現像装置および画像形成装置
【課題】現像ローラが高速かつ連続回転しても、現像剤との摩擦による温度上昇を抑制し、長期間にわたり安定した画像を形成できる小型の現像装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像ローラ62は、回転駆動する現像スリーブ70と、現像スリーブ70に内蔵された回転駆動しないマグネット部64とを備えている。マグネット部64内には、マグネット部64の一方の軸端部64aに設けられた開口66aと外周面64bに設けられた開口66bとを繋ぐ第1貫通路66が設けられている。現像スリーブ70内には、フランジ70dの内壁面に設けられた開口72aと軸端部70aに設けられた開口72bとを繋ぐ第2貫通路72が設けられている。第1貫通路66と第2貫通路72は、マグネット部64の外周面64bと現像スリーブ70の内周面70bとの間に形成された隙間を介して連通している。
【解決手段】現像ローラ62は、回転駆動する現像スリーブ70と、現像スリーブ70に内蔵された回転駆動しないマグネット部64とを備えている。マグネット部64内には、マグネット部64の一方の軸端部64aに設けられた開口66aと外周面64bに設けられた開口66bとを繋ぐ第1貫通路66が設けられている。現像スリーブ70内には、フランジ70dの内壁面に設けられた開口72aと軸端部70aに設けられた開口72bとを繋ぐ第2貫通路72が設けられている。第1貫通路66と第2貫通路72は、マグネット部64の外周面64bと現像スリーブ70の内周面70bとの間に形成された隙間を介して連通している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタ、ファクシミリなどの現像装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、現像ローラ両端のフランジのうち、一方のフランジに外面から内面に向けて内窄まり状の貫通孔を形成し、他方のフランジに内面から外面に向けて外広がり状の貫通孔を形成した現像装置が記載されている。この現像装置は、現像ローラが高速かつ連続回転して、磁界発生手段を内蔵した現像ローラの回転による渦電流や現像剤との摩擦によって発熱があっても、温度上昇を抑えて現像剤の変質を防止して、濃度低下がない高品位な画像を得ることができる。
【0003】
また、特許文献2には、現像剤を担持する現像スリーブに現像剤を担持して像担持体と対向した現像領域へ搬送する現像装置において、現像装置本体に支持され該現像装置本体の外部に一部が露出し現像剤を保持しない露出部を有する回転部材を備え、露出部より回転部材の熱を放熱する現像装置が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−215803号公報
【特許文献2】特開2005−148103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の現像装置は、スリーブ内周面とマグネット部の隙間が狭く、マグネット部の外周面の一部に溝を設けたとしても、十分な気流が発生しないおそれがある。また、気流出口側では、感光体ドラムと現像ローラとの間で現像剤が気流によって飛散する心配がある。気流入口側では、空気だけでなく飛散した現像剤も貫通孔からローラ内部に侵入して磁力分布が乱れ、機内汚染および現像性能低下などによって画像不良が発生する場合がある。
【0006】
また、特許文献2の現像装置は、現像スリーブ端部には現像には関与しない冷却用の領域が必要となり、現像装置自体が大きくなってしまう。
【0007】
それゆえに、本発明の主たる目的は、現像ローラが高速かつ連続回転しても、現像剤との摩擦による温度上昇を抑制し、長期間にわたり安定した画像を形成できる小型の現像装置および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、ハウジング内に、現像剤を担持する現像ローラと、現像ローラの表面上の現像剤の厚みを規制するブレードと、を有した現像装置であって、現像ローラが、回転駆動する現像スリーブと、現像スリーブに内蔵された回転駆動しないマグネット部とを備え、マグネット部には複数の磁極が配設されるとともに、マグネット部内にはマグネット部の軸端部と外周面とを繋ぐ第1貫通路が設けられ、現像スリーブ内にはフランジ部の内壁面と現像スリーブの軸端部とを繋ぐ第2貫通路が設けられ、第1貫通路と第2貫通路が、マグネット部の外周面と現像スリーブの内周面との間に形成された隙間を介して連通していること、を特徴とする、現像装置である。
【0009】
請求項1の発明では、現像ローラを冷却するための気流が、現像ローラ内の第1貫通路、第2貫通路、ならびに、マグネット部の外周面と現像スリーブの内周面との間に形成された隙間を流れるため、現像装置が大型とならない。また、気流の入出口が、マグネット部の軸端部や現像スリーブの軸端部に位置しているため、現像剤が気流によって飛散したり、飛散した現像剤が現像ローラ内部に侵入したりする心配がない。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明に従属する発明であって、第1貫通路のマグネット部の外周面における開口が、ブレードに対向する位置、もしくは、ブレードに対向する位置より現像スリーブの回転方向の若干上流側の位置に配置されていることを特徴とする、現像装置である。
【0011】
請求項2の発明では、現像剤へのストレスが最も大きいブレード部もしくはブレード上流の現像剤溜りを集中的に冷却するため、現像ローラおよび現像剤の温度上昇を抑制する効果が高い。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係る発明に従属する発明であって、第1貫通路のマグネット部の軸端部における開口から、空気を第1貫通路に強制的に供給、もしくは、空気を第1貫通路から強制的に吸引していることを特徴とする、現像装置である。
【0013】
