説明

物品載置台付きテーブル

【課題】物品載置台を、天板上での作業の妨げになることなく、かつ、使用者の好みに応じた位置に配置して利用の便をはかれるようにする。
【解決手段】左右の脚体2、2同士を、横連結杆4により連結して形成された支持フレーム1により天板12を支持するとともに、前記横連結杆4の側端部を、前記脚体2及び天板12の側端よりも外方に延出し、この延長部4aに設けた支持部材36に、物品載置台28を取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パソコン本体やファイル等の物品を載置可能な物品載置台付きテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テーブルの天板面にパソコン本体を載置する載置台を設けたものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、脇机の天板に取り付けられる取付部により、脇机の側部においてパソコン本体を載置するようにしたものもある(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−19034号公報
【特許文献2】特開2001−236142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されている従来の物品載置台は、天板上に設けられているので、天板上でのキーボード操作や筆記作業の妨げになるという問題がある。
【0005】
また、特許文献2に記載されている物品載置台は、脇机の側部に設けられるので、テーブルの前に座って作業している使用者からの距離が離れすぎ、フレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体の入れ替えなどの作業が面倒である。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、物品載置台を、天板上での作業の妨げになることなく、かつ、使用者の好みに応じた位置に配置して利用の便をはかれるようにした物品載置台付きテーブルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)左右の脚体同士を横連結杆により連結して形成された支持フレームにより天板を支持するとともに、前記横連結杆の側端部を、前記脚体及び天板の側端よりも外方に延出し、この延長部に設けた支持部材に、物品載置台を取り付ける。
【0008】
(2)上記(1)項において、物品載置台が、側板の下端に内向きの底板を有する左右1対の支持板よりなり、かつ前記底板同士を互いに重合させて左右の支持板を対向させることにより、両支持板間に物品収納空間が形成されるようにする。
【0009】
(3)上記(2)項において、左右の底板同士を、両支持板間の間隔を調整可能な間隔調整手段を介して、左右方向にスライド可能に重合させることにより、物品収納空間の間隔を調節しうるようにする。
【0010】
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、支持部材を上下2分割構造とし、横連結杆の延長部を上下より挟持して締付手段により互いに固着する。
【0011】
(5)上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、横連結杆を非円形断面とする。
【0012】
(6)上記(1)〜(5)項のいずれかにおいて、支持部材を、後端が横連結杆の延長部に取付けられた前後方向に長いアーム状のものとし、この支持部材の前端部に、物品載置台を吊り下げるように取付ける。
【0013】
(7)上記(1)〜(5)項のいずれかにおいて、支持部材の上面に支持杆を立設し、この支持杆の上端に、物品載置台を取り付ける。
【0014】
(8)上記(7)項において、支持杆の下端部を、2分割構造とした支持部材の上部側の挟持部材に設けた凹孔に嵌合し、支持杆を上下の挟持部材とを、支持杆の下端に向かって下方より、螺合したボルトにより共締めして、一体的に固定する。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明によると、脚体及び天板の側端より外方に延出させた横連結杆の延長部を利用して、物品載置台を取り付けたことにより、天板面を使用することなく、物品載置台を取り付けることができる。従って、天板上での作業を妨げることがなくなるとともに、天板と近い側方において、物品載置台への物品の載置や出し入れを容易に行うことができる。
【0016】
請求項2記載の発明によると、左右の支持板間の物品収納空間内に、パソコン本体やその他の物品を安定して収納することができる。
