説明

満水試験用継手

【課題】満水用継手において、蓋体の着脱作業の容易化を図る。
【解決手段】満水試験用継手10は、継手本体11と、管路形成部材12と、蓋体13とを備えている。継手本体11は、略円筒形状に形成されている。また、継手本体11の内周面には、径方向内側に突出し、上方から挿入される上縦管の下端に当接する取り付け座11eと、径方向内側に突出し、下方から挿入される下縦管の上端に当接する取り付け座11fとが形成されている。また、継手本体11には、上下方向に関し、取り付け座11eと取り付け座11fとの間に設けられ、治具を内部に挿入するための治具挿入口11dが形成されている。管路形成部材12は、治具挿入口11dから継手本体11内部に挿入されて継手本体11内部に滑らかな管路を形成する。蓋体13は、所定方向に回転させることにより継手本体11と係合し、治具挿入口11dを遮蔽する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物に配設された排水系の縦配管の漏水を検査する満水試験用継手に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物の上下方向に配設された排水系の縦配管の漏水の有無を検査するために、満水試験が行われている。満水試験は、例えば多層階を有する建物の場合、各階層または2,3階層ごとに配管を堰き止め、試験対象となる縦配管を満水にすることにより漏水の有無を検査するものである。縦配管は、このような満水試験の際に管路を遮断するための治具を装着可能な満水試験用継手によって接続されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された満水試験用継手は、上方および下方から配管が挿入される継手本体を備えている。継手本体は略円筒形状に形成されており、内部に治具を挿入するための挿入口が側面に形成されている。また、満水試験用継手は、満水試験を行わない場合に挿入口を遮蔽する蓋体を備えている。蓋体は、挿入口を遮蔽する蓋部と、継手本体内に挿入される挿入部とを備えている。挿入部は、継手本体に挿入される配管と略等しい内径を有する筒状体に形成されており、継手本体内の治具が取り外されたことにより生じた段差を埋め、滑らかな管路を形成する。蓋体は、蓋部と継手本体とをボルト等により締め付けることにより継手本体に固定されている。
【0004】
このような構成により、満水試験の際には、蓋体を取り外して治具を設置し、管路を遮断する。一方、満水試験以外の際には、治具を取り外し、蓋体を取り付けることにより、滑らかな管路を形成する。
【特許文献1】特開2000−80692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の満水試験用継手のように、蓋体をボルト等により継手本体に固定することとすると、蓋体の開閉作業に手間がかかり、面倒である。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、満水用継手において、蓋体の着脱作業の容易化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る満水試験用継手は、建物等において上下方向に配設される排水系の縦配管に用いられ、前記縦配管を構成する上縦管と下縦管とを接続すると共に、漏水の有無を検査する満水試験で用いられる治具を装着可能な満水試験用継手であって、略円筒形状に形成され、それぞれ内周面から径方向内側に突出する上段差部および下段差部と、上下方向に関し、前記上段差部と前記下段差部との間に設けられ、前記治具を内部に挿入するための治具挿入口と、を有する継手本体と、前記治具挿入口から前記継手本体内部に挿入されると、内周面が前記上段差部および前記下段差部と段差なく連続する管路形成部材と、前記治具挿入口を遮蔽する蓋体と、を備え、前記蓋体と前記管路形成部材とは別体に形成され、前記蓋体は、所定方向に回転させられることにより前記継手本体と係合するものである。
【0008】
上記満水試験用継手によれば、管路形成部材を備えているため、満水試験を行わない際に、継手本体内に管路を段差なく滑らかに形成することができる。そのため、排水を円滑に流すことが可能となる。
【0009】
また、蓋体と管路形成部材とは別体に形成されている。ここで、「別体に形成されている」とは、互いに相対回転自在であることを言う。そのため、蓋体と管路形成部材とが分離されている状態のみを言うのではなく、例えば、蓋体と管路形成部材とが互いに係合し、両部材が分離できない状態であっても、蓋体と管路形成部材とが相対回転自在である場合は、「別体に形成されている」に含まれる。
【0010】
このことにより、蓋体を回した場合に管路形成部材が一緒に回って継手本体と干渉することがないので、蓋体だけを容易に回すことができる。したがって、上記満水試験用継手によれば、従来のように、蓋体の複数箇所をボルト等によって止めることなく、蓋体を回すだけで容易に蓋体を着脱可能に構成することができる。また、このことにより蓋体の着脱作業が容易となり、蓋体の着脱作業を円滑に行うことができる。さらに、着脱の際、蓋体のみを回せばよいため、着脱作業の際に要する力を軽減することができる。
