説明

画像記録装置

【課題】 複数の記録媒体に記録された画像に対して画像処理を行う前に、その記録内容を確認する。
【解決手段】 2つの記録媒体(SD、CF)にそれぞれ、共通の静止画像を同じコマ番号を付して記録する。モニタに静止画像を表示する。2つの記録媒体から同じコマ番号(フォルダ番号・ファイル番号(100-0001))を付された2つの画像を読み出し、モニタの画面に同時に表示する。表示された2つの画像から、例えば消去等の画像処理を施すべき画像を選択する(B1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の記録媒体に同時に共通の静止画像を記録することができる画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CFカードやSDカード等の2つの記録媒体を着脱自在に取付けることができるデジタルカメラが提案されている。2つの記録媒体を使用するのは主にバックアップのためであり、各記録媒体には、撮影動作によって得られた1つの静止画像が同時に記録可能である。これらの記録媒体は別個に利用可能であり、例えば、一方の記録媒体のみをパソコン等に取付けて画像処理を施すことも自由にできる。また、これらの記録媒体は常に同じもの同士が組み合わされて使用されるとは限らず、例えば、今まで別々に使用されてきた2つの記録媒体を1つのデジタルカメラに取付けることもできる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のデジタルカメラでは、2つの記録媒体を取付けた状態において、共通のフォルダ番号・ファイル番号を有する画像に対して同時に消去等の操作を行うことができる。すなわち2つの画像において、フォルダ番号・ファイル番号が同じであれば、同時に記録されたものであると見なしている。しかし実際には、別のデジタルカメラで使用した記録媒体を混在させて使用した場合、フォルダ番号・ファイル番号が同じであって、それらの画像が異なる場合が生じる恐れがあるが、操作の前に確認することはできない。
【0004】
本発明は、複数の記録媒体に記録された画像に対して画像処理を行う前に、その記録内容を確認することにより、誤った画像処理の実行を防止することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る第1の画像記録装置は、着脱自在に取付けられる複数の記録媒体にそれぞれ、共通の静止画像を同じコマ番号を付して記録することができる画像記録装置であって、画像を表示するためのモニタと、複数の記録媒体から読み出され、かつ同じコマ番号を付された複数の画像をモニタの画面に同時に表示する画像表示手段と、画像表示手段によって表示された複数の画像から所定の画像処理を施すべき画像を選択する画像選択手段とを備えることを特徴としている。
【0006】
複数の記録媒体の各々において、画像が異なるフォーマットで記録可能である場合には、画像表示手段はモニタの画面において、異なるフォーマットで記録された画像も表示することが好ましい。この場合、画像選択手段は、所定の画像処理を施すべき画像を、フォーマットを指定することによって選択してもよい。なお、画像のフォーマットの種類として、生データおよび圧縮データがある。
【0007】
画像選択手段は、所定の画像処理を施すべき画像を、1つずつ選択してもよい。また画像選択手段は、所定の画像処理を施すべき画像を、記録媒体を指定することによって選択してもよい。さらに画像選択手段は、モニタに表示された全ての画像を一括して、所定の画像処理を施すべき画像として選択してもよい。また画像選択手段は、複数の画像に対して、異なる画像処理を施すように選択してもよい。
【0008】
画像表示手段は、複数の画像を同時に表示するとき、直前に表示していた画像を他の画像から識別できるように表示することが好ましい。また画像表示手段が、複数の画像を、記録媒体の種類に応じて第1方向に配列し、かつ記録フォーマットの種類に応じて第2方向に配列して、マトリクス状に表示することが好ましい。
【0009】
本発明に係る第2の画像記録装置は、記録媒体および内蔵メモリにそれぞれ、共通の静止画像を同じコマ番号を付して記録することができる画像記録装置であって、画像を表示するためのモニタと、記録媒体および内蔵メモリから読み出され、かつ同じコマ番号を付された複数の画像を前記モニタの画面に同時に表示する画像表示手段と、画像表示手段によって表示された複数の画像から所定の画像処理を施すべき画像を選択する画像選択手段とを備えることを特徴としている。
【0010】
