説明

画像形成装置及びプログラム

【課題】搬送不良による画像の生産性の低下を抑えつつ記録媒体を搬送させて搬送不良の解消の確認を行う画像形成装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】用紙の搬送不良の解消の確認を行う際に、当該用紙の搬送経路の複数の位置に設けられ、各々用紙の搬送不良を検出する用紙センサ54により搬送不良が検出された位置が予め定められた位置の場合は、印刷対象とする画像情報に基づく画像の形成を停止させた状態で用紙を搬送させ、搬送不良が検出された位置が予め定められた位置以外の場合は、用紙を搬送させつつ当該用紙に対して画像情報に基づく画像の形成を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、表示パネルの設定メニュー上に、用紙ジャム回復直後の印刷における印刷汚れ確認パターン印刷のON/OFF設定処理、及び印刷汚れ確認パターン印刷の設定がONに設定されている場合における印刷再開時に印刷汚れ確認パターンを印刷する処理を設定したプリンタの印刷制御装置が記載されている。
【0003】
特許文献2には、連続プリント時に装置が停止し、再び装置を立ち上げた際に、試しプリントにより画像確認が可能な試しプリントモードを有する画像形成装置が記載されている。
【0004】
特許文献3には、用紙の搬送中に発生する紙詰まりエラーの解消を検出するための紙詰まり解消検出方法において、用紙が搬送途中で詰まったことを検出するステップと、詰まった用紙を除去するための作業に基づく搬送系の操作の有無を検出するステップと、搬送系に紙詰まり解消確認用テストぺーパを供給するステップと、テストペーパが搬送途中で詰まったか否かを判断するステップと、を備えた紙詰まり解消検出方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−237629号公報
【特許文献2】特開2001−343872号公報
【特許文献3】特開平8−108968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、搬送不良による画像の生産性の低下を抑えつつ記録媒体を搬送させて搬送不良の解消の確認を行う画像形成装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明の画像形成装置は、予め定められた搬送経路に沿って記録媒体を搬送する搬送手段と、印刷対象とする画像情報を取得する取得手段と、前記搬送手段により搬送される前記記録媒体に前記取得手段により取得された画像情報に基づく画像を形成する画像形成手段と、前記搬送経路の複数の位置の各々で、記録媒体の搬送不良を検出する搬送不良検出手段と、記録媒体の搬送不良の解消の確認を行う際に、前記搬送不良検出手段により搬送不良が検出された位置が予め定められた位置の場合は、前記画像情報に基づく画像の形成を停止させた状態又は画像を形成する枚数を制限した状態で記録媒体を搬送させ、前記搬送不良が検出された位置が前記予め定められた位置以外の場合は、前記画像情報に基づく画像の形成を行いつつ前記記録媒体を搬送させるように前記搬送手段及び前記画像形成手段を制御する制御手段と、を備えている。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記予め定められた位置を、搬送不良が発生した場合に前記記録媒体の破片の残留が発生し易い位置とし、前記記録媒体の搬送不良を解消するための予め定められた操作を検出する解消操作検出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記解消操作検出手段による予め定められた操作の検出期間が予め定められた期間以下の場合、前記搬送不良検出手段により搬送不良が検出された位置が予め定められた位置の場合であっても前記記録媒体に対して前記画像情報に基づく画像の形成を行うように前記画像形成手段を制御するものである。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、大きさ及び種類の少なくとも一方が異なる記録媒体をそれぞれ収容した収容部と、搬送不良の解消の確認を行う際に搬送させる記録媒体の大きさ及び種類の少なくとも一方の指定を受け付ける受付手段と、をさらに備え、前記制御手段が、前記収容部から前記受付手段で指定された記録媒体を搬送不良の解消の確認のために搬送させるように前記搬送手段を制御するものである。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記搬送手段により搬送された前記記録媒体が排出される排出部を複数さらに備え、前記制御手段が、前記受付手段で指定された記録媒体が前記画像情報に基づく画像の形成を行う記録媒体と同一で且つ搬送不良の解消の確認のために搬送される解消確認用の記録媒体に対して前記画像情報に基づく画像を形成する場合は、当該解消確認用の記録媒体を搬送不良の発生前に前記画像情報に基づく画像が形成された記録媒体と同一の排出部に排出し、前記受付手段で指定された記録媒体が前記画像情報に基づく画像の形成を行う記録媒体と異なる場合、及び前記受付手段で指定された記録媒体が前記画像情報に基づく画像の形成を行う記録媒体と同一で且つ前記解消確認用の記録媒体に対して前記画像情報に基づく画像の形成を行わない場合は、異なる排出部に排出するように前記搬送手段を制御するものである。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記予め定められた位置を、前記画像形成手段により形成される画像の画質の劣化が発生し易い位置とし、前記制御手段が、前記搬送不良が検出された位置が前記画像の劣化が発生し易い位置の場合、前記記録媒体に対して予め定めた画質検査用の画像を形成するように前記画像形成手段を制御するものである。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5項記載の発明において、交換されることにより画像の画質に影響を与える第1交換部品の交換を検出する部品交換検出手段をさらに備え、前記制御手段が、前記部品交換検出手段により前記第1交換部品の交換が検出された場合、前記搬送不良が検出された位置が前記画像の劣化が発生し易い位置以外の場合であっても、前記記録媒体に対して予め定めた画質検査用の画像を形成するように前記画像形成手段を制御するものである。
【0013】
また、請求項7に記載の発明は、請求項5又は請求項6記載の発明において、蓄積された汚れにより画像の画質に影響を与える第2交換部品の交換が必要な時期であるかを検出する交換時期検出手段をさらに備え、前記制御手段が、前記交換時期検出手段により前記第2交換部品の交換が必要な時期であると検出された場合、前記搬送不良が検出された位置が前記画像の劣化が発生し易い位置以外の場合であっても、前記記録媒体に対して予め定めた画質検査用の画像を形成するように前記画像形成手段を制御するものである。