【0017】
請求項3記載の発明によると、物品収納空間の間隔を、収納する物品に合わせて最適に調節しうるとともに、左右の側板を物品に密着させて保持することにより、物品の位置ずれや落下等を防止することができる。
【0018】
請求項4記載の発明によると、締付手段を緩めるだけで、支持部材を延長部に沿って左右方向に簡単に移動させうるので、物品載置台の左右位置を、天板に近づけたり、離したり、使用者の好みに応じて調節することができる。
【0019】
請求項5記載の発明によると、横連結杆に対し、支持部材が回動する恐れがないので、たとえ、物品載置台が片持ちで支持されたとしても、安定して支持することができる。
【0020】
請求項6記載の発明によると、物品載置台に手が届き易くなるので、それへの物品の出し入れが容易となるとともに、パソコン本体等を、下方の目立たない位置に載置したり、収納したりすることができる。
【0021】
請求項7記載の発明によると、物品載置台に収容したパソコン本体等が、使用者の目の前方の見易い位置となるので、その操作や他の物品の出し入れを、目で確認しながら行うことができる。
【0022】
請求項8記載の発明によると、支持杆を簡単に位置決めして支持部材に取付けることができるとともに、支持杆の下端部の支持強度も大となる。
また、支持杆と上下の挟持部材とを、ボルトにより一度に固定しうるので、作業能率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の物品載置台付きテーブルの第1の実施形態を示す一部切欠き斜視図、図2は、物品載置台取付部の縦断側面図である。
【0024】
第1の実施形態の物品載置台は、吊り下げ形態のものである。
支持フレーム(1)は、側面視倒立T字状をなす左右1対の脚体(2)(2)と、両脚体(2)の上端同士を連結する前後1対の互いに平行をなす横連結杆(3)(4)と、この両横連結杆(3)(4)の中間部に、前方(以下、図1の斜め右下方を前として説明する)を向くように取り付けられた天板支持体(5)とを備えている。
【0025】
脚体(2)は、前後方向を向くベース脚(2a)と、その中央よりも若干後部側において起立する、平面視概ね楕円形断面の脚柱(2b)とからなり、脚柱(2b)の上端には、前後の横連結杆(3)(4)を支持して固定する支持部材(6)が固着されている。
支持部材(6)は、上面に前後の横連結杆(3)の下半部が嵌合される支持板(6a)と、この支持板(6a)と同形かつ上下対称形をなし、横連結杆(3)の上半部が嵌合される挟持板(6b)とからなっている。
【0026】
後部の横連結杆(3)の両端面は、支持部材(6)の側端面とほぼ同一面をなし、両側端の開口部は、エンドキャップ(7)により閉塞されている。前部の横連結杆(4)は、支持部材(6)より側方に延びる延長部(4a)を有し、この延長部(4a)に後述するように、物品載置台(8)が取り付けられている。この延長部(4a)の側端開口部もエンドキャップ(7)により閉塞されている。
【0027】
横連結杆(3)(4)は、上下両面が水平面をなすほぼ六角形断面のアルミニウム合金等の管材よりなり、内部の上下の対向面間には、左右方向を向いて互いに平行をなす前後1対の垂直平板状の補強リブ(9)(9)が連設されている。
【0028】
上記天板支持体(5)は、前後の横連結杆(3)(4)の左右方向の中間部に取付けられた、上下2分割構造の左右1対の支持ブラケット(10)(10)の前端に、上下に回動可能に枢着された前方を向く左右1対の平行リンク機構(11)を備えている。この天板支持体(5)上に、天板(12)が高さ調節可能に取り付けられている。
【0029】
物品載置台(8)は、左右に間隔を隔てて配置された1対の支持板(13)(14)を備え、それらの間には、前後両端が開口された角筒形状の物品収納空間(15)が形成されている。
【0030】
すなわち、左側の支持板(13)は、側板(13a)の上下両端に、上面板(13b)と底板(13c)を有する右向きコ字形をなし、右側の支持板(14)は、左側のものと同形で、側板(14a)の上下両端に上面板(14b)と底板(14c)を有する左向きコ字形をなしており、右側の支持板(14)の底板(14c)の上面に、左側の支持板(13)の底板(13c)の下面が当接するようにして、互いに嵌合されている。左側の支持板(13)の上面板(13b)には、前後2個の左右方向を向く長孔(16)が形成され、右側の支持板(14)の上面板(14b)に下方より挿入した皿ボルト(17)を、長孔(16)より突出させてある。
【0031】
従って左右の支持板(13)(14)は、長孔(16)の範囲内で左右方向に相対移動することができ、所定の位置で皿ボルト(17)に摘みナット(18)を螺合して締付けることにより、物品収納空間(15)の間隔が調整可能となる。
