説明

熱処理板の温度設定方法,熱処理板の温度設定装置,プログラム及びプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】 レジストパターンの線幅がウェハ面内で均一に形成されるように,熱板の温度設定を行う。
【解決手段】 PEB装置の熱板は,複数の熱板領域R〜Rに分割されており,各熱板領域R〜R毎に温度設定できる。熱板の各熱板領域R〜Rには,熱板に載置されるウェハ面内の温度を調整するための温度補正値がそれぞれ設定される。この熱板の各熱板領域R〜Rの温度補正値は,熱処理されるウェハの各反り量,反り形状に対応する最適温度補正値を示す温度補正テーブルMにより導出されて設定される。温度補正テーブルMには,ウェハの各反り量,反り形状に対して,最終的に形成される線幅がウェハ面内で均一になるような最適温度補正値が定められている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,熱処理板の温度設定方法,熱処理板の温度設定装置,プログラム及びプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体デバイスの製造におけるフォトリソグラフィー工程では,例えばウェハ上にレジスト液を塗布しレジスト膜を形成するレジスト塗布処理,レジスト膜を所定のパターンに露光する露光処理,露光後にレジスト膜内の化学反応を促進させる加熱処理(ポストエクスポージャーベーキング),露光されたレジスト膜を現像する現像処理などが順次行われ,ウェハ上に所定のレジストパターンが形成される。
【0003】
例えば上述のポストエクスポージャーベーキングなどの加熱処理は,通常加熱処理装置で行われている。加熱処理装置は,ウェハを載置して加熱する熱板を備えている。熱板には,例えば給電により発熱するヒータが内蔵されており,このヒータによる発熱により熱板は所定温度に調整されている。
【0004】
上述の加熱処理における熱処理温度は,最終的にウェハ上に形成されるレジストパターンの線幅に大きな影響を与える。そこで,加熱時のウェハ面内の温度を厳格に制御するために,上述の加熱処理装置の熱板は,複数の領域に分割され,各領域毎に独立したヒータが内蔵され,各領域毎に温度調整されている。
【0005】
ところで,熱板上で処理されるウェハには,反りがあるものがある。反りのあるウェハは,熱処理時に熱板の熱がウェハに均一に伝達されず,ウェハが部分的に適正な温度で加熱されなくなる。かかる場合,最終的にウェハ上に形成されるレジストパターンの線幅がばらつくことになる。そこで,熱板の各領域の設定温度を,ウェハの反りに応じて温度補正することが提案されている(例えば,特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】特許3325833号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら,従来の熱板の各領域の設定温度は,熱板上に載置されるウェハの面内温度が均一になるように温度補正されていたが,実際このように各領域の温度設定を行った場合,最終的にウェハ上に形成されるレジストパターンの線幅がウェハ面内で均一にならない場合があった。
【0008】
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,レジストパターンの線幅がウェハなどの基板面内で均一に形成されるように,熱板などの熱処理板の温度設定を行うことをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために,本発明は,基板を載置して熱処理する熱処理板の温度設定方法であって,前記熱処理は,基板上にレジストパターンを形成するフォトリソグラフィー工程において行われるものであり,前記熱処理板は,複数の領域に区画され,当該領域毎に温度設定され,さらに,前記熱処理板の各領域毎に,熱処理板上の基板の面内温度を調整するための温度補正値が設定され,熱処理される基板の反り量と反り形状が測定され,当該基板の反り量と反り形状の測定結果に基づいて,前記レジストパターンの線幅が基板面内で均一に形成されるように前記各領域の温度補正値が設定されることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば,熱処理板の各領域の温度補正値が,基板の反りの測定結果に基づいて,レジストパターンの線幅が基板面内で均一になるように設定される。この結果,熱処理板における熱処理を通じて形成されたレジストパターンが基板面内において均一に形成される。
【0011】
基板の各反り量,反り形状に対応する前記各領域の最適温度補正値を定めた温度補正テーブルが作成され,前記基板の反り量と反り形状の測定結果に基づいて,前記温度補正テーブルにより前記各領域の温度補正値が設定されるようにしてもよい。
【0012】
前記温度補正テーブルは,少なくとも熱処理温度とレジスト液の種類の組み合わせにより定まる処理レシピ毎に作成されてもよい。
【0013】
基板の反り量と前記各領域の最適温度補正値との関係式が基板の各反り形状毎に求められ,前記基板の反り量と反り形状の測定結果に基づいて,前記関係式により前記各領域の温度補正値が設定されるようにしてもよい。