【0011】
前記満水試験用継手は、合成樹脂製であることが好ましい。
【0012】
このことにより、満水試験用継手を軽量化することができる。また、蓋体を軽量化することにより、蓋体の着脱作業を容易にすることができる。さらに、合成樹脂製であれば、複雑な形状であっても容易に加工可能であるため、継手本体と蓋体との係合形状を好適な形状に形成することができる。
【0013】
前記蓋体と前記管路形成部材とは分離可能に形成され、前記蓋体と前記管路形成部材とのそれぞれには、前記蓋体と前記管路形成部材とを相対回転自在に係合する一対の係合部が形成されており、前記蓋体側の係合部は、前記蓋体が前記継手本体と係合されると、前記管路形成部材を前記継手本体に押し付けることが好ましい。
【0014】
上記満水試験用継手によれば、蓋体と管路形成部材とは分離可能に形成されているため、それぞればらばらに継手本体に装着させることができる。これにより、より容易に蓋体を着脱させることができる。また、蓋体と管路形成部材とには、両者を相対回転自在に係合する一対の係合部が形成されている。そのため、蓋体と管路形成部材とを係合させても蓋体を回して継手本体に固定することができる。
【0015】
また、蓋体側の係合部は、蓋体が継手本体と係合されると、管路形成部材を継手本体に押し付ける様に形成されている。これにより、蓋体を継手本体に固定する際に、蓋体によって管路形成部材を継手本体内に押し付けながら固定することができる。したがって、蓋体と管路形成部材とを分離可能に形成した場合であっても、管路形成部材を装着した際に、管路形成部材が継手本体内においてガタつくことを抑制することができる。これにより、排水を円滑に流通させることができる。
【0016】
前記管路形成部材は、前記治具挿入口を遮蔽する内蓋部を有していることが好ましい。
【0017】
このことにより、治具挿入口を二重に遮蔽することができる。また、当該内蓋部が形成された管路形成部材は、蓋体を継手本体に固定する際に、蓋体によって継手本体内に押し付けられる。よって、当該内蓋部は、蓋体が継手本体に固定される際に、継手本体に押し付けられることとなる。これにより、治具挿入口をより一層遮蔽することができる。また、内蓋部は、ボルト等を用いることなく、蓋体の固定作業と同時に固定される。したがって、容易に治具挿入口を遮蔽する内蓋部を継手本体に固定することができる。
【0018】
前記蓋体は略円盤形状に形成されていることが好ましい。
【0019】
このことにより、継手本体の治具挿入口がいかなる形状であっても、最小限の大きさで治具挿入口を遮蔽することができる。
【0020】
前記継手本体には、前記治具挿入口の周囲を取り囲み、前記継手本体の径方向外側に向かって突出する略円筒形状の受け部が形成され、前記蓋体には周方向に略等間隔に配置された複数の係合突起が設けられ、前記受け部の内周面または外周面には前記複数の係合突起と係合する保持部が周方向に略等間隔に設けられていることが好ましい。
【0021】
前記満水試験用継手によれば、蓋体を継手本体に固定するための係合突起および保持部は、周方向に略等間隔に配置されている。そのため、蓋体を回すだけで一回的に複数の係合突起と複数の保持部とを係合させることができる。したがって、上記満水試験用継手によれば、蓋体の着脱作業を容易に行うことができる。また、互いに係合する複数の係合突起および保持部が略等間隔に配置されている。これにより、継手本体に対して蓋体を均等な力で固定することができる。
【0022】
前記蓋体の前記治具挿入口を遮蔽する面の裏面には、工具が挿入される孔が形成されていることが好ましい。
【0023】
上記満水試験用継手によれば、当該孔にレンチ等の工具を挿入することにより、蓋体を容易に回すことができる。これにより、蓋体を容易に着脱することができる。また、上記満水試験用継手によれば、レンチ等の工具を用いて蓋体を回すことができるため、蓋体の着脱に要する力が少なくて済む。
【0024】
前記蓋体は、前記所定方向に回されると前記継手本体に近づく方向に移動し、前記所定方向と反対の方向に回されると前記継手本体から離れる方向に移動する様に形成されていることが好ましい。
【0025】
このことにより、蓋体をより一層容易に着脱することができる。また、満水試験用継手を合成樹脂製とすることにより、このように機能する蓋体の形状が複雑であっても、容易に形成することができる。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明によれば、満水用継手において、蓋体の着脱作業の容易化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
《配管システム1の構成》
図1は、多層階の建物100等に配設される排水系の配管システム1を示す図である。
