説明

画像再生装置

【課題】操作性のより優れたユーザインターフェースを提供する。
【解決手段】カメラ100は、外部から与えられた動きに対応する信号を出力可能なセンサ114と、外部から動きが与えられる都度、カメラ100の動作設定を、所定の選択順位に従って配列される複数の選択候補の中から、現状で選択されている動作設定の次の選択順位に位置するものを新たな動作設定として選択し、切り替えることが可能なコントローラ300とを有する。コントローラ300は、センサ114から出力される信号に基づき、カメラ100に対して所定の方向に沿う動きが与えられたことが検出され、与えられた動きの大きさが第1の条件に合致すると判定されるときには、所定の選択順位に従って新たな動作設定を選択し、与えられた動きの大きさが第1の条件と異なる第2の条件に合致すると判定されるときには所定の選択順位とは逆の選択順位に従って新たな動作設定を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体を揺動させる、叩くといった振動を与えることにより動作を制御することが可能なユーザインターフェースを有する機器に関し、外部から動きが与えられる都度、機器の動作に関わる設定である動作設定を予め用意される複数の選択候補の中から所定の選択順序に従って順次変化させることの可能な機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザがカメラを軽く振る、あるいは叩くといった動作を行うことによってカメラの操作を可能とすることにより、ダイヤルやスイッチ等の操作部材の数を減らす上で有効である。また、操作部材を用いることなく操作を可能とすることは、ユーザへ新たな操作方法を提供することが可能となり、操作性を向上させることも期待できる。特許文献1には、カメラに加える振動の方向を変えることにより異なる操作をすることが可能な技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−125184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、カメラの右方向に振動が加えられたことを検出すると次のコマに移動し、左方向に振動が加えられたことを検出すると前のコマに移動するようにして再生表示される画像を切り替える技術が開示されている。
【0005】
カメラのユーザが再生表示される画像を切り替える際、たとえば図12(a)に示されるように、画像表示用のモニタが手前に向く(ユーザと正対する)ようにして左手でカメラを保持し、右手でカメラの向かって右側の側面に振動を加えることにより、カウントアップ表示切り替えがなされるものとする。ここでカウントアップ表示切り替えとは、より以前に撮影された(より古い)画像からより最近に撮影された(より新しい)画像に切り替えることを意味する。
【0006】
さらに新しい画像に表示を切り替える(カウントアップ表示切り替えを継続して行う)場合、ユーザは引き続き右手でカメラの向かって右側の側面に振動を加えることを続ける。
【0007】
ここで、上述したカウントアップ表示切り替えをした後、現在表示されている画像よりも古い画像に表示を戻す必要を生じた場合を考える。その場合、ユーザは図12(b)に示されるように、画像表示用のモニタを手前に向けた状態でカメラを右手に持ち替えて、左手でカメラの向かって左側の側面に振動を加える必要がある。
【0008】
上記のように、表示の切り替え方向を変えるたびにカメラを持ち替えるのは、操作を煩雑なものとする可能性がある。本発明は上記の問題に鑑みなされたもので、操作性のより優れたユーザインターフェースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様は、外部から与えられた動きに対応する信号を出力可能なセンサを有する機器が、
外部から動きが与えられる都度、前記機器の動作に関わる設定である動作設定を、所定の選択順位に従って配列される複数の選択候補の中から、現状で選択されている動作設定の次の選択順位に位置するものを新たな動作設定として選択し、切り替えることが可能な制御部を有し、
前記制御部は、前記センサから出力される信号に基づき、前記機器に対して所定の方向に沿う動きが与えられたことが検出され、与えられた動きの大きさが第1の条件に合致すると判定されるときには、前記所定の選択順位に従って前記新たな動作設定を選択し、前記与えられた動きの大きさが前記第1の条件と異なる第2の条件に合致すると判定されるときには前記所定の選択順位とは逆の選択順位に従って前記新たな動作設定を選択することが可能に構成されることにより上述した課題を解決する。
【0010】
本発明の第2の態様は、外部から与えられた動きに対応する信号を出力可能なセンサを有する機器が、
外部から動きが与えられる都度、前記機器の動作に関わる設定である動作設定を、所定の選択順位に従って配列される複数の選択候補の中から、現状で選択されている動作設定の次の選択順位に位置するものを新たな動作設定として選択し、切り替えることが可能な制御部を有し、
前記制御部は、前記センサから出力される信号に基づき、前記機器に対して所定の方向に沿う動きが与えられたことが検出され、与えられた動きのパターンが第1の条件に合致すると判定されるときには前記所定の選択順位に従って前記新たな動作設定を選択し、前記与えられた動きのパターンが前記第1の条件と異なる第2の条件に合致すると判定されるときには前記所定の選択順位とは逆の選択順位に従って前記新たな動作設定をすることが可能に構成される。
【0011】
本発明の第3の態様は、外部から与えられた動きに対応する信号を出力可能なセンサを有する機器が、
外部から動きが与えられる都度、前記機器の動作に関わる設定である動作設定を、ユーザによって正逆切り替え可能な選択順位に従って配列される複数の選択候補の中から、現状で選択されている動作設定の次の選択順位に位置するものを新たな動作設定として選択して切り替えることが可能な制御部を有し、
前記制御部は、前記センサから出力される信号に基づき、前記機器に対して所定の方向に沿う動きが与えられたことが検出され、与えられた動きの大きさが第1の条件に合致すると判定されるときには前記ユーザによって正逆切り替え可能な選択順位に従って前記動作設定を選択し、前記与えられた動きの大きさが前記第1の条件と異なる第2の条件に合致すると判定されるときには前記ユーザによって正逆切り替え可能な選択順位を現状の選択順位とは逆の選択順位に切り替えることが可能に構成される。
【0012】
本発明の第4の態様は、外部から与えられた動きに対応する信号を出力可能なセンサを有する機器が、
外部から動きが与えられる都度、前記機器の動作に関わる設定である動作設定を、ユーザによって正逆切り替え可能な選択順位に従って配列される複数の選択候補の中から、現状で選択されている動作設定の次の選択順位に位置するものを新たな動作設定として選択して切り替えることが可能な制御部を有し、
前記制御部は、前記センサから出力される信号に基づき、前記機器に対して所定の方向に沿う動きが与えられたことが検出され、与えられた動きのパターンが第1の条件に合致すると判定されるときには前記ユーザによって正逆切り替え可能な選択順位に従って前記動作設定を選択し、前記与えられた動きのパターンが前記第1の条件と異なる第2の条件に合致すると判定されるときには前記ユーザによって正逆切り替え可能な選択順位を現状の選択順位とは逆の選択順位に切り替えることが可能に構成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、機器に対して外部から与える動きが同じ方向に沿うものであっても、与える動きの大きさあるいは動きのパターンを変えることにより異なる動作設定をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明が適用されるデジタルカメラの正面側外観を示す斜視図である。
【図2】同じく、デジタルカメラの背面側外観を示す斜視図である。
【図3】デジタルカメラ内部の概略的構成を示すブロック図である。
【図4A】本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカメラ内のシステムコントローラにより実行される処理を説明する概略フローチャートである。
【図4B】図4Aのフローチャートで示される処理に続く処理を説明する概略フローチャートである。
【図5A】本発明の第2の実施の形態に係るデジタルカメラ内のシステムコントローラにより実行される処理を説明する概略フローチャートである。
【図5B】図5Aのフローチャートで示される処理に続く処理を説明する概略フローチャートである。
【図6A】本発明の第3の実施の形態に係るデジタルカメラ内のシステムコントローラにより実行される処理を説明する概略フローチャートである。
【図6B】図6Aのフローチャートで示される処理に続く処理を説明する概略フローチャートである。
【図7A】本発明の第4の実施の形態に係るデジタルカメラ内のシステムコントローラにより実行される処理を説明する概略フローチャートである。
【図7B】図7Aのフローチャートで示される処理に続く処理を説明する概略フローチャートである。
【図8】ユーザによりデジタルカメラに加振操作が行われた際に、加速度センサから出力される信号を計測し、蓄積して得られるログデータを概念的に示す図であり、デジタルカメラに与えられる動きの大きさが異なる二つの例を示す図である。
【図9】ユーザによりデジタルカメラに加振操作が行われた際に、加速度センサから出力される信号を計測し、蓄積して得られるログデータを概念的に示す図であり、デジタルカメラに与えられる動きのパターンが異なる二つの例を示す図である。
