説明

画像形成装置及びプログラム

【課題】磁気潜像保持体上における磁気トナーを含む液体の過多に起因する被転写体上の画像の乱れを抑制することができる画像形成装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】温度測定部38により測定された温度及び湿度測定部40により測定された湿度の各々に対応する、磁気ドラム12上の現像液の膜厚の経時変化を示す経時変化情報に基づいて、トナー像が中間転写体18に転写される時点で膜厚測定部36により測定される磁気ドラム12上の現像液の膜厚が予め定められた範囲に収まるように当該膜厚を調整するための制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、像保持体表面に静電潜像を形成し、当該静電潜像が形成された像保持体表面にトナーを含む液体を塗布することで像保持体表面にトナー像を形成した後、像保持体表面の液体を除去し、トナー像を乾燥させ、当該トナー像を中間転写媒体を介して記録媒体上に転写する画像形成装置が開示されている。
【特許文献1】特開2004−102316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、磁気潜像保持体上における磁気トナーを含む液体の過多に起因する被転写体上の画像の乱れを抑制することができる画像形成装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の画像形成装置は、表面が撥水性を有する磁気潜像保持体と、前記磁気潜像保持体上に形成された磁気潜像を顕在化するために、磁気トナー及び水性媒体を含む液体現像剤を前記磁気潜像保持体上に供給する液体現像剤供給手段と、前記磁気潜像を前記液体現像剤によって顕在化することにより前記磁気潜像保持体上に形成された現像像が転写される被転写体と、前記液体現像剤供給手段により前記磁気潜像保持体上に供給された前記液体現像剤の当該磁気潜像保持体上における膜厚を測定する第1測定手段と、前記磁気潜像保持体近傍の温度及び湿度の少なくとも一方を測定する第2測定手段と、前記第2測定手段により測定される温度及び湿度の少なくとも一方に対する前記膜厚の経時変化を示す経時変化情報を予め記憶した記憶手段と、前記第2測定手段により測定された温度及び湿度の少なくとも一方に対応する前記経時変化情報を前記記憶手段から読み出し、当該経時変化情報に基づいて、前記現像像が前記被転写体に転写される時点で前記第1測定手段により測定される膜厚が予め定められた範囲に収まるように当該膜厚を調整するための制御を行う制御手段と、を備えている。
【0005】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記制御手段が、読み出した前記経時変化情報を用いて、前記第1測定手段により測定された膜厚に対応する時間から予め定められた時間が経過した時点で当該膜厚が前記範囲に収まるか否かを判断し、当該膜厚が前記範囲に収まらないと判断した場合に限り前記制御を行うものである。
【0006】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記第1測定手段が、前記磁気潜像保持体上における前記磁気潜像が形成されない領域の前記膜厚を測定するものである。
【0007】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1測定手段に代えて、前記液体現像剤供給手段により前記磁気潜像保持体上に供給された前記液体現像剤の前記磁気潜像保持体上における膜厚を示す膜厚情報を予め記憶した第2記憶手段を更に備え、前記制御手段が、前記第2測定手段により測定された温度及び湿度の少なくとも一方に対応する前記経時変化情報を前記記憶手段から読み出すと共に、前記膜厚情報を前記第2記憶手段から読み出し、前記経時変化情報に基づいて、前記現像像が前記被転写体に転写される時点で前記膜厚情報により示される膜厚が前記範囲に収まるように当該膜厚を調整するための制御を行うものである。
【0008】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記制御手段が、読み出した前記経時変化情報を用いて、前記膜厚情報により示される膜厚に対応する時間から予め定められた時間が経過した時点で当該膜厚が前記範囲に収まるか否かを判断し、当該膜厚が前記範囲に収まらないと判断した場合に限り前記制御を行うものである。
【0009】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の発明において、前記磁気潜像保持体上に送風する送風手段を更に備え、前記制御手段が、前記膜厚を調整するための制御として、前記送風手段により送風させる制御を行うものである。
【0010】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の発明において、前記磁気潜像保持体及び前記被転写体が、各々両端部が回転可能に支持された回転体あるいはベルトであり、前記被転写体が、当該被転写体及び前記磁気潜像保持体が回転された状態で前記現像像が転写されるものであり、前記制御手段が、更に、前記現像像を前記被転写体に転写する際に前記被転写体の回転速度が前記磁気潜像保持体の回転速度よりも遅くなるように前記磁気潜像保持体及び前記被転写体を制御するものである。
【0011】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記磁気潜像保持体の回転速度に対する前記被転写体の回転速度の割合が0.95以下であるとしたものである。
