説明

画像表示装置

【課題】任意の文字情報を画像データと同時に投影可能にする。
【解決手段】画像をスクリーン上に投影して表示する画像表示装置であって、文字データと画像データとを受信するデータ受信手段と、画像データのアスペクト比を受信するアスペクト比受信手段と、画像データのアスペクト比を保持した状態で指定された、スクリーン上における文字データと画像データとの表示レイアウトを受信するレイアウト受信手段と、表示レイアウトに基づいて、文字データと画像データとをスクリーンに投影して表示する投影表示手段と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに接続可能な機能を有するプロジェクタ(画像投影装置)(以下、「ネットワークプロジェクタ」ともいう。)があり、PC(Personal Computer)に専用の画像投影ソフトをインストールしてPCの画面やPC内に保存されている画像(動画、静止画等)を投影する技術が既に知られている。
【0003】
また、特許文献1には、携帯電話や携帯ゲーム機等のアスペクト比(長辺対短辺比、横縦比)の異なるディスプレイ画面に、同じ画像を破綻させること無く出力する目的で、主画面についてアスペクト比を保持したまま表示領域を確保する画像出力方法について開示されている。そして、アスペクト比が必ずしも保持されない副画面と表示領域とに分割するパターンをそれぞれのディスプレイ毎に用意する構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、今までのネットワークプロジェクタにおいては、PCから画像を投影するためには、何らかの画像データ(動画、静止画等)を事前に準備しなければならないという制約があった。
【0005】
また、引用文献1に記載された画像出力方法では、アスペクト比を保持した画面を分割し、アスペクト比の異なる表示画面に表示するための準備をする点が開示されているが、表示対象である画像データと、当該画像データを表示するアスペクト比が異なる表示画面との対応が常に1対1の関係に限定されている。
【0006】
しかしながら、表示対象である画像データは、仮にアスペクト比が同一の画面であったとしても、分割パターンとしては複数の分割パターンがあり得るので、画像データを表示する画面における表示パターンがただ1つの対応関係に限定されると、選択された分割パターンが表示対象たるコンテンツにとって最適な表示パターンであるかどうかは疑問であり、場合によっては、不適切な分割パターンとなってしまうという懸念がある。
【0007】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、任意の文字情報を画像データと同時に投影可能とし、かつ画像データのアスペクト比を保持した状態で、画像以外の情報も投影可能とし、ネットワークプロジェクタの利用シーンを広げることができる画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明における画像表示装置は、画像をスクリーン上に投影して表示する画像表示装置であって、文字データと画像データとを受信するデータ受信手段と、前記画像データのアスペクト比を受信するアスペクト比受信手段と、前記画像データのアスペクト比を保持した状態で指定された、前記スクリーン上における前記文字データと前記画像データとの表示レイアウトを受信するレイアウト受信手段と、前記表示レイアウトに基づいて、前記文字データと前記画像データとを前記スクリーンに投影して表示する投影表示手段と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザは、複数の画像表示装置を使用することなく画像データのアスペクト比を保持した状態で、表示したい画像データとは異なる種類の情報を画像データと同一画面に表示(投影)することができる画像表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る画像表示装置を構成する機器の接続例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像表示装置を構成する機器の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像表示装置において、表示対象たる画像データが、表示装置(プロジェクタ)によって画像データのアスペクト比と略同一のアスペクト比を有するスクリーンに投影される表示状態の例を示す図であって、(a)元画像データのみがそのまま投影される場合、(b)元画像データが縮小され、スクリーンの右側余白と下側余白とに文字情報(文字データ)が投影される場合、(c)元画像データが縮小され、四方向の余白に文字情報(文字データ)が投影される場合、(d)元画像データと文字情報(文字データ)とがスクリーンの下部にオーバーレイして投影される場合、である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像表示装置において、表示対象たる画像データが、表示装置(プロジェクタ)によって画像データとアスペクト比が大幅に異なる正方形のスクリーンに投影される表示状態の例(あるいは、正方形の投影素子をもつ表示装置(プロジェクタ)によって投影される表示状態の例)を