画像処理装置及び画像処理装置の制御方法
【課題】ユーザーが利用する可能性の高いモードに素早く復帰することが可能となると共に、利用しない可能性の高いデバイスへの給電を行わない画像処理装置及び画像処理装置の制御方法を提供する。
【解決手段】本発明の画像処理装置は、異なる複数の動作モードをとることができ、かつ、省電力状態となるスリープモードに移行することができ、所定の動作モードを記憶する動作モード記憶手段と、スリープモードを解除する契機となる原稿の検出を行う原稿検出手段と、該原稿検出手段によってユーザー操作が検出されると、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードに応じて、画像処理装置を構成する複数のデバイスのうちどのデバイスを起動するかを選択する起動デバイス選択手段と、を有することを特徴とする。
【解決手段】本発明の画像処理装置は、異なる複数の動作モードをとることができ、かつ、省電力状態となるスリープモードに移行することができ、所定の動作モードを記憶する動作モード記憶手段と、スリープモードを解除する契機となる原稿の検出を行う原稿検出手段と、該原稿検出手段によってユーザー操作が検出されると、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードに応じて、画像処理装置を構成する複数のデバイスのうちどのデバイスを起動するかを選択する起動デバイス選択手段と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、「スキャンモード」、「コピーモード」、「ファクシミリ送信モード」、「外部記憶媒体プリントモード」などのモードを備える画像処理装置に関連し、スリープ状態(節電状態)の解除する際に、スリープモードに移行する直前に設定されたモードを参照してユーザーの利便性を向上させた画像処理装置及び画像処理装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナ及びプリンタを備えたデジタル複合機(以下、単に複合機という)と呼ばれる装置がある。この複合機では、スキャナが原稿画像を読み取るスキャナ機能、プリンタが印刷を行う印刷機能、及びスキャナが読み取った原稿画像をプリンタが印刷するコピー機能などを備える。近年、この複合機にさらにファクシミリの送受信機能を備えたものが登場している。
【0003】
ところでコピー機やプリンタなどの画像処理装置においては、節電モード、スリープモードといった省電力待機状態をとるモードが知られている。このようなモードを複合機に設ける試みもなされており、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能を備える複合機における省電力モード(スリープモード)については、例えば、特許文献1(特開2003−167484号公報)には、複写機能と、プリンタ機能と、ファクシミリ機能と、スキャナ機能とを有する複合装置において、第1の動作群に含まれる動作の終了から第1の所定時間が経過すると自動的に第1の節電状態に移行する第1のオート節電手段と、前記第1の所定時間を計時する第1のタイマーと、前記第1の動作群の動作があると前記第1のタイマーをクリアする第1のタイマークリア手段と、第2の動作群に含まれる動作の終了から第2の所定時間が経過すると自動的に第2の節電状態にする第2のオート節電手段と、前記第2の所定時間を計時する第2のタイマーと、前記第2の動作群の動作があると前記第2のタイマーをクリアする第2のタイマークリア手段とを有することを特徴とする複合装置が開示されている。
【特許文献1】特開2003−167484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複合機がスリープ状態(節電状態)を解除する契機となるのは、ユーザーによるスリープ状態解除ボタンの押下操作や、接続されるパーソナルコンピュータからのデータ入力、ファクシミリ受信などがある。従来の複合機においては、このようなイベントをトリガーとしてウエイクアップしていた。
【0005】
ところで、近年複合機においては、USBメモリなどの外部記憶媒体からのプリントモードを備えるようなものが登場している。このようなUSBメモリを複合機に挿入することなども、スリープ状態(節電状態)を解除する契機となり得る。また、ユーザーが原稿台に原稿を載置使用とする動作や、原稿をADF(Automatic Document Feeder)にセットする動作なども契機となり得る。しかしながら、従来の複合機においてはこのような契機を活用するものではなかった。
【0006】
また、複合機は「スキャンモード」、「コピーモード」、「ファクシミリ送信モード」、「外部記憶媒体プリントモード」などの各モードを備えるものである。複合機がスリープ状態などの省電力モードを解除する場合には、複合機がどのようなモードにあるのか(あったのか)などを考慮した上で、ウエイクアップするように設定されていれば、必要なデバイスのみをウエイクアップさせたりして不要な電力を用いることもなく、ユーザーが利用していたモードに素早く復帰できたりしてユーザーの利便性も向上することなどができることが十分考えられる。ところが、特許文献1に記載されるような従来の複合装置においてはこのようなことが全く考慮されておらず問題であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような問題に対処するために、本発明の画像処理装置は、異なる複数の動作モードをとることができ、かつ、省電力状態となるスリープモードに移行することができ、所定の動作モードを記憶する動作モード記憶手段と、スリープモードを解除する契機となる原稿の検出を行う原稿検出手段と、該原稿検出手段によってユーザー操作が検出されると、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードに応じて、画像処理装置を構成する複数のデバイスのうちどのデバイスを起動するかを選択する起動デバイス選択手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の画像処理装置は、所定の動作モードとは、スリープモード移行直前に有効になっている動作モードであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の画像処理装置は、所定の動作モードとは、ユーザーによって設定されるデフォルトモードであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の画像処理装置は、所定の動作モードとは、スリープモードに移行する前にユーザーによって最後に選択された動作モードであることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の画像処理装置は、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがスキャンモードであるときには、該起動デバイス選択手段はスキャナ部と操作パネル部とを選択することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の画像処理装置は、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがコピーモードであるときには、該起動デバイス選択手段はプリンタ部とスキャナ部と操作パネル部とを選択することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の画像処理装置は、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがファクシミリ送信モードであるときには、該起動デバイス選択手段はスキャナ部とファクシミリ送信部と操作パネル部とを選択することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の画像処理装置は、外部記憶媒体の挿入を検出する外部記憶媒体検出手段と、挿入された外部記憶媒体中に印刷データが存在するか否かを判定する印刷データ存否判定手段とを有し、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがプリントモードであるときで、該印刷データ存否判定手段によって印刷データが存在すると判定されたときには、該起動デバイス選択手段はプリンタ部と操作パネル部とを選択することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の画像処理装置は、外部記憶媒体の挿入を検出する外部記憶媒体検出手段と、挿入された外部記憶媒体中に印刷データが存在するか否かを判定する印刷データ存否判定手段とを有し、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがプリントモードであるときで、該印刷データ存否判定手段によって印刷データが存在しないと判定されたときには、該起動デバイス選択手段は操作パネル部を選択することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の画像処理装置は、外部記憶媒体の挿入を検出する外部記憶媒体検出手段を有し、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがプリントモードであるときで、該外部記憶媒体検出手段によって外部記憶媒体が検出されなかったときには、該起動デバイス選択手段は操作パネル部を選択することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の画像処理装置の制御方法は、異なる複数の動作モードをとることができ、かつ、省電力状態となるスリープモードに移行することができる画像処理装置を制御する方法であって、スリープモードを解除する契機となる原稿の検出を行うと、所定の動作モードに応じて、画像処理装置を構成する複数のデバイスのうちどのデバイスを起動するかを選択するように制御することを特徴とする。
【0018】