【0014】
一方、請求項8に記載の発明のプログラムは、コンピュータを、記録媒体の搬送不良の解消の確認を行う際に、記録媒体の搬送経路の複数の位置の各々で、記録媒体の搬送不良を検出する搬送不良検出手段により搬送不良が検出された位置が予め定められた位置の場合は、前記画像情報に基づく画像の形成を停止させた状態又は画像を形成する枚数を制限した状態で記録媒体を搬送させ、前記搬送不良が検出された位置が前記予め定められた位置以外の場合は、前記画像情報に基づく画像の形成を行いつつ記録媒体を搬送させるように搬送手段及び画像形成手段を制御する制御手段として機能させるものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1、及び請求項8に記載の発明によれば、搬送不良が発生した位置に関わらず記録媒体の搬送不良を検出した場合に搬送不良の解消確認のためにテストぺーパの搬送を行う場合と比較して、搬送不良による画像の生産性の低下を抑えつつ記録媒体を搬送させて搬送不良の解消の確認を行える。
【0016】
また、請求項2に記載の発明によれば、搬送不良が検出された位置が記録媒体の破片の残留が発生し易い位置の場合に必ず画像情報に基づく画像の形成を停止させて記録媒体を搬送させる場合と比較して、画像の生産性が向上する。
【0017】
また、請求項3に記載の発明によれば、搬送不良の解消の確認を行う際に搬送させる記録媒体が予め定められている場合と比較して、ユーザが記録媒体のコスト、搬送不良の解消の確認の精度等を勘案して、搬送不良の解消の確認を行う際に搬送させる記録媒体の指定を行える。
【0018】
また、請求項4に記載の発明によれば、搬送不良の解消の確認で搬送する記録媒体を全て同じ排出部に排出する場合と比較して、搬送不良の解消の確認で搬送する記録媒体が像情報に基づく画像の形成を行う記録媒体と異なる場合及び記録媒体に対して画像情報に基づく画像の形成されない場合に当該記録媒体を排出部から取り除く必要がなくなる。
【0019】
また、請求項5に記載の発明によれば、搬送不良が発生した位置に関わらず記録媒体の搬送不良を検出した場合に画質の確認のためにテストプリントを行っていた場合と比較して、搬送不良による画像の生産性の低下を抑えつつ画質の劣化の確認を行える。
【0020】
また、請求項6に記載の発明によれば、交換されることにより画像の画質に影響を与える第1交換部品が交換されても画質の確認のためにテストプリントを行わない場合と比較して、画質の劣化の確認を行える。
【0021】
また、請求項7に記載の発明によれば、蓄積された汚れにより画像の画質に影響を与える第2交換部品の交換が必要な時期なっても画質の確認のためにテストプリントを行わない場合と比較して、画質の劣化の確認を行える。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】実施の形態に係る筐体を開けて画像形成エンジン部が引き出した状態の斜視図である。
【図3】実施の形態に係る画像形成装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態に係るジャム確認用位置情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図5】実施の形態に係る画質確認用位置情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図6】実施の形態に係る確認プリント設定画面の一例を示す平面図である。
【図7】実施の形態に係る搬送不良発生処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】実施の形態に係る搬送不良となった用紙の除去を確認する画面の一例を示す平面図である。
【図9】実施の形態に係るジャム確認プリント処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】実施の形態に係る用紙除去確認画面の一例を示す平面図である。
【図11】実施の形態に係る画質確認プリント処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】実施の形態に係る画質確認プリント問い合せ画面の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、以下では、本発明を、外付けの給紙装置と後処理装置(所謂フィニッシャ)を備えた画像形成装置に適用した場合について説明する。
【0024】
図1には、本実施の形態に係る画像形成装置10の概略構成が示されている。
【0025】
画像形成装置10は、読込位置に置かれた原稿から画像を読み込み、当該画像を示す画像情報を取得するスキャナ12と、スキャナ12により取得した画像情報、外部から取得した画像情報に基づいて画像形成処理を行う装置本体14と、操作メニューやメッセージ等を表示すると共に表面に透過型のタッチパネルが一体的に設けられたタッチパネル・ディスプレイ(以下、「ディスプレイ」という。)16と、画像を形成する前の用紙が格納された複数の給紙トレイ20と、を有している。なお、本実施の形態では、用紙が記録媒体の一例に相当する。
【0026】
なお、スキャナ12は、自動両面原稿送り装置を備えており、当該自動両面原稿送り装置に置かれた原稿に記録された画像を順次読み取る。
【0027】
また、装置本体14は、筐体13(図2、図3参照)内に、用紙上へ画像の形成を行う画像形成エンジン部22を備えている。画像形成エンジン部22は、トナーを用いて電子写真方式で画像を形成する。なお、本実施の形態では、画像形成エンジン部22が画像形成手段の一例に相当する。
【0028】
また、ディスプレイ16は、表面に透過型のタッチパネルが一体的に設けられており、ユーザがディスプレイ16の表示面に指先にて接触する(タッチ操作する)ことにより画像形成装置10に対して各種の動作が指示される。
【0029】
画像形成装置10には、画像形成装置10に対して用紙を供給する外付けの給紙装置30と、画像形成装置10によって画像が形成されて排出される用紙に対して後処理を行う機能を備えた後処理装置40と、が接続されている。
【0030】
給紙装置30には、手差しトレイ32が設けられている。また、給紙装置30は、多量の用紙を積層して収容される大容量の給紙ユニット34が設けられている。
【0031】
画像形成装置10には、各給紙トレイ20、給紙装置30の手差しトレイ32及び給紙ユニット34から用紙が搬送経路50を介して選択的に画像形成エンジン部22への給紙される。なお、図1では、用紙が搬送される搬送経路50が破線で示されている。
