説明

画像形成装置、表示制御方法、及びプログラム

【課題】ネットワーク上に存在する資源に対する検索結果の表示画面を適切に表示させること。
【解決手段】所定の資源に対する検索要求をネットワーク上に送出する検索要求送出手段と、前記検索要求に対する応答情報を受信し、受信された応答情報を記憶手段に記録する応答受信手段と、前記検索要求の送出から第一の所定時間内に前記記憶手段に記録された前記応答情報ごとに表示要素を含む一覧画面を表示手段に表示させる一覧画面表示制御手段とを有し、前記一覧画面表示制御手段は、前記一覧画面から他の画面への遷移後、再度前記一覧画面に遷移したときに前記第一の所定時間後に前記記憶手段に記録された前記応答情報に対応する表示要素も含む前記一覧画面を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、表示制御方法、及びプログラムに関し、特にネットワーク上において検索された資源を表示させる画像形成装置、表示制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ブロードキャスト又はマルチキャスト等を用いてネットワーク上に存在する所定の資源(例えば、機器)を検索することが行われている(例えば、特許文献1)。すなわち、検索主体(情報処理装置等)は、ネットワーク上に所定のパケットを含むブロードキャスト又はマルチキャストを送出する。当該所定のパケットを認識可能な検索対象(機器等)は、当該ブロードキャスト又はマルチキャストに対する応答を返信する。検索主体は、受信された応答によって目的とする検索対象の存在を検知する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、応答が受信されるタイミングは、ネットワーク状態や検索対象のネットワーク上の距離等に応じて検索対象間にばらつきがある。すなわち、検索対象Aからの応答と検索対象Bからの応答との間には時間的なずれが生じうる。
【0004】
したがって、検索対象の一覧画面を表示させたい場合、各検索対象から応答が受信されるたびに逐次一覧画面に表示要素に追加していては、当該一覧画面の表示内容が逐次変化し、ユーザにとって非常に操作しづらい画面となってしまうという問題がある。
【0005】
そこで、全ての検索対象から応答が受信された後に一覧画面を表示させるということも考えられるが、そもそも検索対象の全集合が把握されていない状況において、全ての応答が受信されたタイミングを判別するのは困難である。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、ネットワーク上に存在する資源に対する検索結果の表示画面を適切に表示させることのできる画像形成装置、表示制御方法、及びプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで上記課題を解決するため、本発明は、所定の資源に対する検索要求をネットワーク上に送出する検索要求送出手段と、前記検索要求に対する応答情報を受信し、受信された応答情報を記憶手段に記録する応答受信手段と、前記検索要求の送出から第一の所定時間内に前記記憶手段に記録された前記応答情報ごとに表示要素を含む一覧画面を表示手段に表示させる一覧画面表示制御手段とを有し、前記一覧画面表示制御手段は、前記一覧画面から他の画面への遷移後、再度前記一覧画面に遷移したときに前記第一の所定時間後に前記記憶手段に記録された前記応答情報に対応する表示要素も含む前記一覧画面を表示させる。
【0008】
このような画像形成装置では、ネットワーク上に存在する資源に対する検索結果の表示画面を適切に表示させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ネットワーク上に存在する資源に対する検索結果の表示画面を適切に表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態における情報処理システム構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における画像形成装置及びユーザ端末のソフトウェア構成例を示す図である。
【図4】第一の実施の形態におけるウィジェット、ウィジェットマネージャ、及びプロバイダアプリの機能構成例を示す図である。
【図5】ユーザ端末におけるウィジェットの起動時の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図6】スキャンウィジェットのウィジェット情報の例を示す図である。
【図7】第一の実施の形態における画像形成装置によるユーザ選択画面の表示処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図8】ユニキャスト対象リストの例を示す図である。
【図9】ユーザ管理テーブルの構成例を示す図である。
【図10】ユーザ選択画面の表示例を示す図である。
【図11】第二の実施の形態における画像形成装置によるユーザ選択画面の表示処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図12】第三の実施の形態におけるウィジェット、ウィジェットマネージャ、及びプロバイダアプリの機能構成例を示す図である。
【図13】第三の実施の形態における画像形成装置によるユーザ選択画面の表示処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図14】第四の実施の形態における画像形成装置によるユーザ選択画面の表示処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図15】第四の実施の形態におけるユーザ管理テーブルの構成例を示す図である。
【図16】第五の実施の形態におけるウィジェット、ウィジェットマネージャ、及びプロバイダアプリの機能構成例を示す図である。
【図17】第五の実施の形態における画像形成装置によるユーザ選択画面の表示処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態における情報処理システム構成例を示す図である。同図の情報処理システム1において、画像形成装置10は、ユーザ端末20a及びユーザ端末20bと、LAN(Local Area Network)等のネットワーク40を介して接続されている。また、画像形成装置10は、LAN等のネットワーク50に接続されているユーザ端末20c及び20dとルータ30を介して接続されている。すなわち、ユーザ端末20a及び20bは、画像形成装置10と同一セグメント(同一ネットワーク)に属し、ユーザ端末20c及び20dは、画像形成装置10と別セグメント(別ネットワーク)に属する。なお、ユーザ端末20a、ユーザ端末20bを、それぞれローカル端末20a、ローカル端末20bともいい、ユーザ端末20c、ユーザ端末20dを、それぞれリモート端末20c、リモート端末20dともいう。「ローカル」は、画像形成装置10と同一セグメントであることを意味し、「リモート」は、画像形成装置10と別セグメントであることを意味する。また、ユーザ端末20a、20b、20c、及び20dを区別しない場合、単に「ユーザ端末20」という。また、ネットワーク40及びネットワーク50は、有線であってもよいし、無線であってもよい。
