説明

球状黒鉛鋳鉄品質測定装置

【課題】球状黒鉛鋳鉄品の供試材の研磨作業の自動化などによって正確な品質評価を従来よりも大幅に短い時間で実施し、また、研磨作業者に提供する作業環境を改善する。
【解決手段】リニアガイド311は、略円柱形状の供試材を把持するための3本の爪を有する3点式チャック330を該球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000の装置内においてx軸方向に案内する。3点式チャック330によって側面を把持される供試材は、研磨用の4つのディスクを有する研磨手段200によってその底面が研磨される。3点式チャック330によって把持される供試材の底面は、水平に保持される。球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000のカメラ室160には、顕微鏡153を備えたモノクロCCDカメラ150と光源装置170とが配設され、カメラ150の光軸は鉛直方向に設けられている。光源装置170から出力される光は、光ケーブル152を介して顕微鏡153に供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球状黒鉛鋳鉄品の供試材の研磨面を撮像して、その供試材の品質(黒鉛球状化率、パーライト率、またはフェライト率)を測定する球状黒鉛鋳鉄品質測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
球状黒鉛鋳鉄品の供試材の研磨面を撮像してその供試材の品質を測定する従来の球状黒鉛鋳鉄品質測定装置としては、例えば下記の特許文献1に記載されている鋳鉄成分比率測定装置などが公知である。この従来技術の特徴は、撮像された供試材の研磨面の画像データを、該文献に開示されている一定の手順で自動的に画像解析処理することによって、その供試材の黒鉛球状化率、パーライト率、及びフェライト率を迅速に算出することができる点にある。このため、この従来装置を用いれば、供試材に関する正確な品質評価を効率よく実施することができると共に、測定者による品質判定値(黒鉛球状化率、パーライト率、またはフェライト率)のバラツキの発生をも必然的に回避することができる。
【0003】
一方、球状黒鉛鋳鉄品の生産ラインにおいては、各処理取瓶に電気炉中の鋳鉄の溶湯を注湯する際の溶湯の状態に応じて各処理取瓶中の溶湯に添加される黒鉛球状化処理剤(例:マグネシウム(Mg)など)の添加量や注湯時間が、球状黒鉛鋳鉄品の品質を大きく左右する。このため、球状黒鉛鋳鉄品の生産ラインにおいては、その供試材の黒鉛球状化率などに関する迅速な品質検査に基づいて、球状黒鉛鋳鉄品の品質と、黒鉛球状化処理剤の添加量の最適値と、その注湯に要する時間を常時適正に管理したいと言う要求がある。これは、適正な添加量及び注湯時間に関する、該生産ラインへのフィードバックサイクルが短い場合ほど、不合格とすべき球状黒鉛鋳鉄品の数、または不合格とすべき溶湯の量を削減することができるためである。
【0004】
なお、例えば、球状黒鉛鋳鉄品に関するJIS規格(JISG5502)においては、黒鉛球状化率の算定は、5視野における各黒鉛球状化率の平均値によるものとする規定がある。
【特許文献1】特開2004−325358
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の従来技術において、例えば、供試材の1研磨面における複数の視野に渡って各黒鉛球状化率を測定し、かつそれらの各値を平均処理する際には、顕微鏡の視野変更作業や、各黒鉛球状化率の平均値演算などに人手を要する。このため、上記従来技術においては、その測定作業の効率は必ずしも高いものとは言えない。しかしながら、この様な測定作業の更なる時間短縮を図ることは、前記のフィードバックサイクルの短縮にも直接繋がるので、球状黒鉛鋳鉄品の生産ラインにおける生産コストを効果的に削減する上でも、非常に重要となる。
また、供試材の研磨面の形成処理についても、それを更に自動化することができれば、上記の測定作業時間を更に大幅に短縮することができるだけでなく、その上更に、作業者に提供する作業環境の改善の面においても、大きな効果を期待することができる。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、球状黒鉛鋳鉄品の供試材に関する正確な品質評価を従来よりも大幅に短い時間で実施するための装置を提供することである。
また、本発明の更なる目的は、研磨作業の自動化などによって、研磨作業を行う作業者に提供する作業環境を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
即ち、本発明の第1の手段は、球状黒鉛鋳鉄品の供試材の研磨面を撮像して、上記の供試材の品質を測定する球状黒鉛鋳鉄品質測定装置において、上記の研磨面上の撮像領域の画像を撮像する撮像手段と、この撮像手段に対して、撮像すべき位置関係に上記の撮像領域があることを連絡する撮像契機連絡手段と、上記の研磨面と上記の撮像手段との相対的な位置関係を変更することによって、上記の研磨面上において上記の撮像領域を相異なる他の撮像領域に変更する撮像領域変更手段と、上記の撮像手段によって撮像された上記の撮像領域の画像を入力し、その画像のデジタルデータを解析して、上記の研磨面の上記の撮像領域における品質を算出する品質算出手段と、上記の撮像領域変更手段と撮像契機連絡手段と撮像手段とを用いて撮像された、相異なる複数の撮像領域に関する品質の平均値を算出する平均値算出手段と、その平均値を所定の画面上または紙面上に表示する平均値表示手段とを備えることである。
【0008】
ただし、上記の品質算出手段の構成は任意でよく、したがって、この品質算出手段としては、例えば上記の特許文献1に例示されている公知の従来技術などを用いてもよい。また、上記の品質としては、球状黒鉛鋳鉄の黒鉛球状化率、パーライト率、またはフェライト率などの他に、例えばその他の品質評価パラメータとして、黒鉛粒数、粒径、面積率などの指標について、自動測定する様にしてもよい。これらの品質評価パラメータの選定は、当該装置の利用目的に応じて任意に変更することができる。
また、上記の平均値の算出方法としては、例えば最大値と最小値とを除外した残りの中間領域のサンプル値の平均値を算出する様な、適当な加重平均処理を実施してもよい。
【0009】
また、本発明の第2の手段は、上記の第1の手段における上記の品質算出手段によって、黒鉛球状化率、パーライト率、またはフェライト率を、上記の品質として算出することである。
【0010】
また、本発明の第3の手段は、上記の第1又は第2の手段において、供試材の表面を研磨することによって上記の研磨面を形成する研磨手段を備え、かつ、研磨粗さが相異なる複数の研磨具または研磨シートにその研磨粗さの粗い順に供試材の表面を位置付ける供試材位置付け手段を、上記の研磨手段に備えることである。
【0011】
ただし、研磨具または研磨シートと供試材との間で、供試材の表面を研磨するために生じさせるべき相対的な摩擦運動の形態は任意でよい。したがって、その相対的な摩擦運動は、例えば、並進運動によるものであっても、回転運動によるものであってもよい。また、この様な摩擦運動は相対的な運動であるから、勿論、供試材の側を運動させても、摩擦接触体(例えば研磨具など)の側を運動させても、また、それら双方を運動させてもよい。また、供試材に対して相対的に機械運動させるべき運動体は、必ずしも複数用意しなくてもよい。例えば研磨作業の際に、研磨シートを途中で交換する場合などには、その運動体(例:回転体と研磨シートとの複合体)は、研磨シートを面で支持する唯一の支持体と、粗さの相異なる複数枚の研磨シートだけで構成することができる。
【0012】
