画像処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体
【課題】照度変化に対しても高品質なノイズ低減画像を生成する。
【解決手段】ローカル動き補償処理部は、基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルを検出し、ローカル動きベクトルを用いて参照画像の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像を生成し、グローバル動き補償処理部は、ローカル動きベクトルを用いて、基準画像と参照画像との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルを算出し、グローバル動きベクトルを用いて参照画像の動き補償を行うことでグローバル動き補償画像を生成し、ブレンド処理部は、画像の輝度値に対するノイズ強度に応じて、ローカル動き補償画像の画素の画素値と、グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することでブレンド動き補償画像を生成する。本技術は、画像処理装置に適用することができる。
【解決手段】ローカル動き補償処理部は、基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルを検出し、ローカル動きベクトルを用いて参照画像の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像を生成し、グローバル動き補償処理部は、ローカル動きベクトルを用いて、基準画像と参照画像との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルを算出し、グローバル動きベクトルを用いて参照画像の動き補償を行うことでグローバル動き補償画像を生成し、ブレンド処理部は、画像の輝度値に対するノイズ強度に応じて、ローカル動き補償画像の画素の画素値と、グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することでブレンド動き補償画像を生成する。本技術は、画像処理装置に適用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、画像処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体に関し、特に、照度変化に対しても高品質なノイズ低減画像を生成することができるようにする画像処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像装置によって撮像された画像に対するノイズ低減手法として、ブロック単位のローカル動きベクトルを用いて生成されたローカル動き補償画像(LMC画)と、画像全体のグローバル動きベクトルを用いて生成されたグローバル動き補償画像(GMC画)とを、それぞれの信頼度に応じて合成したブレンド動き補償画像(BMC画)を用いて、ノイズ低減画像を生成するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2010−147985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した手法においては、撮像環境において照度が変化した場合にノイズの強度が変化することが考慮されておらず、このよう場合、LMC画とGMC画とを正しく合成することができず、正確なBMC画が得られなくなる恐れがあった。その結果、ノイズ低減画像の品質が低下してしまう恐れがあった。
【0005】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、照度変化に対しても高品質なノイズ低減画像を生成することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の一側面の画像処理装置は、基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルを検出し、前記ローカル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像を生成するローカル動き補償処理部と、前記ローカル動きベクトルを用いて、前記基準画像と前記参照画像との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルを算出し、前記グローバル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことでグローバル動き補償画像を生成するグローバル動き補償処理部と、画像の輝度値に対するノイズ強度に応じて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することでブレンド動き補償画像を生成するブレンド処理部とを備える。
【0007】
前記ブレンド処理部には、前記基準画像の画素の画素値と、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値との差分絶対値が、前記ノイズ強度に基づいて設定された閾値より大きいか否かを判定する閾値処理部と、前記差分絶対値が前記閾値より大きいか否かに応じて、前記ブレンド動き補償画像の画素の画素値を、前記ローカル動き補償画像または前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とすることで、前記ブレンド動き補償画像を生成するブレンド動き補償画像生成部とを設けることができる。
【0008】
前記ブレンド動き補償画像生成部には、前記差分絶対値が前記閾値より大きいと判定された場合、前記ブレンド動き補償画像の画素の画素値を、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値とさせ、前記差分絶対値が前記閾値より大きくないと判定された場合、前記ブレンド動き補償画像の画素の画素値を、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とさせることができる。
【0009】
前記ブレンド処理部には、前記ノイズ強度に基づいて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値との合成に用いるブレンド比率を決定するブレンド比率決定部と、前記ブレンド比率に基づいて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することで、前記ブレンド動き補償画像を生成するブレンド動き補償画像生成部とを設けることができる。
【0010】
本技術の一側面の画像処理方法は、基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルを検出し、前記ローカル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像を生成するローカル動き補償処理部と、前記ローカル動きベクトルを用いて、前記基準画像と前記参照画像との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルを算出し、前記グローバル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことでグローバル動き補償画像を生成するグローバル動き補償処理部と、画像の輝度値に対するノイズ強度に応じて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することでブレンド動き補償画像を生成するブレンド処理部とを備える画像処理装置の画像処理方法であって、前記画像処理装置が、基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルを検出し、前記ローカル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像を生成し、前記ローカル動きベクトルを用いて、前記基準画像と前記参照画像との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルを算出し、前記グローバル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことでグローバル動き補償画像を生成し、画像の輝度値に対するノイズ強度に応じて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することでブレンド動き補償画像を生成するステップを含む。
【0011】
本技術の一側面のプログラムおよび一側面の記録媒体に記録されるプログラムは、基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルを検出し、前記ローカル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像を生成するローカル動き補償処理ステップと、前記ローカル動きベクトルを用いて、前記基準画像と前記参照画像との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルを算出し、前記グローバル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことでグローバル動き補償画像を生成するグローバル動き補償処理ステップと、画像の輝度値に対するノイズ強度に応じて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することでブレンド動き補償画像を生成するブレンド処理ステップとを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0012】
本技術の一側面においては、基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルが検出され、ローカル動きベクトルを用いて参照画像の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像が生成され、ローカル動きベクトルを用いて、基準画像と参照画像との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルが算出され、グローバル動きベクトルを用いて参照画像の動き補償を行うことでグローバル動き補償画像が生成され、画像の輝度値に対するノイズ強度に応じて、ローカル動き補償画像の画素の画素値と、グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することでブレンド動き補償画像が生成される。
【発明の効果】
【0013】
本技術の一側面によれば、照度変化に対しても高品質なノイズ低減画像を生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本技術を適用した画像処理装置の一実施の形態の機能構成例を示すブロック図である。
【図2】MC画ブレンド処理部の第1の構成例を示すブロック図である。
【図3】ノイズ低減処理について説明するフローチャートである。
【図4】図2のMC画ブレンド処理部によるブレンド処理について説明するフローチャートである。
【図5】輝度値に対するノイズ強度について説明する図である。
【図6】MC画ブレンド処理部の第2の構成例を示すブロック図である。
