説明

照明装置

【課題】光源モジュールを容易に着脱することが可能な照明装置を得る。
【解決手段】照明装置は、作動部20と、駆動回路30と、発光面を含み、作動部20に着脱可能に取り付けられる光源モジュール10Bとを備える。光源モジュール10Bは、発光位置に配置された状態で駆動回路30に駆動されることによって発光し、発光位置よりも光源モジュール10Bの発光面側に位置する着脱位置に配置された状態で作動部20に対して着脱される。作動部20は、作動部20に取り付けられた光源モジュール10Bを通して押圧される毎に、発光位置と着脱位置とに光源モジュール10Bを交互に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関し、特に、着脱可能な光源モジュールを備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2007−188647号公報(特許文献1)に開示されるように、着脱可能な光源モジュールを備える照明装置が知られている。このような照明装置においては、天井または壁面などに固定された取付器具に対して、光源モジュールが着脱可能に取り付けられる。光源モジュールは、所定の位置に配置され、その状態で駆動されることによって発光する。
【0003】
特開昭63−248001号公報(特許文献2)には、プッシュラッチ機構に関する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−188647号公報
【特許文献2】特開昭63−248001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のとおり、光源モジュールは、所定の位置に配置された状態で駆動されることによって発光する。光源モジュールは、外周が他の光源モジュール、壁面、または天井面などによって囲まれるように配置される場合がある。たとえば、複数の光源モジュールがマトリックス状に配置され、発光面同士が同一平面上において隣接するように配置されたとする。光源モジュールとこの光源モジュールに隣接する他の光源モジュールとの間の隙間が小さい場合、その隙間には手指または工具などが入りにくく、光源モジュールの着脱は困難になる。
【0006】
本発明は、光源モジュールの外周が他の光源モジュール、壁面、または天井面などによって囲まれるように配置された場合であっても、その光源モジュールを容易に着脱することが可能な照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に基づく照明装置は、作動部と、駆動回路と、発光面を含み、上記作動部に着脱可能に取り付けられる第1光源モジュールと、を備え、上記第1光源モジュールは、発光位置に配置された状態で上記駆動回路に駆動されることによって発光し、上記発光位置よりも上記第1光源モジュールの上記発光面側に位置する着脱位置に配置された状態で上記作動部に対して着脱され、上記作動部は、上記作動部に取り付けられた上記第1光源モジュールを通して押圧される毎に、上記発光位置と上記着脱位置とに上記第1光源モジュールを交互に移動させる。
【0008】
好ましくは、本発明に基づく上記の照明装置は、上記第1光源モジュールの外周を囲うように配置される第2光源モジュールをさらに備え、上記着脱位置に配置された上記第1光源モジュールは、上記第2光源モジュールに対して上記発光面側に突出している。
【0009】
好ましくは、上記第1光源モジュールが上記発光位置に配置された状態では、上記第1光源モジュールと上記駆動回路とは互いに電気的に接続されており、上記第1光源モジュールが上記着脱位置に配置された状態では、上記第1光源モジュールと上記駆動回路とは互いに電気的に分離されている。好ましくは、上記第1光源モジュールは、上記作動部に対して螺合することによって取り付けられる。
【0010】
好ましくは、上記第1光源モジュールは、上記作動部の移動方向に対して交差する方向に移動することによって、上記作動部に対して取り付けられる。好ましくは、上記第1光源モジュールの上記発光面とは反対側の面の外周には、面取り部が設けられている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、光源モジュールの外周が他の光源モジュール、壁面、または天井面などによって囲まれるように配置された場合であっても、その光源モジュールを容易に着脱することが可能な照明装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1における照明装置を示す平面図である。