また、本発明の第4の手段は、上記の第3の手段における研磨手段に、円形状またはリング形状の複数の研磨シートをそれぞれ各軸周りに回転自在に支持する平面部を有する複数の回転体と、これらの各回転体をそれぞれ回転駆動する回転動力機関と、これらの回転体の各平面部に固定された各研磨シートに供試材の表面を押し当てる研磨圧印加手段とを備え、上記の供試材位置付け手段によって、各回転体の各平面部に固定された各研磨シートに供試材の表面を位置付けることである。
ただし、上記の回転動力機関の数と上記の回転体の数とは、必ずしも一致している必要はなく、少なくとも1つの回転動力機関を具備することにより、上記の球状黒鉛鋳鉄品質測定装置を構成することができる。また、この回転動力機関は、必ずしも電動機から構成する必要はない。
【0013】
また、本発明の第5の手段は、上記の第3または第4の手段において、上記の供試材位置付け手段に、撮像手段の光軸上に供試材の研磨面を位置付ける撮像補助手段を備えることである。
ただし、この様な撮像補助手段は、上記の供試材位置付け手段の位置付け動作範囲を単純に延長することによって構成してもよい。
【0014】
また、本発明の第6の手段は、上記の第3乃至第5の何れか1つの手段において、上記の研磨手段を収納する上記の球状黒鉛鋳鉄品質測定装置の部分空間である研磨室を外気から遮断する開閉式のカバーと、この研磨室内に飛散する粉塵を吸い取る吸塵手段とを備えることである。
ただし、上記のカバーによる研磨室の外気との遮断は、必ずしも完全な遮断でなくともよい。また、粉塵の拡散を防止したり、運動する研磨具または研磨シートなどと作業者との接触を防止したりするカバーは、その構成を多重化する様にしてもよい。
【0015】
また、本発明の第7の手段は、上記の第6の手段において、所定の非常停止スイッチがON状態にある時、または、上記のカバーが開状態にある時に、上記の回転体を停止させる非常安全停止手段を備えることである。
ただし、カバーの開閉状態を検出するための開閉センサは、例えば電気的なスイッチ(接点)などを用いて機械的に構成してもよいし、ライトカーテンや距離センサなどの光関連のセンサなどを用いて構成してもよい。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上の本発明の手段によって得られる効果は以下の通りである。
即ち、本発明の第1の手段によれば、上記の撮像手段と撮像領域変更手段と撮像契機連絡手段との連動によって、供試材の研磨面上における複数の視野に関する画像を所望の数だけ自動的、連続的かつ迅速に得ることができる。更に、上記の品質算出手段と平均値算出手段と平均値表示手段との連動によって、その供試材の品質を統計的な高い信頼性をもって正確かつ迅速に知ることができる。
このため、本発明の第1の手段によれば、球状黒鉛鋳鉄品の供試材の品質を従来よりも高い信頼性をもって正確に、かつ従来よりも迅速に知ることができる。したがって、本発明によれば、球状黒鉛鋳鉄品の供試材に関する正確な品質評価を従来よりも大幅に短い時間で実施することができる。
【0017】
また、本発明の第2の手段によれば、供試材の研磨面における黒鉛球状化率、パーライト率、またはフェライト率を精度よく迅速に測定することができるため、球状黒鉛鋳鉄品の硬さや強度などの品質評価を効果的に実施することができる。
【0018】
また、本発明の第3の手段によれば、上記の球状黒鉛鋳鉄品質測定装置に、供試材に所定の粗さ(面粗度)の研磨面を自動的に効率よく形成する研磨手段が具備されるので、これらの組み合わせと連動によって、上記の測定を更に効率よく実行することができる。また、本発明の第3の手段によれば、上記の供試材位置付け手段の動作に基づいて、供試材の表面の粗さを段階的かつ漸近的にきめ細かくすることができるので、非常に効率よく所望の研磨面を形成することができる。
【0019】
また、本発明の第4の手段によれば、必要とされる粗さの相異なる研磨シートの数と同数の回転体を用意することによって、研磨処理中に研磨シートを交換する必要がなくなる。このため、研磨時間を最小限に短縮することが可能となる。また、供試材と研磨シートとの間における相対的な摩擦運動を上記の回転体の回転運動に基づいて生成することができるので、高速な研磨手段を小形に構成することが容易となり、更に装置に発生する振動を最小限に抑えることもできる。
【0020】
また、本発明の第5の手段によれば、撮像手段の光軸上に研磨面を自動的に位置付けすることができるので、研磨作業の完了から撮像開始までの時間を効果的に短縮することができる。また、特に、この撮像補助手段を、例えば上記の供試材位置付け手段の位置付け動作範囲を単純に延長することによって構成すれば、この場合には、当該装置の装置構成を非常に簡潔にすることができる。
【0021】
また、本発明の第6の手段によれば、研磨処理によって発生する粉塵の装置周辺への飛散が上記のカバーによって効果的に防止される。このため、削られた鉄の粉塵が作業者の目、鼻、口などに侵入する恐れがなくなり、同時に装置周辺の作業環境を衛生的に維持することも容易となる。また、上記の吸塵手段によって、研磨室内での鉄粉の飛散もなくなるので、発生した鉄粉が処理中の研磨面上に再帰する恐れがなくなる。このため、所望の面粗度を効率よく確実に達成することができる。
また、カバーの配設は、当該装置が発生させる騒音の低減効果をももたらすので、作業環境の維持または改善にも有効である。
【0022】
また、本発明の第7の手段によれば、研磨処理中に作業者などが動作中の研磨具や研磨シートなどに誤って触れることがなくなる。また、不測の非常時などにおいても、装置の動作(回転体の回転運動)を迅速かつ簡単に停止させることができる。このため、本発明の第7の手段によれば、作業者の安全をより確実に確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
ただし、本発明の実施形態は、以下に示す個々の実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0024】
図1に本実施例1の球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000の断面図を示す。本実施例1では、水平面に対して平行に配置された直線状の案内部材であるリニアガイド311が案内する方向(左右方向)をx軸方向とし、水平面に対して垂直な鉛直方向(上下方向)をz軸方向とし、これらの各方向に同時に直交する方向(前後方向)をy軸方向とする。ただし、本明細書のxyz直交座標を付した各図面ではそれぞれ、鉛直方向の上向きをz軸方向の正の向きとする右手系の座標系を用い、筐体101において操作盤400が配設されている側を前方とし、筐体101の背面101aの側を後方とし、上記のy軸に沿ってその後方から前方に向う向きをy軸の正の向きとする。そして、本明細書で引用する図面に記載されている各xyz直交座標系は、何れも同一の向きに配向されている。また、以下では、y軸の正の向きを前向きと言い、x軸の正の向きを左向きと言う。
【0025】
上記のリニアガイド311は、略円柱形状の供試材を把持するための3本の爪を有する3点式チャック330を該球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000の装置内において、上記のx軸方向に案内するためのものである。ただし、図1の左側の上下の各図には、3点式チャック330がそれぞれ複数記載されているが、これらは可動範囲を例示するための図示であり、本球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000は、3点式チャック330を唯一有する。
この3点式チャック330によって側面を把持される供試材は、図1及び図2の研磨手段200によってその底面が研磨される。この時、図4に例示する様に、3点式チャック330によって把持された供試材1の研磨面1aは、水平に保持される。
