説明

物品棚装置

【課題】物品棚としての利用形態に選択の自由度を持たせると共に、棚装置がセットされている部屋全体との調和を図ることができる物品棚装置を提供すること。
【解決手段】左右に前後一対の側部材22,22を設け、これら側部材22,22の上下同士を上ビーム材5,5、上フレーム部材16,16、下ビーム材6,6及び下フレーム部材17,17で接続して外枠を形成し、上下方向に棚板4,4を複数架設した物品棚装置1であって、前記側部材22の外端部側には上下方向に延在する溝条26,26が設けられ、棚板4,4の内の上下に対向する棚板4,4間の前後面のいずれか又は、最上段の棚板4と前記上部材5,5間の前後面のいずれか又は、最下段の棚板4と前記下部材6,6間の前後面のいずれか、の内の任意の箇所を閉塞する閉塞板10,11の左右側部が溝条26,26に嵌合して取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右に前後一対の側部材を設け、これら側部材の上下同士上部材と下部材で接続して外枠を形成し、前記左右の一対の側部材間に棚板を上下方向に複数架設した物品棚装置に関する。
【背景技術】
【0002】
左右に前後一対の側部材を設け、これら側部材の上下同士上部材と下部材で接続して外枠を形成し、前記左右の一対の側部材間に棚板を上下方向に複数架設した従来の物品棚装置は、後方の側部材(支柱2)に嵌合凹部(7)を設け、この嵌合凹部にピン(15)で相互に連結された複数の背面板(13,14)を嵌合し、取付金具(9)を介して背面板を側部材に対して着脱自在に取り付けている。また、棚の側面を塞ぐ側面板についても、背面板と同様に取り付けることができるように構成されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−161460号公報(段落0020及び0021、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1における棚装置は、背板(又は側面板)が複数枚から構成されているものの、それらは相互にピンで連結されるものであって、棚装置の背面(又は側面)全体を閉鎖するものでり、棚装置の前面あるいは背面を棚毎に区切って選択的に閉塞板を取り付けたものではなく、棚装置の前後から棚部分によって収納される任意の収納部を閉塞することはできず、物品棚としての利用形態に選択の自由度がなかった。また棚装置がセットされている部屋全体との調和を図るために、部屋の雰囲気にあった色や材質の閉塞板を適宜選択して棚の収納部毎に閉塞板を取り付けることもできなかった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、物品棚としての利用形態に選択の自由度を持たせると共に、棚装置がセットされている部屋全体との調和を図ることができる物品棚装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の物品棚装置は、左右に前後一対の側部材を設け、これら側部材の上下同士を上部材と下部材で接続して外枠を形成し、前記左右の一対の側部材間に棚板を上下方向に複数架設した物品棚装置であって、前記側部材には、左右の前方の側部材同士、及び左右の後方の側部材同士がそれぞれ対向する方向に向かい合う上下方向に延在する溝条が設けられ、前記棚板の内の上下に対向する棚板間の前後面のいずれか、または最上段の棚板と前記上部材間の前後面のいずれか、または最下段の棚板と前記下部材間の前後面のいずれか、の内の任意の箇所を閉塞する閉塞板の左右側部が前記左右側部材の溝条に嵌合して取り付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、外枠が左右に配置した一対の側部材と上下部材だけで構成してあるので、堅牢且つ軽量で開放感があり、しかも物品棚装置の前後から棚部分によって収納される任意の箇所を閉塞することができるので、物品棚としての利用形態に選択の自由度がある。また、部屋の雰囲気にあった色や材質の閉塞板を適宜選択して棚の収納部毎に閉塞板を取り付けて、物品棚装置がセットとされている部屋全体との調和を図ることができる。
【0007】