本発明に係る第3の画像記録装置は、内蔵メモリの複数の記録領域にそれぞれ、共通の静止画像を同じコマ番号を付して記録することができる画像記録装置であって、画像を表示するためのモニタと、複数の記録領域から読み出され、かつ同じコマ番号を付された複数の画像をモニタの画面に同時に表示する画像表示手段と、画像表示手段によって表示された複数の画像から所定の画像処理を施すべき画像を選択する画像選択手段とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の記録媒体に記録された画像に対して画像処理を行う前に、その記録内容を確認することにより、誤った画像処理の実行を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態である画像記録装置を適用したデジタルカメラの構成を概略的に示すブロック図である。
【0013】
撮影光学系10の光軸上に設けられる撮像素子11は例えばCCDである。撮像素子11では、その受光面に結像された被写体像に応じてアナログの画像信号が発生し、この画像信号は図示しないAD変換器によってデジタル形式の画像データに変換され、画像処理回路12に入力される。
【0014】
画像処理回路12はCPU13によって制御される。すなわち画像データは、いったん作業メモリ14に格納され、読み出されて、例えばJPEGに準拠した圧縮処理等の画像処理が施される。画像処理を受けていない生データと圧縮処理された画像データは、共に、第1の記録媒体(SDカード)15と第2の記録媒体(CFカード)16に記録可能である。
【0015】
また画像処理回路12に入力された画像データは、画像処理を施された後、LCDモニタ17に入力され、これによりモニタ17では、被写体が動画として表示される。
【0016】
記録媒体15、16への記録、あるいはモニタ17における動画の表示等の動作を実行するため、画像処理回路12には種々のスイッチを備えた操作部材18が接続されている。
【0017】
図2はデジタルカメラの背面の構成を示す図である。カメラ本体20の上面にはファインダ21が設けられている。カメラ本体20の背面において、ファインダ21の下側には、画像あるいはメニュー等を表示するためのLCDモニタ17が設けられている。LCDモニタ17の左側には、消去釦23、再生釦24等が配設されている。消去釦23を押すことによって、記録媒体15、16に記録された画像データを消去することができる。また再生釦24を押すことによって、記録媒体15、16に記録された画像データから静止画像を、LCDモニタ17上において再生することができる。
【0018】
LCDモニタ17の右側には、上釦31、下釦32、右釦33、左釦34、決定釦35、実行釦36が設けられる。これらの釦の使用方法については後述する。
【0019】
図3と図4を参照して、第1の記録媒体(SDカード)15と第2の記録媒体(CFカード)16に記録された画像データを同時表示モードで表示したときの一例を説明する。記録媒体15、16はカメラ本体20に着脱自在に取付けられ、1回の撮影動作により共通の静止画像が、フォルダ番号・ファイル番号によって特定される記録領域に記録される。フォルダ番号・ファイル番号は階層構造の形式で構成され、1つのフォルダ番号の下の階層に多数のファイル番号が存在する。すなわちフォルダ番号・ファイル番号により、1つの画像に対応する「コマ番号」が定義され、1回の撮影動作によって、共通の静止画像が2つの記録媒体15、16において同じコマ番号を付して記録される。
【0020】
記録媒体15、16の各記録領域には、圧縮処理されたデータ(JPEG)と生データ(RAW)が記録可能である。図3と図4は、各記録媒体15、16に圧縮処理データと生データを記録した場合を示している。すなわち記録媒体15、16において、共にフォルダ番号が「100」でファイル番号が「0001」である記録領域に、圧縮処理データと生データが記録されており、また、第1の記録媒体(SDカード)15に記録されている画像(シーンA)と第2の記録媒体(CFカード)16に記録されている画像(シーンB)とは異なっている。これは、記録媒体15、16が同時に使用されたのではなく、別々に使用されて異なる画像データが記録されている場合である。
【0021】
図4は、同時表示モードにおいて画像を消去しようとする場合におけるLCDモニタ17の画面を示し、画面の左上には、現在消去動作が設定されていることを示すアイコンM1が表示されている。また、CFカードに記録された生データに対応する画像の左上のチェックボックスB1にはチェックマークが付されているが、これは、この画像データを消去しようとしていることを示す。
【0022】