【0012】
一方、上記目的を達成するために、請求項9に記載の発明は、表面が撥水性を有する磁気潜像保持体と、前記磁気潜像保持体上に形成された磁気潜像を顕在化するために、磁気トナー及び水性媒体を含む液体現像剤を前記磁気潜像保持体上に供給する液体現像剤供給手段と、前記磁気潜像を前記液体現像剤によって顕在化することにより前記磁気潜像保持体上に形成された現像像が転写される被転写体と、を備えた画像形成装置に対応し、コンピュータに、前記液体現像剤供給手段により前記磁気潜像保持体上に供給された前記液体現像剤の当該磁気潜像保持体上における膜厚を測定する第1測定手段から当該膜厚を示す膜厚情報を取得すると共に、前記磁気潜像保持体近傍の温度及び湿度の少なくとも一方を測定する第2測定手段から当該温度及び湿度の少なくとも一方を示す環境情報を取得する取得ステップと、前記第2測定手段により測定される温度及び湿度の少なくとも一方に対する前記膜厚の経時変化を示す経時変化情報を予め記憶した記憶手段から、前記取得ステップにより取得された環境情報に対応する経時変化情報を読み出す読出ステップと、前記読出ステップにより読み出された経時変化情報に基づいて、前記現像像が前記被転写体に転写される時点で前記取得ステップにより取得される膜厚情報により示される膜厚が予め定められた範囲に収まるように当該膜厚を調整するための制御を行う制御ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1及び請求項9に記載の発明によれば、磁気潜像保持体上における磁気トナーを含む液体の過多に起因する被転写体上の画像の乱れを抑制することができる、という効果が得られる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、膜厚を調整するための制御の不要な実行を回避することができる、という効果が得られる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、磁気潜像保持体上に形成された現像像を乱すことなく膜厚を測定することができる、という効果が得られる。
【0016】
また、請求項4に記載の発明によれば、磁気潜像保持体上の膜厚を測定する手段を設ける必要がなくなる結果、磁気潜像保持体上における現像剤を含む液体の過多に起因する被転写体上の画像の乱れを、より低コストで抑制することができる、という効果が得られる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の効果に加え、膜厚を調整するための制御の不要な実行を回避することができる、という効果が得られる。
【0018】
また、請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の発明の効果に加え、より迅速に膜厚を調整することができる、という効果が得られる。
【0019】
また、請求項7に記載の発明によれば、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の発明の効果に加え、本発明を適用しない場合に比較して、磁気潜像保持体上に形成された現像像の被転写体への転写効率を向上させることができる、という効果が得られる。
【0020】
更に、請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明の効果に加え、磁気潜像保持体上に形成された現像像の被転写体への転写効率をより一層向上させることができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0022】
[第1の実施形態]
図1は、本第1の実施形態に係る画像形成装置10の要部構成を示す概略断面図である。
【0023】
同図に示すように、画像形成装置10は、後述するトナー粒子を用いて記録用紙Pに対して画像を形成するためのものであり、磁気ドラム12、磁気ヘッド14、現像装置16、中間転写体18、クリーナ20、消磁装置22及び転写定着ローラ24を含んで構成されている。
【0024】
磁気ドラム12は、両端部が画像形成装置10の筐体(図示省略)の内壁に回転可能に取り付けられた円柱状の回転体であり、磁気ドラム12の外周に磁気ヘッド14、現像装置16、中間転写体18、クリーナ20及び消磁装置22が順次に設けられている。また、磁気ドラム12は、モータ26の回転駆動力を受けて図の矢印A方向に回転駆動する。
【0025】
なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、磁気ドラム12の表面が撥水性を有している。ここでいう「撥水性」とは水を弾く性質のことを意味し、具体的には純水との接触角が70度以上であることをいう。
【0026】
磁気ヘッド14は、後述する端末装置62(図3参照。)から入力された画像情報に応じた磁力線を磁気ドラム12の外周面上に放出することによって、磁気ドラム12上に磁気潜像を形成するものである。
【0027】
現像装置16は、磁気ドラム12上に形成された磁気潜像を顕在化するために、磁気トナー及び水性媒体を含む液体現像剤(以下、「現像液」という。)を磁気ドラム12に供給するものであり、液体貯留容器30及び現像ローラ32を含んで構成されている。なお、本第1の実施形態に係る画像形成装置10では、イエローの磁気トナーを適用しているが、これに限らず、他色の磁気トナーを適用しても良いことは言うまでもない。
【0028】
