説明

熱可塑性接着剤検査装置及び検査方法

【課題】光源装置及び撮像装置のレンズの清掃並びに、光源装置の交換における無駄を防止することができる熱可塑性接着剤検査装置及び検査方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性接着剤検査装置1は、熱可塑性接着剤40及び41に光を照射する光源装置3a及び3bと、熱可塑性接着剤40及び41からの反射光を撮像する撮像装置4a及び4bとを備えた熱可塑性接着剤検査装置において、
撮像装置4a及び4bから送られてきた画像データを処理し、熱可塑性接着剤部と背景部の輝度の比率を算出する画像処理装置5a及び5bと、前記比率を予め設定された値と比較することにより、光源装置3a及び3b並びに撮像装置4a及び4bの汚れを判定する判定装置7a及び7bを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性接着剤の検査装置及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発明として、特許文献1に記載された「パターン欠陥検査方法およびその装置」に係る発明がある。図36は特許文献1に記載されたパターン欠陥検査装置80の斜視図である。パターン欠陥検査装置80は、UV光、レーザ光若しくはUVレーザ光を出射する光源81と、この光源81から出射したUV光、レーザ光若しくはUVレーザ光の光量を調整する光量調整手段82と、この光量調整手段82から出射したUV光、レーザ光若しくはUVレーザ光の照明範囲を形成する照明範囲形成手段83と、この照明範囲形成手段83から出射したUV光、レーザ光若しくはUVレーザ光を可干渉性低減して試料上に照射する照射手段84と、この照射手段84によりレーザを照射された試料88を撮像して画像信号を検出する画像検出手段85及び86と、この画像検出手段85及び86で検出した試料88の画像信号に関する情報に基づいて試料88に形成されたパターンの欠陥を検出する欠陥検出手段87とを備えている。パターン欠陥検査装置80は、光源81からUV光又はUVレーザ光をパターンが形成された試料88上に照射し、このUV光又はUVレーザ光が照射された試料88を画像検出手段85及び86により撮像する。そして、欠陥検出手段87により、撮像して得た試料88の画像信号を、予め記憶した参照画像と比較することによりパターンの欠陥を検出することができる。
【特許文献1】特開2003−177102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のパターン欠陥検査装置80においては、レーザ照明手段82又は画像検出手段85及び86に備えられたレンズにゴミや汚れ等が付着した場合又は光源81が劣化した場合においても、それを検出する手段が無かった。したがって、たとえ、画像検出手段85及び86により検出した画像が画像検出手段85及び86に備えられたレンズのゴミや汚れ又は光源81の劣化の影響を受け、適切な処理結果を得られない場合においても、そのことに気が付かない場合が生じてしまう。よって、かかる事態を防止するために、真の汚れ具合及び真の光量不足とは関係なく、定期的にレンズの清掃作業及び照明器具の交換を行う必要があり、作業に無駄が生じるという問題があった。
本発明は上記した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、光源装置及び撮像装置のレンズの清掃並びに、光源装置の交換における無駄を防止することができる熱可塑性接着剤検査装置及び検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のうち請求項1に係る熱可塑性接着剤検査装置は、熱可塑性接着剤に光を照射する光源装置と、前記熱可塑性接着剤からの反射光を撮像する撮像装置とを備えた熱可塑性接着剤検査装置において、前記撮像装置に接続され、該撮像装置から送られてきた画像データを処理し、前記熱可塑性接着剤部と背景部の輝度の比率を算出する画像処理装置と、該画像処理装置に接続され、前記比率を予め設定された値と比較することにより、前記光源装置の汚れ及び劣化並びに前記撮像装置の汚れを判定する判定装置とを有することを特徴とする。
【0005】