【図10】本発明の第1および第2の実施の形態に係るデジタルカメラで再生表示画像が切り替えられる際の様子を説明する図であり、(a)は初期状態を、(b)は1つ新しい画像に表示が切り替えられたときの様子を、(c)は1つ古い画像に表示が切り替えられたときの様子を説明する図である。
【図11】本発明の第3および第4の実施の形態に係るデジタルカメラで再生表示画像が切り替えられる際の様子を説明する図であり、(a)は初期状態を、(b)は1つ新しい画像に表示が切り替えられたときの様子を、(c)は再生画像の表示切り替え方向が逆の方向に切り替えられたときの様子を、(d)は1つ古い画像に表示が切り替えられたときの様子を説明する図である。
【図12】従来の技術に係るデジタルカメラに対して振動を加える操作によって表示画像が切り替えられる様子を説明する図であり、(a)は向かって右側の側面に振動を加える操作をする様子を、(b)は向かって左側の側面に振動を加える操作をする様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
−第1の実施の形態−
以下では本発明をデジタルカメラに適用する例について説明する。図1、図2は、本発明が適用されるデジタルカメラ100の概略的構成を示す外観斜視図である。図1はデジタルカメラ100の正面側(撮影時に被写体に向けられる側)から見た様子を示す。図2は、デジタルカメラ100の背面側(撮影時にデジタルカメラ100のユーザと向き合う側)から見た様子を示す。以下、デジタルカメラ100のユーザを単に「ユーザ」と称する。本発明の実施の形態において、デジタルカメラ100で生成される画像が横長のアスペクト比、例えば4:3のアスペクト比を有するものとする。
【0016】
以下では、デジタルカメラ100が略直方体の形状を有し、ユーザがデジタルカメラ100を横位置に(撮影して得られる画像が横長となり、水平線と画像の長辺とが略平行となるように)構えた状態を前提として、デジタルカメラ100の各面を以下のように定義する。すなわち、デジタルカメラ100の、被写体と向き合う面を前面、ユーザと向き合う面を背面、ユーザから見て向かって右側にある側面を右面、向かって左側にある側面を左面、鉛直方向の上側に向いている面を上面、鉛直方向の下側に向いている面を底面と称する。
【0017】
また、図1、図2に示されるように、鉛直方向に平行な方向にY軸をとり、水平面内でユーザにとっての左右方向に平行な方向にX軸を、水平面内でユーザにとっての前後方向に平行な方向にZ軸をとる。これらX、Y、Zの3軸が交わる位置(原点O)における座標値を(0,0,0)とする。そしてX座標値が増す方向を+X方向、減少する方向を−X方向と称する。また、X軸周りの回転方向をθx方向と称する。このとき、X軸周りのどちらの方向に回転するのかを特定する必要がある場合には、原点から見て時計回りの方向を+θx方向、反時計回りの方向を−θx方向と称する。+Y方向、−Y方向、θy方向、+θy方向、−θy方向、+Z方向、−Z方向、θz方向、+θz方向、−θz方向についてもX軸およびX軸回りに関して上記のように説明したのと同様に定義する。つまり、デジタルカメラ100にとって、ピッチ回転の軸がX軸と平行に、ヨー回転の軸がY軸と平行に、ロール回転の軸がZ軸と平行に延在している。
【0018】
以上の定義について具体的に説明すると、デジタルカメラ100を横位置で構えるユーザから見て、デジタルカメラ100に向かって左から向かって右に向かう方向が+X方向、鉛直方向の下から上に向かう方向が+Y方向、ユーザから被写体に向かう方向が+Z方向となる。また、横位置で構えられるデジタルカメラ100にとって、θx方向の回転がピッチングに、θy方向の回転がヨーイングに、θz方向の回転がローリングに相当する。
【0019】
デジタルカメラ100は、撮影レンズ102と、閃光発光装置104と、パワースイッチ106と、レリーズスイッチ108と、加速度センサ114と、再生スイッチ120と、メニュースイッチ122と、加振操作許可スイッチ124と、ズーム指示スイッチ126および128と、十字キースイッチ130と、表示装置132とを有する。
【0020】
撮影レンズ102は、画像記録モード時に鏡胴ユニットがデジタルカメラ100の本体から突出しない構成を有する例が図1には示されているが、画像記録モード時に鏡銅ユニットが本体から突出する構成を有するものであってもよい。閃光発光装置104は、撮影時、必要に応じて発光して被写体に光を照射するためのものであり、高圧放電回路とキセノン管とを有して構成されるものであっても良いし、高輝度LED等の発光部を有して構成されるものであってもよい。
【0021】
ここで、デジタルカメラ100が有する上述した要素のうち、各種スイッチ類について先に説明する。以下に説明する各種のスイッチは、ユーザによる操作を受付可能に構成される。
【0022】
パワースイッチ106は、デジタルカメラ100の起動およびシャットダウンを指示するためのスイッチである。レリーズスイッチ108は、撮影動作の開始指示をするためのスイッチである。ズーム指示スイッチ126および128は、デジタルカメラ100が画像記録モードに設定されているときに撮影レンズ102の変倍動作を指示するためのスイッチである。
【0023】
再生スイッチ120は、画像記録モードにあるデジタルカメラ100を再生モードへ切り替える動作、或いは再生モードにあるデジタルカメラ100を画像記録モードへ切り替える動作を指示するためのスイッチである。メニュースイッチ122は、画像記録モード、或いは再生モードにおけるデジタルカメラ100の各種設定の変更指示をするためのメニュー画面を呼び出す指示をするためのスイッチである。メニュースイッチ122はまた、表示装置132にメニュー画面を表示するのを中止する指示をする際にも用いられる。
【0024】
加振操作許可スイッチ124は、後で詳述するが、ユーザによってデジタルカメラ100に与えられる振動をデジタルカメラ100が検知し、検知された振動の種類に応じてデジタルカメラ100が動作するのを可能とするモードに入るのを許可するスイッチである。
【0025】
十字キースイッチ130は、メニュースイッチ122が操作されてメニュー画面が表示装置132に表示されているときにユーザが操作して、デジタルカメラ100の各種設定の変更指示をするためのスイッチである。十字キースイッチ130はまた、デジタルカメラ100が画像記録モードに設定されているときに、ユーザによる閃光発光装置104の発光モード(発光禁止、自動発光、強制発光など)の切り替えや、遠景撮影モード、マクロ撮影モード、セルフタイマ撮影モード等の設定変更指示を受け付けるためのスイッチとしても用いられる。
【0026】
加速度センサ114は、デジタルカメラ100に対して加わる振動を検出可能に構成される。加速度センサ114としては、MEMES(micro electro mechanical systems)を用いたものがすでに実用化されている。本発明の実施の形態において、加速度センサ114は先に説明した±X方向、±Y方向、および±Z方向の加速度を検出可能に構成されるものとする。
【0027】
すなわち、加速度センサ114は、並進方向に3自由度の感度を有するものとする。無論、加速度センサ114が±θx方向、±θy方向、±θz方向の回転方向にも3自由度の感度を有するものであってもよい。あるいは、加速度センサ114は、1自由度の感度、例えば±X方向のみの感度を有するものであってもよい。
【0028】
加速度センサ114から出力される信号を解析することにより、ユーザがデジタルカメラ100を軽く叩く(以下、軽く叩くことを「タップ」と称する)、振るといった操作(これらの、ユーザがデジタルカメラ100に対して外部から動きを与える操作を総称して「加振操作」と称する)をしたことを検出可能となる。
【0029】
図3は、デジタルカメラ100の内部構成を概略的に示すブロック図である。デジタルカメラ100は、システムコントローラ300と、絞り装置140を内蔵する撮影レンズ102と、変倍機構142と、絞り駆動部144と、撮像素子335と、撮像素子インターフェース回路336と、メモリカードインターフェース338と、SDRAM342と、フラッシュメモリ344と、電源回路322と、ディスプレイドライバ326と、表示装置132と、操作スイッチ332と、加速度センサ114とを有する。操作スイッチ332は、図1、図2を参照して説明した各種のスイッチを総称したものである。
【0030】
デジタルカメラ100にはバッテリー324が装着され、電源回路322を介してデジタルカメラ100内の各部に電力が供給される。デジタルカメラ100にはまた、メモリカードインターフェース338を介してメモリカード340が接続される。
【0031】
本実施の形態において、撮影レンズ102は焦点距離可変のズームレンズであるものとする。変倍機構142は、システムコントローラ300からの制御信号に基づいて、撮影レンズ102内の複数のレンズ素子を撮影レンズ102の光軸方向に沿って移動させ、撮影レンズ102の焦点距離を変化させる。
【0032】
絞り駆動部144は、システムコントローラ300からの制御信号に基づいて、絞り装置140の開口径を変化させる。
【0033】
撮像素子335は、CCD、或いはC−MOS等で構成され、撮影レンズ102によって形成される被写体像を光電変換して画像信号を生成する。撮像素子インターフェース回路336は、撮像素子335を駆動し、撮像素子335から画像信号を読み出してシステムコントローラ300に出力する。
【0034】
