説明

照明制御システム

【課題】直流電源から駆動電流を得る全ランプの照明状態をワンツースイッチ操作によって一括で変え、直流電源が一括スイッチでオフされた時に全ランプを同時に消灯させる照明制御システムを提供する。
【解決手段】照明制御システム100は、駆動電流を供給するDC100Vの直流電源50と、ランプLと接続されており、直流電源50から供給される駆動電流をランプLに中継する複数の照明制御装置k(k=1、2、・・・、n)と、複数の照明制御装置kのそれぞれと直流電源50とを結ぶ電路のオンオフを切り替える一括スイッチSW1とを備える。また、各照明制御装置kは、ランプLに供給される駆動電流をオンオフするFETQ1と、CPU10とを備える。そして、CPU10は、ワンツースイッチ操作による停電時間tに応じてFETQ1をオン状態またはオフ状態にする。これにより、全ランプLの照明状態を一括で変える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一括スイッチの操作によって複数のランプを一括で点灯させたり消灯させたりする照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、一つの照明装置が設置された部屋の壁にスイッチを設け、商用の交流電源から一つの照明装置に供給される駆動電流を該スイッチでオンオフする照明制御システムが広く一般に普及している。
この照明制御システムにおいてユーザは、スイッチを操作して、一つの照明装置を点灯又は消灯させたり負荷状態のモードを変化させたりしていた。
なお、特許文献1において、交流の商用電源と照明装置の間に設けられた専用の電源スイッチに対するワンツースイッチ操作によって負荷状態のモードを変化させる照明制御システムが示されている。
【特許文献1】特開平9−223584
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の照明制御システムでは、複数台の照明装置を一括スイッチで一斉に点灯又は消灯させることは想定されておらず、仮に複数台の照明装置における負荷状態のモードを一括スイッチに対するワンツースイッチ操作で変化させたとしても、次のような問題が生じる。即ち、各照明装置間において一括スイッチのオフ時間の計測にバラツキが生じ、全照明装置の内の数台がモード変化しても残りの照明装置はモード変化しないことがある。
【0004】
この発明の目的は、直流電源から駆動電流を得る全ランプの照明状態をワンツースイッチ操作によって一括で変える照明制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の照明制御システムは、前記課題を解決するために以下の構成を備えている。
【0006】
(1)直流電源と、
ランプに接続されている照明制御装置であって、前記直流電源から前記ランプに供給される駆動電流を制御する複数の照明制御装置と、
前記複数の照明制御装置のそれぞれと前記直流電源とを結ぶ電路のオンオフを切り替える一括スイッチと、を備えた照明制御システムであって、
前記複数の照明制御装置のそれぞれは、
前記ランプに供給される駆動電流をオンオフするスイッチ素子と、
前記直流電源から前記一括スイッチを介して入力される入力電圧を監視し、該入力電圧に基づいて前記一括スイッチによる前記直流電源のオフ時間を計測する制御回路と、
前記スイッチ素子のオンオフの切り替えを受け付ける専用スイッチと、を有し、
前記制御回路は、前記専用スイッチによってオン状態またはオフ状態にある前記スイッチ素子を、前記一括スイッチによる前記直流電源のオフ時間に応じてオン状態またはオフ状態にすることを特徴とする。
【0007】
この構成では、ユーザが一括スイッチに対してワンツースイッチ操作を行う場面を想定している。ワンツースイッチ操作とは、直流電源を一括スイッチでオフし、指定時間内に直流電源を一括スイッチで再びオンする操作である。また、スイッチ素子は、例えばトランジスタで構成される。ランプは、例えばLED、DC―DCコンバータ内蔵の蛍光灯、又は電球で構成される。
【0008】
この構成において、ユーザが直流電源を一括スイッチでオフすると、入力電圧が低下する。この時、複数の照明制御装置のそれぞれが有する制御回路は、直流電源のオフ時間の計測を開始する。そして、ユーザが直流電源を一括スイッチで再びオンすると、入力電圧が元に戻る。この時までにかかった直流電源のオフ時間に応じて、複数の照明制御装置のそれぞれが有する制御回路は、スイッチ素子をオン状態またはオフ状態にする。このオフ時間の計測にはCPU等で構成される制御回路を用いて、各照明制御装置間の検知バラツキを抑えている。そのため、複数の照明制御装置のそれぞれに接続されているランプが、一斉に点灯または消灯する。