また、本発明のうち請求項2に係る熱可塑性接着剤検査方法は、熱可塑性接着剤に光を照射する光源装置と、前記熱可塑性接着剤からの反射光を撮像する撮像装置とを備えた熱可塑性接着剤検査装置を用いて前記熱可塑性接着剤を検査する方法であって、前記撮像装置と接続された画像処理装置により、前記撮像装置から送られてきた画像データを処理し、前記熱可塑性接着剤部と背景部の輝度の比率を算出し、前記画像処理装置と接続された判定装置により、前記比率を予め設定された値と比較し、前記光源装置の汚れ及び劣化並びに前記撮像装置の汚れを判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、撮像装置に接続された画像処理装置により、該撮像装置から送られてきた画像データを処理し、熱可塑性接着剤部と背景部の輝度の比率を算出し、画像処理装置に接続された判定装置により、輝度の比率を予め設定された値と比較することにより、前記光源装置の汚れ及び劣化並びに前記撮像装置の汚れを判定できる。これにより、光源装置及び撮像装置のレンズの清掃は、真の汚れ具合から裏付けられた数値の表示に基づいて行うことが出来、また、光源装置の交換も、時間管理ではなく真の光量不足に基づいて行うことが出来るので、光源装置及び撮像装置のレンズの清掃並びに、光源装置の交換における無駄を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係る熱可塑性接着剤検査装置の概略構成図である。
図1において、熱可塑性接着剤検査装置1は、箱体成形装置2において、2つのトップ用照明装置(光源装置)3aと、4つのサイド用照明装置(光源装置)3bと、2つのトップ用カメラ(撮像装置)4aと、4つのサイド用カメラ(撮像装置)4bと、画像処理装置5a及び5bと、判定装置6a、6b、7a及び7bと、警告装置8と、制御装置9とを備えている。
【0008】
図1に示すように、2つのトップ用照明装置3aは、箱体成形装置2の箱搬送方向(図1における左右方向)に対して直交する方向に一定の間隔で取付けられ、箱体16のトップフラップ29に塗布されたホットメルト(熱可塑性接着剤)40に対して光を照射するようになっている。また、4つのサイド用照明装置3bは、箱体成形装置2の箱搬送方向に対して水平方向左右側方に一定の間隔で取付けられ、箱体16の内サイドフラップ25、26、30及び31に塗布されたホットメルト41に対して光を照射するようになっている。
【0009】
2つのトップ用カメラ4aは、箱体成形装置2の箱搬送方向に対して直交する方向にトップ用照明装置3aと並べて取付けられ、ホットメルト40からの反射光を受光するようになっている。
また、4つのサイド用カメラ4bは、箱体成形装置2の箱搬送方向に対して水平方向左右側方にサイド用照明装置3bと並べて取付けられ、ホットメルト41からの反射光を受光するようになっている。
【0010】
そして、トップ用カメラ4aは画像処理装置5aに、サイド用カメラ4bは画像処理装置5bにそれぞれ接続され、撮像画像が伝送されるようになっている。
図2は箱展開シート20の正面図である。図3は箱体16が箱形成装置2上において形成される途中の状態を示す斜視図である。図4は箱体16とトップ用カメラ4a、サイド用カメラ4b、トップ用照明装置3a及びサイド用照明装置3bとの対応関係を示す斜視図である。
【0011】
図2において箱展開シート20は、底面パネル22と、底面パネル22の幅方向(図2における左右方向)の側部に折り曲げ線35を介して連設された側面パネル23と、側面パネル23の幅方向の側部に折り曲げ線34を介して連設された天面パネル21と、底面パネル22の幅方向の側部に折り曲げ線36を介して連設された側面パネル24と、側面パネル24の幅方向の側部に折り曲げ線37を介して連設されたトップフラップ29と、底面パネル22の長手方向(図2における上下方向)の両端部に折り曲げ線38を介して連設された外サイドフラップ28及び33と、天面パネル21の長手方向の両端部に折り曲げ線38を介して連設された外サイドフラップ27及32と、側面パネル23の長手方向の両端部に折り曲げ線39を介して連設された内サイドフラップ25及び30と、側面パネル24の長手方向の両端部に折り曲げ線39を介して連設された内サイドフラップ26及び31とから形成される。