【0028】
図1に示すように、配管システム1は、建物100の各階に配され、上下方向に延びる縦配管2と、建物100の各階に配され、水平方向に延びる横管3と、各縦配管2を連結すると共に各階の縦配管2に各階の横管3を連結する集合継手4とを備えている。また、配管システム1は、施工後、漏水の有無を検査する満水試験の際に、管路を遮断するための治具30(図7参照)を装着可能な満水試験用継手10を備えている。本実施形態では、満水試験用継手10は合成樹脂製であり、モルタルで被覆されている。
【0029】
《満水試験用継手10の構成》
満水試験用継手10は、本実施形態では3階ごとに設置されている。しかし、満水試験用継手10の設置間隔はこれに限定されず、例えば、各階または1階おきに設けられていてもよい。また、4階以上ごとに設置することとしてもよい。満水試験用継手10は、満水試験時には、治具30(図7参照)が装着可能であり、満水試験時以外の際には、治具30を取り外し、通常の配管継手として使用可能に構成されている。満水試験用継手10は、該当階(図1では1,4,7階)の縦配管2の中途部に設けられており、縦配管2を構成する上縦管2aと下縦管2bとを接続している。
【0030】
図2は、満水試験用継手10の分解斜視図である。図2に示すように、満水試験用継手10は、継手本体11と、管路形成部材12と、蓋体13とを備えている。
【0031】
図3は、継手本体11の側面断面図である。継手本体11は、略円筒形状の上部11aおよび下部11bと、平面視略U字形状の中央部11c(図5参照)とにより構成されている。上部11aには上縦管2aを挿入するための上挿入空間14aが形成され、下部11bには下縦管2bを挿入するための下挿入空間14bが形成されている。また、中央部11cには、治具30を装着させるための装着空間14cが形成されている。継手本体11の中央部11cには、装着空間14cに治具30(図7参照)を挿入するための治具挿入口11dが形成されている。
【0032】
また、上部11aと中央部11cとの間には、継手本体11の上方から挿入される上縦管2aの下端と当接する取り付け座11eが形成されている。また、中央部11cと下部11bとの間には、継手本体11の下方から挿入される下縦管2bの上端と当接する取り付け座11fが形成されている。取り付け座11e,11fは、略円筒形状の継手本体11の内周面から径方向内側に突出しており、継手本体11内に段差を生じさせている。なお、取り付け座11e,11fは、後述する治具30(図7参照)を取り付けるための台座ともなる。
【0033】
また、図2および図3に示すように、中央部11cには、治具挿入口11dの周囲を取り囲み、継手本体11の径方向外側に突出する略円筒形状の受け部11gが形成されている。受け部11gの内周面には複数の保持部11hが周方向に略等間隔に設けられている。保持部11hは、略L字形状のブロック状に形成されており、受け部11gの内周面から僅かに突出する様に設けられている。また、各保持部11hは、長辺部が受け部11gの周方向に沿う様に配置されている。さらに、保持部11hの長辺部は、短辺部から離れる程、先細り形状に形成されている。
【0034】
図4は、満水試験用継手10の側面断面図であり、図5は、図4のV−V断面図である。図4、5に示すように、管路形成部材12は、継手本体11の中央部11cの治具挿入口11dから装着空間14cに挿入されている。管路形成部材12は、略円筒形状の管路形成部12aと、管路形成部12aに連続して形成され管路形成部12aを支持する支持部12bと、支持部12bに連続して形成され、治具挿入口11dを遮蔽する内蓋部12cと、後述する蓋体13の係合部13bと係合する係合部12dとを有している。管路形成部12aは、装着空間14c内において取り付け座11e,11fによって上下方向への移動を規制される。
【0035】
なお、管路形成部材12は、管路形成部材12を装着空間14cに挿入した状態において、管路形成部12aの内周面が取り付け座11e,11fと段差なく連続する様に形成されている。また、本実施形態では、取り付け座11eと上縦管2aの内周面とは段差なく連続する様に形成されており、取り付け座11fと下縦管2bの内周面とは段差なく連続する様に形成されている。これにより、継手本体11に上縦管2aおよび下縦管2bを挿入し、管路形成部材12を装着させると、満水試験用継手10内には段差のない滑らかな管路が形成されることとなる。
【0036】
図4、5に示すように、管路形成部材12の内蓋部12cの外周縁にはシール部材15が嵌められている。これにより、管路形成部材12を装着空間14cに挿入すると、内蓋部12cは治具挿入口11dを遮蔽し、管路形成部材12と継手本体11との隙間はシール部材15によってシールされる。
【0037】
図6は満水試験用継手10の側面図である。図6に示すように、蓋体13は、略円盤形状に形成されている。また、図2に示すように、蓋体13には、周方向に略等間隔に配置された複数の係合突起13aが形成されている。複数の係合突起13aは、前述した継手本体11の複数の保持部11hと同数だけ形成されており、複数の保持部11hのそれぞれと係合する。