【0009】
以上より、直流電源から駆動電流を得る全ランプの照明状態をワンツースイッチ操作によって一括で変えることができる。
また、ユーザは専用スイッチを操作することで自分の席のランプの照明状態を所望の状態に変更することができる。さらに、各ランプの照明状態がそれぞれで異なっていても、全ランプの照明状態をワンツースイッチ操作によって一括で同じ照明状態に変えることができる。
【0010】
(2)前記制御回路は、
前記直流電源のオフ時間が第一時間から第二時間以内である場合、前記スイッチ素子をオン状態にし、
前記直流電源のオフ時間が前記第二時間より長い場合、前記スイッチ素子をオフ状態にし、前記一括スイッチが再度オンされても前記スイッチ素子をオフ状態に維持することを特徴とする。
【0011】
この構成では、直流電源のオフ時間に応じたスイッチ素子の状態を明示している。
この構成において、直流電源のオフ時間が第一時間から第二時間以内である場合、スイッチ素子はオン状態、即ち全ランプは点灯状態となる。
一方、直流電源のオフ時間が第二時間より長い場合、スイッチ素子はオフ状態、即ち全ランプは消灯状態となる。
【0012】
(3)前記制御回路は、
前記直流電源のオフ時間が第一時間から第二時間以内となる前記一括スイッチの操作を行った回数をカウントし、
その回数が一定時間以内に所定回数以上になったとき、前記スイッチ素子をオン状態にしてから、前記専用スイッチによる前記スイッチ素子のオンオフの切り替えを禁止することを特徴とする。
【0013】
この構成では、ワンツースイッチ操作が所定回数連続で行われる場面を想定している。所定回数は、例えば2回である。
この構成において、専用スイッチによるスイッチ素子のオンオフの切り替えが制御回路によって禁止されると、専用スイッチのいずれかが操作されても、各ランプの照明状態は変わらなくなる。
これにより、例えば、電車や飛行機やオフィスなどにおいて非常事態が発生した場面において、複数の専用スイッチのいずれかが不用意に操作されても、ランプが消灯しなくなる。これにより、非常時に全ランプを点灯状態に維持できるため、人を出口に安全に誘導することができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれは、直流電源から駆動電流を得る全ランプの照明状態をワンツースイッチ操作によって一括且つ同時に変えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態である照明制御システムについて説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態である照明制御システムのシステム構成図である。照明制御システム100は、駆動電流を供給するDC100Vの直流電源50と、ランプL(k=1、2、・・・、n)の照明状態を制御する複数の照明制御装置k(k=1、2、・・・、n)と、複数の照明制御装置kのそれぞれと直流電源50とを結ぶ電路のオンオフを切り替える一括スイッチSW1と、を備える。照明制御システム100においてランプLは、例えば、電車の各車両にある各座席、オフィス内の各机の上、飛行機の各座席などに照明用として設置される。ランプLは、例えばDC―DCコンバータ内蔵の蛍光灯、又はLEDアレイで構成される。また、一括スイッチSW1は、例えば、電車であれば先頭車両の壁、オフィスであればランプLが設置された部屋の壁、飛行機であれば搭乗口周辺の壁、に取り付けられる。この照明制御システム100により、このシステムの管理者(清掃員など)は、一括スイッチSW1を操作して、全ランプL(k=1〜n)を一括で点灯させたり消灯させたりする。また、管理者は、直流電源50から駆動電流を得る複数のランプLの照明状態を一括スイッチSW1のワンツースイッチ操作によって一括で変える。
【0017】
複数の照明制御装置kのそれぞれは、ランプLと接続されており、直流電源50から供給される駆動電流をランプLに中継する。また、複数の照明制御装置kのそれぞれには、ランプLの点灯状態と消灯状態との切り替えを受け付ける専用スイッチSWk+1(k=1、2、・・・、n)が設けられている。
【0018】
ここで、図1に示す各照明制御装置kは同じ構成であるため、全照明制御装置kを代表して照明制御装置1(即ちk=1の場合)について説明する。図2は、本発明の実施形態である照明制御装置の主要な構成を示す回路図である。
【0019】
照明制御装置1は、図2に示すように、直流電源50から一括スイッチSW1を介して入力される100Vの入力電圧を降圧して18Vの電源電圧を生成するDC−DCコンバータ回路11と、生成された18Vの電源電圧を降圧して5Vの電源電圧を生成するシリーズレギュレータIC12と、生成された5Vの電源電圧で駆動するCPU10と、ランプLに供給される駆動電流をオンオフするFET(電界効果トランジスタ)Q1と、ランプLの点灯状態と消灯状態との切り替えを受け付ける専用スイッチSW2と、を備える。