【0012】
箱展開シート20は、図3に示すように、箱体形成装置2にトップフラップ29を搬送方向上流側として設置される。そして、箱体形成装置2は、箱展開シート20を、各折り曲げ線34、35、36、37を介して天面パネル21、底面パネル22、側面パネル23、側板パネル24及びトップフラップ29を折り曲げた後、メルトガン(図示しない)によりトップフラップ29の外面にホットメルト40を長手方向に並べて複数箇所(本実施例においては6箇所)塗布し、該塗布部分に天面パネル21の端部を接着して略四角筒状に成形する。次いで、内サイドフラップ25、26、30及び31を折り曲げ線39を介して折り曲げ、メルトガン(図示しない)により各内サイドフラップにホットメルト41を幅方向に並べて複数箇所(本実施例においては各2箇所)塗布した後、外サイドフラップ27、28、32及び33を折り曲げて内サイドフラップ25、26、30及び31と接着し、これにより箱体16が形成される。
【0013】
上記流れの中、トップフラップ29にホットメルト40を塗布後、天面パネル21の端部を接着前及び、各内サイドフラップにホットメルト41を塗布後、各外サイドフラップと接着前において、図4に示すように、トップ用照明装置3aはメルト40に対して、サイド用照明装置3bはホットメルト41に対して光を照射する。そして、メルト40に対して照射された光の反射光をトップ用カメラ4aが撮像し、メルト41に対して照射された光の反射光をサイド用カメラ4bが撮像する。
【0014】
図5は画像処理装置5aにおける撮像画像の処理を表したフローチャート図である。図6は画像処理装置5bにおける撮像画像の処理を表したフローチャート図である。図7はトップフラップに塗布されたホットメルトの検査領域画像の正面図である。図8は背景画像の正面図である。図9はシェーディング補正画像の正面図である。図10は2値化画像の正面図である。図11はクロージング処理画像の正面図である。図12はオープニング処理画像の正面図である。図13は縦長さ測定画像の正面図である。図14は横長さ測定画像の正面図である。図15は縦位置ずれ測定画像の正面図である。図16は横位置ずれ測定画像の正面図である。図17は重心位置計測画像の正面図である。図18は断面プロファイル作成画像の正面図である。図19は断面プロファイルのグラフ図である。
【0015】
図5を参照して、画像処理装置5aでの処理を説明すると、先ず、ステップS101において、各トップ用カメラ4aにより撮像された撮像画像は、画像処理装置5aへと入力される。
そして、画像処理装置5aに入力された撮像画像は、ステップS102において、図7に示す検査領域画像45が決定される。検査領域画像45は、ホットメルト部46と背景部47とホットメルトの糸引き部48とから構成されている。
【0016】
次いで、ステップS103において、図8に示すように、検査領域画像45から背景部47が抽出され、背景画像49が作成される。
そして、ステップS104において、図9に示すように、検査領域画像45から背景画像49の差分を取ることによって、背景部47の輝度ムラの影響を無くす、シェーディング処理が行われ、シェーディング補正画像50が作成される。
【0017】
ステップS105において、図10に示すように、各検査領域毎に予め設定された2値化閾値を使用し、ホットメルトの特徴量(面積、長さ等)を計測しやすくするために白と黒に2値化し、2値化画像51を作成する。この2値化処理に際して、2値化処理後の2値化画像51において、図10に示すように、ホットメルト部46の中に穴(ノイズ)52が生じる場合がある。
S106において、図11に示すように、2値化の際にホットメルト部46の中にできた穴(ノイズ)52を埋めるクロージング処理が行われ、クロージング処理画像53が作成される。
ステップS107において、図12に示すように、ホットメルトの糸引き部48を除去するオープニング処理が行われ、オープニング処理画像54が作成される。
【0018】