図5は、同時表示モードにおいて消去すべき画像データを選択するときの画面を示している。符号(a)は単独選択モード、すなわち消去すべき画像データを1つずつ個別に選択するモードを示し、図示例はCFカードに記録された生データを消去しようとする状態である。符号(b)は画像種類選択モード、すなわち消去すべき画像データをタイプ(フォーマット)を指定することによって選択するモードを示し、図示例は圧縮処理データ(JPEGフォーマットの画像データ)を消去しようとする状態である。符号(c)はメディア選択モード、すなわち消去すべき画像データを記録媒体を指定することによって選択するモードを示し、図示例はCFカードに記録された画像データを消去しようとする状態である。符号(d)は全部選択モード、すなわち表示された全ての画像を一括して選択するモードを示している。符号(e)は複数の画像データに対して異なる画像処理をまとめて行うモードを示し、図示例はCFカードに記録された生データを消去するとともに、SDカードとCFカードに記録された圧縮処理データに対するプロテクト、すなわち読取専用にする状態を示している。なお、SDカードの圧縮処理データ(すなわち符号(e)の画面において左上の画像)に対してはプロテクトと同時に回転処理(例えば時計周りに90°回転)を施して表示している。
【0023】
なお、CFカードに記録された圧縮処理データと生データに対応した画像は、図5(a)〜(e)の各表示画面における右側に配列され、またSDカードに記録された圧縮処理データと生データに対応した画像は、図(a)〜(e)の各表示画面における左側に配列される。すなわち各画像は、記録媒体の種類に応じて第1方向(左右方向)に配列表示されている。また各画像は、記録フォーマットの種類(すなわち圧縮処理データと生データ)に応じて第2方向(上下方向)に配列表示されている。このように、記録媒体の種類と記録フォーマットとに基づいて、画像をマトリクス状に表示しているので、ユーザーは、複数の記録媒体に記録されている画像の状態を視覚的に容易に把握することができる。
【0024】
図6は、同時表示モードに移行した直後におけるモニタ17の画面の表示例を示している。すなわち、同時表示モードに移行する前は通常の単画面表示モードであり、モニタ17の画面には1つの画像のみが表示されている。同時表示モードでは、2つの記録媒体15、16に記録された複数の画像を同時に表示するため、これらの画像のうちどれが直前に表示されていた画像であったのかが分かりにくいことがある。そこで本実施形態では、同時表示モードに移行したときに、その直前の画像を他の画像から識別できるように表示している。
【0025】
符号(a)は、直前に表示されていた画像P1を他の画像よりも拡大して表示する例である。符号(b)は、直前に表示されていた画像の枠W1に色をつける例である。符号(c)は、直前に表示されていた画像のチェックボックスB2に色をつける例である。
【0026】
次に図7〜図15を参照して同時表示モードの動作を説明する。
図7は同時表示モードのフローチャートを示している。同時表示モードでは、例えば図4に示すように、2つの記録媒体15、16に記録された画像データ、すなわち複数の画像を同時に表示し、所望の画像のみに所定の処理(例えば消去、プロテクト、回転等の画像処理)を施すことができる。なお、ここでは消去動作を実行する場合を例にとって説明する。
【0027】
ステップ101では画像検索表示処理が実行される。画像検索表示処理では、図9を参照して後述するように、2つの記録媒体15、16に記録された画像が検索され、1つの画面に複数の画像が表示される。なお、ステップ101の処理が完了した時点では、画像のみが表示されており、文字、アイコン、チェックボックス、画像枠等はまだ表示されていない。
【0028】
ステップ102では、グループ選択の初期値が設定される。グループ選択とは、消去動作等の処理を行う画像のグループを選択するモードを意味し、図5に示すように本実施形態では5つのモードがあるが(図5(a)〜(e))、ここでは単独選択モードと画像種類選択モードを説明する。ステップ102における初期設定では、デフォルトである単独選択モードが設定される。
【0029】
ステップ103ではユーザ/インターフェース(UI)リソース表示が行われる。UIリソースとは、モニタ17の画面に表示される画像P1以外の表示内容、すなわちアイコンM1、文字、チェックボックスB1、B2、画像枠W1等である。ステップ104では、モニタ17の画面においてグループ選択のモードを示す文字が選択枠S1によって囲まれる。ステップ103、104の実行により、モニタ17の画面は、図8に示すように画像P1とアイコンM1等が表示される状態になる。
【0030】
