説明

照明器具の結線構造

【課題】作業性の良好な照明器具の結線構造を提供する。
【解決手段】支柱3に取り付けるためのクランプ部31を有する取付部33と、光源を収容する防水構造の光源収容部29とを一体に備え、前記取付部33の内側に、前記支柱3の内側を延出して配線される電源ケーブル51を結線するための端子台53を備え、前記支柱3の開口4内に落下防止ワイヤ92を止着するための支持軸85を備え、前記支柱3の内側を延出する電源ケーブル51を保持するホルダ94を、前記クランプ部31の開口91のうち前記支持軸85よりも前記端子台53側に寄せた位置に臨ませて配置し、前記ホルダ94で保持された電源ケーブル51を湾曲させて前記端子台53に結線した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具の結線構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、支柱の先端部に取り付けられる灯具本体を有し、灯具本体に支柱から延出する電源電線(電源ケーブル)を接続する端子台と、この端子台の近傍に電源電線(電源ケーブル)を押さえる押え金具とを備えた照明器具において、支柱の円筒状の先端部にあらかじめ径方向に沿ってワイヤ引掛用の丸棒を配置して、丸棒の両端部を先端部の内周面に溶接しておき、落下防止用ワイヤ(落下防止ワイヤ)の一端部を丸棒に引掛け、落下防止用ワイヤの他端側を灯具本体に固定ねじを用いて取り付けることにより灯具本体の不意の落下防止を図ったものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−79241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記照明器具では、支柱から延出する電源ケーブルを端子台に接続するときに、電源ケーブルが過度に屈曲しないように注意して電源ケーブルの取り回しを行う必要があり作業が煩雑であるという問題がある。また、丸棒や落下防止用ワイヤが作業の邪魔となり作業性が悪くなる虞があるという問題もある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、電源ケーブルの接続あるいは取り外しが簡単で、作業性の良好な照明器具の結線構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、支柱に取り付けるためのクランプ部を有する取付部と、光源を収容する防水構造の光源収容部とを一体に備え、前記取付部の内側に、前記支柱の内側を延出して配線される電源ケーブルを結線するための端子台を備え、前記支柱の開口内に落下防止ワイヤを止着するための支持軸を備え、前記支柱の内側を延出する電源ケーブルを保持するホルダを、前記クランプ部の開口のうち前記支持軸よりも前記端子台側に寄せた位置に臨ませて配置し、前記ホルダで保持された電源ケーブルを湾曲させて前記端子台に結線したことを特徴とする。
【0006】
本発明では、照明器具が、支柱に取り付けるためのクランプ部を有する取付部と、光源を収容する防水構造の光源収容部とに区別されているため、本照明器具を屋外で支柱に取り付けるに際し、光源収容部側を開放することなく、取付部の蓋体を開放するだけで、支柱とクランプ部との連結作業を行える。例えば、LEDなどの長寿命の光源使用時において光源収容部はいわばメンテナンスフリーである。メンテナンスフリーの場合には、従来のように、ランプ交換の必要がなく、光源収容部を一々開放する必要がないため、工場出荷時のまま、長期間に亘って光源収容部の水密性を維持できる。
また、取付部には、支柱の内側を延出して配線される電源ケーブルを結線する端子台を備えるため、本照明器具の施工時には、支柱への高所取付作業に際し、まず支柱とクランプ部との連結作業を行い、ついで電源ケーブルの結線作業を行えばよく、取付作業が簡素化される。電源ケーブルは、支柱内において、まず一端を電源に接続し、他端を支柱の内側を延出させて、取付部内に導出し、取付部内の端子台に結線すればよい。この構成では、電源ケーブルの結線作業が容易になる。
支柱の開口内に落下防止ワイヤを止着するための支持軸を備え、支柱の内側を延出する電源ケーブルを保持するホルダを、支柱の開口のうち支持軸よりも端子台側に寄せた位置に臨ませて配置したため、電源ケーブルと落下防止ワイヤの交差が無くなり、配線作業を効率良く行える。また、ホルダで保持された電源ケーブルを湾曲させて端子台に結線したため、電源ケーブルの上方への突出を防止でき、例えば、クランプ部及び端子台を覆うように防雨構造の蓋体を開閉自在に設けたとき等には、蓋体を含めた照明器具の高さを抑制できる。
【0007】
この場合において、前記クランプ部が鉛直方向に延出し、前記電源ケーブルが前記支柱の内側を上方に延出し、前記電源ケーブルを保持するホルダが前記クランプ部の上端の開口に臨み、前記ホルダで保持された電源ケーブルが下方に湾曲し、前記湾曲した電源ケーブルを保持するサブホルダが、前記ホルダと一体に配置されてもよい。
また、前記クランプ部が水平方向に延出し、前記電源ケーブルが前記支柱の内側を水平に延出し、前記電源ケーブルを保持するホルダが前記クランプ部の先端の開口に臨み、前記ホルダで保持された電源ケーブルが側方に湾曲して前記端子台に結線されていてもよい。
前記取付部には、前記クランプ部及び前記端子台を覆うように防雨構造の蓋体が開閉自在に設けられていてもよい。
前記取付部の底部に雨水等を排出する排水口を備えてもよい。