【0014】
前記関係式は,少なくとも熱処理温度とレジスト液の種類の組み合わせにより定まる処理レシピ毎に求められていてもよい。
【0015】
前記熱処理の前に,基板の反り量と反り形状が測定され,前記各領域の温度補正値が設定されてもよく,また,前記熱処理中に,基板の反り量と反り形状が測定され,前記各領域の温度補正値が設定されてもよい。
【0016】
前記熱処理は,露光処理後で現像処理前に行われる加熱処理であってもよい。
【0017】
別の観点による本発明は,基板を載置して熱処理する熱処理板の温度設定装置であって,前記熱処理は,基板上にレジストパターンを形成するフォトリソグラフィー工程において行われるものであり,前記熱処理板は,複数の領域に区画され,当該領域毎に温度設定され,さらに,前記熱処理板の各領域毎に,熱処理板上の基板の面内温度を調整するための温度補正値が設定されており,前記各領域の温度補正値は,熱処理される基板の反り量と反り形状に基づいて,前記レジストパターンの線幅が基板面内で均一に形成されるように設定されていることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば,熱処理板の各領域の温度補正値が,基板の反りの測定結果に基づいて,レジストパターンの線幅が基板面内で均一になるように設定される。この結果,熱処理板における熱処理を通じて形成されたレジストパターンが基板面内において均一に形成される。
【0019】
前記温度設定装置は,基板の各反り量,反り形状に対応する前記各領域の最適温度補正値を定めた温度補正テーブルを備え,前記基板の反り量と反り形状に基づいて,前記温度補正テーブルにより前記各領域の温度補正値が設定されるようにしてもよい。また,前記温度補正テーブルは,少なくとも熱処理温度とレジスト液の種類の組み合わせにより定まる処理レシピ毎に備えられていてもよい。
【0020】
前記温度設定装置は,基板の反り量と前記各領域の最適温度補正値との関係式を基板の各反り形状毎に備え,前記基板の反り量と反り形状に基づいて,前記関係式により前記各領域の温度補正値が設定されるようにしてもよい。なお,前記関係式は,少なくとも熱処理温度とレジスト液の種類の組み合わせにより定まる処理レシピ毎に備えられていてもよい。
【0021】
前記熱処理の前の基板の反り量と反り形状に基づいて,前記熱処理の前に前記各領域の温度補正値が設定されてもよい。また,前記熱処理中の基板の反り量と反り形状の状態に基づいて,前記熱処理中に前記各領域の温度補正値が設定されてもよい。
【0022】
前記熱処理は,露光処理後で現像処理前に行われる加熱処理であってもよい。
【0023】
別の観点による本発明によれば,請求項9〜16のいずれかに記載の熱処理板の温度設定装置の機能を,コンピュータに実現させるためのプログラムが提供される。
【0024】
別の観点による本発明によれば,請求項9〜16のいずれかに記載の熱処理板の温度設定装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば,最終的に基板上に形成されるレジストパターンの線幅の基板面内の均一性が確保されるので,歩留まりの向上が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下,本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は,本実施の形態にかかる熱処理板の温度設定装置が備えられた塗布現像処理システム1の構成の概略を示す平面図であり,図2は,塗布現像処理システム1の正面図であり,図3は,塗布現像処理システム1の背面図である。
【0027】
塗布現像処理システム1は,図1に示すように例えば25枚のウェハWをカセット単位で外部から塗布現像処理システム1に対して搬入出したり,カセットCに対してウェハWを搬入出したりするカセットステーション2と,フォトリソグラフィー工程の中で枚葉式に所定の処理を施す複数の各種処理装置を多段に配置している処理ステーション3と,この処理ステーション3に隣接して設けられている図示しない露光装置との間でウェハWの受け渡しをするインターフェイス部4とを一体に接続した構成を有している。
【0028】
カセットステーション2には,カセット載置台5が設けられ,当該カセット載置台5は,複数のカセットCをX方向(図1中の上下方向)に一列に載置自在になっている。カセットステーション2には,搬送路6上をX方向に向かって移動可能なウェハ搬送体7が設けられている。ウェハ搬送体7は,カセットCに収容されたウェハWのウェハ配列方向(Z方向;鉛直方向)にも移動自在であり,X方向に配列された各カセットC内のウェハWに対して選択的にアクセスできる。
【0029】
ウェハ搬送体7は,Z軸周りのθ方向に回転可能であり,後述する処理ステーション3側の第3の処理装置群G3に属する温調装置60やトランジション装置61に対してもアクセスできる。
【0030】
