説明

田植機の補助予備苗台構造

【課題】予備苗台構造の強度をより高めつつ、格納時等においては、全高を低く抑えることができる補助予備苗台構造を提供する。
【解決手段】田植機Aの左側の前支柱201L及び右側の前支柱201Rが正面視門形の前側補助支柱410により連結され、田植機の左側の後支柱202L及び右側の後支柱202Rが正面視門形の後側補助支柱420により連結される。しかも、前側補助支柱410及び後側補助支柱420は、予備苗台50を直接又は間接的に支持可能な補助予備苗台支持フレーム430で連結され、互いに支持される。加えて、前側補助支柱410及び後側補助支柱420は、それぞれ前支柱201及び後支柱202に対して着脱可能とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は田植機に関し、詳しくは、田植機に適用される補助予備苗台構造に関する。
【背景技術】
【0002】
田植機に付設される予備苗台構造として、機体の前後左右に支柱を立設し、前後の支柱にわたって予備苗台及びスペースを交互に挿入させ、左右両側に予備苗台が設けられるように構成したものが公知である。
このような田植機において、より多くの条数に対応したり、作業効率を高めるべく予備苗台の数を増やした際に、予備苗台が支持される前または後支柱の上部同士を正面視門形の補強部材を用いて連結することにより、予備苗台構造の強度を高める構成も公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、このような構成においては、予備苗台構造のさらに上方に補強部材を設けるため、予備苗台をさらに増設すべく予備苗台構造をより高くすると強度が不足する場合がある。
加えて、上記構成においては、格納時等において全高を低くするべく、補強部材を前方に回動させる構成としていることからも、強度を向上させることは困難である。
【特許文献1】特開平11−127631号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、予備苗台構造の強度をより高めつつ、格納時等においては、全高を低く抑えることができる補助予備苗台構造の提供を、一の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明に係る補助予備苗台構造は、予備苗台を直接又は間接的に支持可能な一対の前支柱及び後支柱が機体の左右にそれぞれ設けられている田植機に適用される補助予備苗台構造であって、左側の前支柱及び右側の前支柱を連結する正面視門形の前側補助支柱と、左側の後支柱及び右側の後支柱を連結する正面視門形の後側補助支柱と、前側補助支柱及び後側補助支柱によって支持された補助予備苗台支持フレームであって、予備苗台を直接又は間接的に支持可能な補助予備苗台支持フレームとを備え、前記前側補助支柱及び前記後側補助支柱は、それぞれ、対応する前記支柱に対して着脱可能とされていることを特徴とするものである。
【0006】
上記構成の補助予備苗台構造によれば、田植機の左側の前支柱及び右側の前支柱が正面視門形の前側補助支柱により連結され、田植機の左側の後支柱及び右側の後支柱が正面視門形の後側補助支柱により連結され、互いに支持される。しかも、前側補助支柱及び後側補助支柱は、予備苗台を直接又は間接的に支持可能な補助予備苗台支持フレームで連結支持される。
加えて、前側補助支柱及び後側補助支柱は、それぞれ前支柱及び後支柱に対して着脱可能とされている。
【0007】
このように、左右の支柱を連結する補助支柱を前後に備え、且つ、前後の補助支柱を補助予備苗台支持フレームで連結することにより、左右方向の強度を高めつつ前後方向の強度をも高めることができる。しかも、補助支柱は、田植機の前後の支柱に対して着脱可能とされるため、格納時等において強度の向上を阻害することなく全高を低くすることができる。従って、予備苗台構造の強度をより高めつつ、格納時等においては、全高を低く抑えることができる。
また、補助支柱においても予備苗台を設置することができるため、全高をより低くし、低重心化を図ることもできる。
【0008】
好ましくは、前記補助予備苗台支持フレームは、前記前側補助支柱及び前記後側補助支柱に着脱可能に連結されている。
【0009】
この場合、補助予備苗台支持フレームを前側補助支柱及び後側補助支柱から取り外すことができる。従って、格納時等において補助予備苗台構造をよりコンパクトな状態にすることができる。
【0010】
好ましくは、前記前側補助支柱は、左側の前支柱に連結される前側左補助支柱と、右側の前支柱に連結される前側右補助支柱とを有し、前記前側左補助支柱及び前側右補助支柱が分離可能に連結されることで正面視門形を形成し、前記後側補助支柱は、左側の後支柱に連結される後側左補助支柱と、右側の後支柱に連結される後側右補助支柱とを有し、前記後側左補助支柱及び後側右補助支柱が分離可能に連結されることで正面視門形を形成している。
【0011】
この場合、前側補助支柱は、左側の前支柱に連結される前側左補助支柱と右側の前支柱に連結される前側右補助支柱とが連結されることで正面視門形が形成される。また、後側補助支柱は、左側の後支柱に連結される後側左補助支柱と右側の後支柱に連結される後側右補助支柱とが連結されることで正面視門形が形成される。しかも前側及び後側の左補助支柱と右補助支柱とは、分離することができる。
従って、格納時等において、補助支柱を取り外した際に、左右に分離させることができるため、取り外した補助予備苗台構造をよりコンパクトな状態にすることができる。
【0012】
より好ましくは、前記前側左補助支柱及び前側右補助支柱を連結する前側固定具、又は、前記後側左補助支柱及び後側右補助支柱を連結する後側固定具の少なくとも一方に、バックミラーが固着されている。
【0013】
この場合、バックミラーが前側左補助支柱及び前側右補助支柱を連結する固定具に固着される。あるいは、バックミラーが後側左補助支柱及び後側右補助支柱を連結する固定具に固着される。