【図2】図1におけるII−II線に沿った矢視断面図である。
【図3】実施の形態1における照明装置に備えられる光源モジュールを示す平面図である。
【図4】図3におけるIV−IV線に沿った矢視断面図である。
【図5】実施の形態1における照明装置に備えられる作動部を模式的に示す断面図である。
【図6】実施の形態1における照明装置の各光源モジュールが発光位置に配置された状態を示す断面図である。
【図7】実施の形態1における照明装置の光源モジュールが発光位置に配置された際の光源モジュールおよび作動部の様子を示す断面図である。
【図8】実施の形態1における照明装置の光源モジュールが発光位置に配置された際の作動部の様子を模式的に示す断面図である。
【図9】実施の形態1における照明装置から光源モジュールを取り外す際の光源モジュールおよび作動部の第1の動作を示す断面図である。
【図10】実施の形態1における照明装置から光源モジュールを取り外す際の作動部の第1の動作を示す断面図である。
【図11】実施の形態1における照明装置から光源モジュールを取り外す際の作動部の第2の動作を示す断面図である。
【図12】実施の形態1における照明装置から光源モジュールを取り外す際の作動部の第3の動作を示す断面図である。
【図13】実施の形態1における照明装置から光源モジュールを取り外す際の光源モジュールおよび作動部の第4の動作を示す断面図である。
【図14】実施の形態1における照明装置から光源モジュールを取り外す際の作動部の第4の動作を示す断面図である。
【図15】実施の形態1における照明装置の光源モジュールが着脱位置に配置された際の光源モジュールおよび作動部の様子を示す断面図である。
【図16】実施の形態1における照明装置の光源モジュールが着脱位置に配置された際の作動部の様子を示す断面図である。
【図17】実施の形態1における照明装置の各光源モジュールのうちの一つが着脱位置に配置され、その光源モジュールが取り外される際の様子を示す断面図である。
【図18】実施の形態1における照明装置の各光源モジュールのうちの一つが着脱位置に配置され、その光源モジュールが取り外される際の様子を示す平面図である。
【図19】実施の形態2における照明装置を示す断面図である。
【図20】実施の形態2における照明装置に用いられる接続部と作動シャフト(光源モジュールは着脱位置に位置している)とを示す断面図である。
【図21】実施の形態2における照明装置に用いられる接続部と作動シャフト(光源モジュールは発光位置に位置している)とを示す断面図である。
【図22】実施の形態3における照明装置を示す斜視図である。
【図23】実施の形態3における照明装置に備えられる光源モジュールを示す断面図である。
【図24】実施の形態4における照明装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に基づいた各実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。各実施の形態の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。各実施の形態の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
【0014】
[実施の形態1]
(照明装置100)
図1および図2を参照して、本実施の形態における照明装置100について説明する。図1は、照明装置100を示す平面図(発光面側から照明装置100を見上げた図)である。図2は、図1におけるII−II線に沿った矢視断面図である。
【0015】
図1および図2に示すように、照明装置100は、複数の光源モジュール10(10A〜10F)、作動部20(図2参照)、駆動回路30(図2参照)、および筐体40を備える。光源モジュール10(10A〜10F)の各々の発光面(図4における発光面16参照)同士は、略同一平面上に配置される。
【0016】
筐体40は、容器状に構成される。筐体40の周囲には、フランジ部42が設けられる。フランジ部42には、固定ねじ44が設けられる。フランジ部42および固定ねじ44を利用して、筐体40は天井50(図2参照)に取り付けられる。筐体40は、壁面などに取り付けられてもよい。
【0017】
