説明

画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及びプログラム

【課題】第1の画像形成処理が実行されたシートに対して第2の画像形成処理を実行する場合に、第2の画像形成処理とは異なる画像形成処理のために当該シートが給紙されることを防ぐ。
【解決手段】複数の給紙部のうち、いずれかの給紙部から給紙されたシートに対して画像を形成する第1の画像形成処理を実行する制御手段と、制御手段によって実行される第1の画像形成処理によって画像が形成されるシートに対して実行すべき第2の画像形成処理のために用いる給紙部を、複数の給紙部の中から指定する指定手段とを有し、制御手段は、指定手段により指定された前記給紙部にシートがセットされた場合に、当該セットされたシートを、第2の画像形成処理とは異なる画像形成処理のために給紙することを制限することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、複合機等の画像形成装置において、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)の4色のトナーに加えて、透明(CL)トナーのような特殊なトナーを用いて画像形成を行うものが知られている。このような画像形成装置では、C、M、Y、Kの4色のトナーを用いて画像が形成された用紙に対して、さらに透明トナーを用いて画像を形成することによって、例えば、シートの印刷面の光沢性を調整することができる。
【0003】
透明トナーを用いた画像形成処理を画像形成装置で行う方法として、例えば、特許文献1には、透明トナーを用いて画像形成処理を実行する場合に、C、M、Y、K、CLの5色のトナーを用いて、1回の画像形成処理で印刷を行う手法が提案されている。具体的に、給紙部からシートを給紙し、給紙されたシートに対して5色のトナーによって画像を形成し、排紙するという1回の画像形成処理を実行することによって出力結果を得ることができる。
【0004】
また、別の方法として、2回の画像形成処理で画像形成を行う手法がある。まず、ユーザは、C、M、Y、Kの4色のトナーを用いた1回目の画像形成処理を画像形成装置に実行させる。その後、ユーザは、1回目の画像形成処理で画像が形成されたシートを再び給紙部にセットする。そして、ユーザは、透明トナーを用いた2回目の画像形成処理を実行するよう設定し、画像形成装置に画像形成処理を実行させる。
【0005】
1回の画像形成処理でシートに載せられるトナーの量は、画像形成装置の定着器が1回で定着できるトナーの量に応じて制限される。そのため、1回の画像形成処理で5色のトナーをシートに載せるよりも、画像形成処理を2回にわけることによって、シートに載せられるトナーの量を増やすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−128911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、2回の画像形成処理で画像形成を行う方法を用いる場合、以下のような問題がある。1回目の画像形成処理によって画像が形成されたシートが、再び給紙部にセットされてから2回目の画像形成処理が開始されるまでの間に、当該給紙部にセットされたシートが他の画像形成処理によって使用される可能性がある。例えば、1回目の処理によって印刷が行われたシートに対して、他の印刷ジョブに対応する画像が形成されてしまった場合、ユーザの意図しない印刷物が出力されてしまう。
【0008】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものである。本発明は、第1の画像形成処理が実行されたシートに対して第2の画像形成処理を実行する場合に、前記第2の画像形成処理とは異なる画像形成処理で当該シートが使用されることを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、例えば、画像形成装置として実現できる。画像形成装置は、複数の給紙部のうち、いずれかの給紙部から給紙されたシートに対して画像を形成する第1の画像形成処理を実行する制御手段と、制御手段によって実行される第1の画像形成処理によって画像が形成されるシートに対して実行すべき第2の画像形成処理のために用いる給紙部を、複数の給紙部の中から指定する指定手段とを有し、制御手段は、指定手段により指定された前記給紙部にシートがセットされた場合に、当該セットされたシートを、第2の画像形成処理とは異なる画像形成処理のために給紙することを制限することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第1の画像形成処理が実行されたシートに対して第2の画像形成処理を実行する場合に、第2の画像形成処理とは異なる画像形成処理のために当該シートが使用されることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置100を含むネットワーク構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置100のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置100におけるプリンタ部130のハードウェア構成例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置100における制御部110のブロック構成例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置100における画像データの処理手順を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る透明トナーの画像形成に関する設定画面600の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る透明トナーの画像形成に関する設定データ700の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る透明トナーの画像形成による印刷物の