【0038】
具体的には、まず、複数の係合突起13aが複数の保持部11hの間に位置する様に、蓋体13を継手本体11に押し付ける。そして、蓋体13を回転させて係合突起13aを保持部11hの長辺部に沿ってスライドさせる。このとき、保持部11hの長辺部は短辺部に近づく程、幅が大きくなる様に形成されている。そのため、蓋体13を所定方向(図2では、時計回り)に回し、係合突起13aを保持部11hの長辺部に沿ってスライドさせると、蓋体13は継手本体11に近づく方向(継手本体11の奥側)に移動する。蓋体13は、係合突起13aが保持部11hの短辺部に接触するまで回される。このようにして、蓋体13と継手本体11とは強固に係合することとなる。なお、このとき、管路形成部材12の内蓋部12cの外周縁に嵌められたシール部材15は、蓋体13によって継手本体11側に押し潰される。これにより、管路形成部材12と継手本体11との隙間はシールされ、止水される。また、継手本体11に対する管路形成部材12のがたつきを防止することができる。
【0039】
一方、蓋体13と継手本体11とが係合した状態において、蓋体13を上記所定方向と反対の方向(図2では、反時計回り)に回すと、蓋体13は継手本体11から離れる方向(手前側)に移動する。そして、係合突起13aが保持部11hの長辺部の端部までくると、係合突起13aと保持部11hとの係合が解除され、蓋体13は継手本体11から離れる。
【0040】
また、蓋体13には、前述した管路形成部材12の係合部12dと係合する係合部13bが形成されている。係合部12dと係合部13bとは、蓋体13と管路形成部材12とが相対回転自在に係合する様に形成されている。また、係合部13bは、蓋体13が継手本体11と係合すると、管路形成部材12を継手本体11に押し付ける様に形成されている。
【0041】
具体的には、本実施形態では、図2に示すように、係合部13bは、先端部が幅広の円盤形状に形成された突起からなり、係合部12dには、係合部13bの先端部を回転自在に支持する溝12e(図4,5参照)が形成されている。係合部13bの先端部が係合部12dの溝12eに挿入されることにより、蓋体13と管路形成部材12とが相対回転自在に係合される。また、前述したように、蓋体13は、継手本体11と係合する際、継手本体11に近づく方向に移動する。そのため、蓋体13が継手本体11と係合する際、係合部13bも継手本体11に近づく方向に移動する。これにより、管路形成部材12の係合部12dが係合部13bによって継手本体11側に押し付けられることとなる。
【0042】
また、図6に示すように、蓋体13の一方の面(治具挿入口11dを遮蔽する面の裏面)には、工具が挿入される一対の孔13cが形成されている。孔13cは、円盤形状の蓋体13の中心に対し、略点対称となる位置に配置されている。一対の孔13cは、蓋体13の一方の面から盛り上がる様に設けられた補強部13dに形成されている。本実施形態では、補強部13dは金属により形成されている。そのため、工具により孔13cが変形することや潰れることを防止することができる。しかし、孔13cの構成はこれに限定されない。例えば、蓋体13に直に形成されていてもよい。また、補強部13dも合成樹脂製とし、孔13cのみを金属により形成することとしてもよい。
【0043】
以上が配管システム1の構成である。次に、満水試験の際に使用される治具30の構成について説明する。
【0044】
《治具30の構成》
図7は継手本体11内に治具30を装着した際の側面断面図である。図7に示すように、治具30は、上縦管2a用の取り付け座11eの下面に押し付けられる閉塞板31と、下縦管2b用の取り付け座11fの上面に押し付けられる支持板32と、閉塞板31と支持板32との間隔を調整する調整機構33とを備えている。なお、閉塞板31の上面にはシール部材35が接着されている。
【0045】
調整機構33は、ガイド棒33aと、上ナット33bと、下ナット33cとを備えている。ガイド棒33aは、閉塞板31と支持板32との間に架け渡され、外面にネジ溝が形成されている。上ナット33bおよび下ナット33cは、ガイド棒33aのネジ溝と係合し、回転させられるとネジ溝に沿って上下方向へ移動可能に構成されている。このような構成により、上ナット33bを回して上方に移動させると、閉塞板31は上方へ押し付けられる。一方、下ナット33cを下方に移動させると、支持板32は下方へ押し付けられる。このようにして、閉塞板31と支持板32との距離を調節することができる。
【0046】
また、図示は省略するが、ガイド棒33aは、閉塞板31および支持板32を貫通しており、内部には連通管が設けられている。当該連通管は、閉塞板31上方の空間と、支持板32下方の空間とを連通する。また、ガイド棒33aの中途部には、当該連通管を開閉する開閉弁34が設けられている。これにより、満水試験終了後、開閉弁34を開けることにより、連通管が解放され、閉塞板31上方に溜められた水を支持板32下方に導くことができる。