液体貯留容器30は、現像液が貯留されるものである。液体貯留容器30には、当該現像液を磁気ドラム12に供給するための開口34が形成されている。
【0029】
現像ローラ32は、上記磁気トナーを磁気ドラム12に付着させるものである。現像ローラ32は、両端部が液体貯留容器30の内壁に回転可能に取り付けられた円柱状の回転体であり、液体貯留容器30に貯留された現像液に一部が浸るように、かつ外周面が開口34を介して磁気ドラム12の外周面に接触するように設けられており、磁気ドラム12の回転に従動する。
【0030】
中間転写体18は、上記磁気潜像を現像液によって顕在化することにより磁気ドラム12上に形成されたトナー像(現像像)が転写されるものである。中間転写体18は、両端部が画像形成装置10の筐体の内壁に回転可能に取り付けられた円柱状の回転体であり、外周面が磁気ドラム12の外周面に接触するように設けられており、モータ28の回転駆動力を受けて図の矢印B方向に回転駆動する。
【0031】
なお、本第1の実施形態に係る画像形成装置10では、磁気ドラム12及び中間転写体18の直径が共に150mmであるが、これに限らず、磁気ドラム12の直径及び中間転写体18の直径は画像形成装置10の設計仕様や使用目的等に応じて決定すれば良い。
【0032】
また、本第1の実施形態に係る画像形成装置10では、画像形成処理を実行する際にモータ26により磁気ドラム12が10mm/sで回転されているが、これに限らず、これとは異なる回転速度で磁気ドラム12を回転させても良く、磁気ドラム12の回転速度は、画像形成装置10の設計仕様や使用目的等に応じて決定すれば良い。
【0033】
転写定着ローラ24は、中間転写体18により搬送されたトナー像を記録用紙Pに転写させると同時に定着させるものである。本第1の実施形態に係る画像形成装置10では、記録用紙Pが中間転写体18と転写定着ローラ24とによって挟まれることにより、中間転写体18上のトナー像が記録用紙Pに密着され、これによって記録用紙Pにトナー像が転写され、これと同時に記録用紙P上にトナー像が定着される。なお、これに限らず、トナー像の定着は、トナーの特性により加圧のみによって行うこともできるし、転写定着ローラ24に発熱体を設けて加圧及び加熱によって行っても良い。
【0034】
クリーナ20は、磁気ドラム12の転写残トナーを回収するものである。また、消磁装置22は、磁気ドラム12上の磁気潜像を消去するものである。
【0035】
ところで、このように構成された画像形成装置10では、磁気ドラム12によってトナー像が中間転写体18との接触位置まで搬送されると、現像装置16により磁気ドラム12上に供給された現像液も当該接触位置まで搬送されることになる。そして、磁気ドラム12上の現像液は、上記接触位置において磁気ドラム12及び中間転写体18の回転方向とは逆方向に押し出される。
【0036】
図2には、画像形成装置10において、磁気ドラム12の直径が150mm、中間転写体18の直径が20mm、中間転写体18の外周面の素材がシリコン樹脂材、中間転写体18の外周面の厚さが2mm、磁気ドラム12の回転速度が10mm/s、磁気ドラム12の回転速度に対する中間転写体18の回転速度の割合が0.95とされた場合に、磁気ドラム12から中間転写体18に転写されたトナー像及びその周辺の状態の一例が示されている。
【0037】
同図に示されるように、磁気ドラム12上の現像液の量が多過ぎると、前述したように上記接触位置において当該現像液の押し出される量が過多になり、中間転写体18に転写されたトナー像の一部が流れたような状態になってしまう。
【0038】
そこで、本第1の実施形態に係る画像形成装置10では、磁気ドラム12上の現像液の膜厚を調整する膜厚調整処理が実行される。そのために、本第1の実施形態に係る画像形成装置10には、膜厚測定部36、温度測定部38、湿度測定部40及び送風器42が備えられている。
【0039】
膜厚測定部36は、現像液の磁気ドラム12上における膜厚を測定するものである。なお、本第1の実施形態に係る画像形成装置10では、後述するCPU50が、磁気ドラム12上における磁気潜像が形成されない領域の膜厚を測定するように膜厚測定部36を制御している。具体的には、磁気ドラム12の画像形成領域外であって、磁気ドラム12の外周面の端部における現像液の膜厚を測定している。
【0040】
また、本第1の実施形態に係る画像形成装置10では、膜厚測定部36として光透過型フォトセンサ(一例として、キーエンス社製LS7030)を適用している。この光透過型フォトセンサは、現像装置16と中間転写体18との間に設けられている。上記光透過型フォトセンサは、光を発する発光部と、当該光を受光し、受光した光量に応じた電流を出力する受光部と、を備えており、発光部から発せられた光の光軸が磁気ドラム12の外周面に接するように当該外周面に近接して設けられている。
【0041】
また、本第1の実施形態に係る画像形成装置10では、上記光透過型フォトセンサの発光部と受光部との距離として10mmを適用しているが、これに限らず、画像形成装置10の設計仕様や設置環境などに応じて決定すれば良い。
【0042】
また、本第1の実施形態に係る画像形成装置10では、膜厚測定部36として光透過型フォトセンサを適用しているが、これに限らず、磁気ドラム12上の現像液の膜厚を測定することができる他のセンサを用いても良いことは言うまでもない。
【0043】
また、本第1の実施形態に係る画像形成装置10では、膜厚測定部36の測定位置として、画像形成時において磁気ドラム12上の現像液が当該現像液の供給位置から6秒後に到達する位置を適用しているが、これに限らず、膜厚測定部36の測定位置は画像形成装置10の設計仕様や設置環境等に応じて決定すれば良い。