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る透明トナーを用いた印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態に係る操作部140に表示される設定画面の一例を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係る操作部140に表示される設定画面の一例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る操作部140に表示される指示画面の一例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係る画像形成装置100に入力されたジョブの状況が表示された画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の一実施形態を示す。以下で説明される実施形態は、本発明の上位概念、中位概念及び下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の実施形態によって限定されるわけではない。
【0013】
<画像形成装置の構成>
本実施形態では、画像形成装置の一例として、コピー機能やプリンタ機能等の複数の機能を有するMFP(Multi Function Peripheral:複合機)について説明する。なお、画像形成装置は、コピー機能のみ又はプリンタ機能のみを有するSFP(Single Function Peripheral)であってもよい。
【0014】
まず、図1を参照して、MFP100の構成例について説明する。コントローラ部(制御部)110は、リーダ部120及びプリンタ部130と電気的に接続されている。制御部110は、リーダ部120及びプリンタ部130からデータを受信する。また、制御部110は、リーダ部120及びプリンタ部130に対して各種のコマンドを送信する。さらに、制御部110は、ネットワーク160を介してPC161、162と接続されており、それらから画像データや制御コマンドを受信する。ネットワーク160は、例えば、イーサネット(登録商標)で構築される。
【0015】
リーダ部120は、原稿の画像を光学的に読み取り、画像データに変換する。リーダ部120は、原稿を読み取る機能を有するスキャナユニット121と、原稿をスキャナユニット121によって読み取り可能な位置まで搬送する原稿給紙ユニット122とを備える。スキャナユニット121が備えるスキャナコントローラ123は、制御部110からの指示に基づいて、スキャナユニット121と原稿給紙ユニット122とを制御する。
【0016】
プリンタ部130は、画像形成(印刷)用のシート(用紙又は記録材)を収納する給紙ユニット131と、画像データをシートに転写及び定着させるマーキングユニット132と、印刷されたシートを排紙する排紙ユニット134とを備える。プリンタ部130は、制御部110からの指示に基づいて、給紙ユニット131からシートをマーキングユニット132へ給紙し、マーキングユニット132で当該シートに対して画像データを印刷した後、当該シートを排紙ユニット134へ排紙する。排紙ユニット134は、マーキングユニット132で印刷されたシートに対し、ソートやステイプル等の処理を施すことができる。給紙ユニット131は、複数の給紙部を備えており、各給紙部にはシートが収納され、載置(セット)される。各給紙部は、例えば、普通紙や光沢紙等、複数種類のシートを収納できる。また、各給紙部は、MFP100のプリンタ部130で印刷されたシートを、再び収納することもできる。給紙部の例として、給紙カセットや、給紙デッキ、手差しトレイ等がある。給紙部の形態はこれに限られず、その他、収納されたシートをマーキングユニット132に搬送できればよい。
【0017】
操作部140は、例えば、ハードキーや、液晶表示部及びその表面上に貼り付けられたタッチパネル部を備え、それらを介してユーザから指示を受け付ける。また、操作部140は、液晶表示部にソフトキーや、MFP100の機能や状態を表示することができる。操作部140は、ユーザからの指示に対応するコマンドを、制御部110に送信する。また、HDD(Hard Disk Drive)150は、MFP100の各種設定及び画像データを記憶する。
【0018】
上記の構成に基づき、MFP100は、例えば、コピー機能、画像データ送信機能、プリンタ機能等の種々の機能を実現する。コピー機能を実現する場合には、制御部110は、リーダ部120で原稿の画像データを読込み、プリンタ部130で当該画像データを用いてシートに印刷する制御を行う。画像データ送信機能を実現する場合には、制御部110は、リーダ部120で読み込んだ原稿の画像データをコードデータに変換し、当該コードデータをネットワーク160を介してPC161、162に送信する。さらに、プリンタ機能を実現する場合には、制御部110は、PC161、162からネットワーク160を介して受信したコードデータ(印刷データ)を画像データに変換し、プリンタ部130へ送信する。プリンタ部130は、受信した画像データを用いて用紙に印刷する。
【0019】
次に、図2を参照して、MFP100のハードウェア構成例について説明する。ただし、本実施形態では、MFP100の一例として、単一のドラムを用いてカラー印刷を行う1ドラム式カラープリンタについて説明する。図2において、原稿給紙ユニット201、スキャナユニット202、プリンタ部203及び制御部204は、図1の原稿給紙ユニット122、スキャナユニット121、マーキングユニット132及び制御部110にそれぞれ対応する。
【0020】
原稿給紙ユニット201は、原稿を原稿台ガラス205上に搬送し、原稿を光学的に読み取り可能な状態とする。スキャナユニット202は、画像読取センサを用いて原稿の画像を走査することによって得られる光信号を、制御部204に送信する。制御部204は受信した光信号を用いて画像信号を生成する。プリンタ部203は、制御部204によって生成された画像信号に基づいて、給紙部から給紙されたシートに対して印刷を実行する。なお、MFP100は、給紙部として、給紙カセット206〜209、給紙デッキ210及び手差しトレイ211を備え、プリンタ部203は、何れの給紙部からでもシートを給紙できる。
