説明

無線ネットワークシステム

【課題】マルチホップを用いる無線ネットワークシステムにおいて、周波数の利用効率を高める。これにより、ネットワークに収容できる端末の数を容易に増やすことができる。
【解決手段】 端末1とサーバ3とは、複数のアクセスポイント2を介して通信する。端末1は、サーバ3に向けて、定期的にパケットを送信する。複数のアクセスポイント2どうしの間は、無線を用いて通信する。かつ、複数のアクセスポイント2は、端末1とサーバ3との間の通信を、マルチホップを用いて中継する。さらに、複数のアクセスポイント2は、端末1から送られたパケットを中継する場合に、送信元に対する受信確認を送らない。サーバ3は、端末1から送られるパケットを、既定の周期で受信しない場合に、端末1に向けて、再送要求を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ネットワークシステムに関するものである。特に、本発明は、マルチホップを用いた無線ネットワークシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、マルチホップを用いた無線ネットワークシステムが提案されている。このようなシステムの用途としては、例えばセンサネットワークが考えられている。センサネットワークにおいては、端末で収集したデータをサーバに伝送したり、あるいは、端末からのデータに基づいて端末の測位を行うことができる。また、このようなシステムは、端末のヘルスチェックにも応用されている。
【0003】
この無線ネットワークシステムにおいては、端末とサーバとの間の通信を、複数の中継ノードを介して行う。つまり、端末とサーバとの間の通信(具体的にはパケット)は、複数の中継ノードをホップしていくことで伝送される。
【0004】
このようなシステムは、規格としては、IEEE802.15.4などで規定されている。また、このような規格の標準化団体として、ZigBeeアライアンスが知られている。また、ZigBee(商標)は、PAN(Parsonal Area Network)のための規格名としても知られている。PANとは、数十メートル以内の範囲をカバーするためのネットワークである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、マルチホップを用いた無線ネットワークでは、基本的には、中継ノード間の通信も、無線を介して行っている。無線通信における搬送波は空間中を伝搬するため、無線を用いたネットワークでは、パケットどうしの干渉を避ける必要がある。また、無線通信では、利用できる周波数帯域が制限されている。このため、無線ネットワークにおいては、例えば、タイムスロットや帯域を所定の規則で割り当てたり、あるいは、パケットが送られていないことを確認してから通信を行う(いわゆるCSMA/CA)という方策を採ることにより、周波数の有効利用を図っている。
【0006】
しかしながら、無線ネットワークにおいては、パケット数が過大になると、ネットワーク全体として通信が困難になるという問題が、依然として存在する。つまり、無線ネットワークでは、通信容量に起因する問題が、有線ネットワークの場合よりも強く表れる傾向がある。このため、周波数の利用効率を一層向上させることが望まれる。
【0007】
特に、端末の測位を行うネットワークにおいては、端末からパケットをサーバに定期的に送信する必要がある。このため、パケット数が多くなってしまい、その結果、端末の数を増やすことが難しいという問題がある。
【0008】
また、サーバに近い中継ノード間、あるいは、サーバと中継ノードとの間では、パケットが集中するため、この点からも、端末の数を増やすことが難しいという問題があった。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、周波数の利用効率を高めることができ、端末の数を増やすことが可能な、無線ネットワークシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(項目1)
端末と、複数のアクセスポイントと、サーバとを備えており、
前記端末と前記サーバとは、前記複数のアクセスポイントを介して通信する構成となっており、
前記端末は、前記サーバに向けて、定期的にパケットを送信する構成となっており、
前記複数のアクセスポイントどうしの間は、無線を用いて通信する構成となっており、
かつ、前記複数のアクセスポイントは、前記端末と前記サーバとの間の通信を、マルチホップを用いて中継する構成となっており、
さらに、前記複数のアクセスポイントは、前記端末から送られたパケットを中継する場合に、送信元に対する受信確認を送らない構成となっており、
前記サーバは、前記端末から送られるパケットを、既定の周期で受信しない場合に、前記端末に向けて、再送要求を送信する構成となっている
ことを特徴とする無線ネットワークシステム。
【0011】
ここで、アクセスポイントとは、端末とサーバとの間で伝送されるパケットを中継するためのノードである。
【0012】
一般に、無線ネットワークシステムでのノードは、パケットを受け取ると、送信元に対して受信確認(いわゆるAck)のためのパケットを返信する。
【0013】
本発明では、受信確認パケットの送信を省略しているので、その分、通信量を減らすことができ、他のパケットのために周波数資源を用いることができる。
【0014】
また、サーバは、端末からのパケットを定期的に受信しない場合に、端末に対して再送要求を送る。これにより、多少の遅れが生じるとしても、端末との間の通信を確実に行うことが可能になる。
【0015】