ステップ105では待機状態に設定される。この状態で、上釦31、下釦32、右釦33、左釦34、決定釦35、実行釦36のいずれかが押されると、ステップ106へ進む。ステップ106では押下された釦が決定釦35であるか否かが判定され、決定釦35であるときはグループ選択のサブルーチン(図10)が実行される。決定釦35が押下されていないと判定されたときはステップ107へ進み、下釦31が押下されたか否かが判定される。下釦31が押下されたときは操作対象画像選択のサブルーチン(図12、図14)が実行される。下釦31が押下されていないと判定されたとき、ステップ108へ進み、実行釦36が押下されたか否かが判定される。実行釦36が押下されたときは、そのとき設定されている処理が実行される。実行釦36が押下されていないと判定されたときはステップ105へ戻る。
【0031】
図9は、図7のステップ101において実行される画像検索表示処理のフローチャートである。ステップ110では記録媒体の準備、すなわち記録媒体に関するファイルシステムの初期化が行われ、これにより、記録媒体に記録された画像データ等が読み出せる状態になる。
【0032】
ステップ111では画像検索処理が実行される。画像検索処理に先立って、上釦31、下釦32等を用いてフォルダ番号・ファイル番号(すなわちコマ番号)が選択されており、ステップ111では、そのコマ番号に対応した画像データが検索される。ステップ112では、コマ番号に対応した画像データが検出されたか否かが判定される。検出されたとき、ステップ113へ進み、記録媒体から画像データが読み出される。ステップ114では、画像データに対して画像デコード・成形処理が実行され、モニタ17の画面における所定の領域に画像を表示するための処理が行われる。ステップ115では、ステップ114の処理結果に従って画像が表示され、ステップ113において読み出された画像データに対応した1枚の画像がモニタ17の画面に表示される。
【0033】
ステップ116では、画像検索が終了したか否かが判定される。画像検索は、同じフォルダ番号・ファイル番号の画像データがなくなるまで実行され、例えば図8に示すように、同じフォルダ番号・ファイル番号に圧縮画像データと生データが記録されている場合には2回実行される。例えば、最初に圧縮画像データが読み出されたとすると、ステップ116からステップ111へ戻り、次は生データに関して、ステップ111〜116から成るループが実行され、生データに対応した画像が表示される。
【0034】
ステップ116において画像検索が終了したと判定されると、ステップ117において、全ての記録媒体について画像検索が終了したか否かが判定される。2つの記録媒体が取付けられている場合、初めてステップ117が実行されるときは、まだ1つの記録媒体のみについてしか画像検索が終了していないので、ステップ110へ戻る。すなわち他方の記録媒体について、ステップ110以降の処理が実行され、圧縮画像データと生データに対応した画像がそれぞれ表示される。
【0035】
図10は、図7のステップ106において決定釦35が押下されたと判定されたときに実行されるグループ選択のサブルーチンのフローチャートである。図11は、グループ選択におけるモニタ17の表示画面を示している。
【0036】
ステップ201では、モニタ17の画面において、グループ選択のモードを示す文字に矢印が表示される。上述したように図7のステップ102の実行により、デフォルトである単独選択モードが設定され、画面の上方には単独選択モードを示す「Single」の文字が表示されており、またステップ104の実行により、「Single」の文字は選択枠S1によって囲まれている。ステップ201では、「Single」の文字の上下にそれぞれ矢印A1、A2が表示される(図11(a)参照)。
【0037】
ステップ202では、選択操作の待機状態となる。上釦31、下釦32、および決定釦35のいずれかが押下されると、ステップ203へ進む。ステップ203では下釦32が押下されたか否かが判定される。下釦32が押下されたとき、ステップ204が実行され、グループ選択が次のモードに変更される。本実施形態では、単独選択モードの次に画像種類選択モードが選択可能になるように定められている。したがってステップ204では、画像種類選択モードに変更され、ステップ205において、画像種類選択モードに対応したUI描画が行われる。すなわち、図7のステップ103と同様にして、画像種類選択モードに対応したUIリソースが表示される。これによりモニタ17の画面は図11(b)に示す状態となり、選択枠S1の中は画像種類選択モードを示す「Image Type」の文字に変更され、また画像種類選択モードに対応したチェックボックスB3、B4が表示される。
【0038】
