説明

生産システム用の設備及びこの設備を備えた生産工場

【課題】一列に配列された複数の工程室内の処理部により被処理物に処理を行う生産システム用の設備において、例えば作業者の衣服を介して被処理物同士が互いに混じり合うことを抑えると共に工場内における共通の洗浄装置により処理装置の部品などの重量物を洗浄するために工程室内に当該部品を搬入出する場合でに、この部品を介して被処理物同士が互いに混じり合うことを抑えること。
【解決手段】複数の工程室が一列に配列された並びの両側において、当該列に沿って作業者が工程室内に入る通路と作業者が工程室から出て行く通路とを配置すると共に、工程室の上方から被処理物を当該工程室に投入し、工程室の下方から被処理物に処理を行って得られた処理物を取り出すようにする。そして、部品については、共通の洗浄装置により洗浄するために工程室から搬出するときには作業者が出て行く通路から搬出し、洗浄した後は作業者が工程室に入る通路から搬入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理物である粉粒体を処理して処理物を得るための処理部を有する複数の工程室が一列に並べられた生産システム用の設備及びこの設備を備えた生産工場に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば医薬品などの固形製剤を製造する工場などの設備においては、粉体原料(被処理物)に対して例えば秤量、造粒、篩過、錠剤への成形(打錠)及び検査などの処理を行う複数の工程室が設けられており、各々の工程室内には、処理の種類に応じた処理部(処理装置)が当該工程室毎に設置されている。そして、この工場内には、例えば一つの階層(フロア)に複数の工程室が一列に並べて配置されており、またこの工程室の列が並行に複数段に配列され、このようなフロアが複数の階層に亘って積層されている。この工場では、例えば1種類あるいは多種類の粉体原料に対して例えば複数の工程室を介して順次所定の処理を行うことで、1種類あるいは多種類の固形製剤の製造を行っている。このような工程室の列の一例について、概略的に示した図25を参照して説明する。
【0003】
工程室100の列の各々の側面の一面側には、当該工程室100の並びに沿うように粉体原料の通路である搬送路101が設置されており、この搬送路101内には、昇降自在及び工程室100の並びに沿って走行自在な例えばスタッカークレーンなどと呼ばれている容器搬送機構102が設置されている。また、各々の工程室100には、搬送路101側の側壁における上方位置と下方位置とに夫々ドア103、104が形成されており、粉体原料は、例えば原料容器105内に収納された状態で搬送機構102によりドア103を介して当該工程室100内に搬入され、当該工程室100内の上方位置に設置されることとなる。そして、原料は、この原料容器105から例えば重力により落下して工程室100内の下方に設けられた処理部106に投入され、作業者により既述の処理が行われた後、搬送容器107に収納される。次いで、この搬送容器107は、工程室100の側壁の下側のドア104を介して搬送機構102により搬送路101へと搬出されていく。その後、この搬送容器107に収納された処理物は、搬送機構102により例えば搬送路101の上方位置に持ち上げられると共に、例えばこの工程室100に隣接する工程室100内あるいは他の階層の工程室100内に原料として搬入されて、次の処理が行われる。こうして複数の工程室100にて順次処理が行われて、固形製剤が製造されていくこととなる。
【0004】
この時、各々の工程室100内の処理部106は、例えば打錠機においてはターンテーブルなどといった粉体に接触する部品106aを備えており、このような部品106aを介して粉体原料に対して処理を行っている。そのため、この工場では、粉体に接触する部品106aを一定期間毎に洗浄するようにしている。例えば造粒処理を行う工程室100においては、例えばこの工程室100内に例えば水道を引き回した洗浄装置を設けておき、この洗浄装置において上記の部品106aを洗浄するようにしている。あるいは、作業者が手作業でこのような部品106aの洗浄(拭き取り)を行うようにしている。
【0005】
一方、例えば打錠処理を行う場合には、この工場内で洗浄装置を共通化して設備のコストダウンを図るために、また水の純度などの管理が必要な場所を少なくしてこのような水の純度などの管理に要するコストを削減するために、例えば工程室100の並びに共通の洗浄室を配置して、各々の工程室100からこの洗浄室まで作業者が部品106aを搬送して洗浄するようにしている。この部品106aを搬送するにあたって、このような部品106aは例えば粉体による摩耗を抑えるために金属やセラミックスなどから構成されており、例えば300〜400kgといった極めて重い重量物であるため、例えば台車に乗せて搬送するようにしている。
【0006】
ところで、工程室100内において作業者が処理を行うにあたって、各々の工程室100内に作業者が出入りするために、例えば工程室100の並びに沿って作業者用通路111を設置している。工程室100の並びの側面の一面側には既述の搬送路101が配置されているので、当該側面の他面側にこの作業者用通路111を設置している。そして、作業者は、洗浄された衣類例えばクリーンスーツなどを図示しない更衣室などにおいて着用して作業者用通路111から工程室100内に入室し、処理を行った後工程室100内から作業者用通路111へと退出するようにしている。
【0007】
工程室100内において粉体の処理を行うことにより、作業者の衣服には粉体や粉塵などのダストが付着している場合があるので、工程室100内に入室する作業者と工程室100内から退出する作業者とが同じ作業者用通路111を通ると、工程室100内から退出した作業者の衣服に付着したダストが工程室100内に入室する作業者の例えば衣服に付着してしまうおそれがある。その場合には、工程室100内に入室した作業者の衣服から例えば処理部106内にダストが落下して、例えば種類などが異なる粉体が互いに混じり合ってコンタミの原因となってしまうおそれがある。そこで、このような作業者の衣服を介したコンタミの発生を抑えて製品の品質の向上を図るために、作業者用通路111として例えば粉体の付着していない清浄な作業者が工程室100内に入室するためのダストの許容レベルが高い清浄通路108と、当該工程室100内において処理を行うことによって粉体が付着している(汚れている)おそれのある作業者が工程室100内から退出するためのダストの許容レベルが低い汚染通路109と、を設けることで、作業者の出入りの方向をワンウェイ(一方通行)化している。
【0008】
ここで、既述のように、工程室100が一列に配列されており、またこの工程室100の列の側面の一面側には、この工程室100の列に沿って当該工程室100の上側から下側に亘って搬送路101が形成されている。そのため、搬送路101の他面側に清浄通路108及び汚染通路109の双方を設ける必要がある。そこで、既述の図25に示すように、清浄通路108と汚染通路109とを上下に積層して、工程室100内には例えば上側の清浄通路108から当該工程室100内に降りる階段110を配置するようにしている。
このように各通路108、109及び階段110を設けることで、工程室100の側面の一面側から搬送機構102により当該工程室100内に対して容器105、107の搬入出を行うといった構成でありながら、図25に(1)で示す経路に従って作業者が工程室100内に出入りできるので、作業者の出入りの方向をワンウェイ化して作業者の衣服を介したコンタミの発生を抑えることができる。
【0009】
