説明

現像装置及びこれを用いた画像形成装置

【課題】トナー及びキャリアを含む二成分現像方式において、現像剤の補給制御と現像剤の搬送異常制御とを容易に両立させる。
【解決手段】現像剤循環経路5のうち現像剤保持体3に面した部位に設けられ、現像剤Gのトナー濃度を検知可能な濃度検知器8と、濃度検知器8の出力に基づいて当該出力が予め決められた許容範囲内にある場合において濃度検知器8による濃度情報が予め決められた閾値以下に低下したとき、現像剤補給機構7による現像剤Gの補給動作を実行するように現像剤補給機構7を制御する第1の制御手段9と、濃度検知器8の出力に基づいて当該出力が予め決められた許容範囲外にある場合において前記出力の変化率が予め決められた閾値以上に至ったとき、現像剤搬送機構4による現像剤Gの搬送動作に異常が発生したと判定するように現像剤搬送機構4を制御する第2の制御手段10と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置及びこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のおける現像装置としては、例えば特許文献1に記載のものがすでに知られている。
特許文献1は、現像剤収容部の感光体に対向する部位に現像ローラを配設し、現像剤収容部を供給搬送路、回収搬送路及び攪拌搬送路によって構成すると共に、それぞれに供給スクリュー、回収スクリュー及び攪拌スクリューを配設し、前記攪拌搬送路の下方にトナー濃度センサを設け、このトナー濃度センサ出力によりトナー補給装置を作動し、トナー収容容器からトナー補給を行うようにした技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−122619号公報(発明を実施するための最良の形態,図2参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の技術的課題は、トナー及びキャリアを含む二成分現像方式において、現像剤の補給制御と現像剤の搬送異常制御とを容易に両立させる現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、像保持体に対向して開口し且つトナー及びキャリアを含む現像剤が収容される現像容器と、この現像容器の開口に面して回転可能に設けられ且つ現像剤を保持して像保持体に形成された静電潜像を現像する現像剤保持体と、前記現像容器内のうち前記現像剤保持体に面した部位及び前記現像剤保持体に面していない部位の間で現像剤を循環させる現像剤循環経路を有し、この現像剤循環経路のうち現像剤保持体の回転軸方向に沿って現像剤が撹拌搬送可能な複数の撹拌搬送部材を配設する現像剤搬送機構と、前記現像容器に現像剤のうち少なくともトナーを補給する現像剤補給機構と、前記現像剤循環経路のうち前記現像剤保持体に面した部位に設けられ、現像剤のトナー濃度を検知可能な濃度検知器と、この濃度検知器の出力に基づいて当該出力が予め決められた許容範囲内にある場合において前記濃度検知器による濃度情報が予め決められた閾値以下に低下したとき、前記現像剤補給機構による現像剤の補給動作を実行するように前記現像剤補給機構を制御する第1の制御手段と、前記濃度検知器の出力に基づいて当該出力が予め決められた許容範囲外にある場合において前記出力の変化率が予め決められた閾値以上に至ったとき、現像剤搬送機構による現像剤の搬送動作に異常が発生したと判定するように前記現像剤搬送機構を制御する第2の制御手段と、を備えることを特徴とする現像装置である。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る現像装置において、前記現像容器は、前記現像剤搬送機構のうち各撹拌搬送部材が水平方向に対して並ぶと共に現像剤保持体に面している撹拌搬送部材が現像剤保持体に面していない撹拌搬送部材に比べて上方に位置するように、水平方向に対して傾斜して配置されていることを特徴とする現像装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る現像装置において、前記現像剤搬送機構は、現像剤保持体に面している撹拌搬送部材の回転軸を駆動力入力部とし、駆動力伝達機構を介して現像剤保持体に面していない撹拌搬送部材に駆動力を伝達することを特徴とする現像装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る現像装置において、前記濃度検知器は、現像剤循環経路のうち現像剤保持体に面している部位で且つ現像剤保持体の現像剤保持領域から外れた現像剤の搬送方向上流側に位置する部位に設けられていることを特徴とする現像装置である。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4いずれかに係る現像装置において、第2の制御手段は、濃度検知器の出力の変化率が予め決められた閾値未満であるとき、濃度検知器が異常であると判定することを特徴とする現像装置である。
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5いずれかに係る現像装置において、第2の制御手段は、現像剤搬送機構による現像剤の搬送動作が異常であると判定したとき、現像剤保持体による現像動作、現像剤搬送機構による現像剤の搬送動作を停止することを特徴とする現像装置である。
