート12でANDされ、結果として監視タイマで異常が検出された場合、スイッチング回路4に接続される制御信号eはLとなる。
【0029】
マイクロコンピュータ6、周期タイマ8、スイッチング回路制御部9がエンジンボードに配置してあり、交流電源3、スイッチング回路4が電源ボードに配置してある。
【0030】
次に、温度制御動作を説明する。マイクロコンピュータ6は周期タイマ8からのタイマ出力bが入力ポートP0に入力された場合、サーミスタ5の出力する電圧信号aをA/D変換し温度に変換し、この検出温度を目標温度と比較し、検出温度が目標温度より高かった場合、出力ポート10に対してポートP2をオフするライトアクセスを行い、他方、検出温度が目標温度より低かった場合、出力ポート10に対してポートP2をオンするライトアクセスを行う。
【0031】
マイクロコンピュータ6は連続してヒータオンが必要な場合でも、周期タイマ8のタイマ出力bがあった場合、毎回、出力ポート10に対してポートP2をオンするライトアクセスを行うようにプログラムされている。
【0032】
監視タイマ11は出力ポート10がオンされている間、時間計測を行い、出力ポート10に対して、再度、ポートP2をオンにするライトアクセスもしくはポートP2をオフにするライトアクセスがあった場合、時間をリセットする。監視タイマ11は出力ポートがオンされている場合、あらかじめ設定した時間以上ポートP2を再度オンするライトアクセスもしくはポートP2をオフするライトアクセスが無い場合、異常信号を出力する。この設定時間は周期タイマ8の周期時間より長く設定されている。
【0033】
監視タイマ11から出力された異常信号dは異常検出時にLとなり、ANDゲート10に入力され、異常検出時にはANDゲート10の出力eがLにされるため、スイッチング回路4はオフされる。
【0034】
図2はマイクロコンピュータ6にストアされるプログラムの一例を示すフローチャートである。温度制御が必要になると、S0にて、周期タイマ8からのタイマ出力(P1:信号b)を待ち、そして、タイマ出力があると、S1にて、サーミスタ5からの電圧信号aを温度に換算した検出温度と目標温度を比較する。検出温度が目標温度より高い場合は、S5にて、出力ポート10にポートP2をオフするライトアクセスを行い、その後、S0に戻り、次のタイマ出力を待つ。他方、S1にて、検出温度が目標温度より低い場合は、出力ポート10にポートP2をオンするライトアクセスを行い、その後、S0に戻る。
【0035】
既に出力ポートP2がHとなっているときに、検出温度が目標温度より低かった場合も、S2の処理で出力ポート10に対してポートP2をオンするライトアクセスが行われるため、マイクロコンピュータ6の動作に異常がなければ、ポートP2に対するライトアクセスが必ず周期的に行われ、監視タイマ11が異常検出することはない。
【0036】
よって、監視タイマ11の異常検出により、マイクロコンピュータ6の動作に異常があることを検出できる。
【0037】
次に、温度制御動作を図3のタイミングチャートを参照して説明する。周期タイマ8のタイマ出力bは一定の周期でタイマパルスを出力している。マイクロコンピュータ6は周期タイマのタイマ出力bが入ると、サーミスタ5により検出された検出温度と目標温度を比較する。検出温度が目標温度より高かった場合、スイッチング回路4に対するポートP2(信号c)をLとするためのライトアクセスを行い、ヒータ2への通電は行なわない。
【0038】
他方、周期タイマ8からのタイマ出力bが入力された時点で検出温度が目標温度よりも低かった場合、マイクロコンピュータ6はスイッチング回路4に対する出力ポートP2(信号c)をHにするためのライトアクセスを行う。
【0039】
次の周期タイマ8のタイマ出力が入力された時点でも、検出温度が目標温度に達しない場合、マイクロコンピュータ6はスイッチング回路4への制御信号cが既にHになっていたとしても、再度Hにするためのライトアクセスを行う。
【0040】
マイクロコンピュータ6および周期タイマ8が正常に動作している場合、連続したヒータオンが必要な場合も、図3のように、出力ポートP2に対してライトアクセスが周期タイマ8の周期ごとに行われることになる。すなわち、このようなライトアクセスが存在することが、周期的な温度制御が正常に行なわれていることを示している。
【0041】
他方、マイクロコンピュータ6の動作等に異常がある場合、信号c’のように出力ポート10がHを出力している間に周期的なライトアクセスが行われず、監視タイマ11から異常信号d’が出力されて、マイクロコンピュータ6の動作に何らかの異常が発生したことが検出される。
【0042】
異常が検出され、異常検出信号が出力された際には、図4のように、その信号をラッチ13によりラッチすることにより、再度、ヒータオンとなることがないようにすることができる。
【0043】
また、温度制御系のマイクロコンピュータ6の動作が異常となった場合は、そのマイクロコンピュータ6によって制御される全てのデバイスが異常な制御をされる可能性があり、そのままマイクロコンピュータ6に動作を継続させることは好ましくない。そこで、温度制御異常が検出された際にはマイクロコンピュータ6をリセットすることが望ましい。そして、そのような場合には、マイクロコンピュータ6をリセットして再起動がかかった後に、再度、異常動作を行ない、温度制御対象の温度が高いにも関わらずヒータ2をオンしてしまうことがないよう、マイクロコンピュータ6はリセットするものの、ラッチされた異常検出信号はリセットせず保持しつづけることにより、ヒータ2への通電を遮断しつづけることが可能である。
