説明

温度測定方法及び温度測定用材料

【課題】タービンなどの酸化雰囲気下において長時間高温で使用される部材の温度を測定する方法を提供する。
【解決手段】多成分系セラミックス固溶体から成る温度測定用材料を高温で長時間保持して前記多成分系セラミックス固溶体を母相と析出相とに相分離させ、該母相及び該析出相の少なくとも一方の格子定数を測定し、該格子定数または該格子定数から得られる格子体積から、前記温度測定用材料が保持された温度を決定する温度測定方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温酸化雰囲気下で長時間使用される部材の温度を測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
温度測定には、一般に熱電対や放射温度計が使用されるが、ガスタービンなどの高温摺動部材には、熱電対や放射温度計を使用することができない。ガスタービンの金属組織を採取し観察して運転温度を推定する方法もあるが、温度誤差が±50℃前後と測定精度に問題があった。
【0003】
高温環境下で使用される部材の温度を測定するために、非特許文献1に記載されているクリスタルインジケータを用いた温度推定方法が実用されている。クリスタルインジケータとは、炭化ケイ素(SiC)結晶に中性子照射を施して格子欠陥を導入し、格子定数(格子体積)を大きくさせたものである。クリスタルインジケータを高温でアニールすると構造が安定となるように構造変化が起こり、格子定数(格子体積)が小さくなる。アニール温度や時間により格子定数(格子体積)の変化は異なる。この性質を利用し、クリスタルインジケータを温度測定対象物に取り付け、熱処理後にクリスタルインジケータの格子定数を測定し、格子定数または格子体積の変化から温度測定対象物の到達温度を推定する。クリスタルインジケータを用いた温度測定の誤差は±3℃前後であり、高精度で温度を測定することが出来る。
【非特許文献1】アレックス A. ヴォリンスキ(Alex A. Volinsky)ら、マテリアル リサーチ ソサエティ シンポジウム会報(Material ResearchSociety Symposium Proceedings)、2004年、第792巻、R5.3.1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クリスタルインジケータによる温度測定は、高温に短時間保持される対象物の温度を測定する場合には有効な方法である。しかし、クリスタルインジケータは、長期間高温に保持している間に格子が元の安定な状態に完全に戻り、また、長期の高温酸化雰囲気下でSiCが酸化するので、タービンなど高温酸化雰囲気で長時間保持される部材の温度をクリスタルインジケータを用いて測定するのは不可能である。また、クリスタルインジケータは高価であることも問題であった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、タービンなどの酸化雰囲気下において長時間高温で使用される部材の温度を測定する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、多成分系セラミックス固溶体から成る温度測定用材料を高温で長時間保持して前記多成分系セラミックス固溶体を母相と析出相とに相分離させ、該母相及び該析出相の少なくとも一方の格子定数を測定し、該格子定数または該格子定数から得られる格子体積から、前記温度測定用材料が保持された温度を決定する温度測定方法を提供する。
【0007】
多成分系セラミックス固溶体を高温で長時間保持すると、固溶体から母相と析出相とに相分離して平衡状態に達する。母相及び析出相の組成は、平衡状態図における保持温度に対応した組成となる。母相及び析出相の組成は、格子定数または格子定数から得られる格子体積と相関がある。従って、母相及び析出相の少なくとも一方の格子定数を測定すれば、格子定数または格子体積から温度測定用材料が保持された温度を決定することができる。本発明の温度測定方法によれば、熱電対や放射温度計などが使用できない高温環境に長時間曝される部材の温度を、高精度で測定することができる。
【0008】
