説明

画像形成装置

【課題】電源ケーブルの取り廻しを装置本体の設置面積内で行うことによって設置スペースと稼働スペースを最小限に抑えることができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】装置本体2の下部に前後方向に延びる把手8を段構成とし、装置本体2の背面に電源基板のインレット9を配置して成る画像形成装置において、前記インレット9を装置本体2の背面から内側にオフセットさせて配置するとともに、装置本体2の背面に前記インレット9に連なる凹状のケーブルガイド2bを形成し、該ケーブルガイド2bを前記把手8の段差に連通させ、前記インレット9から延びる電源ケーブル10を前記ケーブルガイド2bから前記把手8の段差を経て引き廻る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体の背面に電源基板のインレットを配置して成る画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式によって用紙に画像を形成する複写機やプリンタ等の画像形成装置には、装置本体の背面に電源基板のインレットが配置され、該インレットから延びる電源ケーブルが装置本体の前面側に引き出されてコンセントに差し込まれ、商用電源に接続されていた。或いは、電源ケーブルは、装置本体の後側の壁面等に設けられる商用コンセントに差し込まれ、商用電源に接続されていた。
【特許文献1】特開2004−082479号公報
【特許文献2】特開2003−066668号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、従来の画像形成装置においては、装置本体の背面に設けられたインレットから延びて装置本体の周囲を引き廻される電源ケーブルは装置本体から突出する場合が多く、配線用のスペースを要し、他の画像出力用ケーブルも混在して煩雑となり、装置の設置スペースと稼働スペースが大きくなってしまうという問題があったり、装置本体を移動させて使用する際に壁面等の商用コンセントに電源ケーブルを抜き差しするのに大変苦労し、操作が困難であるという問題もあった。
【0004】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、電源ケーブルの取り廻しを装置本体の設置面積内で行うことによって設置スペースと稼働スペースを最小限に抑えることができ、且つ、装置本体を移動使用する際の操作性を向上させた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、装置本体下部に前後方向に延びる把手を段構成とし、装置本体の背面に電源基板のインレットを配置して成る画像形成装置において、前記インレットを装置本体の背面から内側にオフセットさせて配置するとともに、装置本体の背面に前記インレットに連なる凹状のケーブルガイドを形成し、該ケーブルガイドを前記把手の段差に連通させ、前記インレットから延びる電源ケーブルを前記ケーブルガイドから前記把手の段差を経て引き廻したことを特徴とする。又、装置本体の背面に前記インレットに連なる凹状のケーブルガイドを形成する一側面はサイドカバーとすることを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、インレットを装置本体の背面から内側にオフセットさせて配置するとともに、装置本体の背面に前記インレットに連なる凹状のケーブルガイドを形成し、該ケーブルガイドを把手の段差に連通させ、前記インレットから延びる電源ケーブルを前記ケーブルガイドから前記把手の段差を経て引き廻すようにしたため、電源ケーブルの取り廻しを装置本体の設置面積内で行うことができ、該電源ケーブルが装置本体から突出しないために画像形成装置の設置スペースと稼働スペースを最小限に抑えることができる。装置本体の背面に前記インレットに連なる凹状のケーブルガイドを形成する一側面はサイドカバーとしたことで、新たにケーブルガイドを設けることなく既存のサイドカバーを利用することができ、これによって部品点数の増加を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0008】
図1は本発明に係る画像形成装置の背面図、図2は同画像形成装置のインレット部の背面斜視図、図3は同画像形成装置の側面図、図4は同画像形成装置を斜め下方から見た部分斜視図である。
【0009】
本実施の形態に係る画像形成装置1は、レーザープリンタであって、矩形ボックス状の装置本体2を備えており、この装置本体2の内部には、本体フレームに組み込まれた感光ドラム、帯電器、現像装置、転写装置、定着装置等の各種プロセス機器(何れも不図示)が内蔵されている。そして、装置本体2の前面(図2の左方を前方とする)は、開閉可能なフロントカバー3で覆われ、左右はサイドカバー4,5で覆われ、後面はリヤカバー6で覆われ、上面はトップカバー7によってそれぞれ覆われている。尚、フロントカバー3、サイドカバー4,5、リヤカバー6及びトップカバー7は何れも樹脂によって一体成形されている。
【0010】
ところで、装置本体2の左右の下部には前後方向に延びる段凹状の把手8が形成されており、図4に示すように、各把手8には前後方向に延びる滑り止め用の3本の突起8aがそれぞれ一体に突設されている。
【0011】
又、図1、図2及び図4に示すように、装置本体2の背面下部には幅方向に延びる段凹部2aが形成されており、この段凹部2aの右側端部(図1及び図2においては左側端部)には電源基板のインレット9が配置されている。従って、このインレット9は、装置本体2の背面から内側にオフセットして配置されていることになる。
【0012】
而して、本実施の形態は、装置本体2の背面の右端部に前記インレット9(段凹部2a)に連なる凹状のケーブルガイド2bを上下方向に形成し、該ケーブルガイド2bを前記把手8の段差に連通させ、前記インレット9から延びる電源ケーブル10を前記ケーブルガイド2bから前記把手8の段差を経て引き廻したことを特徴としている。尚、電源ケーブル10の両端には電源プラグ11,12が取り付けられており、一方の電源プラグ11は、装置本体2の背面に配置されたインレット9に差し込まれ、他方の電源プラグ12は、壁等に取り付けられた商用電源用の不図示のコンセントに差し込まれ、商用電源が電源ケーブル10を介して画像形成装置1の不図示の電源基板へと供給される。ここで、装置本体2の背面の右端部に前記インレット9(段凹部2a)に連なる凹状のケーブルガイド2bの一側面は、サイドカバー5によって構成されている。
【0013】
以上のように、本実施の形態では、インレット9を装置本体2の背面から内側にオフセットさせて配置するとともに、装置本体2の背面に前記インレット9に連なる凹状のケーブルガイド2bを形成し、該ケーブルガイド2bを把手8の段差に連通させ、前記インレット9から延びる電源ケーブル10を前記ケーブルガイド2bから前記把手8の段差を経て引き廻すようにしたため、電源ケーブル10の取り廻しを装置本体2の設置面積内で行うことができ、該電源ケーブル10が装置本体2から突出しないために画像形成装置1の設置スペースと稼働スペースを最小限に抑えることができるという効果が得られる。
【0014】
尚、以上は本発明をレーザープリンタに適用した形態について説明したが、本発明は、プリンタの他、複写機やファクシミリ等の他の画像形成装置に対しても同様に適用可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る画像形成装置の背面図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置のインレット部の背面斜視図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置の側面図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置を斜め下方から見た部分斜視図である。
【符号の説明】
【0016】
1 画像形成装置
2 装置本体
2a 装置本体の段凹部
2b 装置本体のケーブルガイド
3 フロントカバー
4,5 サイドカバー
6 リヤカバー
7 トップカバー
8 把手
8a 把手の突起
9 インレット
10 電源ケーブル
11,12 電源プラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体下部に前後方向に延びる把手を段構成とし、装置本体の背面に電源基板のインレットを配置して成る画像形成装置において、
前記インレットを装置本体の背面から内側にオフセットさせて配置するとともに、装置本体の背面に前記インレットに連なる凹状のケーブルガイドを形成し、該ケーブルガイドを前記把手の段差に連通させ、前記インレットから延びる電源ケーブルを前記ケーブルガイドから前記把手の段差を経て引き廻したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
装置本体の背面に前記インレットに連なる凹状のケーブルガイドを形成する一側面はサイドカバーとすることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−169078(P2009−169078A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−6807(P2008−6807)
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】