前記取付部及び前記光源収容部が隔壁で仕切られ、前記光源がLEDであり、前記LEDから延びた配線が前記隔壁を水密に貫通し、前記取付部の内側の前記端子台に結線されていてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電源ケーブルを保持するホルダを、クランプ部の開口のうち支持軸よりも端子台側に寄せた位置に臨ませて配置し、ホルダで保持された電源ケーブルを湾曲させて前記端子台に結線したので、支柱内からホルダまでの間で、電源ケーブルが屈曲される虞が無く、電源ケーブルを支持軸より端子台に近い位置で保持することができる。したがって、電源電線の接続あるいは取り外しが簡単で、作業性の良好な照明器具の結線構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係る照明器具の外観構成を示す斜視図である。
【図2】照明器具の配置例、並びに配光を示す図である。
【図3】照明器具の底面図である。
【図4】図3におけるI−I断面図である。
【図5】開蓋時の照明器具の構成を示す斜視図である。
【図6】取付部の内部構成を拡大して示す斜視図である。
【図7】カバーと蓋体との重なり部分を拡大して示す図である。
【図8】カバーと蓋体との重なり部分の幅方向中央部の断面図である。
【図9】端子台ユニットの動作を示す図である。
【図10】本発明の別の実施形態に係る照明器具の開蓋時の構成を示す斜視図である。
【図11】同照明器具の取付部の内部構成を拡大して示す斜視図である。
【図12】本発明の別の実施形態に係る照明器具の構成を示す断面図である。
【図13】照明器具の電源供給回路の構成を示す図である。
【図14】経過時間に対するLED素子の光束維持率を示す図表である。
【図15】LEDモジュールの点灯制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る照明器具1の外観構成を示す斜視図である。
照明器具1は、図1に示すように、道路脇に設けられた支柱3の上端に取り付けられている。支柱3の下部には、照明器具1に電力を供給するLED電源(AC/DC電源)7が収容されている。照明器具1は、アルミダイカスト等で形成され支柱3の上端部に固定される下部本体9と、この下部本体9の上側に設けられたカバー11および蓋体13とを備える。下部本体9基端側の下面には支柱3を挿入するための支柱用開口15Aが設けられており、本実施形態では、下部本体9の下面の支柱用開口15Aに支柱3が挿し込まれている。下部本体9基端側の背面には、ノックアウトホールの支柱用開口15Bが設けられており、後述する別実施形態(図10参照。)では、支柱用開口15Aを閉じた状態で、支柱用開口15Bを開口させて、該支柱用開口15Bに支柱3が挿し込まれる。
照明器具1は、下部本体9の基端側が支柱3に固定されることで、図2に示すように、下部本体9の先端側が道路Rの路面に張り出すように設置される。
【0011】
照明器具1は、図2に示すように、道路Rの片側に所定取り付け間隔Mで配置されている。本実施形態では、この照明器具1を、幅員W=7M(メートル)の2車線道路の片側に、所定取り付け高さ10M(メートル)、および所定取り付け間隔M=40M(メートル)で配置して、各照明器具1により道路Rの路面を照度ムラなく照明する。
すなわち、照明器具1は、図1、図2Aに示すように、道路Rでの照射位置が異なる光源であるLEDモジュール17として、LEDモジュール17A、17B、17Cを備えている。
LEDモジュール17Aは、図2Bに示すように、隣の照明器具1との約中間地点の路面範囲A17Aを照射するものであって、照明器具1の斜め前方から車線軸方向に沿った所定長(例えば10M弱〜30M弱)の路面範囲A17Aを照射する。このLEDモジュール17Aは、車線に沿った左右対称配光のために照明器具1の左右両側に1つずつ設けられている。また、LEDモジュール17Bは、照明器具1の器具直下を含む近傍の範囲であって、照明器具1側の第1車線、及び歩道側を含み車線に沿った幅が約10Mの路面範囲A17Bを照射する。このLEDモジュール17Bは、下部本体9の先端側に配置される。LEDモジュール17Cは、照明器具1の正面側遠方(すなわち道路Rの幅員方向の遠方)である第2車線を含み車線に沿った幅が約10M強の路面範囲A17Cを照射する。このLEDモジュール17Cは、下部本体9の基端側に配置される。
これらLEDモジュール17A〜17Cは、複数のLEDユニット19からなり、それぞれのLEDユニット19はLED素子21およびLED素子21の放射光を反射する反射鏡23を有している。照明器具1の下側を構成する下部本体9の下面には、例えば強化ガラス等で形成された透光板25が嵌め込まれる投光開口27が形成されており、LED素子21から放射された光、及び、反射鏡23によって反射された光が投光開口27から透光板25を透過して路面に照射され、道路照明が行われる。
【0012】
図3は照明器具1の底面図、図4は図3におけるI−I断面図である。
図3、図4に示すように、照明器具1は、光源たるLEDモジュール17を収容する防水構造の光源収容部29と、下部本体9を支柱3に取り付けるためのクランプ部31を有する取付部33と、を一体に備えている。具体的には、下部本体9は内部を仕切る隔壁35により先端側の部屋と基端側の部屋とに分かれており、先端側の部屋にカバー11が封着されて水密な光源収容部29が形成され、基端側の部屋が開閉自在な蓋体13で覆われて取付部33が形成されている。
【0013】
光源収容部29には、点灯ユニットたるドライバ39と、このドライバ39に電気配線接続された光源としての複数のLEDモジュール17とが収められており、この光源収容部29の下面に、上述した投光開口27が形成されている。
図3に示すように、LEDモジュール17から延びる電線41は、ドライバ39を介し、隔壁35を貫通して取付部33内へと延出している。図4を参照し、光源収容部29のカバー11の縁部11Aには図示しないパッキンが設けられており、カバー11と下部本体9との接触部分がこのパッキンにより水密され、風雨や異物の浸入防止が図られている。
【0014】
図5は蓋体13を開いた状態を示す斜視図、図6は図5における要部拡大図である。
