説明

照明装置および照明器具

【課題】製造および管理面のコストを低減し、安価な照明装置および照明器具を提供する。
【解決手段】LED光源31のアノード側と電気的に接続されている第1端子部321と、LED光源31のカソード側と電気的に接続されている第2端子部322とが異なっているので、組み立て時の誤接続が防止できる。これにより、LEDユニット30の品種を一つにすることができ、照明装置30および照明器具10の製造および管理面のコストを低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED光源を用いた照明装置およびそれを用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、LED光源を用いた照明装置等が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
非特許文献1に記載の照明器具は、丸型シーリングライトであり、商用電源をDC出力に変換する電源ブロック1台と、LEDをプリント基板に搭載した照明装置であるLEDユニットを4台有する。
【0003】
LEDユニットは、扇型の形状をしており、4台を組み合わせることで全体として円状を形成している。LEDユニットは、2種類のLEDユニットから構成されている。第1のLEDユニットは、光源となるLEDと隣接するLEDユニット間を接続するコネクタが実装されたLEDユニットである。また、第2のLEDユニットは、第1のLEDユニットに電源ブロックからの電源供給を受けるためのコネクタが実装されているLEDユニットである。
従って、1台の照明器具の中には、第1のLEDユニットが3台と、第2のLEDユニットが1台搭載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】東芝ライテック株式会社 器具事業部編「家中まとめてLED Vol.2」 2011年6月発行P10〜11
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述したような従来の照明器具においては、照明器具に使用するLEDユニットが2種類になるため、製造上分けて製造する必要がある。また、管理面においても複数品番の管理となり、製造および管理コストの上昇を招くという問題があった。
【0006】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、LED光源が実装された照明装置において、製造および管理面のコストを低減し、安価な照明装置および照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の照明装置は、少なくとも1個以上のLED光源と、前記LED光源のアノード側と電気的に接続されている第1端子部と、前記LED光源のカソード側と電気的に接続されている第2端子部と、前記LED光源と前記第1端子部と前記第2端子部とを実装するLED基板と、を有し、前記第1端子部と前記第2端子部との外観が異なっているものである。
【0008】
また、本発明の照明装置は、少なくとも1個以上のLED光源と、前記LED光源のアノード側と電気的に接続されている第1端子部と、前記LED光源のカソード側と電気的に接続されている第2端子部と、前記LED光源と前記第1端子部と前記第2端子部を実装するLED基板と、を有し、前記第1端子部と前記第2端子部が同じコネクタを使用しており、前記LED光源の前記アノード側に接続している前記コネクタのピン番号と前記LED光源の前記カソード側に接続している前記コネクタのピン番号とが異なるものである。
【0009】
また、本発明の照明装置は、前記第1端子部と前記第2端子部との外観色が異なっているものである。
【0010】
また、本発明の照明装置は、前記LED光源を少なくとも2台以上備えているものである。
【0011】
また、本発明の照明装置は、前記LED光源を少なくとも2種類以上備えいるものである。
【0012】
さらに、本発明の照明器具は、前述した照明装置を用いたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、LED光源のアノード側と電気的に接続されている第1端子部と、LED光源のカソード側と電気的に接続されている第2端子部とが異なっているので、組み立て時の誤接続が防止できる。これにより、照明装置の品種を一つにすることができ、製造および管理面のコストを低減できるという効果を有する照明装置および照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る第1実施形態の照明器具を下方から見た分解斜視図
【図2】本発明に係る第1実施形態の照明器具の中心を通る断面図
【図3】本発明に係る第1実施形態のLEDユニットの回路図
【図4】本発明に係る第1実施形態のLEDユニットの部品配置図
【図5】本発明に係る第1実施形態の照明器具内の接続図
【図6】本発明に係る第2実施形態のLEDユニットの回路図
【図7】本発明に係る第2実施形態の照明器具内の接続図