【0007】
請求項7に係る発明は、静電潜像を保持する像保持体と、この像保持体に形成された静電潜像をトナーにて現像する請求項1ないし6いずれかに係る現像装置と、を備えた画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、トナー及びキャリアを含む二成分現像方式において、現像剤の補給制御と現像剤の搬送異常制御とを容易に両立させることができる。
請求項2に係る発明によれば、現像容器に対する濃度検知器の配設空間を容易に確保することができる。
請求項3に係る発明によれば、現像剤搬送機構による駆動力伝達について下流側に位置する撹拌搬送部材の回転動作に異常が生じたとしても、当該撹拌搬送部材の回転動作を直接監視せずに、撹拌搬送部材の回転動作の異常を判定することができる。
請求項4に係る発明によれば、現像剤搬送機構による現像剤の搬送動作についての異常を早期に検知することができる。
請求項5に係る発明によれば、現像剤搬送機構による現像剤の搬送動作の異常を判定することに加えて、濃度検知器の異常をも判定することができる。
請求項6に係る発明によれば、現像剤搬送機構による現像剤の搬送動作に異常が生じたときに、現像装置による現像処理を停止させ、二次障害を有効に回避することができる。
請求項7に係る発明によれば、トナー及びキャリアを含む二成分現像方式において、現像剤の補給制御と現像剤の搬送異常制御とを容易に両立させることが可能な現像装置を含む画像形成装置を簡単に構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明が適用された現像装置を含む画像形成装置の実施の形態の概要を示す説明図である。
【図2】図1に示す現像装置内部を上方から見た模式図である。
【図3】実施の形態1で用いられる画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図4】実施の形態1で用いられる現像装置の詳細を示す説明図である。
【図5】図4中V方向から見た矢視図である。
【図6】図5から現像ロールを取り外した状態を示す説明図である。
【図7】図5中VII方向から見た矢視図である。
【図8】実施の形態1に係る現像装置の駆動系の一例を示す説明図である。
【図9】実施の形態1に係る現像装置の制御系の一例を示す説明図である。
【図10】図9に示す現像装置の制御系による現像制御処理のフローチャートの一例を示す説明図である。
【図11】(a)〜(c)は図10に示す現像制御処理を模式的に示す説明図である。
【図12】実施例1におけるトナー比率とATCセンサ出力との関係を示すグラフ図である。
【図13】実施例1における現像制御処理の異常ケースの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
◎実施の形態の概要
図1は、本発明が適用された現像装置を含む画像形成装置の実施の形態の概要を示す説明図である。尚、図2は現像装置内部を上方から見た模式図である。
同図において、画像形成装置は、静電潜像を保持する像保持体1と、この像保持体1に形成された静電潜像をトナーにて現像する現像装置11とを含む。
本実施の形態では、現像装置11は、像保持体1に対向して開口し且つトナー及びキャリアを含む現像剤Gが収容される現像容器2と、この現像容器2の開口に面して回転可能に設けられ且つ現像剤Gを保持して像保持体1に形成された静電潜像を現像する現像剤保持体3と、前記現像容器2内のうち前記現像剤保持体3に面した部位及び前記現像剤保持体3に面していない部位の間で現像剤Gを循環させる現像剤循環経路5を有し、この現像剤循環経路5のうち現像剤保持体3の回転軸方向に沿って現像剤Gが撹拌搬送可能な複数の撹拌搬送部材6(本例では6a,6b)を配設する現像剤搬送機構4と、前記現像容器2に現像剤Gのうち少なくともトナーを補給する現像剤補給機構7と、前記現像剤循環経路5のうち前記現像剤保持3体に面した部位に設けられ、現像剤Gのトナー濃度を検知可能な濃度検知器8と、この濃度検知器8の出力に基づいて当該出力が予め決められた許容範囲内にある場合において前記濃度検知器8による濃度情報が予め決められた閾値以下に低下したとき、前記現像剤補給機構7による現像剤Gの補給動作を実行するように前記現像剤補給機構7を制御する第1の制御手段9と、前記濃度検知器8の出力に基づいて当該出力が予め決められた許容範囲外にある場合において前記出力の変化率が予め決められた閾値以上に至ったとき、現像剤搬送機構4による現像剤Gの搬送動作に異常が発生したと判定するように前記現像剤搬送機構4を制御する第2の制御手段10と、を備える。
【0011】
このような技術的手段において、像保持体1は静電潜像を保持可能なものであればよく、感光体、誘電体など適宜選定して差し支えなく、その形態についてはドラム状、ベルト状を問わず、また、数についても単数、複数を問わない。
また、本実施の形態における画像形成装置としては、静電潜像の形成方式については電子写真方式を始め適宜選定して差し支えなく、記録材への像転写方式についても、像保持体1から記録材に直接トナー像を転写させてもよいし、中間転写体を介して記録材に間接的にトナー像を転写させるようにしてもよい。