この発明において、端末からパケットを送信する周期と、サーバがパケットの受信を確認する周期とは、必ずしも一致する必要はない。例えば、サーバがパケット受信を確認する周期は、端末からのパケット送信周期のn倍(nは2以上の整数)であってもよい。
【0016】
また、この発明において、「送信元」とは、端末あるいは上流側アクセスポイントを意味する。また、この発明において、一部のアクセスポイントのみが、受信確認の送信を省略するという構成とすることも可能である。
【0017】
また、この発明においてサーバがパケットを受信すべき「既定の周期」とは、例えばサーバ側に記憶されている特定の数値(例えば10分間)であってもよいし、所定の関数に基づいて動的に生成される周期であっても良い。同様に、端末がサーバに向けてパケットを送信する周期も、動的に生成することは可能である。
【0018】
(項目2)
前記端末と、前記複数のアクセスポイントとは、無線を用いて通信する構成となっている
ことを特徴とする無線ネットワークシステム。
【0019】
端末とアクセスポイントとの間の通信を無線で行うことにより、端末の移動を比較的に自由に行うことができる。
【0020】
(項目3)
前記複数のアクセスポイントのいずれか又は全ては、前記端末から受信したパケットを、一定期間蓄積した後、下流側の前記アクセスポイント又は前記サーバに送信する構成となっている
ことを特徴とする項目1又は2に記載の無線ネットワークシステム。
【0021】
アクセスポイントが、端末又は上流側アクセスポイントからパケットを受信した場合において、直ちにパケットを転送するのではなく、一定期間の間、パケットを蓄積することが可能である。このようにすれば、通信量を一層削減することができる。
【0022】
(項目4)
前記複数のアクセスポイントのうち、前記サーバに対してより近い前記アクセスポイントは、他の前記アクセスポイントよりも、通信の優先度が高くされている
ことを特徴とする項目1〜3のいずれか1項に記載の無線ネットワークシステム。
【0023】
ノード間の通信量は、サーバに近付くにつれて増加すると考えられる。そこで、通信の優先度を、サーバに近いほど高くなるように設定することにより、周波数帯域を有効に利用することができる。
【0024】
(項目5)
前記複数のアクセスポイントは、異なるフロアに分散して配置されており、
かつ、前記複数のアクセスポイントのうち、同一のフロアに配置されたアクセスポイントどうしは、前記無線を用いて通信する構成となっており、
前記複数のアクセスポイントのうち、異なるフロアに配置されたアクセスポイントどうしは、有線を用いて通信する構成となっている
ことを特徴とする項目1〜4のいずれか1項に記載の無線ネットワークシステム。
【0025】
フロア間での通信量は、同一フロア内のアクセスポイント間での通信量より大きくなり易いと考えられる。そこで、フロア間での通信を、有線(ケーブル)を介して行うことにより、通信量の拡大に対して容易に対応しうる。
【0026】
(項目6)
前記複数のアクセスポイントは、前記端末が直接に通信しているアクセスポイントが同じである場合は、前記サーバに送信するパケットの送信周期を、より長く設定する構成となっており、
さらに、前記サーバに送信するパケットの送信周期をより長く設定した前記アクセスポイントは、前記サーバに対して、新たな送信周期を示す情報を送信する構成となっており、
前記サーバは、前記新たな送信周期に、前記端末からのパケットを受信しない場合に、前記端末に対して、前記再送要求を送信する構成となっている
ことを特徴とする項目1〜5のいずれか1項に記載の無線ネットワークシステム。
【0027】
端末が直接に通信しているアクセスポイントが変わらないということは、当該端末の移動量が少ないか、移動していないことを意味する。このような場合には、例えば端末の測位のためには、当該端末からのパケットを受け取る必要性が低い。そこで、このような場合に、パケットの送信周期を延ばすことにより、通信量をさらに減少させることができる。
【0028】
端末が移動していないために、端末と直接に通信しているアクセスポイントが変わらない場合は、特に測位の場合には、アクセスポイントがパケットを中継する必要は低い。しかしながら、端末からの通信が全く無いと、端末故障の場合と区別しにくい。そこで、本項目の発明では、端末が移動しない場合でも、パケットを全く送信しないのではなく、サーバに送信するパケットの送信周期をより長く設定する構成とした。
【0029】
(項目7)
前記新たな送信周期は、元の送信周期の整数倍であり、
前記アクセスポイントは、前記新たな送信周期を示す情報として、前記整数を送信する構成となっている
ことを特徴とする項目6に記載の無線ネットワークシステム。
【0030】
本項目の発明では、端末からのパケットを、言わば間欠的に中継することになる。つまり、新たな送信周期は、端末の送信周期の整数倍となる。そこで、送信周期の値そのものではなくその整数値のみをサーバに送るようにすれば、通信量をさらに減少させることが可能である。
【0031】
(項目8)
前記サーバは、前記アクセスポイントを介して前記端末から受信した前記パケットに基づいて、前記端末の測位を行う構成となっている
ことを特徴とする項目1〜7のいずれか1項に記載の無線ネットワークシステム。
【0032】
端末の測位を行う無線ネットワークの場合、端末から定期的にパケットを送信する必要があるので、特に、本発明が有効である。ただし、本発明は、測位以外の目的にも適用可能である。
【0033】
(項目9)
端末と、複数のアクセスポイントと、サーバとを用いた、無線通信方法であって、
前記端末と前記サーバとは、前記複数のアクセスポイントを介して通信する構成となっており、