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る第1実施形態の照明装置および照明器具について、図面を用いて説明する。
なお、以下の説明においては、照明器具を被取付面である天井面に取り付けて下方を照明する場合について説明する。従って、特に示す場合を除き、上(上方、上側等)は天井面側を意味し、下(下方、下側等)は床面側を意味する。
【0016】
図1に示すように、本発明に係る第1実施形態の照明器具10は、被取付面である天井面11等に取り付けられて主に下方を照明するのに適する。
図2にも示すように照明器具10は、天井面11に取り付けられる例えば丸型の器具本体20を有する。天井面11には、引っ掛けシーリング12が取り付けられており、器具本体20は、引っ掛けシーリング12に取り付けるための給電部21を中央に有する
【0017】
器具本体20の上面(すなわち、天井面11側)には、給電部21に接続された電源部22が設けられている。従って、給電部21は商用電源から電力(AC)を供給されて電源部22に電力を供給し、電源部22は、AC電力をDC出力に変換して、LEDユニット30に供給する。
器具本体20の下側(すなわち、照明方向側)には、扇型の照明装置としてのLEDユニット30が、円状になるように4台配置されている。LEDユニット30の前方(すなわち、図2中下方)には、LEDユニット30に実装されているLED光源31(図3参照)の光を効率的に取り出せるような透過性のあるレンズ23が取り付けられる。さらに、レンズ23の前方には、受けた光を拡散させるカバー24が取り付けられる。
【0018】
次に、照明装置であるLEDユニット30について説明する。
図3に示すように、LEDユニット30は、2種類以上のLED光源31を有する。ここでは、白色LED光源311と電球色LED光源312とを使用している。
なお、白色LED光源311および電球色LED光源312を総称する場合には、「LED光源31」で示す。
【0019】
図3は、各LEDユニット30の回路図が示されている。各LEDユニット30において、各々のLED光源31は、回路的には6直列4並列に接続されている。各LED光源31のアノード側(図3において左側)は、第1端子部であるアノード側コネクタ321に接続される。また、カソード側(図3において右側)は、第2端子部であるカソード側コネクタ322に接続される。白色LED光源311と電球色LED光源312とは、別回路で接続される。
【0020】
アノード側コネクタ321とカソード側コネクタ322とは外観が異なる。
すなわち、アノード側コネクタ321は4ピンのコネクタになっており、1番ピンに電球色LED光源312のアノード側を接続する。また、4番ピンには、白色LED光源311のアノード側を接続する。
一方、カソード側コネクタ322は、3ピンのコネクタになっており、3番ピンに電球色LED光源312のカソード側を接続する。また、1番ピンには、白色LED光源311のカソード側を接続する。
なお、アノード側コネクタ321とカソード側コネクタ322とは、異なる外観色のものを用いるのが望ましい。
【0021】
図4に示すように、LEDユニット30は、白色LED光源311と、電球色LED光源312と、アノード側コネクタ321と、カソード側コネクタ322とを、LED基板としてのプリント基板33に有する。
プリント基板33は、例えば、樹脂またはアルミなどの金属をベースとしたものであり、扇型の形状をしていて板厚は、1.0mm程度のものである。
なお、ここでは、1個のLEDユニット30を照明装置として説明するが、複数個のLEDユニット30を組み合わせて1個の照明装置とすることもできる。
【0022】
白色LED光源311および電球色LED光源312は、プリント基板33の円弧に沿って、略並行に外側と内側に配置される。
外側には、LED光源31を26個、内側には、LED光源31を22個配置しており、合計48個のLED光源31を配置する。なお、白色LED光源311と電球色LED光源312とは、交互に配置される。
【0023】
このように配置することで、同一色のLED光源31同士の距離が略一定となり、光ムラが抑制することができる。
アノード側コネクタ321およびカソード側コネクタ322は、プリント基板33の端部に配置する。
これにより、隣接するLEDユニット30間の接続に使用する電線の長さを、短くできる。
【0024】
図5には、照明器具10(図1参照)において、4台のLEDユニット30を使用した場合の接続図が示されている。
図5に示すように、電源部22に、LEDユニット30A、30B、30C、30Dが接続されている。電源部22はDC出力を二系統有している。
一方の系統は、第1コネクタ221からの出力であり、LEDユニット30A、30B、30C、30Dに実装されている白色LED光源311を点灯させるための出力である。他方の系統は、第2コネクタ222からの出力であり、LEDユニット30A、30B、30C、30Dに実装されている電球色LED光源312を点灯させるための出力である。
【0025】
次に、白色LED光源311の接続について説明する。