作動部20は、複数の光源モジュール10(10A〜10F)に対して一つずつ設けられる。作動部20は、筐体40の内部から筐体40の外部に向かって貫通するように配置される。光源モジュール10(10A〜10F)は、作動部20の筐体40の外部に露出している方の端部に着脱可能に取り付けられる(詳細は後述する)。
【0018】
駆動回路30は、光源モジュール10(10A〜10F)を駆動するための電力を、光源モジュール10(10A〜10F)に対してそれぞれ供給する。
【0019】
(光源モジュール10(10B))
以下、図3および図4を参照して、光源モジュール10(10B)(第1光源モジュール)について説明する。光源モジュール10(10A)、および光源モジュール10(10C〜10F)は、光源モジュール10(10B)と同様に構成される。光源モジュール10(10A)、および光源モジュール10(10C〜10F)については、説明を繰り返さないものとする。
【0020】
図3に示すように、平面視における光源モジュール10(10B)の外形は、矩形状に形成される。光源モジュール10(10B)は、外周が、光源モジュール10(10A)、光源モジュール10(10C)、および光源モジュール10(10E)によって囲まれるように配置される。上述のとおり、光源モジュール10(10A,10C,10E)(第2光源モジュール)は、光源モジュール10(10B)と同様に構成される。
【0021】
図4に示すように、光源モジュール10(10B)は、有機EL(Organic Electroluminescence)を含む発光手段である。光源モジュール10(10B)は、透明基板11、陽極12、有機層13、陰極14、封止層15、発光面16、および枠体17を含む。陽極12、有機層13、および陰極14は、透明基板11の表面に順次積層される。
【0022】
透明基板11は、たとえば各種のガラス基板から構成される。透明基板11を構成する部材としては、PET(Polyethylene Terephthalate)またはポリカーボネイト等のフィルム基板が用いられてもよい。
【0023】
陽極12は、透明性を有する導電膜である。陽極12を形成するためには、スパッタリング法等などによって、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)等が透明基板11上に成膜される。フォトリソグラフィ法等によりITO膜が所定の形状にパターニングされることによって、陽極12が形成される。
【0024】
有機層13は、電力が供給されることによって光(可視光)を生成することができる。有機層13は、単層の発光層から構成されていてもよく、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、および電子輸送層などが順次積層されることによって構成されていてもよい。
【0025】
陰極14は、たとえばアルミニウム(AL)である。陰極14は、真空蒸着法等によって有機層13を覆うように形成される。陰極14を所定の形状にパターニングするために、真空蒸着の際にはマスクが用いられるとよい。
【0026】
封止層15は、絶縁性を有する。封止層15は、有機層13を水分等から保護するために形成される。封止層15は、たとえばガラス基板を用いて、周囲をエポキシ系の光硬化型接着剤で接着させることによって形成される。
【0027】
封止層15は、陽極12、有機層13、および陰極14の略全体を透明基板11上に封止する。陽極12の一部と陰極14の一部とは、電気的な接続のために、封止層15から露出している。発光面16は、透明基板11の下面(陽極12等が積層される側とは反対側の面)に形成される。
【0028】
透明基板11、陽極12、有機層13、陰極14、および封止層15は、枠体17の内部に配置される。枠体17は、外側から内側に向かって延在する延在部17Tを有する。延在部17Tによって、透明基板11、陽極12、有機層13、陰極14、および封止層15は、枠体17の内部において固定される。発光面16の縦横がたとえば数十cm×数十cmであるのに対して、延在部17Tの幅は、数mm程度となるように小さく形成されるとよい。
【0029】
枠体17の上面には、雄ねじ部18が設けられる。配線材33は、陽極12の封止層15から露出した部分に導電性ペーストなどによって接続されるとともに、雄ねじ部18の表面に取り出されている。配線材34は、陰極14の封止層15から露出した部分に導電性ペーストなどによって接続されるとともに、雄ねじ部18の側面に取り出されている。