従って、バックミラーを田植機に搭乗する作業者の略上方に取り付けることができるため、後方確認の際の後方視野を良好に確保することができるとともに、バックミラーを固定するに際し、別途支柱や固定具を設ける必要がないため、部品点数を少なくすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る田植機の補助予備苗台構造によれば、左右の支柱を連結する補助支柱を前後に備え、且つ、前後の補助支柱を補助予備苗台支持フレームで連結することにより、左右方向の強度を高めつつ前後方向の強度をも高めることができる。しかも、補助支柱は、田植機の前後の支柱に対して着脱可能とされるため、格納時等において強度の向上を阻害することなく全高を低くすることができる。従って、予備苗台構造の強度をより高めつつ、格納時等においては、全高を低く抑えることができる。
また、補助支柱においても予備苗台を設置することができるため、全高をより低くし、低重心化を図ることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施の形態に係る予備苗台構造200が適用された田植機Aの側面図である。
【0016】
まず、図1を参照しつつ、前記田植機Aの全体構成について説明する。
該田植機Aは、作業車本機1と、該作業車本機1の後方に付設される植付装置3と、前記植付装置3の前方に位置するように前記作業車本機1の後部に付設される施肥ユニット100とを備えている。
【0017】
前記作業車本機1は、図1に示すように、機体フレーム5と、該機体フレーム5の前部に載置される駆動源6と、該駆動源6に作動連結された状態で該駆動源6の後方に配設されるミッションケース8と、該ミッションケース8の機体幅方向両側に配設された一対のフロントアクスルケース9と、該一対のフロントアクスルケース9に前車軸10Aを介してそれぞれ支持された一対の水田走行用前輪10と、前記ミッションケース8の後部に連結フレーム11を介して連結されるリヤアクスルケース12と、該リヤアクスルケース12の機体幅方向両側に後車軸13Aを介して支持された一対の水田走行用後輪13とを備えている。
【0018】
さらに、該作業車本機1は、前記駆動源6を覆うボンネット7と、前記ミッションケース8を覆うように前記機体フレーム5上に張設された車体カバー14と、前記車体カバー14上に備えられた運転席21と、前記運転席21の前方で且つ前記ボンネット7の後部に配設された操向ハンドル20と、前記ボンネット7の機体幅方向両側に設けられた前記予備苗台構造200及び収納構造300とを備えている。
【0019】
前記車体カバー14は、前記ボンネット7の機体幅方向両側に配置された補助ステップ15と、前記ボンネット7の後方に配置された主ステップ16とを備えている。前記補助ステップ15及び前記主ステップ16でステップ台30を構成している。
【0020】
前記植付装置3は、植付ケース38と、苗載台33と、該苗載台33に載置された苗マットを下方へ搬送させ得るように該苗載台33に装着された苗送りベルト(図示せず)と、前記植付ケース38に回転可能に支持されたロータリケース31と、該ロータリケース31に支持された爪ケース32であって、植付爪を有する爪ケース32とを備えている。
【0021】
本実施の形態においては、前記植付装置3は、1条分の苗マットを載置可能な1条用苗載台33が機体幅方向に6台並設された6条用とされている。
前記植付ケース38の機体幅方向両側に前記ロータリケース31が一対設けられている。
即ち、本実施の形態においては、前記植付装置3は、2条用の植付ケース38を3台有し、且つ、前記ロータリケース31を6台有している。
【0022】
前記植付装置3は、前記作業車本機1に設けられた植付用PTO軸(図示せず)に作動連結される植付入力軸(図示せず)を有する植付駆動ケース26と、機体幅方向に延びるように前記植付駆動ケース26に連結された横パイプケースであって、前記植付入力軸に作動連結される植付駆動軸が内挿された横パイプケース(図示せず)と、前記横パイプケースに立設された左右一対のサイドフレーム34と、前記左右一対のサイドフレーム34の上部間を連結するように機体幅方向に延びるローリングフレーム(図示せず)とをさらに備えている。
【0023】
さらに、前記植付装置3は、前記植付ケース38の下方に配設されたセンターフロート35及びサイドフロート36を有している。
【0024】
斯かる構成の植付装置3は、前記機体フレーム5と前記植付駆動ケース26との間に介挿された昇降リンク機構2を介して、前記作業車本機1に対して昇降自在に連結されている。
詳しくは、該昇降リンク機構2は、前記機体フレーム5と前記植付駆動ケース26との間に延びる昇降リンク27と、該昇降リンク27と前記連結フレーム11の間に介挿された昇降用油圧シリンダ(図示せず)とを有している。
斯かる構成を備えることにより、前記田植機Aは、前記昇降用油圧シリンダを進退動作させることにより、前記植付装置3は作業車本機1に対して昇降されるようになっている。
【0025】
図2は、予備苗台50を支持した前記予備苗台構造200の全体構成を示す斜視図である。又、図3,図4,図5及び図6は、それぞれ、前記予備苗台構造200を示す分解斜視図,正面図,側面図及び平面図である。
なお、前記予備苗台構造200は、例えば、前記田植機Aの機体幅方向(図中Y方向)一方側Y1(ここでは機体前後方向(図中X方向)前方X1に向かって左側、以下単に左側という)又は機体幅方向Y他方側Y2(ここでは前方X1に向かって右側、以下単に右側という)の少なくとも一方側に設けられ得る。本実施の形態においては、前記予備苗台構造200は、前記田植機Aの左側Y1及び右側Y2の両側に設けられている。
左右の予備苗台構造200は実質的に同じ構成をしており、図3乃至図6では、左側の予備苗台構造200のみを示し、右側の予備苗台構造200は図示を省略している。後述する図7乃至図9についても同様である。
又、前記予備苗台構造200に支持される予備苗台50は、図3においては、図示を省略している。
【0026】
次に、前記予備苗台構造200について詳述する。
前記予備苗台構造200は、図2乃至図6に示すように、機体(ここでは前記機体フレーム5)の左右に立設されるベースフレーム210と、予備苗台50を直接又は間接的に支持可能なユニットフレーム220であって、前記ベースフレーム210に着脱自在に連結可能とされたユニットフレーム220とを備えている。