上記の温度測定方法で使用される温度測定用材料は、2成分系セラミックス固溶体から成ることが好ましい。2成分系セラミックスの平衡状態図を用いれば、温度決定がより容易となる。
【0009】
温度測定用材料は、Alの比率が51mol%以上85mol%以下のMgO−Al固溶体、Crの比率が51mol%以上70mol%以下のNb−Cr固溶体、Crの比率が37mol%以上45mol%以下のNb−Cr固溶体、または、Alの比率が82mol%以上90mol%以下のFe−Al固溶体から成ることが好ましい。
【0010】
上記に列挙した固溶体は、構成金属成分のイオン半径差が大きく、固溶体の組成変化量が小さくても格子定数が大きく変化するので、格子定数または格子体積から導出される組成の誤差が小さくなる。また、平衡状態図における相境界線の傾斜が緩やかであるので、温度変化が小さくても組成変化が大きくなる。上記固溶体からなる温度測定用材料であれば、精度高い測定が可能となる。さらに、上記の温度測定用材料は、原料が安価であり低コストで作製できるという利点も有する。
【0011】
この場合、前記温度測定用材料が、粉末形状またはバルク形状であることが好ましい。粉末形状またはバルク形状であれば、測定対象に容易に担持させることができる。特に、粉末形状の場合は、複雑な形状を有する温度測定対象に担持させることも容易であり、また3次元的な表面温度の測定も可能である。
【0012】
また、本発明は、タービンの高温部材の表面に上述の温度測定用材料を担持させ、前記タービンを高温で長時間運転させた後に、上記の温度測定方法を用いて、前記温度測定用材料が長時間保持された温度を決定することにより、前記高温部材の表面温度を決定するタービン温度測定方法を提供する。
【0013】
上記の温度測定方法及び温度測定用材料を用いれば、高温酸化雰囲気下で長時間使用されるタービンの高温部材の表面温度を、高精度で容易に測定することができる。
【0014】
この場合、前記高温部材の表面にコーティングまたは埋め込みにより担持させることが好ましい。特に、温度測定用材料をタービンの高温部材の表面にコーティングすれば、3次元的な表面温度の測定も可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、例えばタービンなどの高温酸化雰囲気下で長時間使用される部材の温度を高精度で測定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の温度測定方法は、無機固溶体の二相分離現象を利用している。多成分系セラミックス固溶体を高温で長時間保持すると、保持温度によって固溶体から母相と析出相とに相分離して平衡状態に達する。母相及び析出相の組成は、平衡状態図における保持温度に対応した組成となる。母相及び析出相の組成は、格子定数または格子定数から得られる格子体積と相関があり、X線回折によって得られる格子定数または格子体積から組成を導出できる。従って、長時間高温で保持された後の固溶体からなる温度測定用材料の格子定数を測定すれば、格子定数または格子体積から保持温度を導くことができる。
【0017】
温度測定用材料としては、構成金属成分のイオン半径差が大きく、固溶体の組成変化量が小さくても格子定数及び格子体積が大きく変化する材料が適している。構成する金属元素のイオン半径差が大きいと、組成の変化量が小さくても固溶体の格子定数及び格子体積が大きく変化するので、格子定数または格子体積から導出される組成の誤差が小さくなり、その結果得られる温度精度が高くなる。また、平衡状態図において固溶体から相分離する相境界線の傾斜が緩やかな材料を選択すると、温度変化が小さくても組成変化が大きくなるので、精度高い測定が可能となる。本発明の温度測定用材料は成分数に特に限定されないが、2成分系セラミックスであれば、3成分以上の系に比べて平衡状態図が複雑でないので、温度をより容易に導くことができる。
【0018】
固溶体から相分離が起こる温度領域は、温度測定用材料の成分や組成により異なる。測定したい温度領域によって、適切な温度測定用材料の成分及び組成を選択する。
【0019】
温度測定用材料は、温度測定対象物の形状などに応じて、粉末形状またはバルク形状とする。バルク形状の場合、温度測定対象物に埋め込むなどして担持させる。粉末形状の場合は、溶射などにより温度測定対象物にコーティングして担持させる。