【0021】
(プリンタ部130の構成)
次に、図3を参照して、プリンタ部130のハードウェア構成例について説明する。プリンタ部130に含まれる各ユニットは、プリンタコントローラ135によって制御される。以下では、プリンタコントローラ135の制御による、シートに対する画像形成処理について簡単に説明する。プリンタコントローラ135は、制御部110からの指示に基づいて、感光体302を図3における反時計回りに回転させ、帯電器319によって感光体302の表面を帯電させる。レーザドライバ301は、制御部110によって生成された画像信号に基づいてレーザー光を感光体302に照射し、感光体302の表面に静電潜像を形成する。
【0022】
現像器303は、プリンタコントローラ135からの指示に基づいて、感光体302の表面に形成された静電潜像を、複数色の現像剤(トナー)を用いて現像する。感光体302の表面に現像されたトナー像は、図3において時計回りに回転している中間転写体305に転写される。なお、現像器303は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の有色のトナー、及び透明(CL)の5色に対応する現像器を備える。図3に示す1ドラム式のMFP100において、カラー印刷の場合、中間転写体305に対する画像の転写は、各色ごとに順次実行される。具体的には、現像器303によって感光体302の表面に順次形成されるトナー像は、中間転写体305の回転に合わせて、中間転写体305上の同じ位置に重ねて転写される。これにより、中間転写体305の表面には、Y、M、C、Kのトナーによる1ページ分のカラー画像が形成される。なお、CLのトナーを用いて印刷するよう指定されている場合には、Y、M、C、Kのトナー像の転写処理の後に、CLのトナー像の転写処理を連続して実行してもよい。
【0023】
プリンタコントローラ135は、上記の画像形成処理を実行する一方で、給紙カセット206〜209、給紙デッキ210又は手差しトレイ211の何れかから用紙を給紙する。例えば、給紙カセット206〜209の何れかからシートを給紙する場合には、ピックアップローラ311を動作させてシートを給紙する。給紙されたシートは、給紙ローラ313によって搬送ローラ315の位置まで搬送された後、搬送ローラ315によってレジストローラ前316まで搬送される。
【0024】
プリンタコントローラ135は、中間転写体305へのカラー画像の転写処理が完了するタイミングに合わせて、中間転写体305と転写ベルト306との間の位置へシートを搬送する。当該位置において、中間転写体305に形成された1ページ分の画像が、転写ベルト306によってシートへ転写される。当該転写処理の後に、プリンタコントローラ135は、シートを定着ローラ307a、308bまで搬送し、定着ローラ307a、307bによって加熱及び加圧してトナー像をシートに定着させる。その後、プリンタコントローラ135は、当該シートを、フェイスアップ排紙口317又はフェイスダウン排紙口318へ排紙する。
【0025】
なお、両面印刷の場合、プリンタコントローラ135は、定着処理が施されたシートを、反転パス320へ搬送し、反転ローラ321によって表裏を反転させた後、両面パス322を介して、再び搬送ローラ315によってレジストローラ前316まで搬送する。さらに、プリンタコントローラ135は、シートの一方の面に対して行った1ページ目(表面)の画像形成と同様の方法により、シートの他方の面に対して2ページ目(裏面)の画像形成を実行する。その後、プリンタコントローラ135は、両面に画像が形成されたシートを、フェイスアップ排紙口317又はフェイスダウン排紙口318へ排紙する。以上の動作により、シートの画像形成処理(印刷処理)が完了する。
【0026】
以上のような動作は、制御部110が、HDD150に格納した印刷ジョブを実行することによって行われる。印刷ジョブは、印刷対象の画像データと、当該画像データを印刷する際の印刷条件(片面/両面、印刷レイアウトの設定等)が設定されたデータとが関連付けられたものである。
【0027】
(制御部110の構成)
次に、図4を参照して、制御部110のブロック構成例について説明する。メインコントローラ411は、CPU412及びバスコントローラ413と、各種のI/Fコントローラ回路とを備える。CPU412及びバスコントローラ413は、制御部110全体の動作を統括的に制御する。CPU412は、ROM414からROMI/F415を経由して読込んだプログラムに基づいて各種の動作を実行する。例えば、CPU412は、読み込んだプログラムに基づいて、図1に示すPC161又はPC162から受信したコードデータ(例えばPDL(ページ記述言語))を解釈する。バスコントローラ413は、各I/Fを介したデータ転送に関する制御、例えば、バスの調停及びDMAデータ転送の制御を行う。
【0028】
DRAM416は、DRAMI/F417を介してメインコントローラ411と接続され、CPU412が動作するためのワーク領域や、画像データを蓄積するための領域として使用される。Codec418は、例えば、DRAM416に蓄積されたラスタイメージデータをMH/MR/MMR/JBIG/JPEG等の方式で圧縮し、又は圧縮された状態で蓄積されたコードデータをラスタイメージデータに伸長する処理を行う。SRAM419は、Codec418の一時的なワーク領域として使用される。Codec418は、I/F420を介してメインコントローラ411と接続される。SRAM419とDRAM416との間のデータの転送は、バスコントローラ413によって制御され、DMA転送により実現される。
【0029】
Graphic Processor435は、DRAM416に蓄積されたラスタイメージデータに対して、画像回転、画像変倍、色空間変換、又は二値化等の処理を行う。SRAM436は、Graphic Processor435の一時的なワーク領域として使用される。Graphic Processor435は、I/F437を介してメインコントローラ411と接続されている。Graphic Processor435とDRAM416との間のデータの転送は、バスコントローラ413によって制御され、DMA転送により実現される。