また、単色画像を得る画像形成装置にあっては、少なくとも一の像保持体1に対して一の色成分トナーを使用する現像装置11を設置するようにすればよく、複数色画像を得る画像形成装置にあっては、一若しくは複数の像保持体1に対して複数の色成分トナーを使用する複数の現像装置11を設置するようにすればよい。
【0012】
次に、現像装置11の構成要素について説明する。
先ず、現像剤搬送機構4としては、現像剤循環経路5のうち現像剤保持体3の回転軸方向に沿って複数の撹拌搬送部材6(本例では6a,6b)を配設した態様を前提としたものが用いられる。
ここで、撹拌搬送部材6の代表的態様としては、回転軸部材の周囲に螺旋状の羽根部材を設けたものが挙げられる。また、現像剤搬送機構4の駆動系としては適宜選定して差し支えなく、現像剤搬送機構4と現像剤保持体3とを一つの駆動系にて駆動させてもよいし、あるいは、別駆動系にて駆動させるようにしてもよいし、駆動力入力部の位置も適宜選定して差し支えない。
また、現像剤補給機構7としては、現像容器2に現像剤Gのうちトナーだけのほか、トナー及びキャリアを補給するものであればよい。このとき、キャリアも補給対象としている態様では、現像容器2内で使用履歴の長い現像剤Gを廃棄する現像剤廃棄機構を付加することが好ましい。
そして、現像剤補給機構7による現像容器2への現像剤補給口7aについては、補給された新たな現像剤を既存の現像剤Gと充分に撹拌混合するという観点からすれば、例えば図2に示すように、現像剤循環経路5のうち、少なくとも現像剤保持体3に面していない部位で撹拌搬送部材6bによる現像剤搬送方向の上流側に設定することが好ましい。
更に、濃度検知器8としては、現像容器2内の現像剤Gにおけるトナー濃度を検知するものであれば、キャリアに対するトナー密度に依存する透磁率を検知する態様を始め、適宜選定して差し支えない。また、濃度検知器8については一つ設ければよいが、複数設けるようにしても差し支えない。
更にまた、第1の制御手段9については、濃度検知器8の出力が許容範囲外である場合には、何らかの異常(例えば現像剤搬送機構4による現像剤Gの搬送動作異常)が生じていると考えられることから、許容範囲内であることを条件として、現像剤補給機構7による現像剤の補給動作を実行することにしている。
また、第2の制御手段10については、濃度検知器8の出力が許容範囲外であることを条件とし、前記出力の変化率(例えば|前回の検知出力−今回の検知出力|/|前回の検知出力|)が予め決められた閾値以上であるとき、現像剤搬送機構4による現像剤の搬送動作に異常(例えば現像剤搬送機構4の撹拌搬送部材6bの回転動作が停止)が発生したと判定する。この判定後の処理については、異常発生を警告表示したり、現像装置11としての現像処理を停止させたり、画像形成装置全体の作像処理を停止させるなど適宜選定して差し支えない。
【0013】
このような構成の現像装置において、現像剤搬送機構7による現像剤Gの搬送挙動が正常に行われている状況では、図1に示すように、濃度検知器8の出力は予め決められた許容範囲内に収まっている。
この状態では、第1の制御手段9は、濃度検知器8による濃度情報が予め決められた閾値以下に低下したとき、現像剤補給機構7による現像剤の補給動作を実行する。
一方、現像剤搬送機構7による現像剤Gの搬送挙動に異常、例えば撹拌搬送部材6bの回転が停止するという異常が生ずると、図1及び図2に示すように、前記撹拌搬送部材6bによって現像剤循環経路5のうち現像剤保持体3に面している部位に現像剤Gが供給されないという事態に至る。この状態において、現像剤保持体3に面している撹拌搬送部材6aが回転すると、現像剤循環経路5のうち現像剤保持体3に面している部位では現像剤Gが引き続いて搬送され、現像剤Gの搬送方向の上流側では現像剤の搬送量が大幅に減少してしまう。
このとき、濃度検知器8は、現像剤循環経路5のうち現像剤保持体3に面している部位に設けられているため、例えば現像剤の搬送量が大幅に減少する部位に設けられている場合には、現像剤のトナー濃度が極端に低下する現象が起こり、濃度検知器8の出力は許容範囲外に大きくずれた状態に至る。
すると、本例では、第2の制御手段10は、前記濃度検知器8の出力の変化率が予め決められた閾値以上に至ったとき、現像剤搬送機構4による現像剤Gの搬送動作に異常が発生したと判定するように、現像剤搬送機構4を制御する。
【0014】
次に、現像装置11の代表的態様又は好ましい態様としては例えば以下のものが挙げられる。
先ず、現像容器2の好ましい態様としては、前記現像剤搬送機構4のうち各撹拌搬送部材6が水平方向に対して並ぶと共に現像剤保持体3に面している撹拌搬送部材6aが現像剤保持体3に面していない撹拌搬送部材6bに比べて上方に位置するように、水平方向に対して傾斜して配置されているものが挙げられる。本例によれば、現像容器2が傾斜した配置姿勢になると、現像容器2のうち現像剤保持体3に面している部位の下方に濃度検知器8の配設スペースが確保される点で好ましい。
また、現像剤搬送機構4への代表的な駆動力伝達方式としては、現像剤保持体3に面している撹拌搬送部材6aの回転軸を駆動力入力部とし、駆動力伝達機構を介して現像剤保持体3に面していない撹拌搬送部材6bに駆動力を伝達するものが挙げられる。
現像剤保持体3に面していない撹拌搬送部材6bは駆動力伝達について最終段になることが多く、回転動作を検知するようにしておけば、この検知出力を監視することで現像剤搬送機構4の異常有無を容易に判定することは可能であるが、本例では、前記撹拌搬送部材6bの回転動作の検知出力を利用せず、現像剤保持体3に面している部位に設置された濃度検知器8の出力を利用することで、現像剤搬送機構4の異常の有無を判定する方式が採用されている。