本発明の画像処理装置及び画像処理装置の制御方法によれば、スリープモードを解除する際、スリープモードに移行する直前に設定されたモードを参照することによって、画像処理装置を構成する複数のデバイスのうちどのデバイスを起動するかを選択するので、ユーザーが利用する可能性の高いモードに素早く復帰することが可能となると共に、利用しない可能性の高いデバイスへの給電を行わないことで省電力化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態においては画像処理装置として複合機を例にとり説明するが、本発明はこのような複合機に限らず、プリンタ部とスキャナ部と操作パネル部とを有する構成に適用可能なものである。
【0020】
図1は本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)及びその周辺のシステム構成を示す図である。図1において、10はLAN、WANなどのネットワーク、20は電話回線、100は複合機、110は複合機の主制御を行う制御部、120はファクシミリ文書の送受信を行うファクシミリ部、130は記録媒体への印刷を行うプリンタ部、140は原稿の読み取りを行うスキャナ部、150はユーザーとのインターフェイスとなる操作パネル部、160はネットワークI/F、170はUSB I/F、200、200’、200’’はパーソナルコンピュータ、300は外部機器をそれぞれ示している。なお、本明細書においては、ファクシミリ部120、プリンタ部130、スキャナ部140、操作パネル部150それぞれをデバイスなどと称することもある。
【0021】
図1に示されるファクシミリ装置(複合機)周辺のシステムでは、クライアントなどのパーソナルコンピュータ200、200’、200’’と複合機100とが、ネットワーク10を介して接続される構成となっている。また、複合機100のファクシミリ部120が電話回線20と、USB I/F170が、USBメモリ、携帯電話やデジタルカメラなどの外部機器300と接続されるような構成とされている。複合機100には、適当なコネクタが設けられており、USBメモリ、携帯電話やデジタルカメラなどの外部機器300のコネクタへの挿入は検出可能に構成される。
【0022】
複合機100は、情報処理装置からなる複合機本体の主制御を行う制御部110と、ユーザーの入力操作を受け付ける入出力装置である操作パネル部150と、原稿・画像をスキャンしてカラーで読み込むスキャナ部140と、印刷用紙等に印刷を行うプリンタ部130と、ファクシミリ送受信を行うファクシミリ部120とを備える。つまり、複合機100は、スキャナ機能、印刷機能、スキャナ機能と印刷機能を組み合わせたコピー機能及びファクシミリ送受信機能を備えるものである。
【0023】
複合機100の情報処理機構は、いずれも例えば汎用的なコンピュータシステムにより構成され、個々の構成要素または機能は、例えば、記憶手段に書き込まれたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0024】
スキャナ部140は、原稿を載置可能な不図示の原稿台とこれを読み取る光学系からなる。スキャナ部140の原稿台には、原稿台に載置した原稿のサイズを検知することができる原稿サイズ検知センサが設けられている。また、複合機100には、スキャナ部140に自動的に連続的に原稿を送致する構成であるADF(Automatic Document Feeder)を設けるようにしておいてもよい。
【0025】
原稿台には不図示の原稿台カバーが設けられており、当該原稿台カバーの開閉を検出することできるように構成される。また、ADFを備えるような場合には、ADFに原稿がセットされたことを検出することができるように構成される。このような原稿台カバーの開閉の検出、ADFにおける原稿セットの検出は、ともに「原稿検出」として定義するものとする。なお、これらの検出のためのセンサなどに係る技術についてはいずれも従来周知のものを用いることができる。
【0026】
スキャナ部140によって読み取られた制御部110の不図示の記憶手段に一度取り込まれる。操作パネル部150などからの指定によって制御部110は、スキャナ部140で読み取られた原稿画像データを、そのまま、或いは設定された倍率でプリンタ部130から紙出力したり(複合機100のコピー機能)、ファクシミリ部120から電話回線を通じて送信したり(複合機100のファクシミリ機能)、ネットワークI/F160、ネットワーク10を介して、パーソナルコンピュータ200、200’、200’’に向けて送信したり(複合機100のスキャナ機能)する。
【0027】
コピー機能を利用するときの複合機100のモードを「コピーモード」と定義し、ファクシミリ機能のうちファクシミリ送信機能を利用するときの複合機100のモードを「ファクシミリ送信モード」と定義し、スキャナ機能を利用するときの複合機100のモードを「スキャンモード」と定義する。
【0028】
プリンタ部130は、記録用紙上に画像を形成するものであり、レーザーやLEDラインヘッドによって感光体上に潜像を形成する方式を採用した電子写真方式や、記録用紙上に直接インクを射出する方式を採用したインクジェット方式などの周知のハードウエア構成を用いることができる。制御部110は、操作パネル部150やパーソナルコンピュータ200、200’、200’’或いは、携帯電話、デジタルカメラなどの外部機器300からの指示に基づいて、プリンタ部130に所定の紙出力を行わせるものである。すなわち、プリンタ部130は、スキャナ部140によって読み取られた画像データやファクシミリ部210で受信されたファクシミリデータや、パーソナルコンピュータ200、200’、200’’のアプリケーションソフトウエアからのデータや外部機器300からの画像データなどを紙出力するものである。
【0029】
ファクシミリ部120は、電話回線20と接続されていて、ファクシミリの送受信を行うファクシミリ送受信部(不図示)と、ファクシミリ送受信部が送信するための送信データを一時記憶する送信バッファ及びファクシミリ送受信部が受信した受信データを一時記憶する受信バッファを構成するためのファクシミリ部用のメモリを備えている。
【0030】
また、ファクシミリ部120は、電話回線20からファクシミリ送信されてきたデータを受信すると、その受信データを一旦格納する。そして、格納された受信データは、制御部110へ送られて、プリンタ部130で印刷される。ファクシミリ部120は、複合機100内の他の構成とは独立にファクシミリ送受信を行う。つまり、ファクシミリ部120は、複合機100から送信データを受け付けると、複合機100とは独立にファクシミリ送信を行うし、電話回線20からファクシミリデータが送信されてくれば、それを受信する。
【0031】
複合機100のコピー機能は、ユーザーの操作パネル部150の操作によって制御部110に設定される。操作パネル部150からは、コピー機能に係るコピー倍率の設定、原稿画像サイズの設定、出力用紙のサイズの設定を行うことができ、制御部110はこれらの設定に基づいて、複合機100のコピー機能を実行する。複合機100のコピー機能は、スキャナ部140にて読み取った原稿の原稿画像データに、コピー倍率処理を施し、これをプリンタ部130で指定されたサイズの用紙に紙出力する。
【0032】
複合機100は、上記のような機能に加えて、外部機器300に記憶されるファイルから直接的にプリンタ部130でプリントを行うプリントモードを備えている。このような外部機器300から直接プリントする機能を利用するときの複合機100のモードを「外部記憶媒体プリントモード」と定義する。当該モードでは、制御部110は、USB I/F170に接続されるUSBメモリ、携帯電話やデジタルカメラなどの外部機器300に記憶されるファイル・データを取り込んで、これをプリンタ部130でプリントアウトする。
【0033】
なお、外部記憶媒体プリントモードのうちの特殊なモードとして、複合機100を直接制御可能なUSB機器によって、複合機100の制御を行いつつ、プリンタ部130でプリントアウトを実行するモードである「直接制御印刷可能USB機器モード」(ピクトブリッジ対応機器印刷モード:「ピクトブリッジ」は登録商標。)も本発明の画像処理装置は備えるものである。このようなモードにおいては、外部機器300からの制御に基づいて、外部機器300と制御部110が協働して、プリントのパラメーターなどを決定した上でプリンタ部130におけるプリントを行う。
【0034】
操作パネル部150のハードウエアは、操作に係わる表示を行うLCDからなる表示部と、指などによる押圧で入力が行えるタッチパネル部とから概略構成される。これらの表示部とタッチパネル部とは重ねて構成されており、ユーザーは表示部の表示を参照しつつ、指でタッチパネル部を操作することで複合機100の各種設定を行うことができるようになっている。タッチパネル部による入力機構、表示部による表示機構の具体的な構成については、周知の技術を用いることができる。この操作パネル部150で行うことができるのは、複合機100のファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能、外部記憶媒体プリント機能といった各種機能の選択、画像のプレビュー表示、節電モードへの移行、などである。
【0035】
次に、操作パネル部150における各モードの初期画面表示について説明する。複合機100のモードには基本的なものとして、「スキャンモード」、「外部記憶媒体プリントモード」、「ファクシミリ送信モード」、「コピーモード」の各モードがある。
【0036】
図2は本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)のスキャンモードの初期画面表示例を示す図である。操作パネル部150におけるスキャンモードの初期画面表示では、スキャナ部140で読み込んだ画像データの保存先を「USBメモリ」、「PCフォルダ」、「e−mail」の中から選択することができる。なお、ここでUSBメモリは、本発明における「外部記憶媒体」の一つの例のことである。
【0037】
図3は本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)の外部記憶媒体プリントモードの初期画面表示例を示す図である。操作パネル部150におけるプリントモードの初期画面表示においては「USBメモリ」などの外部記憶媒体からの印刷が指定可能となるほか、パスワードによる認証印刷の待機画面としても利用される。
【0038】
図4は本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)のファクシミリ送信モードの初期画面表示例を示す図である。操作パネル部150におけるファクシミリ送信モードの初期画面表示では、ファクシミリ送信先「宛先」の指定が促される。また、「基本設定」、「機能」、「応用」などのタブを選択することによって、詳細な設定が可能となる。