【図7】図6のMC画ブレンド処理部によるブレンド処理について説明するフローチャートである。
【図8】MC画ブレンド処理部の第3の構成例を示すブロック図である。
【図9】図8のMC画ブレンド処理部によるブレンド処理について説明するフローチャートである。
【図10】MC画ブレンド処理部の第4の構成例を示すブロック図である。
【図11】図10のMC画ブレンド処理部によるブレンド処理について説明するフローチャートである。
【図12】コンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本技術の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.画像処理装置の構成
2.MC画ブレンド処理部の第1の構成例
3.ノイズ低減処理とブレンド処理について
4.MC画ブレンド処理部の第2の構成例とブレンド処理
5.MC画ブレンド処理部の第3の構成例とブレンド処理
6.MC画ブレンド処理部の第4の構成例とブレンド処理
【0016】
<1.画像処理装置の構成>
図1は、本技術を適用した画像処理装置の一実施の形態の構成を示している。
【0017】
図1の画像処理装置11は、例えば、図示せぬ撮像装置から供給(入力)されてくる基準画像(以下、Cur画という)に対して、そのCur画に含まれるノイズを低減するノイズ低減処理を施し、その結果得られたノイズ低減画像(以下、NR画という)を、図示せぬ記憶装置や表示装置等に供給する。画像処理装置11に入力される画像は、時間的に連続した複数のフレームからなる動画像であるものとする。なお、画像処理装置11は、それ自身がデジタルカメラ等の撮像装置に設けられるようにしてもよい。
【0018】
図1の画像処理装置11は、ローカル動き補償処理部31、グローバル動き補償処理部32、MC画ブレンド処理部33、加算判定部34、加算処理部35、およびフレームメモリ36から構成される。
【0019】
ローカル動き補償処理部31は、注目しているフレームとしてのCur画と、ノイズ低減処理において参照される参照画像としての、フレームメモリ36からの1フレーム前のNR画とから、これらの画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルLMVを検出し、グローバル動き補償処理部32に供給する。具体的には、ローカル動き補償処理部31は、Cur画のブロックと、対応するNR画のブロックとの位置合わせを行うことで、ブロック単位のローカル動きベクトルLMVを求める。
【0020】
また、ローカル動き補償処理部31は、検出したブロック単位のローカル動きベクトルLMVを用いてNR画の動き補償を行うことで、NR画をブロック単位でCur画に位置合わせしたローカル動き補償画像(以下、LMC画という)を生成し、MC画ブレンド処理部33に供給する。
【0021】
グローバル動き補償処理部32は、ローカル動き補償処理部31からのローカル動きベクトルLMVを用いてNR画の動き補償を行うことで、NR画を画像全体でCur画に位置合わせしたグローバル動き補償画像(以下、GMC画という)を生成し、MC画ブレンド処理部33に供給する。具体的には、グローバル動き補償処理部32は、ローカル動き補償処理部31からのローカル動きベクトルLMVを用いて、Cur画とNR画との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルGMVを検出し、そのグローバル動きベクトルGMVを用いてNR画の動き補償を行うことで、GMC画を生成する。
【0022】
ローカル動き補償処理部31によって生成されるLMC画は、局所的な動きがある場合でも正しく位置合わせされるが、画像全体の位置合わせの精度は低いという性質を持つ。また、グローバル動き補償処理部32によって生成されるGMC画は、画像全体の位置合わせの精度は高いが、局所的な動きは考慮されないという性質を持つ。
【0023】
そこで、MC画ブレンド処理部33は、2つの動き補償画像(MC画)、すなわち、ローカル動き補償処理部31からのLMC画と、グローバル動き補償処理部32からのGMC画とを合成して、局所的な動きがある部分はLMC画で、また、局所的な動きがない部分はGMC画で構成されるブレンド動き補償画像(以下、BMC画という)を生成し、加算判定部34および加算処理部35に供給する。具体的には、MC画ブレンド処理部33は、撮像装置から供給される画像に含まれる、イメージセンサ由来のノイズの強度に応じて、LMC画とGMC画とを合成して、BMC画を生成する。
【0024】
加算判定部34は、Cur画およびMC画ブレンド処理部33からのBMC画に基づいて、加算処理部35で用いられる加算重みを画素毎で算出する。具体的には、加算判定部34は、BMC画の加算重みを0乃至1の値で画素毎に設定した加算マップを生成し、加算処理部35に供給する。
【0025】
加算処理部35は、加算判定部34からの加算マップを用いて、Cur画とBMC画とを画素毎に加算することで、NR画を生成する。具体的には、加算処理部35は、加算判定部34からの加算マップに基づいて、Cur画とBMC画との加重平均を画素毎に算出することで、NR画を生成し、図示せぬ記憶装置や表示装置等に出力するとともに、フレームメモリ36に保持(記憶)させる。
【0026】
フレームメモリ36は、加算処理部35からのNR画を1フレーム遅延させ、ノイズ低減処理が済んだ前フレームのNR画として、ローカル動き補償処理部31およびグローバル動き補償処理部32に供給する。
【0027】
<2.MC画ブレンド処理部の第1の構成例>
次に、図2を参照して、MC画ブレンド処理部33の第1の構成例について説明する。
【0028】
図3のMC画ブレンド処理部33は、フィルタ処理部51、フィルタ処理部52、差分算出部53、閾値処理部54、およびBMC画生成部55から構成される。
【0029】
フィルタ処理部51は、Cur画に対してフィルタ処理を施し、差分算出部53に供給する。具体的には、フィルタ処理部51は、メディアンフィルタやローパスフィルタ、メディアンフィルタとローパスフィルタとの組み合わせのフィルタ等を用いて、Cur画に対してフィルタ処理を施す。
【0030】
フィルタ処理部52は、GMC画に対してフィルタ処理を施し、差分算出部53に供給する。具体的には、フィルタ処理部52は、フィルタ処理部51と同様に、メディアンフィルタやローパスフィルタ、メディアンフィルタとローパスフィルタとの組み合わせのフィルタ等を用いて、GMC画に対してフィルタ処理を施す。
【0031】
差分算出部53は、フィルタ処理部51によってフィルタ処理が施されたCur画と、フィルタ処理部52によってフィルタ処理が施されたGMC画の、画素毎の画素値の差分値を算出し、得られた差分値の絶対値(差分絶対値)を、閾値処理部54に供給する。なお、以下においては、Cur画の画素値とGMC画の画素値の差分絶対値を、単に、差分値ともいう。
【0032】
閾値処理部54は、差分算出部53からの画素毎の差分値が、輝度値に対するノイズ強度に基づいて設定された閾値より大きいか否かを判定し、その判定結果を、BMC画生成部55に供給する。
【0033】
BMC画生成部55は、閾値処理部54からの判定結果に応じて、GMC画またはLMC画のいずれかを画素毎に選択することで、BMC画を生成し、加算判定部34および加算処理部35に供給する。
【0034】
<3.ノイズ低減処理とブレンド処理について>
次に、図3および図4のフローチャートを参照して、図1の画像処理装置11によるノイズ低減処理、および、図2のMC画ブレンド処理部33によるブレンド処理について説明する。
【0035】
[ノイズ低減処理について]
まず、図3のフローチャートを参照して、図1の画像処理装置11によるノイズ低減処理について説明する。
【0036】
ステップS11において、ローカル動き補償処理部31は、Cur画とフレームメモリ36からのNR画とから、ブロック毎に、ローカル動きベクトルLMVを検出し、グローバル動き補償処理部32に供給する。
【0037】
ステップS12において、ローカル動き補償処理部31は、ローカル動きベクトルLMVを用いてNR画の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像(LMC画)を生成し、MC画ブレンド処理部33に供給する。
【0038】
ステップS13において、グローバル動き補償処理部32は、ローカル動き補償処理部31からのローカル動きベクトルLMVを用いてNR画の動き補償を行うことで、グローバル動き補償画像(GMC画)を生成し、MC画ブレンド処理部33に供給する。
【0039】
ステップS14において、MC画ブレンド処理部33は、ブレンド処理を実行することで、ローカル動き補償処理部31からのLMC画と、グローバル動き補償処理部32からのGMC画とを合成して、ブレンド動き補償画像(BMC画)を生成し、加算判定部34および加算処理部35に供給する。なお、ブレンド処理の詳細は後述する。
【0040】
ステップS15において、加算判定部34は、Cur画およびMC画ブレンド処理部33からのBMC画に基づいて、加算マップを生成し、加算処理部35に供給する。
【0041】
ステップS16において、加算処理部35は、加算判定部34からの加算マップに基づいて、Cur画とBMC画との加重平均を画素毎に算出することで、ノイズ低減画像(NR画)を生成し、図示せぬ記憶装置や表示装置等に出力するとともに、フレームメモリ36に保持(記憶)させる。
【0042】
以上のようにして、ノイズを低減したノイズ低減画像が出力される。
【0043】
[ブレンド処理について]
次に、図4のフローチャートを参照して、図3のフローチャートのステップS14におけるブレンド処理について説明する。
【0044】
ステップS31において、フィルタ処理部51は、Cur画に対してフィルタ処理を施し、差分算出部53に供給する。
【0045】
ステップS32において、フィルタ処理部52は、GMC画に対してフィルタ処理を施し、差分算出部53に供給する。
【0046】
このように、Cur画およびGMC画に対してフィルタ処理を施すことにより、それぞれの画像に含まれるノイズを抑制することができる。なお、ステップS31およびステップS32の処理は、並列して実行されてもよい。
【0047】
ステップS33において、差分算出部53は、フィルタ処理部51によってフィルタ処理が施されたCur画と、フィルタ処理部52によってフィルタ処理が施されたGMC画の、画素毎の差分値(差分絶対値)を算出し、閾値処理部54に供給する。なお、ステップS33以降の処理は、画素単位で実行される。
【0048】
ステップS34において、閾値処理部54は、差分算出部53からの画素毎の差分値が、予め求められた、輝度値に対するノイズ強度に基づいて設定された閾値より大きいか否かを判定する。
【0049】
図5は、図示せぬ撮像装置によって得られる画像の、輝度値に対するノイズ強度を示している。
【0050】
図5において、横軸は、画素の輝度値を示しており、縦軸は、ノイズ強度を示している。ノイズ強度は、画素によってばらつきを持っているので、画像全体おける画素毎のノイズ強度の分布を予め求め、そのノイズ強度の分布に基づいて、図5に示されるノイズ強度が得られる。
【0051】
なお、ノイズ強度は、R,G,Bの3チャンネルの輝度値(輝度信号)について与えられるものであり、図5に示されるノイズ強度は、例えばG信号についてのノイズ強度を示しているものとする。
【0052】
すなわち、閾値処理部54は、注目している画素位置の、Cur画における画素の輝度値(例えばG信号)に基づいて、図5に示される関係から、その輝度値に対応するノイズ強度を閾値に設定する。そして、閾値処理部54は、その閾値と、差分算出部53からの画素毎の差分値とを比較し、差分値が閾値より大きいか否かを判定する。