前記複数のアクセスポイントどうしの間は、無線を用いて通信する構成となっており、
かつ、前記複数のアクセスポイントは、前記端末と前記サーバとの間の通信を、マルチホップを用いて中継する構成となっており、
前記複数のアクセスポイントが、前記端末から送られたパケットを中継する場合には、送信元に対する受信確認を送らない構成となっており、
さらに、この方法は、以下のステップを含む:
(1)前記サーバは、前記端末から送られるパケットを、既定の周期で受信したか否かを判断するステップ;
(2)前記端末から送られるパケットを、既定の周期で受信していない場合に、前記サーバが、前記端末に向けて、再送要求を送信するステップ。
【0034】
(項目10)
項目9に記載の各ステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【0035】
(項目11)
マルチホップを用いる無線ネットワークシステムにおけるアクセスポイントであって、
前記アクセスポイントは、端末とサーバとの間で伝送されるパケットを中継する構成となっており、
さらに、前記アクセスポイントは、前記端末から送られた前記パケットを中継する場合に、送信元に対する受信確認を送らない構成とされている
ことを特徴とする無線ネットワークシステム用のアクセスポイント。
【0036】
(項目12)
マルチホップを用いる無線ネットワークシステムにおけるアクセスポイントであって、
前記アクセスポイントは、端末とサーバとの間で伝送されるパケットを中継する構成となっており、
前記アクセスポイントは、前記端末から受信したパケットを、一定期間蓄積した後、下流側の他のアクセスポイント又は前記サーバに送信する構成となっている
ことを特徴とする無線ネットワークシステム用のアクセスポイント。
【0037】
なお、本項目の発明における端末の数は、一つに限らない。むしろ、複数の端末を用いることが通常であると考えられる。
【発明の効果】
【0038】
本発明の無線ネットワークシステムによれば、周波数帯域の利用効率を高めることが可能になる。これにより、例えば、このシステムに収容できる端末の数を増やすことが容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の第1実施形態に係る無線ネットワークシステムを、添付図面を参照して説明する。
【0040】
(第1実施形態の構成)
本実施形態に係るシステムは、端末1と、複数のアクセスポイント2と、サーバ3とを備えている。端末1は、基本的にいずれも同じ構成なので、いずれについても同じ符号を用いている。同様に、複数のアクセスポイント2についても、いずれも同じ符号を用いている。端末1とサーバ3とは、複数のアクセスポイント2を介して通信する構成となっている。
【0041】
ここで、無線ネットワークシステムに用いるノードの一般的な基本構成を、図2に示す。無線で接続されるノードの場合、その用途が端末、アクセスポイント、サーバのいずれであっても、基本的には、同じ構成要素を備える。
【0042】
このノードは、RF部61と、CPU62と、メモリ63と、インタフェース部64と、アンテナ65とを備えている。このようなノードとしては、例えばZigBee(商標名)規格で使われるノードと同様の構成でよいので、各構成要素についての詳しい説明は省略する。
【0043】
端末1は、サーバ3に向けて、定期的にパケットを送信する構成となっている。また、本実施形態における端末1と、複数のアクセスポイント2のいずれかとは、無線を用いて通信する構成となっている。
【0044】
具体的には、端末1は、受信部11と、送信部12と、タイマ13と、記憶部14とを、機能要素として備えている(図3参照)。
【0045】
受信部11は、端末1へ送られたパケットを受信する部分である。送信部12は、端末1からアクセスポイント2へパケットを送信する部分である。送信部12は、サーバ3へのパケットを、既定の周期で送信する構成となっている。タイマ13は、記憶部14に記憶された既定の周期が到来したことを判定するための部分である。記憶部14には更に当該端末のIDが記録されている。
【0046】
複数のアクセスポイント2どうしの間は、無線を用いて通信を行う構成となっている。かつ、複数のアクセスポイント2は、端末1とサーバ3との間の通信を、マルチホップを用いて中継する構成となっている。つまり、複数のアクセスポイント2は、アクセスポイント2の間でホップを行うことで、パケットを伝送する。もちろん、1回のホップだけでサーバ3に伝送できるアクセスポイント2が端末1から直接にパケットを受け取った場合には、1回のホップでサーバ3にパケットを送信することができる。
【0047】
本実施形態のアクセスポイント2は、端末1から送られたパケットを中継する場合に、送信元に対する受信確認を送らない構成となっている。
【0048】
アクセスポイント2は、機能要素として、受信部21と、送信部22と、タイマ23と、記憶部24とを、備えている(図4参照)。
【0049】
受信部21は、端末1又は上流側のアクセスポイント2からのパケットを受け取る部分である。送信部22は、下流側のアクセスポイント2又はサーバ3にパケットを送る部分である。タイマ23は、この実施形態では特に必要がない(後述する他の実施形態において説明する)。記憶部24は、アクセスポイント2の動作に必要なデータと当該アクセスポイントのIDを適宜保存する部分である。
【0050】
サーバ3は、端末1から送られるパケットを、既定の周期で受信しない場合に、端末1に向けて、再送要求を送信する構成となっている。
【0051】
サーバ3は、機能要素として、受信部31と、送信部32と、タイマ33と、記憶部34と、再送要求部35とを、機能要素として備えている(図5参照)。