既述の部品106aについても同様に、当該部品106aを介したコンタミの発生を抑えるために、工程室100と共通の洗浄室との間において搬送する場合、粉体の付着した部品106aを工程室100から汚染通路109を介して搬出し、清掃済みの部品106aを清浄通路108を介して工程室100内に搬入することが好ましい。しかし、部品106aは既述のように重量物であり、作業者により搬送しているので、階段110を介して昇降させることができない。そこで、このような構成の工場においては、同図に(2)で示す経路に従って、工程室100内にて粉体の付着した部品106aを汚染通路109から共通の洗浄室に搬送し、清掃済みの部品106aを再び汚染通路109を介して工程室100内に戻すようにしている。そのため、汚染通路109において、清掃済みの部品106aにダストが付着してコンタミの原因となってしまうおそれがある。そこで、ダストが付着しないようにこの部品106aにカバーなどの覆いを被せてはいるが、汚染通路109において、この覆いや、あるいは部品106aと共に工程室100内に入室する作業者の衣服にダストが付着し、工程室100内に部品106aを搬入する時に、この覆いや作業者の衣服を介して工程室100内にダストが入り込んでしまうおそれがある。
【0010】
尚、上記の階段110に代えて、あるいはこの階段110と共に、工程室100内に部品106aを昇降させるための昇降機構例えばエレベーターを設けることによって、(1)と同じ経路で部品106aを搬送して部品106aの出入りの方向もワンウェイ化できると考えられるが、その場合には各々の工程室100毎に昇降機構を設ける必要があるので、工程室100(工場)のコストが嵩んでしまう。特許文献1には、スタッカークレーン及びこのスタッカークレーンを用いた自動倉庫システムが記載されているが、上記の課題については何ら検討されていない。
【0011】
【特許文献1】特開2005−329475
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、一列に配列された複数の工程室内の処理部により被処理物である粉粒体に処理を行う生産システム用の設備において、例えば作業者の衣服を介して被処理物同士が互いに混じり合うことを抑えると共に、例えば工場内における共通の洗浄装置により処理装置の部品などの重量物を洗浄するために工程室内に当該部品を搬入出する場合であっても、この部品を介して被処理物同士が互いに混じり合うことを抑えることのできる設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の生産システム用の設備は、
被処理物である粉粒体を処理して処理物を得るための処理部を有する複数の工程室が一列に並べられた工程室の列と、
この工程室の列の側面の一面側に当該列に沿って配置されると共に扉を介して各工程室に対して入室可能に設けられた、被処理物の許容レベルが高い第1の作業者用通路と、
前記工程室の列の側面の他面側に当該列に沿って配置されると共に扉を介して各工程室から退室可能に設けられた、前記第1の作業者用通路よりも被処理物濃度の許容レベルが低い第2の作業者用通路と、
前記第1の作業者用通路及び第2の作業者用通路の一方の通路の階上に、前記工程室の列に沿って伸びる搬送路を移動するように設けられ、各工程室に被処理物を搬送するための第1の搬送機構と、
前記一方の通路の階下に、前記工程室の列に沿って伸びる搬送路を移動するように設けられ、各工程室から処理物を受け取るための第2の搬送機構と、
各工程室の上方側に設けられ、前記第1の搬送機構から被処理物を受け取ってその被処理物を前記処理部に投入するための被処理物投入区域と、
各工程室の下方側に設けられ、前記処理部から処理物を受け取ってその処理物を前記第2の搬送機構に受け渡すための処理物受け渡し区域と、
前記第2の搬送機構から処理物を受け取り、この処理物を前記第1の搬送機構に引き渡すための上下運搬機構と、を備えたことを特徴とする。上記の各通路における被処理物濃度の許容レベルとしては、処理物の許容レベルについても同じレベルとなる。
【0014】
この生産システム用の設備の2つを、互いの工程室の列が並行になるように左右に配置すると共に、前記第1の作業者用通路及び第2の作業者用通路の一方の通路と第1の搬送機構と第2の搬送機構とを、前記2つの生産システム用の設備において共用化するように構成されていても良い。
前記上下運搬機構は、前記工程室の列の前端よりも前方側または前記工程室の列の後端よりも後方側に設けられることが好ましい。
前記第2の搬送機構は、前記第1の作業者用通路及び第2の作業者用通路の一方の通路の階下に設けられる代わりに、前記第1の作業者用通路及び第2の作業者用通路の他方の通路の階下に設けられていても良い。
前記被処理物投入区域は、第1の搬送機構から被処理物を受け取ってこの被処理物を処理部に投入するための位置まで移載する第1の移載機構を備えていても良い。
また、前記処理物受け渡し区域は、処理部から処理物を受け取ってこの処理物を第2の搬送機構に受け渡すための位置まで移載する第2の移載機構を備えていても良い。
【0015】
また、本発明の生産システム用の設備は、
被処理物である粉粒体を処理して処理物を得るための処理部を有する複数の工程室が一列に並べられた工程室の列と、
この工程室の列の側面の一面側に当該列に沿って配置されると共に扉を介して各工程室に対して入室可能に設けられた、被処理物濃度の許容レベルが高い第1の作業者用通路と、
前記工程室の列の側面の他面側に当該列に沿って配置されると共に扉を介して各工程室から退室可能に設けられた、前記第1の作業者用通路よりも被処理物濃度の許容レベルが低い第2の作業者用通路と、
前記第1の作業者用通路及び第2の作業者用通路の一方の通路における前記工程室と反対側に設けられ、前記工程室の列に沿って水平方向及び鉛直方向に移動して各工程室に被処理物を搬送しあるいは各工程室から処理物を受け取るための搬送機構と、
各工程室の上方及び前記一方の通路の上方に跨って設けられ、前記搬送機構から被処理物を受け取ってその被処理物を前記処理部に投入するための第1の移載機構と、
各工程室の下方及び前記一方の通路の下方に跨って設けられ、前記処理部から処理物を受け取ってその処理物を前記搬送機構に受け渡すための第2の移載機構と、を備えたことを特徴とする。この場合においても、各通路における被処理物と同様に処理物についても同じ許容レベルである。
【0016】
この生産システム用の設備の2つを、互いの工程室の列が並行になるように左右に配置すると共に、前記搬送機構を、前記2つの生産システム用の設備において共用化するように構成されたことを特徴とする生産システム用の設備。
前記第2の作業者用通路は、作業者が処理部の部品を工程室の外に設けられた洗浄区域に搬送するための通路であり、前記第1の作業者用通路は、作業者が前記洗浄区域にて洗浄された処理部の部品を工程室に搬送するための通路であることが好ましい。
前記被処理物投入区域における前記処理部への被処理物の投入及び前記処理部から前記処理物受け渡し区域への処理物の受け取りは、落下させることにより行われることが好ましい。
前記被処理物及び前記処理物は容器内に収納されて設備内を搬送されることが好ましい。
本発明の生産工場は、