本発明の請求項2に記載の物品棚装置は、請求項1に記載の物品棚装置であって、前記閉塞板の左右側部は、ネジにより両側部材に取り付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、閉塞板の左右側部がネジにより両側部材に取り付けられているので、取付が容易であり、かつ外枠をより強固に補強することができる。
【0008】
本発明の請求項3に記載の物品棚装置は、請求項1または2に記載の物品棚装置であって、前記閉塞板の少なくとも左右側部をパネル保持金具により構成したことを特徴としている。
この特徴によれば、閉塞板の少なくとも左右側部がパネル保持金具により構成されているので、閉塞パネルとして、例えば薄手のアクリル板等であってもパネル保持金具により側部材に確実に取り付けることができる。
【0009】
本発明の請求項4に記載の物品棚装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の物品棚装置であって、前記溝条は、前方の側部材の前端面から内方に切り欠かれ、そして後方の側部材の後端面から内方に向かって切り欠かれた切り欠き溝で形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、切り欠き溝が前方の側部材の前端面、そして後方の側部材の後端面と連続しているので、前方の側部材の前端面または後方の側部材の後端面と閉塞板の外面をほぼ面一になるように閉塞板を切り欠き溝に嵌合させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例】
【0011】
図1(a)は、本発明の実施例における物品棚の全体像を示し、手前正面側から見た斜視図であり、図1(b)は、物品棚の奥行き背面側から見た全体像を示す斜視図であり、図2は、物品棚を構成する各部材の分解組立斜視図であり、図3は、物品棚の側部を構成するフレーム枠材の分解組立斜視図であり、図4(a)は、背面閉塞板を示す正面図であり、図4(b)は、図4(a)のA−A線を示す断面図であり、(c)は、図4(a)のB−B線を示す側断面図であり、図5(a)は、正面閉塞板を示す正面図であり、図5(b)は、図5(a)のC−C線を示す断面図であり、図5(c)は、図5(a)のD−D線を示す側断面図であり、図6(a)は、棚板を支持する棚受ブラケットを示す平面図であり、図6(b)は、棚受ブラケットの側面図であり、図6(c)は、図6(b)のE−E線を示す断面図であり、図7(a)は、棚受ブラケットが係止される棚受スリット支柱20の側面図であり、図7(b)は、図7(a)のF−F線を示す断面図であり、図7(c)は、図7(a)のG−G線を示す断面図であって、棚受ブラケットの取り付け過程が示されており、図8は、物品棚全体の側断面図であり、図9(a)は、図8のH−H線を示す断面図であって、背面閉塞板、正面閉塞板板、棚受スリット支柱、及び側面パネルをそれぞれ側フレーム支柱に取り付ける前の状態を示し、図9(b)は、これら部材が側フレーム支柱に取り付けられた状態を示す断面図である。
【0012】
この物品棚装置(以下、物品棚1)は、上下方向に複数階層にわたり物品を収納可能になっており、各階層毎に正面側または背面側から物品類を収納することでき、主に小規模なオフィス空間において利用されている。以下、本実施例の説明において、図1(a)に図示された物品棚1に対面した状態で見て、物品棚1の手前正面側を前方とし、奥行き背面側を後方とし、左手側を左方、右手側を右方として説明する。
【0013】
図1(a)および図1(b)に示されるように、物品棚1には、左右両側に上下方向に長い矩形のフレーム枠材15,15が設けられ、この枠内にプラスチックやガラス板等の透過性のある側面パネル30が嵌め込まれている。両フレーム枠材15,15の上部と下部には、左右の長さ方向に延びる矩形の天板2と底板3が取り付けられ、中間部には上下に所定間隔離間された状態で最上段の棚板4および最下段の棚板4が取り付けられ、上下に3つの収納部S1,S2,S3が形成されている。両フレーム枠材15,15の下部には前後に高さ調整可能なアジャスタ18が取り付けられ、前後左右で物品棚1を安定して支持することができる。
【0014】
