測定器具
測定器具は、プローブ(11、12)と表面(61)の間の相対的移動を行うことによってワーク(60)の表面(61)の表面プロファイルまたは形態を測定し、それによってプローブは表面形態の変化に追従し、それによって変位する。表面に追従するときのプローブの変位手段は、干渉計ゲージ(35)であってもよい変位プロバイダによって得られる。表面(61)上で単一の測定経路に沿って測定を行う代わりに、それぞれの測定が対応する測定データセットを得るように測定経路の部分(61dおよび61eまたは61gおよび61h)上で行われ、これらの測定データセットは基準データセットに独立して位置決めまたは位置合わせされる。基準データセットは、測定経路(61)の別の部分(61c)上、構成部品の別の表面(62aおよび62b)の上の別の測定経路(61f)上、または構成部品が配置される表面の上の別の測定経路上で行われる測定によって得ることができる。位置合わせした測定データセットはその後互いに合わせられて、表面のプロファイルを形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークまたは構成部品の表面のプロファイルまたは形態(全体の形状)を測定することが可能な測定器具(metrological instrument)に関する。
【背景技術】
【0002】
Taylor Hobson Limited、Ametek Inc.の部門は、表面のプロファイルまたは形態を測定するために機械スタイラスの形の測定プローブを使用するいくつかの表面プロファイルまたは形態測定器具を製造する。これらの器具の多くでは、相対移動が測定経路(従来、「x軸」と示される)に沿ってスタイラスと構成部品との間で行われ、z方向への表面変化がスタイラスを担持するアームを、スタイラスがこれらの表面変化に追従する(follow)と軸周りで旋回または回転させる。測定ゲージ、この場合干渉計ゲージはz変位を測定する。
【0003】
Taylor Hobsonによって製造された1つのタイプのこのような測定器具は、Form Talysurf PGI(登録商標)シリーズである。このシリーズの器具は、特に優れた範囲/解像度比を有し、それによってかなりの程度の形態を有する表面上の形態および表面粗さまたは組織の両方の測定を行うことが可能である。これにより、Form Talysurf PGIシリーズの器具の使用が、非球面測定に特に有利になる。
【0004】
このような測定器具で非球面構成部品を測定する際、表面上の対向する点の間で、また構成部品の回転軸がそれを通して延びる表面上の点を通る測定経路上で測定が行われることが普通であり、それによって円形基部を有する非球面体の場合、測定経路は非球面上の円形基部の直径の突起を示す。この理由で、測定経路は「直径経路」と呼ぶこともできる。
【0005】
構成部品は普通、回転軸が測定器具のz軸に公称上位置合わせされるように位置決めされている。
【0006】
いくつかの状況では、物理的制限により構成部品の全直径経路を測定することができない可能性もある。これらの制限は例えば、構成部品の寸法が器具の測定エンベロープを超える(例えば、直径は最大測定長さより長い)、または構成部品表面の傾斜の少なくとも一部が大きすぎることである。普通、Form Talysurf PGI測定器具によって測定することができるz平面の最大勾配は約30°であり、これを超えてスタイラスアームに加えられる応力は大きくなり過ぎ、屈曲を引き起こす可能性がある。測定される表面が窪んだまたは凹状表面である場合、別の物理的制約は測定プローブの寸法である可能性がある。
【0007】
後者の2つの問題が生じる構成部品の1つのタイプは、小さな非球面レンズ、特にデジタルカメラおよび携帯電話に使用されるレンズ用の金型である。というのは、このようなレンズは10ミリ未満の領域に基部直径を有することができるからである。表面勾配の問題はまた、このような金型によって製造されるレンズを測定する場合の問題である可能性がある。
【0008】
勾配の問題はまた、デジタル多用途ディスク(DVD)レコーダおよびプレーヤなどの光学記憶装置用のレンズの分野において著しく普及してきている。これは、大きなデータ記憶容量に対する需要がより大きくなっているので、DVD上にデータを焼き付けるのに使用される光の光学分解能がより高くならなければならないからである。これは、光源の波長を赤外線から青色光まで小さくすることによって達成されている。しかし、青色光を使用するシステムは、より大きな程度の非球面性を備えたレンズが必要である可能性があり、したがって、レンズ表面の少なくとも一部は30°より大きな勾配を有することができる。
【0009】
【特許文献1】米国特許第5517307号明細書
【特許文献2】米国特許第6344656号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一形態は、プローブと表面の間の相対移動を行うことによってワークの表面の表面プロファイルまたは形を測定するための測定器具を提供し、それによってプローブが追従し、表面形状の変化によって、また表面に追従するときにプローブの変位の測定を判断することによって変位され、表面上で単一の測定経路に沿って測定を行う代わりに、それぞれの測定は対応する測定データセットを得るためにその測定経路の部分上で行われ、これらの測定データセットは、(表面の上の測定経路の別の部分上、構成部品の別の表面上の別の測定経路上、および構成部品が配置された表面の上の別の測定経路上で行われる少なくとも1つの測定によって得られる)基準データセットを使用することによって位置決めまたは位置合わせされ、位置合わせされた測定データセットはその後互いに合わせられる。基準データセットは、互いに合わせられるデータの一部を形成しなくてもよい。
【0011】
本発明の一実施形態は、測定経路の一部上で測定を行いその後ワークを再び位置決めし、測定経路の別の部分上で測定を行うことによって表面の形を判断することを可能にする。これにより、表面の形またはプロファイルの測定を、単一の測定経路を使用して測定することが難しい構成部品上で行うことが可能になる。例えば、急勾配を有する表面(上記のレンズ金型またはレンズなど)の場合、構成部品は表面の一端部から表面の一部に沿って測定するために一方向にその光軸周りで傾けるまたは回転させることができ、その後表面のもう一端部から表面の一部に沿って測定するために反対方向に傾けるまたは回転させることができ、それによってプローブに対するこれらの表面部の表面勾配が小さくなり、またこれらの表面部に対するプローブのアクセスが容易になる。この場合、基準データセットにより測定データセットの正確な回転が可能になって、プロファイルを作るように位置合わせすることが可能である。
【0012】
基準データセットは、測定経路の前記部分の間の測定経路の別の部分上での測定によって得ることができる。例えば上記レンズ金型またはレンズの場合、基準データセットは、光字区を含む測定経路の中心部の上での測定によって得ることができる。普通、測定部の間、および各測定部と中心部の間に重なりがある。
【0013】
別の可能性としては、基準データセットは構成部品の別の表面上での基準測定経路上で行われる測定によって得ることができる。例えば平面金型表面内のキャビティの形の表面の場合、例えば上に論じたレンズ金型の場合、基準データセットはキャビティの両側の平面金型表面のそれぞれの表面領域上の基準測定経路上で測定を行うことによって得ることができる。別の可能性としては、基準データセットは、構成部品が測定過程中にその上に配置されるガラス平面または他の基準表面の表面領域上の基準測定経路部上で測定を行うことによって得ることができる。この技術は例えば、上に論じたレンズなどのワークの凸状表面の場合に使用することができる。いずれの場合も、これにより基準データセットを得ることが可能となり、測定データセットを得るためにワークの回転または傾斜が基準とすることができ、測定データセットの正確な相対回転がこれらを位置合わせすることを可能にする基線を画定する。
【0014】
基準データセットの使用により、測定データセットを互いに合わせるまたは合体させて、測定データセットの再配向が異なる部分の測定間のワークまたは構成部品の配向(orientation)の変化を考慮することを可能にすることによって所望の直径トレースを再構築する。これにより、直径トレースが各測定のために異なる配向で構成部品を備えた測定経路の異なる部分上の測定によって得られた事実により生じる測定不確定性の増大が少なくなる、または最小限に抑えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施形態を例として、添付の図面を参照して説明する。
【0016】
図面を参照すると、記載する測定器具は、測定装置および制御装置を備えている。図1および図2は、測定器具1の測定装置2の極めて模式的なものを示しており、図1は(測定方向と垂直な方向である)y方向をほぼ見ており、図2は(x方向である)測定方向をほぼ見ている。明確にする目的で、図1に示す特定の構成部品は、図2では示されないか、または完全には示されない。逆も同様である。いくつかの構成部品は、同様の理由で図1および図2の極細線によって示される。また、図1および図2は決まった縮尺ではなく、相対寸法は図1および図2では異なるように示されている。
【0017】
図3aは、測定器具1の測定装置2および制御装置3の両方の主な機能的構成部品を示すブロック図であり、図3bは制御装置3のプログラミングによって提供される測定器具1のデータプロセッサ4の機能的ブロック図を示す。
【0018】
測定装置2は、作業台6によって支持されるように設計された花崗岩ベース5を有する。ベース5は、垂直またはz軸基準データを規定するカラム7を担持する。カラム台車8はカラム7に取り付けられて、カラム7に対してz方向に移動可能である。カラム台車8の移動は、電動リードスクリュ、プーリ、または他の駆動装置(図示せず)によって行われる。
【0019】
カラム台車8は、電動駆動装置(図示せず)により、x方向にカラム台車8に対して移動可能である横断ユニット9を担持する。
【0020】
横断ユニット9の台車は、この実施形態では、その自由端に測定動作中の検査においてワークまたは構成部品の表面と接触するスタイラス先端12を有するスタイラス11を担持する(横断ユニット9内に点線で図1および2に極めて略図的に示した)旋回可能に取り付けられたスタイラスアーム10からなる測定プローブを担持し、それによって横断ユニット9がx方向に移動されると、スタイラスアーム10が旋回して、スタイラススタイラス先端12が表面上の測定経路に沿ってz方向の変化に追従することが可能になる。
【0021】
次に図3aを参照すると、制御装置3は普通はパーソナルコンピュータであり、処理ユニット13を有する。処理ユニット13は、バス13aを介し、関連データおよびプログラム命令/ソフトウェア記憶装置14に結合される。装置14は、RAM15、ROM16、ハードディスクドライブなどの大容量記憶装置17、およびCD−ROM、半導体メモリカード、DVDまたはフロッピー(登録商標)ディスクなどの取外可能媒体(RM)19を受ける少なくとも1つの取外可能媒体ドライブ18の形である。別の可能性としては、取外可能媒体ドライブ自体は取り外し可能であり、例えば外部ハードディスクドライブであってもよい。
【0022】
制御装置はまた、ディスプレイ21、キーボード22、マウスなどのポインティング装置23、プリンタ24、および任意選択で、制御装置3がインターネット、イントラネット、WANまたはLANなどのネットワークを介した他の制御装置またはコンピュータとの有線または無線接続を介して信号Sを通信することを可能にするMODEMまたはネットワークカードの少なくとも1つなどの通信装置25を備えた入出力装置20に対し、同じまたは異なるバスを介して結合されている。
【0023】
処理ユニット13は、
通信装置25を介して信号Sとしてダウンロードされるもの、
ROM16、RAM15、および大容量記憶装置17のいずれか1つまたは複数内に予め記憶されるもの、
取外可能媒体ドライブ18によって受けられる取外可能記憶媒体19から読取られるもの、および
キーボード22を使用してユーザによって入力されるもの、
の少なくとも1つであるプログラム命令およびデータによってプログラミングされている。
【0024】
測定装置2は、測定動作に関するデータを制御装置3に通信することを可能にするように、適当なリンク、例えばシリアルリンク30aを介して制御装置3の処理ユニット13と通信するデータ取得および処理ユニット(DAPU)30を有する。
【0025】
測定装置2の制御構成部品は、台車8をz方向にカラムの上下に駆動させるカラム駆動制御装置31と、横断ユニット9をx方向に駆動させるx位置制御装置32と、スタイラス11がx方向に測定経路に沿って横断ユニット9の移動中に測定される表面に追従するときに、スタイラス先端12のz変位の尺度を提供する干渉計z変位プロバイダ35とを備えている。普通、干渉計z変位プロバイダ35は、横断ユニット9内に設けられる。
【0026】
x方向制御装置32は、例えば、x位置制御装置32を提供するモータに取り付けられたシャフトエンコーダであってもよく、またはリニア格子タイプの変換器であってもよいx位置プロバイダ34に取り付けられている。カラムドライブ31はまた、カラムz位置プロバイダ33(図3aに極細線で示す)、例えばカラムドライブ31を提供するモータに取り付けられたシャフトエンコーダに取り付けることができる。またはカラムz位置はカラムモータ駆動信号から直接的に開ループの方法で測定することができる。図3aに示すように、カラムドライブ31およびx位置制御装置32は、制御装置3からの指示により制御するように制御装置3(リンク13b、および図示しない適当なインターフェイスを介して)制御装置3に結合されている。これらの少なくとも一部は、ユーザによって供給することができる。
【0027】
これまで記載した測定器具1は、Form Talysurf PGIシリーズとしてTaylor Hobsonによって製造されたタイプの測定器具である。これらの器具は、これまで記載した測定器具をさらに詳述するために言及すべきである(その全内容を参照として本明細書に援用する)主題である(例えば、特許文献1参照)。特に、この測定器具は、「Form Talysurf PGI 1240、非球面測定システム」という題名のTaylor Hobsonによって製造されたパンフレットに記載されたTaylor HobsonのForm Talysurf PGI 1240(登録商標)測定器具に基づいている。このForm Talysurf PGIシリーズの測定器具は特に、明らかな形態を有する表面の表面形態(と粗さ)を測定するのに特に適している。この主な理由は、干渉計z変位プロバイダ35は、特許文献1に記載のようにスタイラスアームがこの周りで旋回する軸と一致する曲率半径を有する湾曲した回折格子を使用するということである。これにより、より長い範囲にわたってより正確なz変位測定が行われる。
【0028】
図1から図3bに示した測定器具は、ワークをy軸方向に傾斜させ、また回転させることを可能にするワークまたは構成部品用の支持アセンブリを備えているという点において、Form Talysurf PGI 1240測定器具と異なる。
【0029】
図1および図2に示すように、この支持アセンブリ40は、基部5に締め付けられたあるいは固定されたL字形支持スタンド41を備えている。普通、必ずしもではないが、締付または固定により、スタンドを取り除くことが可能になるおよび/またはその位置を調節することが可能になる。
【0030】
L字形支持部材42(図1に一部のみを示す)は、y軸周りのL字形支持部材42の回転を可能にする軸43(図2参照)を介してL字形支持スタンド41に結合され、それによってL字形支持部材42の基部42aは回転したときにy軸周りの円弧を描く。
【0031】
L字形支持アーム42は、L字形支持アーム42の基部42aと垂直な軸周りの支持プラットフォーム47の回転を可能にする軸44を介してL字形支持アーム42の基部42aに取り付けられた支持プラットフォーム47を担持する。図1に示すように、支持アーム42はy軸周りに回転され、それによってプラットフォーム47はz軸に対して角度θで傾斜される。
【0032】
この例では、L字形支持部材42は回転角度θを正確に測定することを可能にするように割り出された、あるいはキャリブレーションされた手動回転可能制御部材43aを使用することによって回転される。別の可能性としては、軸周りの回転を電動化することができ、角度θを制御装置3を介して制御することができ、この場合、図3aの極細線で示すように、測定装置は制御装置3によって制御されるθ位置制御装置36を備えている。閉ループサーボ装置が必要な場合、θ位置プロバイダ37(シャフトエンコーダであってもよい)はまた、DAPU30に角度θを示す信号を供給するように設けられる。
【0033】
この例では、支持プラットフォーム47は、回転角度αを正確に測定することができるように割り出された、あるいはキャリブレーションされた手動回転可能制御部材45を使用することによって回転される。別の可能性としては、軸周りの回転を電動化することができ、角度αを制御装置3を介して制御することができる。そうする場合には、図3aの極細線で示すように、測定装置は制御装置によって制御されるα位置制御装置38を備える。閉ループサーボ装置が必要である場合、α位置プロバイダ39(シャフトエンコーダであってもよい)はまた、角度αを示す信号をDAPU30に供給するために設けられる。
【0034】
検査においてワークまたは構成部品60をしっかり保持するためのレセプタクルまたはチャック46は、支持プラットフォーム47に取り付けられて、支持プラットフォーム47で傾斜および回転する。
【0035】