【0012】
画像形成装置10は、印刷、スキャン、コピー、及びFAX送受信等の機能(画像形成機能)を一台の筐体によって実現する複合機である。但し、いずれか一つの機能を実現する装置(プリンタ、スキャナ、コピー機、ファクシミリ等)を画像形成装置10として用いてもよい。
【0013】
ユーザ端末20は、ユーザが利用する個人端末であり、ソフトウェアプログラムのインストール及び実行が可能であり、通信機能を有するものであれば、特定の装置に限定されない。ユーザ端末20の具体例として、デスクトップ型のPC(Personal Computer)、ノートPC、PDA(Personal Digital Assistance)、又は携帯電話等の情報処理装置が挙げられる。
【0014】
図2は、本発明の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。同図において、画像形成装置10は、コントローラ11、スキャナ12、プリンタ13、モデム14、操作パネル15、ネットワークインタフェース16、及びSDカードスロット17等のハードウェアを有する。
【0015】
コントローラ11は、CPU111、RAM112、ROM113、及びNVRAM(Non-volatile RAM)114等を有する。ROM113には、各種のプログラムやプログラムによって利用されるデータ等が記録されている。RAM112は、揮発性記憶手段の一例であり、プログラムをロードするための記憶領域や、ロードされたプログラムのワーク領域等として用いられる。CPU111は、RAM112にロードされたプログラムを処理することにより、各種の機能を実現する。NVRAM114には、不揮発性記憶手段の一例であり、プログラムやプログラムが利用する各種のデータ等が記録される。なお、NVRAM114の代わりに、HDD(Hard Disk Drive)等、その他の不揮発性の記憶媒体が不揮発性記憶手段として用いられてもよい。
【0016】
スキャナ12は、原稿より画像データを読み取るためのハードウェアである。プリンタは13、印刷データを印刷用紙に印刷するためのハードウェアである。モデム14は、電話回線に接続するためのハードウェアであり、FAX通信による画像データの送受信を実行するために用いられる。操作パネル15は、ユーザからの入力の受け付けを行うめのボタン等の入力手段や、液晶パネル等の表示手段を備えたハードウェアである。ネットワークインタフェース16は、LAN等のネットワーク(有線又は無線の別は問わない。)に接続するためのハードウェアである。SDカードスロット17は、SDカード80に記録されたプログラムを読み取るために利用される。すなわち、画像形成装置10では、ROM113に記録されたプログラムだけでなく、SDカード80に記録されたプログラムもRAM112にロードされ、実行されうる。
【0017】
図3は、本発明の実施の形態における画像形成装置及びユーザ端末のソフトウェア構成例を示す図である。
【0018】
同図において、ユーザ端末20は、スキャンウィジェット21a、印刷ウィジェット21b、及びウィジェットマネージャ22等を有する。スキャンウィジェット21a及び印刷ウィジェット21bは、本実施の形態において、「ウィジェット21」として総称されるアプリケーションプログラムである。近年では、ウィジェット(Widget)又はガジェット(Gadget)とよばれる手軽なアプリケーションプログラムが流通している。本実施の形態では、手軽にインストールして利用可能なアプリケーションプログラムという程度の意味においてこれらのアプリケーションプログラムをウィジェット21と呼ぶ(すなわち、技術的な意義において限定する趣旨ではない)。但し、本実施の形態において、ウィジェット21は、画像形成装置10の機能を遠隔的に利用して、所定のサービス(例えば、ワークフロー等の一連の処理フロー)をユーザに提供するという点において共通する。例えば、スキャンウィジェット21aは、画像形成装置10にスキャンを実行させ、スキャンされた画像データをユーザ端末20内に保存するウィジェット21である。印刷ウィジェット21bは、ユーザ端末20内に保存されている文書データの印刷を画像形成装置10に実行させるウィジェット21である。
【0019】
ウィジェットマネージャ22は、ウィジェット21のフレームワークとして位置付けられ、ウィジェットと画像形成装置10との間の通信の仲介等を行う。各ウィジェット21は、ウィジェットマネージャ22によって規定されるインタフェース及び処理手順を備える必要がある。換言すれば、ウィジェットマネージャ22と協調して動作するアプリケーションが、本実施の形態におけるウィジェット21である。
【0020】
画像形成装置10は、アプリケーション120、及びアプリ制御部130等のソフトウェアを有する。アプリケーション120は、ユーザから要求されたジョブを実行するプログラムである。同図では、スキャンアプリ121、印刷アプリ122、及びプロバイダアプリ123がアプリケーション120として例示されている。スキャンアプリ121は、スキャンジョブを実行する。印刷アプリ122は印刷ジョブを実行する。プロバイダアプリ123は、画像形成装置10をウィジェット21と連携させるための処理を実行する。例えば、プロバイダアプリ123は、ウィジェット21が画像形成装置10に要求する処理を画像形成装置10に実行させるための処理を制御する。
【0021】
アプリ制御部130は、各アプリケーション120間の調停等を行う。例えば、アプリ制御部130は、ユーザによる操作指示に応じ、アクティブなアプリケーション120を切り替える。アクティブなアプリケーション120とは、画像形成装置10の操作パネルに操作画面を表示させている(すなわち、操作パネルを介して操作可能な状態にある)アプリケーション120をいう。
【0022】
図4は、第一の実施の形態におけるウィジェット、ウィジェットマネージャ、及びプロバイダアプリの機能構成例を示す図である。
【0023】