【0032】
画像形成装置10は、搬送経路50を搬送される用紙に対して画像形成エンジン部22で画像を形成する。また、画像形成装置10は、両面印刷用の反転経路52を備えている。両面印刷を行なう場合、画像形成エンジン部22により片面に画像が形成された用紙は反転経路52で反転されて再び画像形成エンジン部22に搬送される。これにより、用紙の両面に画像が形成される。
【0033】
画像形成エンジン部22により画像が形成された用紙は搬送経路50を介して後処理装置40へ搬送される。
【0034】
後処理装置40は、用紙が排出される複数(本実施の形態では3つ)の排出トレイ42(42A、42B、42C)とを備えている。なお、以下では、42A〜42Cを特に区別しない場合、排出トレイ42と称する。各排出トレイ42には、排出位置を変えて用紙を同一の排出トレイ上の異なる位置へ排出させるオフセット機能が設けられている。
【0035】
後処理装置40は、後処理機能の一例として、例えば用紙を複数枚数ずつ重ねてステープル止めするステープル機能、用紙の予め定められた位置にパンチ孔を開けるパンチ機能、複数枚の用紙の端部を揃えて製本して1冊ずつの小冊子を作成する小冊子作成機能を備えている。後処理装置40は、ステープル機能によりステープル止めされ、あるいはパンチ機能によりパンチ孔が開けられた用紙が排出トレイ42Bに排出され、小冊子作成機能により作成された小冊子が排出トレイ42Cに排出される。
【0036】
また、後処理装置40は、画像を形成した用紙の間に異なる用紙を合紙として挿入する合紙機能を備えており、合紙する用紙が積層して置かれる合紙トレイ44を備えている。
【0037】
用紙の搬送経路50の複数の位置には、各々用紙の搬送不良(所謂ジャム)を検出するための用紙センサ54A〜54Uが設けられている。なお、以下では、用紙センサ54A〜54Uを特に区別しない場合、用紙センサ54と称する。本実施の形態では、用紙センサ54が搬送不良検出手段の一例に相当する。
【0038】
また、画像形成装置10は、画像形成エンジン部22において用紙の搬送不良が発生した際に、搬送不良となった用紙を取り除けるようにするため、装置本体14の筐体が開閉すると共に、画像形成エンジン部22が引き出せる構造とされている。
【0039】
図2には、装置本体14の筐体13を開けて画像形成エンジン部22が引き出した状態の斜視図が示されている。
【0040】
装置本体14には、筐体13の開閉を検出するリミットスイッチ15が設けられている。リミットスイッチ15は、筐体13が閉められた状態でオンとなり、筐体13が開けられるとオフとなる。
【0041】
また、画像形成エンジン部22には、トナーを供給するためのトナーカートリッジ17が設けられている。
【0042】
図3には本実施の形態に係る画像形成装置10の電気系の要部構成が示されている。
【0043】
画像形成装置10は、装置全体の動作を司るCPU(中央処理装置)100と、後述する搬送不良発生処理プログラム、ジャム確認プリント処理プログラム及び画質確認プリント処理プログラムを含む各種プログラム等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)102と、各種データ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)104と、後述する通過期間情報、時間間隔情報、ジャム確認用位置情報、画質確認用位置情報、チャート画像情報、及び確認プリント設定情報を含む各種情報を記憶する不揮発性メモリ106と、ディスプレイ16への各種情報の表示を制御する表示制御部108と、ディスプレイ16に対するタッチ操作を検出する操作入力検出部110と、ネットワークNETに接続され、ネットワークNETを介して外部の端末装置(例えば、パーソナルコンピュータ)と情報の送受信を行なう通信I/F部112と、を備えている。
【0044】
また、画像形成装置10は、上述した画像形成エンジン部22による画像形成処理を制御する画像形成制御部114と、搬送経路50及び反転経路52に設けられた不図示のローラの回転駆動を制御することにより用紙の搬送を制御する搬送制御部116と、を備えている。
【0045】
CPU100、ROM102、RAM104、不揮発性メモリ106、表示制御部108、操作入力検出部110、通信I/F部112、画像形成制御部114、及び搬送制御部116は、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU100は、ROM102、RAM104、及び不揮発性メモリ106へのアクセスと、表示制御部108を介してディスプレイ16への操作画面、各種メッセージ等の各種情報の表示の制御と、通信I/F部112を介して外部の端末装置を情報の送受信の制御と、画像形成制御部114を介して画像形成エンジン部22の作動の制御と、搬送制御部116を介した用紙の搬送の制御と、を各々行う。
【0046】
また、CPU100は、操作入力検出部110により検出された操作情報に基づいてディスプレイ16に対する操作内容を把握し、画像形成制御部114で導出される各種情報に基づいて画像形成エンジン部22の作動状態を把握する。
【0047】
また、システムバスBUSには、各用紙センサ54が接続されている。従って、CPU100は、各用紙センサ54による用紙の検出結果を把握する。
【0048】
さらに、システムバスBUSには、リミットスイッチ15が接続されている。従って、CPU100は、リミットスイッチ15による検出結果に基づいて筐体13の開閉を把握する。
【0049】
ところで、電子写真方式を用いた画像形成エンジン部22では、画像の形成に伴って現像器、定着器などで汚れが蓄積され、蓄積された汚れにより画像の画質に影響を与える。
【0050】
そこで、画像形成エンジン部22は、現像器、定着器などの蓄積された汚れにより画像の画質に影響を与える交換部品の交換時期を検出する交換時期検出部22Aを備えてる。交換時期検出部22Aは、例えば、交換部品が交換された後にプリントされたプリント枚数を累計してカウントし、累計プリント枚数を汚れにより交換部品の交換が必要となる予め定めた交換プリント枚数と比較し、累計プリント枚数が交換プリント枚数を超えた場合に交換が必要な交換時期と検出してもよく、また、交換部品の電気的な特性を検出し、当該特性の変化が汚れにより交換部品の交換が必要となる予め定めた交換閾値を超えた場合に交換が必要な交換時期と検出してもよい。なお、本実施の形態では、現像器、定着器が第2交換部品の一例に相当する。
【0051】
また、画像形成エンジン部22は、トナーカートリッジ17が交換された否か検出するカートリッジ検出部22Bを備えている。なお、本実施の形態では、トナーカートリッジ17が第1交換部品の一例に相当する。
