田植機の予備苗載置構造
【課題】予備苗載置台の構成の簡素化などを図りながら予備苗補給作業の高効率化を図れるようにする。
【解決手段】複数の苗仕切壁部15Bを左右方向に一定間隔をあけた状態に整列形成して隣り合う苗仕切壁部15Bの間のそれぞれにマット状苗を載置する苗載置部15Aを区画形成した苗載台15を備え、苗載台15の上部近傍箇所に予備のマット状苗を載置する予備苗載置台20を配備した田植機の予備苗載置構造において、予備苗載置台20に、苗掬い板25を苗載置部15Aのそれぞれに対応する位置に固定する固定部27を備えて、苗掬い板25を介して予備のマット状苗を載置するように構成してある。
【解決手段】複数の苗仕切壁部15Bを左右方向に一定間隔をあけた状態に整列形成して隣り合う苗仕切壁部15Bの間のそれぞれにマット状苗を載置する苗載置部15Aを区画形成した苗載台15を備え、苗載台15の上部近傍箇所に予備のマット状苗を載置する予備苗載置台20を配備した田植機の予備苗載置構造において、予備苗載置台20に、苗掬い板25を苗載置部15Aのそれぞれに対応する位置に固定する固定部27を備えて、苗掬い板25を介して予備のマット状苗を載置するように構成してある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の苗仕切壁部を左右方向に一定間隔をあけた状態に整列形成して隣り合う前記苗仕切壁部の間のそれぞれにマット状苗を載置する苗載置部を区画形成した苗載台を備え、前記苗載台の上部近傍箇所に予備のマット状苗を載置する予備苗載置台を配備した田植機の予備苗載置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
田植機の一例である乗用田植機では、上記のような田植機の予備苗載置構造として、予備のマット状苗を直に載置することができる複数の予備苗載置部を備えるように予備苗載置台を構成したものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−187120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の構成では、予備苗載置台の各予備苗載置部に、予備のマット状苗を安定状態で載置するための少なくともマット状苗と同じ面積を有する苗載置面を備える必要があることから、予備苗載置台の構成の簡素化などを図る上において改善の余地がある。又、上記の構成では、育苗箱からマット状苗を掬い取る苗掬い板に載置した状態で予備苗載置台まで運び込むことが一般的である予備のマット状苗を苗掬い板から予備苗載置台の予備苗載置部に移し変える手間や、移し変え後の苗掬い板を保管場所などに戻す手間が生じることから、予備苗載置台にマット状苗を補給する予備苗補給作業の高効率化を図る上においても改善の余地がある。
【0005】
本発明の目的は、予備苗載置台の構成の簡素化などを図りながら予備苗補給作業の高効率化を図れるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、複数の苗仕切壁部を左右方向に一定間隔をあけた状態に整列形成して隣り合う前記苗仕切壁部の間のそれぞれにマット状苗を載置する苗載置部を区画形成した苗載台を備え、前記苗載台の上部近傍箇所に予備のマット状苗を載置する予備苗載置台を配備した田植機の予備苗載置構造において、
前記予備苗載置台に、苗掬い板を前記苗載置部のそれぞれに対応する位置に固定する固定部を備えて、前記苗掬い板を介して予備のマット状苗を載置するように構成してある。
【0007】
第1の発明によると、マット状苗を苗掬い板に載置した状態で予備苗載置台まで運び込んだ後、予備苗載置台の各固定部で苗掬い板を固定することにより、苗掬い板を苗載置面に利用した状態で予備のマット状苗を苗載台の各苗載置部に対応する位置に安定状態で載置保持することができる。
【0008】
従って、予備苗載置台に苗載置面を備える必要がなく、又、予備のマット状苗を苗掬い板から予備苗載置台に移し変える手間などを省くことができ、結果、予備苗載置台の構成の簡素化や予備苗載置台の製造に要するコストの削減などを図りながら予備苗補給作業の高効率化を図ることができる。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、
前記予備苗載置台を、予備のマット状苗を載置保持する載置姿勢と、予備のマット状苗の前記苗掬い板から前記苗載置部への供給を可能にする供給姿勢とに、左右向きの支軸を支点にした姿勢変更が可能となるように構成してある。
【0010】
第2の発明によると、予備苗載置台を載置姿勢から供給姿勢に姿勢変更することにより、予備苗載置台の各固定部で固定した苗掬い板を予備苗載置台に残した状態で、予備のマット状苗の全てを予備苗載置台から苗載台に一括供給することができる。
【0011】
従って、予備苗補給作業の高効率化を更に図ることができる。
【0012】
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、
前記予備苗載置台に、それぞれの前記苗掬い板から対応する前記苗載置部への予備のマット状苗の供給を許容する状態と阻止する状態とに各別に切り換え可能な複数のストッパを装備してある。
【0013】
第3の発明によると、走行時の振動などに起因した予備のマット状苗の苗掬い板から苗載置部への移動を防止できるようにしながら、供給が必要な所定の苗載置部への予備のマット状苗の供給を選択的に可能にすることができる。
【0014】
これは、予備苗載置台の姿勢変更による予備の全マット状苗の予備苗載置台から苗載台への一括供給を可能にした場合に特に有効であり、この一括供給の際に供給が不要な所定の苗載置部に対する予備のマット状苗の供給のみを選択的に停止することができる。
【0015】
従って、予備苗補給作業の高効率化を図りながらも、作業状況に応じた適切な予備苗補給を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】一括供給型の予備苗載置台を備えた乗用田植機の全体側面図である。
【図2】一括供給型の予備苗載置台を備えた乗用田植機の全体平面図である。
【図3】予備苗載置台の縦断側面図である。
【図4】縦送り機構のローラの構成を示す要部の一部切り欠き背面図である。
【図5】縦送り機構のローラの構成を示す要部の側面図である。
【図6】ローラコンベヤ利用の予備苗載置台を備えた乗用田植機の全体平面図である。
【図7】縦積み型の予備苗載置台を備えた乗用田植機の全体側面図である。
【図8】縦積み型の予備苗載置台を備えた乗用田植機の全体平面図である。
【図9】ロール状苗載置型の予備苗載置台を備えた乗用田植機の全体側面図である。
【図10】ロール状苗載置型の予備苗載置台を備えた乗用田植機の全体平面図である。
【図11】ロール状苗載置型の予備苗載置台の第2載置状態及び格納状態を示す要部の側面図である。
【図12】一括供給型の予備苗載置台と左右開閉型の予備苗載置台とを備えた歩行田植機の全体側面図である。
【図13】一括供給型の予備苗載置台と左右開閉型の予備苗載置台とを備えた歩行田植機の全体平面図である。
【図14】左右開閉型の予備苗載置台の使用形態を示す要部の正面図である。
【図15】一括供給型の予備苗載置台と前後開閉型の予備苗載置台とを備えた歩行田植機の全体側面図である。
【図16】一括供給型の予備苗載置台と前後開閉型の予備苗載置台とを備えた歩行田植機の全体平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔第1実施形態〕
【0018】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明に係る田植機の予備苗載置構造を、田植機の一例である乗用田植機に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1及び図2に示すように、本実施形態で例示する乗用田植機は、4輪駆動型に構成した走行車体1の後部に、単動型の油圧シリンダを採用した昇降シリンダ2の作動で上下揺動する平行四連リンク式のリンク機構3を連結し、このリンク機構3の後端部に6条用の苗植付装置4を連結して構成してある。
【0020】
走行車体1は、その前部に防振搭載したエンジン5からの動力を主変速装置として備えた静油圧式無段変速装置6にベルト伝動し、この静油圧式無段変速装置6による変速後の動力を、トランスミッションケース7の内部において走行用と作業用とに分岐するように構成してある。そして、走行用の動力を、トランスミッションケース7に副変速装置として内蔵したギア式変速装置(図示せず)に伝達し、このギア式変速装置による変速後の動力を前輪駆動用と後輪駆動用とに分岐し、前輪駆動用の動力を左右の前輪8に伝達し、後輪駆動用の動力を左右の後輪9に伝達するように構成してある。又、作業用の動力を、トランスミッションケース7に内蔵した株間変速装置(図示せず)及び植付クラッチ(図示せず)などを介して苗植付装置4に伝達するように構成してある。
【0021】
走行車体1には、車体のフロア面を形成する搭乗ステップ10、前輪操舵用のステアリングホイール11、及び、運転座席12、などを装備して搭乗運転部13を形成してある。搭乗ステップ10には、搭乗運転時に足置き部として使用する搭乗ステップ部10A、エンジン5などを覆うボンネット14の左右両側方の領域を乗降路とした走行車体1に対する車体前方からの乗降を可能にする左右一対の乗降ステップ部10B、及び、苗植付装置4に対する苗補給などの作業を行う際に踏み台として使用可能な高さを有する補助ステップ部10C、などを備えてある。