示す図であって、(a)元画像データが縮小され、スクリーンの下側余白に文字情報(文字データ)が投影される場合、(b)元画像データがポートレイトサイズに縮小され、スクリーンの右側余白に文字情報(文字データ)が投影される場合、(c)元画像データが縮小され、スクリーンの上側余白に文字情報(文字データ)が投影される場合、(d)元画像データがポートレイトサイズに拡大され、元画像データと文字情報(文字データ)とがスクリーンの略中央部にオーバーレイして投影される場合、である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像表示装置における情報処理端末の操作表示画面を説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像表示装置の動作を情報処理端末から操作したときの動作フローを示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る画像表示装置の動作を表示装置側で処理するときの動作フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化乃至省略する。本発明は、要するに、画像を投影する表示動作において、投影対象たる画像データを、当該画像データが有するアスペクト比を保持したまま、表示する画面(スクリーン)に合わせて縮小又は拡大し、予め選択された条件にしたがったレイアウトにより画像データの表示を行い、外部端末から指定した任意の文字列(文字データ)を、投影する画像データを縮小してできた余白領域に投影することにより、又は投影する画像を縮小せずにオーバーレイ(重ねて)表示することにより、任意の文字情報(文字データ)の投影を行うことが特徴になっている。以下、本発明の特徴について、図面を用いて詳細に説明する。
【0012】
まず、本発明の実施形態に係る画像表示装置を構成する機器について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像表示装置を構成する機器の接続例を示す図である。図1において、画像表示装置1は、ネットワーク50に対して複数の情報処理端末(PC)10、サーバ20、及び複数のプロジェクタ(表示装置)30がそれぞれ接続されている。
【0013】
情報処理装置(PC)10側の画像データや様々な情報を、ネットワーク50を経由して表示装置30に送信し、表示装置30がプロジェクタである場合には、表示画像はスクリーン40に投影される。表示装置30は図1に示すように複数台存在することもあり、それぞれの表示装置30において、画面の解像度、アスペクト比、及び音声再生の有無等の表示条件が異なる場合もある。
【0014】
なお、情報処理装置10の例としてPC(パーソナルコンピュータ)を挙げているが、情報処理装置10はPCに限定されず、表示装置に対して画像データの表示命令を出力する機能を有するものであれば、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)や携帯電話等の情報端末であっても良いことは勿論である。
【0015】
また、表示装置(プロジェクタ)30も、CRT(Cathode Ray Tube)プロジェクタや液晶(LCD:Liquid Crystal Display)プロジェクタ等、プロジェクタの種類は如何なるものであっても良い。さらに、サーバ20は、後述するように他の機器と通信を行う機能と画像データを表示装置30に配信する機能を有するものであれば、如何なるサーバでも良い。そして、ネットワーク50についても、その種類は特に限定しておらず、LAN(Local Aria Network)に代表されるような各機器の間の双方向通信が可能なものであればその種類は問わないものとする。
【0016】
次に、画像表示装置1を形成する各機器の構成について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る画像表示装置を形成する機器の構成を示すブロック図である。図2において、情報処理端末(PC)10は、表示装置(プロジェクタ)30が画像データをスクリーン40に表示するよう制御するコマンドや、画像データに併せて表示される文字情報(文字データ)等を入力するための入力部11と、接続されているネットワーク50上の他の機器と双方向の通信を行い、画像データを複数存在する表示装置(プロジェクタ)30の中の何れの機器に送信するかを選択する機器探索機能を有する通信部12とを少なくとも有している。
【0017】
また、サーバ20は、画像データのデータベースや、文字情報のフォントデータを有する配信部21と、接続されているネットワーク50上の他の機器と双方向の通信を行い、画像データを複数存在する表示装置(プロジェクタ)30の中の何れの機器に送信するかを選択する機器探索機能を有する通信部22とを少なくとも有している。
【0018】
そして、表示装置(プロジェクタ)30は、情報処理端末(PC)10やサーバ20から受信した画像データに対して必要に応じて加工して描画すると共に、文字情報(文字データ)を表示するためのフォントデータを有する描画部31と、受信した画像データを実際に可視化して人間が見ることができるような表示データに変換する投影部32と、ネットワーク50上の他の機器とのやり取りを行う通信部33とを少なくとも有している。なお、文字情報を表示するためのフォントデータは、情報処理装置(PC)10、サーバ20、又は表示装置(プロジェクタ)30の何れかに搭載されていれば良い。