収納部S1,S3の背面側には矩形の金属薄板で構成した背面閉塞板10が嵌め込まれており、収納部S1,S3の後方が閉塞され、前方は開口部1a,1aが形成されて収納物の搬出入ができる。中間の収納部S2の前方側には、内側にプラスチック状の幕板パネル13が取り付けられ、外周が矩形の金属枠で囲繞した正面閉塞板幕板11が嵌め込まれており、収納部S2の前方が閉塞され、後方は開口部1aが形成されて収納物の搬出入ができる。
【0015】
図2に示されるように、フレーム枠材15は、アルミの押出し成形からなる前後一対の側部材として構成された側フレーム支柱22,22と、両側フレーム支柱22,22の上下同士をそれぞれ接続固定した上部材としての上フレーム部材16,下部材としての下フレーム部材17,とで構成されている。そして左右に配設されたフレーム枠材15は、上方において前後の上部材としての上ビーム部材5,5にて、下方において前後の下部材としての下ビーム部材6,6にて連結固定されることにより周囲が解放された物品棚1の外枠が構築される。
【0016】
なお、上ビーム材5,5および下ビーム材6,6は、それぞれ上フレーム部材16,16、下フレーム部材16,16に形成したネジ貫通孔16b,16b、ネジ貫通孔17b,17bに取付ネジ8,8を挿通させ上ビーム材5,5および下ビーム材6,6のネジ穴5b,5b、ネジ穴6b,6bに螺合させることで上フレーム部材16,16、下フレーム部材17,17に締結される。
【0017】
外枠の両フレーム枠材15,15間の上下部には木材やプラスチックおよび金属板等で形成された板状の天板2および底板3が、中間部には金属薄板で折り曲げ形成された棚板4,4が設けられている。そしてこれら棚板4,4は、側フレーム支柱22,22に取り付けた棚受ブラケット7,7により保持されている。そして、天板2は上フレーム部材16,16の天板受部16c,16cと、上ビーム材5,5の天板受部5b、5bに載置固定され、底板3は下ビーム材6,6の底板受部に載置固定される。
【0018】
次いで、図3、図9に基づき、フレーム枠材15の構成について、より具体的に説明する。この図3には右側のフレーム枠材15が示されているが、左側のフレーム枠材15については、左右対称構造のためその説明は割愛する。
【0019】
図9に示すように、前後の側フレーム支柱22,22は前後対称に対向する方向に配置され、それぞれ前後の外方には上下方向に沿って延在する溝条26,26が設けられている。前方の側フレーム支柱22の溝条26は前端面から内方に向けて切り欠かれた切り欠き溝として形成され、後方の側フレーム支柱22の溝条26は後端面から内方に向けて切り欠かれた切り欠き溝として形成されている。その結果、前方の側フレーム支柱22は前方に、後方の側フレーム支柱22は後方に支柱本体から突出する連結片25,25が上下方向に延設する構造となる。また図3に示すように、この側フレーム支柱22,22の上下端部には上下方向に向けてネジ穴22a,22aが形成されるとともに、このネジ穴22a,22aよりもやや内側よりに上下方向に貫通する嵌合溝23が形成されている。
【0020】
この嵌合溝23には、上下方向に複数の係合孔20aが左右方向に貫通して形成された棚受スリット支柱20を上方または下方から嵌入することができ、上下のフレーム部材16,17によって移動が規制される。(図9も合わせて参照)。前後の側フレーム支柱22,22の対面側には、上下方向に向けて側面パネル保持溝24,24が形成され、これら溝に沿って側面パネル30の前後側端部を嵌合して取り付けることができる。
【0021】
上フレーム部材16の前後端部には上下方向に貫通する上フレーム組立ネジ貫通孔16a,16aが形成され、同様に下フレーム部材17の前後端部にも、上下方向に貫通する下フレーム組立ネジ貫通孔17a,17aが形成されている。そこで、下フレーム部材17の前後端部に側フレーム支柱22,22をそれぞれ設置し、下方より側フレーム組立ネジ19,19を下フレーム組立ネジ貫通孔17a,17aを介して、側フレーム支柱22,22の下部のネジ穴22a,22aに螺合することで、下フレーム部材17に側フレーム支柱22,22が締結固定される。
【0022】