【0044】
以上、ヒータへの通電を遮断する方法として、スイッチング回路4への制御信号をマスクする方法を説明したが、遮断リレーを電源とリレーの間に設け、異常検出信号によりヒータへの給電を遮断してもよい。
【0045】
本実施の形態では、各機能ブロックごとに分けて説明したが、例えば、周期タイマ8はマイクロコンピュータ6に内蔵するようにしてもよいし、監視タイマ11をマイクロコンピュータ6に内蔵することができる。
【0046】
また、周期タイマ8や監視タイマ11、出力ポートP2等を含んだICを構成することもできる。
【0047】
なお、ヒータ2は誘導コイルと電磁誘導加熱部材とを有するヒータであってもよい。
【0048】
また、温度検出手段として、接触式温度センサであるサーミスタ5を用いた例を説明したが、これに代えて、サーミスタ5を内蔵した非接触式温度センサを用いてもよい。
【0049】
<第2の実施の形態>
図5は本発明の第2の実施の形態を示す。本実施の形態は第1の実施の形態との比較でいえば、異常検出方法が異なる。すなわち、第1の実施の形態では、監視タイマ11は出力ポート10がオンされている場合、あらかじめ設定された時間以上ポートP2を再度オンするライトアクセスもしくはポートP2をオフするライトアクセスが無い場合、異常信号を出力するようにした。
【0050】
これに対して、本実施の形態では、マイクロコンピュータ56は周期タイマ8からのタイマ出力bが入力ポートP1に入った場合、サーミスタ5の出力する電圧信号aをA/D変換し、温度に変換した後、目標温度と比較し、スイッチング回路4をオン・オフする制御信号fを出力ポートP2から出力する。監視タイマ511は制御信号fがスイッチング回路4のオンを表わすHの間、時間計測を行い、制御信号fがスイッチング回路4のオフを表わすLの間は、リセットされている。監視タイマ511は制御信号fがあらかじめ設定された時間以上Hの状態が続いた場合、異常信号dを出力する。この設定時間は周期タイマ8の周期時間より長く設定されている。監視タイマ511から出力された異常信号dは異常検出時にLとなり、ANDゲート10に入力され、異常検出時にはヒータオン信号がマスクされるため、ヒータオフとなる。
【0051】
第2の実施の形態では、マイクロコンピュータ56、周期タイマ8、監視タイマ511がエンジンボードに配置してあり、交流電源3、スイッチング回路4、ANDゲート10が電源ボードに配置してある。
【0052】
図6はマイクロコンピュータ56にストアされるプログラムの一例を示すフローチャートである。温度制御が必要になると、S60にて、周期タイマ8からポートP1へのタイマ出力bを待ち、タイマ入力があると、S61にて、サーミスタ5からの電圧信号aを温度に換算した検出温度と目標温度を比較し、検出温度が目標温度より高い場合は、S65にて、出力ポートP2にヒータオフを意味するL(制御信号f)を出力して、S60に戻り、次のタイマ入力を待つ。他方、S61にて、検出温度が目標温度より低い場合は、S62にて、一旦、出力ポートP2にヒータオフを意味する信号L(制御信号f)を送出し、S63にて、所定の微小時間(例えば100ns)待った後、S64にて、出力ポートP2にヒータオンを意味する信号H(制御信号f)を送出し、S60に戻る。
【0053】
よって、既に出力ポートP2がHとなっている時に、検出温度が目標温度より低かった場合もS62〜S64の処理で、出力ポートP2が一旦LにされてからHにされるため、マイクロコンピュータ56の動作や出力ポートP2等に異常がなければ、制御信号fは必ず周期的にLとなり、監視タイマ511が異常検出することはない。
【0054】
よって、監視タイマ511の異常検出により、マイクロコンピュータ56の異常や出力ポートP2、あるいは出力ポートP2によりドライブされる制御信号fの異常を検出することができる。
【0055】
なお、本実施の形態では、監視タイマ511をエンジンボード上に配置した例を説明したが、エンジンボードに代えて、電源ボード上に配置することもできる。
【0056】
次に、図7を参照して動作を説明する。周期タイマ8はタイマ出力bを一定の周期(例えば200ms)で出力している(図7(b))。マイクロコンピュータ56は周期タイマ8のタイマ出力bが入力されると、サーミスタ5により検出された温度(図7(a))と目標温度を比較し、検出温度が目標温度より高かった場合、スイッチング回路4に対する制御信号fをLとし、ヒータ2への通電を行なわない。
【0057】
周期タイマ8からのタイマ出力bが入力された時点で、検出温度が目標温度よりも低かった場合、マイクロコンピュータ56はスイッチング回路4への制御信号fを一旦Lにした後にHにする(図7(c))。次の周期タイマ8のタイマ出力bが入力された時点でも、検出温度が目標温度に達しない場合、再度、マイクロコンピュータ56はスイッチング回路4への制御信号fを−旦Lにした後にHにする(図7(c))。
【0058】
よって、マイクロコンピュータ56、出力ポートP2、タイマ、制御信号等が正常な場合、制御信号fは連続したヒータオンが必要な場合も、図7のように微少なパルス幅のLパルスを制御周期ごとに持つこととなる。すなわち、このようなLパルスが存在することが、周期的な温度制御が正常に行なわれていることを示している。