図5、図6に示すように、取付部33において、上記の蓋体13を開けると、クランプ部31及び端子台53が露出する。クランプ部31は、アルミダイカスト等で一体に形成された部材であり、図6に示すように、略鉛直方向に延びる筒形状を有する支柱受け部56と、支柱受け部56の下部に略水平方向に延設されるフランジ部60とを備えている。このフランジ部60は、複数のクランプ部取付ボルト46により、クランプ部取付ボス45に取り付けられ、クランプ部取付ボス45は、下部本体9の底面に一体的に形成されている。クランプ部31は、図4に示すように、下部本体9背面の支柱用開口15Bを塞ぐ背面嵌合部58を備え、該背面嵌合部58には、略水平方向に穿孔されて、支柱受け部56の内周まで貫通するねじ孔47が設けられている。該ねじ孔47には、支柱締付ボルト49がねじ込まれている。この支柱締付ボルト49を締めこんで、支柱3の上端部をクランプ部31に押し付けることで、支柱3に下部本体9が固定され、下部本体9のがたつきが防止される。
また、図5、図6に示すように、支柱受け部56には、外周面から内周面まで貫通するねじ穴(不図示)に抜止めボルト48がねじ込まれている。この抜け止めボルト48を締めこんで支柱受け部56の内側に突出させ、図4に示すように支柱3の上端部に設けられた抜止めボルト孔59に嵌合させることで、支柱3を軸としての下部本体9の回転止めおよび抜止めが行われる。
【0015】
クランプ部31は、図6に示すように、開口91を有し、開口91の上方には、支柱3の内側を延出する電源ケーブル51を保持するホルダ94が設けられている。電源ケーブル51は、例えば4芯のキャブタイヤケーブルであり、ホルダ94の上方に延出する先端部分の被覆が除去されて4本の細線52とされている。各細線52の先端には、端子54が圧着されている。
【0016】
また、図5、図6に示すように、取付部33において、下部本体9の側壁部9Aとクランプ部取付ボス45との間には、側壁部9Aに沿う二箇所に、ねじ穴を有する端子台ユニット取付ボス62が一体的に設けられており、この端子台ユニット取付ボス62に端子台ユニット71が固定されている。端子台ユニット71は、ハット型の端子台取付金具73と、この端子台取付金具73の凹部に収容される端子台53と、端子台53を覆う端子台カバー77とを備えている。端子台取付金具73は、取付ねじ72により、端子台ユニット取付ボス62に取り付けられ、これにより端子台ユニット71が下部本体9に固定されている。また、端子台取付金具73の凹部には絶縁体の端子台53が配置され、この端子台53は、端子台取付ねじ76により端子台取付金具73に固定されている。
【0017】
端子台53は、二列に亘って、それぞれ4つ(合計8つ)の端子取付部79を備えており、内側一列の端子取付部79に、支柱3の内側を延出して配線される電源ケーブル51の先端の細線52が端子54を介して結線され、外側一列の端子取付部79に、LEDモジュール17から延びる4本の電線41が端子42を介して接続されている。
この電線41は、図6に示すように、隔壁35の開口36に水密に嵌め込まれた隔壁パッキン37を貫通して、光源収容部29から取付部33へと延出している。隔壁パッキン37は、例えばゴムで形成されたシール部材であり、中央部に通気性を有する防水フィルター38が水密にはめ込まれている。また、隔壁パッキン37の上部には横1列に並ぶ4つの電線貫通開口44と、隔壁パッキン37の上端から電線貫通開口44へとつながる4つの切れ込み40が形成されており、電線41を隔壁パッキン37に貫通させる際には、切れ込み40を拡げて電線41を電線貫通開口44まで移動させる。電線貫通開口44は電線41より若干小径に形成されており、隔壁パッキン37の外形は隔壁35の開口36より若干大きく形成されているので、電線41を隔壁パッキン37に貫通させ、隔壁パッキン37を開口36に嵌め込むことで、光源収容部29の水密が保たれる。取付部33において、4本の電線41は、保護チューブで束ねられているが、端子台53付近では保護チューブが除去されて4本に分かれている。また、取付部33の底部の四隅には排水口34が設けられている。排水口34は、取付部33内に浸入する雨水を外部へ排出するためのものであり、仮に取付部33内に雨水が浸入したとしても、雨水は取付部33内に滞留することなく外部へ排出される。
【0018】
また、取付部33には、クランプ部31及び端子台53を覆うように、蓋体13が開閉自在に設けられている。この蓋体13は、下部本体9の基端部に配設されたヒンジ55に軸支され、下部本体9に対して上方向に回動して開蓋可能に構成されている。すなわち、ヒンジ55が外れたり破損したりしたとしても、蓋体13が即落下或いは垂れ下がりに繋がることが無いようになされている。取り付け作業や保守点検作業を行う際、蓋体13を上方に開蓋して作業が行われる。蓋体13を開いた状態で作業する際に、蓋体13が邪魔にならないように、蓋体13を下部本体9に対して開いた状態で保持する蓋体支持装置57が下部本体9に設けられている。
【0019】
蓋体13は、上に凸の湾曲した形状を有している。蓋体13の両側縁には、外側リブ13Aが形成され、外側リブ13Aは、下部本体9に設けた内側リブ9Bの外側にぴったり重なり合い、取付部33内への雨水等の浸入が抑止される。
また、図7に示すように、蓋体13の先端部には、ねじ59が嵌合する連結片61が設けられており、連結片61に設けたねじ59を、カバー11上面の支持部63のねじ穴64に締めこむことにより、蓋体13の閉状態が確実に保持されている。道路脇の比較的高所に照明器具1を設置し、風雨や震動によって蓋体13を開こうとする比較的強い力が加わったとしても、蓋体13の開蓋が防止される。
【0020】