そして、前後の側フレーム支柱22,22に棚受スリット支柱20,20および側面パネル30を取り付けた後、前後の側フレーム支柱22,22の上部に上フレーム部材16の前後端部をそれぞれ設置し、上方より側フレーム組立ネジ19,19を上フレーム組立ネジ貫通孔16a,16aを介して、側フレーム支柱22,22の上部のネジ穴22a,22aに螺合することで、上フレーム部材16に側フレーム支柱22,22が締結固定され、堅固なフレーム枠材15が構成される。
【0023】
また、下フレーム部材17の前後端部の下端には、アジャスタ18を取り付け可能なアジャスタ取付部17dが設けられている。さらに、前後端部のよりもやや中央位置には、上下方向に向けて切欠くように、配線溝17cが2箇所に離間して形成され、例えば、天板2および底板3と棚板4に載置された物品から延設された電源コード類を床面40に向けて案内可能になっている。
【0024】
次に、図4および図5により、背面閉塞板10および正面閉塞板11についてより具体的に説明する。
【0025】
まず、図4(a)〜(c)に示されるように、背面閉塞板10は、スチール金属等の板金で成形され、この背面閉塞板10の左右端部は上面視コ字状に折り曲げられており、このコ字状内の側端面には上下位置に所定間隔離間された状態でナット10a,10aが溶接され固着されている。そして、ナット10a,10aの外方にはネジ挿通孔10bが、それぞれ左右方向に向けて形成されている。
【0026】
次いで、図5(a)に示されるように、正面閉塞板11は、矩形に成形された幕板パネル13と、幕板パネル13の四辺を保持するアルミやスチール金属で形成された4本のパネル保持金具12と、これらパネル保持金具12を各角部で連結するL字形板金の連結板12cで構成されている。
【0027】
このように、幕板パネル13をパネル保持金具12で保持することにより、幕板パネル13として、例えば薄手のアクリル板等であってもパネル保持金具13により、側フレーム支柱22に確実に取り付けることができると同時に、薄手パネルの補強も兼ねることができる。また、幕板パネル13としては、物品棚が配置されている部屋の雰囲気にあうように、所望の色とか透過性のパネル等、各種の素材のものを適宜選択して使用できる。
【0028】
図5(b)および図5(c)に示されるように、正面閉塞板11の保持金具12の左右端部は上面視コ字状に折り曲げられており、このコ字状内の側端面には上下位置に所定間隔離間された状態でナット12a,12aが溶接され固着されている。そして、ナット12a,12aの孔から左右側端部に向けて連通するネジ挿通孔12bが、それぞれ左右方向に向けて形成されている。
【0029】
図6(a)〜(c)に示されるように、棚受ブラケット7はスチール等の板金による折り曲げによって形成され、棚板4の左右側端部を係止する断面上向きコ字状の棚板支持部7bが設けられている。棚受ブラケット7の両側端には、棚板支持部7bの対向方向に向けて突設された上下方向に凸部を有する鈎部7aが設けられている。棚板支持部7bの左右位置には、中央位置から等間隔離間された位置に上下方向に貫通するボルト貫通孔7c,7cが形成されている。
【0030】
図7(a)および図7(b)に示されるように、棚受スリット支柱20はスチール金属等の折り曲げによって、上下の長さ方向に延設され上面視コ字状に形成されており、両側部には嵌合片20b,20bが成形され、両側部の連結された中央位置に上下の長さ方向に向けて矩形の係合孔20aが形成されている。そこで、図7(c)に示されるように、棚受スリット支柱20への棚受ブラケット7の取り付けについて説明すると、フレーム支柱22の嵌合溝23に嵌入した棚受スリット支柱20の係合孔20aに向けて、物品棚1の内側から棚受ブラケット7の鈎部7aを引っ掛けるように上方に向けて挿入していく。次過程において、棚受スリット支柱20内に鈎部7aを嵌入させ、棚板支持部7bを棚受スリット支柱20に当接させ、この棚受スリット支柱20に沿って、下方に向けて摺動させながら移動していく。
【0031】
すると、係合孔20aの下部に鈎部7aの下端が係止されるとともに、鈎部7aの上端が係合孔20aの上部位置で係止され、棚受スリット支柱20に棚受ブラケット7が位置固定され取り付けが完了となる。そこで、棚板支持部7bに棚板4のコ字状に折り曲げられ端部処理された左右側端部を載置することで、棚板4が物品棚1内に架設される。
【0032】