【0032】
右側の支持板(14)の底板(14a)にも、同様の長孔(16)が形成され、左側の支持板(13)の底板(13c)に上向き突設された皿ボルト(17)に、摘みナット(18)を螺合して固定しうるようになっている。
なお、上記長孔(16)、皿ボルト(17)及び摘みナット(18)により、間隔調節手段を構成している。
【0033】
左側の支持板(13)の上面板(13b)の中央部には、物品載置台(8)の支持部材(19)が取り付けられている。この支持部材(19)は、上部挟持部材(19a)と下部挟持部材(19b)との2分割構造をなし、上部挟持部材(19a)の後端には、横連結杆(4)の延長部(4a)の上半部に嵌合される下向きの嵌合凹部(20)が、また下部挟持部材(19b)の後端には、同じく延長部(4a)の下半部に嵌合される上向きの嵌合凹部(21)がそれぞれ形成されている。
【0034】
上下の挟持部材(19a)(19b)により延長部(4a)を上下から挟持したのち、下部挟持部材(19b)の前端に形成された上下方向を向く貫通孔(22)に、皿ボルト(23)を、左側の支持板(13)の上面板(13b)の下方より挿通し、上部挟持部材(19a)の段付き孔(24)内に挿入した四角ナット(25)に、皿ボルト(23)の上端部をねじ込むことにより、上下の挟持部材(19a)(19b)は、左側の支持板(13)の上面に固定されている。
【0035】
上下の挟持部材(19a)(19b)の後端部同士は、下部挟持部材(19b)の下方より挿入した固定ボルト(26)を、上部挟持部材(19a)のめねじ(27)に螺合することにより固定されている。
上記のように構成された物品載置台(8)の物品収納空間(15)には、パソコン本体、書類やファイル等、デスクワークに必要な物品を収納して載置することができる。
【0036】
図3および図4は、本発明の物品載置台付きテーブルの第2の実施形態を示す。
第2の実施形態の物品載置台(28)は、上置きタイプのもので、左右の支持板(29)(30)を、側板(29a)(30a)の下端に底板(29b)(30b)を有する正面視内向L字状として、それらの間に、上面と前後両面が開放された物品収納空間(31)が形成されている。
【0037】
右側の支持板(30)の底板(30b)の前後2箇所には、上記と同様の長孔(16)が形成され、左側の支持板(29)の底板(29b)に下向に固着されている皿ボルト(32)を、長孔(16)から下方に突出させ、摘みナット(33)により締付けて固定することにより、物品収納空間(31)の間隔が調整可能となっている。
【0038】
物品載置台(28)の右側の支持板(30)の底板(30b)には、支持杆(34)が皿ボルト(35)により下向きに取り付けられている。物品載置台(28)の支持部材(36)は、上部挟持部材(36a)と下部挟持部材(36b)からなり、上部挟持部材(36a)の後端部には、延長部(4a)の上半部に嵌合する下向きの嵌合凹部(37)が、また下部挟持部材(36b)には、延長部(4a)の下半部に嵌合する上向きの嵌合凹部(38)がそれぞれ形成されている。
【0039】
上下の挟持部材(36a)(36b)により延長部(4a)を上下から挟持したのち、上部挟持部材(36a)の前端部上面に形成された嵌合孔(39)に、支持杆(34)の下端部を嵌合させ、下部挟持部材(36b)の下方より挿入した固定ボルト(40)の上端部を、支持杆(34)の下端部に形成しためねじ孔(41)に螺合することにより、支持杆(34)は支持部材(36)に取り付けられている。
【0040】
上下の挟持部材(36a)(36b)の後端部同士は、下部挟持部材(36b)の下方より挿入したボルト(42)を、上部挟持部材(36a)のめねじ(43)に螺合することにより、固定されている。
【0041】
第2の実施形態の物品載置台(28)においては、物品収納空間(31)の上方が開放されているので、上下寸法の大きなパソコン本体やファイル等の物品を収納して載置しうるとともに、物品を上方より容易に出し入れすることができる。
【0042】
以上説明したように、左右の脚体(2)を連結している一方の横連結杆(4)を脚体(2)及び天板(12)の側方に延出させ、その延長部(4a)に物品載置台(8)(28)を取り付けたことにより、天板(12)の上面を広く使用することができ、天板上での作業を妨げることがなくなる。
【0043】
また、物品収納空間(15)(31)の間隔を、載置する物品の左右寸法に合わせて調節しうるとともに、左右の支持板(13)(14)、(29)(30)の内面を密着させることにより、パソコン本体等の物品の前後方向の位置ずれや落下を防止することができる。