支持アセンブリ40により、支持プラットフォーム47、したがって検査において構成部品60を傾斜および回転させることが可能となり、そうでなければ大きすぎる勾配(普通は30度より大きい)を有する測定経路を横切るスタイラス先端12を、このような測定装置によって測定することが可能になる。したがって、支持アセンブリ40により、支持プラットフォーム47(したがって、構成部品60)を傾斜させることによって表面61上の測定経路の一端部61aから始まる第1の部分を測定することが可能となり、その後、支持プラットフォーム47(したがって、構成部品60)を180度にわたって回転させることによって表面61上の測定経路の他端部61bから始まる第2の部分を測定することが可能になる。これにより、表面への容易なアクセスが可能になり、各部分に対して、表面勾配が測定器具の動作パラメータを超えないことが保証される。
【0036】
制御装置3は、通常はForm Talysurf PGIシリーズの測定器具に提供されたソフトウェアを備えている。加えて、制御装置3は(上記の経路のいずれか1つまたは複数を介して)プログラム命令およびデータ、例えばソフトウェアルーチンまたはモジュールを備えている。これらは普通、大容量記憶装置17またはROM16内に記憶される。実行する場合、これらのプログラム指示は、測定経路のプロファイルを測定経路の異なる部分に対して得られる独立して位置合わせされた測定データセットを組み合わせることによって測定することが可能になる、図3bに示すデータプロセッサ50を提供するように処理ユニット13をプログラミングする。
【0037】
図3bに示すように、データプロセッサ50は、測定器具2からデータを受けるデータ受信機51と、データを記憶するデータ記憶装置52と、雑音および他の望ましくない変化をなくすよう、受信したデータをフィルタリングするデータ予備調整機53と、データセット全体を別のデータセットに対して回転または平行移動させることを可能にするデータ変換器54と、この例では、最小2乗適合処理を使用して1つのデータセットを別のものに位置合わせするデータ位置合わせ装置55と、単一の連続データセットを形成するように2セットのデータを互いに合わせるまたは融合させるデータ融合装置56とを提供する。データプロセッサ50はまた、キーボード22またはポインティング装置23からのユーザ入力を受信するユーザ入力受信機57と、ディスプレイ21、プリンタ24、および、ある場合は、通信装置25の少なくとも1つに出力データを提供する出力プロバイダ58とを提供する。データプロセッサ50はまた、データプロセッサの動作全体を制御する制御装置59を提供する。
【0038】
データ変換装置54は、(設けられている場合はそれぞれの位置プロバイダ37および39によって測定される、またはユーザによって入力される)θおよびα角度を示すデータ、およびDAPUによってログ記録されたx位置データに従ってデータセットの自動回転および平行移動を可能にする。しかし、この例では、データ変換装置54は計算装置によって行われるグラフィック処理と合わせて動作して(または、このようなグラフィック処理を組み込んで)、データセットをポインティング装置23またはキーボード22を使用してオペレータによってスクリーン上で平行移動または回転させることが可能になる。
【0039】
本発明を利用する方法の実施例を次に、検査における構成部品またはワークが、例えば、デジタルカメラ、移動電話(携帯電話)カメラ、またはDVDレコーダで使用される非球面レンズ用の非球面レンズ金型、すなわち極めて小さい(普通は、10ミリ未満の)非球面レンズ用金型である場合、また検査における構成部品またはワークが非球面レンズ自体である場合の例で記載する。しかし、構成部品またはワークはその形態が測定されるあらゆる構成部品またはワークであってもよいが、測定器具は表面の勾配を許容可能なパラメータ内であるように、または凹状のまたは窪んだ表面へのアクセスを容易にするように傾斜させる必要がある場合の使用に特に有利であることを理解されたい。
【0040】
非球面レンズ金型の表面にわたって測定経路のプロファイルを測定する第1の方法を、データプロセッサ50によって行われる処理を示すフローチャートである図4、および測定動作中のそれぞれ異なる測定処理に対するレンズ金型60の配向を示す略図を示す図5aから図5cを参照して説明する。図5aから図5cの黒点Dは、単に、この回転対象体の回転の事実を図中で明らかにすることができるように金型の一方側で特定するために設けられている。
【0041】
支持アセンブリ40は既に、基部5上に正確に位置決めしたと仮定する。したがって、構成部品またはワーク60を支持プラットフォーム47上で位置合わせするように、最初に標準的なクレスト処理(cresting process)を含むセットアップ処理が行われる。これは、支持プラットフォーム47が傾斜していない(すなわち、θがゼロである)状態で(レンズ金型の対称軸である)測定経路上の最も低い点を見つけ、その後、調節ねじなどを使用してプラットフォーム47上のチャック46の位置(または、チャック内の構成部品60の位置)を調節し、それによって支持プラットフォーム47の回転軸70(図5a〜図5c参照)がレンズ金型60の光軸と一致する必要がある。セットアップ処理はまた、オペレータが金型にわたって測定経路61の端点を測定器具に特定する必要がある可能性がある。窪んだ金型表面へのアクセスが難しい場合、セットアップ処理は、金型表面と同じ寸法および形態を有するが、凹状ではなく凸状であるセットアップ構成部品を使用して行うことができる。
【0042】
セットアップ処理が完了すると、支持プラットフォーム47の静止レベルで(すなわち、図5aに示すようにレンズ金型60で)、オペレータは(キーボード22および/またはポインティング装置23を介して)測定器具の制御装置に指示して、基準測定処理を測定経路61の中心基準部61c上で行わせる。基準部61cは、構成部品60の基準軸、この場合、レンズ金型の光軸70を備えるように選択される。横断ユニット9がスタイラス先端12を中心部61cの上で移動させると、干渉計z変位プロバイダ35は、スタイラス先端12のz変位の変化を基準部61cに沿ってxで示す基準部をDAPU30に提供する。
【0043】
図4のS1では、データプロセッサ50のデータ受信機51はDAPU30から基準部データを受ける。制御装置59は、このデータをデータ記憶装置52によって記憶させ、それによって、基準測定処理の最後に、データ記録装置52は基準部上の測定を示す基準データセットを記憶する。制御装置59はその後、出力プロバイダ58に、基準測定が完了したことをディスプレイを介してユーザに助言させる。
【0044】
この例では、オペレータはその後、制御部材43aを使用して、図5bに示す配向へと、横断ユニット9に向かいy方向に(すなわち、図2の紙面の平面内に)角度θを通して(この例では、40°であるが、実際の角度は測定される構成部品の経路、およびスタイラスが横断することが可能である勾配に左右される)支持プラットフォーム47を手動で傾斜させる。オペレータはその後、(キーボード22および/またはポインティング装置23を介して)測定器具1の制御装置に指示して、第1の測定処理を軸70のちょうど左から始まり測定経路の一縁部61a(この例では、レンズ形状表面と金型の結合表面または「ウィング」62aの間の交点)のちょうど下までの測定経路61の第1の測定部61dの上で行わせ、それによって第1の測定部61dは基準部61cの最も近い端部と重なる。横断ユニット9がスタイラス先端12を第1の測定部の上で移動させると、干渉計z変位プロバイダ35は、スタイラス先端12のz変位の変化を第1の測定部61dに沿ってxで示す第1の測定部データをDAPU30に提供する。S2では、データプロセッサ50のデータ受信機51はDAPU30から第1の測定部データを受け、制御装置59はこのデータをデータ記憶装置52によって記憶させる。第1の測定処理の最後に、データ記憶装置52は第1の測定部上の測定を示す第1の測定部データセットを記憶する。
【0045】
制御装置59はその後、出力プロバイダ58に、第1の測定部の測定が完了したことをディスプレイを介してユーザに助言させる。
【0046】
この例では、オペレータはその後、制御部材43aを使用して、図5cに示す配向へと、180度の角度αを通して支持プラットフォーム47を手動で回転させる。オペレータはその後、(キーボード22および/またはポインティング装置23を介して)測定器具1の制御装置に指示して、第2の測定処理を軸70のちょうど右(回転により、図5cでは左)から始まり測定経路61のもう一縁部61b(この例では、レンズ形状表面と金型の結合表面または「ウィング」62bの間の交点)のちょうど下まで延びている測定経路61の第2の測定部61eで行わせ、それによって第2の測定部61eは基準部61cの最も近い端部と重なる。横断ユニット9がスタイラス先端12を第2の測定部61eの上で移動させると、干渉計z変位プロバイダ35は、スタイラス先端のz変位の変化を第2の測定部61eに沿ってxで示す第2の測定部データをDAPU30に提供する。
【0047】
S3では、データプロセッサ50のデータ受信機51はDAPU30から第2の測定部データを受け、制御装置59はこのデータをデータ記憶装置52によって記憶させる。第2の測定処理の最後に、データ記憶装置52は第2の測定部61e上の測定を示す第2の測定部データセットを記憶する。制御装置59はその後、出力プロバイダ58に、第2の測定部の測定が完了したことをディスプレイを介してユーザに助言させる。
【0048】
図5a〜図5cから分かるように、第1および第2の測定経路部は、基準経路だけでなく、互いにも重なる。
【0049】
制御装置59が、3つの測定データセットが得られ記憶されたと判断すると、制御装置59はデータ予備調整機53に指示して、例えば、環境条件または汚染による雑音または変化を取り除くようにフィルタリングすることによって、S4でデータを予備調整することができる。この実施形態では、交互シーケンスボールフィルタは、以下に説明するデータ適合処理の前に非球面性を抑圧するのに使用される。そのように記載されるように、フィルタはデータプロセッサによって実施されるソフトウェアフィルタである。しかし、フィルタは、データが制御装置、この場合、図3bに示すデータ予備調整機に供給される前にDAPU30内のハードウェアで実施することができ、図4の処理S4は省略する。
【0050】
この例では、データ受信機または取得機は、特に、Form Talysurf PGIシリーズの器具で使用するμLTRA(登録商標)の名前でTaylor Hobsonによって供給されるグラフィックパッケージによって提供される。
【0051】
データプロセッサ50は、x位置プロバイダ34によって記録されたxデータに対してプロットされた干渉計z変位プロバイダ35によって提供されるzデータを示す図式的トレースとしてディスプレイ21上に測定したデータセットを表示することを可能にするグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)を提供する。この例では、基準データセットの図式的トレースは「データトレース」と呼ばれ、第1の測定部のデータセットによって提供されるトレースは「RHSトレース」と呼ばれ、RHSは右手側を表す、第2の測定部のデータセットによって提供されるトレースは「LHSトレース」と呼ばれ、LHSは左手側を表す。
【0052】
実際2つ以上の異なるトレースが表示される場合、データプロセッサ50は異なる色を使用してこれらを表示する。これは、実線、鎖線、および点線を使用することによって添付の図面に示されている。
【0053】
この例では、オペレータはキーボード22および/またはポインティング装置24を使用して、基準データセットのプロファイルであるデータトレースを最初に表示するようにグラフィカルユーザインターフェイスを介して制御装置59に指示する。データプロセッサ50のユーザ入力受信機57がこのような指示を受けると、制御装置59は出力プロバイダ58に基準データセットをデータトレースとして表示させる。図6は、データトレース81を示す表示画面(または、表示画面内のウィンドウ)80を示している。
【0054】
オペレータはその後、キーボード22および/またはポインティング装置24を使用して、データトレースと共にRHSトレースとして第1の測定部データを表示するようにグラフィカルユーザインターフェイスを介してデータプロセッサ50に指示する。図7aは、データトレース81(鎖線で示す)と共にRHSトレース83(実線で示す)を示す表示画面(または、表示画面内のウィンドウ)82を示している。
【0055】
データプロセッサ50のグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)は、グラフィックパッケージでよく知られているように、選択した表示対象物の鏡面反射(反射)、回転および平行移動、この場合図式的に示したトレースを可能にするユーザ動作可能制御を提供する。
【0056】
オペレータは、RHSトレースを選択し、さらにユーザ動作可能制御を使用して、xおよびz方向にトレースを平行移動させ、および軸周りのトレースを(表示画面に垂直である)y方向に回転させることでRHSトレース全体を単体として移動および/または回転させてデータトレースとほぼ位置合わせるようにすることによって、目によりRHSトレースをデータトレースに大まかに位置合わせする。したがって、図式的表示により、最初の粗位置合わせを目で行うことが可能になる。
【0057】
図7bは、データトレース81(z軸寸法の変化により、データトレースは図7bと異なって見えることを理解する)と共に変換したRHSトレース83′を示す表示画面(または、表示画面内のウィンドウ)84を示している。これにより、制御装置59に、データ変換器54に指示して、オペレータによるRHSトレースの変換にしたがって第1の測定部データセットを変換するように(図4のS5)第1の測定部データセット上の変換を行わせる。データ記憶装置52は、変換した第1の測定部データセットを記憶する。
【0058】
オペレータはその後、制御装置59に指示して、データ位置合わせ装置55に変換したRHSトレース83′をデータトレース81に位置合わせさせる、すなわち記憶した変換された第1の測定データセットを基準データセットに位置合わせさせる。したがって、図4のS6では、データ位置合わせ装置55は、RHSトレースがデータトレースと位置合わせされたと考えられる点である、最小2乗誤差が最小になるまでRHSトレースの回転およびxおよびz位置を調節する最小2乗適合処理などの知られている位置合わせ処理を使用する。図8は、データトレース81に位置合わせされた変換したRHSトレース83”を示す表示画面(または、表示画面内のウィンドウ)85を示している。図8の点線86は、位置合わされた変換したRHSトレース83”とデータトレース81の間の違いを示しており、また2つのトレースの重なりの範囲を示している。制御装置は、データ記憶装置52に変換および位置合わせした第1の測定データセットを記憶させる。
【0059】
オペレータはその後、グラフィカルユーザインターフェイスを介しデータプロセッサ50に指示して、データトレースと共にLHSトレースとして第2の測定部データを表示させる。オペレータはその後、最初にLHSトレースを鏡面反射または反射させるようにGUIのユーザ動作可能制御を使用する。オペレータはその後、RHSトレースで上に説明した方法で、鏡面反射させたLHSトレースを目によってデータトレースに大まかに位置合わせする。これにより、制御装置59が図4のS7でデータ変換器54に指示して、オペレータによってLHSトレースの反射および変換にしたがって第2の測定部データセットを反射および変換させる。図9は、オペレータによってデータトレース81に大まかに位置合わせされた反射または鏡面反射させたLHSトレース88を示す表示画面(または、表示画面内のウィンドウ)87を示している。制御装置59は、データ記憶装置52に、反射および変換された第2の測定データセットを記憶させる。
【0060】
オペレータはその後、制御装置59に指示して、データ位置合わせ装置55に反射および変換したLHSトレース88をデータトレース81に位置合わせさせる。すなわち記憶した反射および変換した第2の測定データセットを基準データセットに位置合わせさせる。従って、図4のS8ではデータ位置合わせ装置55は、反射および変換したLHSトレース88をデータトレース81に位置合わせするように、S6に関して上に論じた位置合わせ処理を使用する。図10は、データトレース81に位置合わせされた反射、変換および位置合わせしたLHSトレース88”を示す表示画面(または、表示画面内のウィンドウ)89を示している。図10の点線90は、反射、変換および位置合わせしたLHSトレース88”とデータトレース81の間の違いを示しており、また2つのトレースの重なりの範囲を示している。制御装置は、データ記憶装置52に反射、変換および位置合わせした第2の測定データセットを記憶させる。
【0061】
RHSおよびLHSトレース(すなわち、第1および第2のデータセット)は従って、データトレース(すなわち、基準データセット)に独立して位置合わせされている。この例では、基準データセットは、プロファイルを作るのに必要な残りの処理では使用しない。
【0062】
LHSトレースがデータトレースに位置合わせされると、S9では、制御装置59からの指示により、出力プロバイダ58は位置合わせおよび変換したRHSトレース83”、および位置合わせ、反射および変換したLHSトレース88”を表示する。図11は、これらの2つの位置合わせしたトレース83”および88”(LHSトレース88”は鎖線で示されている)を表示する表示画面92を示している。
【0063】