【0022】
苗植付装置4は、走行車体1からの作業用の動力により、最大6条のマット状苗を載置する苗載台15が横送り機構16の作動で左右方向に一定ストロークで往復移動し、左右方向に一定間隔をあけて並ぶように配備したロータリ式の6つの植付機構17が、苗載台15の下端から植付苗を所定量ずつ取り出して、左右方向に並ぶ3つの整地フロート18で整地した圃場の泥土部に植え付けるように作動し、苗載台15が左右のストローク端に到達するごとにベルト式の縦送り機構19が作動して苗載台15の各苗載置部15Aに載置したマット状苗を苗載台15の下端に向けて所定ピッチで縦送りするように構成してある。
【0023】
苗載台15は、その上下両端にわたる7つの苗仕切壁部15Bを左右方向に一定間隔をあけた状態に整列形成して隣り合う苗仕切壁部15Bの間のそれぞれにマット状苗を載置する苗載置部15Aを区画形成してある。
【0024】
走行車体1の後部には、苗載台15の上部近傍箇所の一例である補助ステップ部10Cの上方で運転座席12と苗載台15との間の位置に、予備のマット状苗を載置する予備苗載置台20を配備してある。
【0025】
図1〜3に示すように、予備苗載置台20は、苗載台15の苗仕切壁部15Bと同数で同幅のチャンネル材などからなる7本の苗仕切部材21、各苗仕切部材21の前端部を下方から受け止める状態で支持するアングル材などからなる左右向きの第1連結部材22、各苗仕切部材21の後端部を下方から受け止める状態で支持するアングル材などからなる左右向きの第2連結部材23、及び、各苗仕切部材21の前後中間部を下方から受け止める状態で支持する平板材などからなる左右向きの第3連結部材24、などを連結することで、隣り合う苗仕切部材21の間のそれぞれに予備のマット状苗を載置する予備苗載置部20Aが区画形成されるように各苗仕切部材21を左右方向に一定間隔(苗載台15の苗仕切壁部15Bと同じ間隔)をあけた状態に整列配置した格子状に構成してある。そして、各予備苗載置部20Aに対して、マット状苗を育苗箱から取り出す際に使用する苗掬い板25を、取り出したマット状苗を載置した状態のままで各連結部材22〜24にわたるように載せることで、予備のマット状苗を各予備苗載置部20Aに載置することができるように構成してある。
【0026】
予備苗載置台20は、各予備苗載置部20Aが対応する苗載置部15Aと前後に並ぶ状態となるように補助ステップ部10Cに立設した左右一対の支持部材26などによって支持してある。
【0027】
第1連結部材22は、その各予備苗載置部20Aとの対応箇所に、苗掬い板25の把持側端部の左右中央に形成した把持用の長孔25Aとの係合で、苗掬い板25を予備苗載置部20Aに固定保持する固定部としてのフック部材27を装備してある。
【0028】
上記の構成から、苗掬い板25で育苗箱から取り出したマット状苗を苗掬い板25に載置した状態で予備苗載置台20まで運び込んだ後、予備苗載置台20の対応するフック部材27を苗掬い板25の長孔25Aに挿通させながら、苗掬い板25を各連結部材22〜24にわたるように載せることにより、苗掬い板25を苗載置面に利用した状態で予備のマット状苗を苗載台15の各苗載置部15Aに対応する位置に安定状態で載置保持することができる。
【0029】
図1〜3に示すように、予備苗載置台20は、その第2連結部材23を左右の支持部材26に左右向きの支軸28を介して相対揺動可能に連結することで、予備のマット状苗を載置保持する水平又は略水平の載置姿勢と、予備のマット状苗の各苗掬い板25から苗載台15の各苗載置部15Aへの供給が可能となるように前上がり傾斜した供給姿勢とに、左右向きの支軸28を支点にした手動による姿勢変更操作が可能となるように構成してある。
【0030】
予備苗載置台20の前部側は、走行車体1の後部フレーム(図示せず)から予備苗載置台20の第3連結部材24にわたるように架設した左右一対のガスダンパ29を介して走行車体1の後部フレームに支持させてあり、手動による予備苗載置台20の載置姿勢から供給姿勢への姿勢変更操作を行う際には、左右のガスダンパ29によるアシストを得られるように構成してある。
【0031】
図示は省略するが、左右のガスダンパ29には、それらの伸縮作動を阻止することで予備苗載置台20を載置姿勢に保持するロック機構を装備してある。尚、ロック機構としては、左右のガスダンパ29に装備する構成に代えて、予備苗載置台20と左右の支持部材26との間で設けるように構成したもの(例えば予備苗載置台20と支持部材26とを連結するピンなどで構成したもの)であってもよく、又、予備苗載置台20の第1連結部材22を支持する前側支持部材を補助ステップ部10Cに立設し、この前側支持部材と第1連結部材22との間で設けるように構成したもの(例えば前側支持部材と第1連結部材22とを連結するピンなどで構成したもの)であってもよい。
【0032】
図1〜3に示すように、予備苗載置台20における各予備苗載置部20Aの後端部には、苗掬い板25から対応する苗載置部15Aへの予備のマット状苗の供給を許容する状態と阻止する状態とに切り換え可能なストッパ30を装備してある。各ストッパ30は、第2連結部材23に左右向きの支軸31を介して相対揺動可能に連結してある。又、左右中央の苗仕切部材21を除く他の苗仕切部材21のそれぞれに前後揺動可能に装備した操作レバー32の対応するものに、その操作レバー32の揺動操作に連動して、苗掬い板25から対応する苗載置部15Aへの予備のマット状苗の供給を許容する状態としての対応する苗載置部15Aにわたる倒伏状態と、苗掬い板25から対応する苗載置部15Aへの予備のマット状苗の供給を阻止する状態としての起立状態とに切り換わるようにリンク機構33を介して連係してある。
【0033】
各操作レバー32は、対応する第2連結部材23に形成した案内溝に沿って前後揺動し、案内溝の前端部に形成した係合部との係合でストッパ30を起立状態に保持し、案内溝の後端部に形成した係合部との係合でストッパ30を倒伏状態に保持するように構成してある。
【0034】
以上の構成から、各操作レバー32を操作してストッパ30を起立状態に保持しておくことにより、走行時の振動などに起因した予備のマット状苗の各苗掬い板25から苗載台15の各苗載置部15Aへの移動を確実に防止することができる。
【0035】
又、各操作レバー32を操作してストッパ30を倒伏状態に保持した状態で、ロック機構を解除操作して予備苗載置台20を載置姿勢から供給姿勢に姿勢変更することにより、各予備苗載置部20Aにフック部材27で固定した苗掬い板25を予備苗載置台20に残した状態で、予備のマット状苗の全てを予備苗載置台20の各予備苗載置部20Aから苗載台15の各苗載置部15Aに一括供給することができる。
【0036】
しかも、供給が必要な苗載置部15Aに対応する操作レバー32を操作することで、供給が必要な苗載置部15Aに対応するストッパ30を選択的に倒伏状態に保持することができ、この状態でロック機構を解除操作して予備苗載置台20を載置姿勢から供給姿勢に姿勢変更することにより、供給が必要な所定の苗載置部15Aのみに予備のマット状苗を一括供給することができる。
【0037】
図1、図2、図4及び図5に示すように、縦送り機構19は、苗載台15の各苗載置部15Aの下部に形成した矩形状の開口15Cに、無端の縦送りベルト34を、開口15Cの下端部に配備した駆動ローラ35と開口15Cの上端部に配備した従動ローラ36とにわたって回し掛けた状態で装備することで構成してある。上下の各ローラ35,36は樹脂製で、縦送り駆動軸37又は従動軸38に嵌合する内筒部35A,36Aと縦送りベルト34を支持する外筒部35B,36Bとの間に、それらに放射状にわたる複数の補強リブ35C,36Cを有するように形成してある。
【0038】
各補強リブ35C,36Cは、各ローラ35,36の左右の内壁35D,36Dから各ローラ35,36の左右の外側端35E,36Eにわたる長さを有するように形成してある。
【0039】
上記の構成により、苗縦送り時に各ローラ35,36が左右に変位して、それらの左右の外側端35E,36Eが各苗載置部15Aにおける開口形成用の左右の側壁部15Dに接触する場合には、外筒部35B,36Bの外側端だけでなく、補強リブ35C,36Cの外側端までもが苗載置部15Aの側壁部15Dに接触することになる。そのため、外筒部35B,36Bの外側端のみが接触する場合に比較して、苗載置部15Aの側壁部15Dに対する面圧を低下させることができて、各ローラ35,36の外側端35E,36Eが接触することによる苗載置部15Aの側壁部15Dでの摩耗を効果的に抑制することができる。その結果、外筒部35B,36Bの外側端のみが接触する場合に生じる虞のあった外筒部35B,36Bの外側端が苗載置部15Aの側壁部15Dに食い込む不都合の発生を効果的に抑制することができる。
【0040】
尚、図1に示すように、この実施形態では、整地フロート18が所定の姿勢で接地する苗植付装置4の作業高さ位置において、予備苗載置台20の姿勢変更による各予備苗載置部20Aから苗載台15の各苗載置部15Aへの予備苗供給が可能となるように、予備苗載置台20の高さ位置を設定してあるが、これに代えて、苗植付装置4を苗補給用の所定の高さ位置まで上昇させた場合に、予備苗載置台20の姿勢変更による各予備苗載置部20Aから苗載台15の各苗載置部15Aへの予備苗供給が可能となるように、予備苗載置台20の高さ位置を設定してもよい。
【0041】
図6〜13に示すように、この乗用田植機は、上記の予備苗載置台20に代えて以下に示す左右一対の予備苗載置台40、50,60を装備することができる。
【0042】