つぎに、蓋体13の先端部と、光源収容部29のカバー11の上面との防雨構造を説明する。カバー11の上面は、蓋体13と同様に、上に凸の湾曲した形状を有し、防雨構造として、カバー11の上面には、カバー11の幅方向に連続的に湾曲して、蓋体13側に突出する止水部65が設けられている。一方、蓋体13は先端部に、防雨構造として、カバー11側に屈曲する屈曲部67を備え、蓋体13が閉じられたときには、図8に示すように、屈曲部67が、カバー11上面の止水部65と嵌合し、取付部33への雨滴の直接浸入を確実に防ぐことができる。なお、防雨構造としては、蓋体13の先端部に屈曲部67を設ける構成に限定されず、蓋体13の先端部を、止水部65を越えて水平に延長させて雨滴の直接浸入を防止する構成としても良い。
【0021】
カバー11上面の止水部65で遮られた雨水等は、カバー11上面の凸形状に沿って設けられた排水溝69を通ってカバー11の両側に流出する。この排水溝69は、カバー11の幅方向に連続してカバー11の側面まで延びており、カバー11の側面付近では、図7に示すように、排水溝69の終端部69Aの溝幅が狭く形成されるとともに、終端部69Aの溝は、光源収容部29の先端側にオフセットされている。これにより、カバー11の側面付近では、雨水が排水溝69の終端部69Aに沿って先端側へと誘導され、終端部69Aの先端部69Bから外部へ排出される。したがって、排水溝69を流下する雨水等が取付部33の内部に浸入することがない。
この構成によれば、従来必要であった余分なパッキン等のシール部材が必要無く、簡単な構成で、防雨構造を構成できる。
また、カバー11上面の止水部65の幅方向中央部には、支持部63が設けられ、支持部63にはねじ穴64が設けられ、ねじ穴64に、蓋体13固定用のねじ59が締め込まれている。この支持部63の上面は、排水溝69の溝底と比較して蓋体13側に突出しており、排水溝69を流れる雨水がねじ穴64に浸入することが無い。蓋体13の連結片61は、カバー11の支持部63よりも排水溝69内に突出しており、カバー11上面の支持部周辺の排水溝69は幅広に形成されている。
この構成によれば、支持部63の周辺の排水溝69に手指を挿入して蓋体13の連結片61を容易に押し上げ可能である。
【0022】
つぎに、端子台ユニット71の端子台カバー77を説明する。
図5、図6に示すように、端子台ユニット71は、端子台53を覆う端子台カバー77を備えて構成されている。端子台カバー77は、端子台53の上方を覆う板状のカバー部材であり、例えば透明な樹脂材料で形成されている。端子台カバー77は、端子台53の上方を覆い、誤接触を防ぐ閉位置と、複数の端子取付部79を露出させて結線或いは配線の取り外しを可能にする開位置との間で変位可能である。端子台カバー77の一端部には、短手方向に延びてクランプ部31側に向かって開口する切欠部81が設けられ、この切欠部81は、端子台カバー77が閉状態では、端子台取付金具73の一端部の止め具である端子台カバー取付ねじ75Aと嵌合する。また、端子台カバー77の他端部には短手方向に延びる長孔83が設けられ、この長孔83には、他端部の止め具である端子台カバー取付ねじ75Bが挿通されて端子台取付金具73にねじ込まれている。端子台カバー77は、両端部の端子台カバー取付ねじ75A、75Bを緩めた際には、端子台カバー77を、切欠部81および長孔83の延びる方向である端子台ユニット71の短手方向のうち下部本体9の側壁部9Aに向かう方向にスライド可能に構成されている。
また、スライドにより切欠部81が端子台カバー取付ねじ75Aから離脱した際には、端子台カバー77は、端子台取付金具73にねじ込まれた端子台カバー取付ねじ75Bに回転自在に軸支される。
【0023】
また、図6に示すように、端子台カバー77の下面は、側壁部9Aの上面と略平行となり、かつ、側壁部9Aの上面より高い位置に位置するように構成されている。すなわち、端子台カバー77は、両端部の端子台カバー取付ねじ75A、75Bを緩めた状態では、端子台カバー取付ねじ75Bを基準に一端側である切欠部81側を下部本体9の側壁部9Aの外側に張り出すように回動可能に配置されている。
したがって、端子台ユニット71が、側壁部9Aに近接して配置されていたとしても、端子台カバー77をスライドまたは回動させたときに、端子台カバー77が下部本体9の側壁部9Aに干渉することがない。
【0024】
長孔83の長さLは、端子台カバー77を側壁部9A側(外側)に向かって限界までスライドさせたときに、端子台53の上面のうち、クランプ部31側の略半分が露出する長さに設定される。これにより、端子台カバー77をスライドさせるだけで電源ケーブル51の先端の端子54の取付または取り外しが可能となる。
端子台カバー77は透明体であるが、不透明体であっても良い。不透明体の場合には、複数の端子取付部79を外観で目視できない。この場合には、端子台カバー77をスライドさせるだけで、内側一列の端子取付部79が露出するため、該端子取付部79との接続状況を目視でき、端子台カバー77を回動させることで、外側一列の端子取付部79との接続状況を目視できる。
【0025】
図9Aに示すように、蓋体13を開けたときには、端子台カバー77は閉位置、すなわち、複数の端子取付部79を全て覆う位置で固定されている。端子台カバー77の一端部は、切欠部81が端子台カバー取付ねじ75Aと嵌合して端子台取付金具73に締め付け固定されており、端子台カバー77の他端部は、長孔83を貫通するねじ75Bにより端子台取付金具73に締め付け固定されている。
端子台カバー77両端の端子台カバー取付ねじ75A、75Bを緩めると、端子台カバー77を、図9Bに示すように、端子台ユニット71の短手方向のうち下部本体9の側壁部9Aに向かう方向(外側)にスライド可能な状態となる。端子台カバー77を外側にスライドさせると、端子台53の上面のうち、内側一列の端子取付部79が露出し、電源ケーブル51の結線や配線の取り外しが可能となる。