【0047】
以上が治具30の構成である。次に、満水試験の手順について説明する。なお、ここでは、図1における建物100の1〜3階までに配設された縦配管2の漏水の有無を検査する場合を例にとって説明することとする。
【0048】
《満水試験の手順》
まず、1階に設けられた満水試験用継手10の蓋体13を取り外す。蓋体13は、継手本体11の保持部11hの長辺部に沿って短辺部から離れる方向(反時計回り)に回すことにより取り外される。このとき、蓋体13と管路形成部材12とは、係合部13bと係合部12dとを介して係合している。そのため、蓋体13を継手本体11から取り外すことにより、管路形成部材12も取り外される。これにより、装着空間14c内は空洞となる(図3参照)。
【0049】
次に、空洞となった装着空間14cに治具30を装着する。図8に示すように、継手本体11に形成された治具挿入口11dから装着空間14cに治具30を挿入する。そして、装着空間14c内において上ナット33bおよび下ナット33cを回して治具30の閉塞板31と支持板32との距離を調節する。具体的には、閉塞板31が取り付け座11eに圧接する様に閉塞板31を押し上げていく。これにより、上挿入空間14aと装着空間14cとの連通が遮断される(図7参照)。
【0050】
そして、上部階、本試験では4階の横管3を介して1〜3階の縦配管2に水を導き、貯留する。この状態で満水試験を行う。満水試験は、貯留された水の圧力または水位等を計測することにより行われる。
【0051】
満水試験が終了した後、まず、開閉弁34を開き、閉塞板31上方に貯留された水を支持板32下方へ放流する。水が全て放流された後、継手本体11から治具30を取り外す。取り外しは、装着時と逆の手順により行う。まず、上ナット33bおよび下ナット33cを緩めて閉塞板31と支持板32との距離を縮める。そして、継手本体11の治具挿入口11dから治具30を取り出す。
【0052】
治具30を取り出した後、装着空間14cに管路形成部材12を挿入し、管路形成部材12と蓋体13とを係合させた後、蓋体13を継手本体11に固定する。具体的には、蓋体13を回して蓋体13の係合突起13aと継手本体11の保持部11hとを係合させる。このとき、蓋体13には一対の孔13cが形成されている。そのため、例えば、当該孔13cに挿入可能な2本のピンを有するレンチ等を用いることにより、より簡単に蓋体13を継手本体11に締め付けることができる。これにより、作業員の負担を軽減することができる。
【0053】
なお、継手本体11および蓋体13のそれぞれの外面は、予めモルタルで被覆されている。そのため、蓋体13を継手本体11に取り付けると、図4に示すように、満水試験用継手10は、そのほぼ全体がモルタルで被覆された状態となる。これにより、満水試験用継手10の耐火性を向上させることができる。なお、図5は、図4のV−V断面図であるが、説明の便宜上、当該モルタルの描画を省略している。
【0054】
満水試験の終了後、治具30を取り外すと、継手本体11内面には、取り付け座11e,11fにより段差が生じる。そのため、当該段差により給排水の流れが阻害されて騒音を生じたり、例えば縦配管2が排水管の場合、ごみ等が当該段差にひっかかってつまったりするおそれがある。
【0055】
しかし、本実施形態に係る満水試験用継手10は、内周面が取り付け座11e,11fと段差なく連続する管路形成部材12を備えている。これにより、管路形成部材12を挿入することで、継手本体11内には、段差のない滑らかな管路が形成されることとなる。したがって、本満水試験用継手10によれば、排水を円滑に流すことが可能となり、流れが阻害されることによる騒音やつまり等を防止することができる。
【0056】
また、本満水試験用継手10では、蓋体13と管路形成部材12とは別体に形成されている。ここで、「別体に形成されている」とは、互いに相対回転自在であることを言う。そのため、蓋体13と管路形成部材12とが分離されている状態のみを言うのではなく、例えば、蓋体13と管路形成部材12とが互いに係合し、両部材が分離できない状態であっても、蓋体13と管路形成部材12とが相対回転自在である場合は、「別体に形成されている」に含まれる。
【0057】
本実施形態では、蓋体13と管路形成部材12とは、係合部13bと係合部12dとを介して互いに係合するが、係合した際においても、互いに相対回転自在に形成されている。これにより、蓋体13を回した場合に管路形成部材12が一緒に回って継手本体11と干渉することがないので、蓋体13だけを容易に回すことができる。したがって、本満水試験用継手10によれば、従来のように、蓋体13の複数箇所をボルト等によって止めることなく、蓋体13を回すだけで容易に蓋体13を着脱可能に構成することができる。また、このことにより蓋体13の着脱作業が容易となり、蓋体13の着脱作業を円滑に行うことができる。さらに、着脱の際、蓋体13のみを回せばよいため、着脱作業の際に要する力を軽減することができる。