システムコントローラ300は、撮像素子インターフェース回路336から出力される画像信号にγ補正、色変換、デモザイキング等の処理をし、画像圧縮処理をして、メモリカードインターフェース338を介してメモリカード340に画像データを記録する。システムコントローラ300はまた、デジタルカメラ100が撮影準備状態(デジタルカメラ100が画像記録モードに設定されていてユーザがデジタルカメラ100を被写体に向けている状態)にあるときに撮像素子インターフェース回路336から入力した表示用の画像データを毎秒30フレーム、或いは毎秒60フレームなどといったフレームレートで処理し、スルー画像データをディスプレイドライバ326に出力する。
【0035】
ディスプレイドライバ326は、システムコントローラ300から出力される画像データに基づく画像を表示装置132に表示する処理を行う。このとき表示装置132に表示される動画像はスルー画像、或いはライブビュー画像と称される。
【0036】
システムコントローラ300は、デジタルカメラ100が画像再生モードに設定されているときに、メモリカードインターフェース338を介してメモリカード340から画像データを読み出し、表示用画像データを生成してディスプレイドライバ326に出力する。ディスプレイドライバ326は、システムコントローラ300から出力された表示用画像データに基づく画像(再生画像)を表示装置132に表示する。
【0037】
SDRAM342は、システムコントローラ300が上述した処理をする際の作業領域として用いられる。フラッシュメモリ344に記録される制御プログラム346は、DRAM342上に読み出され、システムコントローラ300によって実行される。これにより、システムコントローラ300はデジタルカメラ100の動作を統括的に制御する。
【0038】
電源回路322は、DC/DCコンバータを含んでおり、システムコントローラ300や、電力の供給を必要とする他の機能ブロックに対して電力を分配(供給)する。このとき電源回路322は、電力を供給する対象、すなわちシステムコントローラ300やその他の機能ブロックのそれぞれで必要とされる電圧に昇圧、或いは降圧する。電源回路322による電力の分配は、システムコントローラ300から出力される指令信号に基づいて制御される。バッテリー324は、一次電池であっても二次電池であってもよい。バッテリー324に代えてデジタルカメラ100の外部から電力が供給されるものであってもよい。
【0039】
表示装置132は、液晶表示パネル、或いは有機EL表示パネルなどを有し、カラー画像やアイコン、文字等を表示可能に構成される。
【0040】
操作スイッチ332は、先にも説明したように、図1あるいは図2に示される各種のスイッチを総称したものであり、タクトスイッチ、ダイヤルスイッチ、タッチセンサ式のスイッチ、或いはスライドスイッチ等で構成される。メモリカード340は、不揮発性の半導体メモリや小型のハードディスクドライブ等を有して構成され、デジタルカメラ100に着脱自在に装着される。
【0041】
フラッシュメモリ344は、デジタルカメラ100内に内蔵される不揮発性の半導体メモリである。このフラッシュメモリ344には、システムコントローラ300内で実行される制御プログラム346や、デジタルカメラ100で設定された撮影パラメータ、デジタルカメラ100の個体差に対応して調整されたパラメータ、そして累計撮影コマ数、画像データに付与されるファイル名中に含まれるシリアルナンバー、画像データを記録するフォルダ名を特定する情報等を含む制御パラメータ350などが記録される。
【0042】
加速度センサ114は、X軸加速度センサ404、Y軸加速度センサ406、Z軸加速度センサ408を有する。これらのX軸加速度センサ404、Y軸加速度センサ406、Z軸加速度センサ408は、デジタルカメラ100に与えられる動き(加速度)の大きさに応じて変化する信号を出力可能に構成される。
【0043】
ところで、デジタルカメラ100に加わる振動を検出する手段としては、加速度センサ以外にジャイロスコープを用いることも可能である。これについて説明する。撮影中にカメラに振動が加わることによって、いわゆる手振れを生じ、得られる画像の鮮鋭度が低下することがある。この手振れによる画質劣化を抑制することを可能とする機能(手振れ補正機能)を有するカメラが存在する。このカメラにおいては、手振れを検出するためのセンサとしてジャイロスコープ(角速度センサ)が用いられる。
【0044】
このような手振れ検出用のセンサを有するカメラでは、露光動作中にジャイロスコープからの出力信号を積分してカメラの振れ量(手振れ)を求め、この量に応じて像のブレを軽減する方向に撮影レンズ中のレンズエレメントをシフトさせる。あるいは、レンズエレメントをシフトする代わりに、撮像素子を撮影レンズの光軸に直交する面内でシフトさせることも可能である。デジタルカメラ100がこのような手振れ補正機能を有するものである場合、ジャイロスコープからの出力信号を用いてユーザによる加振操作を検出することが可能である。
【0045】
加速度センサ114からの出力信号変化に基づき、システムコントローラ300は、ユーザによる、以下で定義するような上タップ、下タップ、右タップ、左タップ、正面タップ、および背面タップといったデジタルカメラ100に対して与えられる加振操作を検出することができる。
【0046】
上タップとは、デジタルカメラ100に対して−Y方向にタップする操作を意味する。すなわち、デジタルカメラ100の上面をタップする操作を意味する。
【0047】
下タップとは、デジタルカメラ100に対して+Y方向にタップする操作を意味する。すなわち、デジタルカメラ100の底面をタップする操作を意味する。上タップおよび下タップは、Y軸加速度センサ406から出力される信号に基づいて検出することができる。
【0048】
右タップとは、−X方向にタップする操作を意味する。すなわち、デジタルカメラ100の右側面をタップする操作を意味する。
【0049】
左タップとは+X方向にタップする操作を意味する。すなわち、デジタルカメラ100の左側面をタップする操作を意味する。右タップおよび左タップは、X軸加速度センサ404から出力される信号に基づいて検出することができる。
【0050】
正面タップは、−Z方向にタップする操作を意味する。すなわち、デジタルカメラ100の正面をタップする操作を意味する。
【0051】
背面タップは、+Z方向にタップする操作を意味する。すなわち、デジタルカメラの背面をタップする操作を意味する。正面タップおよび背面タップは、Z軸加速度センサ408から出力される信号に基づいて検出することができる。
【0052】
システムコントローラ300は、ユーザによる以上に説明した操作に加えて、±X方向、±Y方向、あるいは±Z方向に沿ってデジタルカメラ100を並進させるようにして加速度を与える操作、すなわち揺動操作を検出可能に構成することもできる。また、±θx方向、±θy方向、±θz方向に沿う回転操作を検出可能に構成することも可能であるが、以下では説明を単純化するため、上記のタップ操作のみが検出可能であるものとして説明をする。
【0053】
図4A、図4Bを参照してデジタルカメラ100の動作について説明する。図4A、図4Bは、デジタルカメラ100の電源を投入したときにシステムコントローラ300で実行される、撮影、画像再生表示等を行うための処理手順を概略的に示すフローチャートである。図4A、図4Bに示される処理は、フラッシュメモリ344内に格納される制御プログラム346がDRAM342上にコピーされ、その制御プログラムをシステムコントローラ300が逐次読み出して実行することにより行われる。
【0054】
なお、以下でシステムコントローラ300がユーザによる操作スイッチの操作を検出する説明をする際に、図1、図2に示される各種の操作スイッチ中、特定の操作スイッチの操作を検出することを説明する場合にはそのスイッチの名称を具体的に示す。一方、システムコントローラ300が図1、図2に示される各種の操作スイッチ中、不特定の操作スイッチの操作を検出することを説明する場合には、例えば「システムコントローラ300はユーザによる操作スイッチ332の操作を検出する」と云った表現を用いる。
【0055】
S400においてシステムコントローラ300は、撮影モードが選択されたか否かを判定する。S400での判定が肯定された場合、すなわち撮影モードが選択されていると判定された場合の分岐先であるS415において、システムコントローラ300はユーザによる操作スイッチ332の操作を検出し、検出されたスイッチ操作に応じて撮影動作を行い、S400に戻る。
【0056】
S400での判定が否定されると、処理はS402に進む。S402においてシステムコントローラ300は、メニュースイッチ122(図2)が操作されたか否かを判定する。S402での判定が肯定されると処理はS416に進む。S416においてシステムコントローラ300は、ユーザによる操作スイッチ332の操作を検出し、検出されたスイッチ操作に応じて撮影動作を行い、S400に戻る。
【0057】
S402での判定が否定された場合の分岐先であるS404において、システムコントローラ300は再生モードが選択されたか否か、すなわち再生スイッチ120が操作されたか否かを判定する。S404での判定が否定されると処理はS400に戻る。一方、S404での判定が肯定されると処理はS406に進み、システムコントローラ300は再生条件パラメータの読み出しを行う。この再生条件パラメータの読み出しは、フラッシュメモリ344内に記録してあるものを読み出すことが可能である。
【0058】
上記の再生条件パラメータとしては、表示装置132に画像を表示する際の表示形態、例えば1コマ再生表示をするのか、サムネール再生表示をするのか、サムネール再生表示をする場合には1画面内に何コマのサムネール画像を表示するのかに関連する情報を含むことができる。
【0059】