そして、棚板4の左右側端部の下部内側には、ナット4aが溶接され、固定ボルト39を棚板支持部7bの下方よりボルト貫通孔7cを介して、ナット4aに螺合することで、棚受ブラケット7に棚板4の左右側端部が連結固定され、棚受スリット支柱20を介して棚板4が安定して側フレーム支柱22に支持される。同様にして、他方の棚板4も棚受ブラケット7で支持させることで、棚板4,4に載置される物品類、例えば、重量のある物品であっても安定して支持可能な構造となっている。
【0033】
図8および図9(a)に示されるように、物品棚1内に2つのの棚板4,4が取り付けられたことで、上下方向に3つの収納部S1,S2,S3が形成される。前後の側フレーム支柱22,22に設けられた溝条26,26は、前方の側フレーム支柱22の前端面から内方に切り欠かれ、そして後方の側フレーム支柱22の後端面から内方に向かって切り欠かれた切り欠き溝で形成されている。
【0034】
そこで、上段と下段の収納部S1,S3の後方側から、後方の側フレーム支柱22の溝条26に向けて、それぞれ2枚の背面閉塞板10を前方向へと移動させ、この溝条26内に嵌め込み、連結片25に形成された幕板取付ネジ貫通孔25aと、背面閉塞板10の側部に形成されたネジ挿通孔10bを左右方向に貫通するように重ね合わせた状態で、外方より幕板取付ネジ14を幕板取付ネジ貫通孔25に挿通させ、ナット10aに螺合して背面閉塞板10を取り付ける。同様にして、中段の収納部S2の前面側は、正面閉塞板11により前方の側フレーム支柱22間に取り付けることができる。
【0035】
図9(b)に示されるように、取り付け完了状態においては、前方の側フレーム支柱22の前端面、そして後方の側フレーム支柱22の後端面がそれぞれ溝条26,26と連続しているので、前方の側フレーム支柱22の前端面または後方の側フレーム支柱22の後端面と、正面閉塞板11および背面閉塞板10の外面をほぼ面一になるように、正面閉塞板11および背面閉塞板10を溝条26,26に嵌合させることができる。これにより、外方に向けてA幕板10およびB幕板11の外面が突設されず、利用者の服や手等に引っ掛かりを生じさせることなく、安全性が高められているとともに、物品棚1の外方からの見栄えも良い。
【0036】
背面閉塞板10および正面閉塞板11の左右側部が幕板取付ネジ14により、両側フレーム支柱22,22に取り付けられているので、取付が容易であり、且つこれら背面閉塞板10および正面閉塞板11によって、物品棚1の外枠をより強固に補強することができる。
【0037】
そして図8に示されるように、上下段の収納部S1,S3においては、前方側から物品類を収納可能な開口部1aが前端側に形成され、中段の収納部S2においては、後方側から物品類を収納可能な開口部1aが後端側に形成される。このように、正面閉塞板11により前方が閉塞される収納部S2、および背面閉塞板10により後方が閉塞される収納部S1,S3によって、例えば物品棚1を境にして前方側および後方側に、それぞれ配置された机で作業する利用者の物品収納スペースが適宜区分けされて提供されるので、それぞれ自身の利用する資料等を近傍の開口部1aから収納でき利便性が良い。
【0038】
したがって、従来公知の前方または後方の一方が開口された棚の背面を向かい合わせて足り、背面側を壁面に押しつけたりする限定的な利用法が回避でき、1つの物品棚1で前方側および後方側の利用者が同時に使用でき、且つ従来のように前面側或いは背面側のどちらか一方側の開口を全部塞いで使用することも当然可能であり、特に小規模な仕事場で作業するオフィス等において利用形態の選択に自由度があり、室内をより有効に活用することができる。しかも棚の収納部毎に各種素材の閉塞板が使用可能であるので、物品棚がセットとされている部屋全体との調和を図ることができる。
【0039】
次に、本発明の実施例の変形例について説明する。図10(a)は、本発明の変形例1における物品棚の全体像を示した斜視図であり、(b)は、本発明の変形例2における物品棚の全体像を示した斜視図である。尚、以下の変形例1,2において前述の実施例と同様の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。
【0040】