【0058】
また、本満水試験用継手10は合成樹脂により形成されている。そのため、満水試験用継手10の軽量化を図ることができる。また、これにより、蓋体13の着脱作業を容易にすることができる。さらに、合成樹脂製であれば、複雑な形状であっても容易に加工可能であるため、継手本体11および蓋体13の係合形状を好適な形状に形成することができる。
【0059】
さらに、本満水試験用継手10によれば、蓋体13と管路形成部材12とは分離可能に形成されている。そのため、それぞればらばらに継手本体11に装着させることができる。これにより、より容易に蓋体13を着脱させることができる。また、蓋体13と管路形成部材12とには、両者を相対回転自在に係合する一対の係合部13b,12dが形成されている。そのため、蓋体13と管路形成部材12とを係合させても蓋体13を回して継手本体11に固定することができる。
【0060】
また、蓋体13側の係合部13bは、蓋体13が継手本体11と係合されると、管路形成部材12を継手本体11に押し付ける様に形成されている。これにより、蓋体13を継手本体11に固定する際に、蓋体13によって管路形成部材12を継手本体11内に押し付けながら固定することができる。したがって、蓋体13と管路形成部材12とを分離可能に形成した場合であっても、管路形成部材12を装着した際に、管路形成部材12が継手本体内においてガタつくことを抑制することができる。これにより、排水を円滑に流通させることができる。
【0061】
また、本満水試験用継手10の管路形成部材12は、治具挿入口11dを遮蔽する内蓋部12cを有している。そのため、本満水試験用継手10によれば、治具挿入口11dを二重に遮蔽することができる。
【0062】
また、当該内蓋部12cが形成された管路形成部材12は、蓋体13を継手本体11に固定する際に、蓋体13によって継手本体11内に押し付けられる。よって、当該内蓋部12cは、蓋体13が継手本体11に固定される際に、継手本体11に押し付けられることとなる。これにより、治具挿入口11dをより一層遮蔽することができる。また、内蓋部12cは、ボルト等を用いることなく、蓋体13の固定作業と同時に固定される。したがって、容易に治具挿入口11dを遮蔽する内蓋部12cを継手本体11に固定することができる。
【0063】
なお、本実施形態の内蓋部12cの外周縁にはシール部材15が嵌められている。これにより、管路形成部材12を装着空間14cに挿入した際、内蓋部12cと継手本体11との隙間をシールすることができる。また、管路形成部材12を装着した際に、管路形成部材12が継手本体11内においてガタつくことをより一層抑制することができる。
【0064】
本満水試験用継手10では、蓋体13は円盤形状に形成されている。このことにより、継手本体11の治具挿入口11dがいかなる形状であっても、最小限の大きさで治具挿入口11dを遮蔽することができる。
【0065】
具体的に説明すると、本実施形態では蓋体13を回転させることにより蓋体13を継手本体11に取り付けることとしている。そのため、本実施形態のように治具挿入口11dが長方形の場合、蓋体13を例えば長方形とした場合、長方形の蓋体13の短辺が治具挿入口11dの対角線以上の長さを有するものでなければならない。蓋体13の短辺の長さが治具挿入口11dの対角線よりも短い場合、蓋体13を回転させた際に、治具挿入口11dを遮蔽することができない場合があるからである。
【0066】
本実施形態の場合、蓋体13は、長方形状の治具挿入口11dの対角線以上の長さの直径を有する円盤形状に形成されている(図6参照)。このように円盤形状であれば、蓋体13を回転させていかなる角度となっても、蓋体13によって治具挿入口11dを遮蔽することができる。また、治具挿入口11dを遮蔽するために必要な蓋体13の大きさを最小限に抑えることができる。
【0067】
なお、治具挿入口11dの形状は本実施形態の長方形状に限られない。治具30および管路形成部材12を挿入可能ないかなる形状であってもよい。例えば、正方形状や六角形状または台形状であってもよい。その場合、蓋体13の直径を治具挿入口11dの最も長い対角線以上の長さとすることで、蓋体13によって治具挿入口11dを確実に遮蔽することができる。
【0068】
満水試験用継手10によれば、蓋体13に形成された複数の係合突起13aは、蓋体13の周方向に略等間隔に配置されている。また、複数の係合突起13aと係合する継手本体11の複数の保持部11hは、継手本体11の受け部11gの周方向に略等間隔に配置されている。そのため、蓋体13を回すだけで一回的に複数の係合突起13aと複数の保持部11hとを係合させることができる。したがって、本満水試験用継手10によれば、蓋体13の着脱作業を容易に行うことができる。また、互いに係合する複数の係合突起13aおよび保持部11hが略等間隔に配置されていることにより、継手本体11に対して蓋体13を均等な力で固定することができる。これにより、いずれかの部分だけが摩耗してしまうことを防止することができ、耐久性の向上を図ることができる。なお、本実施形態では保持部11hは、受け部11gの内周面に設けられていたが、受け部11gの外周面に略等間隔に設けてもよい。このとき、蓋体13の係合突起13aを、保持部11hと係合可能な位置に設けることが必要となる。