【0026】
球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000のカメラ室160には、顕微鏡153を備えたモノクロCCDカメラ150と光源装置170とが配設されており、モノクロCCDカメラ150の光軸は、鉛直方向(z軸方向)に、即ち、上記の供試材1の研磨面1aに対して垂直となる方向に設けられている。光源装置170から出力される光は、光ケーブル152を介して、顕微鏡153に供給される。なお、符号151はモノクロCCDカメラ150のレンズカバーを示している。
また、エアーシリンダ650は、顕微鏡153を備えたモノクロCCDカメラ150をy軸方向に、即ち、リニアガイド311が3点式チャック330を案内する方向と垂直で水平な方向に、並進自在に支持する線形スライド型のエアーシリンダである。また、この並進量(ストローク長)は、2mmまたは3mmに設定でき、上記の供試材1の直径に応じて変更することができる。
【0027】
排気ダクト181は、上記の研磨面1aから削り出される粉塵(鉄粉)を集塵装置180の吸気口に導くための排気路を供するものであり、その両端は開口部181aと開口部181bからなる。集塵装置180の吸塵力に基づいて排気ダクト181の開口部181aから開口部181bに至った粉塵は、消化石箱182とその排出口182aを介して、集塵装置180に吸い込まれる。
【0028】
図2に、本球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000の研磨手段200の断面図及び平面図を示す。回転体210,220,230,240の各回転軸211,221,231,241は、何れも鉛直方向(z軸方向)に固定されており、これらは方程式y=c1(c1は定数)を満たす同一面上に略等間隔に配置されている。即ち、x軸方向(リニアガイド311の案内方向)に略等間隔に並べられている。そして、例えば回転体210の上部には、この回転体210と回転軸211を共有する同軸の円板形状のディスク210aが水平に具備されており、回転体210の下部には、この回転体210と回転軸211を共有する同軸の歯車212が具備されている。また、回転体210とディスク210aと歯車212は一体に構成されているので、これらは同一の回転角速度で回転軸211の周りで回転する。回転軸221,231,241周りにおける各ディスク220a,230a,240aについても、それぞれ同様の構造に基づいて同様に回転させることができる。なお、これらのディスク210a,220a,230a,240aが、請求項4の各回転体の各平面部に相当する。各ディスクの直径は、それぞれ約10cmである。
【0029】
一方、歯車202は、モータ201のロータと同軸かつ一体に構成された歯車であり、歯車212及び歯車222にそれぞれ直接歯合している。このため、歯車202は、歯車212及び歯車222をそれぞれ直接同時に回転駆動することができ、かつ、ディスク210aとディスク220aの回転方向は一致する。また、アイドラー軸250の周りにベアリング253を介して回転自在に固定された歯車252は、歯車222及び歯車232にそれぞれ直接歯合している。このため、回転体230は、これらの歯車を介して回転体220の回転運動に基づいて駆動される。したがって、ディスク220aとディスク230aの回転方向は一致する。以下同様にして、ディスク230aとディスク240aの回転方向も一致する。
したがって、各ディスク210a,220a,230a,240aの回転方向は、何れも互いに一致し、何れも上記のモータ201のロータとは逆の方向に、同時に同期して回転する。
【0030】
これらの各ディスク210a,220a,230a,240aには、円板状の研磨ホイル(研磨シート)を装着する。その着脱方式は、例えばセンターキャップによるワンタッチ着脱方式などが望ましく、これによって、各ディスク210a,220a,230aの上面には、互いに粗さの異なる研磨ホイルをそれぞれ簡単に固定することができる。
また、ディスク240aの上面には、研磨ホイルの代わりに、研磨面を化学的に処理するための腐食液を含ませた円板状のコットンを固定する。この腐食液としては、例えばナイタールやピクラール、ピクリン酸(トリニトロフェノール)などの、フェライトは酸化させずにパーライトだけを酸化させる酸を用いる。そして、この様な化学的な腐食処理によれば、研磨面におけるフェライトとパーライトの各輝度を互いに大きく異なるように変化させることができる。
【0031】
図2の点P1 は、ディスク210aの上面に固定される粗さ番号240の研磨ホイルと供試材の底面(研磨面)との接触位置を示している。また、同図2の点P2 は、ディスク220aの上面に固定される粗さ番号600の研磨ホイルと供試材の底面(研磨面)との接触位置を示している。また、同図2の点P3 は、ディスク230aの上面に固定される仕上げ用の研磨ホイルと供試材の底面(研磨面)との接触位置を示している。また、同図2の点P4 は、ディスク240aの上面に固定される上記のコットンと供試材の底面(研磨面)との接触位置を示している。これらの接触位置(点P1 〜P4 )は、上記の平面y=c1と平行な同一の1平面y=c2の上に略等間隔に並んでいる。
【0032】
図3に、本球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000の他の側面図と平面図を示す。本図面上側の平面図は、図1のB−B断面から下方を見下ろした時の平面図である。また、本図面下側の側面図は、球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000の右側の側面の筐体やカバーなどを無視した時の側面図である。筐体のトップを形成する上部カバー110は、図1に図示した様に開閉式に構成されており、外気に対して装置内部(研磨室)を遮断している。また、研磨手段200には、内部カバー111が設けられており、これを開けば、符号111′で示した位置まで開けることができる。そして、これらの各カバーは、鉄粉が周囲に拡散することを防止し、作業者に対する安全性を確保し、かつ、研磨処理に伴う騒音を軽減する。
【0033】
トランス140は、モータ201を駆動する3相交流電圧を生成するためのものである。電動シリンダ320は、前述の3点式チャック330を左右方向(即ちx軸方向)に並進駆動するためのものであり、ボールネジをステッピング・モータを用いて回転駆動させる並進駆動方式を採用している。
図4に、図3の電動シリンダ320とその周辺の拡大図、即ち、本球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000の供試材位置付け手段300の断面図を示す。本図4の符号321は上記のボールネジを示しており、該ボールネジ321は、電動シリンダ320のケース内部に納められている。そして、該ボールネジ321の配向はリニアガイド311に対して平行(即ちx軸方向)である。図3の符号324は上記のステッピング・モータ(即ち、後述の図6のステッピング・モータ324a)を格納するモータケースを示しており、ボールネジ321を回転させる駆動力は、ギヤボックス325内に納められた伝達ギヤを介して、このステッピング・モータからボールネジ321に伝達される。
【0034】
図4の支持フレーム301は、図示しないその一部が筐体101に頑強に固定されている。上記のリニアガイド311と電動シリンダ320は、この支持フレーム301に固定されており、電動シリンダ320が有するスライダ322は、ボールネジ321に沿って、左右方向(x軸方向)に並進する。連結支持部材323は、シリンダブラケット305とスライダ322とを連結固定する支持部材であり、これによって、シリンダブラケット305は、スライダ322と共にリニアガイド311に沿って、左右方向(x軸方向)に並進する。