そして、その後、ステップS108において、面積、縦長さ、横長さ、縦位置ずれ及び横位置ずれの計測処理が行われる。面積の計測処理においては、図12に示すように、オープニング処理画像54の白い部分の画素数をカウントし、面積とする。縦長さの計測処理においては、図13に示すように、オープニング処理画像54のホットメルト部46の長手方向(図13における上下方向)の縦長さaを測定し、画素数をミリメートルへと分解能変換する。横長さの計測処理においては、図14に示すように、オープニング処理画像54のホットメルト部46の幅方向(図14における左右方向)の横長さbを測定し、画素数をミリメートルへと分解能変換する。縦位置ずれの計測処理においては、図15に示すように、オープニング処理画像54のホットメルト部46の重心位置55を求め、その重心位置55の長手方向成分eとオープニング処理画像54の長手方向の中心位置cとの縦ずれを測定し、画素数をミリメートルへと分解能変換する。横位置ずれの計測処理においては、図16に示すように、オープニング処理画像54のホットメルト部46の重心位置55幅方向成分fとオープニング処理画像54の幅方向の中心位置dとの横ずれを測定し、画素数をミリメートルへと分解能変換する。
【0019】
そして、ステップS109において、図17に示すように、ステップS107において作成されたオープニング処理画像54に基づいて、オープニング処理画像54におけるホットメルト部46の重心位置55を計測する。
また、ステップS110において、図18に示すように、ステップS109において計測された重心位置55を検査領域画像45に適用し、検査領域画像45において重心位置55を通過し、検査領域画像45の幅方向両端に延びる重心線mにおける断面プロファイル10を計側する。この場合において、断面プロファイル10は、図19に示すように、ホットメルト部46の輝度11と背景部47の輝度12とから構成されている。
【0020】
次いで、ステップS111において、断面プロファイル10上で、ホットメルト部46の輝度11及び背景部47の輝度12に対応した部分を特定し、輝度11及び輝度12の輝度平均値を計算する。
そして、ステップS112において、ホットメルト部46の輝度11の平均値を背景部47の輝度12の平均値で除することにより、ホットメルト部46と背景部47との輝度の比率の計算が行われる。
【0021】
図20は各内サイドフラップに塗布されたホットメルトの検査領域画像の正面図である。図21は黒印刷除去画像の正面図である。図22はオープニング処理画像の正面図である。図23は輪郭抽出画像の正面図である。図24は輪郭の2値化画像の正面図である。図25は輪郭の接続画像の正面図である。図26は輪郭の穴埋め画像の正面図である。図27は収縮画像の正面図である。図28はホットメルト抽出後の検査領域枠設定画像の正面図である。図29は縦長さ測定画像の正面図である。図30は横長さ測定画像の正面図である。図31は縦位置ずれ測定画像の正面図である。図32は横位置ずれ測定画像の正面図である。図33は重心位置計測画像の正面図である。図34は断面プロファイル作成画像の正面図である。図35は断面プロファイルのグラフ図である。
【0022】
次に、図6を参照して、画像処理装置5bでの処理について説明すると、先ず、ステップS201において、各サイド用カメラ4bにより撮像された撮像画像は、画像処理装置5bへと入力される。
そして、ステップS202において、撮像画像の縮小が行われ、撮像画像の横幅が二分の一倍に縮小される。
【0023】
次いで、ステップS203において、図20に示すように、縮小された撮像画像について、検査領域画像56が決定される。検査領域画像56は、各フラップが長方形に映らないため、各フラップの写り方に合わせた4角形領域で設定する。検査領域画像56は、ホットメルト部57と背景部58とホットメルトの糸引き部59とから構成されている。
ステップS204において、図21に示すように、背景部58における黒い印刷等を除去するクロージング処理が行われ、黒印刷除去画像60が作成される。
【0024】
ステップS205において、図22に示すように、ホットメルトの糸引き部59を除去するオープニング処理が行われ、オープニング処理画像61が作成される。
ステップS206において、図23に示すように、ホットメルト部57の輪郭部63を抽出するソーベルフィルタ処理が行われ、輪郭抽出画像62が作成される。