また、一端部の切欠部81が、端子台カバー取付ねじ75Aから離脱するので、他端部の長孔83を貫通する端子台カバー取付ねじ75Bを中心として、図9Cに示すように、端子台カバー77を回動可能な状態となる。このとき、一端部の切欠部81の形状は、他端部に向けて円弧状に湾曲するため、端子台カバー77をスライドさせると同時に、端子台カバー77の回動も可能となっている。
【0026】
端子台カバー77を下部本体9の側壁部9Aの外側に向かって小さな角度θだけ回動させると、端子台53における複数の端子取付部79の上面が全て露出する。このとき、端子台カバー77をさらに外側に向かって回動させようとしても、端子台ユニット取付ねじ72の頭部に当たり、これがストッパ(回動規制部材)となって、端子台カバー77の小さな角度θ以上の回動が規制される。図9Cに示す状態では、端子台53における複数の端子取付部79の上面が全て露出しているので、電源ケーブル51の先端である端子54や電線41の先端である端子42を、端子台53に結線または取り外しする作業を容易に行うことが出来る。端子台カバー77が必要以上に回動することが無く、作業の邪魔となることが無い。
【0027】
本実施の形態では、図9Bに示すように、第一に、端子台カバー77の外縁部が、下部本体9の側壁部9Aの内側に近接するまで、端子台カバー77をスライドさせ、第二に、図9Cに示すように、その位置から端子台カバー77を小さな角度θだけ回動させる。この構成では、端子台53が全て露出するまで、端子台カバー77をスライドさせた場合と、端子台53が全て露出するまで、回動させた場合と比較すると、下部本体9の側壁部9Aの外側に、端子台カバー77を大きく張り出すことなく、端子台53を全て露出でき、端子台53に結線または取り外しする作業を容易に行うことが出来る。
【0028】
図6を参照し、取付部33において、クランプ部31の支柱受け部56は鉛直方向に延出しており、略円筒状の支柱受け部56内に、支柱3の上端部が固定されている。支柱3の上端の開口4内には略水平方向に延びる支持軸85が設けられており、この支持軸85には落下防止ワイヤ92の一端が止着され、落下防止ワイヤ92の他端は、取付部33内に設けられたワイヤ固定ボルト93に連結されている。
つぎに、電源ケーブル51の支持構造を説明する。
支柱受け部56の上部には、上面視で支柱3の上端の開口4のうち支持軸85よりも端子台53側に寄せた位置で支柱3の内側を延出する電源ケーブル51を保持するホルダ94が固定されている。このホルダ94は、平行に配置される二つの板状部材95と、この二つの板状部材95の両端同士を連結する二本のボルト97とを備え、板状部材95の間に電源ケーブル51を挟み込み、ボルト97を締めこむことにより、電源ケーブル51を湾曲すること無く簡単かつ確実に保持する。前記板状部材95は、例えば一方の面に断面円弧状の溝99Aを有し、他方の面に断面台形状の溝99Bを有していてもよい。断面円弧状の溝99A同士、あるいは断面台形状の溝99B同士を向かい合わせて電源ケーブル51を挟み込むことにより、断面形状が異なる電源ケーブル51を確実に保持することができる。本実施形態では、ワイヤ固定ボルト93が、支持軸85よりも端子台53が配置されていない側の側壁部9Aに寄せた位置に配置されており、電源ケーブル51の結線作業あるいは取り外し作業のときに、電源ケーブル51と落下防止ワイヤ92が交差せず、作業性の低下が防止できる。なお、ホルダ94は、クランプ部31の開口91のうち、支持軸85よりも端子台53側に寄せた位置で固定されていてもよい。この場合も電源ケーブル51がほとんど湾曲すること無く簡単かつ確実に保持される。
【0029】
上記ホルダ94は、被覆した電源ケーブル51を保持し、この保持位置より上方に延出した電源ケーブル51は、被覆を除去されて複数の細線52とされ、適宜のカーブで、複数の細線52の状態で下方へ湾曲される。このカーブは、細線52に許容された大きさのカーブであり、被覆した電源ケーブル51に許容された大きさに比べて、かなり小さなカーブとなり、コンパクトな配線が可能となる。
このホルダ94の水平側方には、略筒状のサブホルダ96が一体に設けられ、サブホルダ96は、下方へ湾曲された細線52の束を保持する。ホルダ94およびサブホルダ96のサイズは、前述のようにホルダ94とサブホルダ96との間で湾曲される電源ケーブル51の曲率半径が所定長さ以上となるように、例えば被覆除去後の電源ケーブルである細線52の外径の6倍以上となるように構成されており、電線の過度の湾曲による不具合、例えば電気抵抗の増加などが防止される。
【0030】
本実施形態によれば、支柱3に取り付けるためのクランプ部31を有する取付部33と、光源を収容する防水構造の光源収容部29とを一体に備え、取付部33の内側に、支柱3の内側を延出して配線される電源ケーブル51を結線するための端子台53を備えたので、支柱3への取付作業および電源ケーブル51の結線作業を同時に行うことができ、取付および保守作業を簡略化できる。また、電源ケーブル51を保持するホルダ94を、支柱3の上端の開口4のうち支持軸85よりも端子台53側に寄せた位置に臨ませて配置し、ホルダ94で保持された電源ケーブル51を湾曲させて端子台53に結線したので、支柱3内からホルダ94までの間で、電源ケーブル51が屈曲される虞が無く、電源ケーブル51を支持軸85より端子台53に近い位置で保持することができる。したがって、電源ケーブル51の接続あるいは取り外しが簡単で、作業性の良好な照明器具1の結線構造を提供することができる。
【0031】
また、本実施形態では、ホルダ94で保持された電源ケーブル51が下方に湾曲し、この湾曲した電源ケーブル51を保持するサブホルダ96をホルダ94と一体に配置したので、サブホルダ96で電源ケーブル51を保持することにより、ホルダ94から端子台53までの間における電源ケーブル51の取り回しが概ね定まる。したがって、電源ケーブル51が過度に屈曲しないように注意して取り回しを行う必要が無く、電源ケーブル51の接続あるいは取り外しをより容易に行うことができる。