【0059】
これに対して、異常がある場合、制御信号fのようにHが一定の時間以上続いてしまい(図7(e))、監視タイマ9から異常信号が出力され(図7(f))、監視タイマ511により、何らかの異常が発生したことが検出される。
【0060】
本実施の形態においては、スイッチング回路4の制御信号fを連続的にHにしたい場合でも、周期的にLを挟むことでマイクロコンピュータ56等の異常を検出するようにしている。しかし、周期的に挟まれるLによりスイッチング回路4を周期的にオフ−オンすると、フリッカ等の弊害が生ずる可能性がある。
【0061】
そこで、図8に示すように、異常検出時に監視タイマ511から出力される異常検出信号をラッチ813によりラッチし、ANDゲート812によりラッチ813によりラッチされている信号と、マイクロコンピュータ56からの制御信号fをANDし、ANDゲート812の出力をフィルタ814を介してスイッチング回路4に出力するようにした。
【0062】
このように、異常信号dをラッチすることにより再度ヒータオンとなることがなく、また、ANDゲート812の出力をフィルタ814を介してスイッチング回路4に出力するようにしたので、スイッチング回路4は微少時間のLパルスに応答しないことになる。
【0063】
さらに、温度制御系が異常となった場合は、その制御を行なうマイクロコンピュータ56が異常になった可能性があり、そのままマイクロコンピュータ56に動作を継続させることは好ましくない。
【0064】
その場合は、温度制御異常が検出された際にはマイクロコンピュータ56をリセットすることが望ましい。そして、マイクロコンピュータ56をリセットして再起動がかかった後に、再度、異常動作を行ない、温度制御対象の温度が高いにも関わらずヒータをオンしてしまうことがないよう、マイクロコンピュータ56はリセットするものの、ラッチされた異常検出信号はリセットせず保持しつづけることにより、ヒータへの通電を遮断しつづけることが可能である。
【0065】
スイッチング回路4への制御信号をマスクして、ヒータへの通電を遮断するようにしたが、遮断リレーを電源とリレーの間に設け、異常検出信号によりヒータへの給電を遮断するようにしてもよい。
【0066】
本実施の形態では、各機能ブロックごとに分けた例を説明したが、例えば、マイクロコンピュータ56に周期タイマ8を内蔵するようにしてもよいし、さらに、監視タイマ9を内蔵するようにしてもよい。また、周期タイマ8や監視タイマ9、出力ポートP2等を含んだICを構成することもできる。
【0067】
<第3の実施の形態>
図9は本発明の第3の実施の形態を示す。本実施の形態は第1の実施の形態との比較でいえば、温度制御方法が異なる。すなわち、第1の実施の形態では、監視タイマ11は出力ポート10がオンされている場合、あらかじめ設定された時間以上ポートP2を再度オンするライトアクセスもしくはポートP2をオフするライトアクセスがない場合、異常信号を出力するようにした。
【0068】
これに対して、本実施の形態では、マイクロコンピュータ96はヒータプロテクトレジスタ961とヒータON/OFFレジスタ962を有する。ヒータプロテクトレジスタ961の最下位ビット(LSB)にマイクロコンピュータ96により1が書き込まれると、ヒータON許可状態になる。ヒータオン許可状態で、ヒータON/OFFレジスタ962のLSBにマイクロコンピュータ96により1が書き込まれると、マイクロコンピュータ96の出力ポートP2(信号g)がヒータONを表すHとなり、その結果、スイッチング回路4がオンとなり、ヒータ2に電力が供給される。
【0069】
マイクロコンピュータ96はヒータ2の温度制御が必要になると、周期的に入力ポートP0に入力された電圧信号aを温度に換算し、検出温度が目標温度より低い場合はヒータ2をオンにし、検出温度が目標温度より高い場合はヒータ2をオフにする。
【0070】
このように、本実施の形態では、ヒータ2をオンにする際には、ヒータプロテクトレジスタ961に所定値を書き込み、ヒータオン許可状態にした後、ヒータON/OFFレジスタ962に所定値を書き込むようにしたので、単一レジスタでヒータのオン/オフをコントロールをする従来例に比べて、マイクロコンピュータ96が誤動作した際に誤ってヒータ2をオンにする可能性が低くなり、誤動作を軽減することができる。
【0071】
なお、ヒータ2をオフにする際には、ヒータプロテクトレジスタ961とヒータON/OFFレジスタ962のLSBに所定値を書き込むヒータオンの場合と異なり、ヒータON/OFFレジスタ962の最下位ビットLSBに0を書き込むことにより、ヒータ2をオフにするとともに、ヒータプロテクトレジスタ961をヒータオン不許可となるように全てクリアする構成にすることができる。
【0072】
あるいはまた、ヒータオンの際は、ヒータオン許可状態で、ヒータON/OFFレジスタ962のLSBに所定値の書き込みがあった場合、ヒータ2をオンするとともに、全てのヒータプロテクトレジスタをクリアする構成にすることもできる。
【0073】
ヒータオン操作に関係するレジスタは、マイクロコンピュータ96の誤動作時の安全性を考えると、その他の機能、例えば、モータのオン/オフ機能やソレノイドのオン/オフ機能を持ったレジスタと別になっていることが望ましい。
