説明

温水暖房装置

【課題】循環液の補充までの余裕期間を得ると共に、水位の減少状態でも良好な温水暖房が行える温水暖房装置を提供する。
【解決手段】燃料を燃焼させるバーナ2と、該バーナ2の燃焼熱で内方を流通する温水を加熱する熱交換器4と、加熱後の温水を放熱器7に循環させて放熱し室内の暖房を行い、放熱後の温水を再び熱交換器4に戻す循環ポンプ10と、放熱器7と循環ポンプ10との間に接続されたシスターンタンク5とを備え、該シスターンタンク5内には温水量を検知する水位センサ12を設け、補水必要な所定水位を検知して報知後、所定時間経過で暖房運転を停止するようにしたもので、シスターンタンク5の底部の一方には、循環ポンプ10に連通した流出口6が形成されると共に、他方には放熱器7から戻る温水が流入する流入管9が立設し、流入管9の途中には流出口6に向けて流入してくる温水を放出する流入口13を備えたので、良好な温水暖房が行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、温水を加熱し循環させて暖房を行う温水暖房装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のものでは、水位センサを設け所定水位以下を検知することで、補水ランプを点灯させる等の表示を行い使用者に知らせることにより、補水を行わせるものであった。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開平11−141898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところでこの従来のものでは、水の補水であるので、給水回路が接続されて、補水警報によって直ぐに補水が行われるが、不凍液や特別な薬品が入った補充液の場合には、使用者自身が器具の所へ行って直接補充したり、業者に頼んで補充する為に、補水警報で即暖房停止したのでは、特に業者に頼んでの補充は2、3日或いは長いと一週間待たなければならず、この間暖房が出来なくなることとなり、大変な問題になるものであった。
【0004】
そこで、補水警報を早めに出し、一週間をカウントするタイマーで暖房停止を行うようにすることで、液の補充に余裕を持たせることが考えられたが、新たに次の2点の問題が発生した。
その1つは、従来例にも記載されているように、シスターンタンクの流入口がタンク底部に開口しているので、シスターンタンク内の水位が低下して来ると、タンクに戻る温水が流入口がら勢い良く噴出して、水位センサに接触するので、タイマーがカウントとリセットを繰り返して、正確なカウントを行えないと言う問題点がある。
もう1つは、同じようにシスターンタンクの流出口がタンク底部に開口しているので、シスターンタンク内の水位が低下して来ると、タンクから流出する温水が流出口で渦流となり、その中心にエアーが入ることで、エアーがみとなって温水の流通に支障来すと言う問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明はこの点に着目し上記課題を解決するため、特にその構成を、燃料を燃焼させるバーナと、該バーナの燃焼熱で内方を流通する温水を加熱する熱交換器と、前記加熱後の温水を放熱器に循環させて放熱し室内の暖房を行い、放熱後の温水を再び熱交換器に戻す循環ポンプと、前記放熱器と循環ポンプとの間に接続されたシスターンタンクとを備え、該シスターンタンク内には温水量を検知する水位センサを設け、補水必要な所定水位を検知して報知後、所定時間経過で暖房運転を停止するようにしたものに於いて、前記シスターンタンクの底部の一方には、循環ポンプに連通した流出口が形成されると共に、他方には放熱器から戻る温水が流入する流入管が立設し、この流入管は上部が閉塞し途中には流出口に向けて流入してくる温水を放出する流入口を備えたものである。
【発明の効果】
【0006】
この発明によれば、補水の報知から暖房が停止されるまでに十分時間があり、暖房を停止することなく、使用者や業者の都合の良い時に液の補充が容易に行えるものであり、更にシスターンタンクの流入口での温水噴出は確実に阻止され、タイマーのカウントを狂わせる心配もなく、又シスターンタンクの流出口での渦流の発生も防止されて、エアーがみによる温水の流通不良もなく、常に良好な温水暖房が得られるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に、この発明に係る温水暖房装置を図面に示された一実施例で説明する。
1は温水暖房装置で、燃料を燃焼させるバーナ2と、該バーナ2を覆う燃焼筒3の上部に備えられ燃焼ガスと熱交換して温水を得る熱交換器4とを備えている。
【0008】