【0044】
一方、温度測定部38及び湿度測定部40は、現像装置16と膜厚測定部36との間で、かつ磁気ドラム12の外周面に近接して設けられている。温度測定部38は、磁気ドラム12近傍の温度を測定するものである。なお、本第1の実施形態に係る画像形成装置10では、温度測定部38としてサーミスタを適用しているが、これに限らず、白金測温抵抗体や熱電対などの他の温度センサを用いても良いことは言うまでもない。
【0045】
また、湿度測定部40は、磁気ドラム12近傍の湿度を測定するものである。なお、本第1の実施形態に係る画像形成装置10では、湿度測定部38として高分子膜湿度センサを適用しているが、これに限らず、セラミック湿度センサや電解質湿度センサなどの他の湿度センサを用いても良いことは言うまでもない。
【0046】
一方、送風器42は、磁気ドラム12上に送風するものであり、中間転写体18と膜厚測定部36との間に設けられている。なお、本第1の実施形態に係る画像形成装置10では、送風器42としてシロッコファンを適用しているが、これに限らず、ターボファン、サイレントファン、エアホイルファン等の他のファンを適用しても良いことは言うまでもない。
【0047】
図3は、本第1の実施形態に係る画像形成装置10の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【0048】
同図に示すように、画像形成装置10は、CPU(中央処理装置)50、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)54、NVM(Non Volatile Memory)56、UI(ユーザ・インタフェース)パネル58、及び通信インタフェース60を含んで構成されている。
【0049】
CPU50は、画像形成装置10全体の動作を司るものである。ROM52は、画像形成装置10の作動を制御する制御プログラム、後述する膜厚調整処理プログラムや各種パラメータ等を予め記憶する記憶手段として機能するものである。RAM54は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるものである。NVM56は、装置の電源スイッチが切られても保持しなければならない各種情報を記憶するものである。
【0050】
UIパネル58は、ディスプレイ上に透過型のタッチパネルが重ねられたタッチパネルディスプレイ等から構成され、各種情報がディスプレイの表示面に表示されると共に、ユーザがタッチパネルに触れることにより所望の情報や指示が入力される。
【0051】
通信インタフェース60は、パーソナル・コンピュータ等の端末装置62に接続され、端末装置62から記録用紙Pに形成する画像を示す画像情報等の各種情報を受信するためのものである。
【0052】
CPU50、ROM52、RAM54、NVM56、UIパネル58及び通信インタフェース60は、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU50は、ROM52、RAM54、NVM56へのアクセスと、UIパネル58への各種情報の表示と、UIパネル58に対するユーザの操作指示内容の把握と、端末装置62からの通信インタフェース60を介した各種情報の受信と、を各々行うことができる。
【0053】
また、画像形成装置10は、液体マグネトグラフィ方式にて記録用紙Pに対して画像形成を行う画像形成エンジン部64を含んで構成されている。画像形成エンジン部64は、前述した磁気ドラム12、磁気ヘッド14、現像装置16、中間転写体18、クリーナ20、消磁装置22、転写定着ローラ24及びモータ26、28を含んで構成されている。
【0054】
画像形成エンジン部64もまた、システムバスBUSに接続されている。従って、CPU50は、画像形成エンジン部64の作動の制御を行うことができる。
【0055】
更に、前述した膜厚測定部36、温度測定部38、湿度測定部40及び送風器42もまた、システムバスBUSに接続されている。従って、CPU60は、膜厚測定部36により測定された膜厚を示す膜厚情報の取得と、温度測定部38により測定された温度を示す温度情報(環境情報)の取得と、湿度測定部40により測定された湿度を示す湿度情報(環境情報)の取得と、送風器42の作動の制御と、を各々行うことができる。
【0056】
一方、本第1の実施形態に係る画像形成装置10では、ROM52に、前述した膜厚調整処理を実行する際に用いられるものであり、温度測定部38により測定される温度と湿度測定部40により測定される湿度との組み合わせに対応する磁気ドラム12上に供給された現像液の膜厚の経時変化を示す経時変化情報が予め記憶されている。
【0057】
図4には、ROM52に記憶されている上記経時変化情報の一例を示すグラフが示されている。
【0058】
同図に示すように、経時変化情報は、温度が28℃で、かつ湿度が80%の条件(28℃/80%)、温度が22℃で、かつ湿度が55%の条件(22℃/55%)、及び温度が15℃で、かつ湿度が20%の条件(15℃/20%)の各々の条件下において、磁気ドラム12上で現像液を放置した際の経過時間に対する当該現像液の膜厚の変化を測定した結果を示している。
【0059】
ところで、本発明者らが本第1の実施形態に係る画像形成装置10を用いて磁気ドラム12の回転速度に対する中間転写体18の回転速度の割合(以下、「速度比」という。)を変えながら転写率を調べる実験を行ったところ、表1及び図5に示す実験結果が得られた。なお、ここでいう転写率とは、転写前の磁気ドラム12上のトナー像に含まれるトナー粒子の量に対する転写後の中間転写体18上のトナー像に含まれる磁気トナーの量の割合のことである。