【0030】
配線材33,34を陽極12および陰極14にそれぞれ接合するためには、導電性ペーストの代わりに、ACF(Anisotropic Conductive Film)によって接続される配線用のフレキシブル基板が用いられてもよい。
【0031】
陽極12と配線材33との電気接続部、および、陰極14と配線材34との電気接続部は、封止材(図示せず)によって封止されるとよい。封止材が設けられることによって、水分等の影響により、導電性ペースト若しくはACFが剥離したり、陽極12若しくは陰極14が腐食したりすることが防止される。封止材としては、光硬化性および熱硬化性を有するものとして、たとえばエポキシ樹脂若しくはシリコン樹脂等が利用されるとよい。
【0032】
光源モジュール10(10B)においては、配線材33および配線材34を通して陽極12および陰極14の間に交流電圧が印加されることによって、有機層13が発光する。有機層13において生成された光は、透明基板11(発光面16)側から外部に取り出される。
【0033】
(作動部20)
次に、図4および図5を参照して、作動部20について説明する。図4に示すように、作動部20は、筐体21、作動シャフト22、上方ストッパー部23、下方突起部24、回転部材25、環状バネ26、摺動溝形成部材27、および雌ねじ部28を含む。
【0034】
筐体21は、下方側が開口する有底筒状に形成されるとともに、筐体40に取り付けられる。作動シャフト22は、略棒状に形成される。作動シャフト22は、筐体21および筐体40を貫通するように設けられる。作動シャフト22の上方側は、筐体21に設けられた開口部の内周面によって摺動可能に支持される。作動シャフト22の下方側は、筐体40に設けられた開口部の内周面によって摺動可能に支持される。作動シャフト22の下端に、光源モジュール10(10B)の雄ねじ部18と相互に螺合可能な雌ねじ部28が設けられる。
【0035】
雌ねじ部28の内周面には、駆動回路30に接続された配線材31と、駆動回路30に接続された配線材32とがそれぞれ露出している。光源モジュール10(10B)の雄ねじ部18が雌ねじ部28に螺合することによって、配線材31は配線材34に電気的に接続され、配線材32は配線材33に電気的に接続される。駆動回路30と光源モジュール10(10B)の陽極12および陰極14とは、配線材31〜34を通して電気的に接続される。
【0036】
上方ストッパー部23および下方突起部24は、作動シャフト22と一体的に形成される。上方ストッパー部23および下方突起部24は、作動シャフト22が作動部20および筐体40に対して摺動する際、作動シャフト22と一体的に移動する。回転部材25は、環状に形成される。回転部材25は、作動シャフト22の外周を囲うように配置されるとともに、上方ストッパー部23と下方突起部24との間に配置される。
【0037】
回転部材25は、作動シャフト22に対して円周方向に回転することができる。一方で、回転部材25が上下方向に(図4紙面上下方向に)移動することに伴って、上方ストッパー部23および下方突起部24は回転部材25によって押圧され、作動シャフト22はその押圧力を受けて回転部材25とともに移動する。
【0038】
環状バネ26は、回転部材25と筐体21の底面との間に配置される。環状バネ26は、回転部材25が筐体21の底面から遠ざかるように回転部材25を付勢している。当該付勢は、下方突起部24にも作用している。環状バネ26によって、作動シャフト22は、常に筐体40側に変位しようとする方向に付勢されている。
【0039】
図5を参照して、摺動溝形成部材27は、筐体21の内壁に沿うように全体として筒状に形成され、作動シャフト22の外周を囲うように配置される。図5においては、摺動溝形成部材27の円周方向に展開した状態が模式的に図示されている。摺動溝形成部材27は、複数の発光位置形成用溝27Mと、複数の着脱位置形成用溝27Nとを有する。発光位置形成用溝27Mおよび着脱位置形成用溝27Nは、円周方向に沿って交互に配置される。発光位置形成用溝27Mの溝深さは、着脱位置形成用溝27Nの溝深さに比べて浅い。
【0040】
発光位置形成用溝27Mおよび着脱位置形成用溝27Nは、回転部材25に対向するように配置される。上述のとおり、回転部材25は、環状バネ26によって筐体40側に向かって付勢されている。回転部材25が上下方向に(図5紙面上下方向に)移動することによって、回転部材25は、発光位置形成用溝27Mに当接したり、着脱位置形成用溝27Nに当接したりする。