【0015】
更に、濃度検知器8の好ましい態様としては、図2に示すように、現像剤循環経路5のうち現像剤保持体3に面している部位で且つ現像剤保持体3の現像剤保持領域Uから外れた現像剤Gの搬送方向上流側に位置する部位に設けられている態様が挙げられる。
現像剤循環経路5のうち現像剤保持体3に面していない部位の撹拌搬送部材6bの回転動作に異常が生ずると、現像剤保持体3に面している部位に現像剤Gが循環しないことから、現像剤保持体3に面している部位の現像剤Gの搬送方向上流側に濃度検知器8を設置しておけば、現像剤Gのトナー濃度の変化を直ちに検知することが可能である。
更にまた、第2の制御手段10の代表的な態様としては、濃度検知器8の出力の変化率が予め決められた閾値未満であるとき、濃度検知器8が異常であると判定する態様が挙げられる。
これは、濃度検出器8の出力の変化率が予め決められた閾値未満であるとしても、そもそも濃度検知器8の出力が許容範囲外であることから、濃度検知器8に異常があると判定することにしたものである。この場合、濃度検知器8に異常があるか否かの判定については、1回の判定処理で判定するようにしてもよいが、より正確に判定するという観点からすれば、複数回の判定処理を経て判定するようにしてもよい。
また、第2の制御手段10の他の代表的態様としては、現像剤搬送機構4による現像剤Gの搬送動作が異常であると判定したとき、現像剤保持体3による現像動作、現像剤搬送機構4による現像剤Gの搬送動作を停止する態様が挙げられる。
これは、現像剤搬送機構4による現像剤Gの搬送動作が異常であるとき、現像装置11としての現像処理を停止し、現像剤搬送機構4による現像剤Gの搬送動作を継続することに伴う弊害(現像剤のパッキングに起因する現像剤の漏れ等)や、現像剤保持体3による現像動作の継続による弊害(現像剤保持体3上での現像剤の保持量ムラや現像剤の帯電不足に伴う画像品質の低下など)を回避することを企図したものである。
【0016】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
―画像形成装置全体の構成―
図3は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1の全体構成を示す。
同図において、画像形成装置20は、図示外の画像形成装置筐体(以下装置筐体という)内に四つの色(本実施の形態ではブラック、イエロ、マゼンタ、シアン)の画像形成部22(具体的には22a〜22d)を水平方向に対して斜め上方に向かって僅かに傾斜した位置関係にて横方向に配列し、その上方に各画像形成部22の配列方向に沿って循環搬送される中間転写ベルト23を配設する一方、装置筐体の下方には記録材が供給可能に収容される記録材供給装置(図示せず)を配設すると共に、装置筐体の上部には画像形成済みの記録材が排出収容される記録材排出受け(図示せず)を設け、前記記録材供給装置からの記録材を略鉛直方向に沿って延びる記録材搬送路25を介して中間転写ベルト23との画像転写部位を経て前記記録材排出受けに排出するようにしたものである。尚、記録材搬送路25のうち中間転写ベルト23の画像転写部位の下流側には記録材に転写された未定着像を定着する定着装置(図示せず)が設けられている。
【0017】
―画像形成部―
本実施の形態において、各画像形成部22(22a〜22d)は、図3に示すように、中間転写ベルト23の循環方向上流側から順に、例えばブラック用、イエロ用、マゼンタ用、シアン用(配列は必ずしもこの順番とは限らない)のトナー像を形成するものであり、例えばドラム状に形成された感光体31と、この感光体31を予め帯電する帯電装置32と、この帯電装置32にて帯電された感光体31に静電潜像を書き込む露光装置33と、感光体31上の静電潜像を各色トナーにて可視像化する現像装置34と、感光体31上の残留トナーを清掃する清掃装置35とを備えている。
ここで、帯電装置32としては、放電ワイヤによる放電作用を利用した態様等適宜選定して差し支えないが、本例では、感光体31の表面に接触若しくは近接する帯電ロールに帯電バイアスを印加する態様が採用されている。
また、露光装置33としては、各画像形成部22に対して共通するものが用いられ、例えば露光容器内に各色成分の半導体レーザ(図示せず)などの光源からの光を偏向ミラー(図示せず)で偏向走査し、図示外の結像レンズ、ミラーを介して対応する感光体31上の露光位置に光像を導くようにしたものである。
更に、清掃装置35としては、例えば感光体31に接触する板状又はブラシ状の清掃部材を有し、この清掃部材にて清掃した残留トナーを清掃容器内に収容するようにした態様が採用されている。
【0018】
また、中間転写ベルト23は張架ロール41〜45に掛け渡されており、例えば張架ロール41を駆動ロールとして循環移動するようになっている。そして、張架ロール44は弾性バネにて中間転写ベルト23を付勢し、中間転写ベルト23に対し張力を付与する張力付与部材を兼用しており、更に、張架ロール45は張力付与部材を兼用する張架ロール44の位置が変動しても、各画像形成部22の感光体31と中間転写ベルト23との位置を一定に保つ位置調整部材を兼用している。