制御装置59はその後、S10でデータ融合装置56に位置合わせした第1および第2のデータセットの重なり領域を合わせさせる。2つのデータセットを合わせるいくつかの方法がある。一実施例では、プロファイルを示す最終データセットは変更することなく重なり領域内で両方の測定データセットからの点を含み、それによって左からプロファイルの中心を横断し、データ点はLHSおよびRHSトレースから交互に来る。最終データセット内のデータ点の合計数は、両方のデータセット内のデータ点の合計と等しい。別の方法は、重なり領域内の点をデータの加重平均に基づく推定値と置換することである。これにより、最終データセット内の点の数が少なくなり、単純な融合技術によって生じる中心領域内の明らかな「雑音」のいくつかを取り除く。
【0064】
構成部品の物理的パラメータ、例えば、粗さパラメータRaまたはピークから谷までのプロファイル高さRtは融合したプロファイルより判断することができる。このようなパラメータは、測定パラメータを構成部品に対する公称製造値と比較するために、品質保証処理で使用することができる。
【0065】
非球面構成部品のプロファイルは普通、多項式によって示される。例えば、上記μLTRA(登録商標)ソフトウェアパッケージを使用して予測多項式形を取り除くことによって測定プロファイルと予測多項式プロファイルの間の誤差を測定することが可能である。図12は、このような形取除き処理の結果を示す表示画面95を示している。図12から、構成部品の直径プロファイルの大部分にわたって、この例ではx方向で1.0から2.4mmの間で、誤差は小さいことがわかる。より大きな誤差が、普通は非球面状構成部品を製造するのに使用される旋回処理の結果物(artefect)である構成部品の周面に向かって存在する。この処理の追加的な結果物は、普通は旋回処理の中心の位置に存在する中心非均一性である。このような非均一性は、図12のx=1.7mmで僅かに大きい誤差によって分かる。
【0066】
上記技術の有効性を示すためには、本発明を利用した方法、および測定データセットのみを使用する、すなわち基準データセットまたはデータトレースを使用することのない方法が、単一の連続測定経路を使用する方法と比較されている。
【0067】
図13は、非球面形態を取り除いた後に、上記方法によって得られるプロファイル100a、および上記測定器具を使用して単一の連続測定を行うことを可能にする非球面状構成部品上の単一の連続測定経路を使用した方法によって得られるプロファイル100bを拡大寸法で示す表示画面100を示している。これから分かるように、これらの2つのトレースの間には非常に小さな違いしかない。
【0068】
図14から図18は、比較する目的で、第1および第2の測定データセットが上記のように得られるが、基準データセットは得られない方法を示す表示画面101から105を示している。
【0069】
図14は、公称角度を通してフィルタリングおよび回転されるRHSトレース110を示す表示画面101を示している。図15の図示する表示画面102は、RHSトレース110に目で大まかに位置合わせしたLHSトレース111を示している(鎖線で示す)。図16は、位置合わせがこれに基づくデータの範囲を示す点線113でデータ位置合わせ装置55の動作により生じるプロファイル112を示す表示画面103を示している。これは、本発明を利用した方法のものより明らかに短い。
【0070】
図17は、拡大寸法で、非球面形状を取り除いたトレースに、図14から図16によって示される方法によって、すなわち基準データセットを使用することなく得られるプロファイル104a、および非球面形状を取り除いた後に、単一の連続測定を上記測定器具を使用して行うことを可能にした非球面状構成部品上の単一の連続測定経路を使用した方法によって得られるプロファイル104bを示す表示画面104を示している。これから分かるように、これらの2つのトレースの間には明らかな違いがある。
【0071】
図18は、本発明を利用した方法を使用して得られるプロファイル107、および比較方法により得られるプロファイル106により得られる誤差を示す表示画面105を示し、比較方法によるプロファイル106の誤差は本発明を利用した方法によるものよりはるかに大きく、またその傾向は認知された形態誤差につながる光軸からの距離でより急速に増加することを示している。
【0072】
図1から図13を参照して上に記載した方法は、基準データセットまたはデータトレースを使用しない、図14から図16によって示された方法を参照して記載された方法よりも、単一の測定経路を使用して得られる結果にはるかに近い適合を与える。加えて、2つのトレース測定に関連する誤差の全体の大きさははるかに大きい。
【0073】
2つおよび3つのトレース測定間の誤差の違いは基本的に、トレースを位置合わせすることができる精度によるものである。(アクセスおよび/または表面勾配の問題により、基準軸のそれぞれ両側までより小さな距離だけ延びることができる)2つのトレースだけでは、トレースの間の重なりの程度は小さく、重なり領域内にほぼ同じデータを生じさせる、2つのトレースの間のより大きな範囲の相対位置があることを意味する。このような範囲の配向は誤差を生じる。というのは、どの配向が正しいか判断することができないからである。逆に、データトレースを使用することによって、構成部品の基準軸にわたって連続測定を得ることが可能であり、これとRHSまたはLHSトレースの間の重なり領域をはるかに大きくすることが可能になる。その結果、例えばLHSおよびRHSトレースの相対配向内の誤差を必然的に小さくする適合アルゴリズムに供給されるより多くの制約がある。
【0074】
上記方法では、基準データは中心測定トレースによって与えられる。本発明を利用した別の方法では、基準データは、中心測定トレースの代わりに、レンズ金型表面61を結合させる平面金型表面(「ウィング」または「フラット」)62aおよび62b(図5aから図5b)上で行われる測定によって与えられる。2つのフラット62aおよび62bは、製造許容範囲内で、非球面形の配向に関する基準データを提供するのに使用することができる平行な平面を形成する。
【0075】
この方法では、基準データセットは、データ(図5aに点線で示す基準経路61f)を提供するように、図5aに示す非傾斜位置の金型でフラット62aおよび62b上のそれぞれの基準経路61f(図5aに点線で示す)上で測定を行うことによって得られる。第1および第2の測定経路はその後、それぞれ図5bおよび図5cの点線61fおよび61gによって示すように、それぞれ隣接するフラット62aおよび62bの上に延びるように制御される。第1の測定データセットはその後、データのフラット部をデータの対応する部に位置合わせするように回転および平行移動される。第2の測定データセットはその後、データのフラット部をデータの対応する部と位置合わせするように、鏡面反射、回転および平行移動させる。これを行うことによって、第1の測定データセットのフラット部と第2の測定データセットのフラット部の間で定められた角度は、データの2つのフラット部間で定められた角度と等しい。測定データセットはその後、最小2乗位置合わせによって測定されるように、重なり領域内で最良の適合を提供するようにxおよびzで平行移動される。
【0076】
上記の実施例では、構成部品は測定される凹状表面を有していた。図19aから図19cは、デジタルカメラ、携帯電話、またはDVDレコーダなどの光学記憶装置で使用することができる非球面状レンズなどの構成部品600の凸状非球面状表面610に対する、図5aから図5cに等しい図を示している。図4から図13を参照して上に記載した方法は、この構成部品上で使用することができ、この場合、第1および第2の測定経路部、および基準経路部はそれぞれ線610d、610eおよび610cによって図19aに示されている。上記第2の方法はまた、図19aから図19cに示すように、構成部品がチャック内でガラスフラット700上にしっかり取り付けられる場合に使用することができる。この場合、構成部品を結合させるガラスフラットの部分710aおよび710bは金型のウィングまたはフラットの代わりをし、基準経路点線610fによって示され、第1および第2の測定経路は図19aから図19cの点線610gおよび610hによって示されている。黒点Dはまた、回転を目視できるように設けられている。
【0077】
データ位置合わせ装置55によって使用される位置合わせ処理は十分に影響力があり、前の粗位置合わせが必要ないほど十分迅速に集まることができることを理解されたい。
【0078】
上記方法のいずれかでは、構成部品の完全な3次元表面地形は、構成部品の光軸周りのαの異なる角度で一連の直径プロファイルを測定することによって、すなわちα=0+nおよびα=180+nでの測定で第1および第2の測定データセットの対を得ることによって得ることができ、nは対の間の所定の角度増分だけ大きくなる。形態はその後、2次元プロファイルから形成される「枠組み」によって、または測定したプロファイル間の挿入によって連続3次元形態として示すことができる。別の可能性としては、または加えて、ワークが回転対称である場合、異なる測定プロファイルを平均化することができる。
【0079】
上記のように、支持アームの傾斜、およびプラットフォームの回転を自動化することができる。加えて、ユーザによって与えられる傾斜および回転角度(または、存在する場合、θおよびα位置プロバイダ37および39によって与えられるデータ)、およびx位置プロバイダ34によって与えられるxデータを使用して、ユーザによって行われるように上記粗位置合わせ処理を自動化することも可能である。そうである場合、上記表示画面の多くは、必ずしもオペレータに対して表示される必要はない。
【0080】
干渉計z変位プロバイダ35は、誘導ゲージ(例えば、LVDT)などのあらゆる他の適切な形の変換器と代えることができる。同様に、x位置プロバイダ34は必ずしも格子である必要はないが、干渉計などのあらゆる他の適切な形の変換器である可能性もある。
【0081】
本発明を利用した方法は、スタイラスアームがz方向に延び、それによって表面に追従する場合に旋回するのではなくその長さに平行に移動する場合に適用することができる(例えば、特許文献2参照)。上記測定技術は、表面プローブが表面を判断するまたはこれにしたがう方法と関係なく適用することができる。プローブは、表面と接触してもしなくともよく、例えば、プローブは原子間力プローブであってもよい。また、本発明は、xおよびzの独立した測定を、z内の変化をxでログ記録するのではなく表面形態を測定するのに使用される、座標測定タイプ機械に適用することができる。
【0082】
本発明は、円環状構成部品および回折構成部品を含むあらゆる非球面状構成部品に適用することができる。加えて、本発明は回転対称の構成部品に限るものではない。
【0083】
上に記載するように、構成部品は第2のセットの測定を行う前に回転される。横断ユニットがx方向の前進および逆転経路の両方に沿って測定を行うことができる場合、回転させるのではなく、単に構成部品を他の方向に傾斜させることが可能である。この場合、支持プラットフォームは必ずしも回転可能である必要はない。
【0084】
本発明は、あらゆる構成部品の形の測定に適用することができるが、上に記載したように、測定される表面の勾配の少なくとも一部、または表面へのアクセスの問題のいずれかが測定経路を部分に分割することが望ましい場合に特に有利である。また、測定経路が3つ以上の部分に分割される場合に本発明を適応させることが可能であり、図4から図13を参照して記載した方法の場合、それぞれの基準データセットは互いに合わせられる測定データセットの各対に対して得られる。例えば、3つ以上のトレースの加重組合せを使用することもできる。
【0085】
上に記載したように、第1および第2の測定経路が重なる。本発明は、第1および第2の経路が単に当接するが、互いに重ならない場合に、さらにおそらく第1と第2の測定経路の間に間隙がある場合に適用することができる。後者の場合、図4から図14を参照して説明する方法が使用される場合、基準経路部自体の測定結果を使用して、構成部品の表面プロファイルの一部を形成することができる。このような場合、データ融合装置56はまた、失われたデータを埋める多項式適合処理を使用することによって連続プロファイルを生成することが可能である。この技術はまた、表面が連続しており中断されていない構成部品ではなく、その形態内の孔などの中断を有する構成部品に適用可能である。
【0086】
検査における構成部品が極めて小さい、特に凹状プロファイルを備えている場合、凸状プロワイルを備えた別個の構成部品を代わりに使用することによってキャリブレーションを行うことも可能である。検査構成部品はその後、キャリブレーション中に使用される構成部品の位置に配置することができる。別の方法では、より大きな凹状プロファイルを備えた別個の構成部品を使用することができる。第3の代替形態として、支持アセンブリは、キャリブレーションを行う必要を避ける精密位置合わせ用具を備えることができる。
【0087】
制御装置3および測定器具2は、必ずしも物理的に共に配置されている必要はないが、遠隔通信リンクによって、例えばネットワークを介して結合させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明を利用した測定器具の測定装置の、測定方向と垂直な方向で見た極めて模式的な図である。
【図2】図1に示す測定装置の、測定方向で見た、極めて模式的な図である。
【図3a】本発明を利用した測定器具の主な制御構成部品を示す機能ブロック図である。
【図3b】測定器具の制御装置をプログラミングすることによって提供される測定器具のデータプロセッサの機能ブロック図である。
【図4】図1から図3bに示す測定器具を使用してワークの形態を判断するように、本発明を利用した方法でデータプロセッサによって行われるステップを例示するフローチャートである。
【図5a】測定動作中のレンズ金型の形のワークの配向を示す略図で、基準データセットを得るための、測定経路の中心部の測定中の配向を示す図である。
【図5b】測定動作中のレンズ金型の形のワークの配向を示す略図で、第1の部分測定データセットを得るための、測定経路の一端部で第1の部分の測定中の配向を示す図である。
【図5c】測定動作中のレンズ金型の形のワークの配向を示す略図で、第2の部分測定データセットを得るための、測定経路のもう一端部で第2の部分の測定中の配向を示す図である。
【図6】本発明を利用する方法中に作り出された基準データセットを示す基準またはデータトレースを示す表示画面の図である。
【図7a】基準データトレースを点線で示した、図5bの第1の部分の測定によって作り出された第1の部分の測定データセットを示す第1の測定トレースを示す表示画面の図である。
【図7b】基準トレースに対する第1の測定トレースのおおよその位置合わせ後に、(基準データトレースを点線で示した)第1の測定トレースおよび基準トレースを示す表示画面を示す図である。
【図8】基準トレースに対する第1の測定トレースの最小2乗適合による位置合わせ後に、(基準またはデータトレースを点線で示した)第1の測定トレースおよび基準トレースを示す表示画面を示す図である。
【図9】基準トレースに対する第2の測定トレースのおおよその位置合わせ後に、(基準トレースを点線で示した)図5cの第2の部分の測定によって作り出された第2の測定データセットを示す第2の測定トレースを示す表示画面の図である。
【図10】基準トレースに対する第2の測定トレースの最小2乗適合後に、(基準データトレースを点線で示した)第2の測定トレースおよび基準トレースを示す表示画面の図である。
【図11】基準トレースに対するそれぞれ別の位置合わせ後に、第1および第2の測定トレースを互いに合わせることによって作り出される直径プロファイルを示す表示画面の図である。
【図12】本発明を利用する方法を使用して得られるプロファイルから予測表面を取り除く効果を示すトレースを示す表示画面の図である。
【図13】基部非球面形態を取り除いた後に、本発明を利用した方法、および単一の連続測定経路を使用した方法を使用して得られるプロファイルの比較を示す図である。
【図14】基準データセットが使用されていない比較方法で、図5bの第1の部分の測定によって作り出された測定データセットを示す第1の測定トレースを示す表示画面の図である。
【図15】比較方法で第1の測定トレースとの第2の測定トレースの位置合わせを示す表示画面を示す図である。
【図16】比較方法での位置合わせ後に、第1および第2の測定トレースを互いに合わせることによって作り出されるプロファイルを示す表示画面の図である。
【図17】基部非球面形態を取り除いた後の、単一の連続測定経路を使用する方法、および比較方法を使用して得られるプロファイルを示す表示画面の図である。
【図18】本発明を利用する方法、および比較方法を使用して得られるプロファイルによる誤差を示す表示画面の図である。
【図19a】本発明を利用する方法中の、レンズの形のワークの配向を示す略図で、基準データセットを得るために、測定経路の中心部の測定中の配向を示す図である。
【図19b】本発明を利用する方法中の、レンズの形のワークの配向を示す略図で、第1の測定データセットを得るために、測定経路の一端部での第1の測定部の測定中の配向を示す図である。
【図19c】本発明を利用する方法中の、レンズの形のワークの配向を示す略図で、第2の測定データセットを得るために、測定経路のもう一端部での第2の測定部の測定中の配向を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークまたは構成部品の表面のプロファイルまたは形態(全体の形状)を測定することが可能な測定器具(metrological instrument)に関する。
【背景技術】
【0002】
Taylor Hobson Limited、Ametek Inc.の部門は、表面のプロファイルまたは形態を測定するために機械スタイラスの形の測定プローブを使用するいくつかの表面プロファイルまたは形態測定器具を製造する。これらの器具の多くでは、相対移動が測定経路(従来、「x軸」と示される)に沿ってスタイラスと構成部品との間で行われ、z方向への表面変化がスタイラスを担持するアームを、スタイラスがこれらの表面変化に追従する(follow)と軸周りで旋回または回転させる。測定ゲージ、この場合干渉計ゲージはz変位を測定する。