ステップ205の実行の後、ステップ202へ戻り、上述した動作が再び実行される。ここで、また下釦32が押下されると、ステップ204では、画像種類選択モードからメディア選択モードに変更される。そしてステップ205の実行により、モニタ17の画面は図11(c)に示す状態となり、選択枠S1の中はメディア選択モードを示す「Card」の文字に変更され、またメディア選択モードに対応したチェックボックスB5、B6が表示される。
【0039】
これに対し、ステップ203において下釦32が押下されていないと判定されたときは、ステップ206へ進み、上釦31が押下されたか否かが判定される。上釦31が押下されたとき、ステップ207が実行され、グループ選択が前のモードに変更される。例えば画像種類選択モードが選択されているときは単独選択モードに変更され、ステップ205において、単独選択モードに対応したUI描画が行われる。すなわち、図11(b)に示す状態から図11(a)に示す状態に変更される。
【0040】
ステップ206において上釦31が押下されていないと判定されたときは、ステップ208へ進み、決定釦35が押下されたか否かが判定される。決定釦35が押下されたとき、ステップ209が実行され、そのとき定められているグループ選択のモードが画像処理されるモードとして決定される。これによりグループ選択のサブルーチンは待機状態に定められ、これは図7のステップ105と同じ状態である。これに対し、ステップ208において決定釦35が押下されていないと判定されたときは、ステップ202へ戻って上述した動作が行われる。
【0041】
グループ選択のモードが決定されて待機状態にあるとき、下釦32が押下されると、待機状態が解除されて、図7のステップ105からステップ106、107の順に進み、操作対象画像選択のサブルーチンが実行される。
【0042】
図12は、単独選択モードが選択されている状態において、図7のステップ107において下釦32が押下されたと判定されたときに実行される操作対象画像選択のサブルーチンのフローチャートである。図13は、単独選択モードにおいて操作対象画像選択を実行するときのモニタ17の表示画面を示している。
【0043】
ステップ301では、下釦32が押下されたことに対応して、画面に表示されている選択枠S1が、グループ選択のモードを示す文字から画像枠を囲むように変更される。本実施形態では、まず、SDカードの圧縮画像データに対応した画像の画像枠W1を囲むように変更される(図13(a))。ステップ302では選択操作の待機状態となる。
【0044】
上釦31、下釦32等のいずれかの釦が押下されると、ステップ303へ進む。ステップ303において、上釦31、下釦32、右釦33、および左釦34のいずれかが押下されたと判定されたとき、ステップ301へ戻り、選択枠S1が押下された釦に対応した方向へ移動する。例えば図13(a)に示す状態において下釦32が押下された場合、図13(b)に示すように選択枠S1はSDカードの生データに対応した画像の位置に変更される。この状態において右釦33が押下されると、図13(c)に示すように選択枠S1はCFカードの生データに対応した画像の位置に変更される。
【0045】
このようにしていずれかの画像が選択され、決定釦35が押下されると、ステップ303、304、305の順に実行される。すなわちステップ305において、選択処理が実行され、そのとき選択されている画像が画像処理される画像として決定される。決定された画像に表示されたチェックボックスには、チェックマークが付される(図13(d)参照)。ステップ305の後、ステップ302へ戻り、上釦31、下釦32等のいずれかの釦が押下されるまで待機する。
【0046】
ここで上釦31、下釦32等のいずれかの釦が押下されると、その釦に対応して、再びステップ301あるいはステップ305が実行されるが、実行釦36が押下されたときは、ステップ303、304、306の順に進み、所定の画像処理が実行される。上釦31、下釦32、右釦33、左釦34、決定釦35、および実行釦36以外の釦が押下されたときは、ステップ302へ戻る。
【0047】
図12のステップ306あるいは図7のステップ108において実行釦36が押下されたと判定されたとき、そのとき設定されている画像処理が実行される。本実施形態では画像の消去動作が実行され、例えば図13(d)に示す状態で実行釦36が押下されると、CFカードに記録された生データが消去される。
【0048】
図14は、画像種類選択モードが選択されている状態において、図7のステップ107において下釦32が押下されたと判定されたときに実行される操作対象画像選択のサブルーチンのフローチャートである。図15は、画像種類選択モードにおいて操作対象画像選択を実行するときのモニタ17の表示画面を示している。