【0069】
また、本満水試験用継手10では、蓋体13の一方の面(治具挿入口11dを遮蔽する面の裏面)には、円盤形状の蓋体13の中心に対して略点対象となる位置に一対の孔13cが形成されている。そのため、レンチ等の工具を一対の孔13cに挿入して回動させることにより、蓋体13を容易に回転させることができる。これにより、蓋体13の回転のために要する力が少なくて済み、作業員の負担を軽減することができる。
【0070】
なお、孔13cの形状、個数および配置は上記のものに限られず、いかなるものであってもよい。例えば、六角レンチが挿入できる様に六角形状の孔13cを一つだけ形成することとしてもよい。この場合、孔13cは蓋体13の中央部に設けることが好ましい。また、2つの孔13cのうち、一方を蓋体13の中央部に設け、他方の孔13cを一方の孔13cよりも径方向外側に設けることとしてもよい。また、蓋体13の同心円上に3つ以上の孔13cを形成してもよい。
【0071】
さらに、蓋体13は、所定方向(図2では時計回り)に回されると継手本体11に近づく方向に移動し、所定方向と反対の方向(図2では反時計回り)に回されると継手本体11から離れる方向に移動する様に形成されている。これにより、蓋体13をより一層容易に着脱することができる。また、上述のように本満水試験用継手10を合成樹脂製とすることにより、このように機能する蓋体13の形状(本実施形態では係合突起13aおよび保持部11hの形状)が複雑であっても、容易に形成することができる。
【0072】
なお、本実施形態では、管路形成部材12は、蓋体13の係合部13bの先端部と係合する溝12eを有する係合部12dを備えていた。そして、係合部12dが蓋体13の係合部13bによって押されることにより、管路形成部材12は、継手本体11に押し付けられて固定されていた。しかし、管路形成部材12の押し付け方法はこれに限られない。例えば、図9,10に示すように、管路形成部12aを付勢するばね16を設け、係合部12dを、当該ばね16を保持すると共に蓋体13の係合部13bの先端部と係合可能な形状に形成してもよい。
【0073】
このような形状によれば、蓋体13が所定方向に回されて継手本体11に近づく方向に移動すると、蓋体13の係合部13bは、ばね16を管路形成部12aに向かって押す。これにより、ばね16は収縮すると共に力が加えられた向きに管路形成部12aを付勢する。これにより、管路形成部材12は継手本体11に押し付けられることとなる(図10参照)。したがって、このような形態によっても、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0074】
また、本形態であれば、蓋体13の係合突起13aと係合する継手本体11の保持部11hは、上記実施形態のように長辺部が先細り形状に形成されていなくてもよい。この場合、係合突起13aが保持部11hよりも内部に位置する様に蓋体13を押し込んだ後、係合突起13aと保持部11hとが係合して固定される位置まで蓋体13を回せばよい。言い換えれば、保持部11hは、このように、蓋体13を一旦押し込んで回した後、係合突起13aを保持できる形状であれば、L字状に形成されていなくてもよい。例えば、係合突起13aと同形状の溝を有するコ字状に形成されていてもよい。
【0075】
また、本実施形態では、蓋体13には、孔13cが形成された金属製の補強部13dが設けられており、孔13cにレンチ等の工具を挿入することにより、蓋体13の回動作業を容易にしていた。しかし、蓋体13の形状はこれに限定されず、いかなるものであってもよい。孔13cを設けなくともよく、また、図9,10に示すように、補強部13dを予め取手状に形成してもよい。このような形状の蓋体13によれば、レンチ等を用いなくとも蓋体13を容易に着脱することができる。
【0076】
本実施形態では、満水試験用継手10は合成樹脂製であったが、材質はこれに限定されず、金属製であってもよい。
【0077】
また、本発明は、本実施形態のように管路形成部材12を備える満水試験用継手10において特に有用であるが、管路形成部材12を備えていない満水試験用継手10であっても蓋体13の着脱作業の容易化を図るという目的を達成することができることは言うまでもない。
【0078】
さらに、本実施形態では、管路形成部材12は治具挿入口11dを閉塞する内蓋部12cを有していた。しかし、管路形成部材12は内蓋部12cを備えていなくてもよい。このような場合であっても、蓋体13により治具挿入口11dを遮蔽することができる。
【0079】