ステップS207において、図24に示すように、各検査領域毎に予め設定された2値化閾値を使用し、輪郭部63をはっきりさせるために輪郭部63を白、背景部58を黒に分け、輪郭の2値化画像64が作成される。この2値化処理に際して、2値化処理後の輪郭の2値化画像64において、図24に示すように、輪郭部63に途切れ部分65が生じる場合があり、また、輪郭部63の内側は穴部66となっている。
【0025】
ステップS208において、図25に示すように、輪郭部63の途切れ部分65を接続するクロージング処理が行われ、輪郭の接続画像67が作成される。
ステップS209において、図26に示すように、輪郭部63の内側の穴部66を埋め、ホットメルト部69とするクロージング処理が行われ、輪郭の穴埋め画像68が作成される。
【0026】
ステップS210において、図27に示すように、ホットメルト部69は、輪郭抽出時に実際のメルトより大きめに抽出されているため、元のサイズに収縮し、ホットメルト部71とするエロージョン処理が行われ、収縮画像70が作成される。
ステップS211において、図28に示すように、収縮画像70について検査領域枠73が設定され、検査領域枠設定画像72が作成される。
【0027】
そして、その後、ステップS212において、面積、縦長さ、横長さ、縦位置ずれ及び横位置ずれの計測処理が行われる。面積の計測処理においては、図28に示すように、検査領域枠設定画像72の白い部分の画素数をカウントし、面積とする。縦長さの計測処理においては、図29に示すように、検査領域枠設定画像72のホットメルト部71の幅方向(図29における上下方向)の縦長さgを測定し、画素数をミリメートルへと分解能変換する。横長さの計測処理においては、図30に示すように、検査領域枠設定画像72のホットメルト部71の長手方向(図30における左右方向)の横長さhを測定し、画素数をミリメートルへと分解能変換する。縦位置ずれの計測処理においては、図31に示すように、検査領域枠設定画像72のホットメルト部71の重心位置74を求め、その重心位置74の幅方向成分kと検査領域枠73の幅方向の中心位置iとの縦ずれを測定し、画素数をミリメートルへと分解能変換する。横位置ずれの計測処理においては、図32に示すように、検査領域枠設定画像72におけるホットメルト部71の重心位置74の長手方向成分lと検査領域枠73の長手方向の中心位置jとの横ずれを測定し、画素数をミリメートルへと分解能変換する。
【0028】
そして、ステップS213において、図33に示すように、ステップS211において作成された検査領域枠設定画像72に基づいて、検査領域枠設定画像72におけるホットメルト部71の重心位置74を計測する。
また、ステップS214において、図34に示すように、ステップS213において計測された重心位置74を検査領域画像56に適用し、検査領域画像56において重心位置74を通過し、検査領域画像56の長手方向両端に延びる重心線nにおける断面プロファイル13を計側する。この場合において、断面プロファイル13は、図35に示すように、ホットメルト部57の輝度14と背景部58の輝度15とから構成されている。
【0029】
次いで、ステップS215において、断面プロファイル13上で、ホットメルト部71の輝度14及び背景部58の輝度15に対応した部分を特定し、輝度14及び輝度15の輝度平均値を計算する。
そして、ステップS216において、ホットメルト部71の輝度14の平均値を背景部58の輝度15の平均値で除することにより、ホットメルト部71と背景部58との輝度の比率の計算が行われる。
【0030】
画像処理装置5a及び画像処理装置5bにより測定された面積、縦長さ、横長さ、縦位置ずれ及び横位置ずれの各検査項目の値は、画像処理装置5aにより測定された値は判定装置6aに、画像処理装置5bにより測定された値は判定装置6bにそれぞれ伝送される。そして、判定装置6a及び6bにおいて、予め設定された検査パラメータの範囲(予め設定された値)と比較され、各検査項目毎にOK又はNGと判定される。判定装置6a及び6bは、全検査領域及び全検査項目でOKの時のみOK信号を制御装置9に対して出力し、どれか1つでもNGがある場合にはNG信号を制御装置9に対して出力する。
【0031】
判定装置6a及び6bよりOK又はNG信号を受信した制御装置9は、NG信号を受信した場合には、箱体成形装置2に対して、NG信号に係る箱体16を除去するよう信号を出力する。