【0035】
図5は、この供試材位置付け手段300のリニアガイドウェイ310の斜視図である。スライド・ブロック312は、その内部にベアリング・ボールを有しており、リニアガイド311によってx軸方向に平滑に案内される。ネジ穴312aとネジ穴312bは、図4のボルト306a,306bを螺合させるためのものであり、この締結によって、シリンダブラケット305は、スライド・ブロック312に固定される。このため、シリンダブラケット305は、良好に水平を維持したまま、左右方向(x軸方向)に並進することができる。
【0036】
図1、図3及び図4に示すケーブルベア304は、底無しの筒状の空洞を有するチェーン状に形成されており、3点式チャック330の上下動作及び把持動作を駆動するためのエアーチューブ633,643が、その内部空洞に貫通されている。このケーブルベア304の下側に配置される一端は、支持部材302によって支持フレーム301に固定されている。一方、このケーブルベア304の上側に配置されるもう一端は、支持部材303によってシリンダブラケット305に固定されている。このため、エアーチューブ633,643の取り回しは、シリンダブラケット305が左右方向(x軸方向)に並進移動しても、乱されることはない。
【0037】
低摩擦シリンダ630は、3点式チャック330を上下方向(z軸方向)に並進駆動するためのエアーシリンダであり、エアーチューブ633から供給される空気の圧力制御によって駆動制御される。この並進駆動によって、シリンダシャフト632の先端に固定されたシリンダヘッド631は、上下方向に位置制御される。また、図7に示す様に、この低摩擦シリンダ630には、電磁弁603による気圧の可変制御が可能なレギュレータが連結されているので、シリンダヘッド631の下方への押圧も、空気圧及び電流によって制御することができる。即ち、この低摩擦シリンダ630が請求項4の研磨圧印加手段に相当し、レギュレータ603はその研磨圧の可変制御手段となる。
【0038】
したがって、図4の3点式チャック330によって、把持される供試材1の研磨面1aの各研磨ホイルなどに対する押圧は、上記のレギュレータ603の作用に基づいて、任意に可変制御することができる。なお、符号341、342は、3点式チャック330の上下方向の並進動作を平滑に案内するためのガイドシャフトを指している。
また、図4に示す3点式チャック330が有する3本の爪331a,331b,331cは、供試材1の直径に応じて交換することができる。また、供試材1の直径については、20mmと30mmの2通りに対応している。また、図1の試料台125についても同様に、20mmと30mmの2通りに対応している。
以上の駆動機構(供試材位置付け手段300)によって、供試材1の研磨面1aは、水平を維持したまま左右方向(x軸方向)及び上下方向(z軸方向)に任意に位置制御することができる。
【0039】
図6に、本球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000の制御系の制御ブロックダイアグラムを示す。制御装置500は、図示しないCPU,ROM,RAM及び入出力インターフェイスなどを有するマイクロプロセッサを中心として構成されており、所定のプログラムを起動することによって、所望の制御動作を順次実行させることができる。モータ駆動回路324bは前述のステッピング・モータ324aを駆動制御するための駆動回路であり、制御装置500から出力される位置指令に基づいて、その位置が実現される様にステッピング・モータ324aを回転させる。
モータ駆動回路501は、図2のモータ201を駆動制御するための駆動回路であり、制御装置500から出力される速度指令に基づいて、その速度が実現される様にモータ201の回転数を制御する。また、ON/OFF制御回路502は、図1、図6のモノクロCCDカメラ150、光源装置170、集塵装置180、及び本図6のポンプ690の各電源のON/OFF状態を制御するための回路である。また、この制御装置500は、光センサ503、及び近接センサ504からの各検出信号を入力することができる。
【0040】
ただし、光センサ503(図1、図6)は、供試材1の受け入れ/排出位置にある試料台125の中心の点P0 (図1)において、供試材1が正しく配置されているか否か、及び、供試材1を排出するための排出スペースの有無(即ち、障害物の有無)を判定するためのものであり、供試材1の受け入れ時と排出時に用いられる。
また、上記の近接センサ504は、図1のカバー110が閉じられているか否かを判定するための手段で、カバー110の所定の部位が当該近接センサ504から約5mm以上乖離した際に、カバー110の開状態が検知される。そして、この近接センサ504は、物理的には図1に図示する様にカバー110のヒンジ部分付近に取り付けられている。
なお、上記の制御装置500、モータ駆動回路501、及びON/OFF制御回路502は、図1のキャビネット130に格納されている。また、本図6中の符号601〜607は、図7の空気回路600の各電磁弁を示しており、これによって、対応する各エアーバルブの開閉制御を制御装置500からの指令に基づいて、それぞれ自動的に実施することができる。
【0041】
図7に、本球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000の空気回路600の回路図を示す。上記のポンプ690(図6)は、0.4MPa以上の乾燥した空気をレギュレータ・コンビネーション・ユニット611に供給する。図1に図示されている給気装置610は、電磁弁601を有するこのレギュレータ・コンビネーション・ユニット611とスイッチ付き圧力計612との複合体からなり、これらは筐体101の外部に固定されている。これによって、該給気装置610のレギュレータ・コンビネーション・ユニット611から、圧力が0.4MPaに安定した乾燥した空気を出力することができる。なお、電磁弁602,604,605,606は、マニホールド620を用いて1箇所に結束されており、これらは電磁弁603、607と共に、図1のキャビネット130に格納されている。
【0042】
低摩擦シリンダ630は、前述の様に3点式チャック330を鉛直方向に並進駆動するためのものであるが、この駆動制御は、電磁弁602を介して、上記の制御装置500によって実行される。また、エアーシリンダ640は、3点式チャック330の把持制御(開閉駆動)を行うためのものであり、図4の3点式チャック330の主要部分を構成している。このため、3点式チャック330の把持制御は、図7の電磁弁604を介して、上記の制御装置500によって実行される。
また、図1にも図示した前述のエアーシリンダ650は電磁弁605によって、また、エアーシリンダ660は電磁弁606によって、それぞれ制御される。このエアーシリンダ660はモノクロCCDカメラ150のシャッターを自動的に切るための駆動手段である。
【0043】
また、図1や図3にも図示したエアーブロー670は、図1の点P5 に位置付けられた供試材1に付着している腐食液を吹き飛ばし、乾燥させるためのものであり、その空気の噴出動作の有無は、電磁弁607によって制御することができる。
エアーガン680に対しては、コイルチューブ685を通してレギュレータ・コンビネーション・ユニット611から給気される。このエアーガン680は、該球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000の内部等を清掃するためなどに用いられる。
【0044】