再生条件パラメータはさらに、表示対象の画像を指定するポインタに関連する情報を含むことができる。例えば、撮影操作が行われた場合、表示対象の画像を指定するポインタは、最後に撮影されて生成された画像データに対応するものとなる。再生モードの状態で電源が切られ、再び電源が投入されて、撮影操作を経ずに再生モードが選択された場合には、電源が切られる前に表示されていた画像に対応する情報をポインタが含むようにすることができる。以下では、再生条件として1コマ再生表示モードが設定されているものとして説明をする。
【0060】
S408においてシステムコントローラ300は、再生条件パラメータ中に含まれるポインタで指定される画像データをメモリカード340から読み出し、表示用画像データを生成して表示装置132に再生画像を表示する処理を行う。表示装置132に表示される再生画像の例を図10に示す。図10には、再生画像とともに、当該の画像のファイル名が表示される例が示されている。S408での処理により表示装置132に表示される再生画像は、図10(a)に示されるようなものとなる。
【0061】
S410においてシステムコントローラ300は、現状で選択されている操作モードがスイッチ操作モードであるか、タップ操作モードであるかの判定を行う。スイッチ操作モードとは、ユーザが操作スイッチ332を操作することによりデジタルカメラ100の動作を制御することが可能な動作モードである。タップ操作モードとは、ユーザが加振操作許可スイッチ124を操作することにより選択される動作モードであり、ユーザが先に説明したタップ操作をすることによりデジタルカメラ100の動作を制御することが可能な動作モードである。
【0062】
S410においてスイッチ操作モードが選択されていると判定された場合、処理はS417に分岐する。そしてシステムコントローラ300は、ユーザによる操作スイッチ332の操作を検出し、検出された操作に対応して再生画像を表示する処理を行う。例えば、再生画像を別のものに切り替える処理、再生中の画像を拡大して表示する処理等がS417で行われる。S417での処理が完了すると、システムコントローラ300はS400の処理に戻る。
【0063】
S410においてタップ操作モードが選択されていると判定された場合、処理はS412に進む。S412でシステムコントローラ300は、加速度センサ114からの出力信号を計測する割り込み処理の実行を許可する。S412での割り込み許可処理が行われると、図4Bに示されるS440、S442の割り込み処理が例えば1ミリ秒おきに実行される。つまり、S440における加速度センサ114からの出力信号の計測と、S442における計測データ蓄積処理とが1ミリ秒間隔でシステムコントローラ300により実行される。このようにして生成されるログデータを参照することにより、デジタルカメラ100に与えられる振動(加速度の変化)をシステムコントローラ300は把握することができる。このログデータは、常に最新の1,000回測定分を保存し、それより古いデータは逐次消去することが望ましい。
【0064】
S420でシステムコントローラは、再生モードが解除されたか否かを判定する。S420での判定が肯定された場合、すなわち再生モードが解除されたと判定された場合の分岐先であるS418においてシステムコントローラ300は、先に説明した、加速度センサ114からの出力信号を計測する割り込み処理を禁止する。S418での処理が完了するとシステムコントローラ300はS400の処理に戻る。
【0065】
S420での判定が否定された場合、すなわち再生モードが維持されていると判定された場合、処理はS422に進む。S422においてシステムコントローラ300は、1ミリ秒間隔の割り込み処理で行われるS440、S442の処理結果によって生成されるログデータに基づき、ユーザによる加振操作を分析する。
【0066】
S424においてシステムコントローラ300は、S422での分析結果に基づいて、ユーザによる右タップ操作が検出されたか否かの判定を行う。S424での判定が否定された場合、すなわち右タップ操作が検出されなかったと判定された場合、処理はS420に戻る。一方、S424での判定が肯定された場合、すなわち右タップ操作が検出されたと判定された場合、処理はS426(図4B)に進む。
【0067】
S426においてシステムコントローラ300は、検出された右タップ操作の大きさ、すなわちデジタルカメラ100に与えられた動きの大きさが第1の条件に合致するか否かの判定を行う。ここで、図4Bに例示される第1の条件について説明する。
【0068】
図8は、加速度センサ114からの出力信号を計測して得られるログデータを概念的に示すグラフであり、横軸は時間[秒]を、縦軸は加速度センサ114からの出力信号の計測値[V]を示す。実際には、1ミリ秒おきに離散的に計測されるので、グラフは線ではなく点の集合として表されるべきであるが、簡略化して図示している。なお、ログデータは、加速度センサ114から逐次出力される信号に対してフィルタリングの処理をした後に記録されるものであっても良いし、このような処理をしないで記録されるものであってもよい。
【0069】
図4BのS426中に記載される第1の条件Vref1<Vpeak≦Vref2について説明すると、図8において符号8Aが付される波形(以下、「波形8A」と称する)が第1の条件に合致するものとなる。つまり、波形8Aのピーク値(Vpeak)が第1の閾値(Vref1)を越し、第2の閾値(Vref2)以下であるとき、デジタルカメラ100に与えられた動きの大きさは第1の条件に合致すると判定される。
【0070】
S426での判定が肯定されると処理はS428に進み、否定されるとS432に進む。S428においてシステムコントローラ300は、表示対象の画像を指定するポインタをインクリメントし、更新されたポインタで指定される画像データをメモリカード340から読み出し、表示用画像データを生成して表示装置132に表示する処理を行う。ポインタをインクリメントする、とは、現在表示中の画像に対応する画像データが生成されたタイミングの1つあとのタイミングに生成された画像データ(1つ新しい画像データ)を指定するようにポインタを移動、あるいはポインタ値を1つ増す処理を意味する。
【0071】
なお、現在表示中の画像が最後に撮影されて生成された画像である場合、ポインタをインクリメントする処理が行われたときに、メモリカード340中に記録される画像中、最も古い画像データを指定するようにしてもよいし、最後に生成された画像が表示され続けるようにしてもよい。
【0072】
S430においてシステムコントローラ300は、表示中の画像に操作方向指示表示をする処理を行う。S428、S430での処理の結果、図10(b)に例示されるような画像が表示装置132に表示される。図10(b)に示される例では、ファイル名中の拡張子(.jpg)を除いた部分の後ろの4文字(ファイル番号)が0055から0056に変化し、図10(a)では全体が見えていた月が沈んで一部が山の端に隠れている。つまり、図10(a)に示す画像が生成されたタイミングの1つあとのタイミングで生成された画像が表示されている様子が図10(b)には示されている。また、図10(b)に示されるように、操作方向指示マーク12Aが表示画像に重ねて表示されることにより、ユーザによるタップ操作をデジタルカメラ100はどのように検知したのかをユーザは直観的に知ることができる。
【0073】
S426での判定が否定された場合の分岐先であるS432において、システムコントローラ300は、検出された右タップ操作の大きさ、すなわちデジタルカメラ100に与えられた動きの大きさが第2の条件に合致するか否かの判定を行う。
【0074】
ここで、図4Bに例示される第2の条件について図8を再び参照して説明する。図4BのS432中に記載される第2の条件Vref2<Vpeakに関して、図8において符号8Bが付される波形(以下、「波形8B」と称する)がこの第2の条件に合致するものとなる。つまり、波形8Bのピーク値(Vpeak)が第2の閾値(Vref2)を越しているときに、デジタルカメラ100に与えられた動きの大きさは第2の条件に合致すると判定される。
【0075】
S432での判定が肯定されると処理はS434に進み、否定されるとS420に戻る。S434においてシステムコントローラ300は、表示対象の画像を指定するポインタをデクリメントし、更新されたポインタで指定される画像データをメモリカード340から読み出し、表示用画像データを生成して表示装置132に表示する処理を行う。
【0076】
ポインタをデクリメントする、とは、現在表示中の画像に対応する画像データが生成されたタイミングの1つ前のタイミングに生成された画像データ(1つ古い画像データ)を指定するようにポインタを移動、あるいはポインタ値を1つ減じる処理を意味する。
【0077】
なお、現在表示中の画像が、メモリカード340中に記録される画像の中で最も古い画像である場合、ポインタをデクリメントする処理が行われたときに、メモリカード340中に記録される画像中、最も新しい画像データを指定するようにしてもよいし、最も古い画像が表示され続けるようにしてもよい。
【0078】
S436においてシステムコントローラ300は、表示中の画像に操作方向指示表示の処理を行い、その後S420に戻る。S434、S436での処理の結果、図10(c)に例示されるような画像が表示装置132に表示される。ここでは、図10(c)に例示される画像が表示される前の段階では図10(b)に例示される画像が表示装置132に表示されていたものとする。図10(c)に示される例では、ファイル名中のファイル番号が0056から0055に変化し、図10(b)では沈んで一部が山の端に隠れていた月の全体が見えるようになっている。つまり、図10(b)に示す画像が生成されたタイミングの1つ前のタイミングで生成された画像が表示されている様子が図10(c)には示されている。