【0044】
さらに、物品載置台(8)(28)の支持部材(19)(36)は、上下2分割構造であり、延長部(4a)を上下より挟持するようにして固定されているため、その取付ボルト(23)(26)、(40)(42)を緩めるだけで、物品載置台(8)(28)の左右方向の支持位置を、天板(12)に近づけたり、離したり、使用者の好みに応じて容易に調節することができる。
【0045】
なお、上記実施形態では、前後2本の横連結杆(3)(4)の一方のみを、脚体(2)の側方に延出させているが、それらの両方を側方に延出させ、2本の延長部に跨って支持部材(19)(36)を取付け、これにより物品載置台(8)(28)を支持するようにしてもよい。このようにすると、物品載置台(8)(28)の支持強度が大となる。
【0046】
また、横連結杆(4)を右側方に延出させて延長部を形成し、この延長部にも、上述と同様の形態で、物品載置台を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す一部切欠き斜視図である。
【図2】同じく、要部の縦断側面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す一部切欠き斜視図である。
【図4】同じく、要部の縦断側面図である。
【符号の説明】
【0048】
(1)支持フレーム
(2)脚体
(2a)ベース脚
(2b)脚柱
(3)横連結杆
(4)横連結杆
(4a)延長部
(5)天板支持体
(6)支持部材
(6a)支持板
(6b)挟持板
(7)エンドキャップ
(8)物品載置台
(9)補強リブ
(10)支持ブラケット
(11)平行リンク機構
(12)天板
(13)(14)支持板
(13a)(14a)側板
(13b)(14b)上面板
(13c)(14c)底板
(15)物品収納空間
(16)長孔
(17)皿ボルト
(18)摘みナット
(19)支持部材
(19a)上部挟持部材
(19b)下部挟持部材
(20)(21)嵌合凹部
(22)貫通孔
(23)皿ボルト
(24)段付き孔
(25)四角ナット
(26)固定ボルト
(27)めねじ
(28)物品載置台
(29)(30)支持板
(29a)(30a)側板
(29b)(30b)底板
(31)物品収納空間
(32)皿ボルト
(33)摘みナット
(34)支持杆
(35)皿ボルト
(36)支持部材
(36a)上部挟持部材
(36b)下部挟持部材
(37)(38)嵌合凹部
(39)嵌合孔
(40)固定ボルト
(41)めねじ孔
(42)ボルト
(43)めねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の脚体同士を横連結杆により連結して形成された支持フレームにより天板を支持するとともに、前記横連結杆の側端部を、前記脚体及び天板の側端よりも外方に延出し、この延長部に設けた支持部材に、物品載置台を取り付けたことを特徴とする物品載置台付きテーブル。
【請求項2】
物品載置台が、側板の下端に内向きの底板を有する左右1対の支持板よりなり、かつ前記底板同士を互いに重合させて左右の支持板を対向させることにより、両支持板間に物品収納空間が形成されるようにした請求項1記載の物品載置台付きテーブル。
【請求項3】
左右の底板同士を、両支持板間の間隔を調整可能な間隔調整手段を介して、左右方向にスライド可能に重合させることにより、物品収納空間の間隔を調節しうるようにした請求項2記載の物品載置台付きテーブル。
【請求項4】
支持部材を上下2分割構造とし、横連結杆の延長部を上下より挟持して締付手段により互いに固着してなる請求項1〜3のいずれかに記載の物品載置台付きテーブル。
【請求項5】
横連結杆を非円形断面としてなる請求項1〜4のいずれかに記載の物品載置台付きテーブル。
【請求項6】
支持部材を、後端が横連結杆の延長部に取付けられた前後方向に長いアーム状のものとし、この支持部材の前端部に、物品載置台を吊り下げるように取付けてなる請求項1〜5のいずれかに記載の物品載置台付きテーブル。
【請求項7】
支持部材の上面に支持杆を立設し、この支持杆の上端に、物品載置台を取り付けた請求項1〜5のいずれかに記載の物品載置台付きテーブル。
【請求項8】
支持杆の下端部を、2分割構造とした支持部材の上部側の挟持部材に設けた凹孔に嵌合し、支持杆と上下の挟持部材とを、支持杆の下端に向かって下方より螺合したボルトにより共締めして、一体的に固定した請求項7記載の物品載置台付きテーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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