請求項3の発明では、空気排出口が第1貫通路のマグネット部の軸端部に設けられているため、感光体ドラムに対向した現像装置の開口部から感光体ドラムに向かって気流が発生することがない。従って、現像剤の飛散が少ない。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明に従属する発明であって、第1貫通路が、軸方向において、気流の上流側に位置する軸中心から気流の下流側に位置する外周面に向かって傾斜していることを特徴とする、現像装置である。
【0015】
請求項4の発明では、第1貫通路が、軸方向において、気流の上流側に位置する軸中心から気流の下流側に位置する外周面に向かって傾斜しているため、第1貫通路内を気流が流通する際に受ける内壁面からの抵抗が軽減し、第1貫通路内を気流が円滑に流れる。
【0016】
請求項5に係る発明は、請求項3または請求項4に係る発明に従属する発明であって、第1貫通路が、マグネット部の径方向において、空気流の上流側に位置する軸中心から空気流の下流側に位置する外周面に向かって、現像スリーブの回転方向の下流側に傾斜していることを特徴とする、現像装置である。
【0017】
請求項5の発明では、第1貫通路が、マグネット部の径方向において、気流の上流側に位置する軸中心から気流の下流側に位置する外周面に向かって、現像スリーブの回転方向の下流側に傾斜しているため、マグネット部の外周面と現像スリーブの内周面との間に形成された隙間に発生する、現像スリーブの回転に伴う気流の流れを、マグネット部の外周面に設けられた開口から吹き出される気流が乱さない。
【0018】
請求項6に係る発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに係る発明に従属する発明であって、第1貫通路のマグネット部の外周面における開口が、軸方向に点在した複数の開口、もしくは、軸方向に延在したスリット状の開口であることを特徴とする、現像装置である。
【0019】
請求項6の発明では、マグネット部の外周面に設けられた開口から吹き出された気流が、現像装置の仕様に合わせて、現像スリーブの内周面の最適な部分に当てることができる。
【0020】
請求項7に係る発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに係る発明に従属する発明であって、現像スリーブの内周面が凹凸形状であることを特徴とする、現像装置である。
【0021】
請求項7の発明では、現像スリーブの内周面を凹凸形状にしているため、現像スリーブの内周面の表面積が増大する。従って、マグネット部の外周面と現像スリーブの内周面との間に形成された隙間を流通している気流の接触面積が増え、冷却能力が大幅に向上する。
【0022】
請求項8に係る発明は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の現像装置を備えていることを特徴とする、画像形成装置である。
【0023】
請求項8の発明では、現像ローラが高速かつ連続回転しても、現像剤との摩擦による温度上昇を抑制し、長期間にわたり安定した画像を形成できる小型の現像装置を備えた画像形成装置が得られる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、現像ローラを冷却するための気流の通路として、現像ローラ内の第1貫通路、第2貫通路、ならびに、マグネット部の外周面と現像スリーブの内周面との間に形成された隙間が利用されるため、現像装置が大型とならない。また、気流の入出口が、マグネット部の軸端部や現像スリーブの軸端部に位置しているため、現像剤が気流によって飛散したり、飛散した現像剤が現像ローラ内部に侵入したりする心配がない。この結果、現像ローラが高速かつ連続回転しても、現像剤との摩擦による温度上昇を抑制し、長期間にわたり安定した画像を形成できる小型の現像装置および画像形成装置を得ることができる。
【0025】
本発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は本発明に係る現像装置を備えた画像形成装置1を示す概略構成図である。感光体ドラム24は駆動手段によって図示矢印の時計回り方向に所定速度で駆動される。感光体ドラム24の外周近傍には、帯電器32、現像装置22、転写ローラ23、摺擦部材30が設けられている。感光体ドラム24は帯電器32にて表面が一様に帯電される。感光体ドラム24の回転方向における帯電器32の下流側には、レーザースキャニングユニット26が配置されている。レーザースキャニングユニット26から放射されたレーザ光Lは、反射ミラー28を介して感光体ドラム24上に照射され、静電潜像が形成される。
【0027】
レーザースキャニングユニット26の下流側には、現像装置22が配置されている。現像装置22は、ブラックのトナーを感光体ドラム24に付与するためのものである。現像装置22に対して、トナーカートリッジ20が配設されている。
【0028】
現像装置22の下流側には、転写ローラ23が配置されている。さらに、転写ローラ23の下流側には、感光体ドラム24に残ったトナーを除去するための摺擦部材30が配置されている。
【0029】
一方、ピックアップローラ42はブラックトナー像と同期して給紙カセット2から被記録材としての用紙Pを引き出し、分離ローラ18と給紙ローラ44とを介して給紙する。用紙Pには感光体ドラム24上に形成されたトナー像が転写され、定着装置46に搬入される。トナー画像を転写された用紙Pは、定着装置46で定着され、印刷物として機外に排出されて排紙トレイ50上に積載される。
【0030】
(第1の現像装置)
図2は本発明に係る現像装置22の一例を示す概略構成図、図3は現像ローラ62の縦断面図、図4はマグネット部64の外観斜視図である。この現像装置22は、ハウジング60内に、現像剤を担持する現像ローラ62、攪拌スクリュー80,82、現像ローラ62の表面上の現像剤の厚みを規制するドクターブレード84を有している。撹拌スクリュー82近傍のハウジング60の上壁には、トナー補給口(図示せず)が形成され、現像ローラ62近傍のハウジング60の側壁には、感光体ドラム24に対向するための開口部60aが形成されている。