【0053】
差分値が閾値より大きい場合、Cur画の画素値とGMC画の画素値の差分値(差分絶対値)には、ノイズだけでなく、画像自体の差異が含まれているということができる。つまり、この場合、注目している画素は、局所的に動きがある部分の画素ということができる。
【0054】
一方、差分値が閾値より大きくない場合、Cur画の画素値とGMC画の画素値の差分値(差分絶対値)には、ノイズのみが含まれているということができる。つまり、この場合、注目している画素は、局所的に動きがない部分の画素ということができる。
【0055】
したがって、ステップS34において、差分値が閾値より大きいと判定された場合、すなわち、その画素が局所的に動きがある部分の画素である場合、処理はステップS35に進み、BMC画生成部55は、LMC画の画素の画素値を、対応するBMC画の画素の画素値とする。
【0056】
一方、ステップS34において、差分値が閾値より大きくないと判定された場合、すなわち、その画素が局所的に動きがない部分の画素である場合、処理はステップS36に進み、BMC画生成部55は、GMC画の画素の画素値を、対応するBMC画の画素の画素値とする。
【0057】
ステップS37において、BMC画生成部55は、全ての画素について処理したか、すなわち、GMC画またはLMC画のいずれかが画素毎に選択されることで、BMC画が生成されたか否かを判定する。
【0058】
ステップS37において、全ての画素について処理していないと判定された場合、処理はステップS33に戻り、これ以降の処理が繰り返される。
【0059】
一方、ステップS37において、全ての画素について処理したと判定された場合、BMC画生成部55は、生成したBMC画を、加算判定部34および加算処理部35に供給して、ブレンド処理は終了する。その後、処理は、図3のフローチャートのステップS14に戻る。
【0060】
以上の処理によれば、Cur画とGMC画の差分絶対値が算出され、その差分絶対値が、ノイズ強度に応じて設定される閾値より大きいか否かが判定され、その判定結果に応じて、GMC画またはLMC画のいずれかが画素毎に選択されて、BMC画が生成されるようになる。したがって、撮像環境において照度が変化した場合であっても、そのときの輝度値に対応するノイズ強度に応じて、LMC画とGMC画とを正しく合成することができ、正確なBMC画を得ることが可能となる。結果として、照度変化に対しても高品質なノイズ低減画像を生成することができる。
【0061】
なお、ノイズ強度に応じて設定される閾値は、上述したように、輝度値に対応するノイズ強度の値そのものであってもよいし、ノイズ強度の値に所定の係数を乗じる等して調整した値であってもよい。
【0062】
<4.MC画ブレンド処理部の第2の構成例とブレンド処理>
[MC画ブレンド処理部の第2の構成例]
次に、図6を参照して、MC画ブレンド処理部の第2の構成例について説明する。
【0063】
図6のMC画ブレンド処理部71は、フィルタ処理部51、フィルタ処理部52、ブレンド比率決定部91、およびBMC画生成部92から構成される。
【0064】
なお、図6のMC画ブレンド処理部71において、図2のMC画ブレンド処理部33に設けられたものと同様の機能を備える構成については、同一名称および同一符号を付するものとし、その説明は省略する。
【0065】
すなわち、ブレンド比率決定部91は、フィルタ処理部51からのCur画、フィルタ処理部52からのGMC画、および輝度値に対するノイズ強度に基づいて、BMC画生成部92におけるGMC画とLMC画の合成に用いられるブレンド比率を決定し、そのブレンド比率を表す情報をBMC画生成部92に供給する。
【0066】
BMC画生成部92は、ブレンド比率決定部91からのブレンド比率を表す情報に基づいて、GMC画とLMC画とを合成(ブレンド)することで、BMC画を生成する。
【0067】
[ブレンド処理について]
ここで、図7のフローチャートを参照して、図6のMC画ブレンド処理部71によるブレンド処理について説明する。
【0068】
なお、図7のフローチャートのステップS51,S52の処理は、図4のフローチャートのステップS31,S32の処理とそれぞれ同様であるので、その説明は省略する。
【0069】
すなわち、ステップS53において、ブレンド比率決定部91は、フィルタ処理部51からのCur画、フィルタ処理部52からのGMC画、および、図5を参照して説明した輝度値に対するノイズ強度に基づいて、画素毎に、GMC画とLMC画のブレンド比率を決定し、そのブレンド比率を表す情報をBMC画生成部92に供給する。
【0070】
ここで、GMC画、LMC画、BMC画の画素の画素値をそれぞれGmc、Lmc、Bmcとし、BMC画の画素値BmcにおけるGMC画の画素値Gmcの割合(ブレンド比率)をα(0≦α≦1)とすると、ブレンド処理の結果得られるBMC画の画素値Bmcは、以下の式(1)で表わされる。
【0071】
Bmc=α×Gmc+(1−α)×Lmc
・・・(1)
【0072】
ここで、輝度値は1チャンネルしかないものとして、Cur画の画素の画素値をCurとすると、ブレンド比率αは、以下の式(2)で与えられる。
【0073】
【数1】
・・・(2)
【0074】
なお、式(2)において、σは、上述したノイズ強度の分布の標準偏差を表す。
【0075】
式(2)によれば、ブレンド比率αは、ノイズ成分を含んでいる可能性のあるCur画の画素値とGMC画の画素値との差分が小さいほど、1に近い値をとり、その差分が大きいほど、0に近い値をとる。
【0076】
しかしながら、上述したように、輝度値は、実際にはR,G,Bの3チャンネルあるので、それぞれについてのブレンド比率を、αR,αG,αBとした場合、ブレンド比率αを、以下の式(3)のように表すこととする。
【0077】
α=min(αR,αG,αB)
・・・(3)
【0078】
なお、min(a,b,c)は、a,b,cの中の最小値を表す。
【0079】
以上のようにしてブレンド比率αが決定される。
【0080】
ステップS54において、BMC画生成部92は、ブレンド比率決定部91からのブレンド比率を表す情報に基づいて、上述の式(1)に従って、対応するBMC画の画素の画素値を求める。
【0081】
ステップS55において、BMC画生成部92は、全ての画素について処理したか、すなわち、BMC画の画素の画素値が求められることで、BMC画が生成されたか否かを判定する。
【0082】
ステップS55において、全ての画素について処理していないと判定された場合、処理はステップS53に戻り、これ以降の処理が繰り返される。
【0083】
一方、ステップS55において、全ての画素について処理したと判定された場合、BMC画生成部92は、生成されたBMC画を、加算判定部34および加算処理部35に供給して、ブレンド処理は終了する。
【0084】
以上の処理によれば、Cur画とGMC画の差分値およびノイズ強度に基づいて、ブレンド比率が決定され、そのブレンド比率に応じてGMC画とLMC画とが合成されてBMC画が生成されるようになる。したがって、撮像環境において照度が変化した場合であっても、そのときの輝度値に対応するノイズ強度に応じて、LMC画とGMC画とを正しく合成することができ、正確なBMC画を得ることが可能となる。結果として、照度変化に対しても高品質なノイズ低減画像を生成することができる。
【0085】
また、以上の処理によれば、生成されたBMC画において、画素毎にCur画とGMC画とが切り替わることがないため、画像のグラデーション部分での階調の劣化を防ぐことが可能となる。
【0086】
以上においては、Cur画、LMC画、およびGMC画を用いて、BMC画を生成する構成について説明してきたが、以下においては、Cur画を用いず、LMC画およびGMC画を用いて、BMC画を生成する構成について説明する。
【0087】
<5.MC画ブレンド処理部の第3の構成例とブレンド処理>
[MC画ブレンド処理部の第3の構成例]
まず、図8を参照して、MC画ブレンド処理部の第3の構成例について説明する。
【0088】
図8のMC画ブレンド処理部131は、フィルタ処理部52、閾値処理部54、BMC画生成部55、フィルタ処理部151、および差分算出部152から構成される。
【0089】
なお、図8のMC画ブレンド処理部131において、図2のMC画ブレンド処理部33に設けられたものと同様の機能を備える構成については、同一名称および同一符号を付するものとし、その説明は省略する。
【0090】
すなわち、フィルタ処理部151は、LMC画に対してフィルタ処理を施し、差分算出部152に供給する。具体的には、フィルタ処理部151は、メディアンフィルタやローパスフィルタ、メディアンフィルタとローパスフィルタとの組み合わせのフィルタ等を用いて、LMC画に対してフィルタ処理を施す。
【0091】
差分算出部152は、フィルタ処理部151によってフィルタ処理が施されたLMC画と、フィルタ処理部52によってフィルタ処理が施されたGMC画の、画素毎の画素値の差分値を算出し、算出した差分値の絶対値(差分絶対値)を、閾値処理部54に供給する。
【0092】
[ブレンド処理について]
次に、図9のフローチャートを参照して、図8のMC画ブレンド処理部131によるブレンド処理について説明する。
【0093】
なお、図9のフローチャートのステップS132,S134乃至137の処理は、図4のフローチャートのステップS32,S34乃至37の処理とそれぞれ同様であるので、その説明は省略する。
【0094】
すなわち、ステップS131において、フィルタ処理部151は、LMC画に対してフィルタ処理を施し、差分算出部152に供給する。
【0095】
また、ステップS133において、差分算出部152は、フィルタ処理部151によってフィルタ処理が施されたLMC画と、フィルタ処理部52によってフィルタ処理が施されたGMC画の、画素毎の差分値(差分絶対値)を算出し、閾値処理部54に供給する。
【0096】
図9のフローチャートで示されるブレンド処理においても、図4のフローチャートで示されるブレンド処理と同様の作用効果を奏することができる。また、図8のMC画ブレンド処理部131においては、図2のMC画ブレンド処理部33と比較して、用いられるデータ(画像)の数が少なくなるので、図2のMC画ブレンド処理部33より、回路構成を簡単することが可能となる。
【0097】
<6.MC画ブレンド処理部の第4の構成例とブレンド処理>
[MC画ブレンド処理部の第4の構成例]
次に、図10を参照して、MC画ブレンド処理部の第4の構成例について説明する。
【0098】
図10のMC画ブレンド処理部171は、フィルタ処理部52、BMC画生成部92、フィルタ処理部151、およびブレンド比率決定部191から構成される。
【0099】
なお、図10のMC画ブレンド処理部171において、図6のMC画ブレンド処理部71に設けられたものと同様の機能を備える構成については、同一名称および同一符号を付するものとし、その説明は省略する。また、フィルタ処理部151は、図8のMC画ブレンド処理部131に設けられたものと同一であるので、その説明も省略する。
【0100】
すなわち、ブレンド比率決定部191は、フィルタ処理部151からのLMC画、フィルタ処理部52からのGMC画、および、輝度値に対するノイズ強度に基づいて、BMC画生成部92におけるGMC画とLMC画の合成に用いられるブレンド比率を決定し、そのブレンド比率を表す情報をBMC画生成部92に供給する。