上記の生産システム用の設備を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、一列に配列された複数の工程室内の処理部により被処理物である粉粒体に処理を行う設備において、工程室の側面の一面側及び他面側に当該工程室の並びに沿って工程室内に作業者が入室するための第1の作業者用通路及び工程室から作業者が退出するための第2の作業者用通路を設けると共に、処理物あるいは被処理物を搬送する自動搬送機構の搬送室を上下に分割してその間に第1の作業者用通路及び第2の作業者用通路の一方を介在させて、上側の搬送室と下側の搬送室との間で上下運搬機構を介して物流が行われるようにしている。そのため、工程室に対する被処理物や処理物の搬送を妨げることなく工程室内への作業者の出入りの経路を一方通行化することができるので、作業者の衣服を介して被処理物同士が互いに混じり合うこと(コンタミの発生)を抑えることができると共に、このように工程室の列の両側面に通路を配置することで、例えば工場内における共通の洗浄装置により処理部の部品などの重量物を洗浄するために工程室内に対して当該部品を搬入出する場合であっても、この部品を階上あるいは階下へ運ぶことなく搬送できるので、部品の工程室内への出入りも一方通行にすることができ、そのため当該部品を介したコンタミについても抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[第1の実施の形態]
本発明の生産システム用の設備を例えば被処理物である粉粒体(原料粉末)から処理物である医薬品の固形製剤を製造する生産工場に適用した例である第1の実施の形態について、図1〜図8を参照して説明する。この工場は、図1に示すように概略3層の階層(上段の階層1、中段の階層2及び下段の階層3)からなっており、各々の階層が床11によって区画されている。尚、この工場は、図示しない外壁により囲まれている。
【0019】
先ず、中段の階層2について説明すると、この中段の階層2は、作業者が被処理物である原料粉末やこの原料粉末から得られた処理物(中間生成物、製品)に対して、例えば秤量、搬送容器Cへの充填、造粒、篩過、錠剤への成形(打錠)及び成型品の検査などといった処理を行うための工程室21が前後方向(図1中Y方向)に一列に並べて配置されており、各々の工程室21は図示しない壁によって区画されている。この工程室21の側壁24の一面側(図1中X方向左側)には、図2にも示すように、この工程室21内に作業者が入室する時に通る通路(廊下)である入室通路22が第1の作業者用通路として当該工程室21の並びに沿って配置されており、また工程室21の側壁24の他面側には、工程室21内から退出した作業者が通るための退出通路23が第2の作業者用通路として当該工程室21の並びに沿って設けられている。
【0020】
入室通路22内は、被処理物や処理物などの粉末や粉塵などといったダストの濃度が所定の濃度よりも少なくなるように、つまり被処理物(処理物)濃度の許容レベルが高くなるように、内部の雰囲気(空気)や壁面、天井面及び床面が清浄に保たれており、退出通路23内は、入室通路22内と同様の清浄度(空気中の浮遊粉塵の管理値)に保たれているが、この入室通路22よりも被処理物濃度の許容レベルが低くなっている。これらの工程室21、入室通路22及び退出通路23の床11の高さレベルは、同じ高さ位置に設定されている。ここで言う「同じ高さ位置」とは、例えば工程室21の床11に対して、台車の移動を妨げる段差が介在しないことを意味している。
【0021】
工程室21の側壁24の両側には、この工程室21に出入りするための扉であるドア25が設けられており、このドア25は、図3にも示すように、各工程室21毎に設置されている。
入室通路22の一端側には、図示しない更衣室が接続されており、作業者は、例えばこの更衣室において清浄な衣服例えばクリーンスーツなどを着用して、衣服に原料粉末や粉塵などのダストが付着していないか、あるいは固形製剤の製造に不具合の起こらない程度までダストの付着レベルが低い状態となってから、入室通路22を介して工程室21内に入室することになる。また、退出通路23の一端側には、図示しない準備室などの除塵室が接続されており、工程室21内において作業を行った作業者は、この除塵室においてエアブローや着替えなどを行うことにより、ダストの付着した可能性のある衣服を清浄化するようにしている。
【0022】
このように、工程室21内に出入りする作業者の通る経路がワンウェイ(一方通行)化されており、工程室21内において作業者の衣服に付着したダストが入室通路22や工程室21に持ち込まれないようになっている。そのため、作業者の衣服を介したコンタミの発生が抑えられている。尚、既述の更衣室及びこの除塵室は、例えば図示しない清浄な廊下を介して接続されており、例えば一度工程室21から退出した作業者が同じ工程室21に入室する場合であっても、入室通路22内にダストが入り込まないようになっている。この工程室21の内部の構成については、後で詳述する。
【0023】
退出通路23の階上には、工程室21の並びに沿って伸びる第1の搬送室35が設けられ、また退出通路23の階下には、工程室21の並びに沿って伸びる第2の搬送室55が設けられている。そして、各工程室21の上方例えば階上には、当該工程室21に被処理物を投入するための被処理物投入区域をなす投入室30が設けられている。投入室30と第1の搬送室35とを区画する壁部には、第1の搬送室35から投入室30内に搬送容器Cを搬入するために、図1及び図4に示すように、扉34aにより開閉される搬入口34が形成されている。各投入室30内には、第1の搬送室35内に設けられた後述の第1のスタッカークレーン41から前記搬入口34を介して搬送容器Cを受け取る位置と、工程室21内に搬送容器C内の被処理物を投入する位置と、の間で第1の移載機構であるガイド39に沿って水平移動可能な載置台32が設けられている。この載置台32は、中央部に開口部が形成された移動基台32aと、この移動基台32a上において図1中前後方向に相対向し且つその離間間隔が搬送容器Cの幅寸法よりも狭いコ字型部材33、33と、からなり、工場内のコンピュータの指示により図示しない駆動機構により移動制御されるようになっている。
【0024】
この第1の移載機構としては、図1中前後方向に相対向し且つその離間距離が搬送容器Cの幅寸法よりも狭くなるように構成され、工程室21の並びに直交方向に走行可能な2本のコンベア例えばローラーコンベアやチェーンコンベアを平行に配置し、この2本のコンベアを互いに同じ方向に走行させてコンベア上の搬送容器Cを搬送するようにしても良い。また、この第1の移載機構としては、例えば上記の載置台32の下面に車輪を設けて、上記のガイド39と同様に構成されたレールに沿って移動可能な台車であってもよい。
【0025】
被処理物を工程室21内に投入する位置における投入室30の床11には、図4に示すように、開口部40が形成されており、この開口部40を介して工程室21の内部から伸びる例えば伸縮自在及び移動自在に構成された被処理物供給管38の一端側が開口している。そして、例えば作業者がこの被処理物供給管38の開口部を載置台32上の搬送容器Cの底面に形成された開閉可能な図示しない開口部に接続することにより、後述の処理部80により当該搬送容器C内の被処理物が下方側に向かって例えば重力により落下して工程室21内に投入されるように構成されている。尚、開口部40と搬入口34とが近接している場合には、このガイド39を設けずに第1のスタッカークレーン41により直接載置台32上(工程室21への被処理物の投入位置)に搬送容器Cを載置しても良い。また、工程室21内へ被処理物を投入するための方法としては、重力によらずに、あるいは重力と共にパウダーフィーダーなどの粉末搬送装置を用いるようにしても良い。更に、図1では、投入室30の内部を説明するために、この投入室30の壁面や天井面を一部切り欠いて示している。更にまた、ここでは工程室21と投入室30とを床11によって区画しているが、工程室21と投入室30との間に床11を設けずに、吹き抜けの工程室21として見かけ上一つの部屋となるように構成しても良い。
【0026】