【0041】
発光位置形成用溝27Mは、上方ストッパー部23および下方突起部24に対向するようには配置されていない。発光位置形成用溝27Mは、上方ストッパー部23および下方突起部24よりも径方向の外側に配置される。上方ストッパー部23および下方突起部24が(図5紙面上下方向に)移動したとしても、上方ストッパー部23および下方突起部24は、発光位置形成用溝27Mの径方向の内側を通過し、発光位置形成用溝27Mに当接することはない。
【0042】
詳細な機能は後述されるが、下方突起部24の上方側(回転部材25側)には、傾斜部24Sが設けられる。回転部材25の下方側(下方突起部24側)には、傾斜部25Sが設けられる。発光位置形成用溝27Mと着脱位置形成用溝27Nとの間にも、傾斜部27Sが設けられる。
【0043】
(照明装置100の動作)
図6は、光源モジュール10(10A〜10C)および光源モジュール10(10D〜10F)(図1等参照)が、発光位置P1に配置された状態を示す断面図である。光源モジュール10(10A〜10F)は、発光位置P1に配置された状態で駆動回路30によって駆動されることにより発光する。発光位置P1に配置された光源モジュール10(10B)は、光源モジュール10(10A)および光源モジュール10(10C)などによって外周を囲まれている。
【0044】
照明装置100においては、いわゆる狭額縁構造を得るため、発光面同士が同一平面上において隣接するように配置されるとともに、光源モジュール10(10A〜10F)同士は互いに密着するように配置される。光源モジュール10(10A〜10F)が発光位置P1に配置された状態においては、光源モジュール10(10B)と光源モジュール10(10A,10C)等との間の隙間は、極めて小さい。
【0045】
図7は、発光位置P1に配置された光源モジュール10(10B)を示す断面図である。図8は、光源モジュール10(10B)が発光位置P1に配置されている際の作動部20の様子を模式的に示す断面図である。
【0046】
図7および図8に示すように、光源モジュール10(10B)が発光位置P1に配置された状態では、回転部材25は、摺動溝形成部材27の発光位置形成用溝27M(図8参照)上に当接している。換言すると、回転部材25は、発光位置形成用溝27Mに係止しており、回転部材25は、環状バネ26によって発光位置形成用溝27M(図8参照)上に押し当てられている。作動シャフト22の上下方向の移動は、上方ストッパー部23および下方突起部24の間に回転部材25が配置されていることによって、環状バネ26の弾性力(付勢力)の範囲内で規制されている。
【0047】
この状態で、光源モジュール10(10B)を交換する必要が生じたとする。この場合、作動部20は、作動部20に取り付けられた光源モジュール10(10B)を通して押圧される(矢印DR1参照)。以下、光源モジュール10(10B)が交換される際の動作について順に説明する。
【0048】
図9および図10を参照して、光源モジュール10(10B)は、押圧されることによって作動シャフト22を押し上げる(矢印DR2参照)。下方突起部24は、作動シャフト22と一体的に移動し、環状バネ26の弾性力に対抗して、回転部材25を押し上げる。回転部材25は、発光位置形成用溝27Mから離れる。回転部材25と発光位置形成用溝27Mとの相互の係止状態は解除される。回転部材25による押圧力を受けて、環状バネ26は収縮する。その後、回転部材25は、発光位置形成用溝27Mから抜け出す(図10に示す状態)。
【0049】
図11を参照して、回転部材25が発光位置形成用溝27Mの上端部から抜け出した後、環状バネ26の復元力の作用によって、回転部材25は、回転部材25の傾斜部25Sと下方突起部24の傾斜部24Sとを互いに摺接させつつ、摺動溝形成部材27の傾斜部27Sの表面を滑り落ちるように下降移動する(矢印DR3参照)。この際、回転部材25は全体として作動シャフト22周りに回転する。
【0050】
図12を参照して、回転部材25は、環状バネ26の復元力の作用によって、下方突起部24に当接するまで下降移動および回転する(矢印DR4参照)。回転部材25は、下方突起部24に当接した後、下降移動および回転を停止する(図12に示す状態)。回転部材25は、隣り合う下方突起部24同士の間であって、摺動溝形成部材27の傾斜部27Sの上に停止する。