図6に示すように、左右の各予備苗載置台40は、育苗箱又は苗掬い板25に載置した状態の予備のマット状苗などの走行車体1の前端部と後端部とにわたる車体前後方向への移送を容易にする複数の遊転ローラ41Aを備えた第1苗載置部41の後端部に、育苗箱又は苗掬い板25に載置した状態の予備のマット状苗などの車体横方向への移送を容易にする複数の遊転ローラ42Aを備えた第2苗載置部42を連接して左右対称のL字状に形成してあり、ボンネット14の左右両側方に乗降路を確保した状態で走行車体1の左右に分散配備してある。
【0043】
各第1苗載置部41は、育苗箱又は苗掬い板25に載置した状態の3枚のマット状苗を、その長手方向を前後向きにした姿勢で前後方向に並べた状態に載置できる前後長さを有するように構成してある。又、各第2苗載置部42は、育苗箱又は苗掬い板25に載置した状態の3枚のマット状苗を、その長手方向を前後向きにした姿勢で左右方向に並べた状態に載置できる左右長さを有するように構成してある。つまり、左右の各予備苗載置台40は最大12枚のマット状苗を載置できるように構成してある。
【0044】
このような左右一対の予備苗載置台40を装備することにより、畦から田植機へのマット状苗の補給を容易にすることができ、又、予備のマット状苗をより多く載置できることから畦への苗補給回数を減らすことができ、結果、畦から田植機への苗補給に要する労力を軽減することができるとともに作業効率の向上を図ることができる。
【0045】
図7及び図8に示すように、左右の各予備苗載置台50は、走行車体1の後端部に側面視で後車軸39の真上に位置するように立設した支柱51に、育苗箱又は苗掬い板25に載置した状態のマット状苗を載置することが可能な3つの予備苗載置部52を、支柱51から車体内向きに水平に延出する状態で、かつ、上下方向に一定間隔をあけた状態で整列配備して構成してある。
【0046】
このような左右一対の予備苗載置台50を装備することにより、走行車体1の後部に左右それぞれ3枚ずつの予備のマット状苗を上下方向に並べた状態で、走行車体1の前後バランスを低下させることなく配備することができる。
【0047】
図9〜11に示すように、左右の各予備苗載置台60は、搭乗ステップ10の補助ステップ部10Cを予備苗載置台60として利用するものであり、補助ステップ部10Cの左右の前端部に左右向きの第1支軸61を介して相対揺動可能に連結した側面視L字状の苗載置板62、苗載置板62の遊端側に第2支軸63を介して相対揺動可能に連結した脚部64、及び、苗載置板62の起立姿勢での保持を可能にするロック機構(図示せず)などを備えて構成してある。
【0048】
そして、苗載置板62を前方に揺動し、脚部64を苗載置板62から搭乗ステップ10の搭乗ステップ部10Aにわたる起立姿勢に切り換えることで、各予備苗載置台60を、苗載置板62が補助ステップ部10Cの前端部から前方に向けて補助ステップ部10Cのステップ面に沿う載置姿勢で延出する第1載置状態に切り換え保持することができ、このように第1載置状態に切り換え保持することで、苗載置板62の遊端の屈曲部62Aと補助ステップ部10Cに立設した柵フレーム10Dとの間に、マット状苗をロール状に巻いたロール状苗の多数を積み重ねた状態で載置することができる〔図9参照〕。
【0049】
又、苗載置板62を起立姿勢に揺動させてロック機構で保持するとともに、脚部64を苗載置板62の遊端側から苗載置板62に沿って垂下する垂下姿勢に切り換えることで、各予備苗載置台60を第2載置状態に切り換え保持することができ、このように第2載置状態に切り換え保持することで、苗載置板62と補助ステップ部10Cの柵フレーム10Dとの間に複数のロール状苗を積み重ねた状態で載置することができる〔図11の(a)参照〕。
【0050】
更に、苗載置板62を後方に揺動し、脚部64を苗載置板62に沿う倒伏姿勢に切り換えることで、各予備苗載置台60を、補助ステップ部10Cのステップ面上で折り畳んだ格納状態に切り換え保持することができる〔図11の(b)参照〕。
【0051】
尚、左右の各予備苗載置台60としては、側面視L字状の苗載置板62を、補助ステップ部10Cの左右両端部から補助ステップ部10Cのステップ面に沿う姿勢で前方に引き出した載置状態と、補助ステップ部10Cの左右両端部の下方に補助ステップ部10Cのステップ面に沿う姿勢で後方に押し入れた格納状態とに、前後方向にスライド操作可能に構成したものであってもよい。
【0052】
図9及び図10に示すように、補助ステップ部10Cに備えた柵フレーム10Dにおける左右の予備苗載置台60の車体内側箇所には、それぞれ折り畳み式の補助椅子65を配備してある。
【0053】
これにより、例えば左右の予備苗載置台60に載置したロール状苗をマット状に戻して苗載台15の各苗載置部15Aに供給する苗供給作業を行う際には、作業対象の予備苗載置台60に近い側の補助椅子65を使用することで、足腰に負担の掛からない着座状態で上記の苗供給作業を行うことができる。
【0054】
尚、ここでは、予備苗載置台20に代えて左右一対の予備苗載置台40、50,60を装備する構成を例示したが、予備苗載置台20と左右一対の予備苗載置台40、50,60のいずれかとを併用して、より多くの予備のマット状苗を載置できるように構成してもよい。
【0055】
〔第2実施形態〕
【0056】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明に係る田植機の予備苗載置構造を、田植機の一例である歩行田植機に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0057】
図12及び図13に示すように、歩行田植機は、機体フレーム71の前部にリコイルスタータ式のエンジン72を搭載し、そのエンジン72からの走行用の動力で駆動する一対の車輪73を機体フレーム71の左右に配備し、エンジン72からの作業用の動力で駆動する苗植付装置74を機体フレーム71の後部に装備し、その苗植付装置74の後方に操縦部75を備えて構成してある。
【0058】
苗植付装置74は、エンジン1からの作業用の動力により最大4条のマット状苗を載置する苗載台76が横送り機構77の作動で左右方向に一定ストロークで往復移動し、左右方向に一定間隔をあけて並ぶように配備したクランクアーム式の4つの植付機構78が、苗載台76の下端から植付苗を所定量ずつ取り出して、左右方向に並ぶ3つの整地フロート79で整地した圃場の泥土部に植え付けるように作動し、苗載台76が左右の各ストローク端に到達するごとにスターホイール式の縦送り機構80が作動して苗載台76の各苗載置部76Aに載置したマット状苗を苗載台15の下端に向けて所定ピッチで縦送りするように構成してある。
【0059】
苗載台76は、その上下両端にわたる5つの苗仕切壁部76Bを左右方向に一定間隔をあけた状態に整列形成して隣り合う苗仕切壁部76Bの間のそれぞれにマット状苗を載置する苗載置部76Aを区画形成してある。
【0060】
苗載台76の上部近傍箇所の一例である苗載台76の上方には、予備のマット状苗を載置する予備苗載置台81を配備してある。
【0061】
予備苗載置台81は、苗載台76の苗仕切壁部76Bと同数で同幅のチャンネル材などからなる5本の苗仕切部材82、各苗仕切部材82の前端部を下方から受け止める状態で支持するアングル材などからなる左右向きの第1連結部材83、各苗仕切部材82の後端部を下方から受け止める状態で支持する平板材などからなる左右向きの第2連結部材84、及び、各苗仕切部材82の前後中間部を下方から受け止める状態で支持する平板材などからなる左右向きの第3連結部材85、などを連結することで、隣り合う苗仕切部材82の間のそれぞれに予備のマット状苗を載置する予備苗載置部81Aが区画形成されるように各苗仕切部材82を左右方向に一定間隔(苗載台76の苗仕切壁部76Bと同じ間隔)をあけた状態に整列配置した格子状に構成してある。そして、各予備苗載置部81Aに対して、マット状苗を育苗箱から取り出す際に使用する苗掬い板25を、取り出したマット状苗を載置した状態のままで各連結部材83〜85にわたるように載せることで、予備のマット状苗を各予備苗載置部81Aに載置することができるように構成してある。
【0062】
予備苗載置台81は、各予備苗載置部81Aが対応する苗載置部76Aと上下に並ぶ状態となるように苗載台76に立設した左右一対の支持部材86などによって支持してある。
【0063】
第1連結部材83は、その各予備苗載置部81Aとの対応箇所に、苗掬い板25の把持側端部の左右中央に形成した把持用の長孔25Aとの係合で、苗掬い板25を予備苗載置部81Aに固定保持する固定部としてのフック部材27を装備してある。
【0064】
上記の構成から、苗掬い板25で育苗箱から取り出したマット状苗を苗掬い板25に載置した状態で予備苗載置台81まで運び込んだ後、予備苗載置台81の対応するフック部材27を苗掬い板25の長孔25Aに挿通させながら、苗掬い板25を各連結部材83〜85にわたるように載せることにより、苗掬い板25を苗載置面に利用した状態で予備のマット状苗を苗載台76の各苗載置部76Aに対応する位置に安定状態で載置保持することができる。
【0065】
予備苗載置台81は、その第2連結部材84を左右の支持部材86に左右向きの支軸28を介して相対揺動可能に連結することで、予備のマット状苗を載置保持する苗載台76と平行の載置姿勢と、予備のマット状苗の各苗掬い板25から苗載台76の各苗載置部76Aへの供給が可能となるように載置姿勢から前下がり傾斜した供給姿勢とに、左右向きの支軸28を支点にした手動による姿勢変更操作が可能となるように構成してある。
【0066】