既述の第1の搬送室35内には、工程室21の並びに沿って伸びる搬送路であるレール47に案内される第1の搬送機構である第1のスタッカークレーン41が設けられている。この第1のスタッカークレーン41は、被処理物を各工程室21に搬送するためのものであり、図5に示すように、互いに間隔を開けて鉛直方向に伸びる2本の柱部42、42及びこの柱部42、42を上下から支持する基部43、43を備えている。この柱部42、42の間には、上方側及び工程室21の並びに平行な面の両側が矩形に切り欠かれた概略箱型のリフト44が設けられており、このリフト44は、当該柱部42に沿って昇降可能に構成されている。このリフト44上には、搬送容器Cを載置するための搬送台45が設置されている。この搬送台45は、例えば既述のコ字型部材33、33の離間間隔よりも狭く、且つ搬送容器Cの幅寸法よりも狭く形成されると共に、工程室21の並びに対して水平方向に進退自在に構成されている。そして、この搬送台45上に搬送容器Cを載置して、例えば既述の搬入口34を介して載置台32の上方位置に当該搬送台45が第1のスタッカークレーン41から伸び出し、次いでリフト44が下降して搬送台45がコ字型部材33、33間を下側に通過することにより、載置台32上に搬送容器Cを載置できるように構成されている。その後、ガイド39が水平に搬送容器Cを移動させることにより、工程室21に被処理物を投入する位置まで載置台32及び搬送容器Cが搬送されることになる。
【0027】
また、下側の基部43の下面には、車輪46が設けられており、第1のスタッカークレーン41が工程室21の並びに沿って既述のレール47上を走行できるように構成されている。尚、既述の図1及び図3に示したように、各々の搬入口34の高さ位置が同じ場合には、この第1のスタッカークレーン41にリフト44を設けずに昇降しないように構成し、例えば搬送台45の高さ位置を載置台32の載置面の高さ位置よりも僅かに高く設定しておき、搬入口34を介して載置台32の上方位置に伸び出して来た搬送台45から搬送容器Cを受け取る図示しない受け渡し機構例えば昇降機構などを投入室30内に設けても良い。このような場合には、この第1のスタッカークレーン41としては、工程室21の並びに沿って進退自在な水平搬送装置例えばトラバーサ、電動台車、AGV(無人搬送車)あるいはベルトコンベアなどと、投入室30側に進退自在なこれらの水平搬送装置と、を組み合わせるようにしても良い。また、各々の搬入口34の高さ位置が異なる場合や、あるいは投入室30の上位置に例えば搬送容器Cを保管する棚などを設ける場合などは、この図5に示すように、第1のスタッカークレーン41にリフト44を設けて昇降可能に構成することが好ましい。
【0028】
各工程室21の下方例えば階下には、工程室21において被処理物に処理を行って得られた処理物である中間生成物や製品を当該工程室21から取り出すための処理物受け渡し区域である収缶室51が工程室21の並びに沿って設けられている。収缶室51と既述の第2の搬送室55とを区画する壁部には、この収缶室51から第2の搬送室55へ搬送容器Cを搬出するために、扉54aにより開閉される搬出口54が形成されている。各収缶室51内には、第2の搬送室55内に設けられた後述の第2のスタッカークレーン56により搬出口54を介して搬送容器Cを搬出する位置と、工程室21から処理物を取り出す位置例えば既述の投入室30の開口部40の直下位置と、の間で第2の移載機構であるガイド50に沿って水平移動可能な載置台52が設けられている。この載置台52は、既述の投入室30内の載置台32と同じように2本のコ字型部材33、33及び移動基台32aにより構成されており、同様に工場内のコンピュータの指示により図示しない駆動機構を介して図1中前後方向に移動制御されるように構成されている。
【0029】
処理物を工程室21から取り出す位置の上方における収缶室51と工程室21との間の床11には、図示しない開口部が形成されており、この開口部を介して工程室21内から伸びる処理物排出管58の一端側が開口している。そして、例えば作業者が載置台52上の搬送容器Cの上面に設けられた図示しない供給口にこの処理物排出管58を接続することにより、工程室21から処理物が例えば重力により当該搬送容器C内に取り出される(落下する)ように構成されている。この第2の移載機構としても、既述の載置台32と同様にローラーコンベアやチェーンコンベアあるいは台車などであっても良い。
【0030】
この収缶室51内には、後述するように、工程室21と当該収缶室51との間において作業者が行き来するための階段53が設けられている。尚、この場合においても、収缶室51と工程室21との間に床11を設けずに、吹き抜けの工程室21として収缶室51と工程室21あるいは工程室21及び投入室30とを見かけ上一つの階層となるように構成しても良いし、また工程室21から処理物を取り出す方法としては、重力によらずに、あるいは重力と共に粉末搬送装置を用いても良い。
【0031】
第2の搬送室55内には、第2の搬送機構である第2のスタッカークレーン56が設けられている。この第2のスタッカークレーン56は、工程室21から処理物を受け取るためのものであり、既述の第1のスタッカークレーン41と同様にレール59により工程室21の並びに沿って走行自在、リフト及びリフト上の搬送台(いずれも図示せず)により工程室21の並びに対して水平方向に進退自在及び鉛直方向に昇降自在に構成されている。そして、第2のスタッカークレーン56は、第1のスタッカークレーン41と同様に、当該第2のスタッカークレーン56の搬送台が載置台52のコ字型部材33、33間における搬送容器Cが載置される載置面の下方側から上昇することにより、載置台52上の搬送容器Cを受け取ることができるように構成されている。尚、この第2のスタッカークレーン56についても同様にリフトを設けずに収缶室51内に受け渡し機構を設けても良いし、この受け渡し機構と共に第2のスタッカークレーン56に代えて水平搬送装置を水平に2基組み合わせて用いても良い。
【0032】
既述の第1の搬送室35、退出通路23及び第2の搬送室55は、既述の図1及び図2に示したように、長辺方向(図1中Y方向)の一端側が工程室21の端部例えば後端(同図中Y方向奥側)よりも長く伸び出しており、この長く伸び出した第1の搬送室35、退出通路23及び第2の搬送室55の側面の例えば工程室21側には、第1の搬送室35の高さ位置から第2の搬送室55の高さ位置までに亘って縦に長く伸びる垂直搬送路61が設けられている。この垂直搬送路61内には、既述の第1のスタッカークレーン41(56)とほぼ同様の構成の上下運搬機構であるスタッカークレーン62が設置されている。このスタッカークレーン62は、当該垂直搬送路61内において昇降自在及び第1の搬送室35及び第2の搬送室55に対して水平方向に進退自在に構成されている。このスタッカークレーン62は、第2のスタッカークレーン56から搬送容器Cを受け取り、第1のスタッカークレーン41にこの搬送容器Cを引き渡すためのものであり、そのため既述の第2の搬送室55と垂直搬送路61との間の壁面及び第1の搬送室35と垂直搬送路61との間の壁面には、図6に示すように、夫々受け渡し口57、37が形成されている。
【0033】
そして、搬送路55、35内における夫々の受け渡し口57、37の手前側には、既述の載置台32(52)と同様にコ字型部材33を用いた受け渡し部57a、37aが設けられている。これらのコ字型部材33、33の離間距離は、スタッカークレーン41、56、62の搬送台45の幅寸法よりも広く且つ搬送容器Cの幅寸法よりも狭くなるように形成されている。そして、既述のガイド39、50との間における受け渡し方法と同様に、搬送台45がこの受け渡し部57a、37aの載置面に対して昇降することにより、既述の図6に示すように、スタッカークレーン62とスタッカークレーン41、56との間において搬送容器Cの受け渡しが行われる。尚、このスタッカークレーン62としては、例えばエレベーターやバーチカルリフターなどであっても良い。
【0034】