【0039】
図5は本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)のコピーモードの初期画面表示例を示す図である。操作パネル部150におけるコピーモードの初期画面表示では、コピーの部数の入力などが促される。また、「基本設定」、「機能」、「応用1」、「応用2」などのタブを選択することによって、詳細な設定が可能となる。
【0040】
次に本発明の画像処理装置におけるスリープモードについて説明する。なお、本発明のスリープモードとは消費電力を、通常の待機状態より減少させたモードであり、節電モードや省電力モードなどと考えることもできる。
【0041】
本発明の画像処理装置(複合機100)におけるスリープモードは、プリンタ部130、スキャナ部140、操作パネル部150それぞれのデバイス毎に設定されているものである。それぞれのスリープモードは、例えば、以下のように定義することができるが、このような定義は種々の態様が考えられることはいうまでもない。
プリンタ部130スリープモード:定着部のパワーオフ、モーター制御部への通電をオフ、など。
スキャナ部140のスリープモード:原稿照射用ランプ制御部、イメージセンサ制御部、キャリッジモータ制御部への通電オフ、など。
操作パネル部150のスリープモード:バックライト消灯、など。
ファクシミリ部102のスリープモード:ファクシミリ受信用回路を除く全ての回路への通電をオフ、など。
【0042】
次に、複合機100のデフォルトモードについて説明する。以上、説明したとおり、複合機100は「スキャンモード」、「コピーモード」、「ファクシミリ送信モード」、「外部記憶媒体プリントモード」などの各モードを備えるものであるが、それぞれのユーザーは主として利用するモードが比較的に固定しているものである。すなわち、あるユーザーは複合機100を、コピー機中心で利用し、また別のユーザーはファクシミリ機中心として利用する、といったような利用形態となることが多い。そこで、「デフォルトモード」への復帰(或いは、移行)という概念を採用すると複合機100の利便性が高まる。図6は本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)におけるデフォルトモードの概念を説明する図である。
【0043】
「デフォルトモード」とは、複合機100の電源オン時や、あるモード使用後所定時間操作しなかった場合に復帰するモードで、ユーザーが「スキャンモード」、「コピーモード」、「ファクシミリ送信モード」、「外部記憶媒体プリントモード」のうちから一つ設定して登録しておくことが可能なモードである。図6は、複合機100がユーザーによって選択されたモードから、所定時間経過後にデフォルトモードに復帰、移行するイメージを示したものである。
【0044】
なお、本発明は、このような「デフォルトモード」を備えない画像処理装置(或いは、積極的にデフォルトモードを利用しない画像処理装置)にも、備える画像処理装置の双方に適用することができる。
【0045】
図7は、デフォルトモードに移行後にスリープモードに入る画像処理装置のシーケンスを示す図であり、図8は各モードからスリープモードに入る画像処理装置のシーケンスを示す図である。
【0046】
図7について時間経過順にみてみると、ユーザーによって選択されたいずれかのモードから、所定時間操作がない場合には、デフォルトモードに移行する。このデフォルトモードは、ユーザーが設定した「スキャンモード」、「コピーモード」、「ファクシミリ送信モード」、「外部記憶媒体プリントモード」のいずれかのモードである。
【0047】
複合機100に対する操作やプリントデータ入力がないまま所定の時間が経過すると、スリープモードに移行する。ユーザーによる操作パネル部150の操作やパーソナルコンピュータ200、200’、200’’からの入力によって、スリープ状態が解除される。
【0048】
次に、図8について時間経過順にみてみる。ユーザーによって選択された「スキャンモード」、「コピーモード」、「ファクシミリ送信モード」、「外部記憶媒体プリントモード」のいずれかのモードから、所定時間操作がない場合には、複合機100はスリープモードへと移行することとなる。ユーザーによる操作パネル部150の操作やパーソナルコンピュータ200、200’、200’’からの入力によって、スリープ状態が解除される。
【0049】
本発明は以上のような構成の複合機100におけるスリープモードの解除に関し、特に、原稿台やADFにおいて原稿検出が行われたことを契機とする複合機100のウエイクアップマナーに係るものである。ここで、原稿台における原稿開閉検出やADFにおける原稿セット検出は、いずれも従来周知の方法を用いることができる。また、原稿台における原稿開閉検出やADFにおける原稿セット検出を、以下、「原稿検出」として定義する。また、キー操作やデータ受信などのその他の、スリープモードを解除する契機となるユーザー操作を判定する方法についても周知の技術を用いることができる。
【0050】
図9は本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)における原稿検出時復帰処理のフローチャートを示す図である。図9において、ステップS101で原稿検出時復帰処理が開始されると続いてステップS102に進む。ステップS102では、複合機100がスリープモードに入る直前のモードがスキャンモードであったかが判定される。ここで、「スリープモードに入る直前のモード」に関しては、図7及び図8などに示したものである。また、このステップでは「ユーザーによって設定されたデフォルトモード」、「スリープモードに移行する前にユーザーによって最後に選択された動作モード」がスキャンモードであるか否かを判定するようにしても良い。
【0051】
ステップS102における判定の結果がYESであるとステップS103に進み、ステップS102における判定の結果がNOであるとステップS108に進む。
【0052】
ステップS103では、スキャナ部140の節電状態(スリープモードにおける状態)からの復帰を開始する。続いてステップS104に進み、操作パネル部150の節電状態からの復帰を開始する。続いてステップS105に進み、スキャナ部140がウォーミングアップを行っている旨操作パネル部150に表示する。
【0053】
ステップS106においては、スキャン部140の節電状態からの復帰が完了したかが判定される。ステップS106における判定の結果がNOであると、ステップS106をループし、ステップS106における判定の結果がYESであると、続いてステップS107に進む。
【0054】
ステップS107では、複合機100にUSBメモリの挿入が検出されているかどうかが判定される。なお、ここではUSBメモリを外部記憶媒体の一つの例として示すが、本発明はその他の種類の外部記憶媒体の場合についても同様に適用し得るものである。また、USBメモリの検出などには周知の技術を用いることができる。
【0055】
ステップS107における判定の結果がYESであるときにはステップS108に進み、ステップS107における判定の結果がNOであるときにはステップS109に進む。
【0056】
ステップ108においては、スキャナ部140からUSBメモリへデータを移行する旨のメッセージ画面の表示を操作パネル部150にて行う。図10は操作パネル部150における、スキャナ部140からUSBメモリへデータを移行する旨の画面表示例を示す図である。また、ステップS109においては、スキャンモードの初期画面表示を操作パネル部150にて表示する。スキャンモードの初期画面表示の一例は図2に示すものとなる。
【0057】
続く、ステップS133では、原稿検出時復帰処理を終了する。
【0058】
ステップS110では、複合機100がスリープモードに入る直前のモードがコピーモードであったか否かが判定される。また、このステップでは「ユーザーによって設定されたデフォルトモード」、「スリープモードに移行する前にユーザーによって最後に選択された動作モード」がコピーモードであるか否かを判定するようにしても良い。
【0059】
ステップS110における判定の結果がYESであるときにはステップS111に進み、ステップS110における判定の結果がNOであるときにはステップS116に進む。
【0060】
ステップS111では、プリンタ部130及びスキャナ部140の節電状態(スリープモード状態)からの復帰を開始する。続いて、ステップS112では、操作パネル部150の節電状態からの復帰を開始する。次に、ステップS113において、プリンタ部130及びスキャナ部140がウォーミングアップ中である旨操作パネル部150に表示する。
【0061】
ステップS114 プリンタ部130及びスキャナ部140の節電状態からの復帰が完了したかどうかを判定する。
ステップS114の判定結果がNOである場合にはステップS114をループし、ステップS114の判定結果がYESである場合にはステップS115に進む。
【0062】
ステップS115では、コピーモードの初期画面を操作パネル部150に表示する。このようなコピーモードの初期画面は図5に示すものとなる。
【0063】
続く、ステップS133では、原稿検出時復帰処理を終了する。
【0064】
次にステップS110における判定の結果がNOであるときに進むステップS116以降のステップについて説明する。
【0065】
ステップS116では、複合機100がスリープモードに入る直前のモードがファクシミリ送信モードであったか否かが判定される。また、このステップでは「ユーザーによって設定されたデフォルトモード」、「スリープモードに移行する前にユーザーによって最後に選択された動作モード」がファクシミリ送信モードであるか否かを判定するようにしても良い。
【0066】
ステップS116における判定の結果がYESであるときにはステップS117に進み、ステップS116における判定の結果がNOであるときにはステップS122に進む。
【0067】
ステップS117では、スキャナ部140及びファクシミリ部120の節電状態からの復帰が開始される。続いてステップS118では、操作パネル部150の節電状態からの復帰処理を開始する。次に、ステップS119では、スキャナ部140及びファクシミリ部120がウォーミングアップ中である旨操作パネル部150に表示する。