【0052】
受信部31は、その上流側のアクセスポイント2からのパケットを受け取る部分である。送信部32は、サーバ3に接続されたノードに向けて、パケットを送る部分である。タイマ33は、記憶部34に記憶されている既定の周期が到来したかどうかを判定できる部分である。再送要求部35は、既定の周期内に端末1からのパケットを受け取らない場合に、再送要求を端末1に向けて送るための部分である。ここで、サーバ3で記憶されている既定の周期(T)と、端末1で記憶されている既定の送信周期(T)とは、異なっていても良いが、本実施形態では同じとされている。もしこれらの周期が異なるときは、T>Tとすることが好ましい。
【0053】
(第1実施形態の動作)
つぎに、本実施形態に係る無線ネットワークシステムの動作について、図6に示すフローチャートを主に参照しながら説明する。
【0054】
(ステップSA−1)
まず、各端末1は、タイマ13でのカウントに従って、既定の周期で、サーバ3に向けてパケットを送信する。パケットを送信する場合は、他のパケットが送信されていないかを事前に確認する(いわゆるキャリアセンス)。この方法は、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance )として知られているので、詳しい説明は省略する。以降のノードにおける無線でのパケット送信では、いずれもこのキャリアセンスを行うことで、パケットの衝突を避ける。各端末1は端末のIDをパケットに載せて送信する。
【0055】
(ステップSA−2)
ついで、端末1に近いアクセスポイント2は、端末1からのパケットをそれぞれ受信し、次のアクセスポイント2に中継する。それぞれの端末1からのパケットは、それぞれ別の経路を辿ることが通常であるが、以降の説明では、説明の便宜のため、一つの端末1からのパケットについてのみ説明する。
【0056】
アクセスポイント2は、端末1のIDの情報を載せているパケットに、さらに、受信電界強度、及び自分のIDを追加して、下流のノードに転送する。
【0057】
ここで、パケットを受け取ったアクセスポイント2は、送信元のノードへの受信確認は送信しない。一般に、無線ネットワークシステムでのノードは、パケットを受け取ると、送信元に対して受信確認(いわゆるAck)のためのパケットを返信する。しかしながら、本実施形態では、受信確認パケットの送信を省略しているので、その分、通信量を減らすことができ、他のパケットのために周波数資源を用いることができるという利点がある。
【0058】
(ステップSA−3及びステップSA−4)
以降、同様にして、下流側のアクセスポイント2が、サーバ3に向けて、パケットを中継する。なお、端末1に最も近いアクセスポイント2からサーバ3へ、1ホップで中継できる場合は、これらのステップSA−3及びSA−4は実行する必要がない。
【0059】
(ステップSA−5及びステップSA−6)
ついで、サーバ3は、端末1から送られたパケットを受信する。さらに、サーバ3は、端末1からのパケットを、既定の周期で受信したかどうかを判断する。
【0060】
ここで、端末1からのパケットを既定の周期で受信したか判断するための具体的な手法の一例をさらに説明する。
【0061】
まず、端末1からのパケットが最初のものであった場合、サーバ3は、パケット到着時間に基づいて、次にパケットが到着すべき周期を、端末1のIDに対応させて、記憶部34に記憶する。この記憶は、パケットが到着した各端末1について行う。
【0062】
その後、サーバ3は、記憶された周期に当該IDを持つ端末1からのパケットが到着するかどうかを、タイマ33を用いて監視する。既定の周期にパケットが到着しない場合、ステップSA−7に進む。
【0063】
既定の周期にサーバ3にパケットが到着している場合は、ステップSA−2に戻り、次のパケットを待つ。
【0064】
また、サーバ3は、端末1からのパケットを直接に受信したアクセスポイント2の位置から、端末1の位置を割り出す。複数のアクセスポイント2が同時に同じ端末1からのパケットを受信したときは、端末1からの受信電界強度が強いアクセスポイント2の位置を端末1の位置とすることができる。あるいは、受信電界強度に基づいてアクセスポイント2の座標を重みづけし、計算により端末1の位置を求めることもできる。
【0065】
(ステップSA−7)
ステップSA−6において、既定の周期に端末1からのパケットが届かないと判断された場合、サーバ3の再送要求部35は、送信部32を用いて、端末1に対して、再送要求のためのパケットを送信する。
【0066】
(ステップSA−8及びステップSA−9)
サーバ3から送られた再送要求パケットは、アクセスポイント2を経由して、端末1に近いアクセスポイント2に到達する。端末1に近いアクセスポイント2は、再送要求パケットを端末1に送る。
【0067】
(ステップSA−10)
再送要求パケットを受け取った端末1は、サーバ3へのパケットを再送する。
【0068】
本実施形態では、このような再送要求の動作により、端末1とサーバ3との間の通信を確実に行うことができるという利点がある。
【0069】
また、本実施形態では、端末1と、複数のアクセスポイント2のいずれかとを、無線を用いて通信する構成となっている。このため、この実施形態では、端末の移動を比較的に自由に行うことができるという利点がある。
【0070】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る無線ネットワークシステムを、図7を主に参照しながら説明する。なお、この第2実施形態の説明においては、前記した第1実施形態での構成要素と基本的に共通する要素については、同一符号を付することにより、説明を簡易化する。