【0052】
また、CPU100は、画像形成制御部114を介して画像形成エンジン部22の交換時期検出部22Aによる交換時期の検出結果を把握し、画像形成エンジン部22のカートリッジ検出部22Bによるトナーカートリッジ17の交換の検出結果を把握する。
【0053】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置10における搬送不良の検出、及び搬送不良を検出した際の動作について説明する。
【0054】
画像形成装置10は、搬送経路50を用紙が搬送される場合、各用紙センサ54毎に、当該用紙センサ54の位置を用紙が通過するために必要な通過期間がある。また、画像形成装置10は、搬送経路50に沿って用紙が各用紙センサ54の位置に順に搬送されるため、搬送経路50に沿って各用紙センサ54で順に特定の時間間隔で用紙が検出される。
【0055】
本実施の形態では、各用紙センサ54毎に、用紙が搬送不良とならずに通過する場合の必要な通過期間を通過期間情報として記憶し、また、用紙が搬送不良とならずに搬送経路50に沿って搬送される際に各用紙センサ54で用紙が検出される時間間隔を時間間隔情報として記憶している。
【0056】
本実施の形態に係る画像形成装置10は、搬送経路50に用紙の搬送する場合、当該用紙の搬送経路50に設けられた各用紙センサ54で用紙が検出される期間を計時し、計時された期間が通過期間情報により示される通過期間以上となった場合、通過期間以上用紙が検出された用紙センサ54の位置で搬送不良が発生したと検出する。また、本実施の形態に係る画像形成装置10は、搬送経路50に沿って各用紙センサ54で用紙が検出される時間間隔を計時し、計時された時間間隔が時間間隔情報により示される時間間隔以上となった場合、時間間隔以上となった用紙センサ54とその1つ上流側の用紙センサ54と間で搬送不良が発生しており、本実施の形態では、計時された時間間隔が時間間隔情報により示される時間間隔以上となった用紙センサ54とその1つ上流側の用紙センサ54の位置で搬送不良が発生したと検出する。
【0057】
ところで、画像形成装置10は、搬送不良となった用紙を除去する際に搬送経路50となっている構成部品を本体から引き出す必要がある部分では構成部品と本体との間で用紙が挟まり、用紙がちぎれて破片の残留が発生し易い。例えば、本実施の形態に係る画像形成装置10は、図2に示すように画像形成エンジン部22と本体との間で用紙Pが搬送不良となった場合、画像形成エンジン部22を引き出す際に用紙Pがちぎれて破片の残留が発生し易い。また、画像形成装置10と給紙装置30の間、画像形成装置10と後処理装置40の間につても、搬送不良となった用紙を除去する際に用紙がちぎれて破片の残留が発生し易い。図1には破片の残留が発生し易い部分が二点鎖線で示さえている。
【0058】
また、搬送不良が発生した際に残留トナーなどによる画質の劣化が発生する場所も限られている。例えば、本実施の形態に係る画像形成装置10では、画像形成エンジン部22の周辺で残留トナーなどにより画質の劣化が発生しやすく、用紙にトナー像を転写する転写部付近で発生し易い。図1には画質の劣化が発生し易い部分が一点鎖線で示されている。
【0059】
そこで、本実施の形態では、搬送不良が発生した際、破片の残留が発生し易い位置の用紙センサ54の識別情報をジャム確認用位置情報として不揮発性メモリ106に記憶し、また、画質の劣化が発生し易い位置の用紙センサ54の識別情報を画質確認用位置情報として不揮発性メモリ106に記憶している。
【0060】
図4には、ジャム確認用位置情報のデータ構造の一例が示されており、図5には、画質確認用位置情報のデータ構造の一例が示されている。本実施の形態では、各用紙センサ54の符号を識別情報としている。
【0061】
本実施の形態に係る画像形成装置10は、搬送不良が発生した場合、搬送不良の発生した位置が破片の残留が発生し易い位置である場合、破片の残留しているかを確認する確認プリント(以下「ジャム確認プリント」という)が行え、搬送不良の発生した位置が画質の劣化が発生し易い位置である場合、画質が劣化しているかを確認する確認プリント(以下「画質確認プリント」という)が行えるものとされている。
【0062】
また、本実施の形態に係る画像形成装置10は、ディスプレイ16に表示された確認プリント設定画面からジャム確認プリント及び画質確認プリントに関する条件の設定が行える。
【0063】
図6には、確認プリント設定画面120の一例が示されている。
【0064】
確認プリント設定画面120は、ジャム確認プリントを行う否か選択するためのラジオボタン122と、ジャム確認プリントで用いる用紙のサイズ、紙質、質量をそれぞれ選択するためのコンボボックス124、126、128と、確認のためにプリントする画像を選択するためのラジオボタン130と、が設けられている。
【0065】
また、確認プリント設定画面120は、画質確認プリントを行う否か選択するためのラジオボタン132と、画質確認プリントを行う用紙の枚数を設定するためのコンボボックス134と、画質の確認のためにプリントする画像を選択するためのラジオボタン136と、チャートとして用いる画像を設定するためのコンボボックス138と、画質確認プリントで用いる用紙のサイズ、紙質、質量をそれぞれ選択するためのコンボボックス140、142、144と、が設けられている。
【0066】
ラジオボタン122、132は、それぞれ「ON」及び「OFF」から選択が行え、「ON」が選択された場合、それぞれの確認プリントが有効となり、「OFF」が選択された場合、それぞれの確認プリントが無効となる。
【0067】
コンボボックス124、126、128は、ラジオボタン130で「白紙」が選択された場合に有効となり、サイズ、紙質、質量の選択が行える。
【0068】
コンボボックス124、126、128は、ジャム確認プリントで用いる用紙のサイズ、紙質、質量の選択が行え、搬送不良なった印刷ジョブと同じ(「JOBと同じ」)とする選択も行える。
【0069】
ラジオボタン130は、コンボボックス124、126、128の何れかで「JOBと同じ」以外が選択された場合に有効となって「ジョブ継続」及び「白紙」からコンテンツの選択が行え、「ジョブ継続」が選択された場合、印刷ジョブの搬送不良となった画像からプリントを継続して行い、「白紙」が選択された場合、画像を形成せずに白紙のプリントを行う。
【0070】
ラジオボタン136は、「ジョブ継続」、「白紙」及び「チャート」から1つコンテンツの選択が行え、「ジョブ継続」が選択された場合、印刷ジョブの搬送不良となった画像からプリント継続して行い、「白紙」が選択された場合、画像を形成せずに白紙のプリントを行い、「チャート」が選択された場合、コンボボックス138が有効となり、コンボボックス138でチャート画像の選択が行える。チャート画像は、チャート画像情報として不揮発性メモリ106に予め記憶されている。