同図に示されるように、各ウィジェット21は、ウィジェットUI部211、ウィジェット情報送信部212、連携部213、ロジック部214、及び属性情報管理ファイル215等を有する。
【0024】
ウィジェットUI部211は、ウィジェット21に関する各種の表示画面をユーザ端末20の表示装置に表示させる。ウィジェット情報送信部212は、ウィジェット21が起動されたときに、ウィジェット情報の登録要求をウィジェットマネージャ22に送信する。ウィジェット情報にはウィジェット21の実行に必要な情報が含まれる。連携部213は、ウィジェットマネージャ22とのコミュニケーション(情報のやりとり等)を制御する。属性情報管理ファイル215は、ウィジェット21対する設定情報等を格納するファイルである。ロジック部214は、各ウィジェット21に固有の機能が実装される部分である。
【0025】
ウィジェットマネージャ22は、ウィジェット情報登録部223、検索要求応答部224、ウィジェット情報提供部225、中継部226、及びウィジェット情報管理テーブル227等を有する。
【0026】
ウィジェット情報登録部223は、ウィジェット21より送信されるウィジェット情報の登録要求を受信し、当該ウィジェット情報をウィジェット情報管理テーブル227に保存する。ウィジェット情報管理テーブル227には、ユーザ端末20において起動されている各ウィジェット21のウィジェット情報が登録されるテーブルであり、ユーザ端末20の記憶装置に生成される。
【0027】
検索要求応答部224は、プロバイダアプリ123によってマルチキャスト又はユニキャストによってネットワーク40又はネットワーク50上に送出されるウィジェットマネージャ22の検索要求に応じ、応答情報を返信する。当該応答情報には、当該ウィジェットマネージャ22が起動さてるユーザ端末20の識別情報(ホスト名又はIPアドレス)、ウィジェットマネージャ22の識別情報(URL(Uniform Resource Locator)等)、又はユーザ端末20のログインユーザの識別情報(ユーザID又はユーザ名)等が含まれる。本実施の形態では、便宜上、ユーザ端末20とユーザとは一対一に対応する。したがって、検索要求応答部224による応答情報は、ウィジェット21を利用可能なユーザの存在を画像形成装置10に通知するための情報であるともいえる。
【0028】
ウィジェット情報提供部225は、画像形成装置10からの要求に応じ、ウィジェット情報管理テーブル227に登録されているウィジェット情報を画像形成装置10に提供(送信)する。中継部226は、ウィジェット21とプロバイダアプリ123とのコミュニケーションを中継する。
【0029】
プロバイダアプリ123は、揮発性情報クリア部131、ユニキャスト対象登録部132、検索要求送出部133、応答受信部134、UI制御部135、ウィジェット情報取得部136、サービス制御部137、ユニキャスト対象リスト138、及びユーザ管理テーブル139等を有する。
【0030】
揮発性情報クリア部131は、所定のタイミングでRAM112に記録されている情報(例えば、ユーザ管理テーブル139)を削除(クリア)する。ユニキャスト対象登録部132は、ユニキャストによる検索対象とするユーザ端末20又はウィジェットマネージャ22の識別情報の登録要求を受け付け、当該識別情報をユニキャスト検索リスト138に登録(記録)する。第一の実施の形態において、ユニキャスト対象リスト138はRAM112に形成される。検索要求送出部133は、ネットワーク40及び50上に、ウィジェットマネージャ22の検索要求(ウィジェットマネージャ22を起動しているユーザ又はユーザ端末20の検索要求とも言える)を送出する。すなわち、本実施の形態において、ウィジェットマネージャ22又はウィジェットマネージャ22を起動しているユーザ端末20が、所定の資源の一例に相当する。検索要求送出部133は、画像形成装置10が属するセグメントであるネットワーク40上には、マルチキャストによって検索要求を送出する。マルチキャストの代わりにブロードキャストが利用されてもよい。一方、検索要求送出部133は、画像形成装置10が属するセグメントと異なるセグメントであるネットワーク50上には検索対象を明示したユニキャストによって検索要求を送出する。マルチキャスト及びブロードキャストが有効な範囲(到達可能な範囲)は、同一セグメント内に限定されてしまうからである。なお、ネットワーク50上において検索対象とされるユーザ端末20又はウィジェットマネージャ22の識別情報は、予めユニキャスト対象登録部132によってユニキャスト対象リスト138に記録されている。
【0031】
応答受信部134は、検索要求に応じて返信される応答情報をユーザ管理テーブル139に登録する。ユーザ管理テーブル139は、ウィジェットマネージャ22をネットワーク上において起動しているユーザの一覧を管理するテーブルである。ユーザ管理テーブル139は、RAM112に形成される。UI制御部135は、ウィジェット21の操作指示等の入力をユーザより受け付ける。すなわち、ウィジェット21は、ユーザ端末20に配置されているが、画像形成装置10の操作パネル15からも操作されうる。ウィジェット情報取得部136は、ユーザ管理テーブル139に登録されているユーザの中から実行対象として選択されたユーザのウィジェットマネージャ22に属するウィジェット21のウィジェット情報をウィジェットマネージャ22より取得する。
【0032】
サービス制御部137は、ウィジェット21から要求されたサービス(スキャン、印刷等)の実行を制御する。サービスを実現するための処理は、スキャンアプリ121又は印刷アプリ122等に委譲される。
【0033】
以下、情報処理システム1の処理手順について説明する。図5は、ユーザ端末におけるウィジェットの起動時の処理手順を説明するためのシーケンス図である。同図の初期状態において、ウィジェットマネージャ22は既に起動されていることとする。
【0034】
例えば、ユーザの指示入力に応じてスキャンウィジェット21aが起動されると、スキャンウィジェット21aのウィジェット情報送信部212は、属性情報管理ファイル215よりウィジェット情報を取得し、当該ウィジェット情報をウィジェットマネージャ22のウィジェット情報登録部223に送信する(S11)。
【0035】
図6は、スキャンウィジェットのウィジェット情報の例を示す図である。同図において、スキャンウィジェット21aのウィジェット情報は、ウィジェットID、ユーザID、ウィジェットアドレス、表示名、サービスID、及び設定情報等を含む。
【0036】