そして、前記ユニットフレーム220は、図示の例では1段構成としたが、下段に位置する他のユニットフレーム220に対しても着脱自在に連結可能とされている(換言すれば、前記ベースフレーム210に任意の段数の前記ユニットフレーム220を積層可能とされている)。
斯かる構成を備えた予備苗台構造200によれば、予備苗台50を直接又は間接的に支持可能な前記ユニットフレーム220は、前記機体フレーム5に立設される前記ベースフレーム210に着脱自在に連結可能とされるので、該ベースフレーム210を不要に長くしなくてもよい。さらに、前記ユニットフレーム220は、下段に位置する他のユニットフレーム220に対しても着脱自在に連結可能とされているので、前記ユニットフレーム220を任意の段数に増設でき、これにより、必要に応じて予備苗台50の台数を変更することができる。
さらに、前記ベースフレーム210を不要に長くしなくてもよいので、視界を良好に確保できると共に、機体の全高を低くでき、例えば、田植機Aの輸送時や納屋格納時に邪魔になり難い。
【0027】
好ましくは、前記ベースフレーム210は、予備苗台50を直接又は間接的に支持し得るように構成され得る。
斯かる構成を備えた予備苗台構造では、支持される予備苗台50の台数をさらに増やすことができる。
【0028】
さらに説明すると、本実施の形態では、前記予備苗台構造200は、予備苗台50を支持する支持部材230であって、前記ベースフレーム210及び前記ユニットフレーム220に着脱自在に連結される支持部材230を備えている。
前記支持部材230は、前記予備苗台50を略水平状態とさせる使用位置(図2の左側及び図3,図4(a),図5及び図6参照)と前記予備苗台50を略垂直姿勢とさせる格納位置(図2の右側及び図4(b)参照)とをとり得るように、対応する前記ベースフレーム210又は前記ユニットフレーム220に機体前後方向Xに沿った枢支軸P回り揺動可能とされている。
斯かる構成を備えた予備苗台構造200によれば、機体の全幅を小さくでき、例えば、田植機Aの圃場からの移動時やトラック輸送時、納屋格納時等に邪魔になり難い。
【0029】
図7は、前記支持部材230が、前記使用位置と前記格納位置とをとり得るように、対応する前記ベースフレーム210及び前記ユニットフレーム220に機体前後方向Xに沿った枢支軸P回り揺動可能とされる状態を説明する為の正面図であって、図7(a)は、前記支持部材230が前記使用位置に位置している状態を示す図であり、図7(b)は、前記支持部材230が前記格納位置に位置している状態を示す図である。
なお、図7では、機体前後方向X前方側の状態を示しているが、後方側の状態も同様の構成をしており、ここでは図示を省略している。
【0030】
図7に示すように、前記支持部材230は、前記使用位置(図7(a)参照)から前記枢支軸P回りに上方へ揺動されることで前記格納位置(図7(b)参照)をとるように構成されている。又、前記支持部材230は、使用位置側当接部材510及び格納位置側当接部材520とそれぞれ当接することで前記使用位置及び前記格納位置を超えて揺動しないように構成されている。
そして、基端部241が対応する前記ベースフレーム210又は前記ユニットフレーム220に連結され且つ先端部242が前記支持部材230に連結された付勢部材240(ここでは、巻きバネ)が前記支持部材230を前記格納位置側当接部材520に向けて付勢することで該支持部材230が前記格納位置に係止されるように構成されている。
斯かる構成を備えた予備苗台構造200では、前記支持部材230の前記使用位置及び前記格納位置でのオーバーランをそれぞれ防止できると共に、前記支持部材230が前記付勢部材240によって前記格納位置に確実に保持され得る。
【0031】
詳しくは、前記付勢部材240は、前記支持部材230が前記格納位置から前記使用位置へ揺動する間の中間位置に位置する際に付勢力が最大となるように配置されている。
換言すれば、前記付勢部材240は、前記支持部材230が前記使用位置に位置している状態において(図7(a)参照)、前記基端部241の前記ベースフレーム210又は前記ユニットフレーム220との係合点241aと、前記先端部242の前記支持部材230との係合点242aとを結ぶ直線αを基準にして前記枢支軸Pが上方に位置し、且つ、前記支持部材230が前記格納位置に位置している状態において(図7(b)参照)、前記直線αを基準にして前記枢支軸Pが下方に位置するように配置されている。
斯かる構成では、前記支持部材230が該付勢部材240によって前記使用位置に確実に保持され得る。
【0032】
本実施の形態においては、前記ベースフレーム210は、図3に示すように、機体前後方向Xに離間配置されたベース側前支柱211及びベース側後支柱212を有している。
又、前記ユニットフレーム220は、機体の前後に離間された状態で略垂直に立設され且つ前記ベース側前支柱211及び前記ベース側後支柱212に対応したユニット側前支柱221及びユニット側後支柱222を有している。前記ベースフレーム210におけるベース側前支柱211と任意的に備えられるユニットフレーム220におけるユニット側前支柱221とが、前支柱201を形成している。同様に、前記ベースフレーム210におけるベース側後支柱212と任意的に備えられるユニットフレーム220におけるユニット側後支柱222とが、前記後支柱202を形成している。
前記ユニットフレーム220は、さらに、機体の前後に沿うように該ユニット側前支柱221及びユニット側後支柱222の間を連結する複数の横支柱2231,2232を有している。
斯かる構成では、前記横支柱2231,2232によって、前記ユニット側前支柱221及び前記ユニット側後支柱222の強度を向上させることができ、例えば、前記ユニット側前支柱221及び前記ユニット側後支柱222のひずみ、変形を有効に防止することが可能となる。
