説明

異電源間インターフェースおよび半導体集積回路

【課題】ESD保護回路の占有面積を削減する。
【解決手段】複数の信号それぞれのデータを第1のコア電源E1の系統に属するパワーダウン領域10から第2のコア電源E2の系統に属するバックアップ領域20に転送する異電源間インターフェースであり、上記複数の信号それぞれのデータからなるパラレルデータをシリアルデータに変換するコマンドレジスタ101,アドレスレジスタ102,ライトデータレジスタ103,受信バッファ106と、上記シリアルデータの信号txをパワーダウン領域10側から1本の信号線に送信する送信バッファ106と、上記送信されたシリアルデータを上記信号線からバックアップ領域20側で受信する受信バッファ204と、上記受信されたシリアルデータをパラレルデータに戻すコマンドレジスタ201,アドレスレジスタ202,ライトデータレジスタ203,受信バッファ204とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる複数の電源系統を有する半導体集積回路(LSI)に関し、特にこのような半導体集積回路において、電源系統の異なる回路ブロック間で複数の信号を転送する異電源間インターフェースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、サリサイドプロセスの普及に伴い、複数の電源系統を有するLSIにおいて、ESD(Electro Static Destruction:静電破壊)による内部破壊が起こり易くなっている。このESDによる内部破壊とは、電源/GNG系端子同士の静電気放電で、電源間保護トランジスタ(電源間保護回路のトランジスタ)を経由してサージ電流が流れ切る前に、内部回路側にサージが侵入し、内部回路のトランジスタ(内部トランジスタ)の接合やゲート酸化膜が破壊される現象である。
【0003】
特に、近年主流となってきているサリサイドプロセスでは、LSIのIO領域に設けられる電源間保護トランジスタのESD耐性を上げるために、電源間保護トランジスタゲート−コンタクト間アクティブをシリサイド化しない構造としている。このため、抵抗成分付加によってサージに対する応答性が悪くなり、結果的に内部破壊が起こり易くなっていると考えられる。また、メタル配線の低抵抗化も、内部破壊が起こり易くなっている原因と考えられる。
【0004】
上記の内部破壊には、大きく分類して、
(1)寄生バイポーラトランジスタおよび寄生ダイオードの接合破壊と、
(2)異電源インターフェースにおいての受信側バッファのゲート酸化膜破壊と
の2つがある。従前は上記(1)の内部破壊がメインであったが、デバイスの多電源化に伴い、上記(2)の内部破壊が頻繁に起こるようになってきている。上記(2)の内部破壊は、IO領域において電源間回路によってチャージが抜けるよりも早く、コア領域内のインターフェース回路にチャージが集中することによって発生する。従って、従来のLSIの異電源間インターフェースにおいては、上記(2)の内部破壊の対策のために、ESD保護回路を設ける必要があった。
【0005】
図10はLSIに設けられた従来の異電源間インターフェースの構成図である。また、図11は図10の従来の異電源間インターフェースにおいてのESD保護回路の構成図である。
【0006】
図10の異電源間インターフェースを設けたLSIでは、コア領域に供給されるコア電源系が、第1のコア電源(以下、E1とする)および第2のコア電源(E2)の2つの電源系統に分割されており、コア領域が、第1のコア電源を供給されるパワーダウン領域と、第2のコア電源を供給されるバックアップ領域とに分割されている。
【0007】
そして、パワーダウンモードに入るときに、パワーダウン領域のデータを異電源間インターフェースによってバックアップ領域に転送して保持させ、パワーダウンモードの期間には、バックアップ領域には、バックアップしたパワーダウン領域のデータを保持するために第2のコア電源E2を供給しておき、パワーダウン領域では、静止時電流をカットするために第1のコア電源E1の供給をOFFし、再び第1のコア電源E1の供給をONしてパワーダウンモードを終了するときには、バックアップ領域に保持されていたパワーダウン領域のデータを、異電源間インターフェースによってパワーダウン領域に転送する。
【0008】
この図10の従来の異電源間インターフェースでは、パワーダウンモードの開始時およびパワーダウンモードから復帰時に、32[バイト]のデータを16[ビット]幅で転送するために、合計39本の信号線(ライトイネーブルwe1本,リードイネーブルre1本,チップイネーブルce1本,アドレスadr4本,ライトデータwdata16本,リードデータrdata16本)が設けられている。
【0009】
そして、上記(2)の内部破壊の対策のために、39本の信号線のそれぞれに、図11のように構成されたESD保護回路が設けられている。
【0010】
また、異なる複数の電源間を保護する従来の電源保護回路としては、それぞれの電源の供給端子と共通ノードの間に、それぞれ電源保護回路を設けることにより、電源保護回路の全体数を削減したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