【0030】
Network Contorller421は、I/F423によってメインコントローラ411と接続され、コネクタ422を介して外部ネットワーク(例えば、ネットワーク160)と接続される。汎用高速バス425には、拡張ボードを接続するための拡張コネクタ424とI/O制御部426とが接続される。汎用高速バス425は、例えば、PCIバスである。I/O制御部426は、リーダ部120及びプリンタ部130の各CPUとの間で、制御コマンドを送受信するための調歩同期式のシリアル通信部コントローラ427を2チャンネル備える。
【0031】
I/O制御部426は、I/Oバス428を介してスキャナI/F440及びプリンタI/F445と接続されている。パネルI/F432は、操作部140との間でデータの送受信を行うためのI/Fである。パネルI/F432は、LCDコントローラ431から転送されてきた画像データを操作部140に転送する。また、パネルI/F432は、操作部140が備えるハードキーやタッチパネルを介して入力されるキー入力信号を、キー入力I/F430を介してI/O制御部426に転送する。
【0032】
リアルタイムクロックモジュール433は、バックアップ用電池434によって電力を供給され、MFP100内で管理する日付及び時刻を更新/保存する。E−IDE I/F461は、HDD150を接続するI/Fである。CPU412は、E−IDE I/Fを介してHDD150に画像データを記憶させ、又はHDD150から画像データを読み込む。
【0033】
コネクタ442及びコネクタ447には、リーダ部120及びプリンタ部130がそれぞれ接続されている。これらは、同調歩同期シリアルI/F(443、448)及びビデオI/F(444、449)を介してスキャナI/F440及びプリンタI/F445に接続されている。
【0034】
スキャナI/F440は、コネクタ442を介してリーダ部120と接続され、スキャナバス441を介してメインコントローラ411と接続されている。スキャナI/F440は、リーダ部120から受信した画像に対して所定の処理を施す。また、スキャナI/F440は、リーダ部120から受信したビデオ制御信号に基づいて生成した制御信号を、スキャナバス441に出力する。スキャナバス441からDRAM416へのデータ転送は、バスコントローラ413によって制御される。
【0035】
プリンタI/F445は、コネクタ447を介してプリンタ部130と接続され、プリンタバス446を介してメインコントローラ411と接続されている。プリンタI/F445は、メインコントローラ411から出力された画像データに所定の処理を施して、プリンタ部130へ出力する。DRAM416上に展開されたラスタイメージデータのプリンタ部130への転送は、バスコントローラ413によって制御される。当該ラスタイメージデータはプリンタバス446、プリンタI/F445及びビデオI/F449を経由してプリンタ部130へDMA転送される。
【0036】
SRAM451は、バックアップ用の電池から供給される電源により、MFP100全体の電源が遮断された状態でも記憶内容を保持し続けることが可能なメモリである。SRAM451は、バス450を介してI/O制御部426と接続されている。また、EEPROM452も同様に、バス450を介してI/O制御部426と接続されたメモリである。
【0037】
<透明トナーによる画像形成処理>
次に、図5を参照して、画像データの処理手順について説明する。図5は、制御部110のCPU412がROM414に格納されたプログラムを実行することによって実現される機能ブロックと、データの流れを示している。図5は、画像データ入力部501、色変換部502、階調補正部503、中間調処理部504、透明トナー画像生成部506、ライン遅延部510、マスク処理部511を示している。
【0038】
画像データ入力部501には、リーダ部120で原稿から読み取られた画像データ、又はLAN160を介してPC161、PC162から受信された画像データが入力される。CPU412は、リーダ部120で読み取った画像データを、ページ単位でDRAM416へ一時的に蓄積した後に、当該データを画素単位で読み出して画像データ入力部501に入力する。
【0039】
画像データ入力部501は、CPU412によって入力された画素単位の画像データを、R、G、Bの画像信号に分割した後に、色変換部502に出力する。色変換部502は、入力されたR、G、Bの画像信号を、印字出力用の色空間に対応するC、M、Y、Kの画像信号に変換した後、階調補正部503に出力する。階調補正部503は、入力された画像信号に対して、正規の階調特性が得られるように階調補正を施した後に、中間調処理部504に出力する。中間調処理部504は、階調補正を施された画像信号に対して、疑似中間調処理を施した後、当該画像信号をプリンタ部130に出力する。
【0040】
一方で、透明トナーパターン指定部505は、操作部140又はPC161、162に備えられる。透明トナーパターン指定部505は、ユーザから入力されたデータに基づいて、透明トナーの画像形成に関連する設定データを作成するとともに、当該設定データを透明トナー画像生成部506に入力する。透明トナー画像生成部506は、当該設定データに従って、透明トナーを用いた画像形成において出力する画像データをビットマップ形式で生成し、画素単位の画像信号でライン遅延部510に出力する。ライン遅延部510は、入力された入力された画像データに含まれる画像信号を遅延させ、マスク処理部511に出力する。マスク処理部511は、入力された画像信号に対してマスク処理を施し、画像形成部512(図1のプリンタ部130に対応する)に出力する。
【0041】
画像形成部512は、中間調処理部504から受信した画像信号と、マスク処理部511から受信した画像信号とに基づいて、C、M、Y、Kのカラー画像と、透明トナーの画像とをシート上に印刷する。
【0042】