カセットステーション2に隣接する処理ステーション3は,複数の処理装置が多段に配置された,例えば5つの処理装置群G1〜G5を備えている。処理ステーション3のX方向負方向(図1中の下方向)側には,カセットステーション2側から第1の処理装置群G1,第2の処理装置群G2が順に配置されている。処理ステーション3のX方向正方向(図1中の上方向)側には,カセットステーション2側から第3の処理装置群G3,第4の処理装置群G4及び第5の処理装置群G5が順に配置されている。第3の処理装置群G3と第4の処理装置群G4の間には,第1の搬送装置10が設けられている。第1の搬送装置10は,第1の処理装置群G1,第3の処理装置群G3及び第4の処理装置群G4内の各処理装置に選択的にアクセスしてウェハWを搬送できる。第4の処理装置群G4と第5の処理装置群G5の間には,第2の搬送装置11が設けられている。第2の搬送装置11は,第2の処理装置群G2,第4の処理装置群G4及び第5の処理装置群G5内の各処理装置に選択的にアクセスしてウェハWを搬送できる。
【0031】
図2に示すように第1の処理装置群G1には,ウェハWに所定の液体を供給して処理を行う液処理装置,例えばウェハWにレジスト液を塗布するレジスト塗布装置20,21,22,露光処理時の光の反射を防止する反射防止膜を形成するボトムコーティング装置23,24が下から順に5段に重ねられている。第2の処理装置群G2には,液処理装置,例えばウェハWに現像液を供給して現像処理する現像処理装置30〜34が下から順に5段に重ねられている。また,第1の処理装置群G1及び第2の処理装置群G2の最下段には,各処理装置群G1,G2内の液処理装置に各種処理液を供給するためのケミカル室40,41がそれぞれ設けられている。
【0032】
例えば図3に示すように第3の処理装置群G3には,温調装置60,ウェハWの受け渡しを行うためのトランジション装置61,精度の高い温度管理下でウェハWを温度調節する高精度温調装置62〜64及びウェハWを高温で加熱処理する高温度熱処理装置65〜68が下から順に9段に重ねられている。
【0033】
第4の処理装置群G4では,例えば高精度温調装置70,レジスト塗布処理後のウェハWを加熱処理するプリベーキング装置71〜74及び現像処理後のウェハWを加熱処理するポストベーキング装置75〜79が下から順に10段に重ねられている。
【0034】
第5の処理装置群G5では,ウェハWを熱処理する複数の熱処理装置,例えば高精度温調装置80〜83,露光後のウェハWを加熱処理する複数のポストエクスポージャーベーキング装置(以下「PEB装置」とする。)84〜87,ウェハの反りを測定する反り測定装置88,89が下から順に10段に重ねられている。
【0035】
図1に示すように第1の搬送装置10のX方向正方向側には,複数の処理装置が配置されており,例えば図3に示すようにウェハWを疎水化処理するためのアドヒージョン装置90,91,ウェハWを加熱する加熱装置92,93が下から順に4段に重ねられている。図1に示すように第2の搬送装置11のX方向正方向側には,例えばウェハWのエッジ部のみを選択的に露光する周辺露光装置94が配置されている。
【0036】
インターフェイス部4には,例えば図1に示すようにX方向に向けて延伸する搬送路100上を移動するウェハ搬送体101と,バッファカセット102が設けられている。ウェハ搬送体101は,Z方向に移動可能でかつθ方向にも回転可能であり,インターフェイス部4に隣接した図示しない露光装置と,バッファカセット102及び第5の処理装置群G5に対してアクセスしてウェハWを搬送できる。
【0037】
次に,上述の反り測定装置88,89の構成について説明する。例えば反り測定装置88は,図4に示すようにウェハWを水平に支持する複数の支持ピン110を備えている。支持ピン110は,例えばシリンダなどを備えた駆動機構111により昇降自在に構成されている。支持ピン110に支持されたウェハWの上方には,例えばレーザ変位計112の2つのレーザ照射部113,114が設けられている。第1のレーザ照射部113は,ウェハWの中央部の上方に配置され,ウェハWの中央部に対してレーザ光を照射し,その反射光を受光できる。第2のレーザ照射部114は,ウェハWの外周部の上方に配置され,ウェハWの外周部に対してレーザ光を照射し,その反射光を受光できる。各レーザ照射部113,114の受光情報は,レーザ変位計112の測定部115に出力され,測定部115は,受光情報に基づいて,ウェハWの中心部と外周部との高低差dを算出し,ウェハWの反り量と反り形状を測定できる。なお,高低差dがそのまま反り量になる。また反り形状は,ウェハWの外周部が中心部よりも高い場合に凸形状となり,ウェハWの中心部が外周部よりも高い場合に凹形状となる。反り測定装置89は,反り測定装置88と同様の構成を有するので,説明を省略する。
【0038】