予備苗載置台81の前部側は、苗載台76の左右両端と予備苗載置台81の左右両端の苗仕切部材82とにわたるように架設した左右一対の腰折れリンク87を介して苗載台76に支持させてある。
【0067】
左右の各腰折れリンク87は、引っ張りバネ88の作用で予備苗載置台81を載置姿勢に保持する伸長状態に復帰し、リンク同士の係合作用で伸長状態を維持するように構成してある。又、操縦部75に備えた予備苗供給用の第1レバー89に、その第1レバー89の揺動操作に連動して、伸長状態と予備苗載置台81を供給姿勢に保持する屈曲状態とに切り換わるようにレリーズワイヤ90を介して連係してある。
【0068】
第1レバー89は、操縦部75に備えた案内板(図示せず)の案内溝に沿って上下揺動し、案内溝の下端部に形成した係合部との係合で左右の各腰折れリンク87を屈曲状態に維持して予備苗載置台81を供給姿勢に保持するように構成してある。
【0069】
予備苗載置台81の前端部には、予備苗載置台81から苗載台76への予備のマット状苗の供給を許容する状態と阻止する状態とに切り換え可能なストッパ91を装備してある。ストッパ91は、第2連結部材84に左右向きの支軸92を介して相対揺動可能に連結してある。又、操縦部75に備えた予備苗供給用の第2レバー93に、その第2レバー93の揺動操作に連動して、予備苗載置台81から苗載台76への予備のマット状苗の供給を許容する状態としての予備苗載置台81から各苗載置部76Aにわたる倒伏状態と、予備苗載置台81から苗載台76への予備のマット状苗の供給を阻止する状態としての起立状態とに切り換わるようにレリーズワイヤ94を介して連係してある。ストッパ91の遊端には、倒伏状態への切り換え時に苗載台76の各苗仕切壁部76Bの係入を許容するスリット(図示せず)を形成してある。
【0070】
第2レバー93は、操縦部75に備えた案内板(図示せず)の案内溝に沿って上下揺動し、案内溝の下端部に形成した係合部との係合でストッパ91を起立状態に保持するように構成してある。
【0071】
以上の構成から、苗載台76の各苗載置台76Aに苗補給が不要な所定量以上のマット状苗が載置されている場合には、第1レバー93の操作で予備苗載置台81を載置姿勢に保持した状態で、第2レバー93の操作でストッパ91を起立状態に保持しておくことにより、走行時の振動などに起因した予備のマット状苗の各苗掬い板25から苗載台76の各苗載置部76Aへの移動を確実に防止することができる。
【0072】
又、苗載台76の各苗載置台76Aに載置したマット状苗の残量が苗補給を要する所定量以下に低下した場合には、第1レバー93の操作で予備苗載置台81を供給姿勢に切り換えた状態で、第2レバー93の操作でストッパ91を倒伏状態に切り換えることで、各予備苗載置部81Aにフック部材27で固定した苗掬い板25を予備苗載置台81に残した状態で、予備のマット状苗の全てを予備苗載置台81の各予備苗載置部81Aから苗載台76の各苗載置部76Aに一括供給することができる。
【0073】
尚、上記のストッパ91に代えて、第1実施形態で例示した苗掬い板25から対応する苗載置部76Aへの予備のマット状苗の供給を許容する状態と阻止する状態とに格別に切り換え可能なストッパ30を装備し、各ストッパ30に格別に操作連係した複数の第2レバー93を装備して、供給が必要な苗載置部76Aに対応するストッパ30を選択的に倒伏状態に切り換え保持できるように構成してもよい。
【0074】
図12〜14に示すように、機体フレーム71の前後中間部に立設した補助フレーム95には、マット状苗をロール状に巻いたロール状苗の多数を積み重ねた状態で載置することが可能な予備苗載置台96を装備してある。この予備苗載置台96は、補助フレーム95に固定した第1苗載置部96Aと、この第1苗載置部96Aの左右両端部に前後向きの支軸96Bを介して左右方向に相対揺動可能に連結した左右一対の第2苗載置部96Cとで左右開閉型に構成してある。
【0075】
第1苗載置部96A及び左右の各第2苗載置部96Cは、周壁を有する平面視矩形のトレイ状に形成してある。
【0076】
左右の各第2苗載置部96Cは、前後向きの支軸96Bを支点にした揺動操作で、第1苗載置部96Aに対してその上面との間に載置空間を有する状態で折り重なる格納姿勢と、第1苗載置部96Aの左右に張り出す張出姿勢とに切り換わるように構成してある。又、その格納姿勢で上面になる面の左右両端部には、格納姿勢でのロール状苗の積み重ね載置を可能にするための帯板からなる縦壁部材96Dを前後方向に長くなる姿勢で起立装備してある。
【0077】
つまり、作業状況などに応じて格納姿勢と張出姿勢とに切り換え可能でありながら、格納姿勢と張出姿勢のいずれの場合においても多数のロール状苗を積み重ね載置することができる予備苗載置台96を装備してあることで、畦への苗補給回数を減らすことができ、作業効率の向上を図ることができる。特に往復の作業経路が長い圃場での作業に有効である。
【0078】
図15及び図16に示すように、前述した左右揺動式の予備苗載置台96に代えて、前後揺動型の予備苗載置台97を補助フレーム95に装備するように構成してもよい。
【0079】
この予備苗載置台97は、補助フレーム95に固定した第1苗載置部97Aと、この第1苗載置部97Aの前端部に左右向きの支軸97Bを介して前後方向に相対揺動可能に連結した第2苗載置部97Cとで構成してある。
【0080】
第1苗載置部97A及び第2苗載置部97Cは、周壁を有する平面視矩形のトレイ状に形成してある。
【0081】
第2苗載置部97Cは、左右向きの支軸97Bを支点にした揺動操作で、第1苗載置部97Aに対してその上面との間に載置空間を有する状態で折り重なる格納姿勢と、第1苗載置部97Aの前方に張り出す張出姿勢とに切り換わるように構成してある。又、その格納姿勢で上面になる面の前後両端部には、格納姿勢ではロール状苗の積み重ね載置を可能にするための苗受具となり、張出姿勢ではボンネット98に接当する脚部となる高さの異なる補助部材97Dを左右向きに装備してある。
【0082】
つまり、作業状況などに応じて格納姿勢と張出姿勢とに切り換え可能でありながら、格納姿勢と張出姿勢のいずれの場合においても多数のロール状苗を積み重ね載置することができる予備苗載置台97を装備してあることで、畦への苗補給回数を減らすことができ、作業効率の向上を図ることができる。特に往復の作業経路が長い圃場での作業に有効である。又、予備苗載置台97に対するロール状苗の載置位置を調節することで機体の前後バランスを調節することができる利点をも有する。
【0083】
〔別実施形態〕
【0084】
〔1〕予備苗載置台20,81としては、第1〜第3連結部材22〜24,83〜85を各苗仕切部材21,82で連結する構成に代えて、第1〜第3連結部材22〜24,83〜85を前後向きの連結部材で連結するように構成して、予備のマット状苗の間に仕切りを備えないものであってもよい。
【0085】
〔2〕予備苗載置台20,81としては、苗載台15の上部近傍箇所に姿勢変更不能に固定配備したものであってもよい。
【0086】
〔3〕予備苗載置台20,81としては、電動シリンダなどのアクチュエータの作動で載置姿勢と供給姿勢とに姿勢変更可能に構成したものであってもよい。
【0087】
〔4〕乗用田植機に第2実施形態で例示した予備苗載置台81を装備し、歩行田植機に第1実施形態で例示した予備苗載置台20を装備するように構成してもよい。
【0088】
〔5〕予備苗載置台20,81には種々の材料を使用することができ、例えば軽量鋼材、アルミニウム合金材、又は、樹脂材などを使用することができる。
【0089】
〔6〕固定部27としては、苗掬い板25における長孔25Aの左右両端部に係入することで、苗掬い板25を苗載台15,76の苗載置部15B,76Bに対応する位置に固定する左右一対のフック部材27で構成したものであってよい。又、フック部材27に代えて頭付きピンや苗掬い板25の長孔25Aの全域にわたって係合する横長の係合片などで構成したものであってもよい。
【0090】
〔7〕ストッパ20を電動シリンダなどのアクチュエータの作動で起立状態と倒伏状態とに切り換え可能に構成したものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明に係る田植機の予備苗載置構造は、複数の苗仕切壁部を左右方向に一定間隔をあけた状態に整列形成して隣り合う苗仕切壁部の間のそれぞれにマット状苗を載置する苗載置部を区画形成した苗載台の上部近傍箇所に予備のマット状苗を載置する予備苗載置台を配備した乗用田植機や歩行田植機に適用することができる。
【符号の説明】
【0092】
15 苗載台
15A 苗載置部
15B 苗仕切壁部
20 予備苗載置台
27 固定部
28 支軸
30 ストッパ
76 苗載台
76A 苗載置部
76B 苗仕切壁部
81 予備苗載置台
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の苗仕切壁部を左右方向に一定間隔をあけた状態に整列形成して隣り合う前記苗仕切壁部の間のそれぞれにマット状苗を載置する苗載置部を区画形成した苗載台を備え、前記苗載台の上部近傍箇所に予備のマット状苗を載置する予備苗載置台を配備した田植機の予備苗載置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