一方、画像処理装置5a及5bにより計算された対象部と背景部の輝度の比率は、管理画面(図示しない)上に常時表示されるようになっている。画像処理装置5a及び5bにより計算された輝度の比率は、画像処理装置5aにより計算された比率は判定装置7aに、画像処理装置5bにより計算された比率は判定装置7bにそれぞれ伝送される。そして、判定装置7a及び7bにおいて、予め設定された基準(本実施例においては、1.5以上とする)に基づいて判定され、輝度の比率が設定値以下の場合においては、判定装置7a及び7bは、警告装置8に対して警告信号を発信するようになっている。
【0032】
判定装置7a及び7bより警告信号を受信した警告装置8は、清掃又は光源装置の交換を警告するようになっている。
これにより、光源装置及び撮像装置のレンズの清掃は、真の汚れ具合から裏付けられた数値の表示に基づいて行うことが出来る。また、光源装置の交換も、時間管理ではなく真の光量不足に基づいて行うことが出来る。したがって、光源装置及び撮像装置のレンズの清掃並びに、光源装置の交換における無駄を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一つの実施形態に係る熱可塑性接着剤検査装置のブロック図である。
【図2】箱展開シートの正面図である。
【図3】箱体が箱形成装置上において形成される途中の状態を示す斜視図である。
【図4】箱体とトップ用カメラ、サイド用カメラ、トップ用照明装置及びサイド用照明装置との対応関係を示す斜視図である。
【図5】画像処理装置における撮像画像の処理を表したフローチャート図である。
【図6】画像処理装置における撮像画像の処理を表したフローチャート図である。
【図7】トップフラップに塗布されたホットメルトの検査領域画像の正面図である。
【図8】背景画像の正面図である。
【図9】シェーディング補正画像の正面図である。
【図10】2値化画像の正面図である。
【図11】クロージング処理画像の正面図である。
【図12】オープニング処理画像の正面図である。
【図13】縦長さ測定画像の正面図である。
【図14】横長さ測定画像の正面図である。
【図15】縦位置ずれ測定画像の正面図である。
【図16】横位置ずれ測定画像の正面図である。
【図17】重心位置計測画像の正面図である。
【図18】断面プロファイル作成画像の正面図である。
【図19】断面プロファイルのグラフ図である。
【図20】各内サイドフラップに塗布されたホットメルトの検査領域画像の正面図である。
【図21】黒印刷除去画像の正面図である。
【図22】オープニング処理画像の正面図である。
【図23】輪郭抽出画像の正面図である。
【図24】輪郭の2値化画像の正面図である。
【図25】輪郭の接続画像の正面図である。
【図26】輪郭の穴埋め画像の正面図である。
【図27】収縮画像の正面図である。
【図28】ホットメルト抽出後の検査領域枠設定画像の正面図である。
【図29】縦長さ測定画像の正面図である。
【図30】横長さ測定画像の正面図である。
【図31】縦位置ずれ測定画像の正面図である。
【図32】横位置ずれ測定画像の正面図である。
【図33】重心位置計測画像の正面図である。
【図34】断面プロファイル作成画像の正面図である。
【図35】断面プロファイルのグラフ図である。
【図36】従来の滑りパターン欠陥検査装置の側面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 熱可塑性接着剤検査装置
2 箱体成形装置
3a トップ用照明装置
3b サイド用照明装置
4a トップ用カメラ
4b サイド用カメラ
5a 画像処理装置
5b 画像処理装置
6a 判定装置
6b 判定装置
7a 判定装置
7b 判定装置
8 警告装置
9 制御装置
10 断面プロファイル
11 ホットメルト部の輝度
12 背景部の輝度
13 断面プロファイル
14 ホットメルト部の輝度
15 背景部の輝度
16 箱体
20 箱展開シート
21 天面パネル
22 底面パネル
23 側面パネル
24 側面パネル
25 内サイドフラップ
26 内サイドフラップ
27 外サイドフラップ
28 外サイドフラップ
29 トップフラップ
30 内サイドフラップ
31 内サイドフラップ
32 外サイドフラップ
33 外サイドフラップ
34 折り曲げ線
35 折り曲げ線
36 折り曲げ線