【0101】
[ブレンド処理について]
次に、図11のフローチャートを参照して、図10のMC画ブレンド処理部171によるブレンド処理について説明する。
【0102】
なお、図11のフローチャートのステップS152,S154,S155の処理は、図7のフローチャートのステップS52,S54,S55の処理とそれぞれ同様であるので、その説明は省略する。
【0103】
すなわち、ステップS151において、フィルタ処理部151は、LMC画に対してフィルタ処理を施し、ブレンド比率決定部191に供給する。
【0104】
また、ステップS153において、ブレンド比率決定部191は、フィルタ処理部151からのLMC画、フィルタ処理部52からのGMC画、および、図5を参照して説明した輝度値に対するノイズ強度に基づいて、画素毎に、GMC画とLMC画のブレンド比率を決定し、そのブレンド比率を表す情報をBMC画生成部92に供給する。なお、ブレンド比率αは、上述の式(2)において、Cur画の画素値Curを、LMC画の画素値Lmcに置き換えた式により与えられる。
【0105】
図11のフローチャートで示されるブレンド処理においても、図7のフローチャートで示されるブレンド処理と同様の作用効果を奏することができる。また、図10のMC画ブレンド処理部171においては、図6のMC画ブレンド処理部71と比較して、用いられるデータ(画像)の数が少なくなるので、図6のMC画ブレンド処理部71より、回路構成を簡単することが可能となる。
【0106】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等に、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0107】
図12は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0108】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)901,ROM(Read Only Memory)902,RAM(Random Access Memory)903は、バス904により相互に接続されている。
【0109】
バス904には、さらに、入出力インタフェース905が接続されている。入出力インタフェース905には、キーボード、マウス、マイクロホン等よりなる入力部906、ディスプレイ、スピーカ等よりなる出力部907、ハードディスクや不揮発性のメモリ等よりなる記憶部908、ネットワークインタフェース等よりなる通信部909、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等のリムーバブルメディア911を駆動するドライブ910が接続されている。
【0110】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU901が、例えば、記憶部908に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース905およびバス904を介して、RAM903にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0111】
コンピュータ(CPU901)が実行するプログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリ等よりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア911に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
【0112】
そして、プログラムは、リムーバブルメディア911をドライブ910に装着することにより、入出力インタフェース905を介して、記憶部908にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部909で受信し、記憶部908にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM902や記憶部908に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0113】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0114】
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0115】
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0116】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0117】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【符号の説明】
【0118】
11 画像処理装置, 31 ローカル動き補償処理部, 32 グローバル動き補償処理部, 33 MC画ブレンド処理部, 34 加算判定部, 35 加算処理部, 53 差分算出部, 54 閾値処理部, 55 BMC画生成部, 91 ブレンド比率決定部, 92 BMC画生成部
【技術分野】
【0001】
本技術は、画像処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体に関し、特に、照度変化に対しても高品質なノイズ低減画像を生成することができるようにする画像処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像装置によって撮像された画像に対するノイズ低減手法として、ブロック単位のローカル動きベクトルを用いて生成されたローカル動き補償画像(LMC画)と、画像全体のグローバル動きベクトルを用いて生成されたグローバル動き補償画像(GMC画)とを、それぞれの信頼度に応じて合成したブレンド動き補償画像(BMC画)を用いて、ノイズ低減画像を生成するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2010−147985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した手法においては、撮像環境において照度が変化した場合にノイズの強度が変化することが考慮されておらず、このよう場合、LMC画とGMC画とを正しく合成することができず、正確なBMC画が得られなくなる恐れがあった。その結果、ノイズ低減画像の品質が低下してしまう恐れがあった。
【0005】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、照度変化に対しても高品質なノイズ低減画像を生成することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の一側面の画像処理装置は、基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルを検出し、前記ローカル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像を生成するローカル動き補償処理部と、前記ローカル動きベクトルを用いて、前記基準画像と前記参照画像との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルを算出し、前記グローバル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことでグローバル動き補償画像を生成するグローバル動き補償処理部と、画像の輝度値に対するノイズ強度に応じて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することでブレンド動き補償画像を生成するブレンド処理部とを備える。
【0007】
前記ブレンド処理部には、前記基準画像の画素の画素値と、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値との差分絶対値が、前記ノイズ強度に基づいて設定された閾値より大きいか否かを判定する閾値処理部と、前記差分絶対値が前記閾値より大きいか否かに応じて、前記ブレンド動き補償画像の画素の画素値を、前記ローカル動き補償画像または前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とすることで、前記ブレンド動き補償画像を生成するブレンド動き補償画像生成部とを設けることができる。
【0008】
前記ブレンド動き補償画像生成部には、前記差分絶対値が前記閾値より大きいと判定された場合、前記ブレンド動き補償画像の画素の画素値を、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値とさせ、前記差分絶対値が前記閾値より大きくないと判定された場合、前記ブレンド動き補償画像の画素の画素値を、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とさせることができる。
【0009】
前記ブレンド処理部には、前記ノイズ強度に基づいて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値との合成に用いるブレンド比率を決定するブレンド比率決定部と、前記ブレンド比率に基づいて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することで、前記ブレンド動き補償画像を生成するブレンド動き補償画像生成部とを設けることができる。
【0010】
本技術の一側面の画像処理方法は、基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルを検出し、前記ローカル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像を生成するローカル動き補償処理部と、前記ローカル動きベクトルを用いて、前記基準画像と前記参照画像との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルを算出し、前記グローバル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことでグローバル動き補償画像を生成するグローバル動き補償処理部と、画像の輝度値に対するノイズ強度に応じて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することでブレンド動き補償画像を生成するブレンド処理部とを備える画像処理装置の画像処理方法であって、前記画像処理装置が、基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルを検出し、前記ローカル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像を生成し、前記ローカル動きベクトルを用いて、前記基準画像と前記参照画像との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルを算出し、前記グローバル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことでグローバル動き補償画像を生成し、画像の輝度値に対するノイズ強度に応じて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することでブレンド動き補償画像を生成するステップを含む。