ウィジェットIDは、各ウィジェット21を一意に識別する識別情報である。ユーザIDは、スキャンウィジェット21aのユーザの識別子である。すなわち、各ウィジェット21は、当該ウィジェット21がインストールされたユーザ端末20のユーザに関連付けられている。ウィジェットアドレスは、ネットワーク通信において各ウィジェット21を一意に識別するための識別情報(例えば、URL等)である。表示名は、スキャンウィジェット21aの名前の表示用の文字列である。サービスIDは、スキャンウィジェット21aが画像形成装置10に対して提供を要求するサービスの識別子である。例えば、「SCAN」は、スキャンの実行を示す。また、「PRINT」は、印刷を示す。その他のサービスIDが定義されてもよい。設定情報は、サービスIDに指定されたサービスに対する設定情報(実行条件)である。例えば、スキャンであれば、解像度、カラーモード等に関する指定である。また、印刷であれば、用紙サイズ、カラーモード、集約、両面等に関する指定である。
【0037】
なお、ウィジェット情報は、属性情報管理ファイル215より取得されるものである。したがって、ユーザは、属性情報管理ファイル215を編集することにより、各サービスの設定情報に関してカスタマイズを行うことができる。
【0038】
続いて、ウィジェット情報登録部223は、受信されたウィジェット情報に含まれているユーザIDに対応するウィジェット情報管理テーブル227に当該ウィジェット情報を登録する(S12)。
【0039】
なお、ユーザが、他のウィジェット(例えば、印刷ウィジェット21b)起動した場合、これらのウィジェット21についても図5と同様の処理手順によってそのウィジェット情報がウィジェットマネージャ22のウィジェット情報管理テーブル227に登録される。
【0040】
ユーザ端末20において所望のウィジェット21を起動した後、ユーザは、当該ウィジェット21を利用するために画像形成装置10の設置場所へ移動する。なお、複数の画像形成装置10がユーザ端末20と通信可能な状態である場合、ユーザは任意の画像形成装置10を選択可能である。すなわち、ユーザは、複数の画像形成装置10の中で所望の画像形成装置10に赴いてスキャンウィジェット21aを利用することができる。
【0041】
続いて、画像形成装置10におけるユーザによる操作に応じて実行される処理について説明する。図7は、第一の実施の形態における画像形成装置によるユーザ選択画面の表示処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【0042】
画像形成装置10の起動時において、プロバイダアプリ123の揮発性情報クリア部131は、ユーザ管理テーブル139に登録されている情報を全て削除する(ユーザ管理テーブル139の内容をクリアする)(S110)。
【0043】
その後、プロバイダアプリ123のユニキャスト対象登録部132は、リモート端末20c及び20d(以下、両者を区別しない場合、単に「リモート端末20」という。)のそれぞれより、各リモート端末20の識別情報(IPアドレスもしくはホスト名等のアドレス情報)の登録要求を受け付ける(S120、S140)。ユニキャスト対象登録部132は、受信された識別情報をユニキャスト対象リスト138に記録する(S130、S150)。
【0044】
図8は、ユニキャスト対象リストの例を示す図である。同図では、各リモート端末20のIPアドレスが登録された例が示されている。以下の説明においても、ユニキャスト対象リスト138に登録されるリモート端末20の識別情報はIPアドレスとして説明する。但し、リモート端末20の識別情報は、利用する通信プロトコル等に応じ適切なものを採用すればよい。また、ユニキャスト対象リスト138へのリモート端末20の識別情報の登録は、操作パネル15を介して行われてもよい。
【0045】
ステップS150の後、画像形成装置10は操作待ち状態となっている。その後、いずれかのユーザ端末20においてウィジェット21を起動したユーザによって操作パネル21を介してプロバイダアプリ123の実行指示が入力されると(S160)、プロバイダアプリ123の検索要求送出部133は、ユニキャスト対象リスト138に登録されているIPアドレスを読み出す(取得する)(S170)。続いて、揮発性情報クリア部131は、ユーザ管理テーブル139の内容をクリアする(S180)。ステップS180におけるユーザ管理テーブル139のクリアは、ウィジェットマネージャ22の検索前の初期化処理に該当する。すなわち、ステップS160以降は、画像形成装置10の起動中において、プロバイダアプリ123が実行対象として選択されるたびに実行されるところ、前回の検索結果が残った状態では、これから実行される検索について正しい検索結果を表示させることができないからである。
【0046】
続いて、検索要求送出部133は、取得された各IPアドレスに対してユニキャストによる検索要求を送出する(S190、S200)。続いて、検索要求送出部133は、マルチキャストによる検索要求をネットワーク40上に送出する(S210、S220)。各検索要求は、例えば、ウィジェットマネージャ22のポート番号が指定される等、ウィジェットマネージャ22宛であることを示す情報を含む。
【0047】
検索要求が受信されたユーザ端末20において起動されているウィジェットマネージャ22の検索要求応答部は、検索要求に応じて応答情報を返信する。応答情報には、ログインユーザのユーザID、ユーザ端末20の識別情報(IPアドレス)、及びウィジェット情報取得用URL等が含められる。ウィジェット情報取得用URLとは、ウィジェットマネージャ22ごとに(すなわち、ユーザ端末20ごとに)一意なURLである。図7の例では、まず、ローカル端末20aの検索要求応答部より応答情報が返信され、続いて、リモート端末20cの検索要求応答部より応答情報が返信された例が示されている(S230、S260)。プロバイダアプリ123の応答受信部134は、応答情報の受信に応じ、応答情報をユーザ管理テーブに登録(記録)する(S240、S270)。
【0048】
図9は、ユーザ管理テーブルの構成例を示す図である。同図に示されるように、ユーザ管理テーブル139は、ユーザID、IPアドレス、及びウィジェット情報取得用URLを対応づけて管理する。同図では、ユーザA及びユーザCについてレコードが登録されている例が示されている。ユーザAは、ローカル端末20aのログインユーザのユーザIDであり、ユーザCは、リモート端末20cのログインユーザのユーザIDである。
【0049】
一方、プロバイダアプリ123のUI制御部135は、ユーザ選択画面(一覧画面)を表示手段の一例である操作パネル15に表示させ、ユーザ管理テーブル139への応答情報の登録に応じ、当該応答情報に対応するボタン(表示要素)をユーザ選択画面に表示させる(S250、S280)。
【0050】