【0060】
【表1】

この実験により、表1及び図5に示されているように、速度比が1.05から0.95にかけて小さくなるにつれて転写率が大きくなっていき、速度比が0.95で転写率がピークとなり、速度比が0.95以下では転写率が安定することが分かった。
【0061】
そこで、本第1の実施形態に係る画像形成装置10では、磁気ドラム12上に形成されたトナー像を中間転写体18に転写する際に中間転写体18の回転速度が磁気ドラム12の回転速度よりも遅くなるように磁気ドラム12及び中間転写体18が制御されている。すなわち、CPU50が、磁気ドラム12上に形成されたトナー像を中間転写体18に転写する際に中間転写体18の回転速度が磁気ドラム12の回転速度よりも遅くなるようにモータ26、28を制御している。
【0062】
また、言うまでもないが、速度比は1から遠くなるほど磁気ドラム12と中間転写体18とで生じる摩擦力が大きくなり、1に近くなるほど当該摩擦力が小さくなる。
【0063】
そこで、本第1の実施形態に係る画像形成装置10では、当該摩擦力を極力抑えながら転写率を極力高くするために、速度比が0.95となるようにCPU50がモータ26、28を制御している。
【0064】
次に、本第1の実施形態に係る画像形成装置10の作用を説明する。先ず、画像形成エンジン部64の処理の流れについて簡単に説明する。
【0065】
磁気ドラム12及び中間転写体18の回転駆動が開始されると、磁気ヘッド14により磁気ドラム12上に磁気潜像が形成される。そして、液体貯留容器30に貯留された現像液は、磁気ドラム12の回転に伴って図の矢印C方向(図1を参照。)に回転する現像ローラ32によって搬送され、磁気ドラム12上に形成された磁気潜像に供給される。これによって磁気潜像は顕像化されてトナー像となる。当該トナー像は、磁気ドラム12及び中間転写体18が回転された状態で中間転写体18に転写される。すなわち、当該トナー像は、図の矢印A方向に回転する磁気ドラム12によって搬送され、中間転写体18の外周面に転写される。中間転写体18により矢印B方向に搬送されたトナー像は、転写定着ローラ24との接触位置において記録用紙Pに転写されると同時に定着される。
【0066】
中間転写体18にトナー像を転写した磁気ドラム12では、転写残トナーがクリーナ20との接触位置まで運ばれ、クリーナ20によって回収される。クリーナ20によって転写残トナーが回収された後、磁気潜像を保持したまま磁気ドラム12は消磁装置22の位置まで回転移動し、消磁装置22により、磁気ドラム12上の磁気潜像が消去される。これによって磁気ドラム12は画像形成前の磁気状態に戻される。
【0067】
次に、図6を参照して、前述した膜厚調整処理を画像形成時に実行する際の画像形成装置10の作用を説明する。なお、図6は、画像形成エンジン部64が画像形成処理を実行している際に画像形成装置10のCPU50により所定時間(ここでは、0.1秒)間隔で実行される膜厚調整処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM52の所定領域に予め記憶されている。
【0068】
同図のステップ100では、膜厚測定部36により測定された膜厚を示す膜厚情報を膜厚測定部36から取得すると共に、温度測定部38により測定された温度を示す温度情報を温度測定部38から取得し、かつ湿度測定部40により測定された湿度を示す湿度情報を湿度測定部40から取得する。
【0069】
次のステップ102では、前述したように、上記ステップ100で取得した温度情報により示される温度と上記ステップ100で取得した湿度情報により示される湿度との各々に対応する経時変化情報をROM52から読み出す。
【0070】
なお、本第1の実施形態に係る画像形成装置10では、上記ステップ102の処理として、温度測定部38により測定された温度と湿度測定部40により測定された湿度の各々に最も適合する経時変化情報をROM52から読み出す処理を適用している。すなわち、前述した3種類の条件の経時変化情報のうち、温度測定部38により測定された温度に最も近い温度に対応する経時変化情報と、湿度測定部40により測定された湿度に最も近い湿度に対応する経時変化情報と、をROM52から読み出す処理を適用している。例えば、温度測定部38により測定された温度が30℃で、湿度測定部40により測定された湿度が50%の場合には、28℃/80%の条件に対応する経時変化情報と、22℃/55%の条件に対応する経時変化情報と、をROM52から読み出している。
【0071】
なお、本第1の実施形態に係る画像形成装置10では、上記ステップ102の処理として、温度測定部38により測定された温度が28℃と22℃との中央値又は22℃と28℃との中央値である場合には温度が高い方に対応する経時変化情報をROM52から読み出し、湿度測定部40により測定された湿度が80%と55%との中央値又は55%と20%との中央値である場合には湿度が高い方に対応する経時変化情報をROM52から読み出す処理を適用している。
【0072】
次のステップ104では、上記ステップ102で読み出した、上記ステップ100で取得した温度情報により示される温度に対応する経時変化情報と上記ステップ100で取得した湿度情報により示される湿度に対応する経時変化情報との平均値を算出する。
【0073】