又、前記ベースフレーム210は、さらに、機体の前後に沿うように前記ベース側前支柱211及び前記ベース側後支柱212の間を連結する複数のベース側横支柱2131,2132を有している。この場合、前記ベース側支持フレーム部材2131,2132によって、前記ベース側前支柱211及び前記ベース側後支柱212の強度を向上させることができ、例えば、前記ベース側前支柱211及び前記ベース側後支柱212のひずみ、変形を有効に防止することが可能となる。
【0033】
さらに具体的に説明すると、前記ベースフレーム210において、前記ベース側前支柱211及び前記ベース側後支柱212は、それぞれ、基端部211a,212aが前記機体フレーム5に連結され、該基端部211a,212aから機体幅方向Y外方に延びると共に、途中で上方へ略直角に延びている。
前記ベース側支持フレーム部材2131,2132は、上下一対のものとされており、上側のベース側支持フレーム部材2131は前記ベース側前支柱211及び前記ベース側後支柱212の先端部211b,212bに架設され、且つ、下側のベース側支持フレーム部材2132は前記ベース側前支柱211及び前記ベース側後支柱212の上下方向中間部に架設されている。
【0034】
又、前記ユニットフレーム220において、前記横支柱2231,2232は、上下一対のものとされており、下側の横支柱2232は前記ユニット側前支柱221及び前記ユニット側後支柱222の下端部221a,222aに架設され、且つ、上側の横支柱2231は前記ユニット側前支柱221及び前記ユニット側後支柱222の上端部221b,222bに架設されて、後述するユニット側支持フレーム部材を構成している。
【0035】
斯かる構成の前記ベースフレーム210及び前記ユニットフレーム220において、前記上下一対のベース側支持フレーム部材2131,2132及び前記上側の横支柱(ユニット側支持フレーム部材)2231は、何れも機体前後方向Xに離間配置された左右一対の取付板250を有している。
【0036】
また、前記ベース側前支柱211及び前記ベース側後支柱212は、何れも棒状のものとされている。前記ユニット側前支柱221及び前記ユニット側後支柱222も、何れも棒状のものとされている。
前記上下一対のベース側支持フレーム部材2131,2132及び前記ユニット側支持フレーム部材2231は、何れも機体前後方向X視L字状の屈曲部材からなっており、機体前後方向Xに延びる一方側のステー部213a,223aが機体幅方向Y内方側に向くように略垂直に配設され、且つ、機体前後方向Xに延びる他方側のステー部213b,223bが上方側を向くように略水平に配設されている。
又、前記左右一対の取付板250は、何れも前記上下一対のベース側支持フレーム部材2131,2132及び前記ユニット側支持フレーム部材2231の内側面に略垂直に固着されている。
【0037】
前記左右一対の取付板250は、図7に示すように、何れも機体前後方向Xに貫通する貫通孔251を有しており、この貫通孔251に前記枢支軸Pが該枢支軸P回り回動自在に挿通されている。そして、該枢支軸Pに前記支持部材230が設けられている。
【0038】
前記上下一対のベース側支持フレーム部材2131,2132及び前記ユニット側支持フレーム部材2231は、何れも前記使用位置側当接部材510及び前記格納位置側当接部材520を兼ねている。
即ち、前記上下一対のベース側支持フレーム部材2131,2132及び前記ユニット側支持フレーム部材2231は、何れも前記他方側のステー部213b,223b下面が前記使用位置側当接部材510として作用し、前記他方側のステー部213b,223b端面が前記格納位置側当接部材520として作用している。
そして、前記支持部材230は、前記使用位置を超えて揺動しないように前記他方側のステー部213b,223b下面510と当接する第1当接部230aと、前記格納位置を超えて揺動しないように前記他方側のステー部213b,223b端面520と当接する第2当接部230bとを有している。
【0039】
又、前記付勢部材240は、前記支持部材230が前記格納位置から前記使用位置へ揺動する間の中間位置に位置する際に付勢力が最大となるように、前記基端部241が前記他方側のステー部213b,223bに係止され且つ前記先端部242が前記支持部材230の機体前後方向Xに延びる延在部233に係止されている。
【0040】
本実施の形態においては、前記ベースフレーム210及び前記ユニットフレーム220は、前記予備苗台50を機体前後方向Xにスライド可能に支持している。
斯かる構成を備えた予備苗台構造では、例えば、苗継ぎ時に前記予備苗台50を畦に近い位置に移動させることができ、これにより、苗継ぎ作業の労力軽減を図ることができる。さらに、支持される上下段の予備苗台50について、図5及び図6に示すように、予備苗を載置する際或いは取り出す際に上段に位置する予備苗台50が邪魔にならないように、該予備苗台50を機体前後方向Xに関し異なる位置に位置させることができる。これにより、予備苗台50に対する予備苗の載置或いは取り出し作業性を向上させることができる。
【0041】
図8は、前記予備苗台構造200を斜め下から視た斜視図である。
図3及び図8に示すように、前記支持部材230は、機体前後方向Xに離間配置された前支持部231及び後支持部232と、該前支持部231及び後支持部232の間を連結する連結支持部233とを有しており、ここでは、前記前支持部231,前記後支持部232及び前記連結支持部233が単一の板状体によって一体形成されている。
【0042】
図5,図6及び図8に示すように、前記予備苗台50は、機体前後方向X前方X1に位置する前方スライド位置と、機体前後方向X後方X2に位置する後方スライド位置とをとり得るように前記支持部材230に支持されている。
詳しくは、前記予備苗台50は、前記支持部材230における前記連結支持部233にスライド自在に支持されるガイド部51と、前記枢支軸Pにスライド自在に支持される基端部52とを有しており、前記基端部52の外側端面52aと、前記取付板250の内側端面250aとが当接することで、前記前方スライド位置及び前記後方スライド位置を超えた移動が規制されるようになっている。
【0043】