さらに、照明制御装置1は、一括スイッチSW1のオン時の突入電流を抑えるため、突入防止抵抗R1を備える。これにより、複数の照明制御装置k(k=1〜n)を一括スイッチSW1を介して直流電源50に接続したときにかかる一括スイッチSW1への電気的ストレスを軽減している。また、抵抗R1の前段には高調波抑圧のためのLCRフィルタ、抵抗R1の後段には逆流防止用ダイオード、又一括スイッチSW1がオフされてから所定時間、CPU10の電源電圧を保持するための大容量のアルミ電解コンデンサC2、が設けられている。
なお、Q1をFETで構成している理由は電力損失を最小限に抑えるためであり、実施の際はその他の素子で構成しても構わない。
【0020】
CPU10は、照明制御装置1本体各部の動作を制御する制御回路であり、後述の停電時間tを計測する第一タイマー回路(不図示)を内蔵する。
【0021】
DC−DCコンバータ回路11は、照明制御装置1に入力される入力電圧により100Vとなるアルミ電解コンデンサC1の両端電圧を18Vの電源電圧に降圧して出力する。その電源電圧は、アルミ電解コンデンサC2にて18Vに安定化する。
【0022】
シリーズレギュレータIC12は、アルミ電解コンデンサC2の両端電圧を5Vの電源電圧に降圧して出力する。この電源電圧は、アルミ電解コンデンサC3にて5Vに安定化する。そして、この5Vの電源電圧は、CPU10に入力される。
【0023】
また、照明制御装置1に入力される入力電圧は、抵抗R2と抵抗R3で抵抗分圧され、その抵抗分圧がCPU10のアナログポートA1に入力される。これにより、CPU10は、照明制御装置1に入力される入力電圧を監視する。
【0024】
なお、抵抗分圧値と入力電圧値との対応関係は予め調節しておく。この実施形態では、入力電圧値50V以下が抵抗分圧値1.19V以下に対応し、入力電圧値60V以上が抵抗分圧値1.43V以上に対応する。
【0025】
CPU10は、ディジタルポートD1からFETQ1のゲートに電圧を印加してFETQ1をオン状態にしたり、その電圧の印加を停止してFETQ1をオフ状態にしたりする。詳述すると、FETQ1は、CPU10がディジタルポートD1からトランジスタQ3をオンしてトランジスタQ2をオンすることで、オン状態となる。
【0026】
専用スイッチSW2は、FETQ1のオンオフの切り替えを受け付けるスイッチである。CPU10は、専用スイッチSW2が押下されると、ディジタルポートD2の立下りを検出し、チャタリング防止処理を行う。その後、CPU10は、専用スイッチSW2がLowになったことを認識し、FETQ1のスイッチ状態を反転させる。ここで、各専用スイッチSWk+1(k=1、2、・・・、n)は、例えば、電車の各車両にある各座席、オフィス内の各机、飛行機の各座席に、設置される。そして、電車の各車両にある各座席に座る乗客、オフィス内の各机に座る社員、又は飛行機の各座席に座る乗客が、自分の席の専用スイッチSWk+1(k=1、2、・・・、n)を操作する。そのため、各ランプLの照明状態は、同じ添字kの専用スイッチSWk+1が操作されることによって変わる。
【0027】
図3は、本発明の実施形態である照明制御装置のCPUが行う動作を示すフローチャートである。この動作では、管理者が一括スイッチSW1に対してワンツースイッチ操作を行う場面を想定している。ワンツースイッチ操作とは、一括スイッチSW1をオフし、指定時間内に一括スイッチSW1を再びオンする操作である。また、0.2秒が本願発明の「第一時間」に相当し、1.0秒が本願発明の「第二時間」に相当する。
【0028】
一括スイッチSW1がオンされると、CPU10は、アナログポートA1に入力される抵抗分圧の値から、入力電圧がDC50V以下であるかどうか判定する(S1)。入力電圧がDC50Vより高い場合、CPU10は、通電状態にあると認識し(S11)、FETQ1のオン又はオフ状態を維持する(S12)。これにより、ランプLの照明状態は変化しない。そして、専用スイッチSW2が切り替わったと判定すると(S13)、CPU10は、FETQ1のスイッチ状態を反転し(即ちオン状態からオフ状態へ、又はオフ状態からオン状態へ)、ランプLの照明状態を変える(S14)。一方、専用スイッチSW2が切り替わっていないと判定すると(S13)、CPU10は、FETQ1のスイッチ状態を維持する(S15)。そして、S14又はS15の後、CPU10はS1に戻る。このようにして、各ランプLの照明状態は、同じ添字kの専用スイッチSWk+1が操作されることによって変わる。