この塗布現像処理システム1では,先ず,ウェハ搬送体7によって,カセット載置台5上のカセットCから未処理のウェハWが一枚取り出され,第3の処理装置群G3の温調装置60に搬送される。温調装置60に搬送されたウェハWは,所定温度に温度調節され,その後第1の搬送装置10によってボトムコーティング装置23に搬送され,反射防止膜が形成される。反射防止膜が形成されたウェハWは,第1の搬送装置10によって加熱装置92,高温度熱処理装置65,高精度温調装置70に順次搬送され,各装置で所定の処理が施される。その後ウェハWは,レジスト塗布装置20に搬送され,ウェハW上にレジスト膜が形成された後,第1の搬送装置10によってプリベーキング装置71に搬送され,続いて第2の搬送装置11によって周辺露光装置94,高精度温調装置83に順次搬送されて,各装置において所定の処理が施される。その後,ウェハWは,インターフェイス部4のウェハ搬送体101によって図示しない露光装置に搬送され,露光される。露光処理の終了したウェハWは,ウェハ搬送体101によって例えば反り測定装置88に搬送され,反りが測定された後,PEB装置84に搬送され,ポストエクスポージャーベーキングが施される。次にウェハWは,第2の搬送装置11によって高精度温調装置81に搬送されて温度調節され,その後現像処理装置30に搬送され,ウェハW上のレジスト膜が現像される。その後ウェハWは,第2の搬送装置11によってポストベーキング装置75に搬送され,加熱処理が施された後,高精度温調装置63に搬送され温度調節される。そしてウェハWは,第1の搬送装置10によってトランジション装置61に搬送され,ウェハ搬送体7によってカセットCに戻されて一連のフォトリソグラフィー工程が終了する。
【0039】
次に,上述したPEB装置84の構成について説明する。PEB装置84は,図5及び図6に示すように筐体120内に,ウェハWを加熱処理する加熱部121と,ウェハWを冷却処理する冷却部122を備えている。
【0040】
加熱部121は,図5に示すように上側に位置して上下動自在な蓋体130と,下側に位置して蓋体130と一体となって処理室Sを形成する熱板収容部131を備えている。
【0041】
蓋体130は,中心部に向かって次第に高くなる略円錐状の形態を有し,頂上部には,排気部130aが設けられている。処理室S内の雰囲気は,排気部130aから均一に排気される。
【0042】
熱板収容部131の中央には,ウェハWを載置して加熱する熱処理板としての熱板140が設けられている。熱板140は,厚みのある略円盤形状を有している。
【0043】
熱板140は,図7に示すように複数,例えば5つの熱板領域R,R,R,R,Rに区画されている。熱板140は,例えば平面から見て中心部に位置して円形の熱板領域Rと,その周囲を円弧状に4等分した熱板領域R〜Rに区画されている。
【0044】
熱板140の各熱板領域R〜Rには,給電により発熱するヒータ141が個別に内蔵され,各熱板領域R〜R毎に加熱できる。各熱板領域R〜Rのヒータ141の発熱量は,温度制御装置142により調整されている。温度制御装置142は,ヒータ141の発熱量を調整して,各熱板領域R〜Rの温度を所定の設定温度に制御できる。温度制御装置142における温度設定は,例えば後述する温度設定装置190により行われる。
【0045】
図5に示すように熱板140の下方には,ウェハWを下方から支持して昇降させるための第1の昇降ピン150が設けられている。第1の昇降ピン150は,昇降駆動機構151により上下動できる。熱板140の中央部付近には,熱板140を厚み方向に貫通する貫通孔152が形成されている。第1の昇降ピン150は,熱板140の下方から上昇して貫通孔152を通過し,熱板140の上方に突出できる。
【0046】
熱板収容部131は,熱板140を収容して熱板140の外周部を保持する環状の保持部材160と,その保持部材160の外周を囲む略筒状のサポートリング161を有している。サポートリング161の上面には,処理室S内に向けて例えば不活性ガスを噴出する吹き出し口161aが形成されている。この吹き出し口161aから不活性ガスを噴出することにより,処理室S内をパージすることができる。また,サポートリング161の外方には,熱板収容部131の外周となる円筒状のケース162が設けられている。
【0047】
加熱部121に隣接する冷却部122には,例えばウェハWを載置して冷却する冷却板170が設けられている。冷却板170は,例えば図6に示すように略方形の平板形状を有し,加熱部121側の端面が円弧状に湾曲している。図5に示すように冷却板170の内部には,例えばペルチェ素子などの冷却部材170aが内蔵されており,冷却板170を所定の設定温度に調整できる。
【0048】
冷却板170は,加熱部121側に向かって延伸するレール171に取付けられている。冷却板170は,駆動部172によりレール171上を移動できる。冷却板170は,加熱部121側の熱板140の上方まで移動できる。
【0049】
冷却板170には,例えば図6に示すようにX方向に沿った2本のスリット173が形成されている。スリット173は,冷却板170の加熱部121側の端面から冷却板170の中央部付近まで形成されている。このスリット173により,加熱室121側に移動した冷却板170と熱板140上に突出した第1の昇降ピン150との干渉が防止される。図5に示すように冷却部122内のスリット173の下方には,第2の昇降ピン174が設けられている。第2の昇降ピン174は,昇降駆動部175によって昇降できる。第2の昇降ピン174は,冷却板170の下方から上昇してスリット173を通過し,冷却板170の上方に突出できる。
【0050】
図6に示すように冷却板170を挟んだ筐体120の両側面には,ウェハWを搬入出するための搬入出口180が形成されている。
【0051】