更に、各感光体31に対応した中間転写ベルト23の裏面には一次転写装置51(例えば一次転写ロール)が配設され、この一次転写装置51にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、感光体31上のトナー像を中間転写ベルト23側に静電的に転写するようになっている。
更にまた、中間転写ベルト23の移動方向最下流に位置する画像形成部22dの下流側の張架ロール43に対向した部位には二次転写装置52(例えば二次転写ロール)が配設されている。この二次転写装置52は、前記張架ロール43を対向電極として転写バイアスを印加し、この転写バイアスに基づく転写電界にて中間転写ベルト23上の一次転写像を記録材に二次転写(一括転写)するようになっている。
また、中間転写ベルト23の二次転写部位の下流側の張架ロール41に対応した部位には中間転写ベルト23上の残留トナーを清掃するベルト清掃装置53が設けられている。
ここで、中間転写ベルト23は例えばポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン等の樹脂または各種ゴムにカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたものを用い、その体積抵抗率が10〜1014Ω・cmとなるように形成されている。
【0019】
―現像装置―
本実施の形態において、現像装置34は、図3及び図4に示すように、感光体31に対向して開口し且つ少なくともトナーが含まれる現像剤が収容される現像容器61を有し、この現像容器61の開口部位には感光体31との対向部位に位置する現像域に向けて現像剤が搬送可能な現像剤保持体としての現像ロール62を配設すると共に、この現像容器61の現像ロール62の背面側には現像剤搬送機構63を配設し、更に、現像ロール62に供給された現像剤を層厚規制部材70にて予め決められた層厚に規制した後に現像域に現像剤を供給するようにしたものである。
本例では、現像剤搬送機構は63、図5〜図7に示すように、現像容器61内を仕切部64にて一対の直線状の搬送経路67a,67bに区画すると共に、前記仕切部64の長手方向の両端付近に夫々通過口65,66を開設することにより、前記搬送経路67a,67bを現像剤が循環搬送可能な現像剤循環経路67として形成し、各搬送経路67a,67bには撹拌搬送部材68(具体的には68a,68b)を配設するようにしたものである。
ここで、現像剤循環経路67の一方の搬送経路67aは現像ロール62に隣接して設けられ、この搬送経路67a内に配設される撹拌搬送部材68aは現像剤を撹拌搬送しながら現像ロール62に現像剤を供給する機能部材である。
一方、現像剤循環経路67の他方の搬送経路67bは現像ロール62に面していない部位に設けられ、この搬送経路67bに配設される撹拌搬送部材68bは現像剤を撹拌搬送しながら専ら現像剤中のトナーを帯電するための機能部材である。
そして、これらの一対の撹拌搬送部材68(68a,68b)としては、いずれも回転軸部材681の周囲に螺旋状の羽根部材682を形成した態様が採用されている。
更に、本例では、現像容器61のうち現像剤循環経路67の搬送経路67bの現像剤の搬送方向上流側には、後述するトナー補給装置90からの補給用トナーを補給するための被接続配管71が設けられ、この被接続配管71のトナー補給口72を通じて現像容器61内に補給用のトナーが補給されるようになっている。
【0020】
―トナー濃度センサ―
本例では、図4〜図6に示すように、現像容器61の現像剤循環経路67の一方の搬送経路67aのうち、現像ロール62の現像剤保持領域Uから外れた現像剤の搬送方向上流側にはトナー濃度センサ80が設けられている。
このトナー濃度センサ80は、現像剤中のトナー濃度を検知するATC(Auto Tonor Concentration)センサであり、例えばキャリアの周囲に捕捉されるトナー比率によって変化する透磁率の変化を検知する態様の透磁率型センサが採用されている。
特に、本例では、現像容器61は、一対の撹拌搬送部材68(68a,68b)が水平方向に対して並ぶと共に現像ロール62に面している撹拌搬送部材68aが現像ロール62に面していない撹拌搬送部材68bに比べて上方に位置するように、水平方向に対して傾斜して配置されているため、現像容器61の下面は水平方向に対して現像ロール62側が上方に位置するように傾斜配置される。このため、本例では、現像容器61の一方の搬送経路67aの下部に対応する底壁下面と現像容器61の最下端位置との間には現像容器61の傾斜配置に伴う下部空間とが確保される。
それゆえ、例えば前記現像容器61の一方の搬送経路67aの下部に対応する底壁外面に対しトナー濃度センサ80を設置したとしても、当該トナー濃度センサ80は、現像容器61の最下端位置よりも下方に飛び出す外部突起になることはなく、前記現像容器61の傾斜配置に伴う下部空間S内に収まる上で好ましい。
【0021】
―トナー補給装置―
各現像装置34には、図4に示すように、現像剤補給機構として夫々対応する色トナーを補給するトナー補給装置90が設けられている。このトナー補給装置90は、補給用トナーが収容されているトナー補給容器91を有しており、図示外の装置筐体の一部には前記トナー補給容器91が着脱可能に装着される容器受部92を形成し、この容器受部92の下部には補給用トナーが一時的に貯蔵されるリザーブタンク93を配設し、この容器受部92にはトナー補給容器91を装着した際にトナー補給容器91内のトナーが排出可能な図示外の排出口を開設すると共に、リザーブタンク93内には且つトナー補給容器91