【0029】
ここで、一括スイッチSW1の操作タイミングによる各ランプの照明状態の変化について図4を用いて説明する。図4は、一括スイッチSW1の操作タイミングによる3つのランプL、L、Lの照明状態の変化の一例を示す図である。
【0030】
まず、一括スイッチSW1がオフされる直前における各ランプL、L、Lの照明状態が図4(A)に示す状態であったとする。この状態でユーザが一括スイッチSW1をオフすると、入力電圧はDC50V以下となってアナログポートA1に入力される抵抗分圧値が1.19V以下になる。
【0031】
これにより、CPU10は、S1の判定肯定の停電状態になったと認識し(S2)、第一タイマー回路において停電時間tの計測を開始する(S3)。そして、管理者が直流電源50を一括スイッチSW1で再びオンすると、入力電圧はDC60V以上に上がり、通電状態となる。CPU10は、この停電時間tに応じて、図4(B1)(C1)(C2)に示すように、FETQ1をオン状態またはオフ状態にする。
なお、一括スイッチSW1がオフされても電解コンデンサC1、C2、C3には電荷が残るため、CPU10は一括スイッチSW1のオフ後もしばらくの間駆動できる。この駆動を達成するため、この実施形態では大容量の電解コンデンサC2(2200μF)を設けている。
【0032】
CPU10は、0.2秒以内にDC60V以上になったかどうか判定する(S4)。0.2秒以内にDC60V以上になったと判定すると、CPU10は、ランプLの照明状態を変化させず、即ちFETQ1のオン又はオフ状態を維持し(S5)、S13に進む。これにより、各ランプL、L、Lの照明状態は図4(B1)に示す状態となる。
【0033】
一方、0.2秒以内にDC60V以上にならなかったと判定すると、CPU10は、FETQ1をオフ状態にして(S6)、ランプLを消灯状態にする。ここで、各ランプL、L、Lの照明状態は図4(B2)に示す全消灯状態となる。0.2秒経過後から消灯状態にさせている理由は、FETQ1をオン状態にするドライブ回路の消費電流を抑えて、一括スイッチSW1のオフ期間におけるCPU10の電源電圧を確保するためである。
【0034】
そして、0.2秒が過ぎると、CPU10は、1秒以内にDC60V以上になったかどうか判定する(S7)。1秒以内にDC60V以上になったと判定すると、CPU10は、FETQ1をオン状態にして(S8)、ランプLを点灯状態にする。ここで、各ランプL、L、Lの照明状態は図4(B2)に示す状態から図4(C1)に示す全点灯状態となる。また、S8の後、CPU10はS13に進む。
【0035】
一方、1秒以内にDC60V以上にならなかったと判定すると、CPU10は、FETQ1のオフ状態を維持する(S9)。
【0036】
そして、1秒経過後、CPU10は、入力電圧がDC60V以上であるかどうか判定する(S10)。図4(B2)に示す全消灯状態で一括スイッチSW1が1秒経過後にオンされると、入力電圧はDC60V以上となってアナログポートA1に入力される抵抗分圧値が1.43V以上になる。
【0037】
これにより、CPU10は、S10の判定肯定の通電状態になったと認識する(S11)。そして、CPU10は、FETQ1のオン又はオフ状態を維持し(S12)、ランプLの照明状態を変化させない。そのため、各ランプL、L、Lの照明状態は、図4(B2)に示す全消灯状態から変わらず、図4(C2)に示す全消灯状態のままである。この後、CPU10は、上述したS11からS15の動作を行う。
なお、S12とS13の間でCPU10は第一タイマー回路のタイマーをリセットするが、図3では図示を省略している。
【0038】
以上より、直流電源50から駆動電流を得る全ランプL(k=1〜n)の照明状態をワンツースイッチ操作によって一括で変えることができる(図4(C1)(C2)参照)。
【0039】
また、ユーザは専用スイッチSWk+1(k=1、2、・・・、n)を操作することで自分の席のランプLの照明状態を所望の状態に変更することができる(図4(A)参照)。さらに、図4(A)に示すように各ランプLの照明状態がそれぞれで異なっていても、全ランプL(k=1〜n)の照明状態をワンツースイッチ操作によって一括で同じ照明状態に変えることができる(図4(C1)(C2)参照)。
【0040】
また、本発明の実施形態は、以下の変形例を採用することができる。
【0041】
図2に示すCPU10は、さらに、カウント数をカウントするカウンタ(不図示)と、後述の2秒を判定するために時間を計測する第二タイマー回路(不図示)とを内蔵する。
【0042】