5は開放式でここから液の補充も行うシスターンタンクで、底部の一方には流出口6が形成され、室内に設置された暖房用の放熱器7からの温水の放熱戻り管8が接続されており、又底部の他方には温水が流入する流入管9が立設し、熱交換器4で加熱された温水を放熱器7に循環させ再び熱交換器4に戻す循環ポンプ10へのタンク戻り管11が接続されており、更に内方には上部から垂下された2本の電極から成る水位センサ12が備えられている。
【0009】
前記流入管9は、上部を温水の放出を防止する為に閉塞しており、中間部分で流出口6側及びシスターンタンク5の側壁側の2ヶ所に流入口13を形成し、特に流出口6に向けて流入してくる温水を放出することで、水位の減少時に流出口6で発生する渦流を防止して、エアーがみによる温水の流通不良をなくするものである。
【0010】
14は制御回路を構成するマイコンで、出力側には循環ポンプ10と、バーナ2に燃焼空気を供給する燃焼ファン15と、同じくバーナ2に燃料を供給する電磁ポンプ16と、補水警報ランプ17とが接続され、又マイコン14の入力側で該マイコン14内のタイマー18には水位センサ12が接続し、前記タイマー18は水位センサ12が所定水位以下を検知することで、補水警報ランプ17が点灯すると共に、タイマー18が所定時間ここでは一週間(7日)をカウントし、カウントアップで循環ポンプ10及び燃焼ファン15及び電磁ポンプ16の運転を停止させるものである。
【0011】
次にこの一実施形態の作動について説明する。
今放熱器7による室内の暖房を行うように温水暖房装置1を運転させることで、バーナ2が燃焼を開始してこの燃焼ガスによって、熱交換器4内を流通する温水を加熱し、そしてこの加熱された温水を循環ポンプ10の駆動で、熱交換器4から放熱器7に流通してここで熱を放出することで室内の暖房が行われるものである。
【0012】
又放熱で温度降下した温水は、循環ポンプ10の駆動でシスターンタンク5に流入し、ここで圧力の膨張分を調節し再び循環ポンプ10を介して熱交換器4の流通で加熱され、順次この循環を繰り返して温水による良好な暖房を行うものである。
【0013】
次に水位センサ12が所定水位以下を検知してからの作動を説明するが、この所定水位は予め試験等で、残りの温水量で一週間暖房運転しても空運転とならない水位を設定しているものである。
【0014】
そこで上記の水位センサ12による所定水位以下の検知で、補水警報ランプ17が点灯して循環液の補充が必要である事を報知し、使用者はこの報知後から一週間の間の都合の良い時に液の補充や業者への依頼を行えば良く、余裕を持って対応出来るものである。
【0015】
そしてこの温水量が少ない状態での暖房運転では、シスターンタンク5の流入口13で温水の噴出が発生するが、流入口13は上部を閉塞した流入管9の側壁に形成されているので、この噴出温水が上方の水位センサ12にかかることがなく、タイマー18の誤動作は防止出来るものであり、又流出口6でも水位の減少で渦流が発生する恐れがあるが、流入管9に形成の流入口13からの温水が勢い良く流出口6に向かって噴出されるので、真上に向かう渦流は形成されず、エアーがみによる温水の流通不良をなし、水位の減少状態でも良好な温水暖房を継続出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の温水暖房装置の概略図。
【図2】同シスターンタンクの断面図。
【図3】同電気回路のブロック図。
【符号の説明】
【0017】
1 温水暖房装置
2 バーナ
4 熱交換器
5 シスターンタンク
6 流出口
7 放熱器
9 流入管
10 循環ポンプ
12 水位センサ
13 流入口
18 タイマー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を燃焼させるバーナと、該バーナの燃焼熱で内方を流通する温水を加熱する熱交換器と、前記加熱後の温水を放熱器に循環させて放熱し室内の暖房を行い、放熱後の温水を再び熱交換器に戻す循環ポンプと、前記放熱器と循環ポンプとの間に接続されたシスターンタンクとを備え、該シスターンタンク内には温水量を検知する水位センサを設け、補水必要な所定水位を検知して報知後、所定時間経過で暖房運転を停止するようにしたものに於いて、前記シスターンタンクの底部の一方には、循環ポンプに連通した流出口が形成されると共に、他方には放熱器から戻る温水が流入する流入管が立設し、この流入管は上部が閉塞し途中には流出口に向けて流入してくる温水を放出する流入口を備えた事を特徴とする温水暖房装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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