【0071】
この第2実施形態では、複数のアクセスポイント2は、端末1から受信したパケットを、一定期間蓄積した後、下流側のアクセスポイント2又はサーバ3に送信する構成となっている。なお、端末1の数は、一つに限らない。むしろ通常は複数の端末1を用いると考えられる。以下、図7に基づいて、さらに詳しく説明する。
【0072】
(ステップSB−1)
まず、端末1は、既定の周期で、サーバ3に向けてパケットを送信する。
【0073】
(ステップSB−2)
端末1の最寄りのアクセスポイント2は、端末1からサーバ3へのパケットを受信する。さらに、このアクセスポイント2は、受信したパケットを、そのメモリに蓄積する。
【0074】
(ステップSB−3)
さらに、パケットを受け取ったアクセスポイント2は、タイマ23により、既定の時間が経過したかどうかを判断する。そして、既定の時間が経過しない間は、次のアクセスポイント2にパケットを転送せず、自らのメモリに蓄積しておく。本実施形態のアクセスポイント2では、パケットを蓄積しておく周期(T)を、予め記憶部24に記憶しておく。この周期T2と、端末1がパケットを送信する周期(T)との関係は、T>Tであることが好ましい。
【0075】
(ステップSB−4)
既定の時間が経過すると、アクセスポイント2は、それまでに受け取ったパケットをまとめて、次のアクセスポイント2にパケットを転送する。もちろん、当該アクセスポイント2の次のノードがサーバ3であれば、サーバ3にパケットを転送する。
【0076】
前記した第1実施形態のアクセスポイント2は、端末1から受信したパケットを、直ちに、下流側のノードに転送していた。これに対して、第2実施形態では、端末1から受信したパケットを、一定期間蓄積した後、下流側のノードにパケットを転送する。第2実施形態のシステムによれば、パケットを、一定の周期でまとめて転送するので、通信量を一層削減することができるという利点がある。
【0077】
また、パケットには、データとして、送信情報だけでなく、プリアンブルや同期ワードも一般に含まれる。複数のパケットをまとめて送信する場合は、冗長な部分を省略することができ、通信に必要な合計の時間を短くすることが可能である。
【0078】
さらに、パケット数を減らすことにより、パケットが衝突する可能性が低くなり、通信路の容量が全体として増加するという利点もある。
【0079】
(ステップSB−5〜ステップSB−7)
下流側のアクセスポイント2においても、ステップSB−3及びステップSB−4で説明した手順と同様にして、パケットを一定期間蓄積した後、次のアクセスポイント2に送る。このようにして、順次、下流側のアクセスポイント2にパケットを転送することができる。
【0080】
(ステップSB−8)
以上のステップにより、最終的に、パケットをサーバ3に届けることができる。サーバ3においても、第1実施形態と同様に、既定の周期で端末1からのパケットを受け取らない場合は、再送要求を当該端末1に送る。なお、この第2実施形態においては、各アクセスポイント2でパケットを蓄積するので、端末1からサーバ3にパケットが到着する時間は、第1実施形態の場合よりも長くなる傾向がある。そこで、この点を考慮して、端末1からサーバ3にパケットが到着すべき周期(サーバ3における既定の周期)を設定することが望ましい。具体的には、例えば、端末1からサーバ3へのパケットが到着したときに、そのパケットのホップ数と、各アクセスポイント2での蓄積時間とから、次のパケットが到着すべき時間を設定することができる。一般には、サーバがパケットを受信すべき周期Tと、アクセスポイント2がパケットを転送する周期Tと、端末1がパケットを送信する周期Tとの関係は、T>T>Tであることが好ましい。
【0081】
第2実施形態のシステムにおける他の構成及び利点は、第1実施形態と同様なので、これ以上詳細な説明は省略する。
【0082】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る無線ネットワークシステムを、図8を主に参照しながら説明する。なお、この第3実施形態の説明においては、前記した第1実施形態での構成要素と基本的に共通する要素については、同一符号を付することにより、説明を簡易化する。
【0083】
この第3実施形態では、複数のアクセスポイント2のうち、サーバ3に対してより近いアクセスポイント2は、他のアクセスポイントよりも、通信の優先度が高くされている。
【0084】
図8には、優先度の具体例を示している。この図では、各アクセスポイント2の内部に、優先度を、数字で記載している。数字が小さいほど、高い優先度を表している。
【0085】
ノード間の通信量は、サーバ3に近付くにつれて増加すると考えられる。そこで、通信の優先度を、サーバ3に近いほど高くなるように設定することにより、周波数帯域を有効に利用することができるという利点がある。
【0086】
また、通信が集中するリンクにおいてパケットが届かないと、通信システム全体の信頼性を大きく損なうことになる。そこで、このようなリンクにおける通信の信頼性を高めることにより、システム全体としての信頼性を高めることができるという利点もある。
【0087】
第3実施形態のシステムにおける他の構成及び利点は、第1実施形態と同様なので、これ以上詳細な説明は省略する。
【0088】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る無線ネットワークシステムを、図9を主に参照しながら説明する。なお、この第4実施形態の説明においては、前記した第1実施形態での構成要素と基本的に共通する要素については、同一符号を付することにより、説明を簡易化する。