前記ユニットフレーム220は、本実施の形態では、予備苗台50を機体幅方向Y外方側において支持し得るように構成されているが、それに限定されるものではなく、図9に示すように、機体幅方向Y外方側及び内方側の双方において支持し得るように構成されていてもよい。
斯かる構成を備えた予備苗台構造では、支持される予備苗台50の台数をそれだけ増やすことができる。例えば、同じ台数の予備苗台50を機体幅方向外方側又は内方側において支持する場合に比べ、前記ユニットフレーム220の段数を少なく(換言すれば、前記ユニットフレーム220全体の高さを低く)することができる。
【0044】
ここで、上記構成の田植機Aに適用される本実施形態の補助予備苗台構造について説明する。図10及び図11は本実施形態の補助予備苗台構造400を適用した田植機Aの全体斜視図及び正面図であり、図12は本実施形態の補助予備苗台構造400部分の拡大背面斜視図である。なお、図10及び図11においては、田植機Aの前半部分のみを示している。
本実施形態の補助予備苗台構造400は、図10及び図11に示すように、左側の前記前支柱201L及び右側の前支柱201R(の上端部同士)を連結する正面視門形の前側補助支柱410と、左側の後支柱202L及び右側の後支柱202R(の上端部同士)を連結する正面視門形の後側補助支柱420と、前側補助支柱410及び後側補助支柱420によって支持された補助予備苗台支持フレーム430であって、予備苗台50を直接又は間接的に支持可能な補助予備苗台支持フレーム430とを備えている。しかも、前記前側補助支柱410及び前記後側補助支柱420は、それぞれ、対応する前記支柱201,202に対して着脱可能とされている。
【0045】
上記構成の補助予備苗台構造400によれば、田植機Aの左側の前支柱201L及び右側の前支柱201Rが正面視門形の前側補助支柱410により連結され、田植機Aの左側の後支柱202L及び右側の後支柱202Rが正面視門形の後側補助支柱420により連結される。しかも、前側補助支柱410及び後側補助支柱420は、予備苗台50を直接又は間接的に支持可能な補助予備苗台支持フレーム430で連結支持される。
加えて、前側補助支柱410及び後側補助支柱420は、それぞれ前支柱201及び後支柱202に対して着脱可能とされている。
【0046】
このように、左右の支柱を連結する補助支柱410,420を前後に備え、且つ、前後の補助支柱410,420を補助予備苗台支持フレーム430で連結することにより、左右方向の強度を高めつつ前後方向の強度をも高めることができる。しかも、補助支柱410,420は、田植機Aの前後の支柱201,202に対して着脱可能とされるため、格納時等において強度の向上を阻害することなく全高を低くすることができる。従って、予備苗台構造200の強度をより高めつつ、格納時等においては、全高を低く抑えることができる。
また、補助支柱410,420においても予備苗台50を設置することができるため、全高をより低くし、低重心化を図ることもできる。
【0047】
本実施形態において、前記補助予備苗台支持フレーム430は、前記前側補助支柱410及び前記後側補助支柱420に着脱可能に連結されている。
【0048】
具体的には、前記補助予備苗台支持フレーム430は、機体の前後方向に沿うように前側補助支柱410及び後側補助支柱420に着脱可能に支持される補助支持フレーム部材431と、前記補助支持フレーム部材431に支持された補助予備苗台支持部材432とを有している。
また、前側補助支柱410には、補助予備苗台支持フレーム430を取り付けるための取付部411が立設時後方に延出され、後側補助支柱420には、補助予備苗台支持フレーム430を取り付けるための取付部421が立設時後方に延出されている。そして、当該取付部411,421のそれぞれに前記補助支持フレーム431の端部が着脱可能に取り付けられている。
ここでは、前記補助支持フレーム431は、前記上下一対のベース側支持フレーム部材2131,2132及び前記ユニット側支持フレーム部材2231と同様に、機体前後方向X視L字状の屈曲部材からなっており、機体前後方向Xに延びる一方側のステー部431aが機体幅方向Y内方側に向くように略垂直に配設され、且つ、機体前後方向Xに延びる他方側のステー部431bが上方側を向くように略水平に配設されており、ステー部431aの面が取付部411,421の外側面に取り付けられる。
補助予備苗台支持フレーム430のその他の構成は、前記上下一対のベース側支持フレーム部材2131,2132及び前記上側の横支柱(ユニット側支持フレーム部材)2231と同様の構成を有している(前記支持部材230が補助予備苗台支持フレーム430における補助予備苗台支持部材432に相当する)。
【0049】
また、図12に示すように、取付部411,421の外側面に補助支持フレーム431を取り付けるだけでなく、取付部411,421の内側面に補助支持フレーム431を取り付ける構成も可能である。予補助予備苗台支持構造400の車輌内側に予備苗台支持フレーム430を設けることにより、載置可能な予備苗台50の数を増加させつつ、予備苗台構造200において車輌内側に予備苗台を支持させるのに比べて、予備苗台構造200の後方に着座する作業者の視界の悪化を防止することができる。
【0050】
このように、補助予備苗台支持フレーム430の補助支持フレーム431を前側補助支柱410の取付部411及び後側補助支柱420の取付部421から取り外すことにより、補助予備苗台支持フレーム430を補助支柱410,420から取り外すことができる。従って、格納時等において補助予備苗台構造400をよりコンパクトな状態にすることができる。
【0051】
本実施形態において、前記前側補助支柱410は、左側の前支柱201Lに連結される前側左補助支柱410Lと、右側の前支柱201Rに連結される前側右補助支柱410Rとを有し、前記前側左補助支柱410L及び前側右補助支柱410Rが分離可能に連結されることで正面視門形を形成し、前記後側補助支柱420は、左側の後支柱202Lに連結される後側左補助支柱420Lと、右側の後支柱202Rに連結される後側右補助支柱420Rとを有し、前記後側左補助支柱420L及び後側右補助支柱420Rが分離可能に連結されることで正面視門形を形成している。