【0031】
現像ローラ62は、回転駆動する現像スリーブ70と、現像スリーブ70に内蔵された回転駆動しないマグネット部64とを備えている。現像スリーブ70は略円筒形状をしており、その両端部にはそれぞれフランジ70c,70dが設けられている。フランジ70dには軸端部70aが設けられている。現像スリーブ70はアルミニウムやステンレスなどからなる。マグネット部64は略円柱形状をしており、両端部にはそれぞれ軸端部64a,64cが設けられている。マグネット部64の基体は非磁性材料である樹脂やアルミニウムなどからなる。
【0032】
マグネット部64の外周面64bには所定の間隔で磁石N1,N2,S1,S2,S3が埋設されている。マグネット部64内には、マグネット部64の一方の軸端部64aに設けられた開口66aと外周面64bに設けられた開口66bとを繋ぐ第1貫通路66が設けられている。第1貫通路66は、マグネット部64の軸中心に配設された中心部67aと、中心部67aから三つに枝分かれした枝部67bとで構成されている。枝部67bは、マグネット部64の軸方向に対して垂直方向に、中心部から外周面64bに向かって配設されている。第1貫通路66の開口66bは、軸方向に三つ点在している。
【0033】
現像スリーブ70内には、フランジ70dの内壁面に設けられた開口72aと軸端部70aに設けられた開口72bとを繋ぐ第2貫通路72が設けられている。第1貫通路66と第2貫通路72は、マグネット部64の外周面64bと現像スリーブ70の内周面70bとの間に形成された隙間を介して連通している。マグネット部64は、現像スリーブ70のフランジ70c,70dにそれぞれ設けた軸受け(ボールベアリング)76にて、現像スリーブ70内において回転自在に支持されている。
【0034】
回転駆動しないマグネット部64の軸端部64aには、エアダクト92が接続されている。エアダクト92内にはファン90が設置されている。このファン90で外気を現像ローラ62内に供給する。供給された外気は、マグネット部64の第1貫通路66を通って、マグネット部64の外周面64bの開口66bから排出され、現像スリーブ70の内周面70bに当ってその部分を冷却する。その後、外気は、マグネット部64の外周面64bと現像スリーブ70の内周面70bとの間に形成された隙間、および、現像スリーブ70の第2貫通路72内を流れ、現像スリーブ70の軸端部70aに設けられた開口72aから排出される。
【0035】
また、第1貫通路66は、マグネット部64の外周面64bにおける開口66bが、ドクターブレード84に対向する位置、もしくは、ドクターブレード84に対向する位置より現像スリーブ70の回転方向の若干上流側の位置に配置されている。これにより、開口66bから噴出した空気が、ドクターブレード84やその近傍に当たってその部分を冷却するので、現像剤へのストレスが最も大きいドクターブレード84の位置もしくはドクターブレード84の上流の現像剤溜りを集中的に冷却することができる。従って、現像ローラ62および現像剤の温度上昇を抑制する効果が高いので、温度上昇に起因する現像剤の変質や現像ローラ62の表面への現像剤の融着等による現像性低下などの問題が生じることなく、長期間にわたり安定した画像を形成できる。
【0036】
新規現像剤(新規トナー)は、トナー補給口を通ってハウジング60内に送り込まれる。現像剤には、非磁性粉体のトナーと磁性粉体のキャリアとを混合した現像剤や、非磁性のトナーもしくは磁性のトナーのみからなる現像剤が使用される。撹拌スクリュー82は補給される新規現像剤を撹拌して撹拌スクリュー80の上流部に送り込む。撹拌スクリュー80は撹拌スクリュー82に対して平行配置され、撹拌スクリュー82から送り込まれた現像剤を撹拌して現像ローラ62に送り込む。撹拌スクリュー80,82は、スパイラルスクリュー形状の部材であり、回転軸方向に現像剤を搬送させるとともに、回転軸のほぼ直角方向にトナーを放出させる。
【0037】
現像ローラ62は、静電潜像を表面に形成する感光体ドラム24に対向して配置されている。現像ローラ62は、現像剤を感光体ドラム24の表面上に付着する。現像ローラ62は、中心軸周りに回転可能に保持されている。ドクターブレード84は現像ローラ62の外周面に近接して、現像ローラ62の表面に付着する現像剤の量を適切かつ均一にする。現像ローラ62の一部は開口部60aから露出しており、感光体ドラム24と対向している。現像ローラ62は表面上の現像剤を感光体ドラム24に付与する。
【0038】
以上の構成からなる現像装置22は、現像ローラ62を冷却するための気流が、現像ローラ62内の第1貫通路66、第2貫通路72、ならびに、マグネット部64の外周面64bと現像スリーブ70の内周面70bとの間に形成された隙間を流れるため、現像装置22を小型化できる。さらに、外気供給が、回転駆動しないマグネット部64の軸端部64aに設けた開口66aから行われているので、エアダクト92の接続が容易である。
【0039】
また、気流の現像ローラ62への入出口が、マグネット部64の軸端部64aや現像スリーブ70の軸端部70aに位置しているため、感光体ドラム24に対向した現像装置22の開口部60aから感光体ドラム24に向かって気流が発生することがない。従って、現像剤が気流によって飛散したり、飛散した現像剤が現像ローラ62の内部に侵入したりする心配がない。
【0040】
(第2の現像装置)
図5は現像装置の別の一例を示す図であり、現像ローラ62の縦断面図である。図5において、図3と同一の部品および同一の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。この現像ローラ62は、マグネット部64の第1貫通路66の枝部67bが、軸方向において、気流の上流側に位置する軸中心から気流の下流側に位置する外周面64bに向かって傾斜している。このため、第1貫通路66内を気流が流通する際に受ける内壁面からの抵抗が軽減し、第1貫通路66内を気流が円滑に流れる。
【0041】