【0019】
次に、表示する画像データのアスペクト比とスクリーンのアスペクト比とが略同一であるときに、プロジェクタ30によって投影される画像データの表示状態について説明する。図3は、本発明の実施形態に係る画像表示装置において、表示対象たる画像データが、表示装置(プロジェクタ)によって画像データのアスペクト比と略同一のアスペクト比を有するスクリーンに投影される表示状態の例を示す図であって、(a)元画像データのみがそのまま投影される場合、(b)元画像データが縮小され、スクリーンの右側余白と下側余白とに文字情報(文字データ)が投影される場合、(c)元画像データが縮小され、四方向の余白に文字情報(文字データ)が投影される場合、及び(d)元画像データと文字情報(文字データ)とがスクリーンの下部にオーバーレイして投影される場合をそれぞれ示したものである。
【0020】
従来のネットワークプロジェクタは、1枚又は複数枚の画像データを1枚のスクリーンに投影していたが、本発明の特徴は、元画像データが存在していることを前提に、その画像データに対して元のアスペクト比を保持したまま縮小化を行い、この縮小化によって発生した余白領域を利用して、文字情報(文字データ)等の他の情報を投影させることにある。これにより、元画像データの解像度やアスペクト比が変化しても、文字情報(文字データ)を表示することができる。なお、説明の都合上、スクリーン40上に形成される余白領域を示す符号として、A列(上端側)、B列(右端側)、C列(下端側)、及びD列(左端側)を用いることにする。
【0021】
そして、本発明によれば、図3(b)に示すようにスクリーン40上におけるB列とC列とに余白を生じさせることや、図3(c)に示すようにスクリーン40上のA列からD列に余白を生じさせることができる。図3(d)は、スクリーン40上に投影された元画像データに対して文字情報(文字データ)をオーバーレイして表示させた場合である。
【0022】
これにより、余白領域を最大限利用することにより、表示することができる情報量を最大化することができると共に、元画像データの解像度やアスペクト比が変化しても、同じ文字情報(文字データ)を表示することができるのである。さらに、画像データを縮小・拡大することなく、画像データ全体を表示しながら文字情報(文字データ)を表示することもできるのである。
【0023】
このように、元画像データのアスペクト比とスクリーン40のアスペクト比とが略同一であるときには、スクリーン40における余白の生じさせ方に様々な選択肢がある。ただし、画像データと表示装置(プロジェクタ)30とが平行に配置される条件下においては、オーバーレイ表示させる場合を除き、最大でもA列からD列の4つの領域しか発生せず、A列からD列の中の少なくとも1列が選択されることにより、画像データに被ることなく、画像データを縮小・拡大した余白領域を利用して読み易い文字情報(文字データ)を表示することができるのである。
【0024】
次に、表示する画像データのアスペクト比とスクリーンのアスペクト比とが大幅に異なるときの、表示装置(プロジェクタ)30を用いたスクリーン40に投影される画像データについて説明する。具体的には、スクリーン40における表示領域が略正方形となっている場合である。
【0025】
図4は、本発明の実施形態に係る画像表示装置において、表示対象たる画像データが、表示装置(プロジェクタ)によって画像データとアスペクト比が大幅に異なる正方形のスクリーンに投影される表示状態の例(あるいは、正方形の投影素子をもつ表示装置(プロジェクタ)によって投影される表示状態の例)を示す図であって、(a)元画像データが縮小され、スクリーンの下側余白に文字情報(文字データ)が投影される場合、(b)元画像データがポートレイト(縦画像)サイズに縮小され、スクリーンの右側余白に文字情報(文字データ)が投影される場合、(c)元画像データがランドスケープ(横画像)縮小され、スクリーンの上側余白に文字情報(文字データ)が投影される場合、(d)元画像データの横方向がスクリーンの横方向のサイズに合わせられ、縦方向がポートレイト(縦画像)サイズに拡大され、元画像データと文字情報(文字データ)とがスクリーンの略中央部にオーバーレイして投影される場合、である。
【0026】
このように、表示する画像データのアスペクト比とスクリーンのアスペクト比とが大幅に異なる場合は、画像データと文字情報(文字データ)の全てを一度に表示しようとすると、画像データの表示領域はスクリーン全体の表示領域に対してかなり縮小してしまうことが多い。しかし、それでも図4(a)から(d)に示すように画像データと文字情報(文字データ)のすべてを表示するための選択肢は種々存在する。図4(a)、(c)に示すよう表示領域の上下に余白を生じさせたり、図4(b)に示すように表示領域の右側に余白を生じさせたり、図4(d)に示すように画像データと文字情報(文字データ)とをオーバーレイさせることも可能である。
【0027】
また、正方形の投影素子を備える場合は、ポートレイト(縦画像)、ランドスケープ(横画像)のどちらの画像データが来たとしても、著しく画像データを縮小することなく縦横いずれかの画素をフルに使った画像データを投影することもできる。