図10(a)に示された変形例1は、物品棚50の収納部S1,S2,S3の前方には、全面を閉塞するように閉塞板52がそれぞれ取り付けられており、後方側に開口部1aが形成されている。このように、閉塞板52を前方の全域に取り付けることにより、一方側が解放された公知の物品棚としても利用することができる。この閉塞板52には、先に述べた実施例の背面閉塞板10や正面閉塞板板11のいずれを利用しても良いし、両方用いてもよい。他にも部屋の雰囲気にあった色や、材質のパネルを適宜選択でき、かつ取り替え可能になっており、透過性・半透過性のパネルの利用もできて、デザイン的にも優れた物品棚50となる。同様に、棚板4,4や天板2および底板3の色や材質も適宜変更することができることは言うまでもなく、実施例において前述した構成により閉塞板の取付位置変更のための着脱および交換も容易に行える。
【0041】
図10(b)に示された変形例2は、物品棚51の収納部S1,S2の後方には、2つの閉塞板52が取り付けられ、収納部S3の前方には閉塞板52が取り付けられており、これら閉塞板52の対面側に開口部1aがそれぞれ形成されている。このように、閉塞板52の取り付け位置を適宜変更し、任意の箇所を閉塞するように取り付けることで、オフィス等の室内の利用形態に合わせて物品の収納方向を容易に変更することができ、多様な利用形態を構築することができる。
【0042】
このように、本実施例では、物品棚1の外枠が、左右に配置した一対の側フレーム支柱22,22と、これら側フレーム支柱の上下同士を接続した上ビーム部材4,4、上フレーム部材16,16および下ビーム部材6,6、下レーム部材17,17だけで構成されているので、堅牢且つ軽量で開放感があり、しかも物品棚1の前後から閉塞板10,11によって収納される任意の箇所を閉塞することができるので、物品棚1としての利用形態に選択の自由度がある。また、部屋の雰囲気にあった色や材質の閉塞板を適宜選択して棚の収納部S1,S2,S3毎に閉塞板を取り付け、物品棚1がセットとされている部屋全体との調和を図ることができる。
【0043】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれ、例えば上記実施例では、閉塞板10,11は幕板取付ネジ14によって、左右の側フレーム支柱22,22の溝条26,26に嵌合したのち、連結片25,25に螺合されることで連結強度が強固に補強されることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、左右の側フレーム支柱22,22の溝条26,26に安易に取り外れないように取り付けられれば、爪と係合孔による係止手段等どのような手段でも良い。
【0044】
また、上記実施例では、物品棚1に天板2および底板3が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら物品棚1には、棚板4,4のみの構成であってもよく、更に発明においては、新たな棚板を用いて物品棚に複数段の収納部を設けるようにしても良い。そして閉塞板10,11は必ず収納棚の前後一方に用いなければならないのもではなく、収納棚の前後に閉塞板のない空間部で構成することも可能である。
【0045】
また、上記実施例では、フレーム枠材15内に側面パネル30が取り付けられているが、側面パネル30は付属的な者で設けなくても良い。さらに溝条26の形状を、前方側或いは後方側が解放された切り欠き溝とした、閉塞板10,11が保持できる構造であればどの様な形状であっても良い。
【0046】
更に、正面閉塞板11に用いたパネル保持金具12はネジ係合が可能なように、少なくとも左右端部側だけ形成されているようにしても良い。なお、背面閉塞板10についても、当然のことながら適宜各種の素材のものを選択して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】(a)は、本発明の実施例における物品棚の全体像を示し、手前正面側から見た斜視図であり、(b)は、物品棚の奥行き背面側から見た全体像を示す斜視図である。
【図2】物品棚を構成する各部材の分解組立斜視図である。
【図3】物品棚の側部を構成するフレーム枠材の分解組立斜視図である。
【図4】(a)は、背面閉塞板を示す正面図であり、(b)は、図4(a)のA−A線を示す断面図であり、(c)は、図4(a)のB−B線を示す側断面図である。