【0074】
さらに、ヒータオンに際して、単にヒータプロテクトレジスタ961およびヒータON/OFFレジスタ962の特定ビットに特定値を書き込むのではなく、各レジスタに対して複数ビットで構成したキーワードを書き込むようにすれば、ノイズ等によるビットこけにより誤書き込みされる危険性を軽減することができる。
【0075】
以上のように、レジスタ構成を持った場合、ヒータプロテクトレジスタ961に所定値が書き込まれていないためにヒータオン不許可状態であるにも関わらず、ヒータON/OFFレジスタ962のLSBにヒータオンとするための1が書き込まれた場合は、マイクロコンピュータ96の通常の動作ではありえない操作が行われたことになり、マイクロコンピュータ96が正常に動作していないと判断することができる。
【0076】
温度制御に関してマイクロコンピュータ96の動作が異常となった場合は、その制御を行なうマイクロコンピュータ96自体が異常になった可能性があり、そのままマイクロコンピュータ96に動作を継続させることは好ましくないので、異常が検出された際にはマイクロコンピュータ96をリセットすることが望ましい。
【0077】
そして、そのような場合には、マイクロコンピュータ96をリセットして再起動がかかった後に、再度、異常動作を行ない、温度制御対象の温度が高いにも関わらずヒータ2をオンしてしまうことがないよう、マイクロコンピュータ96はリセットされるものの、異常信号をラッチしたうえで、ヒータオン信号を異常信号でマスクし、ヒータオン信号は出力されないようにすることができる。
【0078】
上記各レジスタがマイクロコンピュータ96に内蔵される例を説明したが、これらのレジスタを含んだICを構成することもできる。
【0079】
<第4の実施の形態>
図13は本発明の第4の実施の形態を示す。本実施の形態は第3の実施の形態との比較でいえば、レジスタの構成が異なる。すなわち、第3の実施の形態では、ヒータプロテクトレジスタ961とヒータON/OFFレジスタ962により構成した。
【0080】
これに対して、本実施の形態では、マイクロコンピュータ106はヒータプロテクトレジスタ1011とヒータONレジスタ1012およびヒータOFFレジスタ1013を有する。
【0081】
ヒータプロテクトレジスタ1011にマイクロコンピュータ106によりキーワード“19”が書き込まれると、ヒータON許可状態になる。ヒータオン許可状態で、ヒータONレジスタ1012にマイクロコンピュータ106により“C8”が書き込まれると、信号sにHパルスが出力され、それを受けたSR−FF1014がセットされ、マイクロコンピュータ106の出力ポートhがヒータONを表すHとなり、その結果、スイッチング回路104がオンとなり、ヒータ102に電力が供給される。ヒータプロテクトレジスタ1011およびヒータONレジスタ1012はともに信号sのHパルスにより“00”クリアされる。
【0082】
一方、ヒータ102をオフする際には、マイクロコンピュータ106がヒータOFFレジスタ1013のLSBに“1”をセットすると、信号rにHパルスが出力され、それを受けたSR−FF1014がリセットされ、マイクロコンピュータ106の出力ポートhがヒータOFFを表すLとなり、その結果、スイッチング回路104がオフとなり、ヒータ102の電力が遮断される。ヒータOFFレジスタ1013は信号rのHパルスにより0クリアされる。
【0083】
マイクロコンピュータ106はヒータ102の温度制御が必要になると、タイマ108から出力されるタイマ出力が入力ポートP1に入力されるのを待ち、タイマ出力が入力されると、入力ポートP0に入力された電圧信号aを温度に換算し、検出温度が目標温度より低い場合は上記した手順によりヒータ102をオンにし、検出温度が目標温度より高い場合はヒータ102をオフにする。
【0084】
マイクロコンピュータ106は連続してヒータオンが必要な場合でも、周期タイマ108のタイマ出力があった場合、毎回、上記した手順によりヒータ2をオンにするようにプログラムされている。
【0085】
監視タイマ115は出力ポートP2がオンされている間、時間計測を行い、信号sもしくは信号rにHパルスが発生すると、時間をリセットする。監視タイマ115は出力ポートがオンされている場合、あらかじめ設定した時間以上、信号sあるいは信号rにHパルスが無い場合、異常信号を出力する。この設定時間は周期タイマ108の周期時間より長く設定されている。
【0086】
監視タイマ115から出力された異常信号dは異常検出時にLとなり、ラッチ116にラッチされてANDゲート1017に入力され、異常検出時にはANDゲート1017の出力eがLにされるため、スイッチング回路104オフされる。
【0087】
このように、本実施の形態では、ヒータ102をオンにする際には、ヒータプロテクトレジスタ1014に所定値を書き込み、ヒータオン許可状態にした後、ヒータONレジスタ1012に所定値を書き込むようにしたので、単一レジスタでヒータのオン/オフをコントロールをする従来例に比べて、マイクロコンピュータ106が誤動作した際に誤ってヒータ102をオンにする可能性が低くなり、誤動作を軽減することができる。
【0088】
また、第1の実施の形態と同様に、連続してヒータ102をONする必要がある場合には、周期的にヒータプロテクトレジスタ1011に“19”を書いた上でヒータONレジスタ1012に“C8”を書く操作を行なわなければならず、それがおこなわれない場合には、マイクロコンピュータ106の動作に異常が発生したと判断できる。