次に、図6を参照して、透明トナーの画像形成に関する設定画面600の一例について説明する。当該設定画面600は、CPU412によって実現される透明トナーパターン指定部505によって操作部140に表示される画面である。当該画面は、操作部140に備えられる不図示の透明トナー印刷設定キーが押された場合に、操作部140に表示される。CPU412は、操作部140に設けられたタッチパネルを介して、ユーザによる入力を受け付ける。なお、設定画面600は、PC161、162にインストールされたプリンタドライバによって、PC161、162の表示装置上に表示されてもよい。
【0043】
チェックボックス601は、特定の文字列を透明トナーで印刷するか否かを設定するために用いられる。チェックボックス601がチェックされた場合、CPU412は、プルダウンメニュー602で選択された文字列を、透明トナーで印刷する設定を行う。プルダウンメニュー602を用いてユーザが選択可能な候補には、図6に示す「Confidential」以外に、「マル秘」、「コピー禁止」等の文字列がある。
【0044】
チェックボックス603は、任意の文字列を透明トナーで印刷するか否かを設定するために用いられる。チェックボックス603がチェックされた場合、CPU412は、テキストボックス604に入力された任意の文字列を、透明トナーで印刷する設定を行う。ユーザは、操作部140に表示されるソフトウェアキーボードを用いて、テキストボックス604へ文字列を入力できる。なお、ユーザが入力ボタン605を押下すると、操作部140にソフトウェアキーボードが表示される。
【0045】
チェックボックス606は、日付を透明トナーで印刷するか否かを設定するために用いられる。チェックボックス606がチェックされた場合、CPU412は、印刷を実行する日の日付を透明トナーを用いて印刷する設定を行う。なお、CPU412は、リアルタイムクロックモジュール433から日付データを取得して、日付データ表示欄607に表示する。
【0046】
チェックボックス608は、MFP100を使用しているユーザのユーザIDを、透明トナーによって印刷させるか否かを設定するために用いられる。CPU412は、ユーザがMFP100にログインする際に入力したユーザIDをHDD150に記憶しておき、当該ユーザのユーザIDをユーザID表示欄609に表示する。
【0047】
チェックボックス610は、透明トナーを用いて画像を印刷するか否かを設定するために用いられる。また、参照ボタン611は、チェックボックス610がチェックされた場合に、透明トナーを用いた印刷の対象となる画像を選択するために用いられる。参照ボタン611がユーザによって押下されると、CPU412は、HDD150に記憶されている画像データのリストを操作部140に表示させる。ユーザは、表示されたリストから任意の画像データを選択する。ユーザによって画像データが選択されると、CPU412は、選択された画像データのファイル名等をテキストボックス612に表示する。
【0048】
プルダウンメニュー613、614は、透明トナーを用いて文字列を印刷する場合に、当該文字列の印刷形式(文字列のサイズ及び傾き)を指定するために用いられる。ユーザによってプルダウンメニュー613、614が押下されると、CPU412は、ユーザが選択可能な候補を表示する。
【0049】
プレビュー表示画面616には、設定画面600で設定された内容に従って透明トナーを用いて印刷を行った場合の、印刷結果のプレビューが表示される。当該表示はCPU412によって行われる。ユーザは、プレビュー表示画面616を視認することにより、実際にシートへの印刷を開始する前に、印刷されたシートの出力結果を確認できる。
【0050】
最終的に、OKボタン615がユーザによって押下されると、CPU412は、設定画面600の各項目に設定された内容を確定するとともに、当該設定内容に基づいて、図5の透明トナー画像生成部506へ出力する設定データを生成する。
【0051】
ここで、図7は、確定された設定データ700の一例を示す図である。図7に示す設定データは、「透明印刷」や「文字列印刷」等の各項目と、それぞれのパラメータから構成される。図7に示す各項目は、図6でユーザが設定できる項目に対応する。
【0052】
701は、透明トナーによる印刷を実行するか否かを示す情報である。図6に示す画面で、透明トナーによる印刷を実行するよう設定された場合に、「YES」が設定され、透明トナーによる印刷を実行しないよう設定された場合に、「NO」が設定される。701が「YES」である場合、CPU412は、702〜708の各設定に従って透明トナーによる印刷を実行する。一方で、701が「NO」である場合、CPU412は、透明トナーによる印刷を行わないため、702〜708の設定は不要である。
【0053】
702は、透明トナーにより文字列を印刷するか否かを示す情報であって、図6のチェックボックス601、603の設定に対応する。図6に示す画面で、チェックボックス601、又は603がチェックされている場合に「YES」が設定され、チェックボックス601と603のいずれもチェックされていない場合に「NO」が設定される。また、図6のプルダウンメニュー602及びテキストボックス604に対応して、703に文字列が設定されるとともに、プルダウンメニュー613、614に対応して、704、705には文字列のサイズ及び傾きが設定される。
【0054】
706、707は、図6のチェックボックス606、608に対応し、日付及びユーザIDを印刷するか否かを示す情報である。さらに、708、709は、チェックボックス610及び参照ボタン611に対応し、画像指定を行うか否かを示す情報、及び画像指定を行う場合において使用される画像を示す画像IDである。なお、709には、画像IDの代わりに、画像を特定するためのファイルパスが設定されてもよい。また、設定データ700には、図7には記載されていない項目が含まれていても構わない。
【0055】
生成された設定データ700は、透明トナー画像生成部506に送信される。CPU412は、当該設定データに基づいて透明トナーのトナー像を形成するとともに、プリンタ部130でシートに対して印刷処理を実行する。図8は、MFP100で印刷された印刷物の一例を示す図である。図8では、原稿801をリーダ部120で読み取って生成した画像データを用いて、Y、M、C、Kの各色のトナーによる画像形成を行うとともに、設定データ700に従って透明トナーによる画像形成を行う場合について示している。図8に示すように、プリンタ部130から出力される印刷物802には、図6のプルダウンメニュー602選択された特定文字列「コピー禁止」が、透明トナーにより印刷されている。また、印刷物802には、図6の日付データ表示欄に表示された日付「2004.10.10」も印刷されている。なお、図8に示す出力結果は一例であって、図6に示す設定画面600における設定に応じて、他の文字列や、画像を印刷することもできる。