【図5】(a)は、正面閉塞板を示す正面図であり、(b)は、図5(a)のC−C線を示す断面図であり、(c)は、図5(a)のD−D線を示す側断面図である。
【図6】(a)は、棚板を支持する棚受ブラケットを示す平面図であり、(b)は、棚受ブラケットの側面図であり、(c)は、図6(b)のE−E線を示す断面図である。
【図7】(a)は、棚受ブラケットが係止される棚受スリット支柱20の側面図であり、(b)は、図7(a)のF−F線を示す断面図であり、(c)は、図7(a)のG−G線を示す断面図であって、棚受ブラケットの取り付け過程が示されている。
【図8】物品棚全体の側断面図である。
【図9】(a)は、図8のH−H線を示す断面図であって、背面閉塞板、正面閉塞板板、棚受スリット支柱、及び側面パネルをそれぞれ側フレーム支柱に取り付ける前の状態を示し、(b)は、これら部材が側フレーム支柱に取り付けられた状態を示す断面図である。
【図10】(a)は、本発明の変形例1における物品棚の全体像を示した斜視図であり、(b)は、本発明の変形例2における物品棚の全体像を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
1 物品棚
1a 開口部
2 天板
3 底板
4 棚板
4a ナット
5 上ビーム材(上部材)
5a 天板受部
5b ネジ穴
6 下ビーム材(下部材)
6a 底板受部
6b ネジ穴
7 棚受ブラケット
7a 鈎部
7b 棚板支持部
7c ボルト貫通孔
8 取付ネジ
10 背面閉塞板
10a ナット
10b ネジ挿通孔
11 正面閉塞板
12 パネル保持金具
12a ナット
12b ネジ挿通孔
12c 連結板
13 幕板パネル
14 幕板取付ネジ
15 フレーム枠材
16 上フレーム部材
16a 上フレーム組立ネジ貫通孔
16b 上ビーム取付ネジ貫通孔
16c 天板受部
17 下フレーム部材
17a 下フレーム組立ネジ貫通孔
17b 下ビーム取付ネジ貫通孔
17c 配線溝
17d アジャスタ取付部
18 アジャスタ
19 側フレーム組立ネジ
20 棚受スリット支柱
20a 係合孔
20b 嵌合片
21 溝塞ぎ材
21a 係止爪
22 側フレーム支柱(側部材)
22a ネジ穴
23 嵌合溝
24 側面パネル保持溝
25 連結片
25a 幕板取付ネジ貫通孔
25b 係止溝
26 溝条
30 側面パネル
39 固定ボルト
40 床面
50、51 物品棚
52 閉塞板
S1、S2、S3 収納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右に前後一対の側部材を設け、これら側部材の上下同士を上部材と下部材で接続して外枠を形成し、前記左右の一対の側部材間に棚板を上下方向に複数架設した物品棚装置であって、前記側部材には、左右の前方の側部材同士、及び左右の後方の側部材同士がそれぞれ対向する方向に向かい合う上下方向に延在する溝条が設けられ、前記棚板の内の上下に対向する棚板間の前後面のいずれか、または最上段の棚板と前記上部材間の前後面のいずれか、または最下段の棚板と前記下部材間の前後面のいずれか、の内の任意の箇所を閉塞する閉塞板の左右側部が前記左右側部材の溝条に嵌合して取り付けられていることを特徴とする物品棚装置。
【請求項2】
前記閉塞板の左右側部は、ネジにより両側部材に取り付けられている請求項1に記載の物品棚装置。
【請求項3】
前記閉塞板の少なくとも左右側部をパネル保持金具により構成した請求項1または2に記載の物品棚装置。
【請求項4】
前記溝条は、前方の側部材の前端面から内方に切り欠かれ、そして後方の側部材の後端面から内方に向かって切り欠かれた切り欠き溝で形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の物品棚装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−135954(P2007−135954A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−335307(P2005−335307)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】