次に、既述の工程室21について説明する。この工程室21内には、図7に示すように、当該工程室21と投入室30との間において作業者が行き来するための階段71が設けられている。また、例えば既述の打錠処理を行う場合には、工程室21毎に、処理部80である処理装置として例えば打錠機72が設けられている。この打錠機72は、既述のように、投入室30から投入される被処理物に対して打錠を行い、打錠後の錠剤を処理物として下方の収缶室51に排出するように構成されており、例えば投入室30内の投入位置における載置台32(開口部40)の下方位置且つ収缶室51内の取り出し位置における載置台52の上方位置に配置されている。そのため、この例では、打錠機72、載置台32、52は、既述の図1にA−A線で示したように、縦に一列に配列されていることになる。尚、このように打錠機72、載置台32、52を縦に一列に配置しなくても、例えば被処理物供給管38や処理物排出管58を屈曲させることで、これらの打錠機72、載置台32、52を夫々横方向にずらして配置しても良い。
【0035】
この打錠機72は、被処理物に接触する部品73例えばターンテーブルを備えており、この部品73を介して被処理物に処理を行うように構成されている。この部品73は、例えば被処理物と接触することによる摩耗が抑えられるように、硬質の材質例えば金属やセラミックスなどから構成されており、そのため例えば300〜400kg程度の極めて重い重量物となっている。尚、この図7では、ガイド39、50などの描画を省略しており、また搬送容器Cの流れを説明するため垂直搬送路61を横にずらして示している。以降の図8〜図12、図16〜図20についても同様である。
【0036】
また、この工場には既述の図2に一点鎖線で示したように、内部に洗浄装置76を備えた洗浄室75が例えば工程室21の並びに設けられている。この洗浄装置76は、既述の部品73を洗浄するためのものであり、例えば複数の工程室21毎あるいは工程室21の列や1つの階層毎などに共通の装置として設けられている。この共通の洗浄室75に対して部品73の搬送を行う時には、この図2中に矢印で示すように、退出通路23を介して洗浄室75内に搬入し、そしてこの洗浄装置76において部品73を洗浄した後、入室通路22から搬出することとなる。
【0037】
このように共通の洗浄装置76を設けている理由としては、例えば工場内で水(純水など)を引き回す場所(洗浄室75)の数を少なくすることで、工場を建設する時のコストダウンを図ると共に、各々の洗浄室75毎に必要になる水の純度などの管理の手間を簡略化するためである。また、例えば一つの工程室21内に複数の同じ部品73を準備して、使用後の部品73の洗浄中に他の部品73に取り替えて打錠機72の運転を連続的に行う場合であっても、当該一つの工程室21内で部品73の洗浄や乾燥を行おうとすると、例えば工程室21内において被処理物などが舞ってしまった場合には洗浄した部品73が汚れてしまうので、部品73の洗浄及び乾燥と打錠機72の運転とを同時に行うことが困難である。そのため、部品73の洗浄や乾燥を行っている間は、例えば打錠機72の運転を停止する必要があるが、このように共通の洗浄装置76を設けることで、部品73を洗浄するために取り替えた場合でもすぐに打錠機72の運転を再開できるので、打錠機72の稼働効率を高めることができるといったメリットもある。更に、例えば被処理物が吸湿しないように内部の雰囲気をドライ雰囲気例えば湿度が35%以下となるように保っている工程室21の場合には、このように工程室21内に洗浄装置76を設けずに共通化することで、湿度の管理が容易になるといったメリットもある。
【0038】
また、例えば造粒処理を行う場合には、例えば図8に示すように、工程室21内には処理部80である処理装置として造粒機77が設置されることとなる。この造粒機77は、既述の打錠機72と同様に被処理物に接触する部品77a例えば流動ケーシングを備えている。この造粒機77は固定式の装置であり、例えばこの部品77aを洗浄する場合には、例えば作業者が手作業で汚れた部位を拭き取ることになるが、例えば作業者が手洗いなどを行う場合などには、この工程室21内には、水道などを引き回した洗浄装置79が設けられることがある。その場合には、この洗浄装置79にて上記の部品77aを洗浄する場合もある。
【0039】
また、このような工程室21内には、例えば造粒後の粗い粒子の粉砕を行うために、例えば作業者が搬送できる移動式の例えば粉砕器などといった共通装置78が設置されている。この共通装置78は、被処理物に接触するので、この工程室21内において定期的に洗浄されることとなるが、被処理物との接触部位が少ないので、作業者によりあるいは洗浄装置79が設けられている場合にはこの洗浄装置79により容易に洗浄(拭き取り)される。また、このような共通装置78は、この工程室21内において常時使用されるものではないので、例えば造粒機77が設置された複数の工程室21で共用されている。そのため、この共通装置78は、例えば洗浄装置79や作業者により洗浄された後、退出通路23内のダストが付着しないように、入室通路22を介して他の工程室21内に搬入されることとなる。この打錠機72が設置された工程室21は、処理装置などの内部において使用される機器類や環境以外のレイアウト(入室通路22、退出通路23、投入室30、収缶室51及び垂直搬送路61)については、既述の打錠などの処理を行う工程室21と同じように配置されている。
尚、各工程室21内は、ダストの量が少なくなるように、所定の清浄度に保たれている。また、この工場には、原料粉末や中間生成物あるいは製品を貯蔵するための図示しない保管室が設けられており、例えば第1のスタッカークレーン41により保管室から取り出されて工程室21内に搬入されるように構成されている。
【0040】
この工場は、図示しない制御部を備えており、この制御部は各工程室21の処理内容や処理速度(作業者の作業速度)に応じて、スタッカークレーン41、56、62の移動や被処理物の供給や給断、あるいは被処理物及び処理物の搬送を行うようにプログラムが組まれたプログラム格納部を備えている。
【0041】
続いて、この実施の形態における作用について図9〜図12を参照して説明する。先ず、例えば既述の打錠を行う打錠機72が設置された工程室21について説明する。既述のように、作業者は、入室通路22の一端側に接続された図示しない更衣室などにおいて清浄な衣服例えばクリーンスーツを着用してダストのレベルが所定値よりも低い清浄な状態となった後、図9(a)の左側に示す矢印に沿って、入室通路22を介して工程室21内に入室する。
【0042】
例えば搬送容器C内に充填された被処理物は、例えば第1のスタッカークレーン41により、図示しない保管室などから工程室21の側方位置まで搬送される。そして、搬入口34を介して搬送台45を投入室30内に進入させて、既述のようにして搬送容器Cを載置台32に載置する。次いで、ガイド39により搬送容器Cが載置台32と共に投入位置(開口部40の上方位置)まで移動する。また、同様にして例えば空の搬送容器Cを収缶室51の載置台52上に載置して、この載置台52を打錠機72の下方位置(取り出し位置)に搬送する。次に、例えば作業者により被処理物供給管38を搬送容器Cの下面に形成された図示しない開閉部に接続すると共に、収缶室51内の載置台52上に載置された搬送容器Cに処理物供給管58を接続し、所定の供給速度で例えば粉体などの粉粒体である被処理物を落下させて打錠機72に投入する。続いて、この打錠機72において、既述の部品73を介して被処理物に打錠を行って処理物を製造し、この処理物を落下させて下方の収缶室51内の搬送容器C内に収納する。
【0043】