貯蔵されているトナーが定量供給可能な定量ディスペンス部材94を配設し、現像剤のトナー濃度や現像された画像濃度が低下する等の濃度情報に基づいて、リザーブタンク93の一部に連結された接続配管95を介して現像容器61の被接続配管71に接続され、現像容器61内に所定量のトナーを補給するものである。
【0022】
―現像装置の駆動系―
図8は本実施の形態で用いられる現像装置の駆動系の一例を示す。
同図において、現像装置34の駆動系としての駆動力伝達機構100は、画像形成装置の奥側(図中IN側)に位置する装置本体に駆動源としての図示外のモータを設置すると共に、このモータからの駆動力を装置本体側の駆動ギア101に伝達する一方、現像装置34の現像容器61の奥側に例えば速度比の関係を予め決めた3つの伝達ギア103〜105が同軸に連結された駆動伝達ギア列102を配設すると共に、現像ロール62の一端に被駆動ギア111を、当該現像ロール62側に位置する撹拌搬送部材68aの一端に被駆動ギア112を夫々取付け、前記装置本体側の駆動ギア101と前記駆動伝達ギア列102の伝達ギア103を噛み合せ、また、前記伝達ギア104と前記被駆動ギア111とを噛み合せると共に、前記伝達ギア105と被駆動ギア112とを噛み合せたものである。
更に、現像装置34の駆動力伝達機構100は、画像形成装置の手前側(図中OUT側)にも設けられており、本例では、現像ロール62側の撹拌搬送部材68aの他端に伝達ギア106を取付けると共に、現像ロール62から離れた側の撹拌搬送部材68bのうち前記伝達ギア106に対応した一端に被駆動ギア113を取付け、前記伝達ギア106と被駆動ギア113とを中間伝達ギア107を介して噛み合せ、一対の撹拌搬送部材68(68a,68b)を同方向にて回転させるようにしたものである。
尚、本例では、OUT側から見て、現像ロール62は時計回り方向、各撹拌搬送部材68(68a,68b)も時計回り方向に選定されている。
【0023】
―現像装置の制御系―
図9は本実施の形態で用いられる現像装置の制御系の一例を示す。
同図において、現像装置34の制御系は、例えばマイクロコンピュータにて構成される制御装置120を有し、前記現像装置34のトナー濃度センサ80、感光体31上に形成されたトナー像の画像濃度が検知可能な画像濃度センサ130、図示外の画像形成装置のスタートスイッチ等からの入力信号を前記制御装置120に取込み、例えば図10に示す現像制御処理プログラムを実行し、現像装置34を駆動する駆動力伝達機構100,トナー補給装置90、図示外の現像バイアス印加装置などに対し所望の制御信号を送出するものである。
【0024】
―画像形成装置の作動―
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作動を現像装置を中心に説明する。
図3において、例えばフルカラーモードを選択してフルカラー画像を形成する場合を想定すると、各画像形成部22(22a〜22d)では感光体31上に各色成分トナーによる画像を形成し、中間転写ベルト23に対して各感光体31上の画像を夫々転写した後に、中間転写ベルト23の画像転写部位にて図示外の記録材に一括転写し、定着装置による定着処理にて記録材上の未定着像を定着した後に記録材排出受けに画像定着された記録材を排出するという一連の作像処理が行われる。
【0025】
―現像装置の作動―
このような一連の作像処理のうち、現像装置34の作動は以下の通りである。
先ず、制御装置120は、現像制御処理に当たって、予め決められたタイミングでトナー濃度センサ80の出力を読み出し、当該トナー濃度センサ80の出力が予め決められた許容範囲内であるか否かをチェックする。
本例では、トナー濃度センサ80は、現像容器61内に収容されている現像剤のトナー濃度(トナー比率に相当)を検知するものであるから、現像剤のトナー濃度が低すぎると現像された画像濃度が不足しがちになり、一方、現像剤のトナー濃度が高過ぎるとトナーの帯電特性が不十分になり易くなってしまう。このため、現像装置34が現像処理を行う上で現像剤のトナー濃度が必要充分である範囲を許容範囲として選定されている。
このとき、現像剤のトナー濃度が許容範囲内である場合には、現像装置34に対して通常の駆動制御が行われると共に、トナー補給制御が行われる。
つまり、トナー濃度センサ80の出力値(具体的には出力値の絶対値)が目標値(具体的には目標値の絶対値)より大きいか否かについてチェックする。例えばトナー濃度センサ80としてATCセンサを使用すると、トナー濃度(トナー比率)が低下すると、トナー濃度センサ80の出力値の絶対値が増加してしまうため、許容範囲の下限値を目標値として設定しておき、出力値と目標値との対比を行う。
そして、トナー濃度センサ80の出力値が目標値を超えた条件では、現像剤のトナー比率が低下し過ぎると判定し、トナー補給比率を増大すると共にそれに必要なトナー補給量を決定する。
一方、トナー濃度センサ80の出力値が目標値以下の条件では、現像剤のトナー比率は充分と判定し、トナー補給比率を減少すると共に、それに必要なトナー補給量を決定する。