図5は、本発明の実施形態の変形例である照明制御装置のCPUが行う動作を示すフローチャートである。この動作は、図3の動作にS101〜S106を追加した動作でありその他の処理(S1〜S15)については同じである。また、この動作では、管理者が非常時にワンツースイッチ操作を2回連続で行う場面を想定している。
【0043】
CPU10は、S3の後、第二タイマー回路において時間の計測を開始する(S101)。
【0044】
そして、S7において1秒以内にDC60V以上になったと判定すると、CPU10は、カウンタのカウント数を1増加させてから(S102)、FETQ1をオン状態にする(S8)。ここで、各ランプL、L、Lの照明状態は図4(B2)に示す状態から図4(C1)に示す全点灯状態となる。
【0045】
CPU10は、カウンタのカウント数が2秒以内に所定回数(この実施形態では2回)以上になったかどうか判定する(S103、S104)。カウント数が2秒以内に所定回数以上になっていない場合、CPU10は、第一タイマー回路のタイマーをリセットし(S105)、S1に戻る。
【0046】
そして、カウント数が2秒以内に所定回数以上になっている場合、CPU10は、専用スイッチSW2の操作を無効にし(S106)、S1に戻る。この後、CPU10は、専用スイッチSW2の操作が行われても無視し、FETQ1のオンオフの切り替えを禁止する。そのため、電車や飛行機やオフィスなどにおいて非常事態が発生した場面において、不用意に専用スイッチSWk+1のいずれかが操作されても、ランプLが消灯しなくなる。これにより、非常時に全ランプLを全点灯状態に維持できるため、人を出口に安全に誘導することができる。
なお、第二タイマー回路のタイマーが2秒を過ぎている場合、CPU10は、第一、第二タイマー回路のタイマーとカウンタをリセットし、S13に進む。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態である照明制御システムのシステム構成図
【図2】本発明の実施形態である照明制御装置の主要な構成を示す回路図
【図3】本発明の実施形態である照明制御装置のCPUが行う動作を示すフローチャート
【図4】一括スイッチの操作タイミングによる各ランプの照明状態の変化の一例を示す図
【図5】本発明の実施形態の変形例である照明制御装置のCPUが行う動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0048】
1、2、3、・・・、n…照明制御装置
10…CPU
11…DC−DCコンバータ回路
12…シリーズレギュレータIC
50…直流電源
100…照明制御システム
、L、L、・・・、L…ランプ
SW1…一括スイッチ
SW2、SW3、SW4、・・・、SWn+1…専用スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源と、
ランプに接続されている照明制御装置であって、前記直流電源から前記ランプに供給される駆動電流を制御する複数の照明制御装置と、
前記複数の照明制御装置のそれぞれと前記直流電源とを結ぶ電路のオンオフを切り替える一括スイッチと、を備えた照明制御システムであって、
前記複数の照明制御装置のそれぞれは、
前記ランプに供給される駆動電流をオンオフするスイッチ素子と、
前記直流電源から前記一括スイッチを介して入力される入力電圧を監視し、該入力電圧に基づいて前記一括スイッチによる前記直流電源のオフ時間を計測する制御回路と、
前記スイッチ素子のオンオフの切り替えを受け付ける専用スイッチと、を有し、
前記制御回路は、前記専用スイッチによってオン状態またはオフ状態にある前記スイッチ素子を、前記一括スイッチによる前記直流電源のオフ時間に応じてオン状態またはオフ状態にすることを特徴とする照明制御システム。
【請求項2】
前記制御回路は、
前記直流電源のオフ時間が第一時間から第二時間以内である場合、前記スイッチ素子をオン状態にし、
前記直流電源のオフ時間が前記第二時間より長い場合、前記スイッチ素子をオフ状態にし、前記一括スイッチが再度オンされても前記スイッチ素子をオフ状態に維持することを特徴とする請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項3】
前記制御回路は、
前記直流電源のオフ時間が第一時間から第二時間以内となる前記一括スイッチの操作を行った回数をカウントし、
その回数が一定時間以内に所定回数以上になったとき、前記スイッチ素子をオン状態にしてから、前記専用スイッチによる前記スイッチ素子のオンオフの切り替えを禁止することを特徴とする請求項1又は2に記載の照明制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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