【0071】
コンボボックス140、142、144は、ラジオボタン136で「白紙」及び「チャート」が選択された場合に有効となり、画質確認プリントで用いる用紙のサイズ、紙質、質量の選択が行え、搬送不良なった印刷ジョブと同じ(「JOBと同じ」)とする選択も行える。
【0072】
この確認プリント設定画面120により設定されたジャム確認プリント及び画質確認プリントに関する条件は、確認プリント設定情報として不揮発性メモリ106に記憶される。
【0073】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置10の作用について説明する。
【0074】
ユーザは、画像形成装置10で複写を行なう場合、スキャナ12の読込位置に原稿を置くと共に、ディスプレイ16に表示された操作画面に対して用紙サイズ及び枚数を指定した後に、複写開始を指示するタッチ操作を行なう。また、ユーザは、画像形成装置10でプリントを行なう場合、外部の端末装置において用紙サイズ及び枚数を指定して画像情報のプリントを指示する。プリントが指示された画像情報は用紙サイズ及び枚数を指定する情報と共にネットワークNETを介して画像形成装置10へ送信される。なお、本実施の形態では、スキャナ12及び通信I/F部112が取得手段の一例に相当する。
【0075】
画像形成装置10は、ディスプレイ16に対して複写開始を指示する操作が行われた場合、スキャナ12により原稿を読み取り、読み取った画像を指定されサイズの用紙にプリントする印刷ジョブの実行を開始し、ネットワークNETを介して画像情報が受信された場合、受信された画像情報に基づく画像を指定され用紙にプリントする印刷ジョブの実行を開始する。
【0076】
画像形成装置10では、印刷ジョブの実行中、用紙の搬送経路50に設けられた各用紙センサ54で用紙が検出される期間を計時し、計時された期間が通過期間情報により示される通過期間以上となった場合、通過期間以上用紙が検出された用紙センサ54の位置で搬送不良が発生したと検出する。また、画像形成装置10は、印刷ジョブの実行中、搬送経路50に沿って各用紙センサ54で用紙が検出される時間間隔を計時し、計時された時間間隔が時間間隔情報により示される時間間隔以上となった場合、時間間隔以上となった用紙センサ54と1つ上流側の用紙センサ54の位置で搬送不良が発生したと検出する。
【0077】
画像形成装置10は、搬送不良の発生が検出されると、CPU100により搬送不良発生処理を実行する。
【0078】
図7には、CPU100により実行される搬送不良発生処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートが示されている。なお、当該プログラムは記録媒体としてのROM102に予め記憶されている。
【0079】
ステップ202では、搬送不良が発生した旨のメッセージ及び搬送不良を検出した用紙センサ54の識別情報に基づき搬送不良の発生位置に関する情報をディスプレイ16に表示する。
【0080】
次のステップ204では、搬送不良を解消されるまでの解消期間の計時を開始する。
【0081】
次のステップ206では、搬送不良を解消するための予め定められた操作が検出されたか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ208へ移行し、否定判定となった場合は再度ステップ206へ移行して予め定められた操作の検出待ちを行う。
【0082】
ここで、ユーザは、搬送不良が発生した場合、ディスプレイ16に表示された搬送不良の発生位置に関する情報に基づいて搬送不良となった用紙の除去を行う。例えば、画像形成エンジン部22において用紙の搬送不良が発生した場合、ユーザは、搬送不良となった用紙を取り除くため、図2に示すように、装置本体14の筐体13を開けて画像形成エンジン部22が引き出し、搬送不良となった用紙Pを取り除いた後に、画像形成エンジン部22を装置本体14内に収納して装置本体14の筐体を閉める。本実施の形態では、搬送不良を解消するための予め定められた操作として、例えば、装置本体14の筐体が一旦開けて閉められたことをリミットスイッチ15で検出する。なお、画像形成エンジン部22以外の他の位置についても、搬送不良となった用紙を取り除く際に開閉される部分にリミットスイッチ等を設けて、搬送不良を解消するための予め定められた操作として、開閉操作を検出してよい。また、例えば、図8に示すように、搬送不良となった用紙を取り除いた際にタッチ操作を行う旨のメッセージをディスプレイ16に表示し、搬送不良を解消するための予め定められた操作として、例えば、ディスプレイ16へのタッチ操作を検出してもよい。
【0083】
次のステップ208では、解消期間の計時を完了する。
【0084】
次のステップ210では、確認プリント設定情報の画質確認プリントの設定において画質確認プリントが有効(ON)であるか否かの判定を行い、肯定判定となった場合はステップ212へ移行し、否定判定となった場合はステップ230へ移行する。
【0085】
ステップ212では、搬送不良を検出した用紙センサ54の識別情報を画質確認用位置情報に記憶された各識別情報と比較する。
【0086】
次のステップ214では、上記ステップ212の比較の結果、搬送不良を検出した用紙センサ54の識別情報が画質確認用位置情報に記憶された何れかの識別情報と一致したか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ216へ移行し、否定判定となった場合はステップ218へ移行する。
【0087】
ステップ216では、後述する画質確認プリント処理を実行し、当該画質確認プリント処理の終了後、ステップ240へ移行する。
【0088】
これにより、特定された用紙センサ54の識別情報が画質確認用位置情報に記憶された識別情報と一致する場合、画質確認プリント処理が実行される。
【0089】
一方、ステップ218では、交換時期検出部22Aの検出結果に基づいて蓄積された汚れにより画像の画質に影響を与える交換部品の交換時期を把握する。
【0090】
ステップ220では、蓄積された汚れにより画像の画質に影響を与える交換部品の交換が必要であるか否かを判定し、肯定判定となった場合は216へ移行し、否定判定となった場合はステップ222へ移行する。
【0091】
これにより、搬送不良を検出した用紙センサ54の識別情報が画質確認用位置情報に記憶されていない場合でも、蓄積された汚れにより画像の画質に影響を与える交換部品の交換時期である場合は、画質確認プリント処理が実行される。
【0092】