【0011】
本技術の一側面のプログラムおよび一側面の記録媒体に記録されるプログラムは、基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルを検出し、前記ローカル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像を生成するローカル動き補償処理ステップと、前記ローカル動きベクトルを用いて、前記基準画像と前記参照画像との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルを算出し、前記グローバル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことでグローバル動き補償画像を生成するグローバル動き補償処理ステップと、画像の輝度値に対するノイズ強度に応じて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することでブレンド動き補償画像を生成するブレンド処理ステップとを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0012】
本技術の一側面においては、基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルが検出され、ローカル動きベクトルを用いて参照画像の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像が生成され、ローカル動きベクトルを用いて、基準画像と参照画像との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルが算出され、グローバル動きベクトルを用いて参照画像の動き補償を行うことでグローバル動き補償画像が生成され、画像の輝度値に対するノイズ強度に応じて、ローカル動き補償画像の画素の画素値と、グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することでブレンド動き補償画像が生成される。
【発明の効果】
【0013】
本技術の一側面によれば、照度変化に対しても高品質なノイズ低減画像を生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本技術を適用した画像処理装置の一実施の形態の機能構成例を示すブロック図である。
【図2】MC画ブレンド処理部の第1の構成例を示すブロック図である。
【図3】ノイズ低減処理について説明するフローチャートである。
【図4】図2のMC画ブレンド処理部によるブレンド処理について説明するフローチャートである。
【図5】輝度値に対するノイズ強度について説明する図である。
【図6】MC画ブレンド処理部の第2の構成例を示すブロック図である。
【図7】図6のMC画ブレンド処理部によるブレンド処理について説明するフローチャートである。
【図8】MC画ブレンド処理部の第3の構成例を示すブロック図である。
【図9】図8のMC画ブレンド処理部によるブレンド処理について説明するフローチャートである。
【図10】MC画ブレンド処理部の第4の構成例を示すブロック図である。
【図11】図10のMC画ブレンド処理部によるブレンド処理について説明するフローチャートである。
【図12】コンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本技術の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.画像処理装置の構成
2.MC画ブレンド処理部の第1の構成例
3.ノイズ低減処理とブレンド処理について
4.MC画ブレンド処理部の第2の構成例とブレンド処理
5.MC画ブレンド処理部の第3の構成例とブレンド処理
6.MC画ブレンド処理部の第4の構成例とブレンド処理
【0016】
<1.画像処理装置の構成>
図1は、本技術を適用した画像処理装置の一実施の形態の構成を示している。
【0017】
図1の画像処理装置11は、例えば、図示せぬ撮像装置から供給(入力)されてくる基準画像(以下、Cur画という)に対して、そのCur画に含まれるノイズを低減するノイズ低減処理を施し、その結果得られたノイズ低減画像(以下、NR画という)を、図示せぬ記憶装置や表示装置等に供給する。画像処理装置11に入力される画像は、時間的に連続した複数のフレームからなる動画像であるものとする。なお、画像処理装置11は、それ自身がデジタルカメラ等の撮像装置に設けられるようにしてもよい。
【0018】
図1の画像処理装置11は、ローカル動き補償処理部31、グローバル動き補償処理部32、MC画ブレンド処理部33、加算判定部34、加算処理部35、およびフレームメモリ36から構成される。
【0019】
ローカル動き補償処理部31は、注目しているフレームとしてのCur画と、ノイズ低減処理において参照される参照画像としての、フレームメモリ36からの1フレーム前のNR画とから、これらの画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルLMVを検出し、グローバル動き補償処理部32に供給する。具体的には、ローカル動き補償処理部31は、Cur画のブロックと、対応するNR画のブロックとの位置合わせを行うことで、ブロック単位のローカル動きベクトルLMVを求める。
【0020】
また、ローカル動き補償処理部31は、検出したブロック単位のローカル動きベクトルLMVを用いてNR画の動き補償を行うことで、NR画をブロック単位でCur画に位置合わせしたローカル動き補償画像(以下、LMC画という)を生成し、MC画ブレンド処理部33に供給する。
【0021】
グローバル動き補償処理部32は、ローカル動き補償処理部31からのローカル動きベクトルLMVを用いてNR画の動き補償を行うことで、NR画を画像全体でCur画に位置合わせしたグローバル動き補償画像(以下、GMC画という)を生成し、MC画ブレンド処理部33に供給する。具体的には、グローバル動き補償処理部32は、ローカル動き補償処理部31からのローカル動きベクトルLMVを用いて、Cur画とNR画との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルGMVを検出し、そのグローバル動きベクトルGMVを用いてNR画の動き補償を行うことで、GMC画を生成する。
【0022】
ローカル動き補償処理部31によって生成されるLMC画は、局所的な動きがある場合でも正しく位置合わせされるが、画像全体の位置合わせの精度は低いという性質を持つ。また、グローバル動き補償処理部32によって生成されるGMC画は、画像全体の位置合わせの精度は高いが、局所的な動きは考慮されないという性質を持つ。
【0023】
そこで、MC画ブレンド処理部33は、2つの動き補償画像(MC画)、すなわち、ローカル動き補償処理部31からのLMC画と、グローバル動き補償処理部32からのGMC画とを合成して、局所的な動きがある部分はLMC画で、また、局所的な動きがない部分はGMC画で構成されるブレンド動き補償画像(以下、BMC画という)を生成し、加算判定部34および加算処理部35に供給する。具体的には、MC画ブレンド処理部33は、撮像装置から供給される画像に含まれる、イメージセンサ由来のノイズの強度に応じて、LMC画とGMC画とを合成して、BMC画を生成する。
【0024】
加算判定部34は、Cur画およびMC画ブレンド処理部33からのBMC画に基づいて、加算処理部35で用いられる加算重みを画素毎で算出する。具体的には、加算判定部34は、BMC画の加算重みを0乃至1の値で画素毎に設定した加算マップを生成し、加算処理部35に供給する。
【0025】
加算処理部35は、加算判定部34からの加算マップを用いて、Cur画とBMC画とを画素毎に加算することで、NR画を生成する。具体的には、加算処理部35は、加算判定部34からの加算マップに基づいて、Cur画とBMC画との加重平均を画素毎に算出することで、NR画を生成し、図示せぬ記憶装置や表示装置等に出力するとともに、フレームメモリ36に保持(記憶)させる。
【0026】
フレームメモリ36は、加算処理部35からのNR画を1フレーム遅延させ、ノイズ低減処理が済んだ前フレームのNR画として、ローカル動き補償処理部31およびグローバル動き補償処理部32に供給する。
【0027】
<2.MC画ブレンド処理部の第1の構成例>
次に、図2を参照して、MC画ブレンド処理部33の第1の構成例について説明する。
【0028】
図3のMC画ブレンド処理部33は、フィルタ処理部51、フィルタ処理部52、差分算出部53、閾値処理部54、およびBMC画生成部55から構成される。
【0029】
フィルタ処理部51は、Cur画に対してフィルタ処理を施し、差分算出部53に供給する。具体的には、フィルタ処理部51は、メディアンフィルタやローパスフィルタ、メディアンフィルタとローパスフィルタとの組み合わせのフィルタ等を用いて、Cur画に対してフィルタ処理を施す。
【0030】
フィルタ処理部52は、GMC画に対してフィルタ処理を施し、差分算出部53に供給する。具体的には、フィルタ処理部52は、フィルタ処理部51と同様に、メディアンフィルタやローパスフィルタ、メディアンフィルタとローパスフィルタとの組み合わせのフィルタ等を用いて、GMC画に対してフィルタ処理を施す。
【0031】
差分算出部53は、フィルタ処理部51によってフィルタ処理が施されたCur画と、フィルタ処理部52によってフィルタ処理が施されたGMC画の、画素毎の画素値の差分値を算出し、得られた差分値の絶対値(差分絶対値)を、閾値処理部54に供給する。なお、以下においては、Cur画の画素値とGMC画の画素値の差分絶対値を、単に、差分値ともいう。
【0032】
閾値処理部54は、差分算出部53からの画素毎の差分値が、輝度値に対するノイズ強度に基づいて設定された閾値より大きいか否かを判定し、その判定結果を、BMC画生成部55に供給する。
【0033】
BMC画生成部55は、閾値処理部54からの判定結果に応じて、GMC画またはLMC画のいずれかを画素毎に選択することで、BMC画を生成し、加算判定部34および加算処理部35に供給する。
【0034】
<3.ノイズ低減処理とブレンド処理について>
次に、図3および図4のフローチャートを参照して、図1の画像処理装置11によるノイズ低減処理、および、図2のMC画ブレンド処理部33によるブレンド処理について説明する。
【0035】
[ノイズ低減処理について]
まず、図3のフローチャートを参照して、図1の画像処理装置11によるノイズ低減処理について説明する。
【0036】
ステップS11において、ローカル動き補償処理部31は、Cur画とフレームメモリ36からのNR画とから、ブロック毎に、ローカル動きベクトルLMVを検出し、グローバル動き補償処理部32に供給する。
【0037】
ステップS12において、ローカル動き補償処理部31は、ローカル動きベクトルLMVを用いてNR画の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像(LMC画)を生成し、MC画ブレンド処理部33に供給する。
【0038】
ステップS13において、グローバル動き補償処理部32は、ローカル動き補償処理部31からのローカル動きベクトルLMVを用いてNR画の動き補償を行うことで、グローバル動き補償画像(GMC画)を生成し、MC画ブレンド処理部33に供給する。
【0039】