【0003】
Taylor Hobsonによって製造された1つのタイプのこのような測定器具は、Form Talysurf PGI(登録商標)シリーズである。このシリーズの器具は、特に優れた範囲/解像度比を有し、それによってかなりの程度の形態を有する表面上の形態および表面粗さまたは組織の両方の測定を行うことが可能である。これにより、Form Talysurf PGIシリーズの器具の使用が、非球面測定に特に有利になる。
【0004】
このような測定器具で非球面構成部品を測定する際、表面上の対向する点の間で、また構成部品の回転軸がそれを通して延びる表面上の点を通る測定経路上で測定が行われることが普通であり、それによって円形基部を有する非球面体の場合、測定経路は非球面上の円形基部の直径の突起を示す。この理由で、測定経路は「直径経路」と呼ぶこともできる。
【0005】
構成部品は普通、回転軸が測定器具のz軸に公称上位置合わせされるように位置決めされている。
【0006】
いくつかの状況では、物理的制限により構成部品の全直径経路を測定することができない可能性もある。これらの制限は例えば、構成部品の寸法が器具の測定エンベロープを超える(例えば、直径は最大測定長さより長い)、または構成部品表面の傾斜の少なくとも一部が大きすぎることである。普通、Form Talysurf PGI測定器具によって測定することができるz平面の最大勾配は約30°であり、これを超えてスタイラスアームに加えられる応力は大きくなり過ぎ、屈曲を引き起こす可能性がある。測定される表面が窪んだまたは凹状表面である場合、別の物理的制約は測定プローブの寸法である可能性がある。
【0007】
後者の2つの問題が生じる構成部品の1つのタイプは、小さな非球面レンズ、特にデジタルカメラおよび携帯電話に使用されるレンズ用の金型である。というのは、このようなレンズは10ミリ未満の領域に基部直径を有することができるからである。表面勾配の問題はまた、このような金型によって製造されるレンズを測定する場合の問題である可能性がある。
【0008】
勾配の問題はまた、デジタル多用途ディスク(DVD)レコーダおよびプレーヤなどの光学記憶装置用のレンズの分野において著しく普及してきている。これは、大きなデータ記憶容量に対する需要がより大きくなっているので、DVD上にデータを焼き付けるのに使用される光の光学分解能がより高くならなければならないからである。これは、光源の波長を赤外線から青色光まで小さくすることによって達成されている。しかし、青色光を使用するシステムは、より大きな程度の非球面性を備えたレンズが必要である可能性があり、したがって、レンズ表面の少なくとも一部は30°より大きな勾配を有することができる。
【0009】
【特許文献1】米国特許第5517307号明細書
【特許文献2】米国特許第6344656号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一形態は、プローブと表面の間の相対移動を行うことによってワークの表面の表面プロファイルまたは形を測定するための測定器具を提供し、それによってプローブが追従し、表面形状の変化によって、また表面に追従するときにプローブの変位の測定を判断することによって変位され、表面上で単一の測定経路に沿って測定を行う代わりに、それぞれの測定は対応する測定データセットを得るためにその測定経路の部分上で行われ、これらの測定データセットは、(表面の上の測定経路の別の部分上、構成部品の別の表面上の別の測定経路上、および構成部品が配置された表面の上の別の測定経路上で行われる少なくとも1つの測定によって得られる)基準データセットを使用することによって位置決めまたは位置合わせされ、位置合わせされた測定データセットはその後互いに合わせられる。基準データセットは、互いに合わせられるデータの一部を形成しなくてもよい。
【0011】
本発明の一実施形態は、測定経路の一部上で測定を行いその後ワークを再び位置決めし、測定経路の別の部分上で測定を行うことによって表面の形を判断することを可能にする。これにより、表面の形またはプロファイルの測定を、単一の測定経路を使用して測定することが難しい構成部品上で行うことが可能になる。例えば、急勾配を有する表面(上記のレンズ金型またはレンズなど)の場合、構成部品は表面の一端部から表面の一部に沿って測定するために一方向にその光軸周りで傾けるまたは回転させることができ、その後表面のもう一端部から表面の一部に沿って測定するために反対方向に傾けるまたは回転させることができ、それによってプローブに対するこれらの表面部の表面勾配が小さくなり、またこれらの表面部に対するプローブのアクセスが容易になる。この場合、基準データセットにより測定データセットの正確な回転が可能になって、プロファイルを作るように位置合わせすることが可能である。
【0012】
基準データセットは、測定経路の前記部分の間の測定経路の別の部分上での測定によって得ることができる。例えば上記レンズ金型またはレンズの場合、基準データセットは、光字区を含む測定経路の中心部の上での測定によって得ることができる。普通、測定部の間、および各測定部と中心部の間に重なりがある。
【0013】
別の可能性としては、基準データセットは構成部品の別の表面上での基準測定経路上で行われる測定によって得ることができる。例えば平面金型表面内のキャビティの形の表面の場合、例えば上に論じたレンズ金型の場合、基準データセットはキャビティの両側の平面金型表面のそれぞれの表面領域上の基準測定経路上で測定を行うことによって得ることができる。別の可能性としては、基準データセットは、構成部品が測定過程中にその上に配置されるガラス平面または他の基準表面の表面領域上の基準測定経路部上で測定を行うことによって得ることができる。この技術は例えば、上に論じたレンズなどのワークの凸状表面の場合に使用することができる。いずれの場合も、これにより基準データセットを得ることが可能となり、測定データセットを得るためにワークの回転または傾斜が基準とすることができ、測定データセットの正確な相対回転がこれらを位置合わせすることを可能にする基線を画定する。
【0014】
基準データセットの使用により、測定データセットを互いに合わせるまたは合体させて、測定データセットの再配向が異なる部分の測定間のワークまたは構成部品の配向(orientation)の変化を考慮することを可能にすることによって所望の直径トレースを再構築する。これにより、直径トレースが各測定のために異なる配向で構成部品を備えた測定経路の異なる部分上の測定によって得られた事実により生じる測定不確定性の増大が少なくなる、または最小限に抑えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施形態を例として、添付の図面を参照して説明する。
【0016】
図面を参照すると、記載する測定器具は、測定装置および制御装置を備えている。図1および図2は、測定器具1の測定装置2の極めて模式的なものを示しており、図1は(測定方向と垂直な方向である)y方向をほぼ見ており、図2は(x方向である)測定方向をほぼ見ている。明確にする目的で、図1に示す特定の構成部品は、図2では示されないか、または完全には示されない。逆も同様である。いくつかの構成部品は、同様の理由で図1および図2の極細線によって示される。また、図1および図2は決まった縮尺ではなく、相対寸法は図1および図2では異なるように示されている。
【0017】
図3aは、測定器具1の測定装置2および制御装置3の両方の主な機能的構成部品を示すブロック図であり、図3bは制御装置3のプログラミングによって提供される測定器具1のデータプロセッサ4の機能的ブロック図を示す。
【0018】
測定装置2は、作業台6によって支持されるように設計された花崗岩ベース5を有する。ベース5は、垂直またはz軸基準データを規定するカラム7を担持する。カラム台車8はカラム7に取り付けられて、カラム7に対してz方向に移動可能である。カラム台車8の移動は、電動リードスクリュ、プーリ、または他の駆動装置(図示せず)によって行われる。
【0019】
カラム台車8は、電動駆動装置(図示せず)により、x方向にカラム台車8に対して移動可能である横断ユニット9を担持する。
【0020】
横断ユニット9の台車は、この実施形態では、その自由端に測定動作中の検査においてワークまたは構成部品の表面と接触するスタイラス先端12を有するスタイラス11を担持する(横断ユニット9内に点線で図1および2に極めて略図的に示した)旋回可能に取り付けられたスタイラスアーム10からなる測定プローブを担持し、それによって横断ユニット9がx方向に移動されると、スタイラスアーム10が旋回して、スタイラススタイラス先端12が表面上の測定経路に沿ってz方向の変化に追従することが可能になる。
【0021】
次に図3aを参照すると、制御装置3は普通はパーソナルコンピュータであり、処理ユニット13を有する。処理ユニット13は、バス13aを介し、関連データおよびプログラム命令/ソフトウェア記憶装置14に結合される。装置14は、RAM15、ROM16、ハードディスクドライブなどの大容量記憶装置17、およびCD−ROM、半導体メモリカード、DVDまたはフロッピー(登録商標)ディスクなどの取外可能媒体(RM)19を受ける少なくとも1つの取外可能媒体ドライブ18の形である。別の可能性としては、取外可能媒体ドライブ自体は取り外し可能であり、例えば外部ハードディスクドライブであってもよい。
【0022】
制御装置はまた、ディスプレイ21、キーボード22、マウスなどのポインティング装置23、プリンタ24、および任意選択で、制御装置3がインターネット、イントラネット、WANまたはLANなどのネットワークを介した他の制御装置またはコンピュータとの有線または無線接続を介して信号Sを通信することを可能にするMODEMまたはネットワークカードの少なくとも1つなどの通信装置25を備えた入出力装置20に対し、同じまたは異なるバスを介して結合されている。
【0023】
処理ユニット13は、
通信装置25を介して信号Sとしてダウンロードされるもの、
ROM16、RAM15、および大容量記憶装置17のいずれか1つまたは複数内に予め記憶されるもの、
取外可能媒体ドライブ18によって受けられる取外可能記憶媒体19から読取られるもの、および
キーボード22を使用してユーザによって入力されるもの、
の少なくとも1つであるプログラム命令およびデータによってプログラミングされている。
【0024】
測定装置2は、測定動作に関するデータを制御装置3に通信することを可能にするように、適当なリンク、例えばシリアルリンク30aを介して制御装置3の処理ユニット13と通信するデータ取得および処理ユニット(DAPU)30を有する。
【0025】
測定装置2の制御構成部品は、台車8をz方向にカラムの上下に駆動させるカラム駆動制御装置31と、横断ユニット9をx方向に駆動させるx位置制御装置32と、スタイラス11がx方向に測定経路に沿って横断ユニット9の移動中に測定される表面に追従するときに、スタイラス先端12のz変位の尺度を提供する干渉計z変位プロバイダ35とを備えている。普通、干渉計z変位プロバイダ35は、横断ユニット9内に設けられる。
【0026】
x方向制御装置32は、例えば、x位置制御装置32を提供するモータに取り付けられたシャフトエンコーダであってもよく、またはリニア格子タイプの変換器であってもよいx位置プロバイダ34に取り付けられている。カラムドライブ31はまた、カラムz位置プロバイダ33(図3aに極細線で示す)、例えばカラムドライブ31を提供するモータに取り付けられたシャフトエンコーダに取り付けることができる。またはカラムz位置はカラムモータ駆動信号から直接的に開ループの方法で測定することができる。図3aに示すように、カラムドライブ31およびx位置制御装置32は、制御装置3からの指示により制御するように制御装置3(リンク13b、および図示しない適当なインターフェイスを介して)制御装置3に結合されている。これらの少なくとも一部は、ユーザによって供給することができる。
【0027】
これまで記載した測定器具1は、Form Talysurf PGIシリーズとしてTaylor Hobsonによって製造されたタイプの測定器具である。これらの器具は、これまで記載した測定器具をさらに詳述するために言及すべきである(その全内容を参照として本明細書に援用する)主題である(例えば、特許文献1参照)。特に、この測定器具は、「Form Talysurf PGI 1240、非球面測定システム」という題名のTaylor Hobsonによって製造されたパンフレットに記載されたTaylor HobsonのForm Talysurf PGI 1240(登録商標)測定器具に基づいている。このForm Talysurf PGIシリーズの測定器具は特に、明らかな形態を有する表面の表面形態(と粗さ)を測定するのに特に適している。この主な理由は、干渉計z変位プロバイダ35は、特許文献1に記載のようにスタイラスアームがこの周りで旋回する軸と一致する曲率半径を有する湾曲した回折格子を使用するということである。これにより、より長い範囲にわたってより正確なz変位測定が行われる。
【0028】
図1から図3bに示した測定器具は、ワークをy軸方向に傾斜させ、また回転させることを可能にするワークまたは構成部品用の支持アセンブリを備えているという点において、Form Talysurf PGI 1240測定器具と異なる。
【0029】
図1および図2に示すように、この支持アセンブリ40は、基部5に締め付けられたあるいは固定されたL字形支持スタンド41を備えている。普通、必ずしもではないが、締付または固定により、スタンドを取り除くことが可能になるおよび/またはその位置を調節することが可能になる。
【0030】
L字形支持部材42(図1に一部のみを示す)は、y軸周りのL字形支持部材42の回転を可能にする軸43(図2参照)を介してL字形支持スタンド41に結合され、それによってL字形支持部材42の基部42aは回転したときにy軸周りの円弧を描く。
【0031】
L字形支持アーム42は、L字形支持アーム42の基部42aと垂直な軸周りの支持プラットフォーム47の回転を可能にする軸44を介してL字形支持アーム42の基部42aに取り付けられた支持プラットフォーム47を担持する。図1に示すように、支持アーム42はy軸周りに回転され、それによってプラットフォーム47はz軸に対して角度θで傾斜される。
【0032】
この例では、L字形支持部材42は回転角度θを正確に測定することを可能にするように割り出された、あるいはキャリブレーションされた手動回転可能制御部材43aを使用することによって回転される。別の可能性としては、軸周りの回転を電動化することができ、角度θを制御装置3を介して制御することができ、この場合、図3aの極細線で示すように、測定装置は制御装置3によって制御されるθ位置制御装置36を備えている。閉ループサーボ装置が必要な場合、θ位置プロバイダ37(シャフトエンコーダであってもよい)はまた、DAPU30に角度θを示す信号を供給するように設けられる。
【0033】
この例では、支持プラットフォーム47は、回転角度αを正確に測定することができるように割り出された、あるいはキャリブレーションされた手動回転可能制御部材45を使用することによって回転される。別の可能性としては、軸周りの回転を電動化することができ、角度αを制御装置3を介して制御することができる。そうする場合には、図3aの極細線で示すように、測定装置は制御装置によって制御されるα位置制御装置38を備える。閉ループサーボ装置が必要である場合、α位置プロバイダ39(シャフトエンコーダであってもよい)はまた、角度αを示す信号をDAPU30に供給するために設けられる。
【0034】
検査においてワークまたは構成部品60をしっかり保持するためのレセプタクルまたはチャック46は、支持プラットフォーム47に取り付けられて、支持プラットフォーム47で傾斜および回転する。
【0035】
支持アセンブリ40により、支持プラットフォーム47、したがって検査において構成部品60を傾斜および回転させることが可能となり、そうでなければ大きすぎる勾配(普通は30度より大きい)を有する測定経路を横切るスタイラス先端12を、このような測定装置によって測定することが可能になる。したがって、支持アセンブリ40により、支持プラットフォーム47(したがって、構成部品60)を傾斜させることによって表面61上の測定経路の一端部61aから始まる第1の部分を測定することが可能となり、その後、支持プラットフォーム47(したがって、構成部品60)を180度にわたって回転させることによって表面61上の測定経路の他端部61bから始まる第2の部分を測定することが可能になる。これにより、表面への容易なアクセスが可能になり、各部分に対して、表面勾配が測定器具の動作パラメータを超えないことが保証される。
【0036】
制御装置3は、通常はForm Talysurf PGIシリーズの測定器具に提供されたソフトウェアを備えている。加えて、制御装置3は(上記の経路のいずれか1つまたは複数を介して)プログラム命令およびデータ、例えばソフトウェアルーチンまたはモジュールを備えている。これらは普通、大容量記憶装置17またはROM16内に記憶される。実行する場合、これらのプログラム指示は、測定経路のプロファイルを測定経路の異なる部分に対して得られる独立して位置合わせされた測定データセットを組み合わせることによって測定することが可能になる、図3bに示すデータプロセッサ50を提供するように処理ユニット13をプログラミングする。
【0037】