(第3の現像装置)
図6は現像装置22の別の一例を示す概略構成図である。図6において、図2と同一の部品および同一の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。この現像装置22は、第1貫通路66の枝部67bが、マグネット部64の径方向において、気流の上流側に位置するマグネット部64の軸中心から気流の下流側に位置する外周面64bに向かって、現像スリーブ70の回転方向の下流側に傾斜している。すなわち、第1貫通路66の開口66bから噴出される気流の方向は、略反時計回り方向である。
【0042】
一方、現像スリーブ70が反時計回り方向に回転すれば、マグネット部64の外周面64bと現像スリーブ70の内周面70bとの間に形成された隙間に存在する空気は、反時計回り方向に流れる。この現像スリーブ70の回転に伴う気流の方向は、第1貫通路66の開口66bから噴出される気流の方向と略同方向である。従って、第1貫通路66の開口66bから噴出される気流が、現像スリーブ70の回転に伴う気流の流れを乱さない。これにより、現像ローラ62を冷却するための気流が、マグネット部64の外周面64bと現像スリーブ70の内周面70bとの間に形成された隙間を円滑に流れるため、冷却能力をより一層向上できる。
【0043】
(第4の現像装置)
図7は現像装置の別の一例を示す図であり、マグネット部64の外観斜視図である。図7において、図4と同一の部品および同一の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。このマグネット部64は、第1貫通路66のマグネット部64の外周面64bにおける開口66bが、軸方向に延在したスリット状の開口であることを特徴としている。これにより、開口66bから噴出される気流が当たる現像スリーブ70の内周面70bの面積が増大する。従って、内周面70bを広範囲に冷却する。
【0044】
(第5の現像装置)
図8は現像装置のさらに別の一例を示す概略構成図である。図8において、図2と同一の部品および同一の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。この現像装置22は現像スリーブ70の内周面70bが凹凸形状になっている。これにより、現像スリーブ70の内周面70bの表面積が増大する。従って、マグネット部64の外周面65bと現像スリーブ70の内周面70bとの間に形成された隙間を流通している気流の接触面積が増え、冷却能力が大幅に向上する。
【0045】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形される。前記実施形態ではファン90で外気を現像ローラ62内に供給する構造のものを例にして説明したが、ファン90を逆回転させて現像ローラ62内部の空気を排出する構造のものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る現像装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】図2に示した現像ローラの一例を示す縦断面図である。
【図4】図3に示したマグネット部の一例を示す外観斜視図である。
【図5】現像ローラの別の一例を示す縦断面図である。
【図6】本発明に係る現像装置の別の一例を示す概略構成図である。
【図7】マグネット部の別の一例を示す外観斜視図である。
【図8】本発明に係る現像装置のさらに別の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0047】
1 画像形成装置
22 現像装置
60 ハウジング
62 現像ローラ
64 マグネット部
64a 軸端部
64b 外周面
66 第1貫通路
70 現像スリーブ
70b 内周面
72 第2貫通路
84 ドクターブレード
90 ファン
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタ、ファクシミリなどの現像装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、現像ローラ両端のフランジのうち、一方のフランジに外面から内面に向けて内窄まり状の貫通孔を形成し、他方のフランジに内面から外面に向けて外広がり状の貫通孔を形成した現像装置が記載されている。この現像装置は、現像ローラが高速かつ連続回転して、磁界発生手段を内蔵した現像ローラの回転による渦電流や現像剤との摩擦によって発熱があっても、温度上昇を抑えて現像剤の変質を防止して、濃度低下がない高品位な画像を得ることができる。
【0003】
また、特許文献2には、現像剤を担持する現像スリーブに現像剤を担持して像担持体と対向した現像領域へ搬送する現像装置において、現像装置本体に支持され該現像装置本体の外部に一部が露出し現像剤を保持しない露出部を有する回転部材を備え、露出部より回転部材の熱を放熱する現像装置が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−215803号公報
【特許文献2】特開2005−148103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の現像装置は、スリーブ内周面とマグネット部の隙間が狭く、マグネット部の外周面の一部に溝を設けたとしても、十分な気流が発生しないおそれがある。また、気流出口側では、感光体ドラムと現像ローラとの間で現像剤が気流によって飛散する心配がある。気流入口側では、空気だけでなく飛散した現像剤も貫通孔からローラ内部に侵入して磁力分布が乱れ、機内汚染および現像性能低下などによって画像不良が発生する場合がある。
【0006】
また、特許文献2の現像装置は、現像スリーブ端部には現像には関与しない冷却用の領域が必要となり、現像装置自体が大きくなってしまう。
【0007】