【0056】
上述のように印刷物に対して印刷トナーを用いて印刷を行うことにより、次のような効果がある。例えば、透明トナーを用いて印刷された印刷物を原本として保証することができる。すなわち、透明トナーを用いて印刷された印刷物(原本)がコピーされた場合には、透明トナーはコピーされないため、コピーされた複製物と原本とを見分けることが可能となる。また、原稿の画像の、特定の領域に、透明トナーを画像として印刷することによって、その透明トナーが付着した部分において、印刷結果の光沢の調整を行うことが可能となる。
【0057】
ここで、透明トナーを用いた印刷方法には、大きく分けて、以下に示す2つの方法がある。
(1)1回の印刷処理で透明トナーを用いた印刷を行う方法
MFP100は、C、M、Y、K、CLの5色のトナーを用いて、1回の印刷処理で画像をシートに転写及び定着させる。
(2)2回の印刷処理で透明トナーを用いた印刷を行う方法
MFP100は、1回目の印刷処理として、C、M、Y、Kの4色のトナーを用いて画像をシートに転写及び定着させる(第1の処理、または第1の印刷処理、または第1の画像形成処理という)。次に、一度排紙されたシートがユーザによって再び給紙部にセットされた後、印刷開始指示がなされると、MFP100は、2回目の印刷処理として、当該シートを給紙して、CLのトナーを用いて画像をシートに転写及び定着させる(第2の処理)。第2の処理は、第2の印刷処理、または第2の画像形成処理ともいう。
【0058】
方法(1)によれば、1回の印刷処理で5色全てのトナー像が転写されるため、印刷処理に要する時間が短いという利点がある。しかしながら、定着器の性能によって、1枚のシートに対して一度に定着させることができるトナーの量には制限がある。そのため、C、M、Y、Kの4色のトナーとともにCLのトナーも1回の処理で定着させる方法(1)では、定着可能な透明トナーの量が制限される。一方で、方法(2)によれば、第2の処理では透明トナーのみを定着させるため、方法(1)と比較して定着可能な透明トナーの量を増加させることができる。
【0059】
ところが、方法(2)では、例えば、第1の処理の後に、排紙されたシートが特定の給紙部にセットされてから、MFP100が第2の処理を開始するまでの間に、当該給紙部が他の印刷ジョブで使用される可能性がある。その場合、第1の処理によって印刷が行われたシートに対して、他の印刷ジョブによって誤った印刷が行われてしまう。従って、方法(2)によって印刷ジョブを実行するユーザ、及びそれと異なる他の印刷ジョブを実行するユーザは、何れも印刷のやり直しを余儀なくされる。
【0060】
そこで、本実施形態に係るMFP100は、上記の第1の処理及び第2の処理の2回の印刷処理を含む印刷ジョブを実行する場合において、第1の処理を実行した後に、給紙部にセットされたシートが誤って他の印刷ジョブに使用されることを防止する制御を行う。以下では、本実施形態に係る印刷処理の手順について、図9を参照して説明する。なお、図9に示す各ステップの処理は、例えば、ROM414に格納されたプログラムをCPU412が読み出して実行することによって実現される。
【0061】
まず、S901で、CPU412は、印刷ジョブに関する設定画面を操作部140に表示する。ユーザは当該設定画面を介して、印刷ジョブに関する設定を行う。ここで、図10は、操作部140に表示される設定画面の一例であって、印刷ジョブの1つであるコピージョブに関する設定画面1000を示している。設定画面1000において、ボタン1001(「透明トナー1パス」)は上記の方法(1)に対応し、ボタン1002(「透明トナー2パス」)は上記の方法(2)に対応する。CPU412は、ユーザによってボタン1002が押下されたことを検知すると、2回の印刷処理のうち、第2の処理で使用する給紙部を指定するための設定画面として、例えば、図11に示す画面を操作部140に表示する。図11では、MFP100が備える各給紙部に対応するボタン1101〜1106が表示されており、例えば、ボタン1101〜1104は給紙カセット206〜209に、ボタン1105は給紙デッキ210に、ボタン1106は手差しトレイ211に対応する。ユーザは、当該設定画面に表示された何れかのボタンを押下することにより、第2の処理で使用する給紙部を指定することができる。その後、S902へ移行する。なお、図10に示すように、S901で、ユーザは、印刷ジョブに関する設定として、上記の第2の処理に使用する給紙部の指定以外にも、例えば、シートのサイズ及び種類、印刷の倍率及び濃度、白黒又はカラー印刷の指定等の種々の設定を行うことができる。
【0062】
S902で、CPU412は、第1の処理として、透明トナー(CL)以外のC、M、Y、Kの4色のトナーを用いて、シートに対する画像の印刷処理を実行する。CPU412は、例えば、操作部140に設けられた開始ボタンがユーザによって押下されたことを検知することにより、当該処理を開始する。当該印刷処理が終了すると、S903へ移行する。
【0063】
S903で、CPU412は、S901で指定された給紙部にシートをセットすることをユーザに指示するために、例えば、図12の指示画面1200を操作部140に表示する。それによって、ユーザは、第1の処理によって画像が形成されたシートを、いずれの給紙部にセットすればよいのかを容易に確認することができる。例えば、第1の処理によって処理されるページ数が多い場合に、第1の処理が開始されてから完了するまでには長い時間がかかる。そのような場合に、図12に示すような表示は特に有効である。ユーザは、第1の処理によって画像が形成されたシートを、いずれの給紙部にセットすればよいのかを覚えておかずとも、当該表示を見ることによって容易に認識することができる。さらにS904で、CPU412は、MFP100の状態を給紙待ちの状態へ移行し、S905へ移行する。なお、S904で、CPU412は、印刷ジョブの情報をHDD150に退避しておく。それによって、CPU412は、当該印刷ジョブの第2の処理のために指定された給紙部にシートがセットされた後、当該退避された印刷ジョブを実行できるようにする。なお、図12には図示していないが、指示画面1200には、用紙をセットする方法(フェイスアップ、フェイスダウン、天地等)を示すガイダンスを表示してもよい。