図3bに示すように、データプロセッサ50は、測定器具2からデータを受けるデータ受信機51と、データを記憶するデータ記憶装置52と、雑音および他の望ましくない変化をなくすよう、受信したデータをフィルタリングするデータ予備調整機53と、データセット全体を別のデータセットに対して回転または平行移動させることを可能にするデータ変換器54と、この例では、最小2乗適合処理を使用して1つのデータセットを別のものに位置合わせするデータ位置合わせ装置55と、単一の連続データセットを形成するように2セットのデータを互いに合わせるまたは融合させるデータ融合装置56とを提供する。データプロセッサ50はまた、キーボード22またはポインティング装置23からのユーザ入力を受信するユーザ入力受信機57と、ディスプレイ21、プリンタ24、および、ある場合は、通信装置25の少なくとも1つに出力データを提供する出力プロバイダ58とを提供する。データプロセッサ50はまた、データプロセッサの動作全体を制御する制御装置59を提供する。
【0038】
データ変換装置54は、(設けられている場合はそれぞれの位置プロバイダ37および39によって測定される、またはユーザによって入力される)θおよびα角度を示すデータ、およびDAPUによってログ記録されたx位置データに従ってデータセットの自動回転および平行移動を可能にする。しかし、この例では、データ変換装置54は計算装置によって行われるグラフィック処理と合わせて動作して(または、このようなグラフィック処理を組み込んで)、データセットをポインティング装置23またはキーボード22を使用してオペレータによってスクリーン上で平行移動または回転させることが可能になる。
【0039】
本発明を利用する方法の実施例を次に、検査における構成部品またはワークが、例えば、デジタルカメラ、移動電話(携帯電話)カメラ、またはDVDレコーダで使用される非球面レンズ用の非球面レンズ金型、すなわち極めて小さい(普通は、10ミリ未満の)非球面レンズ用金型である場合、また検査における構成部品またはワークが非球面レンズ自体である場合の例で記載する。しかし、構成部品またはワークはその形態が測定されるあらゆる構成部品またはワークであってもよいが、測定器具は表面の勾配を許容可能なパラメータ内であるように、または凹状のまたは窪んだ表面へのアクセスを容易にするように傾斜させる必要がある場合の使用に特に有利であることを理解されたい。
【0040】
非球面レンズ金型の表面にわたって測定経路のプロファイルを測定する第1の方法を、データプロセッサ50によって行われる処理を示すフローチャートである図4、および測定動作中のそれぞれ異なる測定処理に対するレンズ金型60の配向を示す略図を示す図5aから図5cを参照して説明する。図5aから図5cの黒点Dは、単に、この回転対象体の回転の事実を図中で明らかにすることができるように金型の一方側で特定するために設けられている。
【0041】
支持アセンブリ40は既に、基部5上に正確に位置決めしたと仮定する。したがって、構成部品またはワーク60を支持プラットフォーム47上で位置合わせするように、最初に標準的なクレスト処理(cresting process)を含むセットアップ処理が行われる。これは、支持プラットフォーム47が傾斜していない(すなわち、θがゼロである)状態で(レンズ金型の対称軸である)測定経路上の最も低い点を見つけ、その後、調節ねじなどを使用してプラットフォーム47上のチャック46の位置(または、チャック内の構成部品60の位置)を調節し、それによって支持プラットフォーム47の回転軸70(図5a〜図5c参照)がレンズ金型60の光軸と一致する必要がある。セットアップ処理はまた、オペレータが金型にわたって測定経路61の端点を測定器具に特定する必要がある可能性がある。窪んだ金型表面へのアクセスが難しい場合、セットアップ処理は、金型表面と同じ寸法および形態を有するが、凹状ではなく凸状であるセットアップ構成部品を使用して行うことができる。
【0042】
セットアップ処理が完了すると、支持プラットフォーム47の静止レベルで(すなわち、図5aに示すようにレンズ金型60で)、オペレータは(キーボード22および/またはポインティング装置23を介して)測定器具の制御装置に指示して、基準測定処理を測定経路61の中心基準部61c上で行わせる。基準部61cは、構成部品60の基準軸、この場合、レンズ金型の光軸70を備えるように選択される。横断ユニット9がスタイラス先端12を中心部61cの上で移動させると、干渉計z変位プロバイダ35は、スタイラス先端12のz変位の変化を基準部61cに沿ってxで示す基準部をDAPU30に提供する。
【0043】
図4のS1では、データプロセッサ50のデータ受信機51はDAPU30から基準部データを受ける。制御装置59は、このデータをデータ記憶装置52によって記憶させ、それによって、基準測定処理の最後に、データ記録装置52は基準部上の測定を示す基準データセットを記憶する。制御装置59はその後、出力プロバイダ58に、基準測定が完了したことをディスプレイを介してユーザに助言させる。
【0044】
この例では、オペレータはその後、制御部材43aを使用して、図5bに示す配向へと、横断ユニット9に向かいy方向に(すなわち、図2の紙面の平面内に)角度θを通して(この例では、40°であるが、実際の角度は測定される構成部品の経路、およびスタイラスが横断することが可能である勾配に左右される)支持プラットフォーム47を手動で傾斜させる。オペレータはその後、(キーボード22および/またはポインティング装置23を介して)測定器具1の制御装置に指示して、第1の測定処理を軸70のちょうど左から始まり測定経路の一縁部61a(この例では、レンズ形状表面と金型の結合表面または「ウィング」62aの間の交点)のちょうど下までの測定経路61の第1の測定部61dの上で行わせ、それによって第1の測定部61dは基準部61cの最も近い端部と重なる。横断ユニット9がスタイラス先端12を第1の測定部の上で移動させると、干渉計z変位プロバイダ35は、スタイラス先端12のz変位の変化を第1の測定部61dに沿ってxで示す第1の測定部データをDAPU30に提供する。S2では、データプロセッサ50のデータ受信機51はDAPU30から第1の測定部データを受け、制御装置59はこのデータをデータ記憶装置52によって記憶させる。第1の測定処理の最後に、データ記憶装置52は第1の測定部上の測定を示す第1の測定部データセットを記憶する。
【0045】
制御装置59はその後、出力プロバイダ58に、第1の測定部の測定が完了したことをディスプレイを介してユーザに助言させる。
【0046】
この例では、オペレータはその後、制御部材43aを使用して、図5cに示す配向へと、180度の角度αを通して支持プラットフォーム47を手動で回転させる。オペレータはその後、(キーボード22および/またはポインティング装置23を介して)測定器具1の制御装置に指示して、第2の測定処理を軸70のちょうど右(回転により、図5cでは左)から始まり測定経路61のもう一縁部61b(この例では、レンズ形状表面と金型の結合表面または「ウィング」62bの間の交点)のちょうど下まで延びている測定経路61の第2の測定部61eで行わせ、それによって第2の測定部61eは基準部61cの最も近い端部と重なる。横断ユニット9がスタイラス先端12を第2の測定部61eの上で移動させると、干渉計z変位プロバイダ35は、スタイラス先端のz変位の変化を第2の測定部61eに沿ってxで示す第2の測定部データをDAPU30に提供する。
【0047】
S3では、データプロセッサ50のデータ受信機51はDAPU30から第2の測定部データを受け、制御装置59はこのデータをデータ記憶装置52によって記憶させる。第2の測定処理の最後に、データ記憶装置52は第2の測定部61e上の測定を示す第2の測定部データセットを記憶する。制御装置59はその後、出力プロバイダ58に、第2の測定部の測定が完了したことをディスプレイを介してユーザに助言させる。
【0048】
図5a〜図5cから分かるように、第1および第2の測定経路部は、基準経路だけでなく、互いにも重なる。
【0049】
制御装置59が、3つの測定データセットが得られ記憶されたと判断すると、制御装置59はデータ予備調整機53に指示して、例えば、環境条件または汚染による雑音または変化を取り除くようにフィルタリングすることによって、S4でデータを予備調整することができる。この実施形態では、交互シーケンスボールフィルタは、以下に説明するデータ適合処理の前に非球面性を抑圧するのに使用される。そのように記載されるように、フィルタはデータプロセッサによって実施されるソフトウェアフィルタである。しかし、フィルタは、データが制御装置、この場合、図3bに示すデータ予備調整機に供給される前にDAPU30内のハードウェアで実施することができ、図4の処理S4は省略する。
【0050】
この例では、データ受信機または取得機は、特に、Form Talysurf PGIシリーズの器具で使用するμLTRA(登録商標)の名前でTaylor Hobsonによって供給されるグラフィックパッケージによって提供される。
【0051】
データプロセッサ50は、x位置プロバイダ34によって記録されたxデータに対してプロットされた干渉計z変位プロバイダ35によって提供されるzデータを示す図式的トレースとしてディスプレイ21上に測定したデータセットを表示することを可能にするグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)を提供する。この例では、基準データセットの図式的トレースは「データトレース」と呼ばれ、第1の測定部のデータセットによって提供されるトレースは「RHSトレース」と呼ばれ、RHSは右手側を表す、第2の測定部のデータセットによって提供されるトレースは「LHSトレース」と呼ばれ、LHSは左手側を表す。
【0052】
実際2つ以上の異なるトレースが表示される場合、データプロセッサ50は異なる色を使用してこれらを表示する。これは、実線、鎖線、および点線を使用することによって添付の図面に示されている。
【0053】
この例では、オペレータはキーボード22および/またはポインティング装置24を使用して、基準データセットのプロファイルであるデータトレースを最初に表示するようにグラフィカルユーザインターフェイスを介して制御装置59に指示する。データプロセッサ50のユーザ入力受信機57がこのような指示を受けると、制御装置59は出力プロバイダ58に基準データセットをデータトレースとして表示させる。図6は、データトレース81を示す表示画面(または、表示画面内のウィンドウ)80を示している。
【0054】
オペレータはその後、キーボード22および/またはポインティング装置24を使用して、データトレースと共にRHSトレースとして第1の測定部データを表示するようにグラフィカルユーザインターフェイスを介してデータプロセッサ50に指示する。図7aは、データトレース81(鎖線で示す)と共にRHSトレース83(実線で示す)を示す表示画面(または、表示画面内のウィンドウ)82を示している。
【0055】
データプロセッサ50のグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)は、グラフィックパッケージでよく知られているように、選択した表示対象物の鏡面反射(反射)、回転および平行移動、この場合図式的に示したトレースを可能にするユーザ動作可能制御を提供する。
【0056】
オペレータは、RHSトレースを選択し、さらにユーザ動作可能制御を使用して、xおよびz方向にトレースを平行移動させ、および軸周りのトレースを(表示画面に垂直である)y方向に回転させることでRHSトレース全体を単体として移動および/または回転させてデータトレースとほぼ位置合わせるようにすることによって、目によりRHSトレースをデータトレースに大まかに位置合わせする。したがって、図式的表示により、最初の粗位置合わせを目で行うことが可能になる。
【0057】
図7bは、データトレース81(z軸寸法の変化により、データトレースは図7bと異なって見えることを理解する)と共に変換したRHSトレース83′を示す表示画面(または、表示画面内のウィンドウ)84を示している。これにより、制御装置59に、データ変換器54に指示して、オペレータによるRHSトレースの変換にしたがって第1の測定部データセットを変換するように(図4のS5)第1の測定部データセット上の変換を行わせる。データ記憶装置52は、変換した第1の測定部データセットを記憶する。
【0058】
オペレータはその後、制御装置59に指示して、データ位置合わせ装置55に変換したRHSトレース83′をデータトレース81に位置合わせさせる、すなわち記憶した変換された第1の測定データセットを基準データセットに位置合わせさせる。したがって、図4のS6では、データ位置合わせ装置55は、RHSトレースがデータトレースと位置合わせされたと考えられる点である、最小2乗誤差が最小になるまでRHSトレースの回転およびxおよびz位置を調節する最小2乗適合処理などの知られている位置合わせ処理を使用する。図8は、データトレース81に位置合わせされた変換したRHSトレース83”を示す表示画面(または、表示画面内のウィンドウ)85を示している。図8の点線86は、位置合わされた変換したRHSトレース83”とデータトレース81の間の違いを示しており、また2つのトレースの重なりの範囲を示している。制御装置は、データ記憶装置52に変換および位置合わせした第1の測定データセットを記憶させる。
【0059】
オペレータはその後、グラフィカルユーザインターフェイスを介しデータプロセッサ50に指示して、データトレースと共にLHSトレースとして第2の測定部データを表示させる。オペレータはその後、最初にLHSトレースを鏡面反射または反射させるようにGUIのユーザ動作可能制御を使用する。オペレータはその後、RHSトレースで上に説明した方法で、鏡面反射させたLHSトレースを目によってデータトレースに大まかに位置合わせする。これにより、制御装置59が図4のS7でデータ変換器54に指示して、オペレータによってLHSトレースの反射および変換にしたがって第2の測定部データセットを反射および変換させる。図9は、オペレータによってデータトレース81に大まかに位置合わせされた反射または鏡面反射させたLHSトレース88を示す表示画面(または、表示画面内のウィンドウ)87を示している。制御装置59は、データ記憶装置52に、反射および変換された第2の測定データセットを記憶させる。
【0060】
オペレータはその後、制御装置59に指示して、データ位置合わせ装置55に反射および変換したLHSトレース88をデータトレース81に位置合わせさせる。すなわち記憶した反射および変換した第2の測定データセットを基準データセットに位置合わせさせる。従って、図4のS8ではデータ位置合わせ装置55は、反射および変換したLHSトレース88をデータトレース81に位置合わせするように、S6に関して上に論じた位置合わせ処理を使用する。図10は、データトレース81に位置合わせされた反射、変換および位置合わせしたLHSトレース88”を示す表示画面(または、表示画面内のウィンドウ)89を示している。図10の点線90は、反射、変換および位置合わせしたLHSトレース88”とデータトレース81の間の違いを示しており、また2つのトレースの重なりの範囲を示している。制御装置は、データ記憶装置52に反射、変換および位置合わせした第2の測定データセットを記憶させる。
【0061】
RHSおよびLHSトレース(すなわち、第1および第2のデータセット)は従って、データトレース(すなわち、基準データセット)に独立して位置合わせされている。この例では、基準データセットは、プロファイルを作るのに必要な残りの処理では使用しない。
【0062】
LHSトレースがデータトレースに位置合わせされると、S9では、制御装置59からの指示により、出力プロバイダ58は位置合わせおよび変換したRHSトレース83”、および位置合わせ、反射および変換したLHSトレース88”を表示する。図11は、これらの2つの位置合わせしたトレース83”および88”(LHSトレース88”は鎖線で示されている)を表示する表示画面92を示している。
【0063】
制御装置59はその後、S10でデータ融合装置56に位置合わせした第1および第2のデータセットの重なり領域を合わせさせる。2つのデータセットを合わせるいくつかの方法がある。一実施例では、プロファイルを示す最終データセットは変更することなく重なり領域内で両方の測定データセットからの点を含み、それによって左からプロファイルの中心を横断し、データ点はLHSおよびRHSトレースから交互に来る。最終データセット内のデータ点の合計数は、両方のデータセット内のデータ点の合計と等しい。別の方法は、重なり領域内の点をデータの加重平均に基づく推定値と置換することである。これにより、最終データセット内の点の数が少なくなり、単純な融合技術によって生じる中心領域内の明らかな「雑音」のいくつかを取り除く。
【0064】
構成部品の物理的パラメータ、例えば、粗さパラメータRaまたはピークから谷までのプロファイル高さRtは融合したプロファイルより判断することができる。このようなパラメータは、測定パラメータを構成部品に対する公称製造値と比較するために、品質保証処理で使用することができる。
【0065】
非球面構成部品のプロファイルは普通、多項式によって示される。例えば、上記μLTRA(登録商標)ソフトウェアパッケージを使用して予測多項式形を取り除くことによって測定プロファイルと予測多項式プロファイルの間の誤差を測定することが可能である。図12は、このような形取除き処理の結果を示す表示画面95を示している。図12から、構成部品の直径プロファイルの大部分にわたって、この例ではx方向で1.0から2.4mmの間で、誤差は小さいことがわかる。より大きな誤差が、普通は非球面状構成部品を製造するのに使用される旋回処理の結果物(artefect)である構成部品の周面に向かって存在する。この処理の追加的な結果物は、普通は旋回処理の中心の位置に存在する中心非均一性である。このような非均一性は、図12のx=1.7mmで僅かに大きい誤差によって分かる。
【0066】
上記技術の有効性を示すためには、本発明を利用した方法、および測定データセットのみを使用する、すなわち基準データセットまたはデータトレースを使用することのない方法が、単一の連続測定経路を使用する方法と比較されている。