図10は、ユーザ選択画面の表示例を示す図である。同図に示されるユーザ選択画面610には、ユーザIDごと(応答情報ごと)にボタンが表示されている。同図では、ユーザAに対応するボタン613とユーザCに対応するボタン614とが表示されている。また、ユーザ選択画面610には、固定的に表示されるボタンとして、再表示ボタン611及び管理ボタン612が配置されている。再表示ボタン611は、ステップS170以降を再度実行させるためのボタンである。管理ボタン612は、管理画面を表示させるためのボタンである。管理画面では、例えば、プロバイダアプリ123に関する各種設定を行うことができる。
【0051】
なお、UI制御部135は、応答情報が受信されるごとに(ユーザ管理テーブル139に登録されるたび)に、その都度(逐次)受信された応答情報に対応するボタンをユーザ選択画面610に追加する。したがって、ステップS250のタイミングでは、ボタン614は表示されていない。図10は、ステップS280のタイミングにおける表示状態に対応する。
【0052】
その後、ウィジェットマネージャ22の検索開始時(ステップS160又はステップS190)から所定時間t1が経過すると、UI制御部135は、ユーザ選択画面610の更新を中止する。すなわち、t1経過後に受信され、ユーザ管理テーブル139に登録された応答情報に係るボタンの追加は行われない。こうすることにより、ユーザ選択画面610の表示状態が長時間(例えば、数秒)たっても安定しないといった事態の発生を回避することができる。その結果、ユーザ選択画面610の操作性を向上することができる。具体的には、ユーザAが、自らに対応するボタン613を押下しようとした場合に、新たなボタンの追加によりボタン613の位置が変化し、それにより誤操作を行ってしまうといった事態の発生を回避することができる。
【0053】
但し、t1経過後に受信された応答情報についても、ユーザ管理テーブル139への登録は行われる。図7では、ローカル端末20b及びリモート端末20dからの応答情報がt1経過後に受信され(S290、S310)、ユーザ管理テーブル139に登録された例が示されている(S300、S320)。
【0054】
その後、例えば、管理ボタン612が押下され、操作パネル15の表示対象が管理画面へ遷移した後、管理画面において、ユーザ選択画面610への遷移(復帰)指示が入力されると(S330)、UI制御部135は、ユーザ管理テーブル139より応答情報を読み出し(S340)、読み出された全ての応答情報に基づいてユーザ選択画面610を表示させる(S350)。このタイミングにおいて、ユーザ管理テーブル139には、4つの応答情報が登録されている。したがって、ユーザ選択画面610には4ユーザ分のボタンが表示される。
【0055】
一方、ユーザ選択画面610において再選択ボタン611が押下されると、プロバイダアプリ123は、ステップS170以降を再実行する。すなわち、ウィジェットマネージャ22の再検索が実行される。この場合は、画面遷移によるユーザ選択画面610への復帰と異なり、t1経過前に受信された応答情報に対応するボタンがユーザ選択画面610に表示される。
【0056】
なお、ユーザ選択画面610において、例えば、ユーザAによってボタン611が押下されると、ウィジェット情報取得部136は、ボタン611に対応する応答情報のウィジェット情報取得用URLに対してウィジェット情報の取得要求を送信する。当該取得要求は、ローカル端末20aのウィジェットマネージャ22によって受信される。ウィジェットマネージャ22のウィジェット情報提供部225は、ウィジェット情報管理テーブル227に登録されているウィジェット情報(図6参照)をウィジェット情報取得部136に返信する。ウィジェット情報の受信に応じ、UI制御部135は、ウィジェット選択画面を表示させる。ウィジェット選択画面では、ウィジェット21ごと(ウィジェット情報ごと)にボタンが表示される。本実施の形態では、スキャンウィジェット21aに対応するボタンが表示される。当該ボタンがユーザによって押下されると、サービス制御部137は、スキャンウィジェット21aのウィジェット情報のサービスID(「SCAN」)に基づいてスキャンすべきことを認識し、原稿のセットを促すメッセージを操作パネル15に表示させる。ユーザがスキャナ12に原稿をセットし、操作パネル15のスタートキーを押下すると、サービス制御部137は、スキャンアプリ121に処理を委譲する。スキャンアプリ121は、スキャナ12に原稿のスキャンを実行させ、スキャンされた画像データ(スキャン画像)をサービス制御部137に出力する。サービス制御部137は、スキャンウィジェット21aのウィジェット情報に含まれているウィジェットアドレス宛に当該スキャン画像を送信する。スキャンウィジェット21aの連携部213は、スキャン画像を受信すると、当該スキャン画像をロジック部214に入力する。ロジック部214は、例えば、スキャン画像をユーザ端末21aの記憶装置に記録したり、他のコンピュータに転送(配信)したり等、予め組み込まれたロジックを実行する。
【0057】
続いて、第二の実施の形態について説明する。第二の実施の形態では、第一の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及しない点については第一の実施の形態と同様でよい。
【0058】
図11は、第二の実施の形態における画像形成装置によるユーザ選択画面の表示処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。図11中、図7と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0059】
第二の実施の形態では、ユニキャスト対象リスト138がNVRAM114に形成される点が第一の実施の形態と異なる。したがって、ステップS130a及びS150aにおいて、ユニキャスト対象登録部132は、受信されたリモート端末20のIPアドレスをNVRAM114内のユニキャスト対象リスト138に記録する。また、ステップS170aにおいて、検索要求送出部133は、NVRAM114内のユニキャスト対象リスト138に登録されているIPアドレスを読み出す。
【0060】
リモート端末20のIPアドレスが不揮発性の記憶媒体であるNVRAM114に記録されることにより、画像形成装置10の電源が切られたとしてもユニキャスト対象リスト138の内容は消去されない。したがって、画像形成装置10が起動されるたびに、ユニキャスト対象リスト138への登録処理を行う必要はない。
【0061】
次に、第三の実施の形態について説明する。第三の実施の形態では、第二の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及しない点については第二の実施の形態と同様でよい。