ステップS14において、MC画ブレンド処理部33は、ブレンド処理を実行することで、ローカル動き補償処理部31からのLMC画と、グローバル動き補償処理部32からのGMC画とを合成して、ブレンド動き補償画像(BMC画)を生成し、加算判定部34および加算処理部35に供給する。なお、ブレンド処理の詳細は後述する。
【0040】
ステップS15において、加算判定部34は、Cur画およびMC画ブレンド処理部33からのBMC画に基づいて、加算マップを生成し、加算処理部35に供給する。
【0041】
ステップS16において、加算処理部35は、加算判定部34からの加算マップに基づいて、Cur画とBMC画との加重平均を画素毎に算出することで、ノイズ低減画像(NR画)を生成し、図示せぬ記憶装置や表示装置等に出力するとともに、フレームメモリ36に保持(記憶)させる。
【0042】
以上のようにして、ノイズを低減したノイズ低減画像が出力される。
【0043】
[ブレンド処理について]
次に、図4のフローチャートを参照して、図3のフローチャートのステップS14におけるブレンド処理について説明する。
【0044】
ステップS31において、フィルタ処理部51は、Cur画に対してフィルタ処理を施し、差分算出部53に供給する。
【0045】
ステップS32において、フィルタ処理部52は、GMC画に対してフィルタ処理を施し、差分算出部53に供給する。
【0046】
このように、Cur画およびGMC画に対してフィルタ処理を施すことにより、それぞれの画像に含まれるノイズを抑制することができる。なお、ステップS31およびステップS32の処理は、並列して実行されてもよい。
【0047】
ステップS33において、差分算出部53は、フィルタ処理部51によってフィルタ処理が施されたCur画と、フィルタ処理部52によってフィルタ処理が施されたGMC画の、画素毎の差分値(差分絶対値)を算出し、閾値処理部54に供給する。なお、ステップS33以降の処理は、画素単位で実行される。
【0048】
ステップS34において、閾値処理部54は、差分算出部53からの画素毎の差分値が、予め求められた、輝度値に対するノイズ強度に基づいて設定された閾値より大きいか否かを判定する。
【0049】
図5は、図示せぬ撮像装置によって得られる画像の、輝度値に対するノイズ強度を示している。
【0050】
図5において、横軸は、画素の輝度値を示しており、縦軸は、ノイズ強度を示している。ノイズ強度は、画素によってばらつきを持っているので、画像全体おける画素毎のノイズ強度の分布を予め求め、そのノイズ強度の分布に基づいて、図5に示されるノイズ強度が得られる。
【0051】
なお、ノイズ強度は、R,G,Bの3チャンネルの輝度値(輝度信号)について与えられるものであり、図5に示されるノイズ強度は、例えばG信号についてのノイズ強度を示しているものとする。
【0052】
すなわち、閾値処理部54は、注目している画素位置の、Cur画における画素の輝度値(例えばG信号)に基づいて、図5に示される関係から、その輝度値に対応するノイズ強度を閾値に設定する。そして、閾値処理部54は、その閾値と、差分算出部53からの画素毎の差分値とを比較し、差分値が閾値より大きいか否かを判定する。
【0053】
差分値が閾値より大きい場合、Cur画の画素値とGMC画の画素値の差分値(差分絶対値)には、ノイズだけでなく、画像自体の差異が含まれているということができる。つまり、この場合、注目している画素は、局所的に動きがある部分の画素ということができる。
【0054】
一方、差分値が閾値より大きくない場合、Cur画の画素値とGMC画の画素値の差分値(差分絶対値)には、ノイズのみが含まれているということができる。つまり、この場合、注目している画素は、局所的に動きがない部分の画素ということができる。
【0055】
したがって、ステップS34において、差分値が閾値より大きいと判定された場合、すなわち、その画素が局所的に動きがある部分の画素である場合、処理はステップS35に進み、BMC画生成部55は、LMC画の画素の画素値を、対応するBMC画の画素の画素値とする。
【0056】
一方、ステップS34において、差分値が閾値より大きくないと判定された場合、すなわち、その画素が局所的に動きがない部分の画素である場合、処理はステップS36に進み、BMC画生成部55は、GMC画の画素の画素値を、対応するBMC画の画素の画素値とする。
【0057】
ステップS37において、BMC画生成部55は、全ての画素について処理したか、すなわち、GMC画またはLMC画のいずれかが画素毎に選択されることで、BMC画が生成されたか否かを判定する。
【0058】
ステップS37において、全ての画素について処理していないと判定された場合、処理はステップS33に戻り、これ以降の処理が繰り返される。
【0059】
一方、ステップS37において、全ての画素について処理したと判定された場合、BMC画生成部55は、生成したBMC画を、加算判定部34および加算処理部35に供給して、ブレンド処理は終了する。その後、処理は、図3のフローチャートのステップS14に戻る。
【0060】
以上の処理によれば、Cur画とGMC画の差分絶対値が算出され、その差分絶対値が、ノイズ強度に応じて設定される閾値より大きいか否かが判定され、その判定結果に応じて、GMC画またはLMC画のいずれかが画素毎に選択されて、BMC画が生成されるようになる。したがって、撮像環境において照度が変化した場合であっても、そのときの輝度値に対応するノイズ強度に応じて、LMC画とGMC画とを正しく合成することができ、正確なBMC画を得ることが可能となる。結果として、照度変化に対しても高品質なノイズ低減画像を生成することができる。
【0061】
なお、ノイズ強度に応じて設定される閾値は、上述したように、輝度値に対応するノイズ強度の値そのものであってもよいし、ノイズ強度の値に所定の係数を乗じる等して調整した値であってもよい。
【0062】
<4.MC画ブレンド処理部の第2の構成例とブレンド処理>
[MC画ブレンド処理部の第2の構成例]
次に、図6を参照して、MC画ブレンド処理部の第2の構成例について説明する。
【0063】
図6のMC画ブレンド処理部71は、フィルタ処理部51、フィルタ処理部52、ブレンド比率決定部91、およびBMC画生成部92から構成される。
【0064】
なお、図6のMC画ブレンド処理部71において、図2のMC画ブレンド処理部33に設けられたものと同様の機能を備える構成については、同一名称および同一符号を付するものとし、その説明は省略する。
【0065】
すなわち、ブレンド比率決定部91は、フィルタ処理部51からのCur画、フィルタ処理部52からのGMC画、および輝度値に対するノイズ強度に基づいて、BMC画生成部92におけるGMC画とLMC画の合成に用いられるブレンド比率を決定し、そのブレンド比率を表す情報をBMC画生成部92に供給する。
【0066】
BMC画生成部92は、ブレンド比率決定部91からのブレンド比率を表す情報に基づいて、GMC画とLMC画とを合成(ブレンド)することで、BMC画を生成する。
【0067】
[ブレンド処理について]
ここで、図7のフローチャートを参照して、図6のMC画ブレンド処理部71によるブレンド処理について説明する。
【0068】
なお、図7のフローチャートのステップS51,S52の処理は、図4のフローチャートのステップS31,S32の処理とそれぞれ同様であるので、その説明は省略する。
【0069】
すなわち、ステップS53において、ブレンド比率決定部91は、フィルタ処理部51からのCur画、フィルタ処理部52からのGMC画、および、図5を参照して説明した輝度値に対するノイズ強度に基づいて、画素毎に、GMC画とLMC画のブレンド比率を決定し、そのブレンド比率を表す情報をBMC画生成部92に供給する。
【0070】
ここで、GMC画、LMC画、BMC画の画素の画素値をそれぞれGmc、Lmc、Bmcとし、BMC画の画素値BmcにおけるGMC画の画素値Gmcの割合(ブレンド比率)をα(0≦α≦1)とすると、ブレンド処理の結果得られるBMC画の画素値Bmcは、以下の式(1)で表わされる。
【0071】
Bmc=α×Gmc+(1−α)×Lmc
・・・(1)
【0072】
ここで、輝度値は1チャンネルしかないものとして、Cur画の画素の画素値をCurとすると、ブレンド比率αは、以下の式(2)で与えられる。
【0073】
【数1】
・・・(2)
【0074】
なお、式(2)において、σは、上述したノイズ強度の分布の標準偏差を表す。
【0075】
式(2)によれば、ブレンド比率αは、ノイズ成分を含んでいる可能性のあるCur画の画素値とGMC画の画素値との差分が小さいほど、1に近い値をとり、その差分が大きいほど、0に近い値をとる。
【0076】
しかしながら、上述したように、輝度値は、実際にはR,G,Bの3チャンネルあるので、それぞれについてのブレンド比率を、αR,αG,αBとした場合、ブレンド比率αを、以下の式(3)のように表すこととする。
【0077】
α=min(αR,αG,αB)
・・・(3)
【0078】
なお、min(a,b,c)は、a,b,cの中の最小値を表す。
【0079】
以上のようにしてブレンド比率αが決定される。
【0080】
ステップS54において、BMC画生成部92は、ブレンド比率決定部91からのブレンド比率を表す情報に基づいて、上述の式(1)に従って、対応するBMC画の画素の画素値を求める。
【0081】
ステップS55において、BMC画生成部92は、全ての画素について処理したか、すなわち、BMC画の画素の画素値が求められることで、BMC画が生成されたか否かを判定する。
【0082】
ステップS55において、全ての画素について処理していないと判定された場合、処理はステップS53に戻り、これ以降の処理が繰り返される。
【0083】
一方、ステップS55において、全ての画素について処理したと判定された場合、BMC画生成部92は、生成されたBMC画を、加算判定部34および加算処理部35に供給して、ブレンド処理は終了する。
【0084】
以上の処理によれば、Cur画とGMC画の差分値およびノイズ強度に基づいて、ブレンド比率が決定され、そのブレンド比率に応じてGMC画とLMC画とが合成されてBMC画が生成されるようになる。したがって、撮像環境において照度が変化した場合であっても、そのときの輝度値に対応するノイズ強度に応じて、LMC画とGMC画とを正しく合成することができ、正確なBMC画を得ることが可能となる。結果として、照度変化に対しても高品質なノイズ低減画像を生成することができる。
【0085】
また、以上の処理によれば、生成されたBMC画において、画素毎にCur画とGMC画とが切り替わることがないため、画像のグラデーション部分での階調の劣化を防ぐことが可能となる。
【0086】
以上においては、Cur画、LMC画、およびGMC画を用いて、BMC画を生成する構成について説明してきたが、以下においては、Cur画を用いず、LMC画およびGMC画を用いて、BMC画を生成する構成について説明する。
【0087】
<5.MC画ブレンド処理部の第3の構成例とブレンド処理>
[MC画ブレンド処理部の第3の構成例]
まず、図8を参照して、MC画ブレンド処理部の第3の構成例について説明する。
【0088】
図8のMC画ブレンド処理部131は、フィルタ処理部52、閾値処理部54、BMC画生成部55、フィルタ処理部151、および差分算出部152から構成される。
【0089】
なお、図8のMC画ブレンド処理部131において、図2のMC画ブレンド処理部33に設けられたものと同様の機能を備える構成については、同一名称および同一符号を付するものとし、その説明は省略する。