ステップ222では、カートリッジ検出部22Bの検出結果に基づいてトナーカートリッジ17が交換された交換の有無を把握する。
【0093】
ステップ220では、トナーカートリッジ17が交換されていたか否かを判定し、肯定判定となった場合は216へ移行し、否定判定となった場合はステップ230へ移行する。
【0094】
これにより、搬送不良を検出した用紙センサ54の識別情報が画質確認用位置情報に記憶されていない場合でも、トナーカートリッジ17が交換されて画質が安定しない時期である場合やトナーカートリッジ17の交換に伴うトナーのこぼれの影響がある時期である場合は、画質確認プリント処理が実行される。
【0095】
ステップ230では、確認プリント設定情報のジャム確認プリントの設定においてジャム確認プリントが有効(ON)であるか否かの判定を行い、肯定判定となった場合はステップ232へ移行し、否定判定となった場合はステップ242へ移行する。
【0096】
次のステップ232では、搬送不良を検出した用紙センサ54の識別情報をジャム確認用位置情報に記憶された各識別情報と比較する。
【0097】
次のステップ234では、上記ステップ232の比較の結果、搬送不良を検出した用紙センサ54の識別情報がジャム確認用位置情報に記憶された何れかの識別情報と一致したか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ236へ移行し、否定判定となった場合はステップ242へ移行する。
【0098】
ステップ236では、上記ステップ204〜ステップ208の処理の間で計時した解消期間が予め定められた期間以下であるか否か判定し、肯定判定となった場合はステップ242へ移行し、否定判定となった場合は238へ移行する。
【0099】
ステップ238では、後述するジャム確認プリント処理を実行し、当該ジャム確認プリント処理の終了後、ステップ240へ移行する。
【0100】
ここで、ユーザが取り出し易い位置で搬送不良が発生した場合、解消期間は短くなり、ユーザが取り出し難い位置で搬送不良が発生した場合、解消期間は長く、破片の残留が発生しやすくなる。
【0101】
そこで、特定された用紙センサ54の識別情報がジャム確認用位置情報に記憶された識別情報と一致する場合でも、解消期間が予め定められた期間以下、ジャム確認プリントが行わない。この予め定められた期間は、予め実機を用いた実験や当該画像形成装置10の設計仕様等に基づいて定めればよく、ディスプレイ16に予め定められた期間を設定、変更する設定変更画面を表示して変えられるようにしてもよい。
【0102】
これにより、搬送不良を検出した用紙センサ54の識別情報がジャム確認用位置情報に記憶されている場合でも、解消期間が予め定められた期間以下である場合は、ジャム確認プリント処理が実行されない。
【0103】
ステップ240では、確認プリントが正常終了したか否かを判定し、肯定判定となった場合、ステップ242へ移行し、否定判定となった場合はステップ202へ移行して搬送不良を検出した用紙センサ54を特定を行う。
【0104】
ステップ242では、搬送不良が発生する前の画像形成処理を再開させて、処理終了となる。
【0105】
次に、ジャム確認プリント処理について説明する。
【0106】
図9には、CPU100により実行されるジャム確認プリント処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートが示されている。なお、当該プログラムは記録媒体としてのROM102に予め記憶されている。
【0107】
ステップ300では、確認プリント設定情報のジャム確認プリントの設定においてサイズ、紙質、及び質量が搬送不良なった印刷ジョブと同じ(「JOBと同じ」)が指定されているか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ302へ移行し、否定判定となった場合はステップ310へ移行する。
【0108】
ステップ302では、搬送不良なった用紙にプリントした画像をジャム確認プリント用の画像と決定する。
【0109】
次のステップ304では、搬送不良なった用紙と同じサイズ、紙質、及び質量の用紙をジャム確認プリント用の用紙と決定する。
【0110】
次のステップ306では、搬送不良なった印刷ジョブの排出先の排出トレイ42をジャム確認プリント用の用紙の排出先と決定する。
【0111】
一方、ステップ310では、確認プリント設定情報のジャム確認プリントの設定において指定されたサイズ、紙質、質量の用紙をジャム確認プリント用の用紙と決定する。
【0112】
次のステップ312では、確認プリント設定情報のジャム確認プリントのコンテンツの設定において、白紙が指定された場合はジャム確認プリント用の画像をなし(白紙)とし、ジョブ継続が指定された場合は搬送不良なった用紙にプリントした画像をジャム確認プリント用の画像と決定する。
【0113】
ステップ314では、搬送不良発生時のプリントで用紙を排出していた排出トレイ42とは別の排出トレイ42をジャム確認プリント用の用紙の排出先と決定する。本実施の形態では、例えば、搬送不良なった印刷ジョブの排出先が排出トレイ42B、42Cである場合、排出トレイ42Aを排出先とし、例えば、搬送不良なった印刷ジョブの排出先が排出トレイ42Aである場合、排出トレイ42Bを排出先とする。
【0114】
ステップ320では、ジャム確認プリント用の用紙に対してジャム確認プリント用の画像を1枚だけプリントし、ジャム確認プリント用の排出先へ排出させる。
【0115】
これにより、確認プリント設定情報のジャム確認プリントの設定においてサイズ、紙質、及び質量が搬送不良なった印刷ジョブと同じが指定されて場合は、搬送不良発生時にプリントしていた用紙と同一の用紙に搬送不良発生時にプリントしていた画像がプリントされて、搬送不良なった印刷ジョブの排出先と同一の排出先へ排出される。
【0116】
一方、確認プリント設定情報のジャム確認プリントの設定においてサイズ、紙質、及び質量の何れかで搬送不良なった印刷ジョブと異なる指定されて場合は、指定された用紙に、指定された画像がプリントされて、搬送不良なった印刷ジョブの排出先と異なる排出先へ排出される。なお、例えば、画像形成装置10に排出トレイ42が1つしか無い場合、又は用紙のサイズ等の関係から搬送不良なった印刷ジョブの排出先と同一の排出先に排出せざるを得ない場合は、用紙を取り除く旨のメッセージを表示すると伴に、既に排出された用紙と判別し易い様に排出時にオフセットして排出すればよい。
【0117】
ステップ322では、搬送不良が発生したか否かを判定し、肯定判定となった場合はジャム確認プリント処理を異常終了して搬送不良発生処理に復帰し、否定判定となった場合はステップ324へ移行する。
【0118】
