説明

画像処理装置及びその制御方法、プログラム、並びに記憶媒体

【課題】画像再生時に自動で最適な画像効果を挿入することができる技術の実現。
【解決手段】画像処理装置は、記録媒体に記録されている複数の画像データを再生する再生手段と、複数の再生項目を含み、再生項目ごとに順序が指定されている再生制御情報を記憶する記憶手段と、前記複数の再生項目に対して前記記録媒体に記録されている画像データを割り当てる割り当て手段と、前記再生手段により再生される画像データに対して画像効果を付加する画像処理手段と、前記割り当て手段により割り当てられた再生項目に従って前記再生項目ごとに指定された順序で画像データを再生するように前記再生手段を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記画像データが割り当てられている再生項目より後の順番の再生項目に画像データが割り当てられていない場合、次に画像データが割り当てられている再生項目の順番までの間に画像効果を付加しないように前記画像処理手段を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像再生時に画像効果を付加する画像処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、運動会や結婚式等の画像を撮影し、記録する機器として、デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラ等が広く普及している。また、上記の機器には、画像効果(映像効果、BGM効果など)を自動で挿入して再生する機能などがあり、ユーザは作品のような演出を容易に実現させることができる。
【0003】
一方、特許文献1では、撮影するイベント(運動会や結婚式等)に対して記録すべき画像(挨拶のシーン、入場シーンなど)リストを撮影機器が提供し、ユーザがリストに記載の項目を記録するだけで、プロが用意するような画像(素材)を作ることできる。そして、リスト通りに画像を再生することにより、プロが作るような場面構成や再生順となり、作品らしさを演出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−078868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記項目切り替え時に、適切な画像効果を自動で挿入することで、より作品らしさを演出して再生することができる。ここで、自動で適切な画像効果を挿入するためには、それぞれの項目の切り替えに合った画像効果を用意し、項目の切り替えごとに用意した画像効果を挿入する必要がある。しかし、項目の切り替えごとに画像効果を挿入すると、次に再生する項目に画像が割り当てられていない場合に、画像があることを前提に画像効果を挿入することになるため、項目の切り替え時に挿入される画像効果が必ずしも適切であるとは限らない。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、画像再生時に自動で最適な画像効果を挿入することができる技術を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明の画像処理装置は、記録媒体に記録されている複数の画像データを再生する再生手段と、複数の再生項目を含み、再生項目ごとに順序が指定されている再生制御情報を記憶する記憶手段と、前記複数の再生項目に対して前記記録媒体に記録されている画像データを割り当てる割り当て手段と、前記再生手段により再生される画像データに対して画像効果を付加する画像処理手段と、前記割り当て手段により割り当てられた再生項目に従って前記再生項目ごとに指定された順序で画像データを再生するように前記再生手段を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記画像データが割り当てられている再生項目より後の順番の再生項目に画像データが割り当てられていない場合、次に画像データが割り当てられている再生項目の順番までの間に画像効果を付加しないように前記画像処理手段を制御する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像再生時に自動で最適な画像効果を挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態の画像処理装置のブロック図(a)及び外観図(b)、(c)。
【図2】実施形態1のシナリオ構成ファイル(a)及びシナリオ管理ファイルを例示する図(b)。
【図3】実施形態1のシナリオ撮影モード時の表示画面を例示する図。
【図4】実施形態1の再生モード時の表示画面を例示する図。
【図5】実施形態1のシナリオ再生処理を示すフローチャート。
【図6】実施形態2のシナリオ再生処理を示すフローチャート。
【図7】実施形態1のシナリオ再生手順(a)及び実施形態2のシナリオ再生手順(b)を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、後述する各実施形態の一部を適宜組み合わせて構成しても良い。
【0011】
[実施形態1]以下に、本発明の画像処理装置をデジタルビデオカメラに適用した例について説明する。
【0012】
<装置構成>図1を参照して、本実施形態のデジタルビデオカメラ(以下、ビデオカメラ)の構成について説明する。
【0013】
このビデオカメラは、動画撮影モードの1つとして「シナリオ撮影モード」を備える。「シナリオ撮影モード」とは、選んだテーマに応じてビデオカメラが案内する撮影シナリオに沿って撮影するだけで、本格的な映像作品を簡単に作れるモードである。ここで、テーマとしては、“旅行”や“運動会”や“卒業式”等が例に挙げられる。また、撮影シナリオとは、テーマに対して撮影すべき項目のリストであり、例えば、テーマが“旅行”である場合は、“旅のプランを紹介”“移動中の風景あれこれ”、“いただきます”などが挙げられる。本実施形態において、ある撮影シナリオに沿って撮影した一連の動画を作品と呼び、また「シナリオ撮影モード」においての撮影をシナリオ撮影と呼び、シナリオ撮影時の処理については後述する。
【0014】
CPU109は、プログラム・データ記憶部110からプログラムを読み込み、これに従ってビデオカメラ全体を統括して制御する。読み込まれたプログラムは、CPU109に複数のタスクを並列に実行させるための機能を備えており、CPU109の制御によって「モード制御タスク」、「カメラ制御タスク」、「レコーダ制御タスク」及び「表示制御タスク」が実行される。表示制御タスクを実行するCPU109が、表示制御部111としての機能を果たす。また、一時記憶部103の一部は、CPU109のワーク領域として機能し、後述する動画用フレームバッファ、OSD用フレームバッファを提供する。
【0015】
カメラ部101は、アナログ映像信号を入力する。カメラ部101は、被写体からの光を結像させるためのレンズ、レンズよって結像された被写体像を光電変換する撮像素子、撮像素子を駆動する回路等も含む。映像処理部102は、カメラ部101で入力されたアナログ映像信号をデジタルの動画データに変換し、適切に補正する。カメラ部101及び映像処理部102の動作は、CPU109が実行する上記カメラ制御タスクによって制御される。
【0016】
エンコーダ・デコーダ部104は、映像処理部102からの動画データを符号化する。エンコーダ・デコーダ部104によって符号化された動画データは、一時記憶部103に一旦記憶されたのち、付随する管理データとともに動画記憶部105に送出され、記録媒体116に記録される。動画再生時は反対に、動画記憶部105により記録媒体116から読み出された符号化された動画データ(画像データ)が一時記憶部103を介してエンコーダ・デコーダ部104で復号化され、再び一時記憶部103の動画用フレームバッファに展開される。エンコーダ・デコーダ部104及び動画記憶部105の制御は、CPU109が実行する上記レコーダ制御タスクによって制御される。
【0017】
動画記憶部105から読み出された管理データは、OSD(On Screen Display)データ、すなわち、撮影画像もしくは再生画像に重畳される文字表示やGUI(Graphical User Interface)の生成に利用される。そして、生成されたOSDデータは、一時記憶部103内のOSD用フレームバッファに描画される。
【0018】
動画用フレームバッファとOSD用フレームバッファの各内容は、表示制御部111で重畳されて、LCDパネル112に表示される。OSDデータに関する制御及び表示制御部111とLCDパネル112の制御は、CPU109が実行する上記表示制御タスクによって制御される。シナリオキー106、操作キー107、及びタッチパネル108はいずれもユーザによる操作指示を受け付けるための操作部である。
【0019】
図1(b)、(c)は、本実施形態のビデオカメラの外観図である。ビデオカメラは、カメラ部101(図1(a))を有する本体部114と、ヒンジによって本体部114に回動可能に取り付けられたバリアングルLCD部113と、バリアングルLCD部113の反対側面に、グリップ部115とを有する。
【0020】
LCDパネル112とタッチパネル108とは一体的に構成され、バリアングルLCD部113に配設される。例えば、光の透過率がLCDパネル112の表示を妨げないようにタッチパネル108を構成し、LCDパネル112の表示面の上層に取り付ける。そして、タッチパネル108における入力座標と、LCDパネル112上の表示座標とを対応付ける。これにより、あたかもユーザがLCDパネル112に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUIを構成することができる。
【0021】
また、CPU109は、タッチパネル108に対する以下の操作を検出できる。タッチパネル108を指やペンで触れたこと(以下、タッチダウン)。タッチパネル108を指やペンで触れている状態であること(以下、タッチオン)。タッチパネル108を指やペンで触れたまま移動していること(以下、ムーブ)。タッチパネル108へ触れていた指やペンを離したこと(以下、タッチアップ)。タッチパネル108に何も触れていない状態(以下、タッチオフ)。これらの操作や、タッチパネル108上に指やペンが触れている位置座標は、CPU109に通知され、CPU109は通知された情報に基づいてタッチパネル108上にどのような操作が行われたか否かを判定する。
【0022】
ムーブについては、タッチパネル108上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル108上の垂直成分・水平成分ごとに判定される。また、タッチパネル108上をタッチダウンから一定のムーブを経てタッチアップをしたとき、ストロークを描いたことと判定される。素早くストロークを描く操作をフリックと呼ぶ。フリックは、タッチパネル108上に指を触れたままある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作であり、言い換えればタッチパネル108上を指ではじくように素早くなぞる操作である。所定距離以上を、所定速度以上でムーブしたことが検出され、そのままタッチアップが検出されるとフリックが行われたと判定される。
【0023】
また、所定距離以上を、所定速度未満でムーブしたことが検出された場合はドラッグが行なわれたと判定される。
【0024】
CPU109によって実行される上記モード制御タスクは、次のように動作する。すなわち、操作部(シナリオキー106、操作キー107、タッチパネル108)からの指示、他タスクからの要求、あるいはモード制御タスク自身が管理する内部状態の変化に従って、ビデオカメラ全体の動作状態を遷移させ、各タスクへイベントを通知する。
【0025】
まず、通常撮影モードの処理を説明する。操作キー107により電源が投入されると、CPU109は各部を制御し、カメラ部101による撮影を開始すると共に、撮影された動画像信号を映像処理部102により処理させ、表示制御部111によりLCDパネル112に表示する。この撮影待機状態において、操作キー107より撮影開始の指示があると、CPU109は、エンコーダ・デコーダ部104に対して、一時記憶部103に記憶された動画信号を順次符号化するように制御指令を送出する。エンコーダ・デコーダ部104は、一時記憶部103から動画信号を読み出して符号化し、動画記憶部105に送出する。動画記憶部105は、符号化された動画信号を記録媒体116に記録する。このように動画記録を続け、操作キー107より撮影停止の指示を受けると、CPU109は、動画記憶部105に対して動画信号の記録を停止するように制御指令を送出する。本実施形態では、所定のファイルシステムに従い、撮影開始から撮影停止の指示を受けるまでの間に記録された一連の動画信号を1つの動画ファイルとして管理する。また、CPU109は、記録された動画ファイルに関連した管理ファイルを生成して動画記憶部105に送送出し、記録媒体116に記録する。
【0026】
次に、シナリオ撮影モードについて説明する。
【0027】
図2(a)は、作品を作成する(シナリオ撮影を実現する)上で基本となる情報(再生制御情報)から構成されるシナリオ構成ファイルの一例であり、本実施形態では、図2(a)のシナリオ構成ファイルが記録媒体116に記録されている。シナリオ構成ファイルとは、テーマ番号201、テーマ名202、撮影シナリオ番号203、撮影シナリオ名204、画像効果番号205の要素を持つ。そして、これらを関連付ける情報として、テーマ名202ごとに用意された撮影シナリオ名204、各テーマ名202に対応するテーマ番号201、各撮影シナリオ名204に対応する撮影シナリオ番号203及び画像効果番号205が存在する。撮影シナリオ番号203と撮影シナリオ名204は、基本的には1対1の関係であり、撮影シナリオ番号203は各テーマの再生をする際に撮影シナリオ名204に対応する映像をどの順序で再生させるかを示す。例えば、テーマ名202が旅行である場合には、“旅行のプランを紹介″、“移動中の風景あれこれ”、“いただきます”、“おやすみなさい”の順で再生される。ただし、撮影シナリオ番号203が0の時は、再生開始時の画像効果番号205の指定を示し、撮影シナリオ番号203が0の時に対応する撮影シナリオ名204は存在しない。
【0028】
図2(b)は、シナリオ撮影の状況(各作品の完成状況)を管理する管理情報で構成されるシナリオ管理ファイルを例示している。シナリオ管理ファイルには、作品番号206、テーマ番号207、撮影シナリオ番号208、映像番号209の要素がある。そして、テーマ番号207や撮影シナリオ番号208はシナリオ構成ファイルの情報を参照して作成され、CPU109によって記録媒体116に記録される。作品番号206は作品を区別するための番号であり、シナリオ管理ファイルに同一の作品番号が割り当てられることはない。映像番号209は、撮影シナリオ番号208に対応した映像は何番目のシーンが対応しているか、もしくは未撮影であることを記録する領域であり、1つの撮影シナリオ番号208に対して複数存在することもある。映像番号209は記録された各動画ファイルが識別可能な情報であればよく、例えばファイル名でもよい。作品番号206が1である場合を例にすると、作品のテーマ名は、運動会であり、“練習の様子”、“当日の朝”、“いよいよ本番”の撮影シナリオ名に対しては、映像が記録されていることを示す。また、テーマ名202が旅行である作品を新たに作成した際には、テーマ番号207が1、撮影シナリオ番号208が0〜5を持ち、作品番号206が4である作品が追記され、CPU109によって記録媒体116に記録される。
【0029】
図3は、通常撮影モード画面からシナリオ撮影モードで撮影するまでの画面遷移「(a)⇒(b)⇒(c)⇒(d)の順」を示している。
【0030】
図3(a)は、通常撮影モードにおける撮影待機状態において、LCDパネル112に表示される画面を例示している。LCDパネル112上部には、ビデオカメラ本体の情報である撮影時間情報302と録画状態情報(現在録画中か録画スタンバイ状態であるかを示す)303と残バッテリ情報301とがOSDで表示されている。画面上にはさらに、タッチボタンであるカメラFUNCボタン304、静止画撮影ボタン305、メニューボタン306がそれぞれOSDで表示されており、いずれもタッチによる操作が可能である。
【0031】
図3(b)は、作品を新規作成する場合のテーマ選択時にLCDパネル112に表示される画面を例示している。図3(a)の画面においてシナリオキー106が押されると、図3(b)の画面へ遷移し、モード制御タスクは通常撮影モードからシナリオ撮影モードへ切り替える。LCDパネル112上部には、画面タイトル307と残バッテリ情報301と、タッチボタンであるバツボタン308がOSDで表示され、バツボタン308はタッチによる操作が可能である。バツボタン308がタッチされると、図3(a)の画面に戻り、モード制御タスクはシナリオ撮影モードから通常撮影モードへ切り替える。また、画面上中央には、タッチボタンであるテーマ名ボタン309、310、311がOSDで表示されており、いずれもタッチによる操作が可能である。図3(a)において、ユーザは作成したい作品のテーマを選択することができる。テーマ名ボタン309,310または311がタッチされたら、図3(c)撮影シナリオ選択画面へ遷移する。なお、図3(b)のテーマ名ボタン309〜311上に表示されているテーマ名は、シナリオ構成ファイルに記載のテーマ名202の情報を基に表示される。さらに、図3(b)の画面上には、タッチボタンである矢印ボタン312、313がOSDで表示されており、いずれもタッチによる操作が可能である。矢印ボタン312、313がタッチされると、画面上に表示されているテーマを切り替わる。また、画面上にはタッチボタンである既存撮影テーマ選択ボタン314がOSDで表示されており、既存撮影テーマ選択ボタン314はタッチによる操作が可能である。既存撮影テーマ選択ボタン314がタッチされると、既存の作品を選択する画面へ遷移し、ユーザは続きから作品を作成することができる。既存撮影テーマが選択された場合、CPU109は、記録媒体116に記録された、図2(b)のシナリオ管理ファイルに基づいて、作成済みの各作品番号に対応したシナリオのテーマをLCDパネル112に表示する。ユーザは表示されたテーマから、撮影を継続する作品を選択する。
【0032】
図3(c)は、作品を新規作成する場合の撮影シナリオ選択時にLCDパネル112に表示される画面を例示し、図3(b)の画面において選択されたテーマに対応する撮影シナリオを選択する画面である。LCDパネル112上部には、画面タイトル307と残バッテリ情報301と、タッチボタンであるバツボタン308と戻るボタン315がOSDで表示されている。戻るボタン315がタッチされると図3(b)の画面へ戻り、バツボタン308がタッチされると図3(a)の画面に戻り、モード制御タスクはシナリオ撮影モードから通常撮影モードへ切り替える。また、画面上中央には、タッチボタンである撮影シナリオボタン316,317,318が表示されており、いずれもタッチよる操作が可能である。ユーザは、作成したい作品の撮影シナリオを選択することができる。また、撮影シナリオボタン316,317または318がタッチされると、図3(d)のシナリオ撮影モードの撮影画面に遷移する。なお、図3(b)の撮影シナリオは、シナリオ構成ファイルに記載された撮影シナリオ名204の情報を基に表示される。さらに、画面上には、タッチボタンである矢印ボタン319,320がOSDで表示されており、いずれもタッチによる操作が可能である。矢印ボタン319,320をタッチがタッチされると、画面上に表示されている撮影シナリオが切り替わる。また、図2(b)で既存撮影テーマが選択され、撮影を継続する作品が選択されると、CPU109は、図2のシナリオ管理ファイルとシナリオ構成ファイルに基づいて、図3(c)に示す様に、選択された作品のテーマに対応したシナリオをLCDパネル112に表示する。この際、撮影済みのシナリオについては、撮影済みであることを識別するための情報を付加して表示してもよい。
【0033】
図3(d)は、シナリオ撮影モード時にLCDパネル112に表示される画面を例示している。図3(c)からこの画面へ遷移した場合には、記録媒体116に記録されているシナリオ管理ファイルに新たな作品番号が追記される(映像番号209以外の情報が埋まる)。通常の撮影モードと異なり、選択されているテーマを示すテーマ名表示321と選択されている撮影シナリオを示す撮影シナリオ名表示322が表示されている。ここで、撮影シナリオ名表示322はタッチによる操作が可能であり、撮影シナリオ名表示322がタッチされると図3(c)の画面へ遷移し、ユーザは撮影シナリオを選び直すことができる。この場合、新たに生成された作品番号206、旅行に対応するテーマ番号207、テーマが旅行であり、移動中の風景あれこれに対応する撮影シナリオ番号208に対応する映像番号209の欄に、今回記録した映像の映像番号209が追記される。また、既存撮影テーマが選択されていた場合、新たに撮影された映像の映像番号が、シナリオ管理ファイルにおいて、選択された作品番号206における撮影シナリオ番号208に対応づけて記録される。
【0034】
図4は、再生モードの選択画面からシナリオを再生するまでの画面遷移を例示している。
【0035】
図4(a)は、再生モード選択時にLCDパネル112に表示される画面を例示している。LCDパネル112上部には、画面タイトル401と残バッテリ情報301がOSDで表示されている。また、画面上中央には、再生モード選択ボタンである、動画インデックスボタン402、静止画インデックスボタン404、シナリオ再生ボタン403がOSDで表示されており、いずれもタッチ可能なタッチボタンである。動画インデックスボタン402がタッチされると、撮影した動画の一覧を表示する画面へ切り替わり、静止画インデックスボタン404がタッチされると、撮影した静止画の一覧を表示する画面へ切り替わる。また、シナリオ再生ボタンがタッチされると、図4(b)に示す撮影した作品の一覧を表示する画面へ切り替わる。
【0036】
図4(b)は、シナリオ再生における再生テーマ選択時にLCDパネル112に表示される画面を例示している。LCDパネル112上部には、画面タイトル401と残バッテリ情報301がOSDで表示されている。また、画面上中央には、撮影した作品を示す作品再生ボタン407、408、409がOSDで表示されており、いずれもタッチ可能なタッチボタンである。作品再生ボタン407、408、409がタッチされると、タッチされた作品に対応する撮影シナリオがシナリオ管理情報をもと順番に再生される(以下、シナリオ再生)。
【0037】
図5は、CPU109により実行されるシナリオ再生時の処理を示している。なお、本処理は、CPU109が、プログラム・データ記憶部110から制御プログラムを読み出し、ワーク領域としての一時記憶部103の一部に展開して実行することにより実現され、特に言及しない場合、処理の主体はCPU109である。
【0038】
図5において、ステップS501では、再生対象である作品番号に対しての管理情報をシナリオ管理ファイルから取得する。ここで取得する管理情報は、テーマ番号201と撮影シナリオ番号203と映像番号209である。
【0039】
ステップS502では、再生されている映像はどの撮影シナリオ番号に対応しているのかを示す撮影シナリオ変数の初期化処理を行い、初期値として0を代入する。
【0040】
ステップS503では、再生開始時に画像効果を付加するか判定を行う。ここで再生開始の画像効果を付加する条件は、先頭の撮影シナリオ(撮影シナリオ番号208が1)に対応する映像番号209が存在し、ステップS501で取得したテーマ番号201と撮影シナリオ変数に対応した画像効果番号205が存在する場合とする。なお、画像効果番号205は図2(a)のシナリオ構成ファイルから取得する。条件にあてはまる場合はステップS504に移り、条件にあてはまらない場合にはステップS505へ移行する。
【0041】
ステップS504では、ステップS501で取得したテーマ番号201と撮影シナリオ変数に対応した画像効果番号205の画像効果が挿入され、ステップS505へ移行する。
【0042】
ステップS505では、撮影シナリオ変数に1加算する処理を行う。
【0043】
ステップS506では、ステップS505において1加算された撮影シナリオ変数が作品内の最後の撮影シナリオ番号より大きいか判定する。撮影シナリオ変数が最後のシナリオ番号より大きい場合は、これ以降に再生できる映像番号はないので、本処理を終了し、最後の撮影シナリオ番号より小さい場合には、ステップS507へ移行する。
【0044】
ステップS507では、撮影シナリオ変数に対応する映像番号209が存在するか判定し、対応する映像番号209が存在しない場合には、ステップS505、S506の処理を行い、次の(1増加した際の)撮影シナリオ変数に対応する処理を行う。また、対応する映像番号209が存在する場合には、ステップS508の処理を行い、対応する映像番号209の再生を行う。ここで、対応する映像番号209が複数ある場合には、複数の映像番号209を連続して再生し、最後の再生を開始した時点でステップS509の処理を行う。なお、複数の映像番号209に対応する映像のうち、後から撮影された方を選択して再生する構成でもよい。また、複数の映像番号209に対応する映像のうちユーザが選択した何れか1つの映像を再生する構成としてもよい。
【0045】
ステップS509では、次の撮影シナリオ変数に対応する映像番号209が存在するか判定し、存在する場合にはステップS510へ移行し、存在しない場合にはステップS513の処理を再生が終了するまで繰り返す。
【0046】
ステップS510では、撮影シナリオ変数に対応した画像効果番号205が存在するか判定し、存在する場合にはステップS511へ移行し、存在しない場合にはステップS513の処理を再生が終了するまで繰り返す。
【0047】
ステップS511では、現在再生中のシナリオに対応した映像の再生残り時間が2秒以下であるか判定し、再生残り時間が2秒以下になるまで、ステップS511の処理を繰り返し、再生残り時間が2秒以下になった場合には、ステップS512へ移行する。
【0048】
ステップS512では、撮影シナリオ変数に対応した画像効果番号205の画像効果を再生されている映像に挿入し、ステップS513へ移行する。
【0049】
ステップS513では、画像効果または映像の再生が終了するまで待ち、終了した場合ステップS505に戻り、次の撮影シナリオ変数に対して処理を行う。
【0050】
図7(a)は、実施形態1のシナリオ再生手順であって、シナリオ管理ファイルの作品番号206が1である作品を再生した状態を例示している。
【0051】
本実施形態のシナリオ再生のように、ある再生項目(撮影シナリオ)に対して映像を割り当てることができ、その再生項目の順序に従って再生する際に、次の再生項目に対して映像が割り当てられていない場合には画像効果を挿入しない。そして、映像が割り当てられている再生項目までジャンプし、その映像を再生する。そのため、再生項目の切り替わり時に不要な画像効果が挿入されず、自動で最適な画像効果の挿入を行うことができる。
【0052】
[実施形態2]実施形態2として、次の撮影シナリオに対して映像が割り当てられていない場合、どの画面の切り替わりにも合うような標準的な画像効果をデフォルトの画像効果として挿入させる処理を説明する。装置構成は、実施形態1と同様であり、シナリオ再生時の処理が異なっている。
【0053】
図6は、実施形態2におけるシナリオ再生処理を示すフローチャートである。上記実施形態1と異なる部分は、ステップS509、S510の処理である。本実施形態では、撮影シナリオ変数に対応した映像番号209が存在しない場合、または、撮影シナリオ変数に対応した画像効果番号205が存在しない場合に、ステップS601、S602の処理を行う。ステップS601の処理では、再生中の映像の残り再生時間が2秒以下になるまで、S601の処理を繰り返し、2秒以下になったら、ステップS602の処理を行い、予め設定したデフォルトの画像効果を再生している映像に対して挿入する。
【0054】
図7(b)は、実施形態2のシナリオ再生手順であって、シナリオ管理ファイルの作品番号206が1である作品を再生した状態を例示している。画像効果0は、予め設定したデフォルトの画像効果とする。
【0055】
本実施形態のシナリオ再生のように、ある再生項目(撮影シナリオ)に対して映像を割り当てることができ、その再生項目の順序に従って再生する際に、次の再生項目に対して映像が割り当てられていない場合にはデフォルトの画像効果を挿入する。そして、映像が割り当てられている再生項目までジャンプし、その映像を再生する。そのため、どのような再生項目の切り替わりにも合う標準的な画像効果が挿入され、再生項目の切り替わり時に不要な画像効果が挿入されず、自動で最適な画像効果の挿入を行うことができる。
【0056】
[他の実施形態]本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に記録されている複数の画像データを再生する再生手段と、
複数の再生項目を含み、再生項目ごとに順序が指定されている再生制御情報を記憶する記憶手段と、
前記複数の再生項目に対して前記記録媒体に記録されている画像データを割り当てる割り当て手段と、
前記再生手段により再生される画像データに対して画像効果を付加する画像処理手段と、
前記割り当て手段により割り当てられた再生項目に従って前記再生項目ごとに指定された順序で画像データを再生するように前記再生手段を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記画像データが割り当てられている再生項目より後の順番の再生項目に画像データが割り当てられていない場合、次に画像データが割り当てられている再生項目の順番までの間に画像効果を付加しないように前記画像処理手段を制御することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
記録媒体に記録されている複数の画像データを再生する再生手段と、
複数の再生項目を含み、再生項目ごとに順序が指定されている再生制御情報を記憶する記憶手段と、
前記複数の再生項目に対して前記記録媒体に記録されている画像データを割り当てる割り当て手段と、
前記再生手段により再生される画像データに対して画像効果を付加する画像処理手段と、
前記再生項目ごとに指定された順序で前記割り当て手段により割り当てられた再生項目に従って前記再生項目ごとに指定された順序で画像データを再生するように前記再生手段を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記画像データが割り当てられている再生項目より後の順番の再生項目に画像データが割り当てられていない場合、次に画像データが割り当てられている再生項目の順番までの間に所定の画像効果を付加するように前記画像処理手段を制御することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
予め用意された再生項目に従って画像を撮影し、記録する撮影手段を更に有し、
前記画像データは動画データであり、
前記再生制御情報は、予め選択された再生項目に応じて動画のそれぞれのシーンを撮影する際の案内となる情報を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記画像データが割り当てられている再生項目より後の順番の再生項目に画像データが割り当てられている場合、前記再生手段により再生されている画像データが割り当てられている前記再生項目に対応した画像効果を、前記再生されている画像データに付加するように、前記画像処理手段を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
記録媒体に記録されている複数の画像データを再生する再生手段と、
複数の再生項目を含み、再生項目ごとに順序が指定されている再生制御情報を記憶する記憶手段と、
前記複数の再生項目に対して前記記録媒体に記録されている画像データを割り当てる割り当て手段と、
前記再生手段により再生される画像データに対して画像効果を付加する画像処理手段と、を有する画像処理装置の制御方法であって、
前記再生項目ごとに指定された順序で前記割り当て手段により割り当てられた再生項目に従って前記再生項目ごとに指定された順序で画像データを再生するように前記再生手段を制御する制御工程を有し、
前記制御工程では、前記画像データが割り当てられている再生項目より後の順番の再生項目に画像データが割り当てられていない場合、次に画像データが割り当てられている再生項目の順番までの間に画像効果を付加しないように前記画像処理手段を制御することを特徴とする制御方法。
【請求項6】
記録媒体に記録されている複数の画像データを再生する再生手段と、
複数の再生項目を含み、再生項目ごとに順序が指定されている再生制御情報を記憶する記憶手段と、
前記複数の再生項目に対して前記記録媒体に記録されている画像データを割り当てる割り当て手段と、
前記再生手段により再生される画像データに対して画像効果を付加する画像処理手段と、を有する画像処理装置の制御方法であって、
前記再生項目ごとに指定された順序で前記割り当て手段により割り当てられた再生項目に従って前記再生項目ごとに指定された順序で画像データを再生するように前記再生手段を制御する制御工程を有し、
前記制御工程では、前記画像データが割り当てられている再生項目より後の順番の再生項目に画像データが割り当てられていない場合、次に画像データが割り当てられている再生項目の順番までの間に所定の画像効果を付加するように前記画像処理手段を制御することを特徴とする制御方法。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラムを記憶したコンピュータによる読み取りが可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−98587(P2013−98587A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236475(P2011−236475)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】