37 折り曲げ線
38 折り曲げ線
39 折り曲げ線
40 ホットメルト
41 ホットメルト
45 検査領域画像
46 ホットメルト部
47 背景部
48 ホットメルトの糸引き部
49 背景画像
50 シェーディング補正画像
51 2値化画像
52 穴(ノイズ)
53 クロージング処理画像
54 オープニング処理画像
55 重心位置
56 検査領域画像
57 ホットメルト部
58 背景部
59 ホットメルトの糸引き部
60 黒印刷除去画像
61 オープニング処理画像
62 輪郭抽出画像
63 輪郭部
64 輪郭の2値化画像
65 途切れ部分
66 穴部
67 輪郭の接続画像
68 輪郭の穴埋め画像
69 ホットメルト部
70 収縮画像
71 ホットメルト部
72 検査領域枠設定画像
73 検査領域枠
74 重心位置
a 縦長さ
b 横長さ
c 長手方向の中心位置
d 幅方向の中心位置
e 長手方向成分
f 幅方向成分
g 縦長さ
h 横長さ
i 幅方向の中心位置
j 長手方向の中心位置
k 幅方向成分
l 長手方向成分
m 重心線
n 重心線
S101 撮像画像入力
S102 検査領域画像の決定
S103 背景画像の作成
S104 シェーディング処理
S105 2値化処理
S106 クロージング処理
S107 オープニング処理
S108 計測処理
S109 重心位置計測
S110 プロファイル作成
S111 輝度平均値の計算
S112 輝度比率の計算
S201 撮像画像入力
S202 撮像画像の縮小
S203 検査領域画像の決定
S204 クロージング処理
S205 オープニング処理
S206 ソーベルフィルタ処理
S207 2値化処理
S208 クロージング処理
S209 クロージング処理
S210 エロージョン処理
S211 検査領域枠の設定
S212 計測処理
S213 重心位置計測
S214 プロファイル作成
S215 輝度平均値の計算
S216 輝度比率の計算
80 パターン欠陥検査装置
81 光源
82 光量調整手段
83 証明範囲形成手段
84 照射手段
85 画像検出手段
86 画像検出手段
87 欠陥検出手段
88 試料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性接着剤に光を照射する光源装置と、前記熱可塑性接着剤からの反射光を撮像する撮像装置とを備えた熱可塑性接着剤検査装置において、
前記撮像装置に接続され、該撮像装置から送られてきた画像データを処理し、前記熱可塑性接着剤部と背景部の輝度の比率を算出する画像処理装置と、該画像処理装置に接続され、前記比率を予め設定された値と比較することにより、前記光源装置の汚れ及び劣化並びに前記撮像装置の汚れを判定する判定装置とを有することを特徴とする、熱可塑性接着剤検査装置。
【請求項2】
熱可塑性接着剤に光を照射する光源装置と、前記熱可塑性接着剤からの反射光を撮像する撮像装置とを備えた熱可塑性接着剤検査装置を用いて前記熱可塑性接着剤を検査する方法であって、
前記撮像装置と接続された画像処理装置により、前記撮像装置から送られてきた画像データを処理し、前記熱可塑性接着剤部と背景部の輝度の比率を算出し、前記画像処理装置と接続された判定装置により、前記比率を予め設定された値と比較し、前記光源装置の汚れ及び劣化並びに前記撮像装置の汚れを判定することを特徴とする、熱可塑性接着剤検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図19】
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【図35】
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【図36】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2006−78452(P2006−78452A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−265869(P2004−265869)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(000000055)アサヒビール株式会社 (535)
【Fターム(参考)】