【0089】
更に、ヒータプロテクトレジスタ1011とヒータONレジスタ1012に関して、以下のアクセスがあった場合には、マイクロコンピュータ106の動作が異常であると判断できる。すなわち、
・ヒータプロテクトレジスタ1011の内容が“19”と“00”以外になった場合。
・ヒータONレジスタ1012の内容が“C8”と“00”以外になった場合。
・ヒータプロテクトレジスタ1011が“00”にも関わらず、ヒータONレジスタ1012が“C8”になった場合。
の3つである。よって、これらの場合にはヒータ102をオフする。
【0090】
ヒータオン操作に関係するレジスタは、マイクロコンピュータの誤動作時の安全性を考えると、その他の機能、例えば、モータのオン/オフ機能やソレノイドのオン/オフ機能を持ったレジスタと別になっていることが望ましい。
【0091】
温度制御に関してマイクロコンピュータの動作が異常となった場合は、その制御を行なうマイクロコンピュータ自体が異常になった可能性があり、そのままマイクロコンピュータに動作を継続させることは好ましくないので、異常が検出された際にはマイクロコンピュータをリセットすることが望ましい。
【0092】
そして、そのような場合には、マイクロコンピュータをリセットして再起動がかかった後に、再度、異常動作を行ない、温度制御対象の温度が高いにも関わらずヒータ102をオンしてしまうことがないよう、マイクロコンピュータはリセットされるものの、異常信号をラッチしたうえで、ヒータオン信号を異常信号でマスクし、ヒータオン信号は出力されないようにすることができる。
【0093】
上記各レジスタがマイクロコンピュータに内蔵される例を説明したが、これらのレジスタを含んだICを構成することもできる。
【符号の説明】
【0094】
1,101 定着ローラ
2,102 ヒータ
3,103 交流電源
4,104 スイッチング回路
5,105 サーミスタ
6,56,96,106 マイクロコンピュータ
7,107 サーモスイッチ
8,108 周期タイマ
9 スイッチング回路制御部
10 出力ポート
11,115,511 監視タイマ
12,1017 ANDゲート
13,116,813 ラッチ
814 フィルタ
961,1011 ヒータプロテクトレジスタ
962 ヒータON/OFFレジスタ
1012 ヒータONレジスタ
1013 ヒータOFFレジスタ
1014 SR−FF
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱手段の温度を検出する温度検出手段と、
該温度検出手段により検出された温度が目標温度より低い場合に、オンを指示し、前記検出された温度が目標温度より高い場合に、オフを指示する指示手段と、
第1ないし第n(≧2)レジスタと、
前記第1レジスタに、前記指示手段によりオンが指示された場合に第1の所定値をセットし、オフが指示された場合に第2の所定値をセットする第1セット手段と、
第1セット手段が第1レジスタに第1の所定値をセットするのに先立って、前記第2ないし第nレジスタに、それぞれ、前記指示手段によりオンが指示されるたびに第3ないし第n+1の所定値をセットする第2セット手段と、
前記第2ないし第nレジスタのそれぞれの内容がそれぞれ前記第3ないし第n+1の所定値と同じかどうかを判断して同じ場合に加熱手段オン許可状態と判定する判定手段と、
該判定手段により加熱手段オン許可状態と判定された状態で、前記第1レジスタに前記第1の所定値がセットされた場合、前記加熱手段への電力供給をオンし、前記第1レジスタに前記第1セット手段が第2の所定値をセットした場合に前記加熱手段への電力供給をオフするオンオフ手段と
を備えたことを特徴とする温度制御装置。
【請求項2】
請求項1において、前記第2ないし第nレジスタは、前記第1レジスタのアドレスと異なるアドレスを有することを特徴とする温度制御装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記判定手段により加熱手段オン許可状態と判定され、前記第1レジスタに前記第1の所定値がセットされた場合、前記第2ないし第nレジスタをクリアするクリア手段を有することを特徴とする温度制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記判定手段により加熱手段オン許可状態と判定され、前記第1レジスタに前記第1の所定値がセットされた場合、前記第1レジスタをクリアするクリア手段を有することを特徴とする温度制御装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記オンオフ手段は、前記第1レジスタに前記第2の所定値がセットされた場合、加熱手段をオフするとともに前記第2ないし第nレジスタをクリアするクリア手段を有することを特徴とする温度制御装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記オンオフ手段は、前記第2ないし第nレジスタのそれぞれの内容がクリア状態もしくはそれぞれ第3ないし第n+1の所定値と異なる場合、異常が発生したと判断して加熱手段への電力供給をオフすることを特徴とする温度制御装