なお、本実施形態に係る満水試験用継手10は、蓋体13を取り外すことにより、治具挿入口11dを点検口や掃除口として利用することも可能である。また、本満水試験用継手10では、蓋体13を容易に取り外し可能に構成されている。そのため、本満水試験用継手10によれば、点検や掃除の際に、作業を円滑に行うことが可能となり、また、作業員の負担を軽減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
以上のように、本発明は、建物に配設された排水系の縦配管の漏水を検査する満水試験用継手について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】実施形態に係る配管システムの構成図である。
【図2】満水試験用継手の分解斜視図である。
【図3】継手本体の側面断面図である。
【図4】満水試験用継手の側面断面図である。
【図5】満水試験用継手の平面断面図である。
【図6】満水試験用継手の側面図である。
【図7】満水試験時における継手本体の側面断面図である。
【図8】治具挿入前の継手本体と治具とを示す斜視図である。
【図9】変形例に係る満水試験用継手の平面断面図である。
【図10】変形例に係る満水試験用継手の平面断面図である。
【符号の説明】
【0082】
1 配管システム
2 縦管
2a 上縦管
2b 下縦管
10 満水試験用継手
11 継手本体
11d 治具挿入口
11e 取り付け座(上段差部)
11f 取り付け座(下段差部)
11g 受け部
11h 保持部
12 管路形成部材
12c 内蓋部
12d 係合部
12e 溝
13 蓋体
13a 係合突起
13b 係合部
13c 孔
14c 装着空間
30 治具
100 建物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物等において上下方向に配設される排水系の縦配管に用いられ、前記縦配管を構成する上縦管と下縦管とを接続すると共に、漏水の有無を検査する満水試験で用いられる治具を装着可能な満水試験用継手であって、
略円筒形状に形成され、それぞれ内周面から径方向内側に突出する上段差部および下段差部と、上下方向に関し、前記上段差部と前記下段差部との間に設けられ、前記治具を内部に挿入するための治具挿入口と、を有する継手本体と、
前記治具挿入口から前記継手本体内部に挿入されると、内周面が前記上段差部および前記下段差部と段差なく連続する管路形成部材と、
前記治具挿入口を遮蔽する蓋体と、を備え、
前記蓋体と前記管路形成部材とは別体に形成され、
前記蓋体は、所定方向に回転させられることにより前記継手本体と係合する、満水試験用継手。
【請求項2】
請求項1に記載の満水試験用継手であって、
合成樹脂製である、満水試験用継手。
【請求項3】
請求項1または2に記載の満水試験用継手であって、
前記蓋体と前記管路形成部材とは分離可能に形成され、
前記蓋体と前記管路形成部材とのそれぞれには、前記蓋体と前記管路形成部材とを相対回転自在に係合する一対の係合部が形成されており、
前記蓋体側の係合部は、前記蓋体が前記継手本体と係合されると、前記管路形成部材を前記継手本体に押し付ける、満水試験用継手。
【請求項4】
請求項3に記載の満水試験用継手であって、
前記管路形成部材は、前記治具挿入口を遮蔽する内蓋部を有している、満水試験用継手。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の満水試験用継手であって、
前記蓋体は略円盤形状に形成されている、満水試験用継手。
【請求項6】
請求項5に記載の満水試験用継手であって、
前記継手本体には、前記治具挿入口の周囲を取り囲み、前記継手本体の径方向外側に向かって突出する略円筒形状の受け部が形成され、
前記蓋体には周方向に略等間隔に配置された複数の係合突起が設けられ、
前記受け部の内周面または外周面には前記複数の係合突起と係合する保持部が周方向に略等間隔に設けられている、満水試験用継手。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一つに記載の満水試験用継手であって、
前記蓋体の前記治具挿入口を遮蔽する面の裏面には、工具が挿入される孔が形成されている、満水試験用継手。
【請求項8】
請求項2に記載の満水試験用継手であって、
前記蓋体は、前記所定方向に回されると前記継手本体に近づく方向に移動し、前記所定方向と反対の方向に回されると前記継手本体から離れる方向に移動する様に形成されている、満水試験用継手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−285920(P2008−285920A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−132907(P2007−132907)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(000000505)アロン化成株式会社 (317)
【Fターム(参考)】