【0068】
ステップS120ではスキャナ部140及びファクシミリ部120の節電状態からの復帰が完了したかどうかが判定される。
【0069】
ステップS120における判定の結果がNOであるときにはステップS120をループする。ステップS120における判定の結果がYESであるときには、ステップS121にすすみ、ファクシミリ送信モードの初期画面を操作パネル部150に表示する。このようなファクシミリ送信モードの初期画面は図4に示すものとなる。
【0070】
続く、ステップS133では、原稿検出時復帰処理を終了する。
【0071】
次に、ステップS116でNOと判定されたときに進むステップS122について説明する。ステップ122以降のステップでは、複合機100がスリープモードに入る直前には「外部記憶媒体プリントモード」であったことが判明している。すなわち、複合機100が外部記憶媒体プリントモードであったことを前提としている。ユーザー操作として原稿台周りの操作を行うことと、USBメモリを挿入する操作というのは、重複的であるが、以降のステップでは、一応USBメモリの挿入検出などもしておき、これをスリープモードからの復帰に役立てる。ここで、USBメモリなどの挿入を複合機100が検出する方法については周知の技術を用いることとする。
【0072】
ステップS122においては、複合機100100の不図示のコネクタ部へのUSBメモリの挿入が検出されたかどうかが判定される。
【0073】
ステップS122における判定の結果がYESであるときにはステップS123に進み、ステップS122における判定の結果がNOであるときにはステップS131に進む。
【0074】
ステップS123では、USBメモリに印刷するプリントデータがあるかどうかが判定される。このようなUSBメモリ中のプリントデータの存否を検出する技術について周知のものを用いる。
【0075】
ステップS123における判定結果がYESであるときにはステップS124に進み、ステップS123における判定結果がNOであるときにはステップS129に進む。
【0076】
ステップS124では、プリンタ部130の節電状態からの復帰を開始する。続くステップS125では、操作パネル部150の節電状態からの復帰処理を開始する。次に、ステップS126では、プリンタ部130がウォーミングアップ中であることを操作パネル部150に表示する。
【0077】
次のステップS127ではプリンタ部130の節電からの復帰が完了したかどうかが判定される。ステップS127の判定の結果がNOであるときにはステップS127をループする。ステップS127の判定の結果がYESであるときにはステップS128に進む。
【0078】
ステップS128では、USBメモリからプリンタ部130にデータを転送して、プリンタ部130で印刷を実行する旨のメッセージ画面の表示を操作パネル部150にて行う。図11は操作パネル部150における、USBメモリからプリンタ部130にデータを転送して、プリンタ部130で印刷を実行する旨の画面表示例を示す図である。
【0079】
続くステップS133では、原稿検出時復帰処理を終了する。
【0080】
ステップS123における判定結果がNOであるときに進むステップS129では、操作パネル部150の節電状態からの復帰処理が開始される。続く、続くステップS130では、操作パネル部150で、USBメモリ中にプリンタすべきデータがない旨のメッセージ画面の表示をポップアップ表示によって行う。このときの操作パネル部150における画面表示例を図12に示す。続くステップS133では、原稿検出時復帰処理を終了する。
【0081】
次に、ステップS122における判定結果がNOであるときに進むS131以降について説明する。ステップS131では、操作パネル部150の節電状態からの復帰が開始される。次のステップS132では、操作パネル部150にモードの選択をユーザーに促す旨の表示を行う。続くステップS133では、原稿検出時復帰処理を終了する。
【0082】
以上のような本発明の構成によれば、スリープモードを解除する際、スリープモードに移行する直前に設定されていた「スキャンモード」、「コピーモード」、「ファクシミリ送信モード」、「外部記憶媒体プリントモード」などのモードを参照することによって、プリンタ部130、スキャナ部140、操作パネル部150のデバイスのうちどのデバイスを起動するかを選択するので、ユーザーが利用する可能性の高いモードに素早く復帰することが可能となると共に、利用しない可能性の高いデバイスへの給電を行わないことで省電力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)及びその周辺のシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)のスキャンモードの初期画面表示例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)の外部記憶媒体プリントモードの初期画面表示例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)のファクシミリ送信モードの初期画面表示例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)のコピーモードの初期画面表示例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)におけるデフォルトモードの概念を説明する図である。
【図7】デフォルトモードに移行後にスリープモードに入る画像処理装置のシーケンスを示す図である。
【図8】各モードからスリープモードに入る画像処理装置のシーケンスを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)における原稿検出時復帰処理のフローチャートを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)の画面表示例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)の画面表示例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)の画面表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0084】
10・・・ネットワーク、20・・・電話回線、100・・・複合機、110・・・制御部、120・・・ファクシミリ部、130・・・プリンタ部、140・・・スキャナ部、150・・・操作パネル部、160・・・ネットワークI/F、170・・・USB I/F、200、200’、200’’ ・・・パーソナルコンピュータ、300・・・外部機器
【技術分野】
【0001】
本発明は、「スキャンモード」、「コピーモード」、「ファクシミリ送信モード」、「外部記憶媒体プリントモード」などのモードを備える画像処理装置に関連し、スリープ状態(節電状態)の解除する際に、スリープモードに移行する直前に設定されたモードを参照してユーザーの利便性を向上させた画像処理装置及び画像処理装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナ及びプリンタを備えたデジタル複合機(以下、単に複合機という)と呼ばれる装置がある。この複合機では、スキャナが原稿画像を読み取るスキャナ機能、プリンタが印刷を行う印刷機能、及びスキャナが読み取った原稿画像をプリンタが印刷するコピー機能などを備える。近年、この複合機にさらにファクシミリの送受信機能を備えたものが登場している。
【0003】
ところでコピー機やプリンタなどの画像処理装置においては、節電モード、スリープモードといった省電力待機状態をとるモードが知られている。このようなモードを複合機に設ける試みもなされており、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能を備える複合機における省電力モード(スリープモード)については、例えば、特許文献1(特開2003−167484号公報)には、複写機能と、プリンタ機能と、ファクシミリ機能と、スキャナ機能とを有する複合装置において、第1の動作群に含まれる動作の終了から第1の所定時間が経過すると自動的に第1の節電状態に移行する第1のオート節電手段と、前記第1の所定時間を計時する第1のタイマーと、前記第1の動作群の動作があると前記第1のタイマーをクリアする第1のタイマークリア手段と、第2の動作群に含まれる動作の終了から第2の所定時間が経過すると自動的に第2の節電状態にする第2のオート節電手段と、前記第2の所定時間を計時する第2のタイマーと、前記第2の動作群の動作があると前記第2のタイマーをクリアする第2のタイマークリア手段とを有することを特徴とする複合装置が開示されている。
【特許文献1】特開2003−167484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複合機がスリープ状態(節電状態)を解除する契機となるのは、ユーザーによるスリープ状態解除ボタンの押下操作や、接続されるパーソナルコンピュータからのデータ入力、ファクシミリ受信などがある。従来の複合機においては、このようなイベントをトリガーとしてウエイクアップしていた。
【0005】
ところで、近年複合機においては、USBメモリなどの外部記憶媒体からのプリントモードを備えるようなものが登場している。このようなUSBメモリを複合機に挿入することなども、スリープ状態(節電状態)を解除する契機となり得る。また、ユーザーが原稿台に原稿を載置使用とする動作や、原稿をADF(Automatic Document Feeder)にセットする動作なども契機となり得る。しかしながら、従来の複合機においてはこのような契機を活用するものではなかった。
【0006】