【0079】
また、図10(c)に示されるように、操作方向指示マーク12Bが表示画像に重ねて表示されることにより、ユーザによるタップ操作をデジタルカメラ100はどのように検知したのかをユーザは直観的に知ることができる。図10(c)に示される例では、ユーザが右タップをしたのにもかかわらず、それが上記のように第2の条件に合致するものであったために左タップに対応する動作が行われたことを示している。
【0080】
このようにして、ユーザはデジタルカメラ100を持ち替えることなく、デジタルカメラ100に対して同じ方向に与える動きの大きさを変えることにより、異なる動作設定を選択して切り替えることが可能となる。また、操作方向指示マーク10A、10Bを確認することにより、ユーザの意図する操作がうまく行われたか否かをユーザは容易に確認することができる。
【0081】
以上ではデジタルカメラ100が右タップ操作を受け付ける場合だけについて説明したが、他の加振操作、例えば上タップや背面タップ等を受け付けるようにしてもよい。このとき、上タップで表示画像を切り替える操作ができるようにしてもよいし、右タップで表示画像を切り替え、上タップで表示画像の表示倍率を変化させることが可能に構成されていてもよい。
【0082】
例えば、上タップが第1の条件に合致する場合には表示倍率を減少させ、第2の条件に合致する場合には表示倍率を増加させる、といった制御を行うことも可能である。この場合にも操作方向指示マーク10A、10Bに類するもの(例えば下向きの矢印や上向きの矢印等)を表示することが望ましい。
【0083】
−第2の実施の形態−
本発明の第2の実施の形態も、本発明がデジタルカメラに適用されるものとして説明をする。デジタルカメラの構成は、第1の実施の形態で図1から図3を参照して説明したものと同様であるのでその説明を省略する。第1の実施の形態との違いは、デジタルカメラ100の内部で実行される処理だけであるので、その違いを中心に説明をする。
【0084】
図5A、図5Bは、本発明の第2の実施の形態のデジタルカメラ100の電源を投入したときにシステムコントローラ300で実行される、撮影、画像再生表示等を行うための処理手順を概略的に示すフローチャートである。図5A、図5Bに示される処理は、フラッシュメモリ344内に格納される制御プログラム346がDRAM342上にコピーされ、その制御プログラムをシステムコントローラ300が逐次読み出して実行することにより行われる。
【0085】
図5A、図5Bに示されるフローチャートの各処理中、図4A、図4Bに示されるフローチャートの処理と同じ処理には図4A、図4Bのフローチャート中に付されるステップ番号と同じステップ番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0086】
図5Aに示されるフローチャートは図4Aに示されるフローチャートと同じである。図4Bのフローチャートと図5Bのフローチャートとを比較すると、図4BのフローチャートにおけるS426、S432がそれぞれ、図5BのフローチャートのS500、S502に置き換えられている点が相違する。
【0087】
つまり、第1の実施の形態と第2の実施の形態との相違点は、第1の条件、第2の条件として設定される判定条件の違いにある。以下、この判定条件の違いを中心に説明をする。
【0088】
S500においてシステムコントローラ300は、検出された右タップ操作のパターン、すなわちデジタルカメラ100に与えられた動きのパターンが第1の条件に合致するか否かの判定を行う。
【0089】
図9は、図8と同様、加速度センサ114からの出力信号を計測して得られるログデータを概念的に示すグラフであり、横軸は時間[秒]を、縦軸は加速度センサ114からの出力信号の計測値[V]を示す。実際には、1ミリ秒おきに離散的に計測されるので、グラフは線ではなく点の集合として表されるべきであるが、簡略化して図示しているのも図8と同様である。さらに、ログデータは、加速度センサ114から逐次出力される信号に対してフィルタリングの処理をした後に記録されるものであっても良いし、このような処理をしないで記録されるものであってもよい。
【0090】
図5BのS500中に記載される第1の条件である、Trefの時間内1タップについて説明すると、図9において符号9Aが付される波形(以下、「波形9A」と称する)が第1の条件に合致するものとなる。つまり、波形9Aの値が第2の閾値(Vref2)を越してからTrefの時間(例えば0.5秒)内に第2の閾値(Vref2)を越すピーク波形が1つ観測されるとき、ユーザによってデジタルカメラ100に与えられた動きのパターンが第1の条件に合致すると判定される。
【0091】
図5BのS502中に記載される第2の条件である、Trefの時間内に2タップについて説明する。図9において符号9Bが付される波形(以下、「波形9B」と称する)が第2の条件に合致するものとなる。つまり、波形9Bの値が第2の閾値(Vref2)を越してからTrefの時間(例えば0.5秒)内に第の閾値(Vref2)を越すピーク波形が2つ観測されるとき、第2の条件に合致すると判定される。
【0092】
より具体的には、波形9Bの値が第2の閾値(Vref2)を越してから一つ目のピークが観察され、その後波形は一旦第1の閾値(Vref1)を下回ってから上昇に転じて、再度第2の閾値(Vref2)を越すピークが観測されたときにタップのカウント数を2(2タップ)とすることが望ましい。Trefの時間内に計測されるタップ数が2であるとき、ユーザによってデジタルカメラ100に与えられた動きのパターンが第2の条件に合致すると判定される。
【0093】
上記S500での判定結果に基づいて、ユーザによる1タップ(シングルタップ)の操作が行われたことが検出されると図10(a)に例示される状態から図10(b)に例示される状態に表示内容が切り替えられる。
【0094】
また、上記S502での判定結果に基づいて、ユーザによる2タップの操作が行われたことが検出されると図10(b)に例示される状態から図10(c)に例示される状態に表示内容が切り替えられる。
【0095】
このとき、第1の実施の形態で説明したのと同様に、操作方向指示マーク10Aまたは10Bが表示画像に重ねて表示されることにより、ユーザによるタップ操作をデジタルカメラ100はどのように検知したのかをユーザは直観的に知ることができる。つまり、ユーザの意図する操作がデジタルカメラ100で実際に行われているかどうかをユーザは確認することができる。
【0096】
図10(c)に示される例では、ユーザが右タップをしたのにもかかわらず、それが上記のように第2の条件に合致するもの(Trefの時間内に2タップ)であったために左タップに対応する動作が行われたことを示している。このようにして、ユーザはデジタルカメラ100を持ち替えることなく、デジタルカメラ100に対して同じ方向に与える動きのパターンを変えることにより、異なる動作設定を選択して切り替えることが可能となる。
【0097】
以上に説明したように、第2の実施の形態においても、ユーザはデジタルカメラ100を持ち替えることなく、デジタルカメラ100に対して同じ方向に与える動きの大きさを変えることにより、異なる動作設定を選択して切り替えることが可能となる。
【0098】
第2の実施の形態においてもデジタルカメラ100が右タップ操作を受け付ける場合だけについて説明したが、他の加振操作、例えば上タップや背面タップ等を受け付けるようにしてもよい。このとき、上タップで表示画像を切り替える操作ができるようにしてもよいし、右タップで表示画像を切り替え、上タップで表示画像の表示倍率を変化させることが可能に構成されていてもよい。
【0099】
例えば、上タップが第1の条件に合致する場合には表示倍率を減少させ、第2の条件に合致する場合には表示倍率を増加させる、といった制御を行うことも可能である。この場合に、第1の実施の形態で説明したのと同様、操作方向指示マーク10A、10Bに類するもの(例えば下向きの矢印や上向きの矢印等)を表示することが望ましい。
【0100】
−第3の実施の形態−
本発明の第3の実施の形態も、本発明がデジタルカメラに適用されるものとして説明をする。デジタルカメラの構成は、第1の実施の形態で図1から図3を参照して説明したものと同様であるのでその説明を省略する。第1の実施の形態との違いは、デジタルカメラ100の内部で実行される処理だけであるので、その違いを中心に説明をする。
【0101】
図6A、図6Bは、本発明の第3の実施の形態のデジタルカメラ100の電源を投入したときにシステムコントローラ300で実行される、撮影、画像再生表示等を行うための処理手順を概略的に示すフローチャートである。図6A、図6Bに示される処理は、フラッシュメモリ344内に格納される制御プログラム346がDRAM342上にコピーされ、その制御プログラムをシステムコントローラ300が逐次読み出して実行することにより行われる。
【0102】
図6A、図6Bに示されるフローチャートの各処理中、図4A、図4Bに示されるフローチャートの処理と同じ処理には図4A、図4Bのフローチャート中に付されるステップ番号と同じステップ番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0103】
図6Aに示されるフローチャートは図4Aに示されるフローチャートと同じである。図4Bのフローチャートと図6Bのフローチャートとを比較すると、図4BのフローチャートにおけるS428、S434がそれぞれ、図6BのフローチャートのS600、S602に置き換えられている点が相違する。