この状態において、本例では、画像濃度センサ130からの出力に基づいて画像濃度の大小を判定し、トナー補給の必要なタイミングに同期して、トナー補給装置90によるトナー補給動作が実施される。
【0026】
次に、トナー濃度センサ80の出力が許容範囲外である場合について説明する。
トナー濃度センサ80の出力が許容範囲外ということは現像装置34を正常に動作させる上での信頼性がない何らかの異常が発生することに相当するものである。
本例では、先ず、トナー濃度センサ80の出力変化率が予め決められた閾値より大きいか否かについてチェックする。
ここでいう「出力変化率」は、トナー濃度センサ80の|(前回の出力値)−(今回の出力値)|/|前回の出力値|で定義される。但し、(前回の出力値)はトナー濃度センサ80の出力が許容範囲内である条件のものであるものとする。
また、閾値としては、トナー濃度センサ80の出力変化率がどの程度に至ると現像剤搬送機構63を異常と判定するか否かの基準になる値であることから、夫々の機種毎に実験などを経て適宜選定されるものである。本例では、閾値は0.4(40%)前後で適宜選定されている。
そして、|出力変化率|>|閾値|を満たす条件では、例えば現像剤搬送機構63のうち撹拌搬送部材68bに回転停止等の異常が発生したと判定し、現像装置34に対する駆動力伝達機構100を含んで画像形成装置(図9中では「M/C」と表記)を停止させる。
一方、|出力変化率|≦|閾値|を満たす条件では、これが3回連続して検知されるか否かをチェックし、3回連続検知されたときに、トナー濃度センサ80が異常であると判定する。この場合、トナー濃度センサ80について異常確認を要する旨の警告表示などが実施される。
【0027】
このような現像装置34の作動について図11に模式的に示す。
図11(a)はトナー濃度センサ80の出力が正常出力で許容範囲内にある場合を示す。
同図において、現像剤搬送機構63の各撹拌搬送部材68(68a,68b)による現像剤Gの搬送動作は正常に行われるので、現像剤循環経路67の各搬送経路67a,67b内の現像剤Gのトナー濃度(トナー比率)は平均化された状態で許容範囲内の所定のレベルに収まっている。この場合には、上述したように、トナー消費に伴ってトナー補給動作が適宜実施される。
【0028】
また、図11(b)はトナー濃度センサ80の出力が許容範囲外の一例(1)に至った場合を示す。
同図において、現像剤搬送機構63の現像ロール62に面していない側の撹拌搬送部材68bが駆動伝達系(伝達ギア106、中間伝達ギア107、被駆動ギア113)の摩耗等に起因して回転停止した場合を示す。
このとき、撹拌搬送部材68bが回転停止したことに伴って、現像剤循環経路67の搬送経路67bでは現像剤Gが搬送されないまま滞留している。尚、搬送経路67b内の現像剤Gのトナー濃度(トナー比率)は例えば許容範囲内の所定の値TC(M)とする。
一方、現像剤搬送機構63の現像ロール62に面している撹拌搬送部材68aは通常通り回転しているとすれば、現像剤循環経路67の搬送経路67aでは現像剤Gが矢印方向に向かって搬送される。
この状態において、現像剤循環経路67の通過口65,66では一方の搬送経路67b内の現像剤Gが滞留停止した状態であるため、例えば図中Wで示す通過口65を通じて一方の搬送経路67bから他方の搬送経路67aへの現像剤Gの全く移動はなく、また、通過口66を通じても、一方の搬送経路67aから他方の搬送経路67bへの現像剤Gの移動は搬送経路67b内に滞留停止状態の現像剤Gによって遮られる。このため、一方の搬送経路67aの現像剤Gは矢印方向へ搬送されるに伴って、搬送経路67aの通過口65の近傍に位置する部位では直ちに現像剤Gが極端に減少した状態に至る。この結果、搬送経路67aの現像剤Gの搬送方向の上流側に位置するトナー濃度センサ80は現像剤Gが極端に減少したことに起因して現像剤Gのトナー濃度(トナー比率)が低下した値TC(L)(<TC(M))を検知する。
一方、搬送経路67aに沿って搬送される現像剤Gは、図中Jで示すように、搬送経路67aの現像剤Gの搬送方向下流側で次第にパッキングされた状態になり、そのまま放置すると、現像容器61の端部から現像剤Gが漏れ出る懸念が生ずる。
そこで、本例では、このような現像剤Gの搬送挙動が生じた場合には、制御装置120は、現像剤搬送機構63による現像剤Gの搬送動作に異常が生じたものと判定し、現像装置34を含む画像形成装置を駆動停止する。
【0029】
図11(c)はトナー濃度センサ80の出力が許容範囲外の他の例(2)に至った場合を示す。
同図においては、トナー濃度センサ80の出力が許容範囲外に至り、かつ、|出力変化率|≧|閾値|の条件を満たす状態を示す。
このとき、現像剤搬送機構63による現像剤Gの搬送動作に異常が生じていない条件であるため、現像剤搬送機構63による現像剤Gの搬送動作は正常に行われていると想定されるが、これ以外の異常を判定する情報として、トナー濃度センサ80の異常(例えばトナー濃度センサ80のセンサ面の劣化等に起因した動作異常)に伴う異常出力として判定するようにしたものである。
【実施例】
【0030】
◎実施例1
本実施例は、実施の形態1に係る現像装置34を用い、トナー濃度センサ80としてATCセンサ(TDK株式会社製)を使用し、現像装置34の異常ケースに対する動作状況を調べた。
今、現像剤Gのトナー濃度(トナー比率)を変化させ、夫々の場合におけるトナー濃度センサ80の出力を調べたところ、図12に示す結果が得られた。