【0067】
図13は、非球面形態を取り除いた後に、上記方法によって得られるプロファイル100a、および上記測定器具を使用して単一の連続測定を行うことを可能にする非球面状構成部品上の単一の連続測定経路を使用した方法によって得られるプロファイル100bを拡大寸法で示す表示画面100を示している。これから分かるように、これらの2つのトレースの間には非常に小さな違いしかない。
【0068】
図14から図18は、比較する目的で、第1および第2の測定データセットが上記のように得られるが、基準データセットは得られない方法を示す表示画面101から105を示している。
【0069】
図14は、公称角度を通してフィルタリングおよび回転されるRHSトレース110を示す表示画面101を示している。図15の図示する表示画面102は、RHSトレース110に目で大まかに位置合わせしたLHSトレース111を示している(鎖線で示す)。図16は、位置合わせがこれに基づくデータの範囲を示す点線113でデータ位置合わせ装置55の動作により生じるプロファイル112を示す表示画面103を示している。これは、本発明を利用した方法のものより明らかに短い。
【0070】
図17は、拡大寸法で、非球面形状を取り除いたトレースに、図14から図16によって示される方法によって、すなわち基準データセットを使用することなく得られるプロファイル104a、および非球面形状を取り除いた後に、単一の連続測定を上記測定器具を使用して行うことを可能にした非球面状構成部品上の単一の連続測定経路を使用した方法によって得られるプロファイル104bを示す表示画面104を示している。これから分かるように、これらの2つのトレースの間には明らかな違いがある。
【0071】
図18は、本発明を利用した方法を使用して得られるプロファイル107、および比較方法により得られるプロファイル106により得られる誤差を示す表示画面105を示し、比較方法によるプロファイル106の誤差は本発明を利用した方法によるものよりはるかに大きく、またその傾向は認知された形態誤差につながる光軸からの距離でより急速に増加することを示している。
【0072】
図1から図13を参照して上に記載した方法は、基準データセットまたはデータトレースを使用しない、図14から図16によって示された方法を参照して記載された方法よりも、単一の測定経路を使用して得られる結果にはるかに近い適合を与える。加えて、2つのトレース測定に関連する誤差の全体の大きさははるかに大きい。
【0073】
2つおよび3つのトレース測定間の誤差の違いは基本的に、トレースを位置合わせすることができる精度によるものである。(アクセスおよび/または表面勾配の問題により、基準軸のそれぞれ両側までより小さな距離だけ延びることができる)2つのトレースだけでは、トレースの間の重なりの程度は小さく、重なり領域内にほぼ同じデータを生じさせる、2つのトレースの間のより大きな範囲の相対位置があることを意味する。このような範囲の配向は誤差を生じる。というのは、どの配向が正しいか判断することができないからである。逆に、データトレースを使用することによって、構成部品の基準軸にわたって連続測定を得ることが可能であり、これとRHSまたはLHSトレースの間の重なり領域をはるかに大きくすることが可能になる。その結果、例えばLHSおよびRHSトレースの相対配向内の誤差を必然的に小さくする適合アルゴリズムに供給されるより多くの制約がある。
【0074】
上記方法では、基準データは中心測定トレースによって与えられる。本発明を利用した別の方法では、基準データは、中心測定トレースの代わりに、レンズ金型表面61を結合させる平面金型表面(「ウィング」または「フラット」)62aおよび62b(図5aから図5b)上で行われる測定によって与えられる。2つのフラット62aおよび62bは、製造許容範囲内で、非球面形の配向に関する基準データを提供するのに使用することができる平行な平面を形成する。
【0075】
この方法では、基準データセットは、データ(図5aに点線で示す基準経路61f)を提供するように、図5aに示す非傾斜位置の金型でフラット62aおよび62b上のそれぞれの基準経路61f(図5aに点線で示す)上で測定を行うことによって得られる。第1および第2の測定経路はその後、それぞれ図5bおよび図5cの点線61fおよび61gによって示すように、それぞれ隣接するフラット62aおよび62bの上に延びるように制御される。第1の測定データセットはその後、データのフラット部をデータの対応する部に位置合わせするように回転および平行移動される。第2の測定データセットはその後、データのフラット部をデータの対応する部と位置合わせするように、鏡面反射、回転および平行移動させる。これを行うことによって、第1の測定データセットのフラット部と第2の測定データセットのフラット部の間で定められた角度は、データの2つのフラット部間で定められた角度と等しい。測定データセットはその後、最小2乗位置合わせによって測定されるように、重なり領域内で最良の適合を提供するようにxおよびzで平行移動される。
【0076】
上記の実施例では、構成部品は測定される凹状表面を有していた。図19aから図19cは、デジタルカメラ、携帯電話、またはDVDレコーダなどの光学記憶装置で使用することができる非球面状レンズなどの構成部品600の凸状非球面状表面610に対する、図5aから図5cに等しい図を示している。図4から図13を参照して上に記載した方法は、この構成部品上で使用することができ、この場合、第1および第2の測定経路部、および基準経路部はそれぞれ線610d、610eおよび610cによって図19aに示されている。上記第2の方法はまた、図19aから図19cに示すように、構成部品がチャック内でガラスフラット700上にしっかり取り付けられる場合に使用することができる。この場合、構成部品を結合させるガラスフラットの部分710aおよび710bは金型のウィングまたはフラットの代わりをし、基準経路点線610fによって示され、第1および第2の測定経路は図19aから図19cの点線610gおよび610hによって示されている。黒点Dはまた、回転を目視できるように設けられている。
【0077】
データ位置合わせ装置55によって使用される位置合わせ処理は十分に影響力があり、前の粗位置合わせが必要ないほど十分迅速に集まることができることを理解されたい。
【0078】
上記方法のいずれかでは、構成部品の完全な3次元表面地形は、構成部品の光軸周りのαの異なる角度で一連の直径プロファイルを測定することによって、すなわちα=0+nおよびα=180+nでの測定で第1および第2の測定データセットの対を得ることによって得ることができ、nは対の間の所定の角度増分だけ大きくなる。形態はその後、2次元プロファイルから形成される「枠組み」によって、または測定したプロファイル間の挿入によって連続3次元形態として示すことができる。別の可能性としては、または加えて、ワークが回転対称である場合、異なる測定プロファイルを平均化することができる。
【0079】
上記のように、支持アームの傾斜、およびプラットフォームの回転を自動化することができる。加えて、ユーザによって与えられる傾斜および回転角度(または、存在する場合、θおよびα位置プロバイダ37および39によって与えられるデータ)、およびx位置プロバイダ34によって与えられるxデータを使用して、ユーザによって行われるように上記粗位置合わせ処理を自動化することも可能である。そうである場合、上記表示画面の多くは、必ずしもオペレータに対して表示される必要はない。
【0080】
干渉計z変位プロバイダ35は、誘導ゲージ(例えば、LVDT)などのあらゆる他の適切な形の変換器と代えることができる。同様に、x位置プロバイダ34は必ずしも格子である必要はないが、干渉計などのあらゆる他の適切な形の変換器である可能性もある。
【0081】
本発明を利用した方法は、スタイラスアームがz方向に延び、それによって表面に追従する場合に旋回するのではなくその長さに平行に移動する場合に適用することができる(例えば、特許文献2参照)。上記測定技術は、表面プローブが表面を判断するまたはこれにしたがう方法と関係なく適用することができる。プローブは、表面と接触してもしなくともよく、例えば、プローブは原子間力プローブであってもよい。また、本発明は、xおよびzの独立した測定を、z内の変化をxでログ記録するのではなく表面形態を測定するのに使用される、座標測定タイプ機械に適用することができる。
【0082】
本発明は、円環状構成部品および回折構成部品を含むあらゆる非球面状構成部品に適用することができる。加えて、本発明は回転対称の構成部品に限るものではない。
【0083】
上に記載するように、構成部品は第2のセットの測定を行う前に回転される。横断ユニットがx方向の前進および逆転経路の両方に沿って測定を行うことができる場合、回転させるのではなく、単に構成部品を他の方向に傾斜させることが可能である。この場合、支持プラットフォームは必ずしも回転可能である必要はない。
【0084】
本発明は、あらゆる構成部品の形の測定に適用することができるが、上に記載したように、測定される表面の勾配の少なくとも一部、または表面へのアクセスの問題のいずれかが測定経路を部分に分割することが望ましい場合に特に有利である。また、測定経路が3つ以上の部分に分割される場合に本発明を適応させることが可能であり、図4から図13を参照して記載した方法の場合、それぞれの基準データセットは互いに合わせられる測定データセットの各対に対して得られる。例えば、3つ以上のトレースの加重組合せを使用することもできる。
【0085】
上に記載したように、第1および第2の測定経路が重なる。本発明は、第1および第2の経路が単に当接するが、互いに重ならない場合に、さらにおそらく第1と第2の測定経路の間に間隙がある場合に適用することができる。後者の場合、図4から図14を参照して説明する方法が使用される場合、基準経路部自体の測定結果を使用して、構成部品の表面プロファイルの一部を形成することができる。このような場合、データ融合装置56はまた、失われたデータを埋める多項式適合処理を使用することによって連続プロファイルを生成することが可能である。この技術はまた、表面が連続しており中断されていない構成部品ではなく、その形態内の孔などの中断を有する構成部品に適用可能である。
【0086】
検査における構成部品が極めて小さい、特に凹状プロファイルを備えている場合、凸状プロワイルを備えた別個の構成部品を代わりに使用することによってキャリブレーションを行うことも可能である。検査構成部品はその後、キャリブレーション中に使用される構成部品の位置に配置することができる。別の方法では、より大きな凹状プロファイルを備えた別個の構成部品を使用することができる。第3の代替形態として、支持アセンブリは、キャリブレーションを行う必要を避ける精密位置合わせ用具を備えることができる。
【0087】
制御装置3および測定器具2は、必ずしも物理的に共に配置されている必要はないが、遠隔通信リンクによって、例えばネットワークを介して結合させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明を利用した測定器具の測定装置の、測定方向と垂直な方向で見た極めて模式的な図である。
【図2】図1に示す測定装置の、測定方向で見た、極めて模式的な図である。
【図3a】本発明を利用した測定器具の主な制御構成部品を示す機能ブロック図である。
【図3b】測定器具の制御装置をプログラミングすることによって提供される測定器具のデータプロセッサの機能ブロック図である。
【図4】図1から図3bに示す測定器具を使用してワークの形態を判断するように、本発明を利用した方法でデータプロセッサによって行われるステップを例示するフローチャートである。
【図5a】測定動作中のレンズ金型の形のワークの配向を示す略図で、基準データセットを得るための、測定経路の中心部の測定中の配向を示す図である。
【図5b】測定動作中のレンズ金型の形のワークの配向を示す略図で、第1の部分測定データセットを得るための、測定経路の一端部で第1の部分の測定中の配向を示す図である。
【図5c】測定動作中のレンズ金型の形のワークの配向を示す略図で、第2の部分測定データセットを得るための、測定経路のもう一端部で第2の部分の測定中の配向を示す図である。
【図6】本発明を利用する方法中に作り出された基準データセットを示す基準またはデータトレースを示す表示画面の図である。
【図7a】基準データトレースを点線で示した、図5bの第1の部分の測定によって作り出された第1の部分の測定データセットを示す第1の測定トレースを示す表示画面の図である。
【図7b】基準トレースに対する第1の測定トレースのおおよその位置合わせ後に、(基準データトレースを点線で示した)第1の測定トレースおよび基準トレースを示す表示画面を示す図である。
【図8】基準トレースに対する第1の測定トレースの最小2乗適合による位置合わせ後に、(基準またはデータトレースを点線で示した)第1の測定トレースおよび基準トレースを示す表示画面を示す図である。
【図9】基準トレースに対する第2の測定トレースのおおよその位置合わせ後に、(基準トレースを点線で示した)図5cの第2の部分の測定によって作り出された第2の測定データセットを示す第2の測定トレースを示す表示画面の図である。
【図10】基準トレースに対する第2の測定トレースの最小2乗適合後に、(基準データトレースを点線で示した)第2の測定トレースおよび基準トレースを示す表示画面の図である。
【図11】基準トレースに対するそれぞれ別の位置合わせ後に、第1および第2の測定トレースを互いに合わせることによって作り出される直径プロファイルを示す表示画面の図である。
【図12】本発明を利用する方法を使用して得られるプロファイルから予測表面を取り除く効果を示すトレースを示す表示画面の図である。
【図13】基部非球面形態を取り除いた後に、本発明を利用した方法、および単一の連続測定経路を使用した方法を使用して得られるプロファイルの比較を示す図である。
【図14】基準データセットが使用されていない比較方法で、図5bの第1の部分の測定によって作り出された測定データセットを示す第1の測定トレースを示す表示画面の図である。
【図15】比較方法で第1の測定トレースとの第2の測定トレースの位置合わせを示す表示画面を示す図である。
【図16】比較方法での位置合わせ後に、第1および第2の測定トレースを互いに合わせることによって作り出されるプロファイルを示す表示画面の図である。
【図17】基部非球面形態を取り除いた後の、単一の連続測定経路を使用する方法、および比較方法を使用して得られるプロファイルを示す表示画面の図である。
【図18】本発明を利用する方法、および比較方法を使用して得られるプロファイルによる誤差を示す表示画面の図である。
【図19a】本発明を利用する方法中の、レンズの形のワークの配向を示す略図で、基準データセットを得るために、測定経路の中心部の測定中の配向を示す図である。
【図19b】本発明を利用する方法中の、レンズの形のワークの配向を示す略図で、第1の測定データセットを得るために、測定経路の一端部での第1の測定部の測定中の配向を示す図である。
【図19c】本発明を利用する方法中の、レンズの形のワークの配向を示す略図で、第2の測定データセットを得るために、測定経路のもう一端部での第2の測定部の測定中の配向を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成部品の表面の表面プロファイルを測定する測定器具であって、
構成部品を支持する構成部品支持体と、
測定プローブが、相対移動方向に垂直な方向の表面内の変化に追従するように、測定プローブと前記構成部品支持体の間の相対移動を行う移動手段と、
前記測定プローブが前記表面内の変化に追従するときに、前記測定プローブの変位を示す測定データを提供する測定手段と、
前記構成部品の配向を制御する配向制御手段と、
前記移動手段を制御して、前記測定プローブを第1の配向に前記構成部品を備えた基準測定経路に追従させ、それによって前記測定手段が基準データを得る測定制御手段と、
前記測定手段が第1の測定データを得るように、第2の配向に前記構成部品を備えた前記表面に沿って測定経路の第1の部分に追従する測定プローブと、
前記測定手段が第2の測定データを得るように、第3の配向に前記構成部品を備えた前記表面に沿って測定経路の第2の部分に追従する測定プローブとを備えた器具であって、
前記測定データを処理する処理手段は、前記基準データを使用してデータを規定し、位置合わせした第1の測定データを作り出すように前記第1の測定データを前記データに位置合わせし、位置合わせした第2の測定データを作り出すように前記第2の測定データを前記データと位置合わせし、その後前記位置合わせした第1および第2の測定データを使用して前記構成部品の前記表面の表面プロファイルを生成するように動作可能であることを特徴とする器具。
【請求項2】
前記処理手段は、基準データおよび測定データが得られた相対配向を測定し、前記相対配向を補償するように前記測定データを変換し、前記測定データを前記基準データに適合させることによって、前記測定データを前記データに位置合わせするように動作可能であることを特徴とする請求項1に記載の測定器具。
【請求項3】
前記処理手段は、基準データおよび測定データが得られた相対配向を測定し、前記相対配向を補償するように前記測定データを変換し、最小2乗適合処理を使用して前記測定データを前記基準データに適合させることによって、前記測定データを前記データに位置合わせするように動作可能であることを特徴とする請求項1に記載の測定器具。
【請求項4】
前記処理手段は、オペレータが前記測定データを再配向させて前記測定データを前記基準データに視覚的に位置合わせするように、前記基準および測定データをオペレータに示すそれぞれのトレースを表示することによって前記基準データおよび測定データが得られる相対的配向を測定するように動作可能であることを特徴とする請求項2または3に記載の測定器具。