図5に示すように、電源部22の第1コネクタ221のアノード端子221Aに、LEDユニット30Aのアノード側コネクタ321Aの4番ピンを接続する。
次に、LEDユニット30Aのカソード側コネクタ322Aの1番ピンと、LEDユニット30Bのアノード側コネクタ321Bの4番ピンを接続する。
【0026】
以下、同様にLEDユニット30B、30C、30Dを接続する。
LEDユニット30A、30B、30C、30Dの間は、ハーネス34を使用して接続する。
最後に、LEDユニット30Dのカソード側コネクタ322Dの1番ピンを、電源部22の第1コネクタ221のカソード端子221Kに接続する。
【0027】
図5に示すように、電球色LED光源312の接続は、まず、電源部22の第2コネクタ222のアノード端子222Aに、LEDユニット30Aのアノード側コネクタ321Aの1番ピンを接続する。
次に、LEDユニット30Aのカソード側コネクタ322Aの3番ピンと、LEDユニット30Bのアノード側コネクタ321Bの1番ピンを接続する。
【0028】
以下、同様にLEDユニット30BとLEDユニット30C、LEDユニット30CとLEDユニット30Dを接続する。
LEDユニット30A、30B、30C、30Dの間は、ハーネス34を使用して接続する。
最後に、LEDユニット30Dのカソード側コネクタ322Dの3番ピンを、電源部22の第2コネクタ222のカソード端子222Kに接続する。
【0029】
なお、第1実施形態の照明装置であるLEDユニット30および照明器具10では、LEDユニット30に用いるコネクタ32を、4ピンのアノード側コネクタ321と、3ピンのカソード側コネクタ322を用いたが、これに限らず、ピン数が異なっていれば他のピン数のものでもよい。
【0030】
また、コネクタ32として、ピン数は同じでもよいが、異なるメーカーのものや種類が異なるコネクタを用いることも可能である。
さらに、同じコネクタ32であるが、アノード側コネクタ321とカソード側コネクタ322とで異なった色のものを用いることも可能である。
【0031】
以上、説明した本発明に係る第1実施形態のLEDユニット30によれば、LED光源31のアノード側と電気的に接続されているアノード側コネクタ321と、カソード側と電気的に接続されているカソード側コネクタ322とを異なるものとした。
このため、組み立て時の誤接続が防止でき、LEDユニット30の品種を一つにすることができるので、製造および管理面のコストを低減できる。
【0032】
また、LED光源31のアノード側と電気的に接続されているアノード側コネクタ321の色と、LED光源31のカソード側と電気的に接続されているカソード側コネクタ322第2端子部の色とが異なるようにする。
これにより、組み立て時の誤接続が防止できる。
【0033】
また、LEDユニット30を2台以上備えているので、十分な明るさの照明を行うことができる。
【0034】
また、LED光源31が少なくとも2種類以上使用されているので、種々の配光を行うことができる。
【0035】
さらに、本発明に係る第1実施形態の照明器具10によれば、前述したLEDユニット30を用いているので、LEDユニット30の品種を一つにすることができ、製造および管理面のコストを低減できる。
【0036】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の照明装置および照明器具について、図面を用いて説明する。
なお、前述した第1実施形態に係る照明装置(LEDユニット)30および照明器具10と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
【0037】
第2実施形態に係る照明器具10Bについては、図1および図2で説明した照明器具10と同じ構成である。また、LEDユニット40は、図4で示した部品配置図は同様であるが、コネクタ41の部分が前述した実施形態1のLEDユニット30のコネクタ32と異なるので、以下にその部分について主に説明する。その他の構成は、LEDユニット30と同様である。
【0038】
図6に示すように、第2実施形態に係るLEDユニット40では、アノード側コネクタ411と、カソード側コネクタ412に、同じコネクタ41が用いられている。
アノード側コネクタ411は4ピンを有しており、1番ピンに電球色LED光源312のアノード側を接続している。また、4番ピンに白色LED光源311のアノード側を接続している。
カソード側コネクタ412も同様に4ピンを有しており、3番ピンに電球色LED光源312のカソードが側を接続している。また、2番ピンに白色LED光源311のカソード側を接続している。
【0039】
図7には、照明器具10B(図1参照)において、4台のLEDユニット40を使用した場合の接続図が示されている。
図7に示すように、電源部22に、LEDユニット40A、40B、40C、40Dが接続されている。電源部22はDC出力を二系統有している。
【0040】
一方の系統は、第1コネクタ221からの出力であり、LEDユニット40A、40B、40C、40Dに実装されている白色LED光源311を点灯させるための出力である。