以上のように構成されたPEB装置84では,先ず,搬入出口180からウェハWが搬入され,冷却板170上に載置される。続いて冷却板170が移動して,ウェハWが熱板140の上方に移動される。第1の昇降ピン150によって,ウェハWが熱板140上に載置されて,ウェハWが加熱される。そして,所定時間経過後,ウェハWが再び熱板140から冷却板170に受け渡され冷却され,当該冷却板170から搬入出口180を通じてPEB装置84の外部に搬出されて一連の熱処理が終了する。
【0052】
次に,上記PEB装置84の熱板140の温度設定を行う温度設定装置190の構成について説明する。例えば温度設定装置190は,例えばCPUやメモリなどを備えた汎用コンピュータにより構成され,例えば図5及び図7に示すように熱板140の温度制御装置142に接続されている。
【0053】
温度設定装置190は,例えば図8に示すように各種プログラムを実行する演算部200と,例えば温度設定のための各種情報を入力する入力部201と,温度補正テーブルMなどの各種情報を格納するデータ格納部202と,温度設定のための各種プログラムを格納するプログラム格納部203と,熱板140の温度設定を変更するために温度制御装置142と通信する通信部204などを備えている。
【0054】
例えばデータ格納部202には,処理レシピ毎に作成された複数の温度補正テーブルMが格納されている。温度補正テーブルMは,例えば図9に示すようにウェハWの各反り量,反り形状に対応する,熱板140の各熱板領域R〜Rの最適温度補正値を示す相関データである。つまり,温度補正テーブルMにおける各熱板領域R〜Rの最適温度補正値がウェハWの反り量と反り形状毎に設定されている。本実施の形態において,ウェハWの反り形状は,上に凸に湾曲した凸形状と,下に凸に湾曲した凹形状の2種類に分けられている。
【0055】
また,温度補正テーブルMは,図10に示すように熱処理温度とレジスト液の種類の組み合わせにより定まる処理レシピH毎に作成されている。したがって,熱処理温度又はレジスト液の種類のいずれかが異なる場合,処理レシピHが異なり(図10に示すH1,H2,H3,H4),当該各処理レシピH毎に温度補正テーブルM(図10に示すM1,M2,M3,M4)が作成されている。
【0056】
これらの温度補正テーブルMにおける各最適温度補正値は,例えば各処理レシピHの各反り量及び反り形状について,最終的に形成されるレジストパターンの線幅がウェハ面内で均一になるような値に定められている。これらの最適温度補正値は,予め行われる実験により,例えば反り量と反り形状の把握しているウェハWに対し,複数の温度補正値の設定で熱処理して線幅を形成し,線幅がウェハ面内で均一なるものを見つけることにより求められる。
【0057】
プログラム格納部203には,例えば図9に示すように入力された処理レシピHと,反り量及び反り形状と,温度補正テーブルMに基づいて,各熱板領域R〜Rの温度補正値を求めるプログラムP1が格納されている。また,プログラム格納部203には,入力された処理レシピHと,反り量及び反り形状と,温度補正テーブルMのデータに基づいて,温度補正テーブルMに定められていない反り量の温度補正値を算出するプログラムP2が格納されている。例えばこのプログラムP2は,例えば温度補正テーブルMの反り量,反り形状及び最適温度補正値の既存の情報から,所定の近似計算法,例えば最小二乗法を用いて入力反り量に対応する温度補正値を算出できる。
【0058】
プログラム格納部203には,例えば求められた温度補正値に基づいて,温度制御装置142の既存の温度設定を変更するプログラムP3が格納されている。なお,温度設定装置190の機能を実現するための各種プログラムは,コンピュータ読み取り可能な記録媒体により温度設定装置190にインストールされたものであってもよい。
【0059】
次に,以上のように構成された温度設定装置190による温度設定プロセスについて説明する。図11は,かかる温度設定プロセスのフローを示す。
【0060】
先ず,例えば塗布現像処理システム1において露光処理が終了しPEB装置84に搬入される前のウェハWが,反り測定装置88に搬送され,ウェハWの反りが測定される(図11の工程Q1)。反り測定装置88では,例えば図4に示すようにウェハWが支持ピン110上に支持され,レーザ照射部113,114によりウェハWの中心部と外周部との高低差dが測られ,ウェハWの反り量が測定される。これと同時にウェハWの反り形状が測定され,反り形状は,ウェハWの外周部が中心部よりも高い場合に凸形状と定められ,ウェハWの中心部が外周部よりも高い場合に凹形状と定められる。
【0061】
反り測定装置88で測定された反り量と反り形状の測定結果は,温度設定装置190に出力される。温度設定装置190では,例えば処理レシピHの入力により,その処理レシピHに対応する温度補正テーブルMが選択され,当該温度補正テーブルMと,入力されたウェハWの反り量と反り形状に基づいて,各熱板領域R〜Rの温度補正値が求められる(図11の工程Q2)。例えば温度補正テーブルMのデータに,入力された反り量と反り形状に適合する最適温度補正値がある場合には,その値が選択される。また,温度補正テーブルMのデータに,入力された反り量と反り形状に適合する最適温度補正値がない場合には,温度補正テーブルMの既存の情報と入力された反り量を用いて,例えば最小二乗法により温度補正値が算出される。