【0062】
図12は、第三の実施の形態におけるウィジェット、ウィジェットマネージャ、及びプロバイダアプリの機能構成例を示す図である。図12中、図4と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0063】
第三の実施の形態において、プロバイダアプリ123は、ユニキャスト対象移動部141を更に有する。ユニキャスト対象移動部141は、NVRAM114に記録されているユニキャスト対象リスト138の一部又は全部を、所定の条件に基づいてRAM112に移動する。
【0064】
図13は、第三の実施の形態における画像形成装置によるユーザ選択画面の表示処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。図13中、図11と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0065】
第三の実施の形態では、前回の検索時に検索されたウィジェットマネージャ22に対応するボタンが、今回の検索を行う前に半輝度で表示される。その後、今回の検索時に検索されたウィジェットマネージャ22のボタンの表示は、半輝度から全輝度に切り替わる。
【0066】
斯かる機能を実現するため、UI制御部135は、操作パネル21を介して入力されるプロバイダアプリ123の実行指示に応じ(S160)、ユーザ管理テーブル139に登録されている応答情報を読み出す(S165)。このタイミングで登録されている応答情報は、前回の検索時において受信された応答情報(前回の検索時に検索されたウィジェットマネージャ22の応答情報)である。続いて、UI制御部135は、読み出された応答情報に対応するボタンを、半輝度でユーザ選択画面610に表示させる(S167)。
【0067】
その後、UI制御部135は、検索要求に応じてt1までに応答情報が受信されるたびに、受信された応答情報に対応するボタンを全輝度でユーザ選択画面610に表示させる(S250a、S280a)。なお、該当するボタンが既に半輝度で表示されている場合は、UI制御部135は、当該ボタンの表示態様を半輝度から全輝度に切り替える。すなわち、同一対象に対して半輝度と全輝度とのボタンが存在するという状態は発生しない。
【0068】
このように、今回の検索の前に前回の検索結果に基づいて半輝度でボタンを表示しておくことで、ユーザは所望のボタンがどこに配置されているのかを検索中に確認することができる。したがって、所望のボタンが全輝度に切り替わった際に、迅速に当該ボタンを選択することができる。
【0069】
第三の実施の形態ではまた、ユニキャスト対象リスト138に登録されているIPアドレスについて、所定時間t1より長い所定時間t2を経過しても応答情報が受信されない場合は、当該IPアドレスをユニキャスト対象リスト138から削除する。すなわち、当該IPアドレスに対応するユーザ端末20は、ネットワーク構成の変更等に伴って存在しなくなったものとみなし、ユニキャストによる検索対象から除外する。但し、応答情報が受信されないのは、なんらかの原因による遅延によることも考えられる。そこで、2回連続して所定時間t2を経過しても応答情報が受信されないIPアドレスを、ユニキャスト対象リスト138より除外する。
【0070】
斯かる機能を実現するため、ユニキャスト対象移動部141は、ウィジェットマネージャ22の検索開始時(ステップS160又はステップS190)から所定時間t2が経過すると、NVRAM114内のユニキャスト対象リスト138に登録されている全てのIPアドレスを読み出す(S360)。ここで読み出されたIPアドレス群を「ユニキャストIPアドレス群」という。続いて、ユニキャスト対象移動部141は、RAM112内のユーザ管理テーブル139に登録されている全てのIPアドレス(すなあわち、今回の検索において受信された応答情報に含まれているIPアドレス)を読み出す(S370)。ここで読み出されたIPアドレス群を「応答済IPアドレス群」という。続いて、ユニキャスト対象移動部141は、ユニキャストIPアドレス群に含まれているIPアドレスの中で、応答済アドレス群に含まれていないIPアドレス(以下、「未応答IPアドレス」という。)をNVRAM114内のユニキャスト対象リスト138より削除する(S380)。続いて、ユニキャスト対象移動部141は、未応答IPアドレスを要素(エントリ)とする一時的なユニキャスト対象リスト138(以下、「一時ユニキャスト対象リスト」という。)をRAM112内に生成する。
【0071】
一時ユニキャスト対象リストに記録されたIPアドレスは、ステップS172において検索要求送出部133によって読み出される。検索要求送出部133は、一時ユニキャスト対象リストより読み出されたIPアドレスに対してユニキャストによる検索要求を送出する。
【0072】
また、一時ユニキャスト対象リストは、ステップS180aにおいて揮発性情報クリア部131によってRAM112より削除される。したがって、一時ユニキャスト対象リストに登録されたIPアドレスは、ステップS180aのタイミングにおいてユニキャスト対象リスト138及び一時ユニキャスト対象リストの双方に登録されていない状態となる。但し、第三の実施の形態において、応答受信部134は、ユニキャストによる検索要求に対する応答情報(すなわち、リモート端末20からの応答情報)が受信された場合は、当該応答情報に含まれているIPアドレスをNVRAM114内のユニキャスト対象リスト138に記録する(S265、S315)。したがって、一時ユニキャスト対象リストにいわば「降格」されたIPアドレスであっても、次回の検索時に応答情報が受信されれば(検索されれば)、ユニキャスト対象リスト138に復帰する。一方、次回の検索時に応答情報が受信されない場合は、一時ユニキャスト対象リストは削除されてしまっているため、それ以降検索対象とはされない。
【0073】
このように、検索されたか否かに応じてユニキャスト対象リスト138を更新することにより、不在となったウィジェットマネージャ22(ユーザ端末20)を検索対象から除外することができる。その結果、検索処理の効率化やネットワーク負荷の低減等を図ることができる。また、一度応答が無かったことにより直ちに検索対象から除外するのではなく、再度検索してみても検索されたかった場合に検索対象から除外することにより、一時的な事情により応答に失敗したウィジェットマネージャ22が検索対象から除外されてしまうのを適切に回避することができる。
【0074】
次に、第四の実施の形態について説明する。第四の実施の形態では、第二の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及しない点については第二の実施の形態と同様でよい。