【請求項5】
前記測定制御手段は前記移動手段を制御するように動作可能であり、それによって前記基準測定経路は前記測定経路の第3の部分によって設けられることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の測定器具。
【請求項6】
前記表面はレンズ表面、例えば非球面状レンズ表面であり、前記測定制御手段は前記移動手段を制御するように動作可能であり、それによって前記測定経路の前記第1、第2および第3の部分は、前記表面にわたる直径経路のそれぞれの部分であることを特徴とする請求項5に記載の測定器具。
【請求項7】
前記表面は金型の窪んだ、例えば非球面状表面であり、前記測定制御手段は前記移動手段を制御するように動作可能であり、それによって前記測定経路の前記第1、第2および第3の部分は、前記表面にわたる直径経路のそれぞれの部分であることを特徴とする請求項5に記載の測定器具。
【請求項8】
前記測定制御手段は前記移動手段を制御するように動作可能であり、それによって前記測定経路の前記第3の部分は測定されている前記表面の対称軸を含むことを特徴とする請求項5、6または7に記載の測定器具。
【請求項9】
前記測定制御手段は前記移動手段を制御するように動作可能であり、前記測定経路の前記第3の部分は前記測定経路の前記第1および第2の部分それぞれに重なることを特徴とする請求項5、6、7または8に記載の測定器具。
【請求項10】
前記測定制御手段は前記移動手段を制御して、前記測定プローブに基準データを提供する前記第1および第2の測定経路領域内に含ませ、前記処理手段は、前記第1および第2の測定経路の対応する領域によって与えられる前記基準データを使用することによって、また前記測定データを前記基準データに適合させることによって前記基準データにより与えられるデータに前記測定データを位置合わせするように動作可能であることを特徴とする請求項1に記載の測定器具。
【請求項11】
前記測定制御手段は前記移動手段を制御して、前記測定プローブに基準データを提供する前記第1および第2の測定経路領域内に含ませ、前記処理手段は、前記第1および第2の測定経路のこれらの対応する領域によって与えられる前記基準データを使用することによって、また最小2乗適合処理を使用して前記測定データを前記基準データに適合させることによって前記基準データにより与えられるデータに前記測定データを位置合わせするように動作可能であることを特徴とする請求項1に記載の測定器具。
【請求項12】
前記測定制御手段は前記移動手段を制御するように動作可能であり、それによって前記基準データが、前記構成部品の一部を形成する、または前記構成部品に移動および回転のために固定された平面表面上の基準経路に追従することによって得られ、前記第1および第2の測定経路の前記対応する領域は前記平面表面によって提供されることを特徴とする請求項1、10または11に記載の測定器具。
【請求項13】
前記表面は金型の窪んだ、例えば非球面状表面であり、前記測定制御手段は前記移動手段を制御するように動作可能であり、それによって前記基準経路、および前記第1および第2の測定経路の前記対応する領域は前記表面を結合させる前記金型の平面表面の部分によって提供されることを特徴とする請求項12に記載の測定器具。
【請求項14】
前記表面はレンズ表面、例えば前記構成部品支持体上の平らな表面上に設けられたレンズの非球面状レンズ表面であり、前記測定制御手段は前記移動手段を制御するように動作可能であり、それによって前記基準経路、および前記第1および第2の測定経路の前記対応する領域は前記レンズを結合させる前記平らな表面の部分によって提供されることを特徴とする請求項12に記載の測定器具。
【請求項15】
前記測定経路の前記第1および第2の部分は、前記表面にわたる直径経路のそれぞれの部分であることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の測定器具。
【請求項16】
前記測定制御手段は前記移動手段を制御するように動作可能であり、それによって前記測定経路の前記第1および第2の部分が重なることを特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載の測定器具。
【請求項17】
前記測定制御手段は前記移動手段を制御するように動作可能であり、前記測定プローブを前記測定経路の少なくとも1つの別の部分に追従させ、それによって前記測定手段は少なくとも1つの別のセットの測定データを得て、前記処理手段は前記少なくとも1つの別のセットの測定データを前記基準データに、または前記移動手段を制御して前記測定プローブを別の基準経路に追従させる測定制御手段によって得られる別のセットの基準データに位置合わせするように動作可能であることを特徴とする請求項1ないし16のいずれかに記載の測定器具。
【請求項18】
前記構成部品支持体は、前記構成部品の前記配向を変えるように回転可能または傾斜可能である支持プラットフォームを備えていることを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載の測定器具。
【請求項19】
前記構成部品支持体は、前記構成部品の前記配向を変えるように手動回転可能または傾斜可能である支持プラットフォームを備えていることを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載の測定器具。
【請求項20】
前記支持プラットフォームは、前記構成部品が配向される方向に対してある角度で延びている軸周りに回転可能である支持部材によって担持されることを特徴とする請求項18または19に記載の測定器具。
【請求項21】
前記構成部品支持体は、支持プラットフォームの表面と垂直な前記構成部品の対称軸で前記構成部品を受けるように構成され、支持プラットフォームの回転軸と一致する支持プラットフォームであって、前記構成部品の前記対称軸の前記配向、したがって前記構成部品の前記配向を変えるように回転可能である支持部材によって担持される支持プラットフォームを備えていることを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載の測定器具。
【請求項22】
前記支持体は、前記構成部品を保持するチャックを備えていることを特徴とする請求項21に記載の測定器具。
【請求項23】
前記第1および第2の配向は鏡像であり、前記第3の配向は前記構成部品が傾斜していないことを特徴とする請求項1ないし22のいずれかに記載の測定器具。
【請求項24】
前記測定制御手段および処理手段は、それぞれのプロファイルを前記表面にわたって異なる測定経路に対して測定させるように動作可能であり、前記処理手段は前記表面に対する3次元形態および平均2次元プロファイルの少なくとも1つを測定するように動作可能であることを特徴とする請求項1ないし23のいずれかに記載の測定装置。
【請求項25】
前記処理手段は、前記プロファイルまたは3次元寸法形態から予測形態を取り除いて、予測形態からの誤差の表示を提供するように動作可能であることを特徴とする請求項1ないし24のいずれかに記載の測定器具。
【請求項26】
さらに、スタイラスの形態の前記測定プローブを備えていることを特徴とする請求項1ないし25のいずれかに記載の測定器具。
【請求項27】
前記測定プローブはスタイラスを担持する旋回可能アームを備え、前記アームは前記スタイラスが前記表面に追従するときに旋回するように取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし25のいずれかに記載の測定器具。
【請求項28】
前記測定手段は、干渉計測定手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし27のいずれかに記載に測定器具。
【請求項29】
請求項1に記載の測定器具で使用されるデータ処理装置であって、
前記測定プローブを第1の配向に前記構成部品で基準測定経路に追従させることによって得られる基準データと、前記測定プローブを第2の配向に前記構成部品で前記表面に沿って測定経路の第1の部分に追従させることによって得られる第1の測定データと、前記測定プローブを第3の配向に前記構成部品で前記表面に沿った前記測定経路の第2の部分に追従させることによって得られる第2の測定データとを受ける受信手段と、
前記基準データを使用してデータを規定し、位置合わせした第1の測定データを作り出すように前記第1の測定データを前記データに位置合わせし、位置合わせした第2の測定データを作り出すように前記第2の測定データを前記データと位置合わせし、その後前記位置合わせした第1および第2の測定データを使用して前記構成部品の前記表面の表面プロファイルを生成するように動作可能である、前記測定データを処理する処理手段とを備えることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項30】
前記処理手段は、基準データおよび測定データが得られた相対配向を測定し、前記相対配向を補償するように前記測定データを変換し、前記測定データを前記基準データに適合させることによって、前記測定データを前記データに位置合わせするように動作可能であることを特徴とする請求項29に記載のデータ処理装置測定器具。
【請求項31】
前記処理手段は、基準データおよび測定データが得られた相対配向を測定し、前記相対配向を補償するように前記測定データを変換し、最小2乗適合処理を使用して前記測定データを前記基準データに適合させることによって、前記測定データを前記データに位置合わせするように動作可能であることを特徴とする請求項29に記載のデータ処理装置測定器具。
【請求項32】
前記処理手段は、オペレータが前記測定データを再配向させて前記測定データを前記基準データに視覚的に位置合わせするように、前記基準および測定データをオペレータに示すそれぞれのトレースを表示することによって前記基準データおよび測定データが得られる相対的配向を測定するように動作可能であることを特徴とする請求項30または31に記載のデータ処理装置測定器具。
【請求項33】
前記受信手段は前記構成部品の各配向に基準データを受けるように動作可能であり、前記処理手段は、前記測定データが得られた相対的配向を前記それぞれの基準データから測定することによって、前記相対的配向を補償するように前記測定データを変換することによって、また前記測定データを前記基準データに適合させることによって、前記測定データを前記データに位置合わせするように動作可能であることを特徴とする請求項29に記載のデータ処理装置測定器具。
【請求項34】
前記受信手段は前記構成部品の各配向に基準データを受けるように動作可能であり、前記処理手段は基準データおよび測定データが得られた相対配向を測定し、前記相対配向を補償するように前記測定データを変換し、最小2乗適合処理を使用して前記測定データを前記基準データに適合させることによって、前記測定データを前記データに位置合わせするように動作可能であることを特徴とする請求項29に記載のデータ処理装置。
【請求項35】
前記処理手段は、それぞれのプロファイルを前記表面にわたって異なる測定経路に対して測定させ、前記表面に対する3次元形態および平均2次元プロファイルの少なくとも1つを測定するように動作可能であることを特徴とする請求項29ないし34のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項36】
前記処理手段は、前記プロファイルまたは3次元寸法形態から予測形態を取り除いて、予測形態からの誤差の表示を提供するように動作可能であることを特徴とする請求項29ないし35のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項37】
前記支持体は、前記測定器具の支持基部に取り付けられるスタンドと、前記構成部品の配向を変えることが可能であるように前記スタンドに回転可能に取り付けられた支持プラットフォームとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の測定器具で使用される構成部品支持アセンブリ。
【請求項38】
前記支持プラットフォームは、前記構成部品の前記配向を変えるように手動回転可能または傾斜可能であることを特徴とする請求項37に記載の構成部品支持アセンブリ。
【請求項39】
前記支持プラットフォームは支持部材によって前記スタンドに回転可能に取り付けられ、前記支持プラットフォームは、前記支持プラットフォームの表面と垂直な前記構成部品の対称軸で前記構成部品を受けるように構成され、前記支持プラットフォームが支持部材に対して回転可能である軸と一致することを特徴とする請求項37または38に記載の構成部品支持アセンブリ。
【請求項40】
構成部品の表面の表面プロファイルを測定する方法であって、
測定プローブが基準経路内の変化に追従すると、測定プローブの変位を示す基準データを得るように測定プローブを第1の配向に構成部品で基準経路に追従させ、前記測定プローブが前記測定経路の前記第1の部分の変化に追従すると、前記測定プローブの変位を示す第1の測定データを得るように前記測定プローブを第2の配向に前記構成部品で前記表面に沿った測定経路の第1の部分に追従させ、前記測定プローブが前記測定経路の前記第2の部分の変化に追従すると、前記測定プローブの変位を示す第2の測定データを得るように第3の配向に前記構成部品で前記表面に沿った前記測定経路の第2の部分に追従させるために、前記測定プローブと前記構成部品支持体の間の相対的移動を行うステップと、
前記基準データを使用してデータを規定するステップと、
位置合わせした第1の測定データを作り出すように前記第1の測定データを前記データに位置合わせするステップと、
位置合わせした第2の測定データを作り出すように前記第2の測定データを前記データに位置合わせするステップと、
前記位置合わせした第1および第2の測定データを使用して、前記構成部品の前記表面の表面プロファイルを生成するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項41】
請求項1に記載の測定器具によって提供されるデータを処理する方法であって、
前記測定プローブを第1の配向に前記構成部品で基準測定経路に追従させることによって得られる基準データと、前記測定プローブを第2の配向に前記構成部品で前記表面に沿って測定経路の第1の部分に追従させることによって得られる第1の測定データと、前記測定プローブを第3の配向に前記構成部品で前記表面に沿った前記測定経路の第2の部分に追従させることによって得られる第2の測定データとを受け、
前記基準データを使用してデータを規定し、
位置合わせした第1の測定データを作り出すように前記第1の測定データを前記データに位置合わせし、
位置合わせした第2の測定データを作り出すように前記第2の測定データを前記データと位置合わせし、
前記位置合わせした第1および第2の測定データを使用して前記構成部品の前記表面の表面プロファイルを生成するデータプロセッサを含むことを特徴とする方法。
【請求項42】
請求項40または41に記載の方法を行うようにプロセッサ手段をプログラミングするためのプログラム指示を担持することを特徴とする信号。
【請求項43】
請求項29ないし36のいずれかに記載のデータ処理装置を設けるように構成されるようにプロセッサ手段をプログラミングするためのプログラム指示を担持することを特徴とする信号。
【請求項44】
請求項1ないし29のいずれかに記載の測定器具を設けるように構成されるように、測定器具のプロセッサ手段をプログラミングするためのプログラム指示を担持することを特徴とする信号。
【請求項45】
請求項42、43または44に記載の信号を記憶することを特徴とする記憶媒体。
【請求項1】
構成部品の表面の表面プロファイルを測定する測定器具であって、
構成部品を支持する構成部品支持体と、
測定プローブが、相対移動方向に垂直な方向の表面内の変化に追従するように、測定プローブと前記構成部品支持体の間の相対移動を行う移動手段と、
前記測定プローブが前記表面内の変化に追従するときに、前記測定プローブの変位を示す測定データを提供する測定手段と、
前記構成部品の配向を制御する配向制御手段と、
前記移動手段を制御して、前記測定プローブを第1の配向に前記構成部品を備えた基準測定経路に追従させ、それによって前記測定手段が基準データを得る測定制御手段と、
前記測定手段が第1の測定データを得るように、第2の配向に前記構成部品を備えた前記表面に沿って測定経路の第1の部分に追従する測定プローブと、
前記測定手段が第2の測定データを得るように、第3の配向に前記構成部品を備えた前記表面に沿って測定経路の第2の部分に追従する測定プローブとを備えた器具であって、
前記測定データを処理する処理手段は、前記基準データを使用してデータを規定し、位置合わせした第1の測定データを作り出すように前記第1の測定データを前記データに位置合わせし、位置合わせした第2の測定データを作り出すように前記第2の測定データを前記データと位置合わせし、その後前記位置合わせした第1および第2の測定データを使用して前記構成部品の前記表面の表面プロファイルを生成するように動作可能であることを特徴とする器具。
【請求項2】
前記処理手段は、基準データおよび測定データが得られた相対配向を測定し、前記相対配向を補償するように前記測定データを変換し、前記測定データを前記基準データに適合させることによって、前記測定データを前記データに位置合わせするように動作可能であることを特徴とする請求項1に記載の測定器具。
【請求項3】
前記処理手段は、基準データおよび測定データが得られた相対配向を測定し、前記相対配向を補償するように前記測定データを変換し、最小2乗適合処理を使用して前記測定データを前記基準データに適合させることによって、前記測定データを前記データに位置合わせするように動作可能であることを特徴とする請求項1に記載の測定器具。