それゆえに、本発明の主たる目的は、現像ローラが高速かつ連続回転しても、現像剤との摩擦による温度上昇を抑制し、長期間にわたり安定した画像を形成できる小型の現像装置および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、ハウジング内に、現像剤を担持する現像ローラと、現像ローラの表面上の現像剤の厚みを規制するブレードと、を有した現像装置であって、現像ローラが、回転駆動する現像スリーブと、現像スリーブに内蔵された回転駆動しないマグネット部とを備え、マグネット部には複数の磁極が配設されるとともに、マグネット部内にはマグネット部の軸端部と外周面とを繋ぐ第1貫通路が設けられ、現像スリーブ内にはフランジ部の内壁面と現像スリーブの軸端部とを繋ぐ第2貫通路が設けられ、第1貫通路と第2貫通路が、マグネット部の外周面と現像スリーブの内周面との間に形成された隙間を介して連通していること、を特徴とする、現像装置である。
【0009】
請求項1の発明では、現像ローラを冷却するための気流が、現像ローラ内の第1貫通路、第2貫通路、ならびに、マグネット部の外周面と現像スリーブの内周面との間に形成された隙間を流れるため、現像装置が大型とならない。また、気流の入出口が、マグネット部の軸端部や現像スリーブの軸端部に位置しているため、現像剤が気流によって飛散したり、飛散した現像剤が現像ローラ内部に侵入したりする心配がない。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明に従属する発明であって、第1貫通路のマグネット部の外周面における開口が、ブレードに対向する位置、もしくは、ブレードに対向する位置より現像スリーブの回転方向の若干上流側の位置に配置されていることを特徴とする、現像装置である。
【0011】
請求項2の発明では、現像剤へのストレスが最も大きいブレード部もしくはブレード上流の現像剤溜りを集中的に冷却するため、現像ローラおよび現像剤の温度上昇を抑制する効果が高い。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係る発明に従属する発明であって、第1貫通路のマグネット部の軸端部における開口から、空気を第1貫通路に強制的に供給、もしくは、空気を第1貫通路から強制的に吸引していることを特徴とする、現像装置である。
【0013】
請求項3の発明では、空気排出口が第1貫通路のマグネット部の軸端部に設けられているため、感光体ドラムに対向した現像装置の開口部から感光体ドラムに向かって気流が発生することがない。従って、現像剤の飛散が少ない。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明に従属する発明であって、第1貫通路が、軸方向において、気流の上流側に位置する軸中心から気流の下流側に位置する外周面に向かって傾斜していることを特徴とする、現像装置である。
【0015】
請求項4の発明では、第1貫通路が、軸方向において、気流の上流側に位置する軸中心から気流の下流側に位置する外周面に向かって傾斜しているため、第1貫通路内を気流が流通する際に受ける内壁面からの抵抗が軽減し、第1貫通路内を気流が円滑に流れる。
【0016】
請求項5に係る発明は、請求項3または請求項4に係る発明に従属する発明であって、第1貫通路が、マグネット部の径方向において、空気流の上流側に位置する軸中心から空気流の下流側に位置する外周面に向かって、現像スリーブの回転方向の下流側に傾斜していることを特徴とする、現像装置である。
【0017】
請求項5の発明では、第1貫通路が、マグネット部の径方向において、気流の上流側に位置する軸中心から気流の下流側に位置する外周面に向かって、現像スリーブの回転方向の下流側に傾斜しているため、マグネット部の外周面と現像スリーブの内周面との間に形成された隙間に発生する、現像スリーブの回転に伴う気流の流れを、マグネット部の外周面に設けられた開口から吹き出される気流が乱さない。
【0018】
請求項6に係る発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに係る発明に従属する発明であって、第1貫通路のマグネット部の外周面における開口が、軸方向に点在した複数の開口、もしくは、軸方向に延在したスリット状の開口であることを特徴とする、現像装置である。
【0019】
請求項6の発明では、マグネット部の外周面に設けられた開口から吹き出された気流が、現像装置の仕様に合わせて、現像スリーブの内周面の最適な部分に当てることができる。
【0020】
請求項7に係る発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに係る発明に従属する発明であって、現像スリーブの内周面が凹凸形状であることを特徴とする、現像装置である。
【0021】
請求項7の発明では、現像スリーブの内周面を凹凸形状にしているため、現像スリーブの内周面の表面積が増大する。従って、マグネット部の外周面と現像スリーブの内周面との間に形成された隙間を流通している気流の接触面積が増え、冷却能力が大幅に向上する。
【0022】
請求項8に係る発明は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の現像装置を備えていることを特徴とする、画像形成装置である。
【0023】
請求項8の発明では、現像ローラが高速かつ連続回転しても、現像剤との摩擦による温度上昇を抑制し、長期間にわたり安定した画像を形成できる小型の現像装置を備えた画像形成装置が得られる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、現像ローラを冷却するための気流の通路として、現像ローラ内の第1貫通路、第2貫通路、ならびに、マグネット部の外周面と現像スリーブの内周面との間に形成された隙間が利用されるため、現像装置が大型とならない。また、気流の入出口が、マグネット部の軸端部や現像スリーブの軸端部に位置しているため、現像剤が気流によって飛散したり、飛散した現像剤が現像ローラ内部に侵入したりする心配がない。この結果、現像ローラが高速かつ連続回転しても、現像剤との摩擦による温度上昇を抑制し、長期間にわたり安定した画像を形成できる小型の現像装置および画像形成装置を得ることができる。