【0075】
図14は、第四の実施の形態における画像形成装置によるユーザ選択画面の表示処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。図14中、図11と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0076】
第四の実施の形態では、所定時間t1経過後に応答情報が受信されたローカル端末20については、次回の検索時においてユニキャストによって検索を行うようにする。
【0077】
斯かる機能を実現するため、応答受信部134は、所定時間t1経過後に応答情報が受信された場合、当該応答情報については遅延フラグを付加してユーザ管理テーブル139に登録する。図14の例では、ステップS300aにおいて登録される応答情報(ローカル端末20bからの応答情報)、及びステップS320aにおいて登録される応答情報(リモート端末20dからの応答情報)について遅延フラグが付加される。遅延フラグは、応答に所定時間t1以上要したことを示す情報である。
【0078】
図15は、第四の実施の形態におけるユーザ管理テーブルの構成例を示す図である。図15中、図9と同一部分については説明を省略する。
【0079】
同図に示されるユーザ管理テーブル139では、遅延フラグが管理情報として追加されている。同図では、ユーザB及びユーザDに関して遅延フラグが「ON」とされている。ユーザBは、ローカル端末20bのログインユーザのユーザIDであり、ユーザDは、リモート端末20dのログインユーザのユーザIDである。遅延フラグが「ON」であることは、遅延フラグが付加されたことと実質的に同義である。一方、遅延フラグが「OFF」であることは、遅延フラグが付加されていないことと実質的に同義である。
【0080】
遅延フラグは、ステップS174において利用される。すなわち、ステップS174において、検索要求送出部133は、ユーザ管理テーブル139より、遅延フラグが付加されている(遅延フラグが「ON」である)IPアドレスを読み出す。検索要求送出部133は、遅延フラグが付加されているIPアドレスが、ローカル端末20に対するIPアドレスである場合は、当該IPアドレスに対してユニキャストによる検索要求を送出する(S205)。この際、検索要求送出部133は、マルチキャストによる検索要求よりも先に、ユニキャストによる検索要求を送出する。そうすることにより、前回応答が遅延したローカル端末20bについて、より迅速な応答が得られる可能性を高める。その結果、ローカル端末20bについても、所定時間t1経過前にユーザ選択画面610に対応するボタンを表示される可能性を高めることができる。なお、IPアドレスが、ローカル端末20のであるか、リモート端末20のものであるかは、IPアドレスのネットワークアドレスに基づいて判定すればよい。
【0081】
ところで、リモート端末20dについては、当初よりユニキャストによって検索要求が送出されるため、ユニキャストによる検索対象とするといった変更は行われない。但し、リモート端末20dについても、遅延の可能性を小さくできればリモート端末20dに対応するボタンの表示の可能性を高めることができる。
【0082】
そこで、検索要求送出部133は、ユニキャスト対象リスト138に含まれているIPアドレスの中で、ユーザ管理テーブル139において遅延フラグが付加されているIPアドレス(以下、「遅延リモートIPアドレス」という。)の有無をステップS174の後で確認(判定)する。遅延リモートIPアドレスが存在する場合、検索要求送出部133は、遅延リモートIPアドレスに対する検索要求を他のIPアドレスに対するユニキャスト又はマルチキャストに対して優先させる。図14の例では、リモート端末20dに対するユニキャストを最初に実行する。また、リモート端末20dに対するユニキャストの後、所定時間待機してから、その他のユニキャスト及びマルチキャストを送出するようにしてもよい。
【0083】
次に、第五の実施の形態について説明する。第五の実施の形態では、第二の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及しない点については第二の実施の形態と同様でよい。
【0084】
図16は、第五の実施の形態におけるウィジェット、ウィジェットマネージャ、及びプロバイダアプリの機能構成例を示す図である。
【0085】
同図において、プロバイダアプリ123は、ユニキャスト対象追加部142を更に有する。ユニキャスト対象追加部142は、ユーザ選択画面610において選択されたボタンがローカル端末20(ローカル端末20からの応答情報)に対応するものである場合、当該応答情報に含まれているIPアドレスをNVRAM114内のユニキャスト対象リスト138に追加する。
【0086】
図17は、第五の実施の形態における画像形成装置によるユーザ選択画面の表示処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。図17中、図11と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0087】
同図では、ステップS410以降が追加されている。ユーザ選択画面610が操作パネル15に表示されている状態において、ユーザによってユーザ選択画面610内のボタンが押下されると、ユニキャスト対象追加部142は、押下されたボタンに対応する応答情報に含まれているIPアドレスに基づいて、当該ボタンがローカル端末20に対応するものであるか否かを判定する(S410)。当該ボタンがローカル端末20に対応するものである場合、ユニキャスト対象追加部142は、当該ボタンに対応する応答情報に含まれているIPアドレスをNVRAM114内のユニキャスト対象リスト138に追加する(S420)。
【0088】
その結果、次回の検索時において、当該IPアドレスに係るローカル端末20のウィジェットマネージャ22については、ユニキャストによって検索が行われる。検索要求送出部133は、ユニキャスト対象リスト138に記録されているIPアドレスについては、ユニキャストによって検索要求を送出するからである。
【0089】
上述したように、第五の実施の形態によれば、ユーザによって使用されたウィジェットマネージャ22については、次回以降ユニキャストによって検索が行われる。したがって、ユーザに使用される可能性の高いウィジェットマネージャ22が検索される可能性を高めることができる。
【0090】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0091】