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかにおいて、前記オンオフ手段は、前記第1レジスタの内容がクリア状態もしくは第1の所定値もしくは第2の所定値と異なる場合、異常が発生したと判断して加熱手段への電力供給をオフすることを特徴とする温度制御装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかにおいて、前記オンオフ手段は、加熱手段オン許可状態になっていないにも関わらず、前記第1レジスタに第1の所定値が書き込まれた場合、異常が発生したと判断して加熱手段への電力供給をオフすることを特徴とする温度制御装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかにおいて、前記オンオフ手段により異常が発生したと判断された場合、異常発生を報知する報知手段を備えたことを特徴とする温度制御装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかにおいて、異常が発生したと判断された場合、本温度制御装置を初期化する初期化手段を備えたことを特徴とする温度制御装置。
【請求項11】
請求項10において、前記オンオフ手段により異常が発生したと判断された場合、異常状態を保持する保持手段と、
該保持手段により異常状態が保持されている場合、前記初期化手段により初期化された後、前記オンオフ手段による前記加熱手段への電力供給を禁止する禁止手段と
を備えたことを特徴とする温度制御装置。
【請求項12】
加熱手段の温度を検出する温度検出手段と、
該温度検出手段により検出された温度が目標温度より低い場合に、オンを指示し、前記検出された温度が目標温度より高い場合に、オフを指示する指示手段と、
第1ないし第m(≧3)レジスタと、
前記第1レジスタに、前記指示手段によりオンが指示された場合に第1の所定値をセットする第1セット手段と、
前記第2レジスタに、前記指示手段によりオフが指示された場合に第2の所定値をセットする第2セット手段と、
第1セット手段が第1レジスタに所定値を書き込むのに先立って、前記第3ないし第mレジスタに、それぞれ、第3ないし第mの所定値をセットする第3セット手段と、
前記第3ないし第mレジスタのそれぞれの内容が全て前記第3ないし第mの所定値と同じかどうかを判断して同じ場合に加熱手段オン許可状態と判定する判定手段と、
該判定手段により加熱手段オン許可状態と判定された状態で、前記第1レジスタに前記第1の所定値がセットされた場合、前記加熱手段への電力供給をオンし、前記第2レジスタに第2の所定値が書き込まれた場合に加熱手段への電力供給をオフするオンオフ手段と
を備えたことを特徴とする温度制御装置。
【請求項13】
請求項12において、前記第1ないし第mレジスタは、該第1ないし第mレジスタ以外のレジスタのアドレスと異なるアドレスを有することを特徴とする温度制御装置。
【請求項14】
請求項12または13において、前記第1ないし第mレジスタはそれぞれ異なるアドレスを有することを特徴とする温度制御装置。
【請求項15】
請求項12ないし14のいずれかにおいて、前記判定手段により加熱手段オン許可状態と判定され、前記第1レジスタに前記第1の所定値がセットされた場合、前記第1レジスタおよび第3ないし第mレジスタをクリアするクリア手段を有することを特徴とする温度制御装置。
【請求項16】
請求項12ないし15のいずれかにおいて、前記オンオフ手段は、前記第2レジスタに前記第2の所定値がセットされた場合、加熱手段をオフするとともに前記第2レジスタをクリアすることを特徴とする温度制御装置。
【請求項17】
請求項12ないし16のいずれかにおいて、前記オンオフ手段は、前記第3ないし第mレジスタのそれぞれの内容がクリア状態もしくは第3ないし第mの所定値と異なる場合、異常が発生したと判断して加熱手段への電力供給をオフすることを特徴とする温度制御装置。
【請求項18】
請求項12ないし17のいずれかにおいて、前記オンオフ手段は、前記第1レジスタの内容がクリア状態もしくは第1の所定値と異なる場合、異常が発生したと判断して加熱手段への電力供給をオフすることを特徴とする温度制御装置。
【請求項19】
請求項12ないし18のいずれかにおいて、前記オンオフ手段は、加熱手段オン許可状態になっていないにも関わらず、前記第1レジスタに第1の所定値が書き込まれた場合、異常が発生したと判断して加熱手段への電力供給をオフすることを特徴とする温度制御装置。
【請求項20】
請求項12ないし19のいずれかにおいて、前記オンオフ手段は、異常が発生したと判断された場合、異常発生を報知する報知手段を備えたことを特徴とする温度制御装置。
【請求項21】
請求項12ないし20のいずれかにおいて、異常が発生したと判断された場合、本温度制御装置を初期化する初期化手段を備えたことを特徴とする温度制御装置。
【請求項22】
請求項21において、
異常が発生したと判断された場合、異常状態を保持する保持手段と、
該保持手段により異常状態が保持されている場合、前記初期化手段により初期化された後、前記オンオフ手段による前記加熱手段への電力供給を禁止する禁止手段と
を備えたことを特徴とする温度制御装置。
【請求項23】
請求項1ないし22のいずれかにおいて、前記加熱手段は、ヒータを有する定着ローラであることを特徴とする温度制御装置。
【請求項24】