【0032】
また、本実施形態では、クランプ部31及び端子台53を覆うように防雨構造の蓋体13が開閉自在に設けられているので、蓋体13を開けるだけで支柱3への取付作業および電源ケーブル51の結線作業を同時に行うことができ、取付および保守作業が簡略となるうえ、蓋体13を閉じることにより、雨が端子台53に直接かかることが無く、短絡等のトラブルを確実に避けることができる。
また、本実施形態では、取付部33の底部に排水口34が設けられているので、雨水が取付部33内部に滞留して端子台53が冠水することが無く、短絡等のトラブルをより確実に避けることができる。
【0033】
また、本実施形態では、取付部33及び光源収容部29は隔壁35で仕切られており、光源がLEDモジュール17であり、LEDモジュール17から延びた配線が前記隔壁35を水密に貫通し、前記取付部33の内側の端子台53に結線されているので、光源収容部29を完全にメンテナンスフリーとすることができ、取付および保守作業を一層簡略化して使い勝手を向上させることができる。
【0034】
図10及び図11は、別の実施形態を示す。
なお、図10及び図11において、上記の実施形態で説明した部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
この照明器具100においては、取付部33内において、クランプ部131が略水平に配置されている。クランプ部131は略水平方向に延出する支柱受け部156を備え、アーム型支柱103の水平に延出した先端部が、下部本体9の背面の支柱用開口15Bを貫通して挿し込まれ、支柱受け部156に固定されている。
図10及び図11に示すように、支柱受け部156には、抜止めボルト148がねじ込まれている。この抜け止めボルト148を締めこんで支柱受け部156の内側に突出させ、アーム型支柱103の先端部に設けられた抜止めボルト孔(不図示)に嵌合させることで、アーム型支柱103を軸としての下部本体9の回転止めおよび抜止めが行われる。
また、支柱受け部156の上側には、支柱締付ボルト149がねじ込まれている。この支柱締付ボルト149を締めこんで、アーム型支柱103の先端部をクランプ部131の支柱受け部156に押し付けることで、下部本体9のがたつきが防止される。
クランプ部131の支柱受け部156に嵌合するアーム型支柱103の先端部には、落下防止ワイヤ92を止着するための支持軸185が備えられている。そして、取付部33内において、アーム型支柱103の先端の開口104のうち支持軸185よりも端子台53側に寄せた位置に臨ませて、ホルダ194が配置されている。ホルダ194は、下部本体9の底面に一体に形成されたホルダ取付ボス195にねじ止めされている。このホルダ194は、アーム型支柱103の内側を水平に延出する電源ケーブル151を保持しており、このホルダ194で保持された電源ケーブル151は被覆を除去されて4本の細線152とされ、側方に湾曲して端子台53に結線されている。なお、ホルダ194は、クランプ部131の開口191のうち、支持軸185よりも端子台53側に寄せた位置で固定されていてもよい。この場合も電源ケーブル151がほとんど湾曲すること無く簡単かつ確実に保持される。
【0035】
この照明器具100においても、アーム型支柱103に取り付けるためのクランプ部131を有する取付部33と、光源を収容する防水構造の光源収容部29とを一体に備え、取付部33の内側に、アーム型支柱103の内側を延出して配線される電源ケーブル151を結線するための端子台53を備えたので、アーム型支柱103への取付作業および電源ケーブル151の結線作業を同時に行うことができ、取付および保守作業を簡略化できる。
また、電源ケーブル151を保持するホルダ194を、アーム型支柱103の先端の開口104のうち支持軸185よりも端子台53側に寄せた位置に臨ませて配置し、ホルダ194で保持された電源ケーブル151を湾曲させて端子台53に結線したので、アーム型支柱103内からホルダ194までの間で、電源ケーブル151が屈曲される虞が無く、電源ケーブル151を支持軸185より端子台53に近い位置で保持することができる。したがって、電源ケーブル151の接続あるいは取り外しが簡単で、作業性を良好とすることができる。
さらに、電源ケーブル151がアーム型支柱103の先端の開口104のうち端子台53に近い位置でアーム型支柱103の延出方向と略同方向に保持されるので、落下防止ワイヤ92と交差すること無く、配線作業性が向上する。
【0036】
図12は、別の実施形態を示す。
なお、図12において、上記の実施形態で説明した部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態では、防水構造の光源収容部29にLEDモジュール17と、ドライバ/LED電源兼用装置207とが収容されている。ドライバ/LED電源兼用装置207は、図3に示すLEDドライバユニット39(点灯ユニット)と、図1に示すLED電源7とを一体化した装置であり、ドライバ/LED電源兼用装置207を防水構造の光源収容部29に収容する構成の照明器具200に対しても、本発明を適用することが可能である。この照明器具200においては、支柱3下部におけるLED電源7の結線作業が不要となるため、作業の簡略化を図ることができる。
【0037】
次いで、照明器具の電気的構成に係る電源供給回路ついて説明する。
図13は照明器具1の電源供給回路86の構成を示す。
電源供給回路86は、LEDモジュール17に電力を供給する回路であり、上述のLED電源(図示ではAC/DC電源)7と、LEDドライバユニット39とを備えている。LED電源7は、上述の通り電源ケーブル51を通じて端子台53に接続され、この端子台53に電線41を通じてLEDドライバユニット39が接続され、端子台53を介してLED電源7とLEDドライバユニット39とが電気的に接続される。