【0104】
つまり、第1の実施の形態と第3の実施の形態との相違点は、S426、S432で右タップが第1の条件、あるいは第2の条件に合致すると判定された後の処理の違いにある。以下、S426、S432で肯定の判定がなされた後の処理の違いを中心に説明をする。
【0105】
S600は、右タップが第1の条件(Vref1<Vpeak≦Vref2)に合致するとS426で判定された場合の分岐先である。このS600においてシステムコントローラ300は、表示対象画像を指定するポインタを既定の選択順位に従って変化させ、変化後のポインタで指定される画像データをメモリカード340から読み出し、表示用画像データを生成して表示装置132に表示する処理を行う。
【0106】
ここで「既定の選択順位」について説明する。S600においては、再生モードに設定されているデジタルカメラ100の表示装置132に表示されている画像が他のものに変更される。この表示画像の変更に関して、第1、第2の実施の形態においては、現在表示されているものよりも新しい画像を表示するか、古い画像を表示するかを、ユーザがデジタルカメラ100に与える動きを変えることにより直接指定するように構成されている。
【0107】
例えるならば、A、B二つのスイッチがあって、スイッチAを押すと現在表示されているものよりも新しい画像が表示され、スイッチBを押すと現在表示されているものよりも古い画像が表示されるのに似ている。そのような状況で、スイッチA、スイッチBを押すのに代えて、デジタルカメラ100に対して与える動きを異なるものとするものが第1、第2の実施の形態には示される。
【0108】
これに対し、第3の実施の形態のものは、例えばトグルスイッチとプッシュスイッチとを有するものに似る。つまり、トグルスイッチで正逆いずれかの変化方向を選択した後にプッシュスイッチを押すことにより、トグルスイッチで選択(指定)される方向に変化を生じるものに似る。
【0109】
つまり、「既定の選択順位」とは、トグルスイッチとプッシュスイッチとを有する例において、トグルスイッチで指定される変化方向に対応するものである。第3の実施の形態において「既定の選択順位」は、表示画像を変更する操作がユーザにより行われたときに、表示装置132に現在表示されている画像から1つ新しい画像へと表示を切り替える(ファイル番号の変化方向で考えるならば「昇順切り替え」となる)か、それとも現在表示されている画像から1つ古い画像へと表示を切り替える(同じく、ファイル番号の変化方向で考えるならば「降順切り替え」となる)かを指定するためのものである。
【0110】
ところで、デジタルカメラ100が撮影モードに切り替えられているときに選択可能なフラッシュ発光モードとしては、自動発光モード、赤目軽減発光モード、強制発光モード、発光禁止モードなどがある。従来の技術においては、これらのモードの選択順位は固定されていて、操作スイッチを押すたびに、例えば自動発光モード→赤目軽減発光モード→強制発光モード→発光禁止モード→自動発光モードと順次切り替えられる。
【0111】
本発明の実施の形態においては、上述したフラッシュ発光に関連する動作設定を、ユーザによる加振操作によって切り替え可能に構成することも可能である。その際の選択順位に関して、例えば自動発光モード→赤目軽減発光モード→強制発光モード→発光禁止モード→自動発光モードを「順方向の選択順位」と定義したときに、「逆方向の選択順位」に切り替えることが可能に構成される。つまり、逆方向の選択順位に切り替えられた場合、選択順位は自動発光モード→発光禁止モード→強制発光モード→赤目軽減発光モード→自動発光モードとなる。つまり、S600における「既定の選択順位」とは、S600の処理を実行する時点で決定されている、動作設定の選択順位(順方向の選択順位または逆方向の選択順位)を意味する。
【0112】
再び図6Bを参照し、S602における選択順位逆転処理について説明する。選択順位逆転処理は、現状で設定されている選択順位とは逆の選択順位に切り替える処理である。つまり、上記の順方向の選択順位、逆方向の選択順位を用いて説明すると、S602の処理が実行される寸前の時点で設定されている選択順位が順方向の選択順位である場合には、逆方向の選択順位に設定する処理である。逆に、上記時点で設定されている選択順位が逆方向の選択順位である場合には、順方向の選択順位に設定する処理である。
【0113】
図11は、図6A、図6Bのフローチャートに示される処理がシステムコントローラ300により実行され、デジタルカメラ100で再生モードが設定されている場合にユーザによる加振操作が行われるのに応じて表示装置132に表示される画像が切り替えられる様子を説明する図である。
【0114】
図6AのS408での処理が実行されたときに、図11(a)に例示される画像が表示装置132に表示されているものとする。このときに設定されている選択順位は、S406で読み出される再生条件パラメータ中に記録されている情報に基づくものとすることができる。
【0115】
図11(a)では、選択順位としては、カウントアップ、すなわち、次の画像に表示を切り替える場合には、現状で表示されている画像よりも新しい画像が表示される状態に設定されている例が示されている。これに対応して、操作方向指示マーク11Aが表示される。
【0116】
図11(a)に例示されるような画像が表示装置132に表示されている状態で、図6BのS426における判定が肯定されてS600の処理が実行されると、図11(b)に例示されるような画像が表示される。図11(b)に示される例では、ファイル名中のファイル番号が0055から0056に変化し、図11(a)では全体が見えていた月が沈んで、一部が山の端に隠れている。つまり、図11(a)に示す画像よりも新しい画像が表示される様子が図11(b)に示されている。図11(b)においても、操作方向指示マーク11Aが表示される。図11(b)の画像が表示される時点では選択順位逆転処理がまだ行われていないからである。
【0117】
続いて、図11(b)に例示される画像が表示装置132に表示されている状態で、図6BのS432における判定が肯定されてS602の処理が実行されると、図11(c)に例示されるような画像が表示される。図11(c)に示される例では、表示される画像は、図11(b)に例示されるものと変わらず、操作方向指示マーク11Aに代えて操作方向指示マーク11Bが表示されている。これは、動作設定の選択順位が逆の選択順位に切り替えられたことを示している。
【0118】
図11(c)に例示されるような画像が表示装置132に表示されている状態で、再度図6BのS426における判定が肯定されてS600の処理が実行されると、図11(d)に例示されるような画像が表示される。図11(d)に示される例では、ファイル名中のファイル番号が0056から0055に変化し、図11(c)では沈んで一部が山の端に隠れていた月が図11(d)ではその全体が見えている。つまり、図11(c)に示す画像よりも古い画像(より以前に生成された画像)が表示される様子が図11(d)に示されている。図11(d)においても、操作方向指示マーク11Bが表示される。
【0119】
以上に説明した第3の実施の形態においては、右タップが第1の条件(Vref1<Vpeak≦Vref2)に合致するときにはS600で表示画像の変更の処理が行われ、第2の条件(Vref2<Vpeak)に合致するときにはS602で選択順位逆転処理が行われる。つまり、図8に例示される波形からも判るように、ユーザがデジタルカメラ100に対して与える動きの大きさが比較的小さい場合には表示画像変更の処理が行われ、比較的大きい場合には選択順位逆転処理が行われる。
【0120】
このようにすることにより、ユーザが選択順位を現状で設定されている選択順位とは逆のものに切り替える操作をする場合、デジタルカメラ100に対してより大きな動きを与える必要がある。したがって、表示画像の変更を意図した操作をユーザがしたにも拘わらず、選択順位の切り替えが行われてしまうことを抑止することが可能となる。
【0121】
また、選択順位の切り替えが行われると、その結果設定されている選択順位を示す表示(操作方向指示マーク13A、13B)が表示装置132に表示される。したがって、ユーザは表示画像を変更する操作をすると現状で表示されている画像よりも古い画像に変更されるのか、新しい画像に変更されるのかを直観的に把握することが可能となる。
【0122】
第3の実施の形態においても、ユーザはデジタルカメラ100を持ち替えることなく、デジタルカメラ100に対して同じ方向に与える動きの大きさを変えることにより、異なる動作設定を選択して切り替えることが可能となる。
【0123】
−第4の実施の形態−
本発明の第4の実施の形態も、本発明がデジタルカメラに適用されるものとして説明をする。デジタルカメラの構成は、第1の実施の形態で図1から図3を参照して説明したものと同様であるのでその説明を省略する。第3の実施の形態においては、ユーザの右タップが第1の条件、第2の条件に合致するか否かの判定が、デジタルカメラ100に対して与えられる動きの大きさに基づいて行われる。これに対して、第4の実施の形態においては、上記第1の条件、第2の条件に合致するか否かの判定が、第2の実施の形態で説明したのと同様、デジタルカメラ100に与えられる動きのパターンに基づいて行われる点が第3の実施の形態と異なる。
【0124】
図7A、図7Bは、本発明の第3の実施の形態のデジタルカメラ100の電源を投入したときにシステムコントローラ300で実行される、撮影、画像再生表示等を行うための処理手順を概略的に示すフローチャートである。図7A、図7Bに示される処理は、フラッシュメモリ344内に格納される制御プログラム346がDRAM342上にコピーされ、その制御プログラムをシステムコントローラ300が逐次読み出して実行することにより行われる。