請求項1ないし22のいずれかにおいて、前記加熱手段は、誘導コイルと電磁誘導加熱部材とを有することを特徴とする温度制御装置。
【請求項25】
請求項1ないし24のいずれかにおいて、前記温度検出手段は、対象物に接触して温度検出を行う接触式温度センサを有することを特徴とする温度制御装置。
【請求項26】
請求項25において、前記接触式温度センサは、接触式サーミスタであることを特徴とする温度制御装置。
【請求項27】
請求項1ないし24のいずれかにおいて、前記温度検出手段は、対象物に非接触で温度検出を行う非接触式温度センサを有することを特徴とする温度制御装置。
【請求項28】
請求項27において、前記非接触式温度センサは、サーミスタを内蔵したものであることを特徴とする温度制御装置。
【請求項1】
加熱手段の温度を検出する温度検出手段と、
該温度検出手段により検出された温度が目標温度より低い場合に、オンを指示し、前記検出された温度が目標温度より高い場合に、オフを指示する指示手段と、
第1ないし第n(≧2)レジスタと、
前記第1レジスタに、前記指示手段によりオンが指示された場合に第1の所定値をセットし、オフが指示された場合に第2の所定値をセットする第1セット手段と、
第1セット手段が第1レジスタに第1の所定値をセットするのに先立って、前記第2ないし第nレジスタに、それぞれ、前記指示手段によりオンが指示されるたびに第3ないし第n+1の所定値をセットする第2セット手段と、
前記第2ないし第nレジスタのそれぞれの内容がそれぞれ前記第3ないし第n+1の所定値と同じかどうかを判断して同じ場合に加熱手段オン許可状態と判定する判定手段と、
該判定手段により加熱手段オン許可状態と判定された状態で、前記第1レジスタに前記第1の所定値がセットされた場合、前記加熱手段への電力供給をオンし、前記第1レジスタに前記第1セット手段が第2の所定値をセットした場合に前記加熱手段への電力供給をオフするオンオフ手段と
を備えたことを特徴とする温度制御装置。
【請求項2】
請求項1において、前記第2ないし第nレジスタは、前記第1レジスタのアドレスと異なるアドレスを有することを特徴とする温度制御装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記判定手段により加熱手段オン許可状態と判定され、前記第1レジスタに前記第1の所定値がセットされた場合、前記第2ないし第nレジスタをクリアするクリア手段を有することを特徴とする温度制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記判定手段により加熱手段オン許可状態と判定され、前記第1レジスタに前記第1の所定値がセットされた場合、前記第1レジスタをクリアするクリア手段を有することを特徴とする温度制御装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記オンオフ手段は、前記第1レジスタに前記第2の所定値がセットされた場合、加熱手段をオフするとともに前記第2ないし第nレジスタをクリアするクリア手段を有することを特徴とする温度制御装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記オンオフ手段は、前記第2ないし第nレジスタのそれぞれの内容がクリア状態もしくはそれぞれ第3ないし第n+1の所定値と異なる場合、異常が発生したと判断して加熱手段への電力供給をオフすることを特徴とする温度制御装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかにおいて、前記オンオフ手段は、前記第1レジスタの内容がクリア状態もしくは第1の所定値もしくは第2の所定値と異なる場合、異常が発生したと判断して加熱手段への電力供給をオフすることを特徴とする温度制御装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかにおいて、前記オンオフ手段は、加熱手段オン許可状態になっていないにも関わらず、前記第1レジスタに第1の所定値が書き込まれた場合、異常が発生したと判断して加熱手段への電力供給をオフすることを特徴とする温度制御装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかにおいて、前記オンオフ手段により異常が発生したと判断された場合、異常発生を報知する報知手段を備えたことを特徴とする温度制御装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかにおいて、異常が発生したと判断された場合、本温度制御装置を初期化する初期化手段を備えたことを特徴とする温度制御装置。
【請求項11】
請求項10において、前記オンオフ手段により異常が発生したと判断された場合、異常状態を保持する保持手段と、
該保持手段により異常状態が保持されている場合、前記初期化手段により初期化された後、前記オンオフ手段による前記加熱手段への電力供給を禁止する禁止手段と
を備えたことを特徴とする温度制御装置。
【請求項12】
加熱手段の温度を検出する温度検出手段と、
該温度検出手段により検出された温度が目標温度より低い場合に、オンを指示し、前記検出された温度が目標温度より高い場合に、オフを指示する指示手段と、
第1ないし第m(≧3)レジスタと、