【0025】
本発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は本発明に係る現像装置を備えた画像形成装置1を示す概略構成図である。感光体ドラム24は駆動手段によって図示矢印の時計回り方向に所定速度で駆動される。感光体ドラム24の外周近傍には、帯電器32、現像装置22、転写ローラ23、摺擦部材30が設けられている。感光体ドラム24は帯電器32にて表面が一様に帯電される。感光体ドラム24の回転方向における帯電器32の下流側には、レーザースキャニングユニット26が配置されている。レーザースキャニングユニット26から放射されたレーザ光Lは、反射ミラー28を介して感光体ドラム24上に照射され、静電潜像が形成される。
【0027】
レーザースキャニングユニット26の下流側には、現像装置22が配置されている。現像装置22は、ブラックのトナーを感光体ドラム24に付与するためのものである。現像装置22に対して、トナーカートリッジ20が配設されている。
【0028】
現像装置22の下流側には、転写ローラ23が配置されている。さらに、転写ローラ23の下流側には、感光体ドラム24に残ったトナーを除去するための摺擦部材30が配置されている。
【0029】
一方、ピックアップローラ42はブラックトナー像と同期して給紙カセット2から被記録材としての用紙Pを引き出し、分離ローラ18と給紙ローラ44とを介して給紙する。用紙Pには感光体ドラム24上に形成されたトナー像が転写され、定着装置46に搬入される。トナー画像を転写された用紙Pは、定着装置46で定着され、印刷物として機外に排出されて排紙トレイ50上に積載される。
【0030】
(第1の現像装置)
図2は本発明に係る現像装置22の一例を示す概略構成図、図3は現像ローラ62の縦断面図、図4はマグネット部64の外観斜視図である。この現像装置22は、ハウジング60内に、現像剤を担持する現像ローラ62、攪拌スクリュー80,82、現像ローラ62の表面上の現像剤の厚みを規制するドクターブレード84を有している。撹拌スクリュー82近傍のハウジング60の上壁には、トナー補給口(図示せず)が形成され、現像ローラ62近傍のハウジング60の側壁には、感光体ドラム24に対向するための開口部60aが形成されている。
【0031】
現像ローラ62は、回転駆動する現像スリーブ70と、現像スリーブ70に内蔵された回転駆動しないマグネット部64とを備えている。現像スリーブ70は略円筒形状をしており、その両端部にはそれぞれフランジ70c,70dが設けられている。フランジ70dには軸端部70aが設けられている。現像スリーブ70はアルミニウムやステンレスなどからなる。マグネット部64は略円柱形状をしており、両端部にはそれぞれ軸端部64a,64cが設けられている。マグネット部64の基体は非磁性材料である樹脂やアルミニウムなどからなる。
【0032】
マグネット部64の外周面64bには所定の間隔で磁石N1,N2,S1,S2,S3が埋設されている。マグネット部64内には、マグネット部64の一方の軸端部64aに設けられた開口66aと外周面64bに設けられた開口66bとを繋ぐ第1貫通路66が設けられている。第1貫通路66は、マグネット部64の軸中心に配設された中心部67aと、中心部67aから三つに枝分かれした枝部67bとで構成されている。枝部67bは、マグネット部64の軸方向に対して垂直方向に、中心部から外周面64bに向かって配設されている。第1貫通路66の開口66bは、軸方向に三つ点在している。
【0033】
現像スリーブ70内には、フランジ70dの内壁面に設けられた開口72aと軸端部70aに設けられた開口72bとを繋ぐ第2貫通路72が設けられている。第1貫通路66と第2貫通路72は、マグネット部64の外周面64bと現像スリーブ70の内周面70bとの間に形成された隙間を介して連通している。マグネット部64は、現像スリーブ70のフランジ70c,70dにそれぞれ設けた軸受け(ボールベアリング)76にて、現像スリーブ70内において回転自在に支持されている。
【0034】
回転駆動しないマグネット部64の軸端部64aには、エアダクト92が接続されている。エアダクト92内にはファン90が設置されている。このファン90で外気を現像ローラ62内に供給する。供給された外気は、マグネット部64の第1貫通路66を通って、マグネット部64の外周面64bの開口66bから排出され、現像スリーブ70の内周面70bに当ってその部分を冷却する。その後、外気は、マグネット部64の外周面64bと現像スリーブ70の内周面70bとの間に形成された隙間、および、現像スリーブ70の第2貫通路72内を流れ、現像スリーブ70の軸端部70aに設けられた開口72aから排出される。
【0035】
また、第1貫通路66は、マグネット部64の外周面64bにおける開口66bが、ドクターブレード84に対向する位置、もしくは、ドクターブレード84に対向する位置より現像スリーブ70の回転方向の若干上流側の位置に配置されている。これにより、開口66bから噴出した空気が、ドクターブレード84やその近傍に当たってその部分を冷却するので、現像剤へのストレスが最も大きいドクターブレード84の位置もしくはドクターブレード84の上流の現像剤溜りを集中的に冷却することができる。従って、現像ローラ62および現像剤の温度上昇を抑制する効果が高いので、温度上昇に起因する現像剤の変質や現像ローラ62の表面への現像剤の融着等による現像性低下などの問題が生じることなく、長期間にわたり安定した画像を形成できる。
【0036】
新規現像剤(新規トナー)は、トナー補給口を通ってハウジング60内に送り込まれる。現像剤には、非磁性粉体のトナーと磁性粉体のキャリアとを混合した現像剤や、非磁性のトナーもしくは磁性のトナーのみからなる現像剤が使用される。撹拌スクリュー82は補給される新規現像剤を撹拌して撹拌スクリュー80の上流部に送り込む。撹拌スクリュー80は撹拌スクリュー82に対して平行配置され、撹拌スクリュー82から送り込まれた現像剤を撹拌して現像ローラ62に送り込む。撹拌スクリュー80,82は、スパイラルスクリュー形状の部材であり、回転軸方向に現像剤を搬送させるとともに、回転軸のほぼ直角方向にトナーを放出させる。