【0062】
温度設定装置190において求められた温度補正値の情報は,通信部204から温度制御装置142に出力され,温度制御装置142における熱板140の各熱板領域R〜Rの温度補正値の設定が変更され,新たな設定温度が設定される(図11の工程Q3)。
【0063】
上記温度設定の変更は,ウェハWがPEB装置84で処理される前に終了する。反り測定装置88において反りが測定されたウェハWは,PEB装置84に搬送され,新たな設定温度で熱処理される。
【0064】
以上の実施の形態によれば,ウェハWの反りを測定し,その測定結果に基づいて,温度補正テーブルMにより,ウェハ面内の線幅が均一になるような各熱板領域R〜Rの温度補正値が求められ,設定される。この結果,塗布現像処理システム1におけるフォトリソグラフィー工程において,レジストパターンの線幅がウェハ面内において均一に形成される。
【0065】
また,温度補正テーブルMが処理レシピH毎に作成されているので,レジストパターンの線幅に影響を与える熱処理温度とレジスト液の種類のいずれかが変更された場合に,各熱板領域R〜Rの温度補正値が変更される。この結果,ポストエクスポージャーベーキングが常に適正な面内温度で行われるので,最終的に形成されるレジストパターンの線幅が基板面内において均一に形成される。
【0066】
PEB装置84において熱処理が行われる前に,ウェハWの反りを測定し,当該反りの測定結果をPEB装置84の温度設定に反映させるので,個々のウェハWの反りに応じた最適な温度でウェハWを熱処理することができる。この結果,各ウェハの線幅の面内均一性を確実に確保できる。
【0067】
以上の実施の形態では,予め作成されている温度補正テーブルMにより各熱板領域R〜Rの温度補正値を求めていたが,予め求められたウェハWの反り量と最適温度補正値との関係式により各熱板領域R〜Rの温度補正値を求めてもよい。かかる場合,例えば各処理レシピH毎に,図12(a),(b)に示すようなウェハWの反り量と各熱板領域R〜Rの最適温度補正値との関係式Nが求められる。関係式Nは,凸形状と凹形状の各反り形状毎に求められる。これらの関係式Nは,例えば予め行われた,各処理レシピにおける最適温度測定値を検出する実験などにより求められる。関係式Nは,例えばプログラム格納部203に格納される。
【0068】
そして,各熱板領域R〜Rの温度設定を行う際には,先ず,上記実施の形態と同様に反り測定装置88により測定されたウェハWの反り量と反り形状が温度設定装置190に入力される。温度設定装置190では,入力された処理レシピHと反り形状に基づいて,対応する関係式Nが選択される。そして,入力された反り量と選択された関係式Nにより各熱板領域R〜Rの温度補正値が算出される。そして,算出された温度補正値に基づいて,温度制御装置142における各熱板領域R〜Rの温度設定が変更される。かかる例によっても,ウェハ面内の線幅が均一になるように各熱板領域R〜Rの温度補正値が設定されるので,塗布現像処理システム1においてウェハ面内で均一なレジストパターンを形成できる。
【0069】
上記実施の形態では,関係式Nによって温度補正値を算出していたが,例えば図13に示すようなウェハWの反り量とその反ったウェハWの熱板処理時の温度との第1の相関Jと,図14に示すような熱処理時のウェハWの温度と温度補正値との第2の相関Kを用いて,温度補正値を算出してもよい。かかる場合,例えば先ず,反り測定装置88において測定されたウェハ面内の反り量が,第1の相関Jにより,図15に示すようなその反ったウェハWの熱処理時の面内温度分布に変換される。そして,このウェハWの面内温度分布と第2の相関Kにより,ウェハWの面内温度分布が平坦になるような各熱板領域R〜Rの温度補正値ΔTが算出される。こうすることにより,ウェハの反りのよって生じる熱処理時の温度のばらつきが解消されるので,ウェハ面内において均一な線幅が形成される。
【0070】
以上の実施の形態では,温度補正テーブルMや関係式Nが,熱処理温度とレジスト液の種類の組み合わせによって定まる処理レシピH毎に設定されていたが,さらに,ウェハWの状態によって定まる処理レシピ毎に設定されてもよい。ウェハWの状態には,例えばレジストパターンが形成されるウェハWの下地膜の層数,膜質,膜厚,ウェハWの反り状態などが含まれる。したがって,温度補正テーブルMや関係式Nは,熱処理温度及びレジスト液の種類と,下地膜の層数,膜質,膜厚,ウェハ反り状態のうちの少なくとも一つ以上のいずれかとの組み合わせによって定まる処理レシピ毎に設定されるようにしてもよい。
【0071】
以上の実施の形態で記載した反り測定装置88では,支持ピン110によってウェハWを支持していたが,例えばチャックによりウェハWを支持してもよい。また,以上の実施の形態で記載した反り測定装置88は,2つのレーザ照射部113,114を用いてウェハWの反りを計測していたが,図16に示すようにウェハWの外周部にレーザを照射する一つのレーザ照射部200と,測定部201を有するレーザ変位計202を用いて,ウェハWの反りを計測してもよい。かかる場合,例えば予め基準となる平坦なウェハWの高さを測定しておき,それを基準として処理ウェハWの外周部の高さを測定することにより,ウェハWの反り量と反り形状を測定する。かかる場合,より簡単な構成の反り測定装置88でウェハWの反りを測定できる。