前記第1レジスタに、前記指示手段によりオンが指示された場合に第1の所定値をセットする第1セット手段と、
前記第2レジスタに、前記指示手段によりオフが指示された場合に第2の所定値をセットする第2セット手段と、
第1セット手段が第1レジスタに所定値を書き込むのに先立って、前記第3ないし第mレジスタに、それぞれ、第3ないし第mの所定値をセットする第3セット手段と、
前記第3ないし第mレジスタのそれぞれの内容が全て前記第3ないし第mの所定値と同じかどうかを判断して同じ場合に加熱手段オン許可状態と判定する判定手段と、
該判定手段により加熱手段オン許可状態と判定された状態で、前記第1レジスタに前記第1の所定値がセットされた場合、前記加熱手段への電力供給をオンし、前記第2レジスタに第2の所定値が書き込まれた場合に加熱手段への電力供給をオフするオンオフ手段と
を備えたことを特徴とする温度制御装置。
【請求項13】
請求項12において、前記第1ないし第mレジスタは、該第1ないし第mレジスタ以外のレジスタのアドレスと異なるアドレスを有することを特徴とする温度制御装置。
【請求項14】
請求項12または13において、前記第1ないし第mレジスタはそれぞれ異なるアドレスを有することを特徴とする温度制御装置。
【請求項15】
請求項12ないし14のいずれかにおいて、前記判定手段により加熱手段オン許可状態と判定され、前記第1レジスタに前記第1の所定値がセットされた場合、前記第1レジスタおよび第3ないし第mレジスタをクリアするクリア手段を有することを特徴とする温度制御装置。
【請求項16】
請求項12ないし15のいずれかにおいて、前記オンオフ手段は、前記第2レジスタに前記第2の所定値がセットされた場合、加熱手段をオフするとともに前記第2レジスタをクリアすることを特徴とする温度制御装置。
【請求項17】
請求項12ないし16のいずれかにおいて、前記オンオフ手段は、前記第3ないし第mレジスタのそれぞれの内容がクリア状態もしくは第3ないし第mの所定値と異なる場合、異常が発生したと判断して加熱手段への電力供給をオフすることを特徴とする温度制御装置。
【請求項18】
請求項12ないし17のいずれかにおいて、前記オンオフ手段は、前記第1レジスタの内容がクリア状態もしくは第1の所定値と異なる場合、異常が発生したと判断して加熱手段への電力供給をオフすることを特徴とする温度制御装置。
【請求項19】
請求項12ないし18のいずれかにおいて、前記オンオフ手段は、加熱手段オン許可状態になっていないにも関わらず、前記第1レジスタに第1の所定値が書き込まれた場合、異常が発生したと判断して加熱手段への電力供給をオフすることを特徴とする温度制御装置。
【請求項20】
請求項12ないし19のいずれかにおいて、前記オンオフ手段は、異常が発生したと判断された場合、異常発生を報知する報知手段を備えたことを特徴とする温度制御装置。
【請求項21】
請求項12ないし20のいずれかにおいて、異常が発生したと判断された場合、本温度制御装置を初期化する初期化手段を備えたことを特徴とする温度制御装置。
【請求項22】
請求項21において、
異常が発生したと判断された場合、異常状態を保持する保持手段と、
該保持手段により異常状態が保持されている場合、前記初期化手段により初期化された後、前記オンオフ手段による前記加熱手段への電力供給を禁止する禁止手段と
を備えたことを特徴とする温度制御装置。
【請求項23】
請求項1ないし22のいずれかにおいて、前記加熱手段は、ヒータを有する定着ローラであることを特徴とする温度制御装置。
【請求項24】
請求項1ないし22のいずれかにおいて、前記加熱手段は、誘導コイルと電磁誘導加熱部材とを有することを特徴とする温度制御装置。
【請求項25】
請求項1ないし24のいずれかにおいて、前記温度検出手段は、対象物に接触して温度検出を行う接触式温度センサを有することを特徴とする温度制御装置。
【請求項26】
請求項25において、前記接触式温度センサは、接触式サーミスタであることを特徴とする温度制御装置。
【請求項27】
請求項1ないし24のいずれかにおいて、前記温度検出手段は、対象物に非接触で温度検出を行う非接触式温度センサを有することを特徴とする温度制御装置。
【請求項28】
請求項27において、前記非接触式温度センサは、サーミスタを内蔵したものであることを特徴とする温度制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−44177(P2011−44177A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248763(P2010−248763)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【分割の表示】特願2001−16305(P2001−16305)の分割
【原出願日】平成13年1月24日(2001.1.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【分割の表示】特願2001−16305(P2001−16305)の分割
【原出願日】平成13年1月24日(2001.1.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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