【0090】
すなわち、フィルタ処理部151は、LMC画に対してフィルタ処理を施し、差分算出部152に供給する。具体的には、フィルタ処理部151は、メディアンフィルタやローパスフィルタ、メディアンフィルタとローパスフィルタとの組み合わせのフィルタ等を用いて、LMC画に対してフィルタ処理を施す。
【0091】
差分算出部152は、フィルタ処理部151によってフィルタ処理が施されたLMC画と、フィルタ処理部52によってフィルタ処理が施されたGMC画の、画素毎の画素値の差分値を算出し、算出した差分値の絶対値(差分絶対値)を、閾値処理部54に供給する。
【0092】
[ブレンド処理について]
次に、図9のフローチャートを参照して、図8のMC画ブレンド処理部131によるブレンド処理について説明する。
【0093】
なお、図9のフローチャートのステップS132,S134乃至137の処理は、図4のフローチャートのステップS32,S34乃至37の処理とそれぞれ同様であるので、その説明は省略する。
【0094】
すなわち、ステップS131において、フィルタ処理部151は、LMC画に対してフィルタ処理を施し、差分算出部152に供給する。
【0095】
また、ステップS133において、差分算出部152は、フィルタ処理部151によってフィルタ処理が施されたLMC画と、フィルタ処理部52によってフィルタ処理が施されたGMC画の、画素毎の差分値(差分絶対値)を算出し、閾値処理部54に供給する。
【0096】
図9のフローチャートで示されるブレンド処理においても、図4のフローチャートで示されるブレンド処理と同様の作用効果を奏することができる。また、図8のMC画ブレンド処理部131においては、図2のMC画ブレンド処理部33と比較して、用いられるデータ(画像)の数が少なくなるので、図2のMC画ブレンド処理部33より、回路構成を簡単することが可能となる。
【0097】
<6.MC画ブレンド処理部の第4の構成例とブレンド処理>
[MC画ブレンド処理部の第4の構成例]
次に、図10を参照して、MC画ブレンド処理部の第4の構成例について説明する。
【0098】
図10のMC画ブレンド処理部171は、フィルタ処理部52、BMC画生成部92、フィルタ処理部151、およびブレンド比率決定部191から構成される。
【0099】
なお、図10のMC画ブレンド処理部171において、図6のMC画ブレンド処理部71に設けられたものと同様の機能を備える構成については、同一名称および同一符号を付するものとし、その説明は省略する。また、フィルタ処理部151は、図8のMC画ブレンド処理部131に設けられたものと同一であるので、その説明も省略する。
【0100】
すなわち、ブレンド比率決定部191は、フィルタ処理部151からのLMC画、フィルタ処理部52からのGMC画、および、輝度値に対するノイズ強度に基づいて、BMC画生成部92におけるGMC画とLMC画の合成に用いられるブレンド比率を決定し、そのブレンド比率を表す情報をBMC画生成部92に供給する。
【0101】
[ブレンド処理について]
次に、図11のフローチャートを参照して、図10のMC画ブレンド処理部171によるブレンド処理について説明する。
【0102】
なお、図11のフローチャートのステップS152,S154,S155の処理は、図7のフローチャートのステップS52,S54,S55の処理とそれぞれ同様であるので、その説明は省略する。
【0103】
すなわち、ステップS151において、フィルタ処理部151は、LMC画に対してフィルタ処理を施し、ブレンド比率決定部191に供給する。
【0104】
また、ステップS153において、ブレンド比率決定部191は、フィルタ処理部151からのLMC画、フィルタ処理部52からのGMC画、および、図5を参照して説明した輝度値に対するノイズ強度に基づいて、画素毎に、GMC画とLMC画のブレンド比率を決定し、そのブレンド比率を表す情報をBMC画生成部92に供給する。なお、ブレンド比率αは、上述の式(2)において、Cur画の画素値Curを、LMC画の画素値Lmcに置き換えた式により与えられる。
【0105】
図11のフローチャートで示されるブレンド処理においても、図7のフローチャートで示されるブレンド処理と同様の作用効果を奏することができる。また、図10のMC画ブレンド処理部171においては、図6のMC画ブレンド処理部71と比較して、用いられるデータ(画像)の数が少なくなるので、図6のMC画ブレンド処理部71より、回路構成を簡単することが可能となる。
【0106】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等に、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0107】
図12は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0108】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)901,ROM(Read Only Memory)902,RAM(Random Access Memory)903は、バス904により相互に接続されている。
【0109】
バス904には、さらに、入出力インタフェース905が接続されている。入出力インタフェース905には、キーボード、マウス、マイクロホン等よりなる入力部906、ディスプレイ、スピーカ等よりなる出力部907、ハードディスクや不揮発性のメモリ等よりなる記憶部908、ネットワークインタフェース等よりなる通信部909、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等のリムーバブルメディア911を駆動するドライブ910が接続されている。
【0110】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU901が、例えば、記憶部908に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース905およびバス904を介して、RAM903にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0111】
コンピュータ(CPU901)が実行するプログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリ等よりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア911に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
【0112】
そして、プログラムは、リムーバブルメディア911をドライブ910に装着することにより、入出力インタフェース905を介して、記憶部908にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部909で受信し、記憶部908にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM902や記憶部908に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0113】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0114】
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0115】
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0116】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0117】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【符号の説明】
【0118】
11 画像処理装置, 31 ローカル動き補償処理部, 32 グローバル動き補償処理部, 33 MC画ブレンド処理部, 34 加算判定部, 35 加算処理部, 53 差分算出部, 54 閾値処理部, 55 BMC画生成部, 91 ブレンド比率決定部, 92 BMC画生成部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルを検出し、前記ローカル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像を生成するローカル動き補償処理部と、
前記ローカル動きベクトルを用いて、前記基準画像と前記参照画像との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルを算出し、前記グローバル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことでグローバル動き補償画像を生成するグローバル動き補償処理部と、
画像の輝度値に対するノイズ強度に応じて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することでブレンド動き補償画像を生成するブレンド処理部と
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記ブレンド処理部は、
前記基準画像の画素の画素値と、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値との差分絶対値が、前記ノイズ強度に基づいて設定された閾値より大きいか否かを判定する閾値処理部と、
前記差分絶対値が前記閾値より大きいか否かに応じて、前記ブレンド動き補償画像の画素の画素値を、前記ローカル動き補償画像または前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とすることで、前記ブレンド動き補償画像を生成するブレンド動き補償画像生成部とを備える
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ブレンド動き補償画像生成部は、前記差分絶対値が前記閾値より大きいと判定された場合、前記ブレンド動き補償画像の画素の画素値を、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値とし、前記差分絶対値が前記閾値より大きくないと判定された場合、前記ブレンド動き補償画像の画素の画素値を、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とする
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記ブレンド処理部は、
前記ノイズ強度に基づいて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値との合成に用いるブレンド比率を決定するブレンド比率決定部と、
前記ブレンド比率に基づいて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することで、前記ブレンド動き補償画像を生成するブレンド動き補償画像生成部とを備える
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルを検出し、前記ローカル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像を生成するローカル動き補償処理部と、