【0072】
反り測定装置88には,支持ピン110の駆動機構111に回転機能を設け,支持したウェハWを回転させるようにしてもよい。こうすることにより,例えばウェハWの外周部の全周の反りを検出することができ,ウェハ面内の各外周部領域の反りに応じた各熱板領域R〜Rの温度補正値を設定することができる。また,以上の実施の形態の反り測定装置88は,レーザ変位計を用いてウェハWの反りを計測していたが,その他の変位計,例えば静電容量式変位計を用いてウェハWの反りを計測してもよい。
【0073】
以上の実施の形態では,塗布現像処理システム1のフォトリソグラフィー工程において,露光処理とポストエクスポージャーベーキングとの間でウェハWの反りを測定していたが,PEB装置84における熱処理中にウェハWの反りを測定してもよい。かかる場合,例えば図17に示すようにPEB装置84には,レーザ変位計210が設けられ,例えば熱板140上のウェハWの中心部の上方には,第1のレーザ照射部211が配置され,熱板140上のウェハWの外周部の上方には,第2のレーザ照射部222が配置される。例えばレーザ変位計210の測定部213は,ケーシング120の外側に配置される。そして,PEB装置84において,ウェハWが熱板140上に載置され熱処理されている間に,レーザ変位計210を用いてウェハWの反りが測定される。この測定は,熱処理中に例えば一回行われてもよいし,複数回断続的に行われてもよいし,継続的に行われてもよい。そして,その測定結果が直ちに温度設定装置190に出力され,上述の実施の形態と同様にそのウェハWの反りの測定結果に基づいて,各熱板領域R〜Rの温度補正値が求められ,熱板140の温度設定が変更される。かかる場合,熱処理時に生じるウェハWの反りも考慮した温度設定を行うことができる。
【0074】
なお,ウェハWの反りの測定は,ポストエクスポージャーベーキングが行われる前の他のタイミング,例えばプリベーキング中,露光処理中などに行われてもよい。さらに,ウェハWの反りの測定は,塗布現像処理システム1における処理が開始される前に行われてもよい。また,ウェハWの反りを測定する反り測定装置88は,PEB装置84と同じ第5の処理装置群G5以外の場所,例えば処理ステーション3の他の処理装置群や,カセットステーション2,インターフェイス部4に配置されていてもよい。
【0075】
以上,本発明の実施の形態の一例について説明したが,本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。例えば上記実施の形態において,温度設定された熱板140は,5つの領域に分割されていたが,その数は任意に選択できる。また,上記実施の形態は,PEB装置84の熱板140を温度設定する例であったが,熱板を備えたプリベーキング装置やポストベーキング装置などの他の加熱処理装置や,ウェハWを載置して冷却する冷却板を備えた冷却処理装置にも本発明は適用できる。さらに,本発明は,ウェハ以外の例えばFPD(フラットパネルディスプレイ),フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板を熱処理する熱処理板の温度設定にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は,レジストパターンの線幅が基板面内で均一に形成されるように,熱処理板の温度設定を行う際に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】塗布現像処理システムの構成の概略を示す平面図である。
【図2】図1の塗布現像処理システムの正面図である。
【図3】図1の塗布現像処理システムの背面図である。
【図4】反り測定装置の構成の概略を示す縦断面の説明図である。
【図5】PEB装置の構成の概略を示す縦断面の説明図である。
【図6】PEB装置の構成の概略を示す横断面の説明図である。
【図7】PEB装置の熱板の構成を示す平面図である。
【図8】温度設定装置の構成を示すブロック図である。
【図9】温度補正テーブルの一例を示す表である。
【図10】各処理レシピ毎の温度補正テーブルを示す表である。
【図11】温度補正値の設定プロセスを示すフロー図である。
【図12】ウェハの反り量と最適温度補正値の関係式を示す説明図である。
【図13】ウェハの反り量と熱処理時のウェハ温度との第1の相関を示すグラフである。
【図14】熱処理時のウェハ温度と温度補正値との第2の相関を示すグラフである。
【図15】ウェハの反りに起因するウェハの面内温度分布を示すグラフである。
【図16】一つのレーザ照射部を有する反り測定装置の構成を示す縦断面の説明図である。
【図17】レーザ変位計を備えた反り測定装置の構成を示す縦断面の説明図である。
【符号の説明】
【0078】
1 塗布現像処理システム
84 PEB装置
140 熱板
〜R 熱板領域
142 温度制御装置
190 温度設定装置
M 温度補正テーブル
W ウェハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を載置して熱処理する熱処理板の温度設定方法であって,