【0052】
この場合、前側補助支柱410は、左側の前支柱201Lに連結される前側左補助支柱410Lと右側の前支柱201Rに連結される前側右補助支柱410Rとが連結されることで正面視門形が形成される。また、後側補助支柱420は、左側の後支柱202Lに連結される後側左補助支柱420Lと右側の後支柱202Rに連結される後側右補助支柱420Rとが連結されることで正面視門形が形成される。しかも前側及び後側の左補助支柱410L,420Lと右補助支柱410R,420Rとは、ボルト等の固定具により固定され、分離することができる。
従って、格納時等において、補助支柱410,420を取り外した際に、左右に分離させることができるため、取り外した補助予備苗台構造400をよりコンパクトな状態にすることができる。
【0053】
本実施形態においては、前記前側補助支柱410及び前記後側補助支柱420は実質的に同一構成を有している。特に、前側左補助支柱410Lと後側右補助支柱420Rとは、前記取付部411,421を含めて同一形状であり、同様に、前側右補助支柱410Rと後側左補助支柱420Lとは、前記取付部411,421を含めて同一形状である。
従って、下記においては前記前側補助支柱410についてのみ説明する。
前記前側左補助支柱410Lは、基端部が左側の前支柱201Lの上端部に連結され且つ先端部が略垂直上方へ延びる垂直部410Lvと、前記垂直部410Lvの先端部から機体幅方向内方へ延びる水平部410Lhとを有している。
同様に、前記前側右補助支柱410Rは、基端部が右側の前支柱201Rの上端部に連結され且つ先端部が略垂直上方へ延びる垂直部410Rvと、前記垂直部410Rvの先端部から機体幅方向内方へ延びる水平部410Rhとを有している。
そして、前記前側左補助支柱410Lにおける前記水平部410Lhの自由端部と前記前側右補助支柱410Rにおける前記水平部410Rhの自由端部とが着脱可能に連結されることで、正面視門形の前記前側連結支柱410が形成されている。
【0054】
ここでは、前側左補助支柱410Lの水平部410Lhの自由端部に、前側右補助支柱410Rの水平部410Rhの自由端部が挿通可能に構成され、前記前側右補助支柱410Rの水平部410Rhの自由端部側にボルト締め用の孔が開口された固定パイプ441が設けられる一方、前側右補助支柱410Rの水平部410Rhの自由端部には、前記ボルト締め用の孔に対応するボルト締め用の孔が開口されており、前記前側右補助支柱410Rの水平部410Rhの自由端部が前記固定パイプ441に挿通された状態でボルト451により両者が固定されている。後側補助支柱420においても同様に、固定具として固定パイプ442及びボルト452が用いられている。
本実施形態において、前記前側左補助支柱410Lにおける前記水平部410Lh及び前記前側右補助支柱410Rにおける前記水平部410Rhは略同一長さとされる。
斯かる構成により、前記前側左及び前側右補助支柱410L,410Rを分解してこれらを収容する際の省スペース化を図ることができる。
【0055】
本実施形態において、前記前側左補助支柱410L及び前側右補助支柱410Rを連結する前側固定具(前記固定パイプ441及びボルト451)、又は、前記後側左補助支柱420L及び後側右補助支柱420Rを連結する後側固定具(前記固定パイプ442及びボルト452)の少なくとも一方に、バックミラー460が固着されている。本実施形態においては、図12に示すように、バックミラー460が、後側固定具であるボルト452を用いて固定パイプ442と共締めされることにより、固着されている。
【0056】
従って、バックミラー460を田植機Aに搭乗する作業者の略上方に取り付けることができるため、後方確認の際の後方視野を良好に確保することができるとともに、バックミラー460を固定するに際し、別途支柱や固定具を設ける必要がないため、部品点数を少なくすることができる。
【0057】
なお、前記補助予備苗台支持フレーム430の補助支持フレーム部材431を取り付ける取付部411は、前記前側左及び前側右補助支柱410L,410Rの垂直部410Lv,410Rvの中間部に前側補助支柱410立設時に後方に延出するように設けられている。
【0058】
また、前記前側左及び前側右補助支柱410L,410Rの垂直部410Lv,410Rvの基端部には、該垂直部410Lv,410Rvの長手方向に沿った第1取付面471及び前記第1取付面471に対して略直交する第2取付面472を有する取付ブラケット470が一体的に固着されている。第1取付面471は、前記水平部410Lh,410Rh延出側に設けられており、第2取付面472は、前記取付部411と同じ方向、すなわち、立設時後方に延出されている。
そして、前記前側左及び前側右補助支柱410L,410Rは、前記第2取付面472を介して前記予備苗台構造200に立設されている。
より具体的には、ユニットフレーム220のユニット側支持フレーム部材(上側の横支柱)2231及びベースフレーム210の上側のベース側支持フレーム部材2131のうち最も上方に位置する支持フレーム部材の水平面(前記他方側のステー部213b,223b)と、前記取付ブラケット470の前記第2取付面472とが対面した状態で、ボルト等の締結部材により両者が固定される。つまり、支持フレーム部材2131,2231の上面には、ボルト受け孔が設けられ、取付ブラケット470の第2取付面472には、前記ボルト受け孔に対応してボルト孔が設けられている。
図12においては、ベースフレーム210の上に2段のユニットフレーム220が載置されているため、上方のユニットフレーム220のユニット側支持フレーム部材2231上に第2取付面472を介して前側左補助支柱410L及び後側左補助支柱420Lが固着される(右側も同様である)。
【0059】
本実施形態においては、ベースフレーム210又はユニットフレーム220上に前記補助支柱410L,410R(420L,420R)を固着した上で、前記第1取付面471とベースフレーム210及びユニットフレーム220における支持フレーム部材2131,2231の一方側のステー部213a,213bとの間が補強フレーム480を介して連結される。