前記ローカル動きベクトルを用いて、前記基準画像と前記参照画像との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルを算出し、前記グローバル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことでグローバル動き補償画像を生成するグローバル動き補償処理部と、
画像の輝度値に対するノイズ強度に応じて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することでブレンド動き補償画像を生成するブレンド処理部と
を備える画像処理装置の画像処理方法であって、
前記画像処理装置が、
基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルを検出し、前記ローカル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像を生成し、
前記ローカル動きベクトルを用いて、前記基準画像と前記参照画像との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルを算出し、前記グローバル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことでグローバル動き補償画像を生成し、
画像の輝度値に対するノイズ強度に応じて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することでブレンド動き補償画像を生成する
ステップを含む画像処理方法。
【請求項6】
基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルを検出し、前記ローカル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像を生成するローカル動き補償処理ステップと、
前記ローカル動きベクトルを用いて、前記基準画像と前記参照画像との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルを算出し、前記グローバル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことでグローバル動き補償画像を生成するグローバル動き補償処理ステップと、
画像の輝度値に対するノイズ強度に応じて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することでブレンド動き補償画像を生成するブレンド処理ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項7】
基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルを検出し、前記ローカル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像を生成するローカル動き補償処理ステップと、
前記ローカル動きベクトルを用いて、前記基準画像と前記参照画像との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルを算出し、前記グローバル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことでグローバル動き補償画像を生成するグローバル動き補償処理ステップと、
画像の輝度値に対するノイズ強度に応じて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することでブレンド動き補償画像を生成するブレンド処理ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるプログラムが記録されている記録媒体。
【請求項1】
基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルを検出し、前記ローカル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像を生成するローカル動き補償処理部と、
前記ローカル動きベクトルを用いて、前記基準画像と前記参照画像との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルを算出し、前記グローバル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことでグローバル動き補償画像を生成するグローバル動き補償処理部と、
画像の輝度値に対するノイズ強度に応じて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することでブレンド動き補償画像を生成するブレンド処理部と
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記ブレンド処理部は、
前記基準画像の画素の画素値と、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値との差分絶対値が、前記ノイズ強度に基づいて設定された閾値より大きいか否かを判定する閾値処理部と、
前記差分絶対値が前記閾値より大きいか否かに応じて、前記ブレンド動き補償画像の画素の画素値を、前記ローカル動き補償画像または前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とすることで、前記ブレンド動き補償画像を生成するブレンド動き補償画像生成部とを備える
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ブレンド動き補償画像生成部は、前記差分絶対値が前記閾値より大きいと判定された場合、前記ブレンド動き補償画像の画素の画素値を、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値とし、前記差分絶対値が前記閾値より大きくないと判定された場合、前記ブレンド動き補償画像の画素の画素値を、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とする
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記ブレンド処理部は、
前記ノイズ強度に基づいて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値との合成に用いるブレンド比率を決定するブレンド比率決定部と、
前記ブレンド比率に基づいて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することで、前記ブレンド動き補償画像を生成するブレンド動き補償画像生成部とを備える
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルを検出し、前記ローカル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像を生成するローカル動き補償処理部と、
前記ローカル動きベクトルを用いて、前記基準画像と前記参照画像との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルを算出し、前記グローバル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことでグローバル動き補償画像を生成するグローバル動き補償処理部と、
画像の輝度値に対するノイズ強度に応じて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することでブレンド動き補償画像を生成するブレンド処理部と
を備える画像処理装置の画像処理方法であって、
前記画像処理装置が、
基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルを検出し、前記ローカル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像を生成し、
前記ローカル動きベクトルを用いて、前記基準画像と前記参照画像との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルを算出し、前記グローバル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことでグローバル動き補償画像を生成し、
画像の輝度値に対するノイズ強度に応じて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することでブレンド動き補償画像を生成する
ステップを含む画像処理方法。
【請求項6】
基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルを検出し、前記ローカル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像を生成するローカル動き補償処理ステップと、
前記ローカル動きベクトルを用いて、前記基準画像と前記参照画像との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルを算出し、前記グローバル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことでグローバル動き補償画像を生成するグローバル動き補償処理ステップと、
画像の輝度値に対するノイズ強度に応じて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することでブレンド動き補償画像を生成するブレンド処理ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項7】
基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルであるローカル動きベクトルを検出し、前記ローカル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、ローカル動き補償画像を生成するローカル動き補償処理ステップと、
前記ローカル動きベクトルを用いて、前記基準画像と前記参照画像との間の画像単位の動きベクトルであるグローバル動きベクトルを算出し、前記グローバル動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことでグローバル動き補償画像を生成するグローバル動き補償処理ステップと、
画像の輝度値に対するノイズ強度に応じて、前記ローカル動き補償画像の画素の画素値と、前記グローバル動き補償画像の画素の画素値とを合成することでブレンド動き補償画像を生成するブレンド処理ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるプログラムが記録されている記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−74571(P2013−74571A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213867(P2011−213867)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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