【0028】
次に、画像データと文字情報(文字データ)とを、スクリーン40上にどのように表示させるかを、情報処理端末(PC)10の入力部11を用いて設定する際のUI(User Interface)について説明する。図5は、本発明の実施形態に係る画像表示装置における情報処理端末の操作表示画面を説明するための図である。
【0029】
図5において、情報処理端末(PC)10の入力部11を用いて、情報処理端末(PC)10側からスクリーン40に表示される表示状態を、余白を表示させる設定(縮小)にするかオーバーレイ表示させるに設定するかの選択と、表示させたい文字情報(文字データ)を入力する。
【0030】
具体的には、表示形式の欄111において、クリック可能なアイコン表示を用いて左から表示領域の4方向に余白を生じさせる設定112、右側と下側に余白を生じさせる設定113、及び上側と右側に余白を表示させる設定114のいずれかを選択することができる。勿論、表示形式の欄111をスクロール表示させることによりさらに多くの選択肢を設けることも可能である。
【0031】
次に、文字情報(文字データ)を、画像データの表示を縮小させた場合の表示領域の余白に表示させるか、又は文字情報(文字データ)と画像データとをオーバーレイ表示させるかを選択するラジオボタン115を設けることにより、何れの表示形態にするのかを選択することができる。なお、文字情報(文字データ)をオーバーレイ表示させる領域に関しても、一箇所だけでなく余白の設定と同様に様々な表示領域の中から選択することができるようにしても良い。
【0032】
そして、上述したスクリーン40の表示領域の中のA列からD列までに表示させたい文字情報(文字データ)を入力する編集ボックスが用意されている。図5の例では、表示形式の欄111において、上側と右側に余白領域を生じさせる設定114が選択されている。よって、この余白領域に対応するA列とB列のみに文字情報(文字データ)を入力できるような設定となっており、余白が生じない領域であるC列とD列については、編集ボックスの中をグレーダウンさせて入力付加とする状態となっている。最後に、設定をOK116するか、キャンセル117するかのボタンを選択する。
【0033】
次に、本発明の実施形態に係る画像表示装置の動作について説明する。図6は、本発明の実施形態に係る画像表示装置の動作を情報処理端末から操作したときの動作フローを示す図である。図6において、情報処理端末10側のプログラムが起動されると、情報処理端末10の通信部(機器探索)12により、ネットワーク50の中から接続先となる表示装置(プロジェクタ)30が検索された後に接続される。
【0034】
この場合、表示装置(プロジェクタ)30の数は複数台でも良いのであるが、当該複数台の表示装置(プロジェクタ)30の仕様が夫々異なる場合は、仕様の異なるそれぞれの表示装置(プロジェクタ)に適合したプログラムを準備して起動させるか、単一のプログラムで起動させるかは、画像表示装置1自体の実装に依存する。ここでは説明を簡単にするため、情報処理端末10と表示装置(プロジェクタ)30とが1対1で接続されているものと仮定する。
【0035】
まず、ステップ(以下、「S」という。)601において、情報処理端末(PC)10が表示装置(プロジェクタ)30に接続されると、S602において、接続された表示装置(プロジェクタ)30から、当該表示装置(プロジェクタ)30が保有する解像度、アスペクト比、及び許容可能な画像形式等の情報が取得される。
【0036】
取得された情報に基づいて、情報処理端末(PC)10では対応する選択肢が決定され、S603においてイベント待ちループに入る。S603では色々な機能を使用することができるが、ここでは、(1)画像データ投影、(2)文字情報(文字データ)投影、及び(3)自動情報投影の3つのイベントについて説明する。
【0037】
S603のイベント待ちループから、(1)画像データ投影のイベントに移行する場合には、投影対象となる画像データを選択する必要がある。S604では、静止画ファイル、動画ファイル、デスクトップ画像等の中から投影される画像データが決定される。S604において投影される画像データが決定されると、S605において、決定された画像データに基づいて画像データのアスペクト比が決定される。
【0038】
そして、S605において決定されたアスペクト比により、S606において、当該画像データを破綻無く投影するために、必要に応じて投影画像の縮小又は拡大が行われる。その後、画像データが表示装置(プロジェクタ)30からスクリーン40に対して送信・投影される。
【0039】
一方、S603のイベント待ちループから、(2)文字情報(文字データ)投影のイベントに移行する場合には、S607において、図5で説明した情報処理端末(PC)10の入力部11のUIを用いることにより表示形式の欄111(図5)の選択が行われる。表示形式の欄111は、表示装置(プロジェクタ)30の解像度、アスペクト比によって有効な形式が決定されるので、その中から選択される必要がある。表示形式の欄111が選択されると、S608において、文字情報(文字データ)を編集可能な列がアクティブ状態となり、必要な文字情報(文字データ)が入力される。
【0040】