図8は、本球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000の操作盤400の正面図である。この操作盤400の中央左寄りに設けられた液晶式ディスプレー420には、本球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000にて処理中の工程番号や、研磨処理工程における研磨処理条件(例:回転数など)などを表示することができる。
パイロットランプ401は、白色点灯することによって、本球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000の電源が入っていることを示す。パイロットランプ402は、赤色点灯することによって、本球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000の状態に軽い異常があることを示す。この軽い異常としては、例えば、集塵装置180のカセットフィルターの交換時期が近いことなどを挙げることができる。また、重異常が生じた場合には、パイロットランプ403が赤色点灯し、ブザー409から警報音が発せられる。この様な重異常としては、例えば、研磨処理工程中にカバー110が開けられてしまったなどの安全上の不都合や、非常停止ボタン410が押された場合や、その後の工程の続行を不能とする装置自身の故障などを挙げることができる。なお、これらの異常の詳細情報についても、上記の液晶式ディスプレー420に表示することができる。
【0045】
また、切換スイッチ404により、本球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000の運転モードを手動モードと自動モードの何れかに切り換えることができる。自動準備ボタン405は、自動モードにおける準備処理を起動するためのボタンである。また、自動開始ボタン406は、自動モードにおける運転を開始するためのボタンである。押下によるこれらのボタン操作が正常に受け付けられると、これらのボタン(405,406)は、緑色に点灯する。
なお、非常停止ボタン410は、作業者が非常と判断する任意の事態に対応するためのものであり、このボタンを押下することによって、球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000の主電源を瞬時に落とすことができる。
【0046】
以下、図9−A,−Bを用いて、制御装置500が実行する制御処理手順について説明する。この手順は、供試材1の研磨面1aを形成するためと、その研磨面1aを撮像するためのものである。
まず、最初のステップS10では、当該球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000の初期設定を行う。この初期設定は、操作盤400の切換スイッチ404を手動モードに設定後、自動準備ボタン405を押すことによって開始される。この初期設定処理では、制御装置500からの指令に基づくON/OFF制御回路502の作用によって、図6のモノクロCCDカメラ150、光源装置170、集塵装置180、およびポンプ690の各電源をON状態にする。また、この時、制御装置500は、例えば後述の制御変数nの値を0にするなどの初期設定を実行する。
【0047】
次に、ステップS15では、3点式チャック330によって供試材1を把持することができるか否かを、即ち、その供試材1が図1の試料台125上の点P0 に配置されているか否かを、前述の光センサ503を用いて判定する。この判定(ステップS15)の結果、自動開始ボタン406が押された後の所定時間内に供試材1が正しい位置にセットされていれば、次のステップS20において、供試材1を3点式チャック330によって把持する。また、そうでなければ、上記の所定時間内において同様の判定処理を繰り返す。
【0048】
ただし、ここで3点式チャック330で把持する供試材1は、次の条件を満たしているものとする。
(供試材1の条件)
(1)直径30mm、高さ180mmの円柱形であること。
(2)研磨面1aは、粗さ番号120以上の研磨ベルトで研磨済みであること。
したがって、本球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000を使用する際には、予め人手による予備処理(ベルト研磨)を実施しておく。このベルト研磨は、粗さ番号60と120の2段階に渡って実施することが望ましい。なお、前述の爪331a,331b,331cなどの選択条件などによっては、直径が20mmの供試材を処理することも可能である。
【0049】
そして、上記のステップS20の実行後は、ステップS25によって、制御変数nの値を1だけ増加させる。次に、ステップS30では、図2の点Pn (n=1,2,3,4)に、供試材1の研磨面1aを位置付ける。この位置付けは、図6の制御装置500からの指令に基づいて、図4の供試材位置付け手段300によって実行することができる。以下、図2のディスク210aによって研磨面1aを研磨する工程を第1研磨工程と言い、研磨面1aをディスク220aによって研磨する工程を第2研磨工程、ディスク230aによって研磨する工程を第3研磨工程、ディスク240aによって研磨する工程を第4研磨工程とそれぞれ言う。
【0050】
次に、ステップS35では、操作盤400の液晶式ディスプレー420に、第n研磨工程の工程名(工程番号n)と共に、その実施条件である下記の第n研磨条件(n=1,2,3,4)を表示する。
(第n研磨条件)
(a)ディスクの回転数rn
(b)研磨時間Tn
(c)研磨速度vn
(d)研磨圧力ρn
例えば、第1研磨工程から第4研磨工程までの各工程におけるディスクの回転数rn (n=1,2,3,4)は、それぞれ、12000rpm,3000rpm,6000rpm、及び8000rpmに定められており、これらの値は何れも標準値として予め制御装置500に記憶されている。また、その他の研磨条件(b)〜(d)についても同様に、予め制御装置500に記憶されている。
【0051】
次に、ステップS40では、これらの研磨条件にしたがって、供試材1の研磨面1aを研磨する。この時のディスクの回転数rn は、制御装置500からモータ駆動回路501に与えられる速度指令によって制御することができる。また、研磨圧力ρn は、制御装置500によって制御される電磁弁603に流す電流の大きさによって制御することができる。また、このステップS40を終了する際には、一旦、ディスクの回転を減速するものとする。
【0052】
そして、次のステップS45では、制御変数nの値が4に達したか否かを判定する。その結果、n=4ならば図9−BのステップS50へ、n<4ならば上記のステップS25に処理を移す。このステップS45の判定処理によって、上記の第1研磨工程から第4研磨工程までの各研磨工程を1回ずつ実行することができる。
【0053】
その後、次のステップS50(図9−B)では、供試材位置付け手段300によって、図1の点P5 に研磨面1aを位置付ける。この点P5 は、図1のエアブロー670の正面に位置している。
次のステップS55では、図6、図7の電磁弁607を開くことによって、供試材1に高圧の空気を吹き付ける。これにより、研磨面1aに付着した腐食液を吹き飛ばし、乾燥させることができる。
なお、以上までの研磨処理の実行中において、図1、図6の近接センサ504によって、カバー110の開状態が検知された場合には、制御装置500は、モータ駆動回路501とモータ駆動回路324bに対して非常停止指令を出力する。この手段(即ち、請求項7の非常安全停止手段)により、動作中の研磨手段200、または動作中の供試材位置付け手段300と、作業者とが干渉する恐れはない。
【0054】