これにより、予備苗台構造200と補助予備苗台構造400との間の固定をより強固にして剛性を高めることができる。
なお、本実施形態においては、さらに、ベースフレーム210及びユニットフレーム220の前記一方側のステー部213a,213b同士の間を連結する補強フレーム481を有している。
【0060】
ここで、本実施形態の田植機Aの梱包時または格納時等における補助予備苗台構造400の収容形態について説明する。図13は本実施形態の補助予備苗台構造400の補助支柱の連結状態を示す斜視図であり、図14は本実施形態の補助予備苗台構造400の補助支柱の田植機Aへの収容状態を示す斜視図である。図14においても図10と同様に田植機Aの前半部分のみを示している。
【0061】
本実施形態の補助予備苗台構造400は、前述の通り、前記前側左補助支柱410L及び後側左補助支柱420L、並びに、前記前側右補助支柱410R及び後側右補助支柱420Rは、補助予備苗台支持フレーム430を着脱可能に支持し得るように構成されており、前記予備苗台構造200から取り外された前記4本の補助支柱410i,420i(i=L,R)は、図13及び図14に示すように、2本毎に、前記垂直部410iv,420ivの前記基端部が互いに反対方向を向き且つ前記水平部410ih,420ihの前記自由端部が互いに同一方向を向くように互いに連結可能とされ、2本毎に連結された前記補助支柱410L,420R(410R,420L)は、一方及び他方における前記垂直部410Lv,420Rv(410Rv,420Lv)の前記基端部がそれぞれ前記左右の予備苗台構造200の一方及び他方において最も上方に位置する前記横支柱(ベース側支持フレーム部材2131またはユニット側支持フレーム部材2231)に載置されることで、前記田植機Aに吊り下げ収容されるものである。
【0062】
上記構成の補助予備苗台構造400を収容する際には、予備苗台構造200から前記4本の補助支柱410i,420iが取り外され、2本毎に互いに連結された状態で収容される。
ここでは、図13に示すように、前記前側左補助支柱410L及び前記後側右補助支柱420Rが互いに連結され、且つ、前記前側右補助支柱410R及び前記後側左補助支柱420Lが互いに連結される。この際、補助支柱410L及び420R(410R及び420L)における垂直部410Lv及び420Rv(410Rv及び420Lv)の基端部が互いに反対方向を向き且つ水平部410Lh及び420Rh(410Rh及び420Lh)の自由端部が互いに同一方向を向くように互いに連結する。
【0063】
前述の通り、前側左及び右補助支柱410iには、補助予備苗台支持フレーム430を取り付けるための取付部411が立設時後方に延出され、後側左及び右補助支柱420iには、補助予備苗台支持フレーム430を取り付けるための取付部421が立設時後方に延出されている。前記2本毎の連結時に、前側左補助支柱410Lと後側右補助支柱420Rとを前記取付部411,421が対向するように配置することにより、垂直部410Lv,420Rvの基端部が互いに反対方向を向き且つ水平部410Lh,420Rhの自由端部が互いに同一方向を向く状態となる。この状態において、対向配置された取付部411,421間が連結される。前側右補助支柱410Rと後側左補助支柱420Lも同様である。
【0064】
本実施形態においては、図13に示すように、補助予備苗台構造400立設時において前記予備苗台構造200と前記補助予備苗台構造400とを連結する前記補強フレーム480を用いて補助支柱410L及び420R(410R及び420L)が2本毎に連結される。この際、補助支柱410L及び420R(410R及び420L)の対向配置された取付部411,421間が前記補強フレーム480により連結されることにより、前記補助支柱410L及び420R(410R及び420L)が連結される。
【0065】
従って、補助予備苗台構造400の立設時に用いた補強フレーム480を吊り下げ収容時に補助支柱410L及び420R(410R及び420L)を連結する連結部材として流用することにより、補強フレーム480を有効利用して部品点数を減らすことができる。
また、補助支柱同士を補強フレーム480を用いて連結すれば、補助支柱410L及び420R(410R及び420L)を自動的に吊り下げ収容状態とすることができ、収容作業の効率を高くすることができる。また、予備苗台支持フレーム430を取り付けるための取付部411,421を補強フレーム480を連結するための連結部に流用することができ、補助支柱410L及び420R(410R及び420L)に別途連結部を設けることがなく補助支柱410L及び420R(410R及び420L)の製造コストの増大を防止することができる。
【0066】
以上のように2本毎に連結された補助支柱410L及び420R(410R及び420L)の垂直部410Lv及び420Rv(410Rv及び420Lv)の基端部のそれぞれを図14に示すように、左右の予備苗台構造200の横支柱であるベース側支持フレーム部材2131またはユニット側支持フレーム部材2231のそれぞれに載置した状態で田植機Aに吊り下げ収容する。
【0067】
より具体的には、前記4本の補助支柱410i,420iの垂直部410iv,420ivの基端部に固着された前記取付ブラケット470の前記第1取付面471を介して前記予備苗台構造200に吊り下げ収容される。この際、前記取付ブラケット470の前記第1取付面471には、前記補助支柱410i,420iの立設時に用いられた支持フレーム部材2131,2231の上面に設けられたボルト受け孔に対応してボルト孔が設けられており、補助支柱410i,420iの立設時に用いたボルトにより、第1取付面471と支持フレーム部材2131,2231とが固定される。
【0068】