【0125】
図7A、図7Bに示されるフローチャートの各処理中、図4A、図4B、あるいは図6A、図6Bに示されるフローチャートの処理と同じ処理には図4A、図4B、あるいは図6A、図6Bのフローチャート中に付されるステップ番号と同じステップ番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0126】
図7Aに示されるフローチャートは図4Aあるいは図6Aに示されるフローチャートと同じである。図6Bのフローチャートと図7Bのフローチャートとを比較すると、図6BのフローチャートにおけるS426、S432がそれぞれ、図7BのフローチャートのS700、S702に置き換えられている点が相違する。
【0127】
つまり、第3の実施の形態と第4の実施の形態との相違点は、右タップが第1の条件、あるいは第2の条件に合致するか否かの判定の違いにある。
【0128】
S700においては第2の実施の形態で図5B、図9を参照して説明した、S500での判定処理と同じ処理が行われる。つまり、S700においてTrefの時間内に1タップの操作があったことが検出されると、デジタルカメラ100に与えられた動きのパターンが第1の条件に合致するとシステムコントローラ300は判定する。
【0129】
同様に、S702においては、第2の実施の形態で図5B、図9を参照して説明した、S502での判定処理と同じ処理が行われる。つまり、S702においてTrefの時間内に2タップの操作があったことが検出されると、デジタルカメラ100に与えられた動きのパターンが第2の条件に合致するとシステムコントローラ300は判定する。
【0130】
S700、S702で上述した判定が行われた後の動作は第3の実施の形態で説明したものと同様である。
【0131】
図7AのS408での処理が実行されたときに、図11(a)に例示される画像が表示装置132に表示されているものとする。このときに設定される選択順位は、S406で読み出される再生条件パラメータ中に記録されている情報に基づくものとすることができる。図11(a)では、選択順位としては、カウントアップ、すなわち、次の画像に表示を切り替える場合には、現状で表示されている画像よりも新しい画像が表示される状態に設定されている例が示されている。これに対応して、操作方向指示マーク11Aが表示される。
【0132】
図11(a)に例示されるような画像が表示装置132に表示されている状態で、図7BのS700における判定が肯定されてS600の処理が実行されると、図11(b)に例示されるような画像が表示される。図11(b)に示される例では、ファイル名中のファイル番号が0055から0056に変化し、図11(a)では全体が見えていた月が沈んで一部が山の端に隠れている。つまり、図11(a)に示す画像よりも新しい画像が表示される様子が図11(b)に示されている。図11(b)においても、操作方向指示マーク11Aが表示される。
【0133】
続いて、図11(b)に例示される画像が表示装置132に表示されている状態で、図7BのS702における判定が肯定されてS602の処理が実行されると、図11(c)に例示されるような画像が表示される。図11(c)に示される例では、表示される画像は、図11(b)に例示されるものと変わらず、操作方向指示マーク11Aに代えて操作方向指示マーク11Bが表示されている。これは、動作設定の選択順位が逆の選択順位に切り替えられたことを示している。
【0134】
図11(c)に例示されるような画像が表示装置132に表示されている状態で、再度図7BのS700における判定が肯定されてS600の処理が実行されると、図11(d)に例示されるような画像が表示される。図11(d)に示される例では、ファイル名中のファイル番号が0056から0055に変化し、図11(c)では沈んで一部が山の端に隠れていた月が図11(d)ではその全体が見えている。つまり、図11(c)に示す画像よりも古い画像(より以前に生成された画像)が表示される様子が図11(d)に示されている。図11(d)においても、操作方向指示マーク11Bが表示される。
【0135】
以上に説明した第4の実施の形態においては、右タップが第1の条件(Trefの時間内に1タップ)に合致するときにはS600で表示画像の変更の処理が行われ、第2の条件(Trefの時間内に2タップ)に合致するときにはS602で選択順位逆転処理が行われる。
【0136】
つまり、図9に例示される波形からも判るように、ユーザがデジタルカメラ100に対して与える動きのパターンが比較的単純な場合には表示画像変更の処理が行われ、比較的複雑な場合には選択順位逆転処理が行われる。すなわち、第1の条件、第2の条件が、デジタルカメラ100に与えられた動きの複雑度によって定義され、第2の条件で定義される動きのパターンの複雑度は第1の条件で定義される動きのパターンの複雑度よりも高い。
【0137】
このようにすることにより、ユーザが選択順位を現状で設定されている選択順位とは逆のものに切り替える操作をする場合、デジタルカメラ100に対してより複雑なパターンの動きを与える必要を生じる。したがって、表示画像の変更を意図した操作をユーザがしたにも拘わらず、選択順位の切り替えが行われてしまうことを抑止することが可能となる。
【0138】
また、選択順位の切り替えが行われると、その結果設定されている選択順位を示す表示(操作方向指示マーク11A、11B)が表示装置132に表示される。したがって、ユーザは表示画像を変更する操作をすると現状で表示されている画像よりも古い画像に変更されるのか、新しい画像に変更されるのかを直観的に把握することが可能となる。
【0139】
上述した動きのパターンの複雑度が「比較的高い」例としては、上記のように所定時間内に行われるタップが複数回行われる例に加えて、以下のような例も挙げられる。例えば、複数回行われるタップでデジタルカメラ100に与えられる動きの大きさが異なるものとしても良い。例えば、2回のタップ操作の強度の組み合わせを弱・強、強・弱、強・強、弱・弱としてもよい。また、3回以上のタップ操作の強度の組み合わせとしてもよい。
【0140】
さらに、モールス符号のように、複数回行われるタップ操作の時間間隔の組み合わせ(1回目のタップと2回目のタップとの時間間隔、2回目のタップと3回目のタップとの時間間隔、…の組み合わせ)が所定のパターンと合致することが検出されたとき、複雑度が比較的高い操作であると判定することも可能である。無論、タップ操作だけではなく、揺動操作または回転操作、あるいはこれらの操作の組み合わせの動きが検出されたとき、複雑度が比較的高い操作であると判定することも可能である。
【0141】
第4の実施の形態においても、ユーザはデジタルカメラ100を持ち替えることなく、デジタルカメラ100に対して同じ方向に与える動きのパターンを変えることにより、異なる動作設定を選択して切り替えることが可能となる。
【0142】
以上、第1から第4の実施の形態においては、本発明がデジタルカメラ100に適用され、かつ画像を表示装置132に再生表示する再生モードが選択され、表示画像を変更する場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0143】
例えば、表示画像の表示倍率を増加/減少させたり、1コマ表示/サムネール画像表示を切り替えたり、サムネール画像表示を行う際の表示コマ数を増減させたり、画像とともに表示する情報(ファイル名、撮影日時、ヒストグラム等)を選択する際に本発明を適用することが可能である。
【0144】
また、デジタルカメラ100が撮影モードに設定されているときに動作設定を選択する際にも本発明を適用することが可能である。以下、撮影モード時の動作設定の選択について説明する。
【0145】
撮影モード時の動作設定としては、いくつかの例を挙げると、フラッシュ発光モード、設定ISO感度、画像を記録する際の画像サイズや圧縮率、露光モード(プログラムオート、絞り優先オート、シャッタ速度優先オート、マニュアル設定)、ホワイトバランス設定(オート、晴天、曇天、蛍光灯、タングステン灯、マニュアル設定)、設定絞り値、設定シャッタ速度、設定焦点距離などがある。
【0146】
フラッシュ発光モードで選択可能な設定動作としては、第3の実施の形態でも説明したように、自動発光モード、赤目軽減発光モード、強制発光モード、発光禁止モードなどがある。このとき、自動発光モード→赤目軽減発光モード→強制発光モード→発光禁止モード→自動発光モードを順方向の選択順位として定められているものとする。
【0147】
上記フラッシュ発光モード切り替えの例で、第1、第2の実施の形態においては、右タップが第1の条件に合致していると判定されれば、上記の順方向の選択順位に従って動作モードが順次選択される。そして、第2の条件に合致していると判定されれば上記の順方向の選択順位とは逆の、逆方向の選択順位に従って動作モードが順次選択される。例えば現状で強制発光モードが選択されている場合、第1の条件に合致していると判定されるときには発光禁止モードに切り替えられる一方、第2の条件に合致していると判定されるときには赤目軽減発光モードに切り替えられる。
【0148】
同じく、上記フラッシュ発光モード切り替えの例で、第3、第4の実施の形態においては、右タップが第2の条件に合致していると判定されると、現状の選択順位とは逆の選択順位に切り替えられる。そして、右タップが第1の条件に合致していると判定されると、当該の選択順位に従って動作モードが順次選択される。例えば、現状の選択順位が逆方向の選択順位で、強制発光モードが現状で選択されているとして、右タップが第2の条件に合致していると判定されると、選択順位は順方向の選択順位に切り替えられる。この状態において右タップが第1の条件に合致していると判定されると動作モードは発光禁止モードに切り替えられる。