そして、所定の量の処理物が生成するまでこの打錠を行った後、例えば作業者が処理物排出管58を搬送容器Cから外して、ガイド50により当該搬送容器Cを搬出口54の側方位置まで搬送する。次いで第2のスタッカークレーン56の搬送台45が伸び出し、この搬送台45が搬送容器Cの下側から僅かに上昇して搬送容器Cを受け取って後退する。こうして図9(b)の矢印に示すように、被処理物が第1の搬送室35から投入室30、工程室21及び収缶室51を介して処理物として第2の搬送室55へと搬送されていくこととなる。尚、投入室30において被処理物が取り出されて空になった搬送容器Cは、例えば搬入された順序と逆の順序で投入室30から搬出されていき、図示しない洗浄区域において洗浄されて例えば再利用されることとなる。
【0044】
この工程室21内において作業を終えた作業者は、図9(a)の右側に示す矢印に従ってこの工程室21から退出通路23へと退出していくこととなる。そのため、工程室21では、作業者の出入りする経路が一方通行となり、当該工程室21内において例えば作業者の衣服に付着したダストは、入室通路22を介して当該工程室21内あるいは他の工程室21内に入りこまないか、あるいは入り込んだとしても固形製剤の製造に影響がない程度の低いレベルに抑えられることになる。
【0045】
その後、垂直搬送路61にアクセスできる位置(工程室21の並びから外れた後端側)に第2のスタッカークレーン56が移動し、図10(a)に示すように受け渡し口57を介してスタッカークレーン62に搬送容器Cを引き渡す。次に、このスタッカークレーン62が上昇すると共に、第1のスタッカークレーン41がこの垂直搬送路61にアクセスできる位置に移動して、図10(b)に示すように同様にしてスタッカークレーン62から第1のスタッカークレーン41に搬送容器Cを引き渡す。この第1のスタッカークレーン41は、例えば続いて処理を行う工程室21にこの搬送容器C内の処理物を被処理物として引き渡すために、当該工程室21の側方位置に移動する。そして、先の工程室21と同様に搬送容器Cが投入室30に搬入されて、この搬送容器Cから被処理物が処理部80に投入され、次の処理が行われて収缶室51に処理物が排出されていくこととなる。この時も、作業者は入室通路22から工程室21内に入室し、その後退出通路23へと退出していくこととなる。
【0046】
次いで、既述の打錠機72が設けられた工程室21において、所定の処理時間を経過した時には、この打錠機72の部品73には例えば被処理物が付着しているので洗浄されることになる。この時は例えば図11(a)に示すように、作業者が入室通路22から当該工程室21内に入室し、打錠機72から例えば台車74などに部品73を移し替え、退出通路23を介して共通の洗浄室75に搬送する。そして、洗浄室75内の洗浄装置76にて部品73の洗浄を行った後、図11(b)に示すように、入室通路22を介してこの部品73を当該工程室21内に搬入する。このように、部品73についても例えば被処理物が付着して汚れている時には退出通路23から搬出し、洗浄装置76にて洗浄して清浄になった後は外部(退出通路23の壁面やダストの付着した作業者など)からダストが付着しないように入室通路22から工程室21内に搬入しているので、部品73を介したコンタミが抑えられることになる。
【0047】
また、既述の工程室21内に洗浄装置79を備えた工程室21内においても、図12(a)に細線の矢印で示した経路に従って被処理物が搬送及び処理されて処理物が生成し、また作業者は同図の太線の矢印で示した一方通行の経路に従って当該工程室21内に出入りすることとなる。そのため、同様に作業者の衣服を介したコンタミの発生が抑えられる。この工程室21では、部品77aや共通装置78を洗浄する場合には当該工程室21内の洗浄装置79あるいは作業者により行われる。そして、この共通装置78を他の工程室21で使用する場合には、洗浄後に図12(b)に示すように入室通路22を介して搬送されることになる。そのため、この共通装置78を介したコンタミの発生についても抑えられる。
【0048】
上述の実施の形態によれば、一列に配列された複数の工程室21内の処理部80により被処理物である粉粒体に処理を行う工場などの設備において、工程室21の側面の一面側及び他面側に当該工程室21の並びに沿って工程室21内に作業者が入室するための入室通路22及び工程室21から作業者が退出するための退出通路23を設けると共に、処理物あるいは被処理物を搬送するスタッカークレーン41、56の搬送室35、55を上下に分割してその間に退出通路23を介在させて、上側の搬送室35と下側の搬送室55との間でスタッカークレーン62を介して物流が行われるようにしている。そのため、工程室21に対する被処理物や処理物の搬送を妨げることなく工程室21内への作業者の出入りの経路を一方通行化することができるので、作業者の衣服を介して被処理物同士が互いに混じり合うこと(コンタミの発生)を抑えることができると共に、このように工程室21の列の両側面に通路22、23を配置することで、例えば工場内における共通の洗浄装置76により処理部80の部品73などの重量物を洗浄するために工程室21内に対して当該部品73を搬入出する場合であっても、この部品73を階上あるいは階下へ運ぶことなく搬送できるので、部品73の工程室21内への出入りも一方通行にすることができ、そのため当該部品73を介したコンタミについても抑えることができる。
【0049】
また、このように工程室21の両側面に通路22、23を配置することにより、作業者についても階段や大きな段差を乗り越える必要がないので、例えば車椅子で移動する必要のある作業者でも工程室21内に容易に出入りできる。更に、例えば既述の図25に示すように作業者が出入りする通路を上下に積層すると共に、作業者及び部品73の出入りの経路を一方通行にするためには、各工程室毎にエレベーターなどの昇降機構を設ける必要があるが、本発明のように工程室21の両側に通路22、23を配置することで、このような昇降機構が不要になるので、工程室21(工場)のコストを抑えることができる。
【0050】
また、洗浄装置79を内部に備えた工程室21では、例えば図13に示すように、既述の図25において上下に積層した通路111(108、109)の配置を逆にすることで、作業者は(1)の経路に示すように下側の清浄通路108から入室して作業を行った後、階段110を登って汚染通路109から退出し、共通装置78については(2)の経路で下側の清浄通路108のみを介して工程室100に搬入出することで、作業者及び共通装置78を介したコンタミを抑えることができると考えられる。しかし、このように工程室100を配置すると、工場内には2種類の形状の工程室が混在することになり、工場のレイアウトが制約されてしまうし、例えば当該工程室100における処理を造粒から打錠に切り替えることができなくなる。また、例えば工場を建設するときに工程室21の列の端部あるいは中間位置にスペースを空けておき、その後このスペースに工程室21(100)を追加しようとした場合には、上記のように2種類の工程室21、100間では形状が違うので、いずれか一方の形状の工程室しか追加できないことになってしまう。しかし、本発明のように共通の洗浄装置76にて部品73の洗浄を行う工程室21や、内部に洗浄装置79を備えた工程室21のいずれについても同じ形状に統一できるので、工場のレイアウトが容易になり、また工程室21内における処理の切り替えや、あるいは工場を建設するときに空けておいたスペースへの工程室21の追加も容易に行うことができる。
【0051】
[第1の実施の形態の変形例:垂直搬送路の位置、2つの工場]
尚、上記の例においては、垂直搬送路61を工程室21の並びの後端部側に配置したが、前端側に配置しても良いし、図14に示すように、第1の搬送室35及び第2の搬送室55を工程室21の並びと同じ長さとなるように配置すると共に、工程室21の一つに代えて垂直搬送路61を配置するようにしても良い。