そして、文字情報(文字データ)と同時に投影される画像データが存在する場合には、S605で決定されたアスペクト比にしたがって、S609において当該アスペクト比を保持した状態で画像データの縮小・拡大が行われる。S608において入力された文字情報(文字データ)に対するフォントデータが表示装置(プロジェクタ)30から取得され、S610において、画像データに対する文字情報(文字データ)のレイアウトが決定され、取得されたフォントデータに基づく文字情報(文字データ)が画像データに合成される。その後、合成された表示画像が表示装置(プロジェクタ)30からスクリーン40に対して送信・投影される。
【0041】
ところで、文字情報(文字データ)が投影される場合には、上記(2)のイベントにおいて述べたべたように、投影される文字情報(文字データ)がその都度入力される必要がある。他方、常時稼動状態にあるサーバ20が存在するような状況であれば、当該サーバ20から自動的に文字情報(文字データ)が送り込まれることも考えられる。
【0042】
常時稼働状態にあるサーバ20が保有するリアルタイムで起きている事象に関する文字情報としては、時刻情報、ロケーション(位置、場所)情報、最新ニュース情報等が考えられる。例えば、会議室に常設されているような表示装置(プロジェクタ)30からスクリーン40に表示される文字情報(文字データ)が格納されたサーバが設けられており、そこから送り込まれる文字情報(文字データ)が、会議室名、日付時刻に応じた会議名、出席者名等であれば非常に便利である。このようにすれば、ユーザにより文字情報(文字データ)が都度入力される必要がなく、オンライン状態にあるサーバから信頼性の高い情報を自動的に繰り返し利用することができる。
【0043】
そこで、S603のイベント待ちループから、(3)自動情報投影のイベントに移行する場合を考えてみる。S611において、タイマー等を用いることにより所定の時刻に特定のイベントが起動されると、S612において、サーバ20内の配信部21(図2)のデータベース(DB)から、文字情報と表示形式が選定され、S613において、必要に応じて投影画像の縮小・拡大が行われる。
【0044】
その後は(2)のイベントにおけるS610と同様に、S614において画像データに対する文字情報(文字データ)のレイアウトが決定され、取得されたフォントデータに基づく文字情報(文字データ)が画像データに合成される。その後、合成された表示画像が表示装置(プロジェクタ)30からスクリーン40に対して送信・投影される。
【0045】
ただし、この場合には、起動されるイベントに応じた文字情報(文字データ)が投影される画像データに合成されるのであるから、サーバ20側において投影すべき画像データが予め準備されている必要があることに留意する必要がある。すなわち、他の情報処理端末10側で投影用に準備された画像データは、当該起動されるイベントには無関係な画像データであるからである。
【0046】
S603のイベント待ちループにおいて、イベント待ち中に処理終了が選択されたときには、S603のイベント待ちループから抜けて処理を終了する。
【0047】
次に、本発明の実施形態に係る画像表示装置の他の動作について説明する。図7は、本発明の実施形態に係る画像表示装置の動作を表示装置(プロジェクタ)側で処理するときの動作フローを示す図である。図7の場合には、画像データの合成を表示装置(プロジェクタ)30側で実行するため、情報処理端末10側の処理負担は軽くなる。
【0048】
この図7の動作フローの場合には、情報処理端末10からの指令を待ってから動作に移行するため、図6に示したS601、S602の処理は存在しない。複数の表示装置(プロジェクタ)30に異なる内容の画像データを表示するような場合には、この処理フローにしたがった方が良い。
【0049】
S701のイベント待ちループから、(1)画像データ投影のイベントに移行する場合には、情報処理端末10側に画像データが保有されていることには変わりがないので、S702において、情報処理端末10から投影する画像データが受信され、S703において、表示装置(プロジェクタ)30におい投影する画像データのアスペクト比が決定され、決定されたアスペクト比に応じて画像データの縮小・拡大が行われ、S710においてスクリーン40に投影される。
【0050】
S701のイベント待ちループから、(2)文字情報(文字データ)投影のイベントに移行する場合には、S705において、情報処理端末10において表示形式の欄111(図5)が選択され、S706において、情報処理端末10から文字情報(文字データ)が受信され、当該文字情報(文字データ)と同時に投影され、現在投影されている画像データが存在する場合には、S703において当該画像データのアスペクト比が決定されているので、S707において当該画像データが縮小・拡大される。
【0051】
そして、S709において、画像データに対する文字情報(文字データ)のレイアウトが決定され、文字情報(文字データ)が画像データに合成される。その後、S710において、合成された表示画像が表示装置(プロジェクタ)30からスクリーン40に対して送信・投影される。
【0052】
なお、S709において、文字情報(文字データ)が画像データに合成される際、表示装置(プロジェクタ)30に設けられているフォントデータ(S708)が取得される。