【0064】
S905で、CPU412は、指定された給紙部にシートがセットされたか否かを判定する。例えば、給紙カセット206〜209及び給紙デッキ210に設けられた開閉検知センサによって、それらが開けられて、閉められたことが検知されると、CPU412は、給紙部にシートがセットされたと判定する。また、手差しトレイ211に関しては、手差しトレイ211に設けられた用紙検知センサによってシートが検知されると、CPU412は、給紙部にシートがセットされたと判定する。
【0065】
S905で、シートがセットされていない場合には、S906へ移行する。S906で、CPU412は、実行中の印刷ジョブと異なる他の印刷ジョブが入力されたか否かを判定する。ここで、他の印刷ジョブが入力されていない場合には、S905へ戻り、入力された場合には、S907へ移行する。
【0066】
S907で、CPU412は、他の印刷ジョブで指定された給紙部が、現在実行中のジョブに含まれる第2の処理で使用する給紙部と同一か否かを判定する。ここで、当該他の印刷ジョブで指定された給紙部が、第2の処理で使用する給紙部と同一である場合には、当該他の印刷ジョブが当該給紙部を使用して印刷処理を行うことを禁止し、S905へ戻る。一方で、当該他の印刷ジョブで指定された給紙部が同一ではない場合には、S908へ移行する。S908で、CPU412は、当該他の印刷ジョブによって指定された給紙部の使用を許可し、当該他の印刷ジョブを実行する。ジョブの実行が完了すると、S905へ戻る。
【0067】
図13は、MFP100に入力されたジョブの状況が表示された画面の一例であり、画面1300には、ジョブA〜Cの3つのジョブが表示されている。ここで、ジョブAは、本実施形態に係る透明トナーを用いた2回の印刷処理を実行する印刷ジョブであり、ジョブB及びCは、透明トナーを用いた印刷処理を実行しない通常の印刷ジョブである。図13において、ジョブAは、透明トナーを用いた第2の処理で用いる給紙部として、給紙カセット206が指定されており、給紙カセット206にシートがセットされるまで待機している待ち状態(「一時中断中」)である。ここで、例えば、ジョブBでは給紙カセット206が、ジョブCでは給紙カセット207が指定されている場合には、CPU412は、S907でジョブBの実行を禁止する一方で、S908でジョブCを実行する制御を行う。なお、ジョブBの実行を一律禁止するのではなく、CPU412は、ジョブBを実行するか否かをユーザに確認し、ユーザからジョブBを実行するための指示を受付けた場合に、ジョブBの実行を許可するようにしてもよい。この場合、ユーザからジョブBを実行するための指示を受付けない場合、CPU412は、ジョブBの実行を禁止する。このように、S907で、CPU412は、ジョブBの実行を制限する。
【0068】
S905で、CPU412は、シートがセットされたと判定したことに応じて、S909に処理を進める。S909で、CPU412は、待ち状態を解除し、S910で、CPU412は、第2の処理として、透明トナー(CL)を用いて、シートに対する画像の印刷処理を実行する。ここで、ジョブCを実行中である場合、CPU412は、当該ジョブCの実行が完了してから、第2の処理を実行するよう制御する。なお、CPU412は、S905で、シートがセットされたと判定してから、第2の処理を開始するまでの間も、当該第2の処理で使用する給紙部を、他の印刷ジョブ(例えば、ジョブB)で用いることを制限する。なお、ここでは、CPU412は、シートがセットされたと判定したことに応じて、自動的に当該第2の処理を実行するよう制御する例を説明した。しかしこれに限らず、CPU412は、S910で、操作部140に設けられた開始ボタンがユーザによって押下されたことを検知することにより、当該第2の処理を開始してもよい。
【0069】
そして、CPU412は、S910における印刷処理を終えると、シートを排紙ユニット134へ排紙する。なお、開始ボタンのユーザによる押下を検知して当該第2の処理を開始する場合、CPU412は、開始ボタンが押され第2の処理を開始するまでの間も、当該第2の処理で用いる給紙部を、他の印刷ジョブで用いることを制限する。
【0070】
また、上記のS907において、第2の処理で使用する給紙部が、他のジョブで使用されることを禁止する場合に、その禁止する時間を予め定められた時間に限定してもよい。例えば、第1の処理を実行した後、CPU412は、予め定められた時間が経過した場合に、他のジョブによる使用の禁止を解除し、第2の処理のために指定された給紙部を、他のジョブの実行に使用させる。なお、予め定められた時間が経過した場合に、実行中のジョブがある場合や、当該他のジョブのより先に受付けたジョブがある場合には、CPU412は、それらのジョブの実行が完了してから、当該他のジョブを実行する。これにより、指定された給紙部にユーザがシートをセットする時間に、タイムアウト時間を設定できる。例えば、ある印刷ジョブの第1の処理の実行が完了した後、そのジョブの第2の処理で用いる給紙部と同一の給紙部を用いる他のジョブがいつまでも実行されないという事態を防ぐことができる。なお、当該予め定められた時間は、画像形成装置の工場出荷時から設定されていてもよいし、ユーザが操作部140を介して設定できるようにしてもよい。
【0071】
また、上記の予め定められた時間を、第2の処理が終了するまでの時間としてもよい。これにより、第2の処理が終了した後に、当該第2の処理で使用された給紙部を速やかに他のジョブで使用することができ、ジョブの処理効率を向上させることができる。
【0072】
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置によれば、次のような効果を得ることができる。ある印刷ジョブの第1の印刷処理で印刷されたシートが給紙部にセットされた場合に、当該給紙部にセットされたシートが、その印刷ジョブの第2の印刷処理とは異なる他の印刷ジョブによって使用されてしまうことを防ぐことができる。