次のステップ106では、上記ステップ104で算出した平均値を用いて、上記ステップ100で取得した膜厚情報により示される膜厚に対応する時間から予め定められた時間が経過した時点で当該膜厚が予め定められた範囲にあるか否かを判定し、ここで否定判定となった場合にはステップ108へ移行する一方、肯定判定となった場合には本膜厚調整処理プログラムを終了する。
【0074】
なお、本第1の実施形態に係る画像形成装置10では、上記ステップ104で算出した平均値を用いて、上記ステップ100で取得した膜厚情報により示される膜厚に対応する時間から予め定められた時間が経過した時点で当該膜厚が予め定められた範囲にあるか否かを判定する処理を適用している。
【0075】
ここでいう予め定められた時間とは、トナー像が膜厚測定部36上を通過してから中間転写体18との接触位置に到達する迄の時間である。
【0076】
また、第1の実施形態に係る画像形成装置10では、上記予め定められた範囲として、磁気ドラム12上の現像液の膜厚が当該範囲内にあるとき、磁気ドラム12から中間転写体18にトナー像が転写された際に、中間転写体18上のトナー像の一部が流れた状態になっていることを視認することができないものとして予め画像形成装置10の実機による実験や、画像形成装置10の設計仕様に基づくコンピュータ・シミュレーション等によって得られた値等を適用することができる。なお、上記予め定められた範囲を、画像形成装置10の用途や要求精度等に応じたものとしてユーザに入力させ、この値を適用する形態とすることもできる。
【0077】
なお、本第1の実施形態に係る画像形成装置10では、上記予め定められた範囲として、0.5μm〜3μmを適用している。
【0078】
一方、ステップ108では、磁気ドラム12上に形成されたトナー像が中間転写体18に転写される時点で上記ステップ100で取得した膜厚情報により示される膜厚が上記予め定められた範囲に収まるように当該膜厚を調整するための制御を行い、その後に本膜厚調整処理プログラムを終了する。
【0079】
なお、本第1の実施形態に係る画像形成装置10では、上記ステップ108の膜厚を調整するための制御として、送風器42により送風させる制御を適用している。
【0080】
このように送風器42により磁気ドラム12上を送風すると、一例として図7に示すように、現像液の磁気ドラム12上における膜厚が、磁気ドラム12から中間転写体18にトナー像が転写された際に中間転写体18上のトナー像の乱れを生じさせない膜厚α(本第1の実施形態では3μm)以下となる速度は、磁気ドラム12上の現像液を単に放置する場合(送風器42による送風がない場合)に比較して大きくなる。当該速度は、送風器42の送風量に応じて変化する。
【0081】
そこで、本第1の実施形態に係る画像形成装置10では、上記送風量を上記ステップ100で取得した膜厚情報により示される膜厚に応じて決定している。
【0082】
上記送風量としては、トナー像が膜厚測定部36上を通過してから中間転写体18との接触位置に到達する迄の間に膜厚測定部36により測定された膜厚を上記予め定められた範囲に収めることができる値として、画像形成装置10の実機による実験や、画像形成装置10の設計仕様に基づくコンピュータ・シミュレーション等によって予め得られた値等を適用することができる。
【0083】
なお、本第1の実施形態では、上記ステップ100が本発明の取得ステップに、上記ステップ102が本発明の読出ステップに、上記ステップ104〜上記ステップ108が本発明の制御ステップに各々相当する。
【0084】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、現像液の磁気ドラム12上における膜厚を膜厚測定部36により測定する場合の形態例を挙げて説明したが、本第2の実施形態では、膜厚測定部36による測定を行わない場合の形態例について説明する。
【0085】
なお、本第2の実施形態に係る画像形成装置は、ROM52に、現像装置16により磁気ドラム12上に供給される上記液体の磁気ドラム12上における膜厚を示す膜厚情報が予め記憶されている点のみが上記第1の実施形態に係る画像形成装置10と異なっており、それ以外の構成は上記第1の実施形態に係る画像形成装置10と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0086】
次に、図8を参照して、前述した膜厚調整処理を画像形成時に実行する際の本第2の実施形態に係る画像形成装置10の作用を説明する。なお、図8は、画像形成エンジン部64が画像形成処理を実行している際に画像形成装置10のCPU50により所定時間(ここでは、0.1秒)間隔で実行される膜厚調整処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM52の所定領域に予め記憶されている。
【0087】
同図のステップ200では、温度測定部38により測定された温度を示す温度情報を温度測定部38から取得すると共に、湿度測定部40により測定された湿度を示す湿度情報を湿度測定部40から取得する。
【0088】
次のステップ202では、上記ステップ200で取得した温度情報により示される温度と上記ステップ200で取得した湿度情報により示される湿度との組み合わせに対応する経時変化情報をROM52から読み出すと共に、膜厚情報をROM52から読み出す。
【0089】
次のステップ204では、上記ステップ202で読み出した、上記ステップ200で取得した温度情報により示される温度に対応する経時変化情報と上記ステップ200で取得した湿度情報により示される湿度に対応する経時変化情報との平均値を算出する。