【請求項4】
前記処理手段は、オペレータが前記測定データを再配向させて前記測定データを前記基準データに視覚的に位置合わせするように、前記基準および測定データをオペレータに示すそれぞれのトレースを表示することによって前記基準データおよび測定データが得られる相対的配向を測定するように動作可能であることを特徴とする請求項2または3に記載の測定器具。
【請求項5】
前記測定制御手段は前記移動手段を制御するように動作可能であり、それによって前記基準測定経路は前記測定経路の第3の部分によって設けられることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の測定器具。
【請求項6】
前記表面はレンズ表面、例えば非球面状レンズ表面であり、前記測定制御手段は前記移動手段を制御するように動作可能であり、それによって前記測定経路の前記第1、第2および第3の部分は、前記表面にわたる直径経路のそれぞれの部分であることを特徴とする請求項5に記載の測定器具。
【請求項7】
前記表面は金型の窪んだ、例えば非球面状表面であり、前記測定制御手段は前記移動手段を制御するように動作可能であり、それによって前記測定経路の前記第1、第2および第3の部分は、前記表面にわたる直径経路のそれぞれの部分であることを特徴とする請求項5に記載の測定器具。
【請求項8】
前記測定制御手段は前記移動手段を制御するように動作可能であり、それによって前記測定経路の前記第3の部分は測定されている前記表面の対称軸を含むことを特徴とする請求項5、6または7に記載の測定器具。
【請求項9】
前記測定制御手段は前記移動手段を制御するように動作可能であり、前記測定経路の前記第3の部分は前記測定経路の前記第1および第2の部分それぞれに重なることを特徴とする請求項5、6、7または8に記載の測定器具。
【請求項10】
前記測定制御手段は前記移動手段を制御して、前記測定プローブに基準データを提供する前記第1および第2の測定経路領域内に含ませ、前記処理手段は、前記第1および第2の測定経路の対応する領域によって与えられる前記基準データを使用することによって、また前記測定データを前記基準データに適合させることによって前記基準データにより与えられるデータに前記測定データを位置合わせするように動作可能であることを特徴とする請求項1に記載の測定器具。
【請求項11】
前記測定制御手段は前記移動手段を制御して、前記測定プローブに基準データを提供する前記第1および第2の測定経路領域内に含ませ、前記処理手段は、前記第1および第2の測定経路のこれらの対応する領域によって与えられる前記基準データを使用することによって、また最小2乗適合処理を使用して前記測定データを前記基準データに適合させることによって前記基準データにより与えられるデータに前記測定データを位置合わせするように動作可能であることを特徴とする請求項1に記載の測定器具。
【請求項12】
前記測定制御手段は前記移動手段を制御するように動作可能であり、それによって前記基準データが、前記構成部品の一部を形成する、または前記構成部品に移動および回転のために固定された平面表面上の基準経路に追従することによって得られ、前記第1および第2の測定経路の前記対応する領域は前記平面表面によって提供されることを特徴とする請求項1、10または11に記載の測定器具。
【請求項13】
前記表面は金型の窪んだ、例えば非球面状表面であり、前記測定制御手段は前記移動手段を制御するように動作可能であり、それによって前記基準経路、および前記第1および第2の測定経路の前記対応する領域は前記表面を結合させる前記金型の平面表面の部分によって提供されることを特徴とする請求項12に記載の測定器具。
【請求項14】
前記表面はレンズ表面、例えば前記構成部品支持体上の平らな表面上に設けられたレンズの非球面状レンズ表面であり、前記測定制御手段は前記移動手段を制御するように動作可能であり、それによって前記基準経路、および前記第1および第2の測定経路の前記対応する領域は前記レンズを結合させる前記平らな表面の部分によって提供されることを特徴とする請求項12に記載の測定器具。
【請求項15】
前記測定経路の前記第1および第2の部分は、前記表面にわたる直径経路のそれぞれの部分であることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の測定器具。
【請求項16】
前記測定制御手段は前記移動手段を制御するように動作可能であり、それによって前記測定経路の前記第1および第2の部分が重なることを特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載の測定器具。
【請求項17】
前記測定制御手段は前記移動手段を制御するように動作可能であり、前記測定プローブを前記測定経路の少なくとも1つの別の部分に追従させ、それによって前記測定手段は少なくとも1つの別のセットの測定データを得て、前記処理手段は前記少なくとも1つの別のセットの測定データを前記基準データに、または前記移動手段を制御して前記測定プローブを別の基準経路に追従させる測定制御手段によって得られる別のセットの基準データに位置合わせするように動作可能であることを特徴とする請求項1ないし16のいずれかに記載の測定器具。
【請求項18】
前記構成部品支持体は、前記構成部品の前記配向を変えるように回転可能または傾斜可能である支持プラットフォームを備えていることを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載の測定器具。
【請求項19】
前記構成部品支持体は、前記構成部品の前記配向を変えるように手動回転可能または傾斜可能である支持プラットフォームを備えていることを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載の測定器具。
【請求項20】
前記支持プラットフォームは、前記構成部品が配向される方向に対してある角度で延びている軸周りに回転可能である支持部材によって担持されることを特徴とする請求項18または19に記載の測定器具。
【請求項21】
前記構成部品支持体は、支持プラットフォームの表面と垂直な前記構成部品の対称軸で前記構成部品を受けるように構成され、支持プラットフォームの回転軸と一致する支持プラットフォームであって、前記構成部品の前記対称軸の前記配向、したがって前記構成部品の前記配向を変えるように回転可能である支持部材によって担持される支持プラットフォームを備えていることを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載の測定器具。
【請求項22】
前記支持体は、前記構成部品を保持するチャックを備えていることを特徴とする請求項21に記載の測定器具。
【請求項23】
前記第1および第2の配向は鏡像であり、前記第3の配向は前記構成部品が傾斜していないことを特徴とする請求項1ないし22のいずれかに記載の測定器具。
【請求項24】
前記測定制御手段および処理手段は、それぞれのプロファイルを前記表面にわたって異なる測定経路に対して測定させるように動作可能であり、前記処理手段は前記表面に対する3次元形態および平均2次元プロファイルの少なくとも1つを測定するように動作可能であることを特徴とする請求項1ないし23のいずれかに記載の測定装置。
【請求項25】
前記処理手段は、前記プロファイルまたは3次元寸法形態から予測形態を取り除いて、予測形態からの誤差の表示を提供するように動作可能であることを特徴とする請求項1ないし24のいずれかに記載の測定器具。
【請求項26】
さらに、スタイラスの形態の前記測定プローブを備えていることを特徴とする請求項1ないし25のいずれかに記載の測定器具。
【請求項27】
前記測定プローブはスタイラスを担持する旋回可能アームを備え、前記アームは前記スタイラスが前記表面に追従するときに旋回するように取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし25のいずれかに記載の測定器具。
【請求項28】
前記測定手段は、干渉計測定手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし27のいずれかに記載に測定器具。
【請求項29】
請求項1に記載の測定器具で使用されるデータ処理装置であって、
前記測定プローブを第1の配向に前記構成部品で基準測定経路に追従させることによって得られる基準データと、前記測定プローブを第2の配向に前記構成部品で前記表面に沿って測定経路の第1の部分に追従させることによって得られる第1の測定データと、前記測定プローブを第3の配向に前記構成部品で前記表面に沿った前記測定経路の第2の部分に追従させることによって得られる第2の測定データとを受ける受信手段と、
前記基準データを使用してデータを規定し、位置合わせした第1の測定データを作り出すように前記第1の測定データを前記データに位置合わせし、位置合わせした第2の測定データを作り出すように前記第2の測定データを前記データと位置合わせし、その後前記位置合わせした第1および第2の測定データを使用して前記構成部品の前記表面の表面プロファイルを生成するように動作可能である、前記測定データを処理する処理手段とを備えることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項30】
前記処理手段は、基準データおよび測定データが得られた相対配向を測定し、前記相対配向を補償するように前記測定データを変換し、前記測定データを前記基準データに適合させることによって、前記測定データを前記データに位置合わせするように動作可能であることを特徴とする請求項29に記載のデータ処理装置測定器具。
【請求項31】
前記処理手段は、基準データおよび測定データが得られた相対配向を測定し、前記相対配向を補償するように前記測定データを変換し、最小2乗適合処理を使用して前記測定データを前記基準データに適合させることによって、前記測定データを前記データに位置合わせするように動作可能であることを特徴とする請求項29に記載のデータ処理装置測定器具。
【請求項32】
前記処理手段は、オペレータが前記測定データを再配向させて前記測定データを前記基準データに視覚的に位置合わせするように、前記基準および測定データをオペレータに示すそれぞれのトレースを表示することによって前記基準データおよび測定データが得られる相対的配向を測定するように動作可能であることを特徴とする請求項30または31に記載のデータ処理装置測定器具。
【請求項33】
前記受信手段は前記構成部品の各配向に基準データを受けるように動作可能であり、前記処理手段は、前記測定データが得られた相対的配向を前記それぞれの基準データから測定することによって、前記相対的配向を補償するように前記測定データを変換することによって、また前記測定データを前記基準データに適合させることによって、前記測定データを前記データに位置合わせするように動作可能であることを特徴とする請求項29に記載のデータ処理装置測定器具。
【請求項34】
前記受信手段は前記構成部品の各配向に基準データを受けるように動作可能であり、前記処理手段は基準データおよび測定データが得られた相対配向を測定し、前記相対配向を補償するように前記測定データを変換し、最小2乗適合処理を使用して前記測定データを前記基準データに適合させることによって、前記測定データを前記データに位置合わせするように動作可能であることを特徴とする請求項29に記載のデータ処理装置。
【請求項35】
前記処理手段は、それぞれのプロファイルを前記表面にわたって異なる測定経路に対して測定させ、前記表面に対する3次元形態および平均2次元プロファイルの少なくとも1つを測定するように動作可能であることを特徴とする請求項29ないし34のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項36】
前記処理手段は、前記プロファイルまたは3次元寸法形態から予測形態を取り除いて、予測形態からの誤差の表示を提供するように動作可能であることを特徴とする請求項29ないし35のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項37】
前記支持体は、前記測定器具の支持基部に取り付けられるスタンドと、前記構成部品の配向を変えることが可能であるように前記スタンドに回転可能に取り付けられた支持プラットフォームとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の測定器具で使用される構成部品支持アセンブリ。
【請求項38】
前記支持プラットフォームは、前記構成部品の前記配向を変えるように手動回転可能または傾斜可能であることを特徴とする請求項37に記載の構成部品支持アセンブリ。
【請求項39】
前記支持プラットフォームは支持部材によって前記スタンドに回転可能に取り付けられ、前記支持プラットフォームは、前記支持プラットフォームの表面と垂直な前記構成部品の対称軸で前記構成部品を受けるように構成され、前記支持プラットフォームが支持部材に対して回転可能である軸と一致することを特徴とする請求項37または38に記載の構成部品支持アセンブリ。
【請求項40】
構成部品の表面の表面プロファイルを測定する方法であって、
測定プローブが基準経路内の変化に追従すると、測定プローブの変位を示す基準データを得るように測定プローブを第1の配向に構成部品で基準経路に追従させ、前記測定プローブが前記測定経路の前記第1の部分の変化に追従すると、前記測定プローブの変位を示す第1の測定データを得るように前記測定プローブを第2の配向に前記構成部品で前記表面に沿った測定経路の第1の部分に追従させ、前記測定プローブが前記測定経路の前記第2の部分の変化に追従すると、前記測定プローブの変位を示す第2の測定データを得るように第3の配向に前記構成部品で前記表面に沿った前記測定経路の第2の部分に追従させるために、前記測定プローブと前記構成部品支持体の間の相対的移動を行うステップと、
前記基準データを使用してデータを規定するステップと、
位置合わせした第1の測定データを作り出すように前記第1の測定データを前記データに位置合わせするステップと、
位置合わせした第2の測定データを作り出すように前記第2の測定データを前記データに位置合わせするステップと、
前記位置合わせした第1および第2の測定データを使用して、前記構成部品の前記表面の表面プロファイルを生成するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項41】
請求項1に記載の測定器具によって提供されるデータを処理する方法であって、
前記測定プローブを第1の配向に前記構成部品で基準測定経路に追従させることによって得られる基準データと、前記測定プローブを第2の配向に前記構成部品で前記表面に沿って測定経路の第1の部分に追従させることによって得られる第1の測定データと、前記測定プローブを第3の配向に前記構成部品で前記表面に沿った前記測定経路の第2の部分に追従させることによって得られる第2の測定データとを受け、
前記基準データを使用してデータを規定し、
位置合わせした第1の測定データを作り出すように前記第1の測定データを前記データに位置合わせし、
位置合わせした第2の測定データを作り出すように前記第2の測定データを前記データと位置合わせし、
前記位置合わせした第1および第2の測定データを使用して前記構成部品の前記表面の表面プロファイルを生成するデータプロセッサを含むことを特徴とする方法。
【請求項42】
請求項40または41に記載の方法を行うようにプロセッサ手段をプログラミングするためのプログラム指示を担持することを特徴とする信号。
【請求項43】
請求項29ないし36のいずれかに記載のデータ処理装置を設けるように構成されるようにプロセッサ手段をプログラミングするためのプログラム指示を担持することを特徴とする信号。
【請求項44】
請求項1ないし29のいずれかに記載の測定器具を設けるように構成されるように、測定器具のプロセッサ手段をプログラミングするためのプログラム指示を担持することを特徴とする信号。
【請求項45】
請求項42、43または44に記載の信号を記憶することを特徴とする記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19a】
【図19b】
【図19c】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19a】
【図19b】
【図19c】
【公表番号】特表2008−533439(P2008−533439A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553681(P2007−553681)
【出願日】平成18年1月25日(2006.1.25)
【国際出願番号】PCT/GB2006/000242
【国際公開番号】WO2006/082368
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(597023868)テイラー・ホブソン・リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】TAYLOR HOBSON LIMITED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月25日(2006.1.25)
【国際出願番号】PCT/GB2006/000242
【国際公開番号】WO2006/082368
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(597023868)テイラー・ホブソン・リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】TAYLOR HOBSON LIMITED
【Fターム(参考)】
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