田植機の一例である乗用田植機では、上記のような田植機の予備苗載置構造として、予備のマット状苗を直に載置することができる複数の予備苗載置部を備えるように予備苗載置台を構成したものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−187120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の構成では、予備苗載置台の各予備苗載置部に、予備のマット状苗を安定状態で載置するための少なくともマット状苗と同じ面積を有する苗載置面を備える必要があることから、予備苗載置台の構成の簡素化などを図る上において改善の余地がある。又、上記の構成では、育苗箱からマット状苗を掬い取る苗掬い板に載置した状態で予備苗載置台まで運び込むことが一般的である予備のマット状苗を苗掬い板から予備苗載置台の予備苗載置部に移し変える手間や、移し変え後の苗掬い板を保管場所などに戻す手間が生じることから、予備苗載置台にマット状苗を補給する予備苗補給作業の高効率化を図る上においても改善の余地がある。
【0005】
本発明の目的は、予備苗載置台の構成の簡素化などを図りながら予備苗補給作業の高効率化を図れるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、複数の苗仕切壁部を左右方向に一定間隔をあけた状態に整列形成して隣り合う前記苗仕切壁部の間のそれぞれにマット状苗を載置する苗載置部を区画形成した苗載台を備え、前記苗載台の上部近傍箇所に予備のマット状苗を載置する予備苗載置台を配備した田植機の予備苗載置構造において、
前記予備苗載置台に、苗掬い板を前記苗載置部のそれぞれに対応する位置に固定する固定部を備えて、前記苗掬い板を介して予備のマット状苗を載置するように構成してある。
【0007】
第1の発明によると、マット状苗を苗掬い板に載置した状態で予備苗載置台まで運び込んだ後、予備苗載置台の各固定部で苗掬い板を固定することにより、苗掬い板を苗載置面に利用した状態で予備のマット状苗を苗載台の各苗載置部に対応する位置に安定状態で載置保持することができる。
【0008】
従って、予備苗載置台に苗載置面を備える必要がなく、又、予備のマット状苗を苗掬い板から予備苗載置台に移し変える手間などを省くことができ、結果、予備苗載置台の構成の簡素化や予備苗載置台の製造に要するコストの削減などを図りながら予備苗補給作業の高効率化を図ることができる。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、
前記予備苗載置台を、予備のマット状苗を載置保持する載置姿勢と、予備のマット状苗の前記苗掬い板から前記苗載置部への供給を可能にする供給姿勢とに、左右向きの支軸を支点にした姿勢変更が可能となるように構成してある。
【0010】
第2の発明によると、予備苗載置台を載置姿勢から供給姿勢に姿勢変更することにより、予備苗載置台の各固定部で固定した苗掬い板を予備苗載置台に残した状態で、予備のマット状苗の全てを予備苗載置台から苗載台に一括供給することができる。
【0011】
従って、予備苗補給作業の高効率化を更に図ることができる。
【0012】
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、
前記予備苗載置台に、それぞれの前記苗掬い板から対応する前記苗載置部への予備のマット状苗の供給を許容する状態と阻止する状態とに各別に切り換え可能な複数のストッパを装備してある。
【0013】
第3の発明によると、走行時の振動などに起因した予備のマット状苗の苗掬い板から苗載置部への移動を防止できるようにしながら、供給が必要な所定の苗載置部への予備のマット状苗の供給を選択的に可能にすることができる。
【0014】
これは、予備苗載置台の姿勢変更による予備の全マット状苗の予備苗載置台から苗載台への一括供給を可能にした場合に特に有効であり、この一括供給の際に供給が不要な所定の苗載置部に対する予備のマット状苗の供給のみを選択的に停止することができる。
【0015】
従って、予備苗補給作業の高効率化を図りながらも、作業状況に応じた適切な予備苗補給を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】一括供給型の予備苗載置台を備えた乗用田植機の全体側面図である。
【図2】一括供給型の予備苗載置台を備えた乗用田植機の全体平面図である。
【図3】予備苗載置台の縦断側面図である。
【図4】縦送り機構のローラの構成を示す要部の一部切り欠き背面図である。
【図5】縦送り機構のローラの構成を示す要部の側面図である。
【図6】ローラコンベヤ利用の予備苗載置台を備えた乗用田植機の全体平面図である。
【図7】縦積み型の予備苗載置台を備えた乗用田植機の全体側面図である。
【図8】縦積み型の予備苗載置台を備えた乗用田植機の全体平面図である。
【図9】ロール状苗載置型の予備苗載置台を備えた乗用田植機の全体側面図である。
【図10】ロール状苗載置型の予備苗載置台を備えた乗用田植機の全体平面図である。
【図11】ロール状苗載置型の予備苗載置台の第2載置状態及び格納状態を示す要部の側面図である。
【図12】一括供給型の予備苗載置台と左右開閉型の予備苗載置台とを備えた歩行田植機の全体側面図である。
【図13】一括供給型の予備苗載置台と左右開閉型の予備苗載置台とを備えた歩行田植機の全体平面図である。
【図14】左右開閉型の予備苗載置台の使用形態を示す要部の正面図である。
【図15】一括供給型の予備苗載置台と前後開閉型の予備苗載置台とを備えた歩行田植機の全体側面図である。
【図16】一括供給型の予備苗載置台と前後開閉型の予備苗載置台とを備えた歩行田植機の全体平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔第1実施形態〕
【0018】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明に係る田植機の予備苗載置構造を、田植機の一例である乗用田植機に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1及び図2に示すように、本実施形態で例示する乗用田植機は、4輪駆動型に構成した走行車体1の後部に、単動型の油圧シリンダを採用した昇降シリンダ2の作動で上下揺動する平行四連リンク式のリンク機構3を連結し、このリンク機構3の後端部に6条用の苗植付装置4を連結して構成してある。
【0020】
走行車体1は、その前部に防振搭載したエンジン5からの動力を主変速装置として備えた静油圧式無段変速装置6にベルト伝動し、この静油圧式無段変速装置6による変速後の動力を、トランスミッションケース7の内部において走行用と作業用とに分岐するように構成してある。そして、走行用の動力を、トランスミッションケース7に副変速装置として内蔵したギア式変速装置(図示せず)に伝達し、このギア式変速装置による変速後の動力を前輪駆動用と後輪駆動用とに分岐し、前輪駆動用の動力を左右の前輪8に伝達し、後輪駆動用の動力を左右の後輪9に伝達するように構成してある。又、作業用の動力を、トランスミッションケース7に内蔵した株間変速装置(図示せず)及び植付クラッチ(図示せず)などを介して苗植付装置4に伝達するように構成してある。
【0021】
走行車体1には、車体のフロア面を形成する搭乗ステップ10、前輪操舵用のステアリングホイール11、及び、運転座席12、などを装備して搭乗運転部13を形成してある。搭乗ステップ10には、搭乗運転時に足置き部として使用する搭乗ステップ部10A、エンジン5などを覆うボンネット14の左右両側方の領域を乗降路とした走行車体1に対する車体前方からの乗降を可能にする左右一対の乗降ステップ部10B、及び、苗植付装置4に対する苗補給などの作業を行う際に踏み台として使用可能な高さを有する補助ステップ部10C、などを備えてある。
【0022】
苗植付装置4は、走行車体1からの作業用の動力により、最大6条のマット状苗を載置する苗載台15が横送り機構16の作動で左右方向に一定ストロークで往復移動し、左右方向に一定間隔をあけて並ぶように配備したロータリ式の6つの植付機構17が、苗載台15の下端から植付苗を所定量ずつ取り出して、左右方向に並ぶ3つの整地フロート18で整地した圃場の泥土部に植え付けるように作動し、苗載台15が左右のストローク端に到達するごとにベルト式の縦送り機構19が作動して苗載台15の各苗載置部15Aに載置したマット状苗を苗載台15の下端に向けて所定ピッチで縦送りするように構成してある。
【0023】
苗載台15は、その上下両端にわたる7つの苗仕切壁部15Bを左右方向に一定間隔をあけた状態に整列形成して隣り合う苗仕切壁部15Bの間のそれぞれにマット状苗を載置する苗載置部15Aを区画形成してある。
【0024】
走行車体1の後部には、苗載台15の上部近傍箇所の一例である補助ステップ部10Cの上方で運転座席12と苗載台15との間の位置に、予備のマット状苗を載置する予備苗載置台20を配備してある。
【0025】
図1〜3に示すように、予備苗載置台20は、苗載台15の苗仕切壁部15Bと同数で同幅のチャンネル材などからなる7本の苗仕切部材21、各苗仕切部材21の前端部を下方から受け止める状態で支持するアングル材などからなる左右向きの第1連結部材22、各苗仕切部材21の後端部を下方から受け止める状態で支持するアングル材などからなる左右向きの第2連結部材23、及び、各苗仕切部材21の前後中間部を下方から受け止める状態で支持する平板材などからなる左右向きの第3連結部材24、などを連結することで、隣り合う苗仕切部材21の間のそれぞれに予備のマット状苗を載置する予備苗載置部20Aが区画形成されるように各苗仕切部材21を左右方向に一定間隔(苗載台15の苗仕切壁部15Bと同じ間隔)をあけた状態に整列配置した格子状に構成してある。そして、各予備苗載置部20Aに対して、マット状苗を育苗箱から取り出す際に使用する苗掬い板25を、取り出したマット状苗を載置した状態のままで各連結部材22〜24にわたるように載せることで、予備のマット状苗を各予備苗載置部20Aに載置することができるように構成してある。