【0149】
設定ISO感度としては、例えば50→100→200→400→800→1600→3200→オート感度設定→50を順方向の選択順位として、上記のようにユーザによってデジタルカメラ100に与えられる動きを検出した結果に基づいて順次選択可能とすることができる。
【0150】
画像を記録する際の画像サイズや圧縮率としては、RAW→(ラージ/低圧縮)→(ラージ/中圧縮)→(ラージ/高圧縮)→(ミドル/低圧縮)→(ミドル/中圧縮)→(ミドル/高圧縮)→(スモール/低圧縮)→(スモール/中圧縮)→(スモール/高圧縮)→RAWを順方向の選択順位として、上記のようにユーザによってデジタルカメラ100に与えられる動きを検出した結果に基づいて順次選択可能とすることができる。
【0151】
その他についても同様である。すなわち、露光モードとしてはプログラムオートモード→絞り優先オートモード→シャッタ速度優先オートモード→マニュアル露光モード→プログラムオートモードを順方向の選択順位とすることができる。
【0152】
ホワイトバランス設定としては、オート→晴天→曇天→蛍光灯→タングステン灯→マニュアル→オートを順方向の選択順位とすることができる。設定絞り値としては、2.8→3.4→4→4.8→5.6→6.7→8→9.5→11→2.8を順方向の選択順位とすることができる。
【0153】
設定シャッタ速度としては、1秒→1/2秒→1/4秒→1/8秒→…→1/2000秒→1/4000秒→1秒を順方向の選択順位とすることができる。設定焦点距離としては、等価焦点距離として、28mm相当→35mm相当→50mm相当→75mm相当→105mm相当→150mm相当→200mm相当→28mm相当を順方向の選択順位とすることができる。
【0154】
そして、第1から第4の実施の形態で説明したように、ユーザによってデジタルカメラ100に与えられる動きを検出した結果に基づいて順次選択可能とすることができる。例えば、設定絞り値が変更されると、システムコントローラ300は絞り駆動部144に制御信号を発し、露光動作時における絞り装置140の絞り開口を、変更された絞り値に対応して変化させることができる。また、設定焦点距離が変更されると、システムコントローラ300は変倍機構142(図3)に制御信号を発し、撮影レンズ102の焦点距離を変化させることができる。
【0155】
本発明は、上述したデジタルカメラのみならず、他の機器、例えばストレージビューワ、デジタルフォトフレーム、携帯電話、ボイスレコーダ、画像録画/再生装置の本体やリモコン装置、パーソナルコンピュータやPDA等にも適用可能である。例えば、携帯電話における電話帳検索、ボイスレコーダにおける記録音質、記録形式、ステレオ/モノラル等の動作設定の切り替え、リモコン装置に加振操作をすることによる再生方向、再生速度の切り替えや放送チャンネルの切り替え等を片手操作で行うことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0156】
本発明は、デジタルスチルカメラ、デジタルムービーカメラ、ストレージビューワ、デジタルフォトフレーム、携帯電話、画像録画再生装置等に適用可能である。
【符号の説明】
【0157】
100 … デジタルカメラ
102 … 撮影レンズ
104 … 閃光発光装置
106 … パワースイッチ
108 … レリーズスイッチ
114 … 加速度センサ
120 … 再生スイッチ
122 … メニュースイッチ
124 … 加振操作許可スイッチ
126、128 … ズーム指示スイッチ
130 … 十字キースイッチ
132 … 表示装置
140 … 絞り装置
142 … 変倍機構
144 … 絞り駆動部
300 … システムコントローラ
322 … 電源回路
324 … バッテリー
326 … ディスプレイドライバ
332 … 操作スイッチ
335 … 撮像素子
336 … 撮像素子インターフェース回路
338 … メモリカードインターフェース
340 … メモリカード
342 … SDRAM
344 … フラッシュメモリ
346 … 制御プログラム
350 … 制御パラメータ
404 … X軸加速度センサ
406 … Y軸加速度センサ
408 … Z軸加速度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から与えられた動きに対応する信号を出力可能なセンサを有する機器であって、
外部から動きが与えられる都度、前記機器の動作に関わる設定である動作設定を、所定の選択順位に従って配列される複数の選択候補の中から、現状で選択されている動作設定の次の選択順位に位置するものを新たな動作設定として選択し、切り替えることが可能な制御部を有し、
前記制御部は、前記センサから出力される信号に基づき、前記機器に対して所定の方向に沿う動きが与えられたことが検出され、与えられた動きの大きさが第1の条件に合致すると判定されるときには、前記所定の選択順位に従って前記新たな動作設定を選択し、前記与えられた動きの大きさが前記第1の条件と異なる第2の条件に合致すると判定されるときには前記所定の選択順位とは逆の選択順位に従って前記新たな動作設定を選択することが可能に構成されることを特徴とする機器。
【請求項2】
外部から与えられた動きに対応する信号を出力可能なセンサを有する機器であって、
外部から動きが与えられる都度、前記機器の動作に関わる設定である動作設定を、所定の選択順位に従って配列される複数の選択候補の中から、現状で選択されている動作設定の次の選択順位に位置するものを新たな動作設定として選択し、切り替えることが可能な制御部を有し、
前記制御部は、前記センサから出力される信号に基づき、前記機器に対して所定の方向に沿う動きが与えられたことが検出され、与えられた動きのパターンが第1の条件に合致すると判定されるときには前記所定の選択順位に従って前記新たな動作設定を選択し、前記与えられた動きのパターンが前記第1の条件と異なる第2の条件に合致すると判定されるときには前記所定の選択順位とは逆の選択順位に従って前記新たな動作設定をすることが可能に構成されることを特徴とする機器。
【請求項3】
外部から与えられた動きに対応する信号を出力可能なセンサを有する機器であって、
外部から動きが与えられる都度、前記機器の動作に関わる設定である動作設定を、ユーザによって正逆切り替え可能な選択順位に従って配列される複数の選択候補の中から、現状で選択されている動作設定の次の選択順位に位置するものを新たな動作設定として選択して切り替えることが可能な制御部を有し、
前記制御部は、前記センサから出力される信号に基づき、前記機器に対して所定の方向に沿う動きが与えられたことが検出され、与えられた動きの大きさが第1の条件に合致すると判定されるときには前記ユーザによって正逆切り替え可能な選択順位に従って前記動作設定を選択し、前記与えられた動きの大きさが前記第1の条件と異なる第2の条件に合致すると判定されるときには前記ユーザによって正逆切り替え可能な選択順位を現状の選択順位とは逆の選択順位に切り替えることが可能に構成されることを特徴とする機器。
【請求項4】
前記第1の条件および第2の条件は、前記機器に与えられた動きの大きさによって定義され、
前記第1の条件は、前記機器に与えられた動きの大きさが、第1の閾値を越し、かつ前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値以下であるものと定義され、
前記第2の条件は、前記機器に与えられた動きの大きさが、前記第2の閾値を越すものであると定義される
ことを特徴とする請求項3に記載の機器。
【請求項5】
外部から与えられた動きに対応する信号を出力可能なセンサを有する機器であって、
外部から動きが与えられる都度、前記機器の動作に関わる設定である動作設定を、ユーザによって正逆切り替え可能な選択順位に従って配列される複数の選択候補の中から、現状で選択されている動作設定の次の選択順位に位置するものを新たな動作設定として選択して切り替えることが可能な制御部を有し、
前記制御部は、前記センサから出力される信号に基づき、前記機器に対して所定の方向に沿う動きが与えられたことが検出され、与えられた動きのパターンが第1の条件に合致すると判定されるときには前記ユーザによって正逆切り替え可能な選択順位に従って前記動作設定を選択し、前記与えられた動きのパターンが前記第1の条件と異なる第2の条件に合致すると判定されるときには前記ユーザによって正逆切り替え可能な選択順位を現状の選択順位とは逆の選択順位に切り替えることが可能に構成されることを特徴とする機器。
【請求項6】
前記第1の条件および第2の条件は、前記機器に与えられた動きのパターンの複雑度によって定義され、
前記第2の条件で定義される前記動きのパターンの複雑度は、前記第1の条件で定義される前記動きのパターンの複雑度よりも高い
ことを特徴とする請求項5に記載の機器。
【請求項7】
前記機器は撮影装置であり、前記動作設定は、
再生表示画像を別のものに変える際の、昇順または降順の切り替え、
撮影レンズの絞り値、
シャッタ速度、および
撮影レンズの変倍動作
のうち、少なくともいずれかに関するものであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−206456(P2010−206456A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−49042(P2009−49042)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】