【0090】
ステップ206では、上記ステップ204で算出した平均値を用いて、上記ステップ202で読み出した膜厚情報により示される膜厚に対応する時間から予め定められた時間が経過した時点で当該膜厚が予め定められた範囲にあるか否かを判定し、ここで否定判定となった場合にはステップ206へ移行する一方、肯定判定となった場合には本膜厚調整処理プログラムを終了する。
【0091】
次のステップ208では、磁気ドラム12上に形成されたトナー像が中間転写体18に転写される時点で上記ステップ202で読み出した膜厚情報により示される膜厚が上記予め定められた範囲に収まるように当該膜厚を調整するための制御を行い、その後に本膜厚調整処理プログラムを終了する。
【0092】
以上、本発明を上記各実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記各実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の主旨を逸脱しない範囲で上記各実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0093】
また、上記各実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、また、上記各実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。上記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における状況に応じた組み合わせにより種々の発明を抽出できる。上記各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0094】
例えば、上記各実施形態では、送風器42で膜厚を調整する場合の形態例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ヒータを用いて膜厚を調整するようにしても良いし、送風器42とヒータとを併用して膜厚を調整するようにしても良い。
【0095】
また、上記各実施形態では、温度及び湿度の組み合わせに対応する磁気変化情報を用いて膜厚を調整する場合の形態例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、温度及び湿度の一方に対応する磁気変化情報を用いて膜厚を調整するようにしても良い。
【0096】
また、上記各実施形態では、3種類の経時変化情報がROM52に予め記憶されている場合の形態例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ROM52に記憶される経時変化情報は何種類であっても良い。但し、高精度な制御を行うためにはある程度の種類が必要である。
【0097】
また、上記各実施形態では、磁気ドラム12及び中間転写体18を回転体としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、磁気ドラム12及び中間転写体18をベルトとしても良い。
【0098】
その他、上記各実施形態で説明した画像形成装置10の構成(図1及び図3参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることは言うまでもない。
【0099】
また、上記各実施形態で説明した膜厚調整処理プログラムの処理の流れ(図6及び図8参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりすることができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】実施形態に係る画像形成装置の要部構成を示す概略断面図である。
【図2】磁気ドラムから中間転写体に転写されたトナー像及びその周辺の状態の一例を示す図である。
【図3】実施形態に係る画像形成装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図4】実施形態に係る画像形成装置のROMに記憶されている経時変化情報の一例を示すグラフである。
【図5】第1の実施形態に係る画像形成装置おける磁気ドラムの回転速度に対する中間転写体の回転速度の割合と転写率との関係の一例を示すグラフである。
【図6】第1の実施形態に係る膜厚調整処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】実施形態に係る画像形成装置おける送風器による送風が有るときの磁気ドラム上の現像液の膜厚の経時変化と送風器による送風が無いときの磁気ドラム上の現像液の膜厚の経時変化とを示すグラフである。
【図8】第2の実施形態に係る膜厚調整処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0101】
10 画像形成装置
12 磁気ドラム(磁気潜像保持体)
16 現像装置(液体現像剤供給手段)
18 中間転写体(被転写体)
36 膜厚測定部(第1測定手段)
38 温度測定部(第2測定手段)
40 湿度測定部(第2測定手段)
42 送風器(送風手段)
50 CPU(制御手段)
52 ROM(記憶手段、第2記憶手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面が撥水性を有する磁気潜像保持体と、
前記磁気潜像保持体上に形成された磁気潜像を顕在化するために、磁気トナー及び水性媒体を含む液体現像剤を前記磁気潜像保持体上に供給する液体現像剤供給手段と、