【0089】
本実施形態における複数のアクセスポイント2は、異なるフロアに分散して配置されている。異なるフロアとは、例えば、建物における上階と下階の如きものである。図9においては、フロアの境界7a及び7bを模式的に一点鎖線で表している。本実施形態におけるフロアの数は、図示の例には制約されず、複数であればよい。
【0090】
本実施形態における複数のアクセスポイントのうち、同一のフロアに配置されたアクセスポイント2どうしは、第1実施形態と同様に、無線を用いて通信する構成となっている。
【0091】
しかしながら、本実施形態では、複数のアクセスポイント2のうち、異なるフロアに配置されたアクセスポイント2どうしは、ケーブル81及び82(図9参照)を用いて通信する構成となっている。つまり、異なるフロア間では、アクセスポイント2どうしは、有線により通信を行う構成となっている。有線での通信方法としては、例えばイーサネット(登録商標)であるが、これには限定されない。
【0092】
フロア間での通信量は、同一フロア内のアクセスポイント間での通信量よりも、大きくなり易いと考えられる。フロア間の通信が無線であると、フロア間の通信が他のアクセスポイント間での通信と干渉する可能性が高い。そこで、フロア間での通信を、有線(ケーブル)を介して行うことにより、通信量の拡大に対して容易に対応しうるという利点がある。
【0093】
また、フロア間の通信量が多いために、ここでの通信が干渉を受けると、通信の安定性に大きな影響がある。本実施形態では、フロア間の通信を有線とすることにより、フロア間の通信が、他のノード間での通信による干渉を受けなくなる。このため、本実施形態によれば、通信の安定性を向上させることができるという利点がある。
【0094】
第4実施形態のシステムにおける他の構成及び利点は、第1実施形態と同様なので、これ以上詳細な説明は省略する。
【0095】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係る無線ネットワークシステムを、図10を主に参照しながら説明する。なお、この第5実施形態の説明においては、前記した第1実施形態での構成要素と基本的に共通する要素については、同一符号を付することにより、説明を簡易化する。
【0096】
この第5実施形態では、端末1が直接に通信しているアクセスポイント2が同じである場合は、アクセスポイント2は、サーバ3に送信するパケットの送信周期を、より長く設定する構成となっている。さらに、サーバ3に送信するパケットの送信周期をより長く設定したアクセスポイント2は、サーバに対して、新たな送信周期を示す情報を送信する構成となっている。サーバ3は、新たな送信周期に、端末1からのパケットを受信しない場合に、端末1に対して、再送要求を送信する構成となっている。以下、図10に基づいて、さらに詳しく説明する。
【0097】
(ステップSC−1)
まず、端末1は、既定の周期で、サーバ3に向けてパケットを送信する。
【0098】
(ステップSC−2)
端末1の最寄りのアクセスポイント2は、端末1からサーバ3へのパケットを受信する。さらに、このアクセスポイント2は、受信したパケットを、そのメモリに蓄積する。また、アクセスポイント2は、当該端末のIDを記録する。アクセスポイント2は、サーバ3へのパケットの送信周期を、記憶部24に記憶する。この実施形態では、受信したパケットを直ちに転送せず、一定の周期ごとにまとめて転送する。これにより、パケットの量を減らすことができる。
【0099】
(ステップSC−3)
さらに、端末1からパケットを受け取ったアクセスポイント2は、既定の期間(送信周期)内に、同一の端末IDを受信したかどうかを判断する。つまり、端末1から受け取るパケットに記録された端末IDが、記録されたIDと同じかどうかを判断する。そして、既定の期間内に同一の端末IDを受け取った場合は、ステップSC−4に進む。
【0100】
同一の端末IDを受け取っていない場合は、ステップSC−5に進む。
【0101】
(ステップSC−4)
既定の送信周期内に同一の端末IDを受け取った場合、アクセスポイント2は、当該端末に関するサーバ3への中継周期を長くする。具体的には、この実施形態では、以前の送信周期の整数倍(ここで整数とは2以上を意味する)を、新たな送信周期とする。このような送信は、例えば、パケットの中継を間欠的に行うことで容易に実現できる。新たな送信周期は、アクセスポイント2の記憶部24に記憶すると共に、サーバ3に送信する。
【0102】
(ステップSC−5)
ステップSC−3での判断の結果、既定の送信周期内、あるいは、再設定された送信周期内に、同一の端末IDを受け取らなかった場合は、アクセスポイント2は、それまでに受け取ったパケットをまとめて、次のアクセスポイント2にパケットを転送する。もちろん、当該アクセスポイント2の次のノードがサーバ3であれば、サーバ3にパケットを転送する。
【0103】
前記した第1実施形態のアクセスポイント2は、端末1から受信したパケットを、直ちに、下流側のノードに転送していた。これに対して、第5実施形態では、端末1から受信したパケットを、新しい端末IDを受け取った場合、及び、既定時間が経過した場合に、下流側のノードにまとめて転送する。第5実施形態のシステムによれば、パケットを、まとめて転送するので、通信量を一層削減することができるという利点がある。
【0104】
また、パケットには、データとして、送信情報だけでなく、プリアンブルや同期ワードも一般に含まれる。複数のパケットをまとめて送信する場合は、冗長な部分を省略することができ、通信に必要な合計の時間を短くすることが可能である。