10 画像形成装置
11 コントローラ
12 スキャナ
13 プリンタ
14 モデム
15 操作パネル
16 ネットワークインタフェース
17 SDカードスロット
20a、20b、20c、20d ユーザ端末
21a スキャンウィジェット
21b 印刷ウィジェット
22 ウィジェットマネージャ
30 ルータ
40、50 ネットワーク
80 SDカード
111 CPU
112 RAM
113 ROM
114 NVRAM
120 アプリケーション
121 スキャンアプリ
122 印刷アプリ
123 プロバイダアプリ
130 アプリ制御部
131 揮発性情報クリア部
132 ユニキャスト対象登録部
133 検索要求送出部
134 応答受信部
135 UI制御部
136 ウィジェット情報取得部
137 サービス制御部
138 ユニキャスト対象リスト
139 ユーザ管理テーブル
141 ユニキャスト対象移動部
142 ユニキャスト対象追加部
211 ウィジェットUI部
212 ウィジェット情報送信部
213 連携部
214 ロジック部
215 属性情報管理ファイル
223 ウィジェット情報登録部
224 検索要求応答部
225 ウィジェット情報提供部
226 中継部
227 ウィジェット情報管理テーブル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0092】
【特許文献1】特開2006−340286号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の資源に対する検索要求をネットワーク上に送出する検索要求送出手段と、
前記検索要求に対する応答情報を受信し、受信された応答情報を記憶手段に記録する応答受信手段と、
前記検索要求の送出から第一の所定時間内に前記記憶手段に記録された前記応答情報ごとに表示要素を含む一覧画面を表示手段に表示させる一覧画面表示制御手段とを有し、
前記一覧画面表示制御手段は、前記一覧画面から他の画面への遷移後、再度前記一覧画面に遷移したときに前記第一の所定時間後に前記記憶手段に記録された前記応答情報に対応する表示要素も含む前記一覧画面を表示させる画像形成装置。
【請求項2】
前記検索要求送出手段は、マルチキャストと、不揮発性記憶手段に記録されているアドレス情報に対するユニキャストとによって前記検索要求を送出し、
前記応答受信手段は、前記応答情報を揮発性記憶手段に記録し、
前記一覧画面表示制御手段は、前記揮発性記憶手段に記録された前記応答情報に基づいて前記一覧画面を表示させ、
前記揮発性記憶手段に記録された前記応答情報を、前記所定の資源の検索のたびに削除する削除手段を有する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ユニキャストによる前記検索要求に対して前記第一の所定時間より長い第二の所定時間内に前記応答情報が前記揮発性記憶手段に記録されなかった前記検索要求に係る前記アドレス情報を前記不揮発性記憶手段から前記揮発性記憶手段に移動する移動手段を有し、
前記検索要求送出手段は、前記揮発性記憶手段に移動された前記アドレス情報に対してユニキャストによる前記検索要求を送信し、
前記削除手段は、前記揮発性記憶手段記録された前記アドレス情報を検索のたびに削除し、
前記応答受信手段は、前記揮発性記憶手段に移動された前記アドレス情報に対するユニキャストによる前記検索要求に対する前記応答情報が前記第二の所定時間内に受信された場合は、当該アドレス情報を前記不揮発性記憶手段に記録する請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記応答受信手段は、マルチキャストによる前記検索要求に対して前記第一の所定時間経過後に受信された前記応答情報を遅延識別情報を付加して前記揮発性記憶手段に記録し、
前記前記検索要求送出手段は、前記遅延識別情報が付加されている前記応答情報に含まれているアドレス情報に対し、ユニキャストによって前記検索要求を送出する請求項2又は3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記応答受信手段は、ユニキャストによる前記検索要求に対して前記第一の所定時間経過後に前記応答情報が受信された前記アドレス情報に遅延識別情報を付加し、
前記前記検索要求送出手段は、前記遅延識別情報が付加されている前記アドレス情報に対するユニキャストによる前記検索要求を、他の検索要求より先に送出する請求項2乃至4いずれか一項記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記一覧画面において選択された前記表示要素に係る前記応答情報に含まれているアドレス情報を前記不揮発性記憶手段に記録するユニキャスト対象追加手段を有する請求項2乃至5いずれか一項記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像形成装置が実行する表示制御方法であって、
所定の資源に対する検索要求をネットワーク上に送出する検索要求送出手順と、
前記検索要求に対する応答情報を受信し、受信された応答情報を記憶手段に記録する応答受信手順と、
前記検索要求の送出から第一の所定時間内に前記記憶手段に記録された前記応答情報ごとに表示要素を含む一覧画面を表示手順に表示させる一覧画面表示制御手順とを有し、
前記一覧画面表示制御手順は、前記一覧画面から他の画面への遷移後、再度前記一覧画面に遷移したときに前記第一の所定時間後に前記記憶手段に記録された前記応答情報に対応する表示要素も含む前記一覧画面を表示させる表示制御方法。
【請求項8】
画像形成装置に、
所定の資源に対する検索要求をネットワーク上に送出する検索要求送出手順と、
前記検索要求に対する応答情報を受信し、受信された応答情報を記憶手段に記録する応答受信手順と、
前記検索要求の送出から第一の所定時間内に前記記憶手段に記録された前記応答情報ごとに表示要素を含む一覧画面を表示手順に表示させる一覧画面表示制御手順とを実行させ、
前記一覧画面表示制御手順は、前記一覧画面から他の画面への遷移後、再度前記一覧画面に遷移したときに前記第一の所定時間後に前記記憶手段に記録された前記応答情報に対応する表示要素も含む前記一覧画面を表示させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−28576(P2011−28576A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−174610(P2009−174610)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】