説明

画像形成装置

【課題】 画像形成装置の白色LEDと導光体を用いた読み取り用の照明手段において、不足する光量アップを行い、さらに、読み取った画像と原稿画像との色味とを比較しても、色味のバラツキの少ない照明装置を実現する。
【解決手段】 RGBの3色を発光するLEDを追加することにより、白色LEDのRGBの分光成分の個々の明るさを補正させるように、追加したRGBのLEDによりR,G,Bでの個々の色での光量を一様にさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置を備えた画像読取装置、及び、それを具備した画像形成装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、原稿読取装置には、読取ライン毎に原稿を照明する照明装置が設けられており、この照明装置には、ハロゲンランプやキセノンランプといった光源を用いるものが多かった。近年、従来と比較して高効率な光源として、複数のLED(発光ダイオード)等を直線上に配列したLEDアレイを用いるものが知られている。(例えば、USP5767979明細書)または、白色LEDの光源と導光体を用いて、パネル全体を照明する提案等もある。(特公平07−009763号公報)
【特許文献1】USP5767979明細書
【特許文献2】特公平07−009763号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来技術においては以下のような問題があった。
【0004】
例えば、LED(Blue)+蛍光体(Yellow)で構成された白色LEDと導光体とを用いた読み取り装置があったとする。
【0005】
このとき、読取装置の光量が不足するような場合、光量アップを行うため、導光体の両側より白色LEDで照射すると光量のアップは可能である。しかし、前記白色LEDのような構成の場合、白色LED自体の分光特性をみると若干黄色気味の白色であったり、若干青色気味の白色であったりばらついているため、異なる配光の白色LEDとが合わさるので、光量アップは行えるので画像読み取りを行うと、読み取り画像と実際の画像とでは、色味が異なることがなる。このように、同じ白色LEDを用いても、若干色味が異なるので上記で述べた問題が生じてしまう。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされた物である。
【0007】
白色LED1個では光量が不足する場合、反対側にRGBの発光を行うLEDを設けて光量アップを行う。さらに、白色LEDの分光特性を調査しその分光特性に合わせた発光分布でRGBのLEDを点灯させることで、色味を合わせあたかも同一の分光特性を持つ白色LEDとして発光させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決させるため、白色LEDのみで点灯したときの分光特性を調査する必要がある。そのため、通常画像読み取り領域外に設けられさらにシェーディング補正に用いる標準白色板を用いる。この白色板に白色LEDのみで点灯した状態で、ラインセンサで分光成分である青と黄色の成分の波高値を検知する。次に白色LEDを消灯した後、次にRGBのLEDを白色板上で点灯させる。同様にラインセンサでRGBのLEDの青と黄色の成分の波高値を検知しながら、前記白色LEDでの波高値と同等になるようにRGBのLEDの調光を行いその時の調光制御を記憶する。
【0009】
上記制御を行うことにより、白色LEDとRGBのLEDとで光量アップをし、かつ色味を合わせることができるため読み取った画像と原稿画像との色味を合わせることが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば不足する光量アップを行い、さらに、読み取った画像と原稿画像との色味とを比較しても、色味のバラツキの少ない照明装置を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
【実施例1】
【0012】
図3の左側に白色LED(LED(Blue)と蛍光体(Yellow)で構成)の分光特性を示している。分光すると、青と黄色の2つのピークを持つ。従って白色LEDの色味としては、黄色気味の白色光と青色気味の白色光を持った特性のばらつきを持つ。また、光量をアップする場合には、光源を増やす対策が簡単である。従って、図2で示されるように導光体を挟んで両側から2つの白色LEDを点灯させて光量アップを行った場合、互いの分光特性が同一である場合を除いて青と黄色のピーク値が異なるため、黄色と青色の混合された互いの分光特性とは異なる白色光となってしまう。
【0013】
このため、光量がアップされた白色光は均一な白色光にならないため、この白色光を原稿照明として用いて画像を読み込んだ場合、原稿の色味と読み込んだ画像の色味とが異なってしまう。この問題を解決するのが、本発明である。
【0014】
一つの白色LEDでは光量が不足する場合、図1の様にRGBのLEDで対抗させて光量アップを行うことと、白色LEDの分光特性と同じ分光特性となるようにRGBのLEDを点灯させる制御を行うことが本発明の概略である。すなわち、白色LEDの分光特性と同一な条件をRGBのLEDで光量制御を行えば、色味の問題は解決する。
【0015】
以下、本発明を説明する。図4が、原稿読み取り部の簡略した断面図と平面図である。原稿を載置するための原稿ガラス4,原稿の突き当てを行うことにより原稿の読み取り開始位置を合わせるための原稿突き当て台5及び、本発明である図1で示された構成となる原稿照明及びCISの画像読み取り素子が搭載されたスキャナー部2、さらにシェーディング補正を行いまた本発明である光源の分光特性を検知するのにも用いる標準白色板3が示されている。さらにはスキャナー部を読み取り方向へ移動させたりホーム位置までバックスキャンさせる駆動手段やホーム位置検知手段等の手段があるが、図示していない。これらは既知の読み取り制御を行うことでスキャナー部2にあるCISから画像信号として読取装置のメモリ上に保存を行い、画像形成装置へと画像信号を送り読み取った画像を画像形成することができる。