【0105】
さらに、パケット数を減らすことにより、パケットが衝突する可能性が低くなり、通信路の容量が全体として増加するという利点もある。
【0106】
(ステップSC−6)
下流側のアクセスポイント2においては、第1実施形態と同様に、次のアクセスポイント2にパケットを順次送る。このようにして、下流側のアクセスポイント2にパケットを転送することができる。
【0107】
(ステップSC−7)
以上のステップにより、最終的に、パケットをサーバ3に届けることができる。サーバ3においても、第1実施形態と同様に、既定の周期で端末1からのパケットを受け取らない場合は、再送要求を当該端末1に送る。
【0108】
この第5実施形態のアクセスポイント2は、再設定された送信周期をサーバ3に送るので、サーバ3は、パケットを受け取るべき周期あるいは時間を知ることができる。したがって、この実施形態では、例えば、端末1が故障していることを知ることが可能になる。
【0109】
アクセスポイント2と直接に通信している端末1のIDが変わらないということは、端末1の移動量が少ないか、移動していないことを意味する。このような場合には、例えば端末1の測位のためには、端末1からのパケットを受け取る必要性が一般的に低い。そこで、このような場合に、パケットの送信周期を延ばすことにより、通信量を減少させることができる。
【0110】
さらに、アクセスポイント2は、端末1からのパケットを一定期間受け取らない場合に、当該端末1からのパケットを削除することができる。このようにすれば、アクセスポイント2でのメモリ資源を有効に活用することができる。
【0111】
さらに、前記した第5実施形態において、新たな送信周期を、元の送信周期の整数倍としている。ここで、アクセスポイント2は、新たな送信周期を示す情報として、当該整数値をサーバ3に送信することができる。このようにすれば、ノード間の通信量をさらに減少させることが可能である。
【0112】
なお、前記した第5実施形態では、アクセスポイント2に新たな端末1が接続した場合に、それまで受け取ったパケットをまとめて転送している。このため、当該アクセスポイント2に元々接続していた端末1が移動しなくても、その端末についてのパケットの転送が、まとめて行われる。この場合でも、パケットをまとめて転送することにより、周波数資源の有効利用が図れる。ただし、移動しない端末1のパケットは中継しないという設定とすることも可能である。
【0113】
第5実施形態のシステムにおける他の構成及び利点は、第1実施形態と同様なので、これ以上詳細な説明は省略する。
【0114】
本実施形態に記載の通信方法におけるステップは、適宜のコンピュータプログラムを実装したコンピュータにより行うことができる。
【0115】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることはもちろんである。
【0116】
また、前記した各構成要素は、機能ブロックとして存在していればよく、独立したハードウエアとして存在しなくても良い。また、実装方法としては、ハードウエアを用いてもコンピュータソフトウエアを用いても良い。さらに、本発明における一つの機能要素が複数の機能要素の集合によって実現されても良く、本発明における複数の機能要素が一つの機能要素により実現されても良い。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の第1実施形態に係る無線ネットワークシステムの構成を説明するための説明図である。
【図2】ノードの一般的な内部構造を説明するためのブロック図である。
【図3】端末の内部構造を説明するための機能ブロック図である。
【図4】アクセスポイントの内部構造を説明するための機能ブロック図である。
【図5】サーバの内部構造を説明するための機能ブロック図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る無線ネットワークシステムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態に係る無線ネットワークシステムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の第3実施形態に係る無線ネットワークシステムの構成を説明するための説明図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る無線ネットワークシステムの構成を説明するための説明図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係る無線ネットワークシステムの動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0118】
1 端末
11 受信部
12 送信部
13 タイマ
14 記憶部
2 アクセスポイント
21 受信部
22 送信部
23 タイマ
24 記憶部
3 サーバ
31 受信部
32 送信部
33 タイマ
34 記憶部
35 再送要求部
61 RF部
62 CPU
63 メモリ
64 インタフェース部
65 アンテナ
7a・7b フロア間の境界
81・82 ケーブル(有線)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末と、複数のアクセスポイントと、サーバとを備えており、
前記端末と前記サーバとは、前記複数のアクセスポイントを介して通信する構成となっており、
前記端末は、前記サーバに向けて、定期的にパケットを送信する構成となっており、