【0037】
現像ローラ62は、静電潜像を表面に形成する感光体ドラム24に対向して配置されている。現像ローラ62は、現像剤を感光体ドラム24の表面上に付着する。現像ローラ62は、中心軸周りに回転可能に保持されている。ドクターブレード84は現像ローラ62の外周面に近接して、現像ローラ62の表面に付着する現像剤の量を適切かつ均一にする。現像ローラ62の一部は開口部60aから露出しており、感光体ドラム24と対向している。現像ローラ62は表面上の現像剤を感光体ドラム24に付与する。
【0038】
以上の構成からなる現像装置22は、現像ローラ62を冷却するための気流が、現像ローラ62内の第1貫通路66、第2貫通路72、ならびに、マグネット部64の外周面64bと現像スリーブ70の内周面70bとの間に形成された隙間を流れるため、現像装置22を小型化できる。さらに、外気供給が、回転駆動しないマグネット部64の軸端部64aに設けた開口66aから行われているので、エアダクト92の接続が容易である。
【0039】
また、気流の現像ローラ62への入出口が、マグネット部64の軸端部64aや現像スリーブ70の軸端部70aに位置しているため、感光体ドラム24に対向した現像装置22の開口部60aから感光体ドラム24に向かって気流が発生することがない。従って、現像剤が気流によって飛散したり、飛散した現像剤が現像ローラ62の内部に侵入したりする心配がない。
【0040】
(第2の現像装置)
図5は現像装置の別の一例を示す図であり、現像ローラ62の縦断面図である。図5において、図3と同一の部品および同一の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。この現像ローラ62は、マグネット部64の第1貫通路66の枝部67bが、軸方向において、気流の上流側に位置する軸中心から気流の下流側に位置する外周面64bに向かって傾斜している。このため、第1貫通路66内を気流が流通する際に受ける内壁面からの抵抗が軽減し、第1貫通路66内を気流が円滑に流れる。
【0041】
(第3の現像装置)
図6は現像装置22の別の一例を示す概略構成図である。図6において、図2と同一の部品および同一の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。この現像装置22は、第1貫通路66の枝部67bが、マグネット部64の径方向において、気流の上流側に位置するマグネット部64の軸中心から気流の下流側に位置する外周面64bに向かって、現像スリーブ70の回転方向の下流側に傾斜している。すなわち、第1貫通路66の開口66bから噴出される気流の方向は、略反時計回り方向である。
【0042】
一方、現像スリーブ70が反時計回り方向に回転すれば、マグネット部64の外周面64bと現像スリーブ70の内周面70bとの間に形成された隙間に存在する空気は、反時計回り方向に流れる。この現像スリーブ70の回転に伴う気流の方向は、第1貫通路66の開口66bから噴出される気流の方向と略同方向である。従って、第1貫通路66の開口66bから噴出される気流が、現像スリーブ70の回転に伴う気流の流れを乱さない。これにより、現像ローラ62を冷却するための気流が、マグネット部64の外周面64bと現像スリーブ70の内周面70bとの間に形成された隙間を円滑に流れるため、冷却能力をより一層向上できる。
【0043】
(第4の現像装置)
図7は現像装置の別の一例を示す図であり、マグネット部64の外観斜視図である。図7において、図4と同一の部品および同一の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。このマグネット部64は、第1貫通路66のマグネット部64の外周面64bにおける開口66bが、軸方向に延在したスリット状の開口であることを特徴としている。これにより、開口66bから噴出される気流が当たる現像スリーブ70の内周面70bの面積が増大する。従って、内周面70bを広範囲に冷却する。
【0044】
(第5の現像装置)
図8は現像装置のさらに別の一例を示す概略構成図である。図8において、図2と同一の部品および同一の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。この現像装置22は現像スリーブ70の内周面70bが凹凸形状になっている。これにより、現像スリーブ70の内周面70bの表面積が増大する。従って、マグネット部64の外周面65bと現像スリーブ70の内周面70bとの間に形成された隙間を流通している気流の接触面積が増え、冷却能力が大幅に向上する。
【0045】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形される。前記実施形態ではファン90で外気を現像ローラ62内に供給する構造のものを例にして説明したが、ファン90を逆回転させて現像ローラ62内部の空気を排出する構造のものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る現像装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】図2に示した現像ローラの一例を示す縦断面図である。
【図4】図3に示したマグネット部の一例を示す外観斜視図である。
【図5】現像ローラの別の一例を示す縦断面図である。
【図6】本発明に係る現像装置の別の一例を示す概略構成図である。
【図7】マグネット部の別の一例を示す外観斜視図である。
【図8】本発明に係る現像装置のさらに別の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0047】
1 画像形成装置
22 現像装置
60 ハウジング
62 現像ローラ
64 マグネット部
64a 軸端部
64b 外周面
66 第1貫通路