【0020】
以下に、本発明に係る温度測定方法として、2成分系セラミックスであるMgO−Al固溶体を温度測定用材料に用いた第1の実施形態を説明する。
【0021】
第1の実施形態の温度測定用材料は、Alの比率が51mol%以上85mol%以下のスピネル構造を有するMgO−Al固溶体とされる。所定の組成となるように原料粉末を混合して、スピネル構造の固溶体が得られる温度で仮焼する。次いで、仮焼体を粉砕し、再びスピネル構造の固溶体が得られる温度で焼成して、均一な組成の温度測定用材料を作製する。例えば、20mol%MgO−80mol%Alの場合、1850℃にて4時間焼成してMgO−Al固溶体から成る温度測定用材料を得る。
【0022】
上記組成の固溶体を700℃から1900℃の間の温度領域で長時間保持すると、図1の平衡状態図から分かるように、スピネル構造のMgO−Al固溶体(母相)とコランダム構造のAl(析出相)とに相分離する。母相のMgO−Al固溶体の組成は、図1の相境界線A−A’上における保持温度に対応する組成となる。例えば、1700℃に保持すると母相の組成は70mol%MgO−30mol%Alとなり、1200℃に保持すると母相の組成は57mol%MgO−43mol%Alとなる。
【0023】
MgO−Al固溶体の場合、Mgのイオン半径はAlのイオン半径より大きいので、スピネル構造のMgO−Al固溶体の格子定数は、MgOの比率が多くなるほど大きくなり、MgO1mol%当り5.4×10−5nm変化する。高温で長期間保持した後の温度測定用材料中のMgO−Al固溶体の格子定数をX線回折により測定し、得られた格子定数または格子定数から計算される格子体積から温度測定用材料のMgO−Al固溶体の組成が得られる。図1の平衡状態図で、相境界線A−A’上におけるMgO−Al固溶体の組成に対応する温度が保持温度となる。このように、格子定数と組成、及び、組成と保持温度とに相関があるので、MgO−Al固溶体の格子定数を測定すれば、保持温度を決定することができる。
【0024】
具体的には、MgO−Al固溶体の格子定数または格子体積と保持温度との相関を示す検量線を作成しておき、高温で長期間保持した後のMgO−Al固溶体の格子定数または格子体積の測定結果と検量線とから、保持温度を決定する。本実施形態の場合、測定誤差は5℃程度と、熱電対による温度測定と同等の測定精度となる。
【0025】
次に、Nb−Cr固溶体を温度測定用材料に用いた温度測定方法を説明する。
第2の実施形態の温度測定用材料は、Crの比率が51mol%以上70mol%以下のNb−Cr固溶体とされる。所定の組成となるように原料粉末を混合して、固溶体が得られる温度で仮焼して粉砕した後、固溶体が得られる温度で焼成して、均一な組成の温度測定用材料を作製する。例えば、32mol%Nb−68mol%Cr固溶体の温度測定用材料を作製する場合、1600℃で4時間焼成する。
【0026】
上記組成の固溶体を1200℃から1670℃の間の温度領域で長時間保持すると、Nb−Cr固溶体(母相)とCr(析出相)とに相分離する。母相Nb−Cr固溶体の組成は、図2の相境界線B−B’上における保持温度に対応する組成となる。
Nb−Cr固溶体の格子定数は、Crの比率が多くなるほど大きくなり、Cr1mol%当り8×10−6nm変化する。このように、格子定数と組成、及び、組成と保持温度とに相関があるので、Nb−Cr固溶体の格子定数を測定すれば、保持温度を決定することができる。
【0027】
具体的には、Crの比率が51mol%以上70mol%以下のNb−Cr固溶体の格子定数または格子体積と保持温度との関係を表す検量線を作成しておき、高温で長時間保持した後のNb−Cr固溶体の格子定数をX線回折により測定し、得られた格子定数または格子体積と検量線とから保持温度を決定する。
【0028】
第3の実施形態の温度測定用材料は、Crの比率が37mol%以上45mol%以下のNb−Cr固溶体とされる。所定の組成となるように原料粉末を混合して、固溶体が得られる温度で仮焼して粉砕した後、固溶体が得られる温度で焼成して、均一な組成の温度測定用材料を作製する。例えば、63mol%Nb−37mol%Cr固溶体の温度測定用材料を作製する場合、1500℃で4時間焼成する。