他方の系統は、第2コネクタ222からの出力であり、LEDユニット40A、40B、40C、40Dに実装されている電球色LED光源312を点灯させるための出力である。
【0041】
次に、白色LED光源311の接続について説明する。
図7に示すように、電源部22の第1コネクタ221のアノード端子221Aに、LEDユニット40Aのアノード側コネクタ411Aの4番ピンを接続する。
次に、LEDユニット40Aのカソード側コネクタ412Aの2番ピンと、LEDユニット40Bのアノード側コネクタ411Bの4番ピンを接続する。
すなわち、アノード側コネクタ411とカソード側コネクタ412は同じ部品であるコネクタ41を用いることができるが、使用するピンの番号(位置)が異なる。
【0042】
以下、同様にLEDユニット40B、40C、40Dを接続する。
LEDユニット40A、40B、40C、40Dの間は、ハーネス34を使用して接続する。
最後に、LEDユニット40Dのカソード側コネクタ412Dの2番ピンを、電源部22の第1コネクタ221のカソード端子221Kに接続する。
【0043】
図7に示すように、電球色LED光源312の接続は、まず、電源部22の第2コネクタ222のアノード端子222Aに、LEDユニット40Aのアノード側コネクタ411Aの1番ピンを接続する。
次に、LEDユニット40Aのカソード側コネクタ412Aの3番ピンと、LEDユニット40Bのアノード側コネクタ411Bの1番ピンを接続する。
【0044】
以下、同様にLEDユニット40B、40C、40Dを接続する。
LEDユニット40A、40B、40C、40Dの間は、ハーネス34を使用して接続されている。
最後に、LEDユニット40Dのカソード側コネクタ412Dの3番ピンを、電源部22の第2コネクタ222のカソード端子222Kに接続する。
【0045】
以上、説明した本発明に係る第2実施形態のLEDユニット40および照明器具10Bによれば、アノード側コネクタ411およびカソード側コネクタ412に同じコネクタを用いた。そして、アノード側コネクタ411とカソード側コネクタ412とで、使用するピン番号が異なるようにしたので、組み立て時の誤接続が防止できる。
これにより、LEDユニット40の品種を一つにすることができ、製造および管理面のコストを低減できる。
なお、アノード側コネクタ411の色と、カソード側コネクタ412の色を変えることにより、一層、誤接続を防止できる。
【0046】
なお、本発明のLEDユニット30、40および照明器具10、10Bは、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
【符号の説明】
【0047】
10 照明器具
30 LEDユニット(照明装置)
31 LED光源
32 コネクタ
321 アノード側コネクタ(第1端子部)
322 カソード側コネクタ(第2端子部)
33 プリント基板(LED基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個以上のLED光源と、
前記LED光源のアノード側と電気的に接続されている第1端子部と、
前記LED光源のカソード側と電気的に接続されている第2端子部と、
前記LED光源と前記第1端子部と前記第2端子部とを実装するLED基板と、を有し、
前記第1端子部と前記第2端子部との外観が異なっている照明装置。
【請求項2】
少なくとも1個以上のLED光源と、
前記LED光源のアノード側と電気的に接続されている第1端子部と、
前記LED光源のカソード側と電気的に接続されている第2端子部と、
前記LED光源と前記第1端子部と前記第2端子部を実装するLED基板と、を有し、
前記第1端子部と前記第2端子部とが同じコネクタを使用しており、
前記LED光源の前記アノード側に接続している前記コネクタのピン番号と前記LED光源の前記カソード側に接続している前記コネクタのピン番号とが異なる照明装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明装置において、
前記第1端子部と前記第2端子部との外観色が異なっている照明装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載の照明装置において、
前記LED光源を少なくとも2台以上備えている照明装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちいずれか1項に記載の照明装置において、
前記LED光源を少なくとも2種類以上備える照明装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1項に記載の照明装置を用いた照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−93104(P2013−93104A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232618(P2011−232618)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】