次に、ステップS60では、図1の点P6 に研磨面1aを位置付ける。この点P6 は、図1のレンズカバー151の略中央の直上に位置しており、顕微鏡153を備えたモノクロCCDカメラ150(撮像手段)の撮像焦点が丁度、研磨面1a上において結ばれる様に定義されている。即ち、供試材位置付け手段300は、請求項5の撮像補助手段を兼ねており、本ステップS60(撮像補助手段)の位置付け動作によって、撮像手段の光軸上に供試材1の研磨面1aが位置付けられる。ただし、オートフォーカス手段(焦点自動調整手段)などを用いて、焦点距離の微調整を行う様にしてもよい。顕微鏡153を備えたモノクロCCDカメラ150(撮像手段)には、その様な調整手段を標準装備することも可能である。
【0055】
次に、ステップS65では、研磨面1a上における光軸周辺の撮像領域を撮影する。ただし、この時の撮像領域の広さは、1mm×1mmかそれ以上とする。また、顕微鏡153の倍率は、100倍とする。この撮像動作は、エアーシリンダ660を用いて、モノクロCCDカメラ150のシャッターを切ることによって行うので、本ステップS65では、制御装置500により電磁弁606を制御する。
【0056】
次に、ステップS70では、ステップS65にて撮像した撮像データを、図1及び図10に図示したデータ転送ケーブル701を介して、筐体101の外部にあるパソコンに、即ち、図10の品質測定装置700に転送する。
次に、ステップS75では、撮像処理を終了すべきか否かを判定する。この終了条件は、次の何れかの条件が成立した場合に、成立する。
(a)ステップS70が繰り返し合計7回実行された。
(b)撮像処理ループの途中などで、操作盤400のサイクル停止ボタン408が押下された。
そして、この終了条件が成り立つ場合にはステップS85に、そうでなければステップS80に処理を移す。
【0057】
そして、ステップS80では、研磨面1a上における撮像領域を変更する。この領域変更処理には、図3、図4の電動シリンダ320か、図1、図7のエアーシリンダ650の何れか1方を用いる。即ち、撮像領域を変更するためには、供試材1を移動させてもよいし、撮像手段(顕微鏡153を備えたモノクロCCDカメラ150)の側を移動させてもよい。したがって、本ステップS80では、制御装置500により図6のモータ駆動回路324bか、図6、図7の電磁弁605の何れか1方を制御する。そして、このステップS80の実行後は、再びステップS65に処理を移す。
ステップS65を繰り返し実行する撮像処理ループ中における、この様な撮像領域の変更処理(本ステップS80)により、研磨面1a上において、毎回新しい未撮像の撮像領域にカメラ焦点を合わせることができる。
【0058】
一方、上記の終了条件が成立した直後に実行されるステップS85では、図1の試料台125の近傍に供試材1を位置付ける。そして、次のステップS90では、光センサ503(図1、図6)を用いて、所定の排出位置である点P0 に供試材1を排出するためのスペースが有るか否かについて、即ち、例えば過去に検査済みの供試材等の障害物がその排出位置に無いか否かについて判定する。そして、点P0 に供試材1を排出するためのスペースが有る場合にはステップS95に処理を移し、そうでなければブザー409から警報音を出力しつつ同様の判定処理を繰り返す。
【0059】
そして、上記の点P0 に供試材1を排出するためのスペースが確認された後は、試料台125の上に供試材1を置き、その後、最後のステップS95にて3点式チャック330の爪を開くことによって、供試材1を点P0 に排出する。したがって、本ステップS95では、制御装置500により図6、図7の電磁弁604を制御する。
制御装置500による以上の制御処理手順により、上記の撮像処理ループの途中などで操作盤400のサイクル停止ボタン408が押されない限りにおいて、即ち通常は、研磨面1a上における相異なる7通りの撮像領域に関する撮像データを図10のパソコン(品質測定装置700)に転送することができる。
【0060】
図10には、上記の撮像データを分析する本実施例の品質測定装置700の構成を示す。この品質測定装置700は鋳鉄試料における黒鉛球状化率、パーライト率、フェライト率等の成分率を測定する装置であり、画像記憶手段711、閾値設定手段712、濃淡画像を3つの輝度ランクに分類する画像分類手段713、黒鉛球状化率等の基地組織比率を求める品質算出手段714、撮像された複数の撮像領域に関する品質の平均値を算出する平均値算出手段715、及び、研磨面の撮像画像や各品質(各基地組織比率)などを表示する液晶ディスプレー716から構成される。ただし、閾値設定手段712、画像分類手段713、品質算出手段714、及び平均値算出手段715は、図示しないCPU、ROM、RAM、I/O装置、ハードディスク装置などを具備するパーソナルコンピュータ700によって具現されている。また、上記の液晶ディスプレー716も、勿論このパーソナルコンピュータ700の一部を構成するものであり、これによって、撮像した状態の濃淡画像、濃淡画像を分類した後の分類画像や、それらの分類画像から求めたパーライト率、フェライト率、黒鉛球状化率等を表示することができる。
【0061】
以下、図11を用いて、当該品質測定装置700の動作について説明する。図11のフローチャートは、この品質測定装置700が実行する処理手順を示している。
この処理手順では、まず最初のステップS100において、このフローチャートを実行するプログラムが参照、更新するデータ領域(作業領域)の初期化を行う。これらの初期化処理には、例えば、ループ回数をカウントするための制御変数mの値を7に初期設定する処理などが含まれている。
【0062】
次のステップS110では、モノクロCCDカメラ150によって撮像された研磨面画像を、上記の画像記憶手段711を用いて構成される所定のフレームメモリ上に取り込む。このデータ受信処理は、前述の図9−BのステップS70と同期して実行してもよいし、バッファリング領域を設けるなどして、それとは非同期に実行してもよい。球状黒鉛鋳鉄の研磨面1aを撮像すると、通常、試料を構成する各成分に応じた輝度を有した濃淡画像で観察される。図13−Aにその濃淡画像を例示する。これらの濃淡画像は、輝度が例えば256段階にA/D変換された画素の集合であり、そのデジタル画像データは、例えば512×512のフレームメモリ内に記憶することができる。
【0063】
なお、本実施例では、以下の現象を利用する。即ち、この濃淡画像(デジタル画像データ)において、球状黒鉛鋳鉄を構成する黒鉛は黒鉛に特有の輝度を示し、パーライトはパーライトに特有の輝度を、フェライトはフェライトに特有の輝度を示す。例えば、前述のピクリン酸などによる腐食処理によりパーライトだけが酸化されて褐色に変色する。その結果、パーライトの輝度は、フェライトの輝度よりも低下するが、黒鉛の黒色の輝度よりは低下しない。品質測定装置700はこの現象を利用したものである。
【0064】
そこで、次のステップS120では、上記の作用に基づいて、この濃淡画像の基地組織比率が容易に判別できるような画像変換処理を実行する。より具体的には、閾値設定手段712によって、濃淡画像の画素数の輝度に関するヒストグラムを作成して、それに基づいて複数の閾値を設定する。この時、横軸に輝度をとり縦軸にその度数(画素数)をとれば、球状黒鉛鋳鉄の基地組織比率(例:黒鉛球状化率)に起因する図12に示すヒストグラムが得られる。そして、例えばヒストグラムの複数の極小値を複数の閾値とする。図12に示すヒストグラムのように、輝度a′、輝度b′、輝度c′を中心に輝度分布a、輝度分布b、輝度分布cが存在する場合、このヒストグラムに極小値を与える輝度p′を第1閾値に設定し、他の極小値の輝度q′を第2閾値に設定する。このようにすれば、自動的かつ的確に複数の閾値(輝度値)を設定することができる。
【0065】