また、複合機は「スキャンモード」、「コピーモード」、「ファクシミリ送信モード」、「外部記憶媒体プリントモード」などの各モードを備えるものである。複合機がスリープ状態などの省電力モードを解除する場合には、複合機がどのようなモードにあるのか(あったのか)などを考慮した上で、ウエイクアップするように設定されていれば、必要なデバイスのみをウエイクアップさせたりして不要な電力を用いることもなく、ユーザーが利用していたモードに素早く復帰できたりしてユーザーの利便性も向上することなどができることが十分考えられる。ところが、特許文献1に記載されるような従来の複合装置においてはこのようなことが全く考慮されておらず問題であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような問題に対処するために、本発明の画像処理装置は、異なる複数の動作モードをとることができ、かつ、省電力状態となるスリープモードに移行することができ、所定の動作モードを記憶する動作モード記憶手段と、スリープモードを解除する契機となる原稿の検出を行う原稿検出手段と、該原稿検出手段によってユーザー操作が検出されると、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードに応じて、画像処理装置を構成する複数のデバイスのうちどのデバイスを起動するかを選択する起動デバイス選択手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の画像処理装置は、所定の動作モードとは、スリープモード移行直前に有効になっている動作モードであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の画像処理装置は、所定の動作モードとは、ユーザーによって設定されるデフォルトモードであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の画像処理装置は、所定の動作モードとは、スリープモードに移行する前にユーザーによって最後に選択された動作モードであることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の画像処理装置は、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがスキャンモードであるときには、該起動デバイス選択手段はスキャナ部と操作パネル部とを選択することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の画像処理装置は、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがコピーモードであるときには、該起動デバイス選択手段はプリンタ部とスキャナ部と操作パネル部とを選択することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の画像処理装置は、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがファクシミリ送信モードであるときには、該起動デバイス選択手段はスキャナ部とファクシミリ送信部と操作パネル部とを選択することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の画像処理装置は、外部記憶媒体の挿入を検出する外部記憶媒体検出手段と、挿入された外部記憶媒体中に印刷データが存在するか否かを判定する印刷データ存否判定手段とを有し、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがプリントモードであるときで、該印刷データ存否判定手段によって印刷データが存在すると判定されたときには、該起動デバイス選択手段はプリンタ部と操作パネル部とを選択することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の画像処理装置は、外部記憶媒体の挿入を検出する外部記憶媒体検出手段と、挿入された外部記憶媒体中に印刷データが存在するか否かを判定する印刷データ存否判定手段とを有し、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがプリントモードであるときで、該印刷データ存否判定手段によって印刷データが存在しないと判定されたときには、該起動デバイス選択手段は操作パネル部を選択することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の画像処理装置は、外部記憶媒体の挿入を検出する外部記憶媒体検出手段を有し、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがプリントモードであるときで、該外部記憶媒体検出手段によって外部記憶媒体が検出されなかったときには、該起動デバイス選択手段は操作パネル部を選択することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の画像処理装置の制御方法は、異なる複数の動作モードをとることができ、かつ、省電力状態となるスリープモードに移行することができる画像処理装置を制御する方法であって、スリープモードを解除する契機となる原稿の検出を行うと、所定の動作モードに応じて、画像処理装置を構成する複数のデバイスのうちどのデバイスを起動するかを選択するように制御することを特徴とする。
【0018】
本発明の画像処理装置及び画像処理装置の制御方法によれば、スリープモードを解除する際、スリープモードに移行する直前に設定されたモードを参照することによって、画像処理装置を構成する複数のデバイスのうちどのデバイスを起動するかを選択するので、ユーザーが利用する可能性の高いモードに素早く復帰することが可能となると共に、利用しない可能性の高いデバイスへの給電を行わないことで省電力化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態においては画像処理装置として複合機を例にとり説明するが、本発明はこのような複合機に限らず、プリンタ部とスキャナ部と操作パネル部とを有する構成に適用可能なものである。
【0020】
図1は本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)及びその周辺のシステム構成を示す図である。図1において、10はLAN、WANなどのネットワーク、20は電話回線、100は複合機、110は複合機の主制御を行う制御部、120はファクシミリ文書の送受信を行うファクシミリ部、130は記録媒体への印刷を行うプリンタ部、140は原稿の読み取りを行うスキャナ部、150はユーザーとのインターフェイスとなる操作パネル部、160はネットワークI/F、170はUSB I/F、200、200’、200’’はパーソナルコンピュータ、300は外部機器をそれぞれ示している。なお、本明細書においては、ファクシミリ部120、プリンタ部130、スキャナ部140、操作パネル部150それぞれをデバイスなどと称することもある。
【0021】
図1に示されるファクシミリ装置(複合機)周辺のシステムでは、クライアントなどのパーソナルコンピュータ200、200’、200’’と複合機100とが、ネットワーク10を介して接続される構成となっている。また、複合機100のファクシミリ部120が電話回線20と、USB I/F170が、USBメモリ、携帯電話やデジタルカメラなどの外部機器300と接続されるような構成とされている。複合機100には、適当なコネクタが設けられており、USBメモリ、携帯電話やデジタルカメラなどの外部機器300のコネクタへの挿入は検出可能に構成される。
【0022】
複合機100は、情報処理装置からなる複合機本体の主制御を行う制御部110と、ユーザーの入力操作を受け付ける入出力装置である操作パネル部150と、原稿・画像をスキャンしてカラーで読み込むスキャナ部140と、印刷用紙等に印刷を行うプリンタ部130と、ファクシミリ送受信を行うファクシミリ部120とを備える。つまり、複合機100は、スキャナ機能、印刷機能、スキャナ機能と印刷機能を組み合わせたコピー機能及びファクシミリ送受信機能を備えるものである。
【0023】
複合機100の情報処理機構は、いずれも例えば汎用的なコンピュータシステムにより構成され、個々の構成要素または機能は、例えば、記憶手段に書き込まれたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0024】
スキャナ部140は、原稿を載置可能な不図示の原稿台とこれを読み取る光学系からなる。スキャナ部140の原稿台には、原稿台に載置した原稿のサイズを検知することができる原稿サイズ検知センサが設けられている。また、複合機100には、スキャナ部140に自動的に連続的に原稿を送致する構成であるADF(Automatic Document Feeder)を設けるようにしておいてもよい。
【0025】
原稿台には不図示の原稿台カバーが設けられており、当該原稿台カバーの開閉を検出することできるように構成される。また、ADFを備えるような場合には、ADFに原稿がセットされたことを検出することができるように構成される。このような原稿台カバーの開閉の検出、ADFにおける原稿セットの検出は、ともに「原稿検出」として定義するものとする。なお、これらの検出のためのセンサなどに係る技術についてはいずれも従来周知のものを用いることができる。
【0026】
スキャナ部140によって読み取られた制御部110の不図示の記憶手段に一度取り込まれる。操作パネル部150などからの指定によって制御部110は、スキャナ部140で読み取られた原稿画像データを、そのまま、或いは設定された倍率でプリンタ部130から紙出力したり(複合機100のコピー機能)、ファクシミリ部120から電話回線を通じて送信したり(複合機100のファクシミリ機能)、ネットワークI/F160、ネットワーク10を介して、パーソナルコンピュータ200、200’、200’’に向けて送信したり(複合機100のスキャナ機能)する。
【0027】
コピー機能を利用するときの複合機100のモードを「コピーモード」と定義し、ファクシミリ機能のうちファクシミリ送信機能を利用するときの複合機100のモードを「ファクシミリ送信モード」と定義し、スキャナ機能を利用するときの複合機100のモードを「スキャンモード」と定義する。
【0028】
プリンタ部130は、記録用紙上に画像を形成するものであり、レーザーやLEDラインヘッドによって感光体上に潜像を形成する方式を採用した電子写真方式や、記録用紙上に直接インクを射出する方式を採用したインクジェット方式などの周知のハードウエア構成を用いることができる。制御部110は、操作パネル部150やパーソナルコンピュータ200、200’、200’’或いは、携帯電話、デジタルカメラなどの外部機器300からの指示に基づいて、プリンタ部130に所定の紙出力を行わせるものである。すなわち、プリンタ部130は、スキャナ部140によって読み取られた画像データやファクシミリ部210で受信されたファクシミリデータや、パーソナルコンピュータ200、200’、200’’のアプリケーションソフトウエアからのデータや外部機器300からの画像データなどを紙出力するものである。