更に、上記の例においては、工程室21の列を1列だけ示したが、例えば図15(a)に示すようにこの列を例えば並行に横並びに複数段に配列するようにしても良いし、あるいは同図(b)に示すようにこの複数段の列を上下に積層して複数階の工場としても良い。このように工程室21を複数階に積層する時には、複数の階層に亘って上下に搬送容器Cを搬送する場合もあるので、例えば垂直搬送路61の側方位置に、複数の階層に亘って昇降できる図示しないスタッカークレーンが内部に設けられた昇降装置88を設けるようにしても良い。この場合には、昇降装置88と各々の垂直搬送路61との間に図示しない窓を形成し、この窓を介して昇降装置88内のスタッカークレーンとスタッカークレーン62との間で搬送容器Cの受け渡しが行われる。尚、このような昇降装置88は、工場内に一カ所だけ設けても良いし、あるいは各垂直搬送路61毎に設けるようにしても良い。
【0052】
この時、工程室21を横並びに複数段例えば2段を並べるにあたって、各々の列の間を離間させるようにしても良いし、例えば図16に示すように、工程室21の列に沿って平行で且つ退出通路23の中心を通るB−B鉛直面を対称に例えば鏡面対称となるようにしても良い。この場合においても、上記の工場と同様にコンタミが抑えられた状態で処理が行われていき、同様の効果が得られる。この時、これらの2基の工場において、退出通路23、第1の搬送室35、第2の搬送室55及び垂直搬送路61を共用することができるので、工場の設置面積を抑えることができる。
あるいは、工程室21の列を例えば2段に並べるにあたって、工程室21の列に沿って平行で且つ入室通路22の中心を通る鉛直面を対称に例えば鏡面対称として、2基の工場において退出通路23を共用しても良い。
【0053】
[第2の実施の形態:上のスタッカークレーンを横にずらして配置]
上記の実施の形態においては、退出通路23の階上に第1の搬送室35を設けるようにしたが、入室通路22の階上に設けても良い。この場合には、例えば図17(a)に示すように、工程室21の上方における第1の搬送室35側に投入室30を設けるようにする。また、スタッカークレーン41、56の縦方向の位置がずれているので、同図(b)に示すように、例えば垂直搬送路61を第2の搬送室55まで延伸させて水平搬送路82として、既述の図5に示すようにスタッカークレーン62がこの水平搬送路82内を当該水平搬送路82の下面に設けられたレール82a上において水平に移動できるように構成し、このスタッカークレーン62を介してスタッカークレーン41、56間において搬送容器Cの受け渡しを行うようにしても良い。
【0054】
この場合においても、図18(a)に矢印で示すように、搬送容器C内の被処理物は第1のスタッカークレーン41から投入室30を介して工程室21に投入されて処理例えば打錠が行われて処理物となり、その後収缶室51を介して第2のスタッカークレーン56により取り出されていくこととなる。また、作業者は同図(b)に矢印で示す一方通行の経路で工程室21に出入りし、部品73は図19(a)に(1)の矢印で示すように退出通路23を介して工程室21から搬出され、洗浄室75にて洗浄された後(2)の矢印で示すように入室通路22から当該工程室21内に戻される。内部に造粒機77を備えた工程室21では、例えば洗浄装置79や作業者により洗浄された後の共通装置78は、同図(b)に示すように入室通路22から他の工程室21へと搬送されることになる。そのため、このような配置の工場であっても、既述の実施の形態と同様に作業者や部品73、共通装置78などを介したコンタミが抑えられて処理物が製造されていくことになり、同様の効果が得られる。
【0055】
この第2の実施の形態においても、図20に示すように、工程室21の列を横並びに並行に例えば2段並べるにあたって、工程室21の列に沿って平行で且つ退出通路23の中心を通るB−B鉛直面を対称に例えば鏡面対称として、2基の工場において退出通路23及び第2のスタッカークレーン56を共用するようにしても良いし、あるいは工程室21の列に沿って平行で且つ入室通路22の中心を通る鉛直面を対称に例えば鏡面対称として、2基の工場において入室通路22及び第1のスタッカークレーン41を共用しても良い。その場合には、同様に工場の設置スペースを抑えることができる。
【0056】
[第3の実施の形態:上下のスタッカークレーンを共通化]
上記の各例では、工程室21内に被処理物を搬入する第1のスタッカークレーン41と、工程室21内から処理物を搬出する第2のスタッカークレーン56と、を別々に上下に分けて設けたが、共通化しても良い。このような例について図21を参照して説明すると、退出通路23における工程室21の反対側の面には、工程室21の並びに沿って、投入室30から収缶室51までの高さ位置に亘って共通の搬送路85が配置されており、この搬送路85内には、工程室21の並びに沿って水平方向に移動可能で且つ投入室30の高さ位置から収缶室51の高さ位置まで鉛直方向に昇降可能な搬送機構であるスタッカークレーン86が設けられている。このスタッカークレーン86は、各投入室30に被処理物を搬送し、また各収缶室51から処理物を受け取るためのものである。また、投入室30は、各工程室21における処理部80の上方から退出通路23の上方に跨って、搬送路85の側面位置まで長く設けられている。収缶室51についても同様に、各工程室21における処理部80の下方から退出通路23の下方に跨って、搬送路85の側面位置まで長く設けられている。そのため、既述のガイド39、50は、上記の各例よりも横に長く設けられていることになる。
【0057】
このような構成の工場では、図22(a)に示すように、既述の各例と同様に搬送容器Cがスタッカークレーン86により搬送容器Cが投入室30内に搬入されて、搬送容器C内の被処理物が例えば落下して処理部80例えば打錠機72により打錠されて処理物となり、収缶室51内の搬送容器C内に収納される。所定の量の処理物が製造されると、収缶室51内の搬送容器Cがスタッカークレーン86により搬送路85に取り出される。
【0058】
また、作業者は、同図(b)に矢印で示す一方通行の経路に従って入室通路22から工程室21内に入室して作業を行った後、退出通路23から退出する。そして、共通の洗浄装置76により部品73を洗浄する時には、作業者は、図23(a)に(1)の矢印で示すように退出通路23から退出して、部品73を洗浄した後(2)の矢印で示すように入室通路22から工程室21内に当該部品73を戻す。内部に造粒機77を備えた工程室21では、同図(b)に示すように例えば洗浄装置79や作業者により洗浄された後の共通装置78を入室通路22から他の工程室21に搬送する。そのため、この実施の形態においても上記の各例と同様に作業者や部品73、共通装置78などを介したコンタミの発生が抑えられた状態で被処理物から処理物が製造されていくことになり、同様の効果が得られる。
【0059】
この第3の実施の形態においても、上記の各実施の形態の変形例と同様に、工程室21の列を横並びに並行に例えば2段並べるにあたって、図24に示すように、工程室21の列に沿って平行で且つ搬送路85の中心を通るB−B鉛直面を対称として例えば鏡面対称として、2基の工場において搬送路85(スタッカークレーン86)を共用するようにしても良いし、あるいは工程室21の列に沿って平行で且つ入室通路22の中心を通る鉛直面を対対称として例えば鏡面対称として、2基の工場において入室通路22を共用するようにしても良い。この場合にも、同様に工場の設置スペースを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の生産システム用の設備が適用された生産工場の一例を示す斜視図である。
【図2】上記の工場を示す平面図である。
【図3】上記の工場の側面を示す側面図である。
【図4】上記の工場において被処理物が充填された搬送容器を載置するための載置台の様子を概略的に示す斜視図である。
【図5】上記の搬送容器を搬送するためのスタッカークレーンの一例を示す斜視図である。