LED電源7は、上述の通り支柱3の下部であって地面に立つ作業者の手が届く高さに内蔵されて、商用電源300に接続されている。この商用電源300は、道路の地中等に敷設された電源供給ラインを通じて接続されLED電源7に接続され、このLED電源7に交流電力を供給する。LED電源7は、商用電源300から供給される交流電力を直流電力に変換するAC−DCコンバータ回路を内蔵し、一定電圧の直流電圧をLEDドライバユニット39に端子台53を通じて出力する。
【0038】
LEDドライバユニット39は、LED電源7からの電力によりLEDモジュール17の点灯を制御するものであり、LED駆動回路部87と、PWM制御部88とを備え、これらは光源収容部29にLEDモジュール17とともに収められている。
PWM制御部88は、例えばマイコンを備え、時間軸によるPWM(Pulse Width Modulation)制御によりLEDモジュール17の明るさを制御するものであり、当該明るさに対応する駆動電流の電流値をパルス出力によりLED駆動回路部87に指示する。
LED駆動回路部87は、PWM制御部88により指示された電流値の駆動電流をLEDモジュール17に供給して点灯するものであり、定電流制御のための制御回路を内蔵する。
【0039】
また、PWM制御部88は、LEDモジュール17の点灯制御において、ソフトスタート機能、初期照度補正機能、及び深夜減光機能を備えている。
ソフトスタート機能は、周囲が暗くなり、或いは所定時刻になったときにLEDモジュール17を点灯して道路を照明する際に、LEDモジュール17を最大の明るさまで瞬時に点灯するのではなく、運転者の目の順応に応じた所定時間(例えば10秒)をかけて徐々に明るさを増加させて点灯する機能である。このソフトスタート機能により、LEDモジュール17の点灯に伴い路面輝度が急激に明るくなることがないため、運転者が驚く等の心理的悪影響を防止できる。
【0040】
初期照度補正機能は、例えば図14に示すようなLEDモジュール17の経時劣化に伴う光束低下を補償する機能である。すなわち、PWM制御部88は、LEDモジュール17の点灯時間を計時する計時回路と、当該点灯時間の累積値、及び当該累積値に応じたLEDモジュール17の光束低下特性を記憶する記憶部(図示せず)と、を備えている。この光束低下特性としては、点灯時間の累積値と、光束を一定に維持する駆動電流値の関係を規定したものが用いられる。具体的には、初期には例えば約370mAの駆動電流値が規定され、点灯時間の累積値に伴い駆動電流値を増加させ、例えば累積値が約4万時間に達した後には駆動電流値を約430mAとするような関係が規定されている。そして、PWM制御部88は、この点灯時間の累積値、及び光束低下特性に基づいて、光束低下を補償する駆動電流値を求め、この駆動電流値でLEDモジュール17を点灯する。これにより、LEDモジュール17の経時劣化によらず、照明器具1の明るさを長期に亘って略一定に保つことができる。また、この初期照度補正機能を備えることにより、LEDモジュール17の寿命末期の明るさを担保すべく、この寿命末期に合せた駆動電流(例えば上記約430mA)を初期時から供給しなくとも良いため、寿命末期までの駆動電流を減らすことができ、消費電力の削減が図れる。
【0041】
深夜減光機能は、道路の交通量が減る深夜(例えば点灯後約6時間経過時)に、LEDモジュール17を所定割合(約50%)だけ減光する機能であり、この減光時には、瞬時に減光するのではなく、運転者の目の順応に応じた所定時間(例えば20秒)をかけて徐々に明るさを減らしている。これにより、深夜の交通量の少ない時間帯等に減光して省電力化が可能になる。なお、この深夜減光機能は、照明器具1が設置された道路の交通量が夜間に減るか否かに基づいて、作業者によるジャンパピン等の手動操作による設定、或いはプログラムによる設定等により有効/無効の設定が可能に構成されている。
【0042】
電源供給回路86は、図13に示すように、LED電源7、LEDドライバユニット39、及びLEDモジュール17の組を商用電源300に対して並列に2組接続して構成され、LEDモジュール17の点灯系統に第1及び第2系統C1、C2の2つの系統を備えて構成されている。
LEDモジュール17には、上述の通り、路面の照射位置が異なるLEDモジュール17A、17B、及び17Cの3つが含まれており、それぞれのLEDモジュール17A、17B、及び17Cのそれぞれが、いずれも第1系統C1、及び第2系統C2に、光量及び配光が同一になるように設けられている。
このように電源供給回路86は第1及び第2系統C1、C2を備えて構成されているので、万一、第1系統C1または第2系統C2のいずれかが断線や回路故障等により電気的に遮断された場合でも、他方の系統でのLEDモジュール17の点灯により、路面の配光分布(照度分布)が維持されるため、照明器具1の照射範囲の路面に暗所が生じるのを防止できる。
【0043】
なお、この電源供給回路86は、照明器具1に限らず、照明器具100も同様に備える。また照明器具200については、電源供給回路86のLEDドライバユニット39にLED電源7を一体に構成してドライバ/LED電源兼用装置207としたものが備えられる。
【0044】
図15は、PWM制御部88による点灯制御のフローチャート(スタート(電源ON)処理)である。
この図に示すように、周囲環境の照度が所定値以下まで暗くなり、或いは所定時刻(夕方など)に達すると、PWM制御部88は、LEDモジュール17を点灯すべく、LEDモジュール17の駆動電流の電流値を、上記初期照度補正を考慮して決定する(ステップS1)。次いで、PWM制御部88は、この駆動電流の電流値をLED駆動回路部87に指示してLEDモジュール17の点灯を開始する(ステップS2)。このステップS2においては、PWM制御部88は、ソフトスタート機能により、所定時間(例えば10秒)をかけて駆動電流の電流値がステップS1で決定した電流値に達するようにLED駆動回路部87に指示する。