【0029】
Crの比率が37mol%以上45mol%以下のNb−Cr固溶体の場合は、図2から分かるように、1200℃から1470℃の間の温度領域で長時間保持すると、Nb−Cr固溶体(母相)とNb(析出相)とに相分離する。Nb−Cr固溶体の組成は、図2の相境界線C−C’上の保持温度に対応する組成となる。
上述したように、格子定数と組成、及び、組成と保持温度とに相関があるので、Nb−Cr固溶体の格子定数を測定すれば、保持温度を決定することができる。
【0030】
具体的には、Crの比率が37mol%以上45mol%以下のNb−Cr固溶体の格子定数または格子体積と保持温度との関係を表す検量線を作成しておき、高温で長時間保持した後のNb−Cr固溶体の格子定数をX線回折により測定し、得られた格子定数または格子体積と検量線とから保持温度を決定する。
【0031】
第4の実施形態として、Fe−Al固溶体を温度測定用材料に用いた温度測定方法を説明する。
【0032】
第4の実施形態の温度測定用材料は、Alの比率が82mol%以上90mol%以下のコランダム構造を有するFe−Al固溶体とされる。所定の組成となるように原料粉末を混合して、コランダム構造の固溶体が得られる温度で仮焼する。仮焼体を粉砕し、コランダム構造の固溶体が得られる温度で焼成して、均一な組成の温度測定用材料を作製する。例えば、15mol%Fe−85mol%Alの場合、1400℃にて4時間焼成してFe−Al固溶体から成る温度測定用材料を得る。
【0033】
上記組成の固溶体の場合、図3の平衡状態図から分かるように、1320℃から1420℃の間の温度領域ではコランダム構造の固溶体(母相)とFeAlO(析出相)とに相分離し、1000℃から1320℃の間の温度領域ではコランダム構造の固溶体(母相)とヘマタイト構造の固溶体(析出相)とに相分離する。コランダム構造の母相およびヘマタイト構造の析出相の組成は、図3の相境界線D−D’上の保持温度に対応する組成となる。
Fe−Al固溶体の格子定数は、Feの比率が多くなるほど大きくなり、Fe1mol%当り4×10−5nm変化する。このように、格子定数と組成、及び、組成と保持温度とに相関があるので、Fe−Al固溶体の格子定数を測定すれば、保持温度を決定することができる。
【0034】
具体的には、高温で長時間保持した後のコランダム構造Fe−Al固溶体の格子定数をX線回折により測定し、得られた格子定数または格子体積と保持温度との関係を表す検量線を用いて組成を導出する。
【0035】
なお、本実施形態では、ヘマタイト構造Fe−Al固溶体の組成から保持温度を決定することもできる。
【0036】
第1の実施形態乃至第4の実施形態では、X線回折測定により固溶体の格子定数を測定するので、格子定数または格子体積の値を高精度で得られる。そのため、格子定数または格子体積から決定される保持温度の誤差が小さくなる。特に、格子定数標準のNBS640bなどを内部標準とし室温の温度補正を行いながら、米国特許第6082579号公報に開示されている構造パラメータ分析手法(NARIET法)を用いると、格子定数の測定精度が飛躍的に上がるので、得られる保持温度の精度が著しく向上する。
【0037】
次に、Fe−Al系セラミックスを温度測定用材料に用いる場合を例に挙げ、本発明に係る温度測定方法によりタービン運転時のタービン部材の表面温度を測定する一実施形態を説明する。
【0038】
温度測定用材料の組成が15mol%Fe−85mol%Alとなるように原料粉末を混合して成型し、1400℃にて仮焼する。仮焼体を粉砕して再び成型し、1400℃にて4時間焼成し、Fe−Al固溶体から成る温度測定用材料を得る。
【0039】
得られた温度測定用材料を粉末状にし、タービンの動翼などの温度測定対象部位に溶射によってコーティングする。あるいは、成型体を温度測定対象部位に埋め込むなどして取り付ける。その後、約半年から一年の長期間タービンを運転する。温度測定用材料は、タービンの運転温度に対応して、コランダム構造の固溶体とヘマタイト構造の固溶体とに相分離する。タービンを停止すると、温度測定用材料は、停止直前に長時間維持された運転温度に対応する相状態を保ったまま冷却される。