【0026】
予備苗載置台20は、各予備苗載置部20Aが対応する苗載置部15Aと前後に並ぶ状態となるように補助ステップ部10Cに立設した左右一対の支持部材26などによって支持してある。
【0027】
第1連結部材22は、その各予備苗載置部20Aとの対応箇所に、苗掬い板25の把持側端部の左右中央に形成した把持用の長孔25Aとの係合で、苗掬い板25を予備苗載置部20Aに固定保持する固定部としてのフック部材27を装備してある。
【0028】
上記の構成から、苗掬い板25で育苗箱から取り出したマット状苗を苗掬い板25に載置した状態で予備苗載置台20まで運び込んだ後、予備苗載置台20の対応するフック部材27を苗掬い板25の長孔25Aに挿通させながら、苗掬い板25を各連結部材22〜24にわたるように載せることにより、苗掬い板25を苗載置面に利用した状態で予備のマット状苗を苗載台15の各苗載置部15Aに対応する位置に安定状態で載置保持することができる。
【0029】
図1〜3に示すように、予備苗載置台20は、その第2連結部材23を左右の支持部材26に左右向きの支軸28を介して相対揺動可能に連結することで、予備のマット状苗を載置保持する水平又は略水平の載置姿勢と、予備のマット状苗の各苗掬い板25から苗載台15の各苗載置部15Aへの供給が可能となるように前上がり傾斜した供給姿勢とに、左右向きの支軸28を支点にした手動による姿勢変更操作が可能となるように構成してある。
【0030】
予備苗載置台20の前部側は、走行車体1の後部フレーム(図示せず)から予備苗載置台20の第3連結部材24にわたるように架設した左右一対のガスダンパ29を介して走行車体1の後部フレームに支持させてあり、手動による予備苗載置台20の載置姿勢から供給姿勢への姿勢変更操作を行う際には、左右のガスダンパ29によるアシストを得られるように構成してある。
【0031】
図示は省略するが、左右のガスダンパ29には、それらの伸縮作動を阻止することで予備苗載置台20を載置姿勢に保持するロック機構を装備してある。尚、ロック機構としては、左右のガスダンパ29に装備する構成に代えて、予備苗載置台20と左右の支持部材26との間で設けるように構成したもの(例えば予備苗載置台20と支持部材26とを連結するピンなどで構成したもの)であってもよく、又、予備苗載置台20の第1連結部材22を支持する前側支持部材を補助ステップ部10Cに立設し、この前側支持部材と第1連結部材22との間で設けるように構成したもの(例えば前側支持部材と第1連結部材22とを連結するピンなどで構成したもの)であってもよい。
【0032】
図1〜3に示すように、予備苗載置台20における各予備苗載置部20Aの後端部には、苗掬い板25から対応する苗載置部15Aへの予備のマット状苗の供給を許容する状態と阻止する状態とに切り換え可能なストッパ30を装備してある。各ストッパ30は、第2連結部材23に左右向きの支軸31を介して相対揺動可能に連結してある。又、左右中央の苗仕切部材21を除く他の苗仕切部材21のそれぞれに前後揺動可能に装備した操作レバー32の対応するものに、その操作レバー32の揺動操作に連動して、苗掬い板25から対応する苗載置部15Aへの予備のマット状苗の供給を許容する状態としての対応する苗載置部15Aにわたる倒伏状態と、苗掬い板25から対応する苗載置部15Aへの予備のマット状苗の供給を阻止する状態としての起立状態とに切り換わるようにリンク機構33を介して連係してある。
【0033】
各操作レバー32は、対応する第2連結部材23に形成した案内溝に沿って前後揺動し、案内溝の前端部に形成した係合部との係合でストッパ30を起立状態に保持し、案内溝の後端部に形成した係合部との係合でストッパ30を倒伏状態に保持するように構成してある。
【0034】
以上の構成から、各操作レバー32を操作してストッパ30を起立状態に保持しておくことにより、走行時の振動などに起因した予備のマット状苗の各苗掬い板25から苗載台15の各苗載置部15Aへの移動を確実に防止することができる。
【0035】
又、各操作レバー32を操作してストッパ30を倒伏状態に保持した状態で、ロック機構を解除操作して予備苗載置台20を載置姿勢から供給姿勢に姿勢変更することにより、各予備苗載置部20Aにフック部材27で固定した苗掬い板25を予備苗載置台20に残した状態で、予備のマット状苗の全てを予備苗載置台20の各予備苗載置部20Aから苗載台15の各苗載置部15Aに一括供給することができる。
【0036】
しかも、供給が必要な苗載置部15Aに対応する操作レバー32を操作することで、供給が必要な苗載置部15Aに対応するストッパ30を選択的に倒伏状態に保持することができ、この状態でロック機構を解除操作して予備苗載置台20を載置姿勢から供給姿勢に姿勢変更することにより、供給が必要な所定の苗載置部15Aのみに予備のマット状苗を一括供給することができる。
【0037】
図1、図2、図4及び図5に示すように、縦送り機構19は、苗載台15の各苗載置部15Aの下部に形成した矩形状の開口15Cに、無端の縦送りベルト34を、開口15Cの下端部に配備した駆動ローラ35と開口15Cの上端部に配備した従動ローラ36とにわたって回し掛けた状態で装備することで構成してある。上下の各ローラ35,36は樹脂製で、縦送り駆動軸37又は従動軸38に嵌合する内筒部35A,36Aと縦送りベルト34を支持する外筒部35B,36Bとの間に、それらに放射状にわたる複数の補強リブ35C,36Cを有するように形成してある。
【0038】
各補強リブ35C,36Cは、各ローラ35,36の左右の内壁35D,36Dから各ローラ35,36の左右の外側端35E,36Eにわたる長さを有するように形成してある。
【0039】
上記の構成により、苗縦送り時に各ローラ35,36が左右に変位して、それらの左右の外側端35E,36Eが各苗載置部15Aにおける開口形成用の左右の側壁部15Dに接触する場合には、外筒部35B,36Bの外側端だけでなく、補強リブ35C,36Cの外側端までもが苗載置部15Aの側壁部15Dに接触することになる。そのため、外筒部35B,36Bの外側端のみが接触する場合に比較して、苗載置部15Aの側壁部15Dに対する面圧を低下させることができて、各ローラ35,36の外側端35E,36Eが接触することによる苗載置部15Aの側壁部15Dでの摩耗を効果的に抑制することができる。その結果、外筒部35B,36Bの外側端のみが接触する場合に生じる虞のあった外筒部35B,36Bの外側端が苗載置部15Aの側壁部15Dに食い込む不都合の発生を効果的に抑制することができる。
【0040】
尚、図1に示すように、この実施形態では、整地フロート18が所定の姿勢で接地する苗植付装置4の作業高さ位置において、予備苗載置台20の姿勢変更による各予備苗載置部20Aから苗載台15の各苗載置部15Aへの予備苗供給が可能となるように、予備苗載置台20の高さ位置を設定してあるが、これに代えて、苗植付装置4を苗補給用の所定の高さ位置まで上昇させた場合に、予備苗載置台20の姿勢変更による各予備苗載置部20Aから苗載台15の各苗載置部15Aへの予備苗供給が可能となるように、予備苗載置台20の高さ位置を設定してもよい。
【0041】
図6〜13に示すように、この乗用田植機は、上記の予備苗載置台20に代えて以下に示す左右一対の予備苗載置台40、50,60を装備することができる。
【0042】
図6に示すように、左右の各予備苗載置台40は、育苗箱又は苗掬い板25に載置した状態の予備のマット状苗などの走行車体1の前端部と後端部とにわたる車体前後方向への移送を容易にする複数の遊転ローラ41Aを備えた第1苗載置部41の後端部に、育苗箱又は苗掬い板25に載置した状態の予備のマット状苗などの車体横方向への移送を容易にする複数の遊転ローラ42Aを備えた第2苗載置部42を連接して左右対称のL字状に形成してあり、ボンネット14の左右両側方に乗降路を確保した状態で走行車体1の左右に分散配備してある。
【0043】
各第1苗載置部41は、育苗箱又は苗掬い板25に載置した状態の3枚のマット状苗を、その長手方向を前後向きにした姿勢で前後方向に並べた状態に載置できる前後長さを有するように構成してある。又、各第2苗載置部42は、育苗箱又は苗掬い板25に載置した状態の3枚のマット状苗を、その長手方向を前後向きにした姿勢で左右方向に並べた状態に載置できる左右長さを有するように構成してある。つまり、左右の各予備苗載置台40は最大12枚のマット状苗を載置できるように構成してある。
【0044】
このような左右一対の予備苗載置台40を装備することにより、畦から田植機へのマット状苗の補給を容易にすることができ、又、予備のマット状苗をより多く載置できることから畦への苗補給回数を減らすことができ、結果、畦から田植機への苗補給に要する労力を軽減することができるとともに作業効率の向上を図ることができる。
【0045】
図7及び図8に示すように、左右の各予備苗載置台50は、走行車体1の後端部に側面視で後車軸39の真上に位置するように立設した支柱51に、育苗箱又は苗掬い板25に載置した状態のマット状苗を載置することが可能な3つの予備苗載置部52を、支柱51から車体内向きに水平に延出する状態で、かつ、上下方向に一定間隔をあけた状態で整列配備して構成してある。
【0046】
このような左右一対の予備苗載置台50を装備することにより、走行車体1の後部に左右それぞれ3枚ずつの予備のマット状苗を上下方向に並べた状態で、走行車体1の前後バランスを低下させることなく配備することができる。