この場合、補助支柱410i,420iが当該補助支柱410i,420iの垂直部410iv,420ivの基端部に固着された取付ブラケット470を介して予備苗台構造20に取り付けられる。この際、取付ブラケット470の第1取付面471は、補助支柱410i,420iの垂直部410iv,420ivの長手方向に沿っており、当該第1取付面471を介して予備苗台構造200に取り付けることにより、補助支柱410i,420iの垂直部410iv,420ivが略水平になった状態を保持することができる。また、前述のように、取付ブラケット470の第2取付面472は、第1取付面471に対して略直交しており、当該第2取付面472を介して予備苗台構造200に取り付けることにより、補助支柱410i,420iの垂直部410iv,420ivが垂直となった状態(予備苗台構造200の支柱に沿った状態)を保持することができる。
従って、取付ブラケット470の取付面471,472を選択することにより、収容状態と立設状態(作業状態)とを確実且つ容易に切り替えてその状態を保持させることができる。
【0069】
このように、取り外した補助支柱410i,420iを2本毎に連結し、予備苗台構造300の横支柱である支持フレーム部材2131,2231に、補助支柱410i,420iの垂直部410iv,420ivが水平となるように載置することにより、田植機Aの寸法内に補助予備苗台構造400を収容することができる。
従って、予備苗台構造200の強度を高めつつ、田植機Aにおいて格納状態をよりコンパクトにすることができる。
【0070】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1は、本実施の形態に係る予備苗台構造が適用された田植機Aの側面図である。
【図2】図2は、予備苗台を支持した予備苗台構造の全体構成を示す斜視図である。
【図3】図3は、予備苗台構造を示す分解斜視図である。
【図4】図4は、予備苗台構造を示す正面図であって、図4(a)は、支持部材が使用位置に位置している状態を示す図であり、図4(b)は、支持部材が格納位置に位置している状態を示す図である。
【図5】図5は、予備苗台構造を示す側面図である。
【図6】図6は、予備苗台構造を示す平面図である。
【図7】図7は、支持部材が、使用位置と格納位置とをとり得るように、対応するベースフレーム及びユニットフレームに機体前後方向に沿った枢支軸回り揺動可能とされる状態を説明する為の正面図であって、図7(a)は、支持部材が使用位置に位置している状態を示す図であり、図7(b)は、支持部材が格納位置に位置している状態を示す図である。
【図8】図8は、予備苗台構造を斜め下から視た斜視図である。
【図9】図9は、ユニットフレームが予備苗台を機体幅方向外方側及び内方側の双方において支持し得るように構成されている状態を示す斜視図である。
【図10】図10は本実施形態の補助予備苗台構造を適用した田植機の全体斜視図である。
【図11】図11は本実施形態の補助予備苗台構造を適用した田植機の全体正面図である。
【図12】図12は本実施形態の補助予備苗台構造部分の拡大背面斜視図である。
【図13】図13は本実施形態の補助予備苗台構造の補助支柱の連結状態を示す斜視図である。
【図14】図14は本実施形態の補助予備苗台構造の補助支柱の田植機への収容状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0072】
5…機体
50…予備苗台
200…予備苗台構造
201…前支柱
201L…左側の前支柱
201R…右側の前支柱
202…後支柱
202L…左側の後支柱
202R…右側の後支柱
210…ベースフレーム
220…ユニットフレーム
400…補助予備苗大構造
410…前側補助支柱
410L…前側左補助支柱
410R…前側右補助支柱
420…後側補助支柱
420L…後側左補助支柱
420R…後側右補助支柱
410Lv,410Rv,420Lv,420Rv…垂直部
410Lh,410Rh,420Lh,420Rh…水平部
430…補助予備苗台支持フレーム
441,442…固定パイプ(前側及び後側固定具)
460…バックミラー
470…取付ブラケット
471…第1取付面
472…第2取付面
480…補強フレーム
A…田植機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予備苗台を直接又は間接的に支持可能な一対の前支柱及び後支柱が機体の左右にそれぞれ設けられている田植機に適用される補助予備苗台構造であって、
左側の前支柱及び右側の前支柱を連結する正面視門形の前側補助支柱と、左側の後支柱及び右側の後支柱を連結する正面視門形の後側補助支柱と、前側補助支柱及び後側補助支柱によって支持された補助予備苗台支持フレームであって、予備苗台を直接又は間接的に支持可能な補助予備苗台支持フレームとを備え、
前記前側補助支柱及び前記後側補助支柱は、それぞれ、対応する前記支柱に対して着脱可能とされていることを特徴とする補助予備苗台構造。
【請求項2】
前記補助予備苗台支持フレームは、前記前側補助支柱及び前記後側補助支柱に着脱可能に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の補助予備苗台構造。
【請求項3】
前記前側補助支柱は、左側の前支柱に連結される前側左補助支柱と、右側の前支柱に連結される前側右補助支柱とを有し、前記前側左補助支柱及び前側右補助支柱が分離可能に連結されることで正面視門形を形成し、
前記後側補助支柱は、左側の後支柱に連結される後側左補助支柱と、右側の後支柱に連結される後側右補助支柱とを有し、前記後側左補助支柱及び後側右補助支柱が分離可能に連結されることで正面視門形を形成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の補助予備苗台構造。
【請求項4】
前記前側左補助支柱及び前側右補助支柱を連結する前側固定具、又は、前記後側左補助支柱及び後側右補助支柱を連結する後側固定具の少なくとも一方に、バックミラーが固着されていることを特徴とする請求項3に記載の補助予備苗台構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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