【0073】
具体的に、ユーザは、第1の印刷処理の終了後、第1の印刷処理を実行したシートを、予め指定された給紙部にセットするが、当該給紙部にセットされたシートが他の印刷ジョブのために給紙されることを防ぐ。これにより、同一のシートに対して2回の印刷処理を実行する場合に、第1の印刷処理によって画像が形成されたシートが、他のジョブによって誤って使用されることを防止することができる。
【0074】
なお、本実施形態では、第1の処理をC、M、Y、Kの4色の有色のトナーを用いた印刷処理、第2の処理を透明トナー(CL)を用いた印刷処理とした。しかしながら、本発明は、これに限定されることはなく、複数の印刷処理を含む印刷ジョブを用いる画像形成装置であれば適用可能である。例えば、画像形成装置において、複数の印刷処理として両面印刷を行う場合に、本発明を適用できる。すなわち、第1の処理をシートの一方の面に対する印刷処理、第2の処理をシートの他方の面に対する印刷処理としてもよい。
【0075】
また、第2の処理は、画像を形成する画像形成処理に限らず、第1の画像形成処理によって画像が形成されたシートに対して実行すべき処理であればよく、グロス処理等の加工処理を行う処理であってもよい。
【0076】
なお、上述した実施形態では、実行を制限される画像形成処理の例として、他の印刷ジョブを挙げて説明したが、これに限らない。例えば、複数の給紙部のうち、いずれかの給紙部から給紙したシートに対して、キャリブレーション用の所定のテストパターンを形成する画像形成処理の実行を制限してもよい。当該所定のテストパターンを形成する画像形成処理の実行を制限する条件は、当該所定のテストパターンが形成されるシートの給紙元として設定された給紙部と、上述した第2の処理の給紙部が同一である場合である。
【0077】
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0078】
さらに、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0079】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【符号の説明】
【0080】
110 制御部
130 プリンタ部
140 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の給紙部のうち、いずれかの給紙部から給紙されたシートに対して画像を形成する第1の画像形成処理を実行する制御手段と、
前記制御手段によって実行される前記第1の画像形成処理によって画像が形成されるシートに対して実行すべき第2の画像形成処理のために用いる給紙部を、前記複数の給紙部の中から指定する指定手段とを有し、
前記制御手段は、前記指定手段により指定された前記給紙部にシートがセットされた場合に、当該セットされたシートを、前記第2の画像形成処理とは異なる画像形成処理のために給紙することを制限することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記第2の画像形成処理とは異なる画像形成処理のために給紙することを制限した場合に、前記セットされたシートを、前記第2の画像形成処理のために給紙し、給紙されたシートに対して第2の画像形成処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記指定手段により指定された前記給紙部にシートがセットされた場合に、当該セットされたシートを、前記画像形成処理とは異なる画像形成処理のために給紙するか否かをユーザに確認し、
前記ユーザによって前記画像形成処理とは異なる画像形成処理のために給紙するよう指示された場合に、当該セットされたシートを、前記画像形成処理とは異なる画像形成処理のために給紙することを許可することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記第2の画像形成処理とは異なる画像形成処理のために、前記指定手段により指定された前記給紙部とは異なる給紙部が使用されることを許可することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
表示部を更に備え、
前記第1の画像形成処理が完了すると、前記指定手段により指定された前記給紙部に前記シートをセットするよう指示する画面を、前記表示部に表示することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1の画像形成処理は、有色の現像剤を用いて前記シートに画像を形成する処理であり、
前記第2の画像形成処理は、前記第1の画像形成処理が実行されたシートに対して、透明の現像剤を用いて画像を形成する処理であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
制御手段が、複数の給紙部のうち、いずれかの給紙部から給紙されたシートに対して画像を形成する第1の画像形成処理を実行する制御工程と、
指定手段が、前記制御工程にて実行される前記第1の画像形成処理によって画像が形成されるシートに対して実行すべき第2の画像形成処理のために用いる給紙部を、前記複数の給紙部の中から指定する指定工程とを有し、
前記制御工程では、前記指定工程で指定された前記給紙部にシートがセットされた場合に、当該セットされたシートを、前記第2の画像形成処理とは異なる画像形成処理のために給紙することを制限することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載された画像形成装置の制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−53374(P2011−53374A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−201081(P2009−201081)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】