70 現像スリーブ
70b 内周面
72 第2貫通路
84 ドクターブレード
90 ファン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内に、現像剤を担持する現像ローラと、前記現像ローラの表面上の現像剤の厚みを規制するブレードと、を有した現像装置であって、
前記現像ローラが、回転駆動する現像スリーブと、前記現像スリーブに内蔵された回転駆動しないマグネット部とを備え、
前記マグネット部には複数の磁極が配設されるとともに、前記マグネット部内にはマグネット部の軸端部と外周面とを繋ぐ第1貫通路が設けられ、
前記現像スリーブ内にはフランジ部の内壁面と現像スリーブの軸端部とを繋ぐ第2貫通路が設けられ、
前記第1貫通路と前記第2貫通路が、前記マグネット部の外周面と前記現像スリーブの内周面との間に形成された隙間を介して連通していること、
を特徴とする、現像装置。
【請求項2】
前記第1貫通路のマグネット部の外周面における開口が、前記ブレードに対向する位置、もしくは、前記ブレードに対向する位置より前記現像スリーブの回転方向の若干上流側の位置に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記第1貫通路のマグネット部の軸端部における開口から、空気を前記第1貫通路に強制的に供給、もしくは、空気を前記第1貫通路から強制的に吸引していることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記第1貫通路が、軸方向において、前記空気の上流側に位置する軸中心から前記空気の下流側に位置する外周面に向かって傾斜していることを特徴とする、請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
前記第1貫通路が、マグネット部の径方向において、前記空気の上流側に位置する軸中心から前記空気の下流側に位置する外周面に向かって、前記現像スリーブの回転方向の下流側に傾斜していることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の現像装置。
【請求項6】
前記第1貫通路のマグネット部の外周面における開口が、軸方向に点在した複数の開口、もしくは、軸方向に延在したスリット状の開口であることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の現像装置。
【請求項7】
前記現像スリーブの内周面が凹凸形状であることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の現像装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の現像装置を備えたことを特徴とする、画像形成装置。
【請求項1】
ハウジング内に、現像剤を担持する現像ローラと、前記現像ローラの表面上の現像剤の厚みを規制するブレードと、を有した現像装置であって、
前記現像ローラが、回転駆動する現像スリーブと、前記現像スリーブに内蔵された回転駆動しないマグネット部とを備え、
前記マグネット部には複数の磁極が配設されるとともに、前記マグネット部内にはマグネット部の軸端部と外周面とを繋ぐ第1貫通路が設けられ、
前記現像スリーブ内にはフランジ部の内壁面と現像スリーブの軸端部とを繋ぐ第2貫通路が設けられ、
前記第1貫通路と前記第2貫通路が、前記マグネット部の外周面と前記現像スリーブの内周面との間に形成された隙間を介して連通していること、
を特徴とする、現像装置。
【請求項2】
前記第1貫通路のマグネット部の外周面における開口が、前記ブレードに対向する位置、もしくは、前記ブレードに対向する位置より前記現像スリーブの回転方向の若干上流側の位置に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記第1貫通路のマグネット部の軸端部における開口から、空気を前記第1貫通路に強制的に供給、もしくは、空気を前記第1貫通路から強制的に吸引していることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記第1貫通路が、軸方向において、前記空気の上流側に位置する軸中心から前記空気の下流側に位置する外周面に向かって傾斜していることを特徴とする、請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
前記第1貫通路が、マグネット部の径方向において、前記空気の上流側に位置する軸中心から前記空気の下流側に位置する外周面に向かって、前記現像スリーブの回転方向の下流側に傾斜していることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の現像装置。
【請求項6】
前記第1貫通路のマグネット部の外周面における開口が、軸方向に点在した複数の開口、もしくは、軸方向に延在したスリット状の開口であることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の現像装置。
【請求項7】
前記現像スリーブの内周面が凹凸形状であることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の現像装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の現像装置を備えたことを特徴とする、画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2009−276579(P2009−276579A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−127876(P2008−127876)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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