【図6】上記のスタッカークレーン同士における搬送容器の受け渡しを行う様子を示す模式図である。
【図7】上記の工場における工程室の一例を示す側面図である。
【図8】上記の工場における工程室の一例を示す側面図である。
【図9】上記の工場の作用の一例を示す側面図である。
【図10】上記の工場の作用の一例を示す側面図である。
【図11】上記の工場の作用の一例を示す側面図である。
【図12】上記の工場の作用の一例を示す側面図である。
【図13】上記の工場において得られる効果を説明する説明図である。
【図14】上記の工場における垂直搬送路の他のレイアウトについて説明する平面図である。
【図15】上記の工場の他の例を示す概略図である。
【図16】上記の工場の他の例を示す概略図である。
【図17】上記の工場の他の例を示す側面図である。
【図18】上記の他の例の工場における作用を示す概略図である。
【図19】上記の他の例の工場における作用を示す概略図である。
【図20】上記の工場の他の例を示す側面図である。
【図21】上記の工場の他の例を示す側面図である。
【図22】上記の他の例の工場における作用を示す概略図である。
【図23】上記の他の例の工場における作用を示す概略図である。
【図24】上記の工場の他の例を示す側面図である。
【図25】従来の工場の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0061】
C 搬送容器
21 工程室
22 入室通路
23 退出通路
30 投入室
51 収缶室
61 垂直搬送路
62 スタッカークレーン
72 打錠機
73 部品
74 台車
76 洗浄装置
77 造粒機
78 共通装置
80 処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物である粉粒体を処理して処理物を得るための処理部を有する複数の工程室が一列に並べられた工程室の列と、
この工程室の列の側面の一面側に当該列に沿って配置されると共に扉を介して各工程室に対して入室可能に設けられた、被処理物濃度の許容レベルが高い第1の作業者用通路と、
前記工程室の列の側面の他面側に当該列に沿って配置されると共に扉を介して各工程室から退室可能に設けられた、前記第1の作業者用通路よりも被処理物濃度の許容レベルが低い第2の作業者用通路と、
前記第1の作業者用通路及び第2の作業者用通路の一方の通路の階上に、前記工程室の列に沿って伸びる搬送路を移動するように設けられ、各工程室に被処理物を搬送するための第1の搬送機構と、
前記一方の通路の階下に、前記工程室の列に沿って伸びる搬送路を移動するように設けられ、各工程室から処理物を受け取るための第2の搬送機構と、
各工程室の上方側に設けられ、前記第1の搬送機構から被処理物を受け取ってその被処理物を前記処理部に投入するための被処理物投入区域と、
各工程室の下方側に設けられ、前記処理部から処理物を受け取ってその処理物を前記第2の搬送機構に受け渡すための処理物受け渡し区域と、
前記第2の搬送機構から処理物を受け取り、この処理物を前記第1の搬送機構に引き渡すための上下運搬機構と、を備えたことを特徴とする生産システム用の設備。
【請求項2】
前記上下運搬機構は、前記工程室の列の前端よりも前方側または前記工程室の列の後端よりも後方側に設けられることを特徴とする請求項1に記載の生産システム用の設備。
【請求項3】
前記第2の搬送機構は、前記第1の作業者用通路及び第2の作業者用通路の一方の通路の階下に設けられる代わりに、前記第1の作業者用通路及び第2の作業者用通路の他方の通路の階下に設けられることを特徴とする請求項1に記載の生産システム用の設備。
【請求項4】
前記被処理物投入区域は、第1の搬送機構から被処理物を受け取ってこの被処理物を処理部に投入するための位置まで移載する第1の移載機構を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の生産システム用の設備。
【請求項5】
前記処理物受け渡し区域は、処理部から処理物を受け取ってこの処理物を第2の搬送機構に受け渡すための位置まで移載する第2の移載機構を備えていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の生産システム用の設備。
【請求項6】
被処理物である粉粒体を処理して処理物を得るための処理部を有する複数の工程室が一列に並べられた工程室の列と、
この工程室の列の側面の一面側に当該列に沿って配置されると共に扉を介して各工程室に対して入室可能に設けられた、被処理物濃度の許容レベルが高い第1の作業者用通路と、
前記工程室の列の側面の他面側に当該列に沿って配置されると共に扉を介して各工程室から退室可能に設けられた、前記第1の作業者用通路よりも被処理物濃度の許容レベルが低い第2の作業者用通路と、
前記第1の作業者用通路及び第2の作業者用通路の一方の通路における前記工程室と反対側に設けられ、前記工程室の列に沿って水平方向及び鉛直方向に移動して各工程室に被処理物を搬送しあるいは各工程室から処理物を受け取るための搬送機構と、
各工程室の上方及び前記一方の通路の上方に跨って設けられ、前記搬送機構から被処理物を受け取ってその被処理物を前記処理部に投入するための第1の移載機構と、
各工程室の下方及び前記一方の通路の下方に跨って設けられ、前記処理部から処理物を受け取ってその処理物を前記搬送機構に受け渡すための第2の移載機構と、を備えたことを特徴とする生産システム用の設備。
【請求項7】
前記第2の作業者用通路は、作業者が処理部の部品を工程室の外に設けられた洗浄区域に搬送するための通路であり、前記第1の作業者用通路は、作業者が前記洗浄区域にて洗浄された処理部の部品を工程室に搬送するための通路であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載の生産システム用の設備。
【請求項8】
前記被処理物投入区域における前記処理部への被処理物の投入及び前記処理部から前記処理物受け渡し区域への処理物の受け取りは、落下させることにより行われることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一つの生産システム用の設備。
【請求項9】
前記被処理物及び前記処理物は容器内に収納されて設備内を搬送されることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一つの生産システム用の設備。
【請求項10】
請求項1に記載の2つの生産システム用の設備を、互いの工程室の列が並行になるように左右に配置すると共に、前記第1の作業者用通路及び第2の作業者用通路の一方の通路と第1の搬送機構と第2の搬送機構とを、前記2つの生産システム用の設備において共用化するように構成されたことを特徴とする生産システム用の設備。
【請求項11】
請求項6に記載の2つの生産システム用の設備を、互いの工程室の列が並行になるように左右に配置すると共に、前記搬送機構を、前記2つの生産システム用の設備において共用化するように構成されたことを特徴とする生産システム用の設備。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか一つに記載の生産システム用の設備を備えたことを特徴とする生産工場。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2010−9508(P2010−9508A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−171163(P2008−171163)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(000004411)日揮株式会社 (94)
【Fターム(参考)】