また、撮像されたままの形式で液晶ディスプレー716に表示される濃淡画像(図13−A)と、第1閾値と第2閾値とを用いて3ランクに分類して表示された各分類画像とをそれぞれ作業者が目視すれば、作業者は、それらが適正な閾値によって分類されているか否かを確認することができる。そこで、本ステップS120では、それらの画像を同時に液晶式ディスプレー716に表示し、自動的に暫定された上記の各閾値が、もしも適正でない場合には、これらの閾値設定を作業者が、手動操作(閾値のキー入力)によって、直接的に任意に変更することもできる構成になっている。
【0066】
その後は、次のステップS130に移行する。このステップS130では、上記の第1閾値と第2閾値を用いて画像分類手段713が濃淡画像を多値画像に変換する。例えば、輝度0〜輝度p′(第1閾値)の画素を全て輝度a′に変換する。また、輝度p′〜輝度q′(第2閾値)の画素を全て輝度b′に変換し、輝度q′(第3閾値)以上の画素を全て輝度c′に変換する。これにより、図13−Aに示した濃淡画像は、図13−Bに示す多値画像(3値画像)に変換される。即ち、黒鉛20の黒色、フェライト21の白色、そしてパーライト22の灰色の3値画像に変換される。このようにして撮像した状態の濃淡画像は、黒、灰色、白の3つの輝度に対応した3ランクの画像に分類される。このようにして、球状黒鉛鋳鉄の断面画像の各部は、それぞれ多値化された各輝度に分離されるので、各基地組織はそれぞれ互いに容易に判別可能となる。
【0067】
次に、ステップS140では、以下の品質算出手段714によって、分類画像において同一ランク(輝度)に属する画像の総画素面積を算出して、各成分の割合を算出する。即ち、パーライト率、フェライト率、黒鉛面積率等を算出する。試料を構成する各成分の成分率は、各成分の面積占有率に比例する。そこで、本実施例では、ステップS140(品質算出手段714)によって、多値画像の同一輝度(各成分)の面積を求める。これは、同一輝度の画素数を計数することで容易に求められる。そして、全体画素(例えば、512×512)に対する割合を求める。例えば、黒鉛面積率rkは黒色画素数/全体画素数、パーライト率rpは灰色画素数/(灰色画素数+白色画素数)、フェライト率rfは白色画素数/(灰色画素数+白色画素数)で求められる。勿論、パーライト率rpを灰色画素数/全体画素数、フェライト率rfは白色画素数/全体画素数として定義して求めても良い。
【0068】
次のステップS150では、その結果を液晶ディスプレー716に、例えば分類画像(多値画像)と各成分率を表示する。即ち、多値画像である図13−Bの3値画像と、各成分率である例えばパーライト率rp、フェライト率rf等を表示する。尚、黒鉛球状化率は、黒色球体の画素数/黒色画素数で算出する。また、同時に、黒鉛の粒数、平均粒径を演算して表示するようにしてもよい。これらは、黒色画像の輪郭を抽出する画像処理により実行することができる。輪郭から粒子を認識でき、輪郭に関して垂直な2方向の距離を測定することで、球状粒子か否かを判定することができる。
【0069】
次のステップS160では、制御変数mの値を1だけ減少させる。また、その次のステップS170では、制御変数mの値が0に成ったか否かを判定する。この2つのステップ(S160,S170)の作用により、各成分率(黒鉛球状化率、パーライト率、フェライト率)を、1つの研磨面1a上における相異なる7通りの撮像領域について、それぞれ求めることができる。
【0070】
次のステップS180では、各基地組織比率(黒鉛球状化率、パーライト率、フェライト率)の平均値をそれぞれ求める(平均値算出手段)。ただし、各基地組織比率の平均処理においては、最大値と最小値を無視し、それらの間の5値に関する平均をそれぞれ求めるものとする。この様な平均処理を行えば、各平均値の信頼性をそれぞれ良好に高めることができる。
そして、最後のステップS190では、各成分率(黒鉛球状化率、パーライト率、フェライト率)の平均値をそれぞれ液晶式ディスプレー716に表示する。
なお、ステップS190における表示処理においては、平均値の他にも、各視野(撮像領域)の平均前の測定値や、各視野(撮像領域)の撮像画像について、実施する様にしてもよい。
【0071】
本実施例1の球状黒鉛鋳鉄品質測定装置装置1000を用いれば、供試材の研磨処理、研磨面のウェットエッチング処理、撮像処理、および画像解析による品質算出処理を、機械的な一連の工程を経て、それぞれ自動的かつ迅速に実施することができる。また、各工程間における無駄な時間が何ら生じることがない。このため、本発明によれば、供試材の検査を従来よりも格段に短時間で実施することができる。また、最大値と最小値を除外する上記の様な平均処理を行っているので、十分に信頼性の高い成分率(黒鉛球状化率、パーライト率、フェライト率)を算出することができる。
また、濃淡画像に対して、少なくとも2つの閾値を設定し、分類画像(多値画像即ち3値画像)で各成分の割合を算出するので、1度の撮像で各成分率が算出され、検査効率に優れた画像処理装置となる。
【0072】
〔その他の変形例〕
本発明の実施形態は、上記の形態に限定されるものではなく、その他にも以下に例示される様な変形を行っても良い。この様な変形や応用によっても、本発明の作用に基づいて本発明の効果を得ることができる。
(変形例1)
例えば、上記の実施例1では、CCDカメラにモノクロカメラを用いているが、勿論、先の特許文献1にも記載されている様に、フルカラーのカメラを用いて、所望の品質検査を実施してもよい。また、その場合、そのカラー画像の輝度、彩度、色相などの画像調整パラメータを、自由に調整したり変更したりして、その利用目的に応じて、解析画像を任意に表示する様にしてもよい。
【0073】
(変形例2)
また、上記の実施例1のステップS30では、供試材がx軸方向に並進移動できる構成としたが、この様な並進移動手段(図4の供試材位置付け手段300)は、研磨シートと供試材との間の相対的な位置関係を変更するための相対運動を生成する手段であるから、必ずしも、供試材を並進移動させる必要はなく、供試材を例えば円弧などにそって曲線的に移動させてもよいし、供試材の側は静止させておいて、研磨シートや研磨具などの側を移動させる様にしてもよい。また、これらの双方を移動させることによって、両者間の相対運動を生成してもよい。
したがって、研磨シートの方も、必ずしも直線的に配列する必要はない。よって、各回転体(210,220,230,240)なども必ずしも直線的に配列する必要はない。これらの配置関係は、供試材の位置付け手段に合わせて任意に構成することができる。また、研磨シートの面粗度レベルの段数(よって回転体の数)も任意でよい。
【0074】
(変形例3)
また、上記の実施例1では、CCDカメラのy軸方向の並進移動を、アクチュエータ(エアーシリンダ650)をもちいて自動化したが、例えば、前後方向の撮像座標は、最低限1回しか位置変更しなくても済ますことが可能なので、その様な方向の位置変更については、手動で実施する様にしてもよい。この様な手動手段の導入によって、品質検査時間が大幅に長くなることはなく、その様な装置構成を採用しても、本発明の手段に基づいて、本発明の作用・効果を受託することができる。
【0075】
(変形例4)
また、上記の実施例1では、研磨シートを回転させて研磨処理を実行する様にしたが、例えば、円形またはリング形状の研磨シートの中心軸周りで、供試材の側を回転運動させる様にして研磨処理を実行する様にしてもよい。また、研磨具または供試材の線形な並進往復運動などによって、研磨処理を実行する様にしてもよい。
【0076】
(変形例5)
また、研磨面の形成の際に供試材に対して相対的に摩擦運動させるべき摩擦接触体は、必ずしも複数用意しなくてもよい。例えば研磨シートを動的に交換するシート交換手段を設ける場合などには、その摩擦接触体は、研磨シートを面で支持する唯一の支持体と、粗さの相異なる複数枚の研磨シートだけで構成することも可能である。