【0051】
図13および図14を参照して、次に、光源モジュール10(10B)に対する押圧が開放される。光源モジュール10(10B)および作動シャフト22は、環状バネ26の復元力(およびこれらの自重)によって、矢印DR5方向に下降移動する。環状バネ26は、徐々に伸長する。
【0052】
図14に示すように、環状バネ26が伸長する際、回転部材25は、着脱位置形成用溝27Nと対向する位地に配置されている。回転部材25は、作動シャフト22の移動に合わせて矢印DR5方向に下降移動する。下方突起部24および上方ストッパー部23は、発光位置形成用溝27Mの内側において発光位置形成用溝27Mをかわすように、矢印DR5方向に下降移動する(図14に示す状態)。
【0053】
図15は、着脱位置P2に配置された光源モジュール10(10B)を示す断面図である。図16は、光源モジュール10(10B)が着脱位置P2に配置されている際の作動部20の様子を模式的に示す断面図である。着脱位置P2は、発光位置P1よりも光源モジュール10(10B)の発光面16側に位置している。
【0054】
図15および図16に示すように、着脱位置形成用溝27N内に配置された下方突起部24は、着脱位置形成用溝27Nの底面に当接するまで下降移動する。下方突起部24が着脱位置形成用溝27Nの底面に当接することによって、作動シャフト22の下降移動が停止するとともに、光源モジュール10(10B)の下降移動も停止する(図15および図16に示す状態)。光源モジュール10(10B)は、着脱位置P2に配置される。
【0055】
光源モジュール10(10B)が着脱位置P2に配置された状態においては、光源モジュール10(10B)の裏面10P(図15参照)の位置は、光源モジュール10(10A,10C)などの最下端位置10Q(図15参照)の位置よりも、発光面16側に位置している。光源モジュール10(10B)の裏面10Pと光源モジュール10(10A,10C)などの最下端位置10Qとの間には、隙間が形成されている。光源モジュール10(10B)は、光源モジュール10(10A,10C)などの最下端位置10Qの位置から突出している。
【0056】
図17および図18を参照して、光源モジュール10(10B)は、着脱位置P2に配置された状態で、矢印DR6方向に回転される。光源モジュール10(10B)は、光源モジュール10(10A,10C〜10F)に対して突出するように配置されているため、容易に回転されることができる。光源モジュール10(10B)が回転され続けることによって、雄ねじ部18および雌ねじ部28が互いに離れる。光源モジュール10(10B)は、作動部20(作動シャフト22)から取り外される。光源モジュール10(10B)は、新しいものに交換される。
【0057】
新しい光源モジュールが作動部20に取り付けられた後、作動部20は、再びその光源モジュールを通して押圧される。作動シャフト22は、回転部材25が発光位置形成用溝27Mに係止するまで上記と逆の動作をする。その新しい光源モジュールは、発光位置P1に配置され、再び他の光源モジュール10(10A,10C〜10F)と面一の状態で発光することが可能となる。
【0058】
(作用・効果)
作動部20は、作動部20に取り付けられた光源モジュール10(10B)を通して押圧される毎に、発光位置P1と着脱位置P2とに光源モジュール10(10B)を交互に移動させる。光源モジュール10(10B)は、発光位置P1においては他の光源モジュール10(10A,10C)などによって囲まれており、これらの他の光源モジュール10(10A,10C)と同様に発光することができる。光源モジュール10(10B)は、作動部20に対して行なわれる押圧操作のみによって発光位置P1から着脱位置P2に配置されることができる。光源モジュール10(10B)は、着脱位置P2に配置された状態で容易に着脱されることができる。
【0059】
光源モジュール10(10B)を備えた照明装置100によれば、外周が他の光源モジュール、壁面、または天井面などによって囲まれるように光源モジュール10(10B)が配置される場合であっても、その光源モジュール10(10B)は、作動部20によって発光位置P1から着脱位置P2に移動されることによって、容易に交換されることができる。光源モジュール10(10B)を備えた照明装置100によれば、光源モジュール10(10B)を交換する上での利便性を向上させることができる。
【0060】