【0047】
図9〜11に示すように、左右の各予備苗載置台60は、搭乗ステップ10の補助ステップ部10Cを予備苗載置台60として利用するものであり、補助ステップ部10Cの左右の前端部に左右向きの第1支軸61を介して相対揺動可能に連結した側面視L字状の苗載置板62、苗載置板62の遊端側に第2支軸63を介して相対揺動可能に連結した脚部64、及び、苗載置板62の起立姿勢での保持を可能にするロック機構(図示せず)などを備えて構成してある。
【0048】
そして、苗載置板62を前方に揺動し、脚部64を苗載置板62から搭乗ステップ10の搭乗ステップ部10Aにわたる起立姿勢に切り換えることで、各予備苗載置台60を、苗載置板62が補助ステップ部10Cの前端部から前方に向けて補助ステップ部10Cのステップ面に沿う載置姿勢で延出する第1載置状態に切り換え保持することができ、このように第1載置状態に切り換え保持することで、苗載置板62の遊端の屈曲部62Aと補助ステップ部10Cに立設した柵フレーム10Dとの間に、マット状苗をロール状に巻いたロール状苗の多数を積み重ねた状態で載置することができる〔図9参照〕。
【0049】
又、苗載置板62を起立姿勢に揺動させてロック機構で保持するとともに、脚部64を苗載置板62の遊端側から苗載置板62に沿って垂下する垂下姿勢に切り換えることで、各予備苗載置台60を第2載置状態に切り換え保持することができ、このように第2載置状態に切り換え保持することで、苗載置板62と補助ステップ部10Cの柵フレーム10Dとの間に複数のロール状苗を積み重ねた状態で載置することができる〔図11の(a)参照〕。
【0050】
更に、苗載置板62を後方に揺動し、脚部64を苗載置板62に沿う倒伏姿勢に切り換えることで、各予備苗載置台60を、補助ステップ部10Cのステップ面上で折り畳んだ格納状態に切り換え保持することができる〔図11の(b)参照〕。
【0051】
尚、左右の各予備苗載置台60としては、側面視L字状の苗載置板62を、補助ステップ部10Cの左右両端部から補助ステップ部10Cのステップ面に沿う姿勢で前方に引き出した載置状態と、補助ステップ部10Cの左右両端部の下方に補助ステップ部10Cのステップ面に沿う姿勢で後方に押し入れた格納状態とに、前後方向にスライド操作可能に構成したものであってもよい。
【0052】
図9及び図10に示すように、補助ステップ部10Cに備えた柵フレーム10Dにおける左右の予備苗載置台60の車体内側箇所には、それぞれ折り畳み式の補助椅子65を配備してある。
【0053】
これにより、例えば左右の予備苗載置台60に載置したロール状苗をマット状に戻して苗載台15の各苗載置部15Aに供給する苗供給作業を行う際には、作業対象の予備苗載置台60に近い側の補助椅子65を使用することで、足腰に負担の掛からない着座状態で上記の苗供給作業を行うことができる。
【0054】
尚、ここでは、予備苗載置台20に代えて左右一対の予備苗載置台40、50,60を装備する構成を例示したが、予備苗載置台20と左右一対の予備苗載置台40、50,60のいずれかとを併用して、より多くの予備のマット状苗を載置できるように構成してもよい。
【0055】
〔第2実施形態〕
【0056】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明に係る田植機の予備苗載置構造を、田植機の一例である歩行田植機に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0057】
図12及び図13に示すように、歩行田植機は、機体フレーム71の前部にリコイルスタータ式のエンジン72を搭載し、そのエンジン72からの走行用の動力で駆動する一対の車輪73を機体フレーム71の左右に配備し、エンジン72からの作業用の動力で駆動する苗植付装置74を機体フレーム71の後部に装備し、その苗植付装置74の後方に操縦部75を備えて構成してある。
【0058】
苗植付装置74は、エンジン1からの作業用の動力により最大4条のマット状苗を載置する苗載台76が横送り機構77の作動で左右方向に一定ストロークで往復移動し、左右方向に一定間隔をあけて並ぶように配備したクランクアーム式の4つの植付機構78が、苗載台76の下端から植付苗を所定量ずつ取り出して、左右方向に並ぶ3つの整地フロート79で整地した圃場の泥土部に植え付けるように作動し、苗載台76が左右の各ストローク端に到達するごとにスターホイール式の縦送り機構80が作動して苗載台76の各苗載置部76Aに載置したマット状苗を苗載台15の下端に向けて所定ピッチで縦送りするように構成してある。
【0059】
苗載台76は、その上下両端にわたる5つの苗仕切壁部76Bを左右方向に一定間隔をあけた状態に整列形成して隣り合う苗仕切壁部76Bの間のそれぞれにマット状苗を載置する苗載置部76Aを区画形成してある。
【0060】
苗載台76の上部近傍箇所の一例である苗載台76の上方には、予備のマット状苗を載置する予備苗載置台81を配備してある。
【0061】
予備苗載置台81は、苗載台76の苗仕切壁部76Bと同数で同幅のチャンネル材などからなる5本の苗仕切部材82、各苗仕切部材82の前端部を下方から受け止める状態で支持するアングル材などからなる左右向きの第1連結部材83、各苗仕切部材82の後端部を下方から受け止める状態で支持する平板材などからなる左右向きの第2連結部材84、及び、各苗仕切部材82の前後中間部を下方から受け止める状態で支持する平板材などからなる左右向きの第3連結部材85、などを連結することで、隣り合う苗仕切部材82の間のそれぞれに予備のマット状苗を載置する予備苗載置部81Aが区画形成されるように各苗仕切部材82を左右方向に一定間隔(苗載台76の苗仕切壁部76Bと同じ間隔)をあけた状態に整列配置した格子状に構成してある。そして、各予備苗載置部81Aに対して、マット状苗を育苗箱から取り出す際に使用する苗掬い板25を、取り出したマット状苗を載置した状態のままで各連結部材83〜85にわたるように載せることで、予備のマット状苗を各予備苗載置部81Aに載置することができるように構成してある。
【0062】
予備苗載置台81は、各予備苗載置部81Aが対応する苗載置部76Aと上下に並ぶ状態となるように苗載台76に立設した左右一対の支持部材86などによって支持してある。
【0063】
第1連結部材83は、その各予備苗載置部81Aとの対応箇所に、苗掬い板25の把持側端部の左右中央に形成した把持用の長孔25Aとの係合で、苗掬い板25を予備苗載置部81Aに固定保持する固定部としてのフック部材27を装備してある。
【0064】
上記の構成から、苗掬い板25で育苗箱から取り出したマット状苗を苗掬い板25に載置した状態で予備苗載置台81まで運び込んだ後、予備苗載置台81の対応するフック部材27を苗掬い板25の長孔25Aに挿通させながら、苗掬い板25を各連結部材83〜85にわたるように載せることにより、苗掬い板25を苗載置面に利用した状態で予備のマット状苗を苗載台76の各苗載置部76Aに対応する位置に安定状態で載置保持することができる。
【0065】
予備苗載置台81は、その第2連結部材84を左右の支持部材86に左右向きの支軸28を介して相対揺動可能に連結することで、予備のマット状苗を載置保持する苗載台76と平行の載置姿勢と、予備のマット状苗の各苗掬い板25から苗載台76の各苗載置部76Aへの供給が可能となるように載置姿勢から前下がり傾斜した供給姿勢とに、左右向きの支軸28を支点にした手動による姿勢変更操作が可能となるように構成してある。
【0066】
予備苗載置台81の前部側は、苗載台76の左右両端と予備苗載置台81の左右両端の苗仕切部材82とにわたるように架設した左右一対の腰折れリンク87を介して苗載台76に支持させてある。
【0067】
左右の各腰折れリンク87は、引っ張りバネ88の作用で予備苗載置台81を載置姿勢に保持する伸長状態に復帰し、リンク同士の係合作用で伸長状態を維持するように構成してある。又、操縦部75に備えた予備苗供給用の第1レバー89に、その第1レバー89の揺動操作に連動して、伸長状態と予備苗載置台81を供給姿勢に保持する屈曲状態とに切り換わるようにレリーズワイヤ90を介して連係してある。
【0068】
第1レバー89は、操縦部75に備えた案内板(図示せず)の案内溝に沿って上下揺動し、案内溝の下端部に形成した係合部との係合で左右の各腰折れリンク87を屈曲状態に維持して予備苗載置台81を供給姿勢に保持するように構成してある。
【0069】
予備苗載置台81の前端部には、予備苗載置台81から苗載台76への予備のマット状苗の供給を許容する状態と阻止する状態とに切り換え可能なストッパ91を装備してある。ストッパ91は、第2連結部材84に左右向きの支軸92を介して相対揺動可能に連結してある。又、操縦部75に備えた予備苗供給用の第2レバー93に、その第2レバー93の揺動操作に連動して、予備苗載置台81から苗載台76への予備のマット状苗の供給を許容する状態としての予備苗載置台81から各苗載置部76Aにわたる倒伏状態と、予備苗載置台81から苗載台76への予備のマット状苗の供給を阻止する状態としての起立状態とに切り換わるようにレリーズワイヤ94を介して連係してある。ストッパ91の遊端には、倒伏状態への切り換え時に苗載台76の各苗仕切壁部76Bの係入を許容するスリット(図示せず)を形成してある。
【0070】
第2レバー93は、操縦部75に備えた案内板(図示せず)の案内溝に沿って上下揺動し、案内溝の下端部に形成した係合部との係合でストッパ91を起立状態に保持するように構成してある。
【0071】