前記複数のアクセスポイントどうしの間は、無線を用いて通信する構成となっており、
かつ、前記複数のアクセスポイントは、前記端末と前記サーバとの間の通信を、マルチホップを用いて中継する構成となっており、
さらに、前記複数のアクセスポイントは、前記端末から送られたパケットを中継する場合に、送信元に対する受信確認を送らない構成となっており、
前記サーバは、前記端末から送られるパケットを、既定の周期で受信しない場合に、前記端末に向けて、再送要求を送信する構成となっている
ことを特徴とする無線ネットワークシステム。
【請求項2】
前記端末と、前記複数のアクセスポイントとは、無線を用いて通信する構成となっている
ことを特徴とする無線ネットワークシステム。
【請求項3】
前記複数のアクセスポイントは、前記端末から受信したパケットを一定期間蓄積した後、下流側の前記アクセスポイント又は前記サーバに送信する構成となっている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の無線ネットワークシステム。
【請求項4】
前記複数のアクセスポイントのうち、前記サーバに対してより近い前記アクセスポイントは、他の前記アクセスポイントよりも、通信の優先度が高くされている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線ネットワークシステム。
【請求項5】
前記複数のアクセスポイントは、異なるフロアに分散して配置されており、
かつ、前記複数のアクセスポイントのうち、同一のフロアに配置されたアクセスポイントどうしは、前記無線を用いて通信する構成となっており、
前記複数のアクセスポイントのうち、異なるフロアに配置されたアクセスポイントどうしは、有線を用いて通信する構成となっている
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の無線ネットワークシステム。
【請求項6】
前記複数のアクセスポイントは、前記端末が直接に通信しているアクセスポイントが同じである場合は、前記サーバに送信するパケットの送信周期を、より長く設定する構成となっており、
さらに、前記サーバに送信するパケットの送信周期をより長く設定した前記アクセスポイントは、前記サーバに対して、新たな送信周期を示す情報を送信する構成となっており、
前記サーバは、前記新たな送信周期に、前記端末からのパケットを受信しない場合に、前記端末に対して、前記再送要求を送信する構成となっている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の無線ネットワークシステム。
【請求項7】
前記新たな送信周期は、元の送信周期の整数倍であり、
前記アクセスポイントは、前記新たな送信周期を示す情報として、前記整数を送信する構成となっている
ことを特徴とする請求項6に記載の無線ネットワークシステム。
【請求項8】
前記サーバは、前記アクセスポイントを介して前記端末から受信した前記パケットに基づいて、前記端末の測位を行う構成となっている
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の無線ネットワークシステム。
【請求項9】
端末と、複数のアクセスポイントと、サーバとを用いた、無線通信方法であって、
前記端末と前記サーバとは、前記複数のアクセスポイントを介して通信する構成となっており、
前記複数のアクセスポイントどうしの間は、無線を用いて通信する構成となっており、
かつ、前記複数のアクセスポイントは、前記端末と前記サーバとの間の通信を、マルチホップを用いて中継する構成となっており、
前記複数のアクセスポイントが、前記端末から送られたパケットを中継する場合には、送信元に対する受信確認を送らない構成となっており、
さらに、この方法は、以下のステップを含む:
(1)前記サーバは、前記端末から送られるパケットを、既定の周期で受信したか否かを判断するステップ;
(2)前記端末から送られるパケットを、既定の周期で受信していない場合に、前記サーバが、前記端末に向けて、再送要求を送信するステップ。
【請求項10】
請求項9に記載の各ステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項11】
マルチホップを用いる無線ネットワークシステムにおけるアクセスポイントであって、
前記アクセスポイントは、端末とサーバとの間で伝送されるパケットを中継する構成となっており、
さらに、前記アクセスポイントは、前記端末から送られた前記パケットを中継する場合に、送信元に対する受信確認を送らない構成とされている
ことを特徴とする無線ネットワークシステム用のアクセスポイント。
【請求項12】
マルチホップを用いる無線ネットワークシステムにおけるアクセスポイントであって、
前記アクセスポイントは、端末とサーバとの間で伝送されるパケットを中継する構成となっており、
前記アクセスポイントは、前記端末から受信したパケットを、一定期間蓄積した後、下流側の他のアクセスポイント又は前記サーバに送信する構成となっている
ことを特徴とする無線ネットワークシステム用のアクセスポイント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−212954(P2009−212954A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−55223(P2008−55223)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(803000045)株式会社キャンパスクリエイト (41)
【Fターム(参考)】