【特許文献1】特開平05−299598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記従来の異電源間インターフェースでは、回路ブロック間の信号線の本数に比例してESD保護回路の面積が増大するという課題があった。ESD保護回路は、その面積が約2000〜3000[μm]になるため、例えば図11の異電源間インターフェースにおいての全ESD保護回路の合計面積は0.12[mm](=0.003[mm]×40)となり、LSIチップ全体に占める割合が無視できなくなる。
【0013】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、ESD保護回路の占有面積を削減することができる異電源間インターフェースおよび半導体集積回路を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の異電源間インターフェースは、異なる電源系統に属する回路ブロック間で、複数の信号それぞれのデータをシリアル通信によって転送することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の信号をシリアル通信で転送することにより、ESD保護回路の占有面積を削減することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
実施の形態1
図1は本発明の実施の形態1のLSIの構成図である。この実施の形態1のLSI1には、パワーダウン側インターフェース回路100およびバックアップ側インターフェース回路200が実装されたコア領域30と、このコア領域30の周囲の領域であってIOセル(電源を供給するための電源セルや信号の入出力のための入力バッファセルおよび出力バッファセル等)が実装されたIO領域40とが設けられている。
【0017】
この実施の形態1は、複数の異なる電源系統が存在するLSIにおいて、異なる電源系統に属する回路ブロック間をシリアル通信によって接続することを特徴とする。
【0018】
この実施の形態1のLSI1には、システムとして低消費電力を実現するためにパワーダウンモードが用意されている。この実施の形態1のLSI1のコア電源系統は、第1のコア電源(以下、E1とする)を供給電源とする電源系統(第1のコア電源E1の系統)と、第2のコア電源(以下、E2とする)を供給電源とする電源系統(第2のコア電源E2の系統)の2つに分割されている。パワーダウン領域10は、第1のコア電源E1の系統であり、バックアップ領域20は、第2のコア電源E2の系統である。
【0019】
コア領域30のパワーダウン側インターフェース回路100は、第1のコア電源E1の系統(パワーダウン領域)10に属し、コア領域30のバックアップ側インターフェース回路200は、第2のコア電源E2の系統(バックアップ領域)20に属する。
【0020】
そして、パワーダウンモードに入るときに、パワーダウン領域10のデータを異電源間インターフェースによってバックアップ領域20に転送して保持させ、パワーダウンモードの期間には、バックアップ領域20には、バックアップしたパワーダウン領域10のデータを保持するために第2のコア電源E2を供給しておき、パワーダウン領域10では、静止時電流をカットするために第1のコア電源E1の供給をOFFし、再び第1のコア電源E1の供給をONしてパワーダウンモードを終了するときには、バックアップ領域20に保持されていたパワーダウン領域10のデータを、異電源間インターフェースによってパワーダウン領域10に転送する。
【0021】
つまり、パワーダウン領域10は、パワーダウンモード時にパワーダウンされる領域であり、バックアップ領域20は、パワーダウンモードのためにパワーダウン領域10のデータをバックアップする領域である。
【0022】
パワーダウン側インターフェース回路100からバックアップ側インターフェース回路200には、パワーダウン領域10のデータをバックアップ領域20でバックアップするための信号txがシリアル転送される。
【0023】
また、バックアップ側インターフェース回路200からパワーダウン側インターフェース回路100には、バックアップ領域20でバックアップしていたパワーダウン領域10のデータをパワーダウン領域10に返送するための信号rxがシリアル転送される。
【0024】
つまり、パワーダウン領域10とバックアップ領域20とは、信号txと信号rxのシリアル通信のための2本の信号線で接続されており、シリアル通信する。
【0025】
この実施の形態1において、パワーダウン側インターフェース回路100と、バックアップ側インターフェース回路200とは、異電源間インターフェースを構成している。
【0026】
図2はコア領域30の構成図である。図2において、コア領域30内のパワーダウン領域10には、バックアップ領域20とのシリアル通信のためのパワーダウン側インターフェース回路100と、CPU110と、CPUバス120と、割込みコントローラ130とが実装されており、コア領域30内のバックアップ領域20には、パワーダウン領域10とのシリアル通信のためのバックアップ側インターフェース回路200と、パワーダウン領域10からのバックアップデータを書き込んで保持するバックアップRAM210とが実装されている。
【0027】
パワーダウン側インターフェース回路100は、コマンドレジスタ101と、アドレスレジスタ102と、データレジスタ103と、リードデータレジスタ104と、割り込みレジスタ105と、送信バッファ106