【0049】
ステップ401では、下釦32が押下されたことに対応して、画面に表示されている選択枠S1が、グループ選択のモードを示す文字から画像枠を囲むように変更される。本実施形態では、まず、SDカードとCFカードの圧縮画像データに対応した2つの画像の画像枠W1、W2を囲むように変更される(図15(a))。ステップ402では選択操作の待機状態となる。
【0050】
上釦31、下釦32等のいずれかの釦が押下されると、ステップ403へ進む。ステップ403において、上釦31および下釦32のいずれかが押下されたと判定されたとき、ステップ401へ戻り、選択枠S1が押下された釦に対応した方向へ移動する。例えば図15(a)に示す状態において下釦32が押下された場合、図15(b)に示すように選択枠S1は、SDカードとCFカードの生データに対応した2つの画像の位置に変更される。
【0051】
このようにしていずれかの画像が選択され、決定釦35が押下されると、ステップ403、404、405の順に実行される。すなわちステップ405において、選択処理が実行され、そのとき選択されている2つの画像が画像処理される画像として決定される。決定された2つの画像に対応したチェックボックスには、チェックマークが付される(図15(c)参照)。ステップ405の後、ステップ402へ戻り、上釦31、下釦32等のいずれかの釦が押下されるまで待機する。
【0052】
ここで上釦31、下釦32等のいずれかの釦が押下されると、その釦に対応して、再びステップ401あるいはステップ405が実行されるが、実行釦36が押下されたときは、ステップ403、404、406の順に進み、所定の画像処理(本実施形態では消去動作)が実行される。上釦31、下釦32、決定釦35、および実行釦36以外の釦が押下されたときはステップ402へ戻る。
【0053】
図14のステップ406において実行釦36が押下されたと判定されたとき、消去動作が実行され、例えば図15(c)に示す状態で実行釦36が押下されると、SDカードとCFカードに記録された生データが同時に消去される。
【0054】
以上のように本実施形態によれば、第1および第2の記録媒体15、16に記録された複数の画像に対して消去動作等の画像処理を行う前に、これらの画像の内容を確認することができ、誤った画像処理を実行することを防止できる。
【0055】
なお上記実施形態は、着脱自在に取付けられる2つの記録媒体15、16にそれぞれ、共通の静止画像を記録するデジタルカメラである。しかし本発明は、このような構成に限定されず、着脱自在である記録媒体とデジタルカメラに設けられた内蔵メモリにそれぞれ同じ画像を記録できる画像記録装置にも適用可能であり、また内蔵メモリの複数の記録領域に画像を記録するようにそれぞれ同じ画像データを記録できる画像記録装置にも適用可能である。
【0056】
また本発明において、2つの記録媒体等に記録された画像に対する画像処理は消去動作に限定されず、プロテクト(すなわち読取専用にするモード)であってもよく、また回転のように画像を移動させる処理等、通常行われる全ての画像処理を含む。
【0057】
さらに、同じ画像が記録される記録媒体等の数は2に限定されず、3以上であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施形態である画像記録装置を適用したデジタルカメラの構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】デジタルカメラの背面の構成を示す図である。
【図3】SDカードとCFカードにおいて、同じフォルダ番号・ファイル番号に異なる画像データが記録されている状態を示す図である。
【図4】図3に対応する表示画面を示す図である。
【図5】同時表示モードにおいて、消去すべき画像データを選択するときのモニタの画面を示す図である。
【図6】同時表示モードに移行した直後におけるモニタの画面の表示例を示す図である。
【図7】同時表示モードのフローチャートである。
【図8】同時表示モードにおけるモニタの画面の一例を示す図である。
【図9】画像検索表示処理のフローチャートである。
【図10】グループ選択のサブルーチンのフローチャートである。
【図11】グループ選択におけるモニタの表示画面を示す図である。
【図12】単独選択モードにおいて実行される操作対象画像選択のサブルーチンのフローチャートである。
【図13】単独選択モードにおいて操作対象画像選択を実行するときのモニタの表示画面を示す図である。
【図14】画像種類選択モードにおいて実行される操作対象画像選択のサブルーチンのフローチャートである。