前記熱処理は,基板上にレジストパターンを形成するフォトリソグラフィー工程において行われるものであり,
前記熱処理板は,複数の領域に区画され,当該領域毎に温度設定され,
さらに,前記熱処理板の各領域毎に,熱処理板上の基板の面内温度を調整するための温度補正値が設定され,
熱処理される基板の反り量と反り形状が測定され,当該基板の反り量と反り形状の測定結果に基づいて,前記レジストパターンの線幅が基板面内で均一に形成されるように前記各領域の温度補正値が設定されることを特徴とする,熱処理板の温度設定方法。
【請求項2】
基板の各反り量及び反り形状に対応する前記各領域の最適温度補正値を定めた温度補正テーブルが作成され,
前記基板の反り量と反り形状の測定結果に基づいて,前記温度補正テーブルにより前記各領域の温度補正値が設定されることを特徴とする,請求項1に記載の熱処理板の温度設定方法。
【請求項3】
前記温度補正テーブルは,少なくとも熱処理温度とレジスト液の種類の組み合わせにより定まる処理レシピ毎に作成されていることを特徴とする,請求項2に記載の熱処理板の温度設定方法。
【請求項4】
基板の反り量と前記各領域の最適温度補正値との関係式が基板の各反り形状毎に求められ,
前記基板の反り量と反り形状の測定結果に基づいて,前記関係式により前記各領域の温度補正値が設定されることを特徴とする,請求項1に記載の熱処理板の温度設定方法。
【請求項5】
前記関係式は,少なくとも熱処理温度とレジスト液の種類の組み合わせにより定まる処理レシピ毎に求められていることを特徴とする,請求項4に記載の熱処理板の温度設定方法。
【請求項6】
前記熱処理の前に,基板の反り量と反り形状が測定され,前記各領域の温度補正値が設定されることを特徴とする,請求項1〜5のいずれかに記載の熱処理板の温度設定方法。
【請求項7】
前記熱処理中に,基板の反り量と反り形状が測定され,前記各領域の温度補正値が設定されることを特徴とする,請求項1〜5のいずれかに記載の熱処理板の温度設定方法。
【請求項8】
前記熱処理は,露光処理後で現像処理前に行われる加熱処理であることを特徴とする,請求項1〜7のいずれかに記載の熱処理板の温度設定方法。
【請求項9】
基板を載置して熱処理する熱処理板の温度設定装置であって,
前記熱処理は,基板上にレジストパターンを形成するフォトリソグラフィー工程において行われるものであり,
前記熱処理板は,複数の領域に区画され,当該領域毎に温度設定され,
さらに,前記熱処理板の各領域毎に,熱処理板上の基板の面内温度を調整するための温度補正値が設定されており,
前記各領域の温度補正値は,熱処理される基板の反り量と反り形状に基づいて,前記レジストパターンの線幅が基板面内で均一に形成されるように設定されていることを特徴とする,熱処理板の温度設定装置。
【請求項10】
基板の各反り量及び反り形状に対応する前記各領域の最適温度補正値を定めた温度補正テーブルを備え,
前記基板の反り量と反り形状に基づいて,前記温度補正テーブルにより前記各領域の温度補正値が設定されていることを特徴とする,請求項9に記載の熱処理板の温度設定装置。
【請求項11】
前記温度補正テーブルは,少なくとも熱処理温度とレジスト液の種類の組み合わせにより定まる処理レシピ毎に備えられていることを特徴とする,請求項10に記載の熱処理板の温度設定装置。
【請求項12】
基板の反り量と前記各領域の最適温度補正値との関係式を基板の各反り形状毎に備え,
前記基板の反り量と反り形状に基づいて,前記関係式により前記各領域の温度補正値が設定されていることを特徴とする,請求項9に記載の熱処理板の温度設定装置。
【請求項13】
前記関係式は,少なくとも熱処理温度とレジスト液の種類の組み合わせにより定まる処理レシピ毎に備えられていることを特徴とする,請求項12に記載の熱処理板の温度設定装置。
【請求項14】
前記熱処理の前の基板の反り量と反り形状に基づいて,前記熱処理の前に前記各領域の温度補正値が設定されることを特徴とする,請求項9〜13のいずれかに記載の熱処理板の温度設定装置。
【請求項15】
前記熱処理中の基板の反り量と反り形状に基づいて,前記熱処理中に前記各領域の温度補正値が設定されることを特徴とする,請求項9〜13のいずれかに記載の熱処理板の温度設定装置。
【請求項16】
前記熱処理は,露光処理後で現像処理前に行われる加熱処理であることを特徴とする,請求項9〜15のいずれかに記載の熱処理板の温度設定装置。
【請求項17】
請求項9〜16のいずれかに記載の熱処理板の温度設定装置の機能を,コンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項18】
請求項9〜16のいずれかに記載の熱処理板の温度設定装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−228820(P2006−228820A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−38015(P2005−38015)
【出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】