ただし、この場合には、複数の摩擦接触体(例:回転体と研磨シートの複合体)の間で供試材を移動させる位置付け手段、または、供試材に個々の摩擦接触体を位置付ける位置付け手段が不要となるが、その反面、自動的なシート交換手段を構成するか、手動で研磨シートを交換するなどの必要が生じてしまう。また、この場合には、シートの交換時間が必要となるので、作業時間の短縮などの面で、必ずしも望ましくはない。
【0077】
(変形例6)
また、各アクチュエータについては、エアーシリンダの代わりに電動モータを用いてもよい。また、例えば電動シリンダ320については、その代わりに、リニアモータ等を用いる様にしてもよい。これらの駆動手段の選択や組み合わせは任意でよい。
また、請求項4の回転動力機関(実施例1ではモータ201に対応)は、各回転体(210,220,230,240)毎にそれぞれ一機ずつ設ける様にしてもよい。また、これらの回転動力機関は、発動機(燃焼機関)などを用いて構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、球状黒鉛鋳鉄品を構成する溶湯の品質をその凝固後の固体断面の画像に基づいて評価するための装置を提供するものであるから、球状黒鉛鋳鉄品の製造関連業界において、幅広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】実施例1の球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000の断面図
【図2】球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000の研磨手段200の断面図及び平面図
【図3】本球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000の他の側面図と平面図
【図4】球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000の供試材位置付け手段300の断面図
【図5】供試材位置付け手段300のリニアガイドウェイ310の斜視図
【図6】球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000の制御系の制御ブロックダイアグラム
【図7】球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000の空気回路600の回路図
【図8】球状黒鉛鋳鉄品質測定装置1000の操作盤400の正面図
【図9−A】制御装置500が実行する処理手順を示すフローチャート(前半)
【図9−B】制御装置500が実行する処理手順を示すフローチャート(後半)
【図10】撮像データを分析する品質測定装置700の構成を示すブロック図
【図11】品質測定装置700が実行する処理手順を示すフローチャート
【図12】濃淡画像から得られる輝度のヒストグラムを例示するグラフ
【図13−A】濃淡画像を例示する平面図
【図13−B】濃淡画像から得られる3値画像を例示する平面図
【符号の説明】
【0080】
1000 : 球状黒鉛鋳鉄品質測定装置
200 : 研磨手段
300 : 供試材位置付け手段
400 : 操作盤
500 : 制御装置
600 : 空気回路
700 : 品質測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
球状黒鉛鋳鉄品の供試材の研磨面を撮像して、前記供試材の品質を測定する球状黒鉛鋳鉄品質測定装置において、
前記研磨面上の撮像領域の画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段に対して、撮像すべき位置関係に前記撮像領域があることを連絡する撮像契機連絡手段と、
前記研磨面と前記撮像手段との相対的な位置関係を変更することによって、前記研磨面上において前記撮像領域を相異なる他の撮像領域に変更する撮像領域変更手段と、
前記撮像手段によって撮像された前記撮像領域の画像を入力し、その画像のデジタルデータを解析して、前記研磨面の前記撮像領域における品質を算出する品質算出手段と、
前記撮像領域変更手段と前記撮像契機連絡手段と前記撮像手段とを用いて撮像された、相異なる複数の前記撮像領域に関する前記品質の平均値を算出する平均値算出手段と、
前記平均値を所定の画面上または紙面上に表示する平均値表示手段と
を有する
ことを特徴とする球状黒鉛鋳鉄品質測定装置。
【請求項2】
前記品質算出手段は、前記品質として、黒鉛球状化率、パーライト率、またはフェライト率を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の球状黒鉛鋳鉄品質測定装置。
【請求項3】
前記供試材の表面を研磨することによって前記研磨面を形成する研磨手段を有し、
前記研磨手段は、研磨粗さが相異なる複数の研磨具または研磨シートに、前記研磨粗さの粗い順に、前記供試材の前記表面を位置付ける供試材位置付け手段を有する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の球状黒鉛鋳鉄品質測定装置。
【請求項4】
前記研磨手段は、円形状またはリング形状の複数の研磨シートをそれぞれ各軸周りに回転自在に支持する平面部を有する複数の回転体と、
各前記回転体をそれぞれ回転駆動する回転動力機関と、
前記平面部に固定された前記研磨シートに前記供試材の前記表面を押し当てる研磨圧印加手段とを有し、
供試材位置付け手段は、各前記平面部に固定された各前記研磨シートに、前記供試材の前記表面を位置付ける
ことを特徴とする請求項3に記載の球状黒鉛鋳鉄品質測定装置。
【請求項5】
前記供試材位置付け手段は、前記撮像手段の光軸上に前記供試材の前記研磨面を位置付ける撮像補助手段を有する
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の球状黒鉛鋳鉄品質測定装置。
【請求項6】
前記研磨手段を収納する前記球状黒鉛鋳鉄品質測定装置の部分空間である研磨室を外気から遮断する開閉式のカバーと、前記研磨室内に飛散する粉塵を吸い取る吸塵手段とを有する
ことを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れか1項に記載の球状黒鉛鋳鉄品質測定装置。
【請求項7】
所定の非常停止スイッチがON状態にある時、または、前記カバーが開状態にある時に、前記回転体を停止させる非常安全停止手段を有する
ことを特徴とする請求項6に記載の球状黒鉛鋳鉄品質測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9−A】
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【図9−B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13−A】
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【図13−B】
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【公開番号】特開2008−190867(P2008−190867A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−22130(P2007−22130)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ケーブルベア
【出願人】(391004067)株式会社ナカヤマ (1)
【Fターム(参考)】