【図15】画像種類選択モードにおいて操作対象画像選択を実行するときのモニタの表示画面を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
17 LCDモニタ
31 上釦
32 下釦
33 右釦
34 左釦
35 決定釦
36 実行釦

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱自在に取付けられる複数の記録媒体にそれぞれ、共通の静止画像を同じコマ番号を付して記録することができる画像記録装置であって、
画像を表示するためのモニタと、
前記複数の記録媒体から読み出され、かつ同じコマ番号を付された複数の画像を前記モニタの画面に同時に表示する画像表示手段と、
前記画像表示手段によって表示された前記複数の画像から所定の画像処理を施すべき画像を選択する画像選択手段と
を備えることを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記複数の記録媒体の各々において、画像が異なるフォーマットで記録可能であり、前記画像表示手段が前記モニタの画面において、異なるフォーマットで記録された画像も表示することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記複数の記録媒体の各々において、画像のフォーマットが生データおよび圧縮データとして記録可能であることを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記画像選択手段が、前記所定の画像処理を施すべき画像を、1つずつ選択することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記画像選択手段が、前記所定の画像処理を施すべき画像を、前記記録媒体を指定することによって選択することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記画像選択手段が、前記所定の画像処理を施すべき画像を、前記フォーマットを指定することによって選択することを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項7】
前記画像選択手段が、前記モニタに表示された全ての画像を一括して、前記所定の画像処理を施すべき画像として選択することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項8】
前記画像選択手段が、前記複数の画像に対して、異なる画像処理を施すように選択することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項9】
前記画像表示手段が、前記複数の画像を同時に表示するとき、直前に表示していた画像を他の画像から識別できるように表示することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項10】
前記画像表示手段が、前記複数の画像を、前記記録媒体の種類に応じて第1方向に配列し、かつ記録フォーマットの種類に応じて第2方向に配列して、マトリクス状に表示することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項11】
記録媒体および内蔵メモリにそれぞれ、共通の静止画像を同じコマ番号を付して記録することができる画像記録装置であって、
画像を表示するためのモニタと、
前記記録媒体および内蔵メモリから読み出され、かつ同じコマ番号を付された複数の画像を前記モニタの画面に同時に表示する画像表示手段と、
前記画像表示手段によって表示された前記複数の画像から所定の画像処理を施すべき画像を選択する画像選択手段と
を備えることを特徴とする画像記録装置。
【請求項12】
内蔵メモリの複数の記録領域にそれぞれ、共通の静止画像を同じコマ番号を付して記録することができる画像記録装置であって、
画像を表示するためのモニタと、
前記複数の記録領域から読み出され、かつ同じコマ番号を付された複数の画像を前記モニタの画面に同時に表示する画像表示手段と、
前記画像表示手段によって表示された前記複数の画像から所定の画像処理を施すべき画像を選択する画像選択手段と
を備えることを特徴とする画像記録装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−339766(P2006−339766A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−158978(P2005−158978)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】