【0045】
その後、PWM制御部88は、深夜減光機能が無効にされている場合(ステップS3:無効)、通常点灯モードで点灯を継続する(ステップS4)。この通常点灯モードは、駆動電流の電流値をステップS1で決定した電流値に維持してLEDモジュール17の点灯を継続する点灯モードである。
一方、PWM制御部88は、深夜減光機能が有効にされている場合(ステップS3:有効)、深夜になったときに深夜点灯モードで点灯する。すなわち、PWM制御部88は、点灯開始時から所定時間(例えば約6時間)が経過したときに駆動電流の電流値を徐々に減少させてLEDモジュール17を減光し(ステップS5)、その後、所定割合(例えば約50%)だけ減光した状態で点灯を継続する上記深夜点灯モードで点灯を継続する(ステップS6)。
【0046】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形および応用が可能である。
【0047】
上述した各実施形態では、防水構造の光源収容部29に、光源たるLEDモジュール17を収容する照明器具1、100、200を示したが、光源はこれに限定されず、長寿命を有するHIDランプであってもよい。長寿命を有するHIDランプを適用する場合にも、光源収容部29を完全にメンテナンスフリーとすることができ、取付および保守作業を簡略化して使い勝手を向上させることができる。
【0048】
また、開閉自在な蓋体13が、クランプ部31及び端子台53を収容する取付部33の上方のみを覆う照明器具1を示したが、蓋体13が照明器具1の上半部全てを覆うように構成されていてもよい。この場合にも、電源ケーブル51のホルダ94を、支柱3の上端の開口4のうち支持軸85よりも端子台53側に寄せた位置に臨ませて配置し、ホルダ94で保持された電源ケーブル51を湾曲させて端子台53に結線することにより、支柱3内からホルダ94までの間で、電源ケーブル51が屈曲される虞が無く、電源ケーブル51を支持軸85より端子台53に近い位置で保持することができる。したがって、電源ケーブル51の接続あるいは取り外しを簡単にして、作業性を良好にすることができる。なお、同様の効果を他の実施形態で説明した照明器具100、200も奏する。
【符号の説明】
【0049】
1、100、200 照明器具
3、103 支柱
4、104 開口(支柱の開口)
9 下部本体
13 蓋体
17 LEDモジュール
19 LEDユニット
21 LED素子(光源、LED)
29 光源収容部
31、131 クランプ部
33 取付部
34 排水口
35 隔壁
41 電線(配線)
51、151 電源ケーブル
53 端子台
85、185 支持軸
91、191 開口(クランプ部の開口)
92 落下防止ワイヤ
94、194 ホルダ
96 サブホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱に取り付けるためのクランプ部を有する取付部と、光源を収容する防水構造の光源収容部とを一体に備え、前記取付部の内側に、前記支柱の内側を延出して配線される電源ケーブルを結線するための端子台を備え、前記支柱の開口内に落下防止ワイヤを止着するための支持軸を備え、前記支柱の内側を延出する電源ケーブルを保持するホルダを、前記クランプ部の開口のうち前記支持軸よりも前記端子台側に寄せた位置に臨ませて配置し、前記ホルダで保持された電源ケーブルを湾曲させて前記端子台に結線したことを特徴とする照明器具の結線構造。
【請求項2】
前記クランプ部が鉛直方向に延出し、前記電源ケーブルが前記支柱の内側を上方に延出し、前記電源ケーブルを保持するホルダが前記クランプ部の上端の開口に臨み、前記ホルダで保持された電源ケーブルが下方に湾曲し、前記湾曲した電源ケーブルを保持するサブホルダが、前記ホルダと一体に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の照明器具の結線構造。
【請求項3】
前記クランプ部が水平方向に延出し、前記電源ケーブルが前記支柱の内側を水平に延出し、前記電源ケーブルを保持するホルダが前記クランプ部の先端の開口に臨み、前記ホルダで保持された電源ケーブルが側方に湾曲して前記端子台に結線されていることを特徴とする請求項1に記載の照明器具の結線構造。
【請求項4】
前記取付部には、前記クランプ部及び前記端子台を覆うように防雨構造の蓋体が開閉自在に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の照明器具の結線構造。
【請求項5】
前記取付部の底部に雨水等を排出する排水口を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の照明器具の結線構造。
【請求項6】
前記取付部及び前記光源収容部が隔壁で仕切られ、前記光源がLEDであり、前記LEDから延びた配線が前記隔壁を水密に貫通し、前記取付部の内側の前記端子台に結線されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の照明器具の結線構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−38671(P2012−38671A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179928(P2010−179928)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)
【Fターム(参考)】