【0016】
スキャナー部2がホームポジションにいるときに、標準白色板を読み取ることができる状態にある。従って、ホーム位置にスキャナー部2がある時に、図1で示された照明手段の白色LED11を点灯させる。その状態でスキャナー部2にあるCISにて反射光を読み取り、RGBの分光成分を検知する。
【0017】
図3の左側の図がその特性の一例を示している。白色LEDでも黄色気味の白色光の分光特性で、これをCISにてRGBの成分で検知すると図3の右側に示す様な分光特性が得られる。Bに対して、GとRの成分が大きくなっている。
【0018】
これで、白色LEDの分光特性を確認できたので、制御手段1は、その情報を記憶しておく。次にRGBのLEDを標準白色板に点灯させCISでRGBそれぞれの点灯時の光量を検知して、前記RGBの記憶した状態とピーク値を合わせるように点灯制御を行う。本制御ではRGBの個々の点灯させたピーク値が、前記白色LEDを点灯したときのRGB分光特性のピーク値と同じになるように制御を行い。各のRGBの制御値を記憶する。
【0019】
上記制御を行うことで、白色LEDと同一なRGBのピーク値を持つRGBのLEDを点灯させることで、本発明である、同じ色味である白色光を導光体の両側から照明することができるので、同一の白色光の光量アップを行うことができる。
【0020】
図5が、本発明を行うための簡易ブロック図である。制御手段21は、読み取り装置自体を制御する制御手段であり、本実施例では、ROMやRAMなどの周辺素子を持つワンチップタイプのマイクロコンピュータを用いている。白色LED1を点灯するには点灯手段22を用いる。本実施例では白色LEDは、フル点灯状態のみである。RGBのLED2を点灯するには、点灯手段24を用いるが、3色分のRGBの調光制御を行う必要があるため、RGB三色分のコントロール信号を調光手段23へ接続している。前記調光手段23へのコントロール信号は、PWM制御で行う。PWM制御で消灯からフル点灯までの点灯状態を行う。
【0021】
制御手段1は、読み取り装置の電源投入時に、以下の制御を行う。スキャナー位置がホームポジションに有ることを検知したら白色LED1を点灯手段22により点灯させる。
【0022】
白色LED1の分光特性をCISで検知し、その分光検知情報を分光検知手段25へ記憶する。記憶する内容はRGBの各ピーク値を記憶している。このRGBの各内容を制御手段21上のメモリに記憶しておき、次に白色LED1を消灯した後に、デフォルトのデータで、調光手段へPWM信号を出力し、その出力値から点灯手段24を介してRGBのLEDを点灯させる。このときのRGBの各光量を前記分光検知した情報とを比較して調光手段23へフィードバックを行い。記憶した分光検知情報とCISで検知した分光検知情報とを比較し同じ分光情報になるまで前記制御を行うことによりRGBのLEDの調光制御を完了し、その情報を制御手段1のメモリへもしくは不揮発性のメモリに記憶する。
【0023】
前記制御を行い、メモリに記憶した内容を用いることにより、白色LED1と同じ色味を出すRGBのLEDを読み取り制御に調光制御手段23へPWM信号を出力することで本発明である制御を行うことができる。
【0024】
図6が、制御手段21が行うジェネラルフローである。本制御が必要な時に制御1のルーチンが呼び出され実行される。step1では白色LED1を点灯させる。step2ではその分光特性を調べ、終了後消灯し、分光検知手段25にRGBについてのピーク値情報を記憶させる。step3では、そのRGBのピーク値情報をメモりに記憶し、RGBのLEDを点灯させる。step5とstep6でRGBのピークレベルと白色LED1のRGBの分光特性から得たデータとが一致するまでRGBのLEDの調光制御を行う。step7では、調整したRGBのPWM信号の出力データを記憶する。このように白色LED1と同じ色味を出すように調整する必要があるたび毎に本制御1のルーチンを呼び出すことにより、色味を同一にして光量アップを行うRGBのLED点灯制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明における照明手段の構成の説明図。
【図2】白色LED同士を組み合わせた照明手段の構成の説明図。
【図3】白色LEDの分光特性の例。
【図4】読み取り部の概略断面図と概略平面図。
【図5】本発明におけるブロック構成図。
【図6】本発明におけるジェネラルフロー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿ガラス面の幅方向を均一に照らすための照明部に導光体を用い、前記導光体端部両側から1つづつの照明手段により光を入射させ、原稿ガラス上に載置された原稿の画像を均一に照らして画像を読み取るための照明手段を備え、
前記照明部の一つは白色LEDであり、反対側の照明部は少なくともRGBの一色を発光するLEDである照明手段であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明手段を備えた画像形成装置において
画像読み取り領域外に設けられた基準白色板と、
白色LEDのみを点灯し、前記基準白板を照射して得られた反射光から読み取り装置に設けられたラインセンサRGBの各色毎での色味を検知し、
前記白色LEDの発光する色味に応じ、RGBのLEDを点灯するRGBの割合を決定して点灯制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−130703(P2009−130703A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−304618(P2007−304618)
【出願日】平成19年11月26日(2007.11.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】