【0040】
冷却後、X線回折分析により温度測定用材料中のコランダム構造のFe−Al固溶体の格子定数を測定する。測定した格子定数から、Fe−Al固溶体の格子体積を算出する。そして、図4に示す保持温度とコランダム構造のFe−Al固溶体の格子体積との関係を表す検量線から、Fe−Al固溶体の格子体積に対応する保持温度を読み取り、停止直前にタービン部材の表面が長時間保持された温度と決定する。
【0041】
以上のように、本発明の温度測定方法を用いれば、タービン動翼などの高温酸化雰囲気に長時間曝される部材の温度を高精度で測定することが可能となる。また、温度測定用材料を粉体にして測定対象にコーティングすれば、3次元的な表面温度を測定することもできる。
【0042】
なお、温度測定用材料としてMgO−Al固溶体またはNb−Cr固溶体を用いてタービン部材の表面温度を測定することも可能である。ただし、MgO−Al固溶体またはNb−Cr固溶体を温度測定用材料とした場合、タービン運転中にFeを成分に含む飛散粒子などにより温度測定用材料中にFeが不純物として固溶する恐れがある。FeがMgO−Al固溶体またはNb−Cr固溶体中に固溶すると、格子定数に影響が現れる。そのため、MgO−Al固溶体またはNb−Cr固溶体を温度測定用材料に用いてタービン部材の温度を測定する場合は、Feの固溶による影響を補正する必要がある。
一方、Fe−Al固溶体の場合は、不純物Feによる影響が小さいため、タービン部材の温度測定用材料としてより好適である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】MgO−Al系セラミックスの平衡状態図である。
【図2】Nb−Cr系セラミックスの平衡状態図である。
【図3】Fe−Al系セラミックスの平衡状態図である。
【図4】保持温度とコランダム構造のFe−Al固溶体の格子体積との関係を表す検量線である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多成分系セラミックス固溶体から成る温度測定用材料を高温で長時間保持して前記多成分系セラミックス固溶体を母相と析出相とに相分離させ、該母相及び該析出相の少なくとも一方の格子定数を測定し、該格子定数または該格子定数から得られる格子体積から、前記温度測定用材料が保持された温度を決定する温度測定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の温度測定方法に使用される温度測定用材料であって、2成分系セラミックス固溶体から成る温度測定用材料。
【請求項3】
Alの比率が51mol%以上85mol%以下のMgO−Al固溶体から成る請求項2に記載の温度測定用材料。
【請求項4】
Crの比率が51mol%以上70mol%以下のNb−Cr固溶体から成る請求項2に記載の温度測定用材料。
【請求項5】
Crの比率が37mol%以上45mol%以下のNb−Cr固溶体から成る請求項2に記載の温度測定用材料。
【請求項6】
Alの比率が82mol%以上90mol%以下のFe−Al固溶体から成る請求項2に記載の温度測定用材料。
【請求項7】
前記温度測定用材料が、粉末形状またはバルク形状である請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の温度測定用材料。
【請求項8】
タービンの高温部材の表面に請求項2乃至請求項7のいずれか1項に記載の温度測定用材料を担持させ、前記タービンを高温で長時間運転させた後に、請求項1に記載の方法を用いて、前記温度測定用材料が長時間保持された温度を決定することにより、前記高温部材の表面温度を決定するタービン温度測定方法。
【請求項9】
前記温度測定用材料を、前記高温部材の表面にコーティングまたは埋め込みにより担持させる請求項8に記載のタービン温度測定方法。
【請求項10】
請求項2乃至請求項7のいずれか1項に記載の温度測定用材料を備えたタービン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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