【0053】
なお、図6、及び図7に示した本発明の実施形態に係る画像表示装置の各動作フローは、コンピュータ上のプログラムに実行させることもできる。すなわち、図2の情報処理端末10及び表示装置(プロジェクタ)30に搭載されている図示しないCPU(Central Processing Unit)が、図示しないROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶媒体に格納されたプログラムをロードし、プログラムの処理ステップが順次実行されることによって行われる。
【0054】
このように、本発明では、画像をスクリーン上に投影して表示する画像表示装置において、文字データと画像データとを受信する手段と、画像データのアスペクト比を受信する手段と、画像データのアスペクト比を保持した状態で、スクリーン上における文字データと画像データとの表示レイアウトを決定する手段と、表示レイアウトに基づいて、文字データと画像データとをスクリーンに投影して表示する手段と、を含むことによって、表示したい画像データとは異なる種類の情報(文字情報)を画像データと同一画面に表示(投影)することができる画像表示装置を得ることができる。
【0055】
以上、本発明の好適な実施形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨及び範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 画像表示装置
10 情報処理端末
11 入力部(情報処理端末)
12 通信部(情報処理端末)
20 サーバ
21 配信部(サーバ)
22 通信部(サーバ)
30 表示装置(プロジェクタ)
31 描画部(プロジェクタ)
32 投影部(プロジェクタ)
33 通信部(プロジェクタ)
40 スクリーン
111 表示形式の欄
115 ラジオボタン
116 OKボタン
117 キャンセルボタン
【先行技術文献】
【特許文献】
【0057】
【特許文献1】特開2006−106371号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像をスクリーン上に投影表示する画像表示装置であって、
文字データを受信する文字データ受信手段と、
画像データを受信する画像データ受信手段と、
前記画像データのアスペクト比を受信するアスペクト比受信手段と、
前記画像データのアスペクト比を保持した状態で指定された、前記スクリーン上における前記文字データと前記画像データとの表示レイアウトを受信するレイアウト受信手段と、
前記表示レイアウトに基づいて、前記文字データと前記画像データとを前記スクリーン上に投影表示する投影表示手段と、
を含むことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記文字データ受信手段及び前記画像データ受信手段は、ネットワークを介して接続された外部端末から前記文字データと前記画像データとをそれぞれ受信することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記表示レイアウトは、前記外部端末によって指定されることを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記画像データは、前記アスペクト比を保持した状態で縮小又は拡大され、前記文字データは、前記画像データが縮小されたときの前記スクリーン上における余白領域に投影表示されることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記余白領域は、スクリーン正面視における右端領域、左端領域、上端領域、及び下端領域のうちの少なくとも1つの領域であることを特徴とする請求項4に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記文字データは、前記縮小又は拡大されない前記画像データに重畳して前記スクリーン上の何れかの領域に投影表示されることを特徴とする請求項4に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記文字データが前記余白領域に表示されるか、前記画像データに重畳して表示されるかは、前記外部端末によって指定されることを特徴とする請求項6に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記ネットワークには、リアルタイムで起きている事象を文字情報として格納するデータベースが接続されており、前記文字データ受信手段は、前記データベースから前記文字情報を前記文字データとして受信することを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項9】
正方形の画像投影素子を持つことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−97354(P2013−97354A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243208(P2011−243208)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】