同図によれば、トナー濃度センサ80としてのATCセンサの出力は、現像剤Gのトナー濃度(トナー比率)が上昇するに連れて減少する特性を有していることが理解される。
このような特性のトナー濃度センサ80を使用し、現像装置34の撹拌搬送部材67bの回転を停止させるという回転異常、トナー濃度センサ80の異常を実験的に生じさせ、そのときのトナー濃度センサ80の出力を測定したところ、図13に示す結果が得られた。
図13によれば、撹拌搬送部材の回転異常の場合には、|出力変化率|=|(前回出力値)−(今回出力値)|/|前回出力値|を計算すると、以下の通りである。
|出力変化率|=|2.3−1.2|/2.3=1.1/2.3=0.48
また、トナー濃度センサ80の異常の場合には、
1回目:
|出力変化率|=|2.3−1.7|/2.3=0.6/2.3=0.26
2回目:
|出力変化率|=|2.3−1.5|/2.3=0.8/2.3=0.38
3回目:
|出力変化率|=|2.3−1.7|/2.3=0.6/2.3=0.26
本例では、例えば閾値として0.4を選定しておけば、撹拌搬送部材の回転異常、及び、トナー濃度センサの異常を区別して判定することが可能であることが理解される。
【符号の説明】
【0031】
1…像保持体,2…現像容器,3…現像剤保持体,4…現像剤搬送機構,5…現像剤循環経路,6(6a,6b)…撹拌搬送部材,7…現像剤補給機構,8…濃度検知器,9…第1の制御手段,10…第2の制御手段,11…現像装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持体に対向して開口し且つトナー及びキャリアを含む現像剤が収容される現像容器と、
この現像容器の開口に面して回転可能に設けられ且つ現像剤を保持して像保持体に形成された静電潜像を現像する現像剤保持体と、
前記現像容器内のうち前記現像剤保持体に面した部位及び前記現像剤保持体に面していない部位の間で現像剤を循環させる現像剤循環経路を有し、この現像剤循環経路のうち現像剤保持体の回転軸方向に沿って現像剤が撹拌搬送可能な複数の撹拌搬送部材を配設する現像剤搬送機構と、
前記現像容器に現像剤のうち少なくともトナーを補給する現像剤補給機構と、
前記現像剤循環経路のうち前記現像剤保持体に面した部位に設けられ、現像剤のトナー濃度を検知可能な濃度検知器と、
この濃度検知器の出力に基づいて当該出力が予め決められた許容範囲内にある場合において前記濃度検知器による濃度情報が予め決められた閾値以下に低下したとき、前記現像剤補給機構による現像剤の補給動作を実行するように前記現像剤補給機構を制御する第1の制御手段と、
前記濃度検知器の出力に基づいて当該出力が予め決められた許容範囲外にある場合において前記出力の変化率が予め決められた閾値以上に至ったとき、現像剤搬送機構による現像剤の搬送動作に異常が発生したと判定するように前記現像剤搬送機構を制御する第2の制御手段と、
を備えることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1記載の現像装置において、
前記現像容器は、前記現像剤搬送機構のうち各撹拌搬送部材が水平方向に対して並ぶと共に現像剤保持体に面している撹拌搬送部材が現像剤保持体に面していない撹拌搬送部材に比べて上方に位置するように、水平方向に対して傾斜して配置されていることを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の現像装置において、
前記現像剤搬送機構は、現像剤保持体に面している撹拌搬送部材の回転軸を駆動力入力部とし、駆動力伝達機構を介して現像剤保持体に面していない撹拌搬送部材に駆動力を伝達することを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれかに記載の現像装置において、
前記濃度検知器は、現像剤循環経路のうち現像剤保持体に面している部位で且つ現像剤保持体の現像剤保持領域から外れた現像剤の搬送方向上流側に位置する部位に設けられていることを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれかに記載の現像装置において、
第2の制御手段は、濃度検知器の出力の変化率が予め決められた閾値未満であるとき、濃度検知器が異常であると判定することを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項1ないし5いずれかに記載の現像装置において、
第2の制御手段は、現像剤搬送機構による現像剤の搬送動作が異常であると判定したとき、現像剤保持体による現像動作、現像剤搬送機構による現像剤の搬送動作を停止することを特徴とする現像装置。
【請求項7】
静電潜像を保持する像保持体と、この像保持体に形成された静電潜像をトナーにて現像する請求項1ないし6いずれかに記載の現像装置と、を備えた画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−163683(P2012−163683A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22808(P2011−22808)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】