本実施の形態においては、照明装置100が天井に取り付けられるという態様に基づいて説明したが、照明装置100が壁面に取り付けられる場合でも同様の作用および効果を得ることができる。照明装置100においては、光源モジュール10(10B)と光源モジュール10(10A,10C〜10F)とが同様に構成される。したがって、照明装置100においては、光源モジュール10(10B)以外にも、光源モジュール10(10A,10C〜10F)についても光源モジュール10(10B)と同様の作用および効果を得ることが可能である。
【0061】
照明装置100は、光源モジュール10(10B)のみを備えており、光源モジュール10(10B)の周囲が筐体40によって囲まれるように構成されていてもよい。この場合であっても、光源モジュール10(10B)が作動部20によって発光位置P1と着脱位置P2とに交互に配置されることによって、光源モジュール10(10B)は容易に交換されることができる。
【0062】
[実施の形態2]
図19〜図21を参照して、本実施の形態における照明装置101について説明する。上述の実施の形態1における照明装置100は、複数の光源モジュール10(10A〜10C)と駆動回路30とが常時接続されている。
【0063】
図19に示すように、照明装置101は、作動シャフト22が嵌め込まれる接続部41を有する。接続部41は、天井50または筐体40に固定される。
【0064】
図20に示すように、接続部41の内部には、板ばね状に形成される配線材31,32が設けられる。作動シャフト22の上端に、配線材31に対向する配線材33と、配線材32に対向する配線材34とが設けられる。
【0065】
照明装置101においては、光源モジュール10(10B)が着脱位置P2に配置されている状態では、配線材33と配線材31とは互いに電気的に分離されており、配線材34と配線材32とも互いに電気的に分離されている。光源モジュール10(10B)を交換する際、光源モジュール10(10B)には駆動電力が供給されないため、光源モジュール10(10B)を交換する上での安全性が高い。
【0066】
図21を参照して、光源モジュール10(10B)が発光位置P1に配置されている状態では、配線材33と配線材31とは互いに電気的に接続されるとともに、配線材34と配線材32とも互いに電気的に接続される。光源モジュール10(10B)が発光位置P1に配置されている状態では、光源モジュール10(10B)は駆動回路30から電力を供給されることによって発光することができる。
【0067】
[実施の形態3]
図22および図23を参照して、本実施の形態における照明装置102について説明する。上述の実施の形態1における照明装置100は、雄ねじ部18と雌ねじ部28とが互いに螺合する。
【0068】
図23に示すように、照明装置102においては、光源モジュール10(10B)の上面に、取付片18Aが設けられる。取付片18Aの表面には、配線材33および配線材34が露出している。
【0069】
図22および図23に示すように、作動シャフト22の下端には、取付片18Aの形状に対応した取付部28Aが設けられる。取付片18Aは、作動部20の下降移動方向に対して交差する方向に沿って、取付部28Aの内部に滑り込むように嵌め込まれる(矢印DR7参照)。取付部28Aの内部にも、配線材33および配線材34に対応する配線材(図示せず)がそれぞれ露出している。
【0070】
取付片18Aが取付部28Aに嵌め込まれることによって、これらの各配線材は、互いに電気的に接続される。当該構成によっても、着脱位置P2にある光源モジュール10(10B)は、下降移動している作動部20(作動シャフト22)に対して容易に着脱されることが可能である。
【0071】
図22および図23に示す光源モジュール10(10B)のように、光源モジュール10(10B)の発光面16(図23参照)とは反対側の面の外周には、面取り部19が設けられていてもよい。面取り部19が設けられていることによって、光源モジュール10(10B)を作動部20に対して着脱する際、手指などによる取り扱い性が向上する。面取り部19によって、他の機器への接触も避けられる。面取り部19を設けるという構成は、上述の実施の形態1,2における光源モジュール10(10B)にも適用可能である。
【0072】
[実施の形態4]
図24を参照して、上述の各実施の形態においては、作動シャフト22およびその下端部に対して光源モジュール10(10B)を着脱するという構成に基づいて説明した。