前記磁気潜像を前記液体現像剤によって顕在化することにより前記磁気潜像保持体上に形成された現像像が転写される被転写体と、
前記液体現像剤供給手段により前記磁気潜像保持体上に供給された前記液体現像剤の当該磁気潜像保持体上における膜厚を測定する第1測定手段と、
前記磁気潜像保持体近傍の温度及び湿度の少なくとも一方を測定する第2測定手段と、
前記第2測定手段により測定される温度及び湿度の少なくとも一方に対する前記膜厚の経時変化を示す経時変化情報を予め記憶した記憶手段と、
前記第2測定手段により測定された温度及び湿度の少なくとも一方に対応する前記経時変化情報を前記記憶手段から読み出し、当該経時変化情報に基づいて、前記現像像が前記被転写体に転写される時点で前記第1測定手段により測定される膜厚が予め定められた範囲に収まるように当該膜厚を調整するための制御を行う制御手段と、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、読み出した前記経時変化情報を用いて、前記第1測定手段により測定された膜厚に対応する時間から予め定められた時間が経過した時点で当該膜厚が前記範囲に収まるか否かを判断し、当該膜厚が前記範囲に収まらないと判断した場合に限り前記制御を行う請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1測定手段は、前記磁気潜像保持体上における前記磁気潜像が形成されない領域の前記膜厚を測定する請求項1又は請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1測定手段に代えて、前記液体現像剤供給手段により前記磁気潜像保持体上に供給された前記液体現像剤の前記磁気潜像保持体上における膜厚を示す膜厚情報を予め記憶した第2記憶手段を更に備え、
前記制御手段は、前記第2測定手段により測定された温度及び湿度の少なくとも一方に対応する前記経時変化情報を前記記憶手段から読み出すと共に、前記膜厚情報を前記第2記憶手段から読み出し、前記経時変化情報に基づいて、前記現像像が前記被転写体に転写される時点で前記膜厚情報により示される膜厚が前記範囲に収まるように当該膜厚を調整するための制御を行う請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、読み出した前記経時変化情報を用いて、前記膜厚情報により示される膜厚に対応する時間から予め定められた時間が経過した時点で当該膜厚が前記範囲に収まるか否かを判断し、当該膜厚が前記範囲に収まらないと判断した場合に限り前記制御を行う請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記磁気潜像保持体上に送風する送風手段を更に備え、
前記制御手段は、前記膜厚を調整するための制御として、前記送風手段により送風させる制御を行う請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記磁気潜像保持体及び前記被転写体は、各々両端部が回転可能に支持された回転体あるいはベルトであり、
前記被転写体は、当該被転写体及び前記磁気潜像保持体が回転された状態で前記現像像が転写されるものであり、
前記制御手段は、更に、前記現像像を前記被転写体に転写する際に前記被転写体の回転速度が前記磁気潜像保持体の回転速度よりも遅くなるように前記磁気潜像保持体及び前記被転写体を制御する請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記磁気潜像保持体の回転速度に対する前記被転写体の回転速度の割合は0.95以下である請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
表面が撥水性を有する磁気潜像保持体と、前記磁気潜像保持体上に形成された磁気潜像を顕在化するために、磁気トナー及び水性媒体を含む液体現像剤を前記磁気潜像保持体上に供給する液体現像剤供給手段と、前記磁気潜像を前記液体現像剤によって顕在化することにより前記磁気潜像保持体上に形成された現像像が転写される被転写体と、を備えた画像形成装置に対応し、
コンピュータに、
前記液体現像剤供給手段により前記磁気潜像保持体上に供給された前記液体現像剤の当該磁気潜像保持体上における膜厚を測定する第1測定手段から当該膜厚を示す膜厚情報を取得すると共に、前記磁気潜像保持体近傍の温度及び湿度の少なくとも一方を測定する第2測定手段から当該温度及び湿度の少なくとも一方を示す環境情報を取得する取得ステップと、
前記第2測定手段により測定される温度及び湿度の少なくとも一方に対する前記膜厚の経時変化を示す経時変化情報を予め記憶した記憶手段から、前記取得ステップにより取得された環境情報に対応する経時変化情報を読み出す読出ステップと、
前記読出ステップにより読み出された経時変化情報に基づいて、前記現像像が前記被転写体に転写される時点で前記取得ステップにより取得される膜厚情報により示される膜厚が予め定められた範囲に収まるように当該膜厚を調整するための制御を行う制御ステップと、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−175643(P2009−175643A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−16803(P2008−16803)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】