ステップ324では、ジャム確認プリント用の用紙の排出先が搬送不良なった印刷ジョブと同じであるか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ326へ移行し、否定判定となった場合はジャム確認プリント処理を正常終了して搬送不良発生処理に復帰する。
【0119】
ステップ326では、ジャム確認プリントで排出された用紙を除去したか否かを問う用紙除去確認画面をディスプレイ16に表示する。
【0120】
ここで、搬送不良が発生した場合に、搬送不良発生時のプリントで用紙を排出していた排出先にジャム確認プリント用の用紙を排出すると、搬送不良発生前まで排出された用紙にジャム確認プリント用の用紙が混ざってしまう。そこで、本実施の形態では、ジャム確認プリント用の用紙の排出先が搬送不良なった印刷ジョブと同じである場合、用紙除去確認画面をディスプレイ16に表示する。
【0121】
図10には用紙除去確認画面350の一例が示されている。
【0122】
ユーザは、ジャム確認プリントで排出された用紙を給紙トレイ20から除去した場合、OKボタン352に対してタッチ操作を行う。
【0123】
ステップ328では、OKボタン352が指定されたか否かを判定し、肯定判定となった場合はジャム確認プリント処理を正常終了して搬送不良発生処理に復帰し、否定判定となった場合はステップ328へ移行してOKボタン352の指示待ちを行う。
【0124】
次に、画質確認プリント処理について説明する。
【0125】
図11には、CPU100により実行される画質確認プリント処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートが示されている。なお、当該プログラムは記録媒体としてのROM102に予め記憶されている。
【0126】
ステップ400では、確認プリント設定情報の画質確認プリントのコンテンツの設定において、ジョブ継続が指定されているか否かの判定を行い、肯定判定となった場合はステップ402へ移行し、否定判定となった場合はステップ410へ移行する。
【0127】
次のステップ402では、搬送不良なった用紙にプリントした画像を画質確認プリント用の画像と決定する。
【0128】
次のステップ404では、搬送不良なった用紙と同じサイズ、紙質、及び質量の用紙を画質確認プリント用の用紙と決定する。
【0129】
次のステップ406では、搬送不良発生時にプリントしていた用紙を排出していた排出トレイと同一の排出トレイ42を画質確認プリント用の用紙の排出先と決定する。
【0130】
一方、ステップ410では、確認プリント設定情報の画質確認プリントのコンテンツの設定において、白紙が指定された場合は画質確認プリント用の画像をなし(白紙)とし、チャートが指定された場合は指定されたチャート画像を画質確認プリント用の画像と決定する。
【0131】
ステップ412では、確認プリント設定情報の画質確認プリントの設定において指定されたサイズ、紙質、質量の用紙を画質確認プリント用の用紙と決定する。
【0132】
ステップ414では、搬送不良発生時のプリントで用紙を排出していた排出トレイ42とは別の排出トレイ42を画質確認プリント用の用紙の排出先と決定する。本実施の形態では、例えば、搬送不良なった印刷ジョブの排出先が排出トレイ42B、42Cである場合、排出トレイ42Aを排出先とし、例えば、搬送不良なった印刷ジョブの排出先が排出トレイ42Aである場合、排出トレイ42Bを排出先とする。
【0133】
ステップ420では、確認プリント設定情報の画質確認プリントにおいて設定された枚数だけ、画質確認プリント用の用紙に対して画質確認プリント用の画像をプリントし、画質確認プリント用の排出先へ排出させる。
【0134】
これにより、ジョブ継続が指定された場合は、搬送不良発生時にプリントしていた用紙と同一の用紙に搬送不良発生時にプリントしていた画像がプリントされて、搬送不良なった印刷ジョブの排出先と同一の排出先へ排出される。
【0135】
一方、白紙又はチャートが指定された場合は、指定された用紙が白紙のまま、又は指定された用紙に指定されたチャート画像がプリントされて、搬送不良なった印刷ジョブの排出先と異なる排出先へ排出される。
【0136】
ユーザは、排出された用紙を見て画質の確認を行う。
【0137】
ステップ422では、搬送不良が発生したか否かを判定し、肯定判定となった場合は画質確認プリント処理を異常終了して搬送不良発生処理に復帰し、否定判定となった場合はステップ424へ移行する。
【0138】
ステップ424では、画質確認プリントを再度実行するか否かを問う画質確認プリント問い合せ画面をディスプレイ16に表示する。
【0139】
図12には画質確認プリント問い合せ画面450の一例が示されている。
【0140】
ユーザは、画質確認プリントの再度の実行を指示する場合、再実行ボタン452に対してタッチ操作を行い、画質確認プリントを終了する場合、終了ボタン454に対してタッチ操作を行う。
【0141】
ステップ428では、再実行ボタン452が指定されたか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ400へ移行して再度の確認プリントを行い、否定判定となった場合はステップ430へ移行する。
【0142】
ステップ430では、終了ボタン454が指定されたか否かを判定し、肯定判定となった場合は画質確認プリント処理を正常終了して搬送不良発生処理に復帰し、否定判定となった場合はステップ428へ再度移行する。
【0143】
なお、上記実施の形態では、電子写真方式の画像形成装置10に本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、インクジェット方式の画像形成装置に本発明を適用してもよい。
【0144】
また、上記実施の形態では、第1交換部品をトナーカートリッジ17とした場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、交換されることにより画像の画質に影響を与える交換部品であれば何れでもよい。例えば、インクジェット方式の画像形成装置では、インクカートリッジが該当する。
【0145】
また、上記実施の形態では、第2交換部品を現像器、定着器とした場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、蓄積された汚れにより画像の画質に影響を与える交換部品であれば何れでもよい。例えば、インクジェット方式の画像形成装置では、インクと吐出させて画像を形成する記録ヘッドが該当する。
【0146】