【0073】
図24に示すように、作動シャフト22の下端に、筐体70が作動シャフト22と一体的に設けられてもよい。この場合、光源モジュール10(10B)の外周には、筐体70の内周面の形状に対応した筐体72が設けられる。
【0074】
光源モジュール10(10B)が交換される際、作動シャフト22は、光源モジュール10(10B)の裏面72Pが、光源モジュール10(10A,10C)などの最下端位置10Qの位置よりも発光面16側に位置するように、筐体70および光源モジュール10(10B)を下降移動させる。当該構成によっても、光源モジュール10(10B)が作動部20によって発光位置P1と着脱位置P2とに交互に配置されることによって、光源モジュール10(10B)は容易に交換されることができる。
【0075】
以上、本発明に基づいた各実施の形態について説明したが、今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0076】
10,10D,10E 光源モジュール、10B 第1光源モジュール、10A,10C,10F 第2光源モジュール、10P,72P 裏面、10Q 最下端位置、11 透明基板、12 陽極、13 有機層、14 陰極、15 封止層、16 発光面、17 枠体、17T 延在部、18 雄ねじ部、18A 取付片、19 面取り部、20 作動部、21,40,70,72 筐体、22 作動シャフト、23 上方ストッパー部、24 下方突起部、24S,25S,27S 傾斜部、25 回転部材、26 環状バネ、27 摺動溝形成部材、27M 発光位置形成用溝、27N 着脱位置形成用溝、28 雌ねじ部、28A 取付部、30 駆動回路、31,32,33,34 配線材、41 接続部、42 フランジ部、44 固定ねじ、50 天井、100,101,102 照明装置、DR1,DR2,DR3,DR4,DR5,DR6,DR7 矢印、P1 発光位置、P2 着脱位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動部と、
駆動回路と、
発光面を含み、前記作動部に着脱可能に取り付けられる第1光源モジュールと、を備え、
前記第1光源モジュールは、発光位置に配置された状態で前記駆動回路に駆動されることによって発光し、前記発光位置よりも前記第1光源モジュールの前記発光面側に位置する着脱位置に配置された状態で前記作動部に対して着脱され、
前記作動部は、前記作動部に取り付けられた前記第1光源モジュールを通して押圧される毎に、前記発光位置と前記着脱位置とに前記第1光源モジュールを交互に移動させる、
照明装置。
【請求項2】
前記第1光源モジュールの外周を囲うように配置される第2光源モジュールをさらに備え、
前記着脱位置に配置された前記第1光源モジュールは、前記第2光源モジュールに対して前記発光面側に突出している、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記第1光源モジュールが前記発光位置に配置された状態では、前記第1光源モジュールと前記駆動回路とは互いに電気的に接続されており、
前記第1光源モジュールが前記着脱位置に配置された状態では、前記第1光源モジュールと前記駆動回路とは互いに電気的に分離されている、
請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1光源モジュールは、前記作動部に対して螺合することによって取り付けられる、
請求項1から3のいずれかに記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1光源モジュールは、前記作動部の移動方向に対して交差する方向に移動することによって、前記作動部に対して取り付けられる、
請求項1から3のいずれかに記載の照明装置。
【請求項6】
前記第1光源モジュールの前記発光面とは反対側の面の外周には、面取り部が設けられている、
請求項1から5のいずれかに記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−65520(P2013−65520A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204669(P2011−204669)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】