以上の構成から、苗載台76の各苗載置台76Aに苗補給が不要な所定量以上のマット状苗が載置されている場合には、第1レバー93の操作で予備苗載置台81を載置姿勢に保持した状態で、第2レバー93の操作でストッパ91を起立状態に保持しておくことにより、走行時の振動などに起因した予備のマット状苗の各苗掬い板25から苗載台76の各苗載置部76Aへの移動を確実に防止することができる。
【0072】
又、苗載台76の各苗載置台76Aに載置したマット状苗の残量が苗補給を要する所定量以下に低下した場合には、第1レバー93の操作で予備苗載置台81を供給姿勢に切り換えた状態で、第2レバー93の操作でストッパ91を倒伏状態に切り換えることで、各予備苗載置部81Aにフック部材27で固定した苗掬い板25を予備苗載置台81に残した状態で、予備のマット状苗の全てを予備苗載置台81の各予備苗載置部81Aから苗載台76の各苗載置部76Aに一括供給することができる。
【0073】
尚、上記のストッパ91に代えて、第1実施形態で例示した苗掬い板25から対応する苗載置部76Aへの予備のマット状苗の供給を許容する状態と阻止する状態とに格別に切り換え可能なストッパ30を装備し、各ストッパ30に格別に操作連係した複数の第2レバー93を装備して、供給が必要な苗載置部76Aに対応するストッパ30を選択的に倒伏状態に切り換え保持できるように構成してもよい。
【0074】
図12〜14に示すように、機体フレーム71の前後中間部に立設した補助フレーム95には、マット状苗をロール状に巻いたロール状苗の多数を積み重ねた状態で載置することが可能な予備苗載置台96を装備してある。この予備苗載置台96は、補助フレーム95に固定した第1苗載置部96Aと、この第1苗載置部96Aの左右両端部に前後向きの支軸96Bを介して左右方向に相対揺動可能に連結した左右一対の第2苗載置部96Cとで左右開閉型に構成してある。
【0075】
第1苗載置部96A及び左右の各第2苗載置部96Cは、周壁を有する平面視矩形のトレイ状に形成してある。
【0076】
左右の各第2苗載置部96Cは、前後向きの支軸96Bを支点にした揺動操作で、第1苗載置部96Aに対してその上面との間に載置空間を有する状態で折り重なる格納姿勢と、第1苗載置部96Aの左右に張り出す張出姿勢とに切り換わるように構成してある。又、その格納姿勢で上面になる面の左右両端部には、格納姿勢でのロール状苗の積み重ね載置を可能にするための帯板からなる縦壁部材96Dを前後方向に長くなる姿勢で起立装備してある。
【0077】
つまり、作業状況などに応じて格納姿勢と張出姿勢とに切り換え可能でありながら、格納姿勢と張出姿勢のいずれの場合においても多数のロール状苗を積み重ね載置することができる予備苗載置台96を装備してあることで、畦への苗補給回数を減らすことができ、作業効率の向上を図ることができる。特に往復の作業経路が長い圃場での作業に有効である。
【0078】
図15及び図16に示すように、前述した左右揺動式の予備苗載置台96に代えて、前後揺動型の予備苗載置台97を補助フレーム95に装備するように構成してもよい。
【0079】
この予備苗載置台97は、補助フレーム95に固定した第1苗載置部97Aと、この第1苗載置部97Aの前端部に左右向きの支軸97Bを介して前後方向に相対揺動可能に連結した第2苗載置部97Cとで構成してある。
【0080】
第1苗載置部97A及び第2苗載置部97Cは、周壁を有する平面視矩形のトレイ状に形成してある。
【0081】
第2苗載置部97Cは、左右向きの支軸97Bを支点にした揺動操作で、第1苗載置部97Aに対してその上面との間に載置空間を有する状態で折り重なる格納姿勢と、第1苗載置部97Aの前方に張り出す張出姿勢とに切り換わるように構成してある。又、その格納姿勢で上面になる面の前後両端部には、格納姿勢ではロール状苗の積み重ね載置を可能にするための苗受具となり、張出姿勢ではボンネット98に接当する脚部となる高さの異なる補助部材97Dを左右向きに装備してある。
【0082】
つまり、作業状況などに応じて格納姿勢と張出姿勢とに切り換え可能でありながら、格納姿勢と張出姿勢のいずれの場合においても多数のロール状苗を積み重ね載置することができる予備苗載置台97を装備してあることで、畦への苗補給回数を減らすことができ、作業効率の向上を図ることができる。特に往復の作業経路が長い圃場での作業に有効である。又、予備苗載置台97に対するロール状苗の載置位置を調節することで機体の前後バランスを調節することができる利点をも有する。
【0083】
〔別実施形態〕
【0084】
〔1〕予備苗載置台20,81としては、第1〜第3連結部材22〜24,83〜85を各苗仕切部材21,82で連結する構成に代えて、第1〜第3連結部材22〜24,83〜85を前後向きの連結部材で連結するように構成して、予備のマット状苗の間に仕切りを備えないものであってもよい。
【0085】
〔2〕予備苗載置台20,81としては、苗載台15の上部近傍箇所に姿勢変更不能に固定配備したものであってもよい。
【0086】
〔3〕予備苗載置台20,81としては、電動シリンダなどのアクチュエータの作動で載置姿勢と供給姿勢とに姿勢変更可能に構成したものであってもよい。
【0087】
〔4〕乗用田植機に第2実施形態で例示した予備苗載置台81を装備し、歩行田植機に第1実施形態で例示した予備苗載置台20を装備するように構成してもよい。
【0088】
〔5〕予備苗載置台20,81には種々の材料を使用することができ、例えば軽量鋼材、アルミニウム合金材、又は、樹脂材などを使用することができる。
【0089】
〔6〕固定部27としては、苗掬い板25における長孔25Aの左右両端部に係入することで、苗掬い板25を苗載台15,76の苗載置部15B,76Bに対応する位置に固定する左右一対のフック部材27で構成したものであってよい。又、フック部材27に代えて頭付きピンや苗掬い板25の長孔25Aの全域にわたって係合する横長の係合片などで構成したものであってもよい。
【0090】
〔7〕ストッパ20を電動シリンダなどのアクチュエータの作動で起立状態と倒伏状態とに切り換え可能に構成したものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明に係る田植機の予備苗載置構造は、複数の苗仕切壁部を左右方向に一定間隔をあけた状態に整列形成して隣り合う苗仕切壁部の間のそれぞれにマット状苗を載置する苗載置部を区画形成した苗載台の上部近傍箇所に予備のマット状苗を載置する予備苗載置台を配備した乗用田植機や歩行田植機に適用することができる。
【符号の説明】
【0092】
15 苗載台
15A 苗載置部
15B 苗仕切壁部
20 予備苗載置台
27 固定部
28 支軸
30 ストッパ
76 苗載台
76A 苗載置部
76B 苗仕切壁部
81 予備苗載置台
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の苗仕切壁部を左右方向に一定間隔をあけた状態に整列形成して隣り合う前記苗仕切壁部の間のそれぞれにマット状苗を載置する苗載置部を区画形成した苗載台を備え、前記苗載台の上部近傍箇所に予備のマット状苗を載置する予備苗載置台を配備した田植機の予備苗載置構造において、
前記予備苗載置台に、苗掬い板を前記苗載置部のそれぞれに対応する位置に固定する固定部を備えて、前記苗掬い板を介して予備のマット状苗を載置するように構成してある田植機の予備苗載置構造。
【請求項2】
前記予備苗載置台を、予備のマット状苗を載置保持する載置姿勢と、予備のマット状苗の前記苗掬い板から前記苗載置部への供給を可能にする供給姿勢とに、左右向きの支軸を支点にした姿勢変更が可能となるように構成してある請求項1に記載の田植機の予備苗載置構造。
【請求項3】
前記予備苗載置台に、それぞれの前記苗掬い板から対応する前記苗載置部への予備のマット状苗の供給を許容する状態と阻止する状態とに各別に切り換え可能な複数のストッパを装備してある請求項1又は2に記載の田植機の予備苗載置構造。
【請求項1】
複数の苗仕切壁部を左右方向に一定間隔をあけた状態に整列形成して隣り合う前記苗仕切壁部の間のそれぞれにマット状苗を載置する苗載置部を区画形成した苗載台を備え、前記苗載台の上部近傍箇所に予備のマット状苗を載置する予備苗載置台を配備した田植機の予備苗載置構造において、
前記予備苗載置台に、苗掬い板を前記苗載置部のそれぞれに対応する位置に固定する固定部を備えて、前記苗掬い板を介して予備のマット状苗を載置するように構成してある田植機の予備苗載置構造。
【請求項2】
前記予備苗載置台を、予備のマット状苗を載置保持する載置姿勢と、予備のマット状苗の前記苗掬い板から前記苗載置部への供給を可能にする供給姿勢とに、左右向きの支軸を支点にした姿勢変更が可能となるように構成してある請求項1に記載の田植機の予備苗載置構造。
【請求項3】
前記予備苗載置台に、それぞれの前記苗掬い板から対応する前記苗載置部への予備のマット状苗の供給を許容する状態と阻止する状態とに各別に切り換え可能な複数のストッパを装備してある請求項1又は2に記載の田植機の予備苗載置構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−244911(P2012−244911A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117275(P2011−117275)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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