また、上記実施の形態に係る搬送不良発生処理プログラム、ジャム確認プリント処理プログラム及び画質確認プリント処理プログラムは、ROM102予め記憶しておく形態の他、ROM102等の記憶素子に予め記憶しておく形態、HDD(ハード・ディスク・ドライブ)等の記憶装置に記憶させる形態、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータで読み取れる記憶媒体に格納された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等に適用してもよい。
【符号の説明】
【0147】
10 画像形成装置
12 スキャナ
14 装置本体
15 リミットスイッチ
16 ディスプレイ
17 トナーカートリッジ
20 給紙トレイ
22 画像形成エンジン部
22A 交換時期検出部
22B カートリッジ検出部
30 給紙装置
42 排出トレイ
50 搬送経路
52 反転経路
54 用紙センサ
100 CPU
106 不揮発性メモリ
112 通信I/F部
116 搬送制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた搬送経路に沿って記録媒体を搬送する搬送手段と、
印刷対象とする画像情報を取得する取得手段と、
前記搬送手段により搬送される前記記録媒体に前記取得手段により取得された画像情報に基づく画像を形成する画像形成手段と、
前記搬送経路の複数の位置の各々で、記録媒体の搬送不良を検出する搬送不良検出手段と、
記録媒体の搬送不良の解消の確認を行う際に、前記搬送不良検出手段により搬送不良が検出された位置が予め定められた位置の場合は、前記画像情報に基づく画像の形成を停止させた状態又は画像を形成する枚数を制限した状態で記録媒体を搬送させ、前記搬送不良が検出された位置が前記予め定められた位置以外の場合は、前記画像情報に基づく画像の形成を行いつつ前記記録媒体を搬送させるように前記搬送手段及び前記画像形成手段を制御する制御手段と、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記予め定められた位置を、搬送不良が発生した場合に前記記録媒体の破片の残留が発生し易い位置とし、
前記記録媒体の搬送不良を解消するための予め定められた操作を検出する解消操作検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記解消操作検出手段による予め定められた操作の検出期間が予め定められた期間以下の場合、前記搬送不良検出手段により搬送不良が検出された位置が予め定められた位置の場合であっても前記記録媒体に対して前記画像情報に基づく画像の形成を行うように前記画像形成手段を制御する
請求項1記載の画像形成装置
【請求項3】
大きさ及び種類の少なくとも一方が異なる記録媒体をそれぞれ収容した収容部と、
搬送不良の解消の確認を行う際に搬送させる記録媒体の大きさ及び種類の少なくとも一方の指定を受け付ける受付手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、前記収容部から前記受付手段で指定された記録媒体を搬送不良の解消の確認のために搬送させるように前記搬送手段を制御する
請求項1又は請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記搬送手段により搬送された前記記録媒体が排出される排出部を複数さらに備え、
前記制御手段は、前記受付手段で指定された記録媒体が前記画像情報に基づく画像の形成を行う記録媒体と同一で且つ搬送不良の解消の確認のために搬送される解消確認用の記録媒体に対して前記画像情報に基づく画像を形成する場合は、当該解消確認用の記録媒体を搬送不良の発生前に前記画像情報に基づく画像が形成された記録媒体と同一の排出部に排出し、前記受付手段で指定された記録媒体が前記画像情報に基づく画像の形成を行う記録媒体と異なる場合、及び前記受付手段で指定された記録媒体が前記画像情報に基づく画像の形成を行う記録媒体と同一で且つ前記解消確認用の記録媒体に対して前記画像情報に基づく画像の形成を行わない場合は、異なる排出部に排出するように前記搬送手段を制御する
請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記予め定められた位置を、前記画像形成手段により形成される画像の画質の劣化が発生し易い位置とし、
前記制御手段は、前記搬送不良が検出された位置が前記画像の劣化が発生し易い位置の場合、前記記録媒体に対して予め定めた画質検査用の画像を形成するように前記画像形成手段を制御する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
交換されることにより画像の画質に影響を与える第1交換部品の交換を検出する部品交換検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記部品交換検出手段により前記第1交換部品の交換が検出された場合、前記搬送不良が検出された位置が前記画像の劣化が発生し易い位置以外の場合であっても、前記記録媒体に対して予め定めた画質検査用の画像を形成するように前記画像形成手段を制御する
請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
蓄積された汚れにより画像の画質に影響を与える第2交換部品の交換が必要な時期であるかを検出する交換時期検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記交換時期検出手段により前記第2交換部品の交換が必要な時期であると検出された場合、前記搬送不良が検出された位置が前記画像の劣化が発生し易い位置以外の場合であっても、前記記録媒体に対して予め定めた画質検査用の画像を形成するように前記画像形成手段を制御する
請求項5又は請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
コンピュータを、
記録媒体の搬送不良の解消の確認を行う際に、記録媒体の搬送経路の複数の位置の各々で、記録媒体の搬送不良を検出する搬送不良検出手段により搬送不良が検出された位置が予め定められた位置の場合は、前記画像情報に基づく画像の形成を停止させた状態又は画像を形成する枚数を制限した状態で記録媒体を搬送させ、前記搬送不良が検出された位置が前記予め定められた位置以外の場合は、前記画像情報に基づく画像の形成を行いつつ記録媒体を搬送させるように搬送手段及び画像形成手段を制御する制御手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−20277(P2011−20277A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164675(P2009−164675)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】