【0029】
ファクシミリ部120は、電話回線20と接続されていて、ファクシミリの送受信を行うファクシミリ送受信部(不図示)と、ファクシミリ送受信部が送信するための送信データを一時記憶する送信バッファ及びファクシミリ送受信部が受信した受信データを一時記憶する受信バッファを構成するためのファクシミリ部用のメモリを備えている。
【0030】
また、ファクシミリ部120は、電話回線20からファクシミリ送信されてきたデータを受信すると、その受信データを一旦格納する。そして、格納された受信データは、制御部110へ送られて、プリンタ部130で印刷される。ファクシミリ部120は、複合機100内の他の構成とは独立にファクシミリ送受信を行う。つまり、ファクシミリ部120は、複合機100から送信データを受け付けると、複合機100とは独立にファクシミリ送信を行うし、電話回線20からファクシミリデータが送信されてくれば、それを受信する。
【0031】
複合機100のコピー機能は、ユーザーの操作パネル部150の操作によって制御部110に設定される。操作パネル部150からは、コピー機能に係るコピー倍率の設定、原稿画像サイズの設定、出力用紙のサイズの設定を行うことができ、制御部110はこれらの設定に基づいて、複合機100のコピー機能を実行する。複合機100のコピー機能は、スキャナ部140にて読み取った原稿の原稿画像データに、コピー倍率処理を施し、これをプリンタ部130で指定されたサイズの用紙に紙出力する。
【0032】
複合機100は、上記のような機能に加えて、外部機器300に記憶されるファイルから直接的にプリンタ部130でプリントを行うプリントモードを備えている。このような外部機器300から直接プリントする機能を利用するときの複合機100のモードを「外部記憶媒体プリントモード」と定義する。当該モードでは、制御部110は、USB I/F170に接続されるUSBメモリ、携帯電話やデジタルカメラなどの外部機器300に記憶されるファイル・データを取り込んで、これをプリンタ部130でプリントアウトする。
【0033】
なお、外部記憶媒体プリントモードのうちの特殊なモードとして、複合機100を直接制御可能なUSB機器によって、複合機100の制御を行いつつ、プリンタ部130でプリントアウトを実行するモードである「直接制御印刷可能USB機器モード」(ピクトブリッジ対応機器印刷モード:「ピクトブリッジ」は登録商標。)も本発明の画像処理装置は備えるものである。このようなモードにおいては、外部機器300からの制御に基づいて、外部機器300と制御部110が協働して、プリントのパラメーターなどを決定した上でプリンタ部130におけるプリントを行う。
【0034】
操作パネル部150のハードウエアは、操作に係わる表示を行うLCDからなる表示部と、指などによる押圧で入力が行えるタッチパネル部とから概略構成される。これらの表示部とタッチパネル部とは重ねて構成されており、ユーザーは表示部の表示を参照しつつ、指でタッチパネル部を操作することで複合機100の各種設定を行うことができるようになっている。タッチパネル部による入力機構、表示部による表示機構の具体的な構成については、周知の技術を用いることができる。この操作パネル部150で行うことができるのは、複合機100のファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能、外部記憶媒体プリント機能といった各種機能の選択、画像のプレビュー表示、節電モードへの移行、などである。
【0035】
次に、操作パネル部150における各モードの初期画面表示について説明する。複合機100のモードには基本的なものとして、「スキャンモード」、「外部記憶媒体プリントモード」、「ファクシミリ送信モード」、「コピーモード」の各モードがある。
【0036】
図2は本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)のスキャンモードの初期画面表示例を示す図である。操作パネル部150におけるスキャンモードの初期画面表示では、スキャナ部140で読み込んだ画像データの保存先を「USBメモリ」、「PCフォルダ」、「e−mail」の中から選択することができる。なお、ここでUSBメモリは、本発明における「外部記憶媒体」の一つの例のことである。
【0037】
図3は本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)の外部記憶媒体プリントモードの初期画面表示例を示す図である。操作パネル部150におけるプリントモードの初期画面表示においては「USBメモリ」などの外部記憶媒体からの印刷が指定可能となるほか、パスワードによる認証印刷の待機画面としても利用される。
【0038】
図4は本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)のファクシミリ送信モードの初期画面表示例を示す図である。操作パネル部150におけるファクシミリ送信モードの初期画面表示では、ファクシミリ送信先「宛先」の指定が促される。また、「基本設定」、「機能」、「応用」などのタブを選択することによって、詳細な設定が可能となる。
【0039】
図5は本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)のコピーモードの初期画面表示例を示す図である。操作パネル部150におけるコピーモードの初期画面表示では、コピーの部数の入力などが促される。また、「基本設定」、「機能」、「応用1」、「応用2」などのタブを選択することによって、詳細な設定が可能となる。
【0040】
次に本発明の画像処理装置におけるスリープモードについて説明する。なお、本発明のスリープモードとは消費電力を、通常の待機状態より減少させたモードであり、節電モードや省電力モードなどと考えることもできる。
【0041】
本発明の画像処理装置(複合機100)におけるスリープモードは、プリンタ部130、スキャナ部140、操作パネル部150それぞれのデバイス毎に設定されているものである。それぞれのスリープモードは、例えば、以下のように定義することができるが、このような定義は種々の態様が考えられることはいうまでもない。
プリンタ部130スリープモード:定着部のパワーオフ、モーター制御部への通電をオフ、など。
スキャナ部140のスリープモード:原稿照射用ランプ制御部、イメージセンサ制御部、キャリッジモータ制御部への通電オフ、など。
操作パネル部150のスリープモード:バックライト消灯、など。
ファクシミリ部102のスリープモード:ファクシミリ受信用回路を除く全ての回路への通電をオフ、など。
【0042】
次に、複合機100のデフォルトモードについて説明する。以上、説明したとおり、複合機100は「スキャンモード」、「コピーモード」、「ファクシミリ送信モード」、「外部記憶媒体プリントモード」などの各モードを備えるものであるが、それぞれのユーザーは主として利用するモードが比較的に固定しているものである。すなわち、あるユーザーは複合機100を、コピー機中心で利用し、また別のユーザーはファクシミリ機中心として利用する、といったような利用形態となることが多い。そこで、「デフォルトモード」への復帰(或いは、移行)という概念を採用すると複合機100の利便性が高まる。図6は本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)におけるデフォルトモードの概念を説明する図である。
【0043】
「デフォルトモード」とは、複合機100の電源オン時や、あるモード使用後所定時間操作しなかった場合に復帰するモードで、ユーザーが「スキャンモード」、「コピーモード」、「ファクシミリ送信モード」、「外部記憶媒体プリントモード」のうちから一つ設定して登録しておくことが可能なモードである。図6は、複合機100がユーザーによって選択されたモードから、所定時間経過後にデフォルトモードに復帰、移行するイメージを示したものである。
【0044】
なお、本発明は、このような「デフォルトモード」を備えない画像処理装置(或いは、積極的にデフォルトモードを利用しない画像処理装置)にも、備える画像処理装置の双方に適用することができる。
【0045】
図7は、デフォルトモードに移行後にスリープモードに入る画像処理装置のシーケンスを示す図であり、図8は各モードからスリープモードに入る画像処理装置のシーケンスを示す図である。
【0046】
図7について時間経過順にみてみると、ユーザーによって選択されたいずれかのモードから、所定時間操作がない場合には、デフォルトモードに移行する。このデフォルトモードは、ユーザーが設定した「スキャンモード」、「コピーモード」、「ファクシミリ送信モード」、「外部記憶媒体プリントモード」のいずれかのモードである。
【0047】
複合機100に対する操作やプリントデータ入力がないまま所定の時間が経過すると、スリープモードに移行する。ユーザーによる操作パネル部150の操作やパーソナルコンピュータ200、200’、200’’からの入力によって、スリープ状態が解除される。
【0048】
次に、図8について時間経過順にみてみる。ユーザーによって選択された「スキャンモード」、「コピーモード」、「ファクシミリ送信モード」、「外部記憶媒体プリントモード」のいずれかのモードから、所定時間操作がない場合には、複合機100はスリープモードへと移行することとなる。ユーザーによる操作パネル部150の操作やパーソナルコンピュータ200、200’、200’’からの入力によって、スリープ状態が解除される。
【0049】
本発明は以上のような構成の複合機100におけるスリープモードの解除に関し、特に、原稿台やADFにおいて原稿検出が行われたことを契機とする複合機100のウエイクアップマナーに係るものである。ここで、原稿台における原稿開閉検出やADFにおける原稿セット検出は、いずれも従来周知の方法を用いることができる。また、原稿台における原稿開閉検出やADFにおける原稿セット検出を、以下、「原稿検出」として定義する。また、キー操作やデータ受信などのその他の、スリープモードを解除する契機となるユーザー操作を判定する方法についても周知の技術を用いることができる。
【0050】
図9は本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)における原稿検出時復帰処理のフローチャートを示す図である。図9において、ステップS101で原稿検出時復帰処理が開始されると続いてステップS102に進む。ステップS102では、複合機100がスリープモードに入る直前のモードがスキャンモードであったかが判定される。ここで、「スリープモードに入る直前のモード」に関しては、図7及び図8などに示したものである。また、このステップでは「ユーザーによって設定されたデフォルトモード」、「スリープモードに移行する前にユーザーによって最後に選択された動作モード」がスキャンモードであるか否かを判定するようにしても良い。
【0051】
ステップS102における判定の結果がYESであるとステップS103に進み、ステップS102における判定の結果がNOであるとステップS108に進む。
【0052】
ステップS103では、スキャナ部140の節電状態(スリープモードにおける状態)からの復帰を開始する。続いてステップS104に進み、操作パネル部150の節電状態からの復帰を開始する。続いてステップS105に進み、スキャナ部140がウォーミングアップを行っている旨操作パネル部150に表示する。
【0053】
ステップS106においては、スキャン部140の節電状態からの復帰が完了したかが判定される。ステップS106における判定の結果がNOであると、ステップS106をループし、ステップS106における判定の結果がYESであると、続いてステップS107に進む。
【0054】
ステップS107では、複合機100にUSBメモリの挿入が検出されているかどうかが判定される。なお、ここではUSBメモリを外部記憶媒体の一つの例として示すが、本発明はその他の種類の外部記憶媒体の場合についても同様に適用し得るものである。また、USBメモリの検出などには周知の技術を用いることができる。
【0055】
ステップS107における判定の結果がYESであるときにはステップS108に進み、ステップS107における判定の結果がNOであるときにはステップS109に進む。
【0056】
ステップ108においては、スキャナ部140からUSBメモリへデータを移行する旨のメッセージ画面の表示を操作パネル部150にて行う。図10は操作パネル部150における、スキャナ部140からUSBメモリへデータを移行する旨の画面表示例を示す図である。また、ステップS109においては、スキャンモードの初期画面表示を操作パネル部150にて表示する。スキャンモードの初期画面表示の一例は図2に示すものとなる。
【0057】
続く、ステップS133では、原稿検出時復帰処理を終了する。
【0058】
ステップS110では、複合機100がスリープモードに入る直前のモードがコピーモードであったか否かが判定される。また、このステップでは「ユーザーによって設定されたデフォルトモード」、「スリープモードに移行する前にユーザーによって最後に選択された動作モード」がコピーモードであるか否かを判定するようにしても良い。
【0059】
ステップS110における判定の結果がYESであるときにはステップS111に進み、ステップS110における判定の結果がNOであるときにはステップS116に進む。
【0060】
ステップS111では、プリンタ部130及びスキャナ部140の節電状態(スリープモード状態)からの復帰を開始する。続いて、ステップS112では、操作パネル部150の節電状態からの復帰を開始する。次に、ステップS113において、プリンタ部130及びスキャナ部140がウォーミングアップ中である旨操作パネル部150に表示する。
【0061】
ステップS114 プリンタ部130及びスキャナ部140の節電状態からの復帰が完了したかどうかを判定する。
ステップS114の判定結果がNOである場合にはステップS114をループし、ステップS114の判定結果がYESである場合にはステップS115に進む。
【0062】
ステップS115では、コピーモードの初期画面を操作パネル部150に表示する。このようなコピーモードの初期画面は図5に示すものとなる。
【0063】
続く、ステップS133では、原稿検出時復帰処理を終了する。
【0064】
次にステップS110における判定の結果がNOであるときに進むステップS116以降のステップについて説明する。
【0065】
ステップS116では、複合機100がスリープモードに入る直前のモードがファクシミリ送信モードであったか否かが判定される。また、このステップでは「ユーザーによって設定されたデフォルトモード」、「スリープモードに移行する前にユーザーによって最後に選択された動作モード」がファクシミリ送信モードであるか否かを判定するようにしても良い。
【0066】
ステップS116における判定の結果がYESであるときにはステップS117に進み、ステップS116における判定の結果がNOであるときにはステップS122に進む。
【0067】
ステップS117では、スキャナ部140及びファクシミリ部120の節電状態からの復帰が開始される。続いてステップS118では、操作パネル部150の節電状態からの復帰処理を開始する。次に、ステップS119では、スキャナ部140及びファクシミリ部120がウォーミングアップ中である旨操作パネル部150に表示する。
【0068】
ステップS120ではスキャナ部140及びファクシミリ部120の節電状態からの復帰が完了したかどうかが判定される。
【0069】
ステップS120における判定の結果がNOであるときにはステップS120をループする。ステップS120における判定の結果がYESであるときには、ステップS121にすすみ、ファクシミリ送信モードの初期画面を操作パネル部150に表示する。このようなファクシミリ送信モードの初期画面は図4に示すものとなる。
【0070】
続く、ステップS133では、原稿検出時復帰処理を終了する。
【0071】
次に、ステップS116でNOと判定されたときに進むステップS122について説明する。ステップ122以降のステップでは、複合機100がスリープモードに入る直前には「外部記憶媒体プリントモード」であったことが判明している。すなわち、複合機100が外部記憶媒体プリントモードであったことを前提としている。ユーザー操作として原稿台周りの操作を行うことと、USBメモリを挿入する操作というのは、重複的であるが、以降のステップでは、一応USBメモリの挿入検出などもしておき、これをスリープモードからの復帰に役立てる。ここで、USBメモリなどの挿入を複合機100が検出する方法については周知の技術を用いることとする。
【0072】
ステップS122においては、複合機100100の不図示のコネクタ部へのUSBメモリの挿入が検出されたかどうかが判定される。
【0073】
ステップS122における判定の結果がYESであるときにはステップS123に進み、ステップS122における判定の結果がNOであるときにはステップS131に進む。
【0074】
ステップS123では、USBメモリに印刷するプリントデータがあるかどうかが判定される。このようなUSBメモリ中のプリントデータの存否を検出する技術について周知のものを用いる。
【0075】
ステップS123における判定結果がYESであるときにはステップS124に進み、ステップS123における判定結果がNOであるときにはステップS129に進む。
【0076】
ステップS124では、プリンタ部130の節電状態からの復帰を開始する。続くステップS125では、操作パネル部150の節電状態からの復帰処理を開始する。次に、ステップS126では、プリンタ部130がウォーミングアップ中であることを操作パネル部150に表示する。
【0077】
次のステップS127ではプリンタ部130の節電からの復帰が完了したかどうかが判定される。ステップS127の判定の結果がNOであるときにはステップS127をループする。ステップS127の判定の結果がYESであるときにはステップS128に進む。
【0078】
ステップS128では、USBメモリからプリンタ部130にデータを転送して、プリンタ部130で印刷を実行する旨のメッセージ画面の表示を操作パネル部150にて行う。図11は操作パネル部150における、USBメモリからプリンタ部130にデータを転送して、プリンタ部130で印刷を実行する旨の画面表示例を示す図である。
【0079】
続くステップS133では、原稿検出時復帰処理を終了する。
【0080】
ステップS123における判定結果がNOであるときに進むステップS129では、操作パネル部150の節電状態からの復帰処理が開始される。続く、続くステップS130では、操作パネル部150で、USBメモリ中にプリンタすべきデータがない旨のメッセージ画面の表示をポップアップ表示によって行う。このときの操作パネル部150における画面表示例を図12に示す。続くステップS133では、原稿検出時復帰処理を終了する。
【0081】
次に、ステップS122における判定結果がNOであるときに進むS131以降について説明する。ステップS131では、操作パネル部150の節電状態からの復帰が開始される。次のステップS132では、操作パネル部150にモードの選択をユーザーに促す旨の表示を行う。続くステップS133では、原稿検出時復帰処理を終了する。
【0082】
以上のような本発明の構成によれば、スリープモードを解除する際、スリープモードに移行する直前に設定されていた「スキャンモード」、「コピーモード」、「ファクシミリ送信モード」、「外部記憶媒体プリントモード」などのモードを参照することによって、プリンタ部130、スキャナ部140、操作パネル部150のデバイスのうちどのデバイスを起動するかを選択するので、ユーザーが利用する可能性の高いモードに素早く復帰することが可能となると共に、利用しない可能性の高いデバイスへの給電を行わないことで省電力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)及びその周辺のシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)のスキャンモードの初期画面表示例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)の外部記憶媒体プリントモードの初期画面表示例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)のファクシミリ送信モードの初期画面表示例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)のコピーモードの初期画面表示例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)におけるデフォルトモードの概念を説明する図である。
【図7】デフォルトモードに移行後にスリープモードに入る画像処理装置のシーケンスを示す図である。
【図8】各モードからスリープモードに入る画像処理装置のシーケンスを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)における原稿検出時復帰処理のフローチャートを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)の画面表示例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)の画面表示例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る画像処理装置(複合機)の画面表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0084】
10・・・ネットワーク、20・・・電話回線、100・・・複合機、110・・・制御部、120・・・ファクシミリ部、130・・・プリンタ部、140・・・スキャナ部、150・・・操作パネル部、160・・・ネットワークI/F、170・・・USB I/F、200、200’、200’’ ・・・パーソナルコンピュータ、300・・・外部機器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる複数の動作モードをとることができ、かつ、省電力状態となるスリープモードに移行することができ、
所定の動作モードを記憶する動作モード記憶手段と、
スリープモードを解除する契機となる原稿の検出を行う原稿検出手段と、
該原稿検出手段によってユーザー操作が検出されると、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードに応じて、画像処理装置を構成する複数のデバイスのうちどのデバイスを起動するかを選択する起動デバイス選択手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
所定の動作モードとは、スリープモード移行直前に有効になっている動作モードであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
所定の動作モードとは、ユーザーによって設定されるデフォルトモードであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
所定の動作モードとは、スリープモードに移行する前にユーザーによって最後に選択された動作モードであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがスキャンモードであるときには、該起動デバイス選択手段はスキャナ部と操作パネル部とを選択することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがコピーモードであるときには、該起動デバイス選択手段はプリンタ部とスキャナ部と操作パネル部とを選択することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがファクシミリ送信モードであるときには、該起動デバイス選択手段はスキャナ部とファクシミリ送信部と操作パネル部とを選択することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
外部記憶媒体の挿入を検出する外部記憶媒体検出手段と、挿入された外部記憶媒体中に印刷データが存在するか否かを判定する印刷データ存否判定手段とを有し、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがプリントモードであるときで、該印刷データ存否判定手段によって印刷データが存在すると判定されたときには、該起動デバイス選択手段はプリンタ部と操作パネル部とを選択することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項9】
外部記憶媒体の挿入を検出する外部記憶媒体検出手段と、挿入された外部記憶媒体中に印刷データが存在するか否かを判定する印刷データ存否判定手段とを有し、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがプリントモードであるときで、該印刷データ存否判定手段によって印刷データが存在しないと判定されたときには、該起動デバイス選択手段は操作パネル部を選択することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項10】
外部記憶媒体の挿入を検出する外部記憶媒体検出手段を有し、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがプリントモードであるときで、該外部記憶媒体検出手段によって外部記憶媒体が検出されなかったときには、該起動デバイス選択手段は操作パネル部を選択することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項11】
異なる複数の動作モードをとることができ、かつ、省電力状態となるスリープモードに移行することができる画像処理装置を制御する方法であって、
スリープモードを解除する契機となる原稿の検出を行うと、所定の動作モードに応じて、画像処理装置を構成する複数のデバイスのうちどのデバイスを起動するかを選択するように制御することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項1】
異なる複数の動作モードをとることができ、かつ、省電力状態となるスリープモードに移行することができ、
所定の動作モードを記憶する動作モード記憶手段と、
スリープモードを解除する契機となる原稿の検出を行う原稿検出手段と、
該原稿検出手段によってユーザー操作が検出されると、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードに応じて、画像処理装置を構成する複数のデバイスのうちどのデバイスを起動するかを選択する起動デバイス選択手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
所定の動作モードとは、スリープモード移行直前に有効になっている動作モードであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
所定の動作モードとは、ユーザーによって設定されるデフォルトモードであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
所定の動作モードとは、スリープモードに移行する前にユーザーによって最後に選択された動作モードであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがスキャンモードであるときには、該起動デバイス選択手段はスキャナ部と操作パネル部とを選択することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがコピーモードであるときには、該起動デバイス選択手段はプリンタ部とスキャナ部と操作パネル部とを選択することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがファクシミリ送信モードであるときには、該起動デバイス選択手段はスキャナ部とファクシミリ送信部と操作パネル部とを選択することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
外部記憶媒体の挿入を検出する外部記憶媒体検出手段と、挿入された外部記憶媒体中に印刷データが存在するか否かを判定する印刷データ存否判定手段とを有し、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがプリントモードであるときで、該印刷データ存否判定手段によって印刷データが存在すると判定されたときには、該起動デバイス選択手段はプリンタ部と操作パネル部とを選択することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項9】
外部記憶媒体の挿入を検出する外部記憶媒体検出手段と、挿入された外部記憶媒体中に印刷データが存在するか否かを判定する印刷データ存否判定手段とを有し、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがプリントモードであるときで、該印刷データ存否判定手段によって印刷データが存在しないと判定されたときには、該起動デバイス選択手段は操作パネル部を選択することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項10】
外部記憶媒体の挿入を検出する外部記憶媒体検出手段を有し、該動作モード記憶手段に記憶された動作モードがプリントモードであるときで、該外部記憶媒体検出手段によって外部記憶媒体が検出されなかったときには、該起動デバイス選択手段は操作パネル部を選択することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項11】
異なる複数の動作モードをとることができ、かつ、省電力状態となるスリープモードに移行することができる画像処理装置を制御する方法であって、
スリープモードを解除する契機となる原稿の検出を行うと、所定の動作モードに応じて、画像処理装置を構成する複数のデバイスのうちどのデバイスを起動するかを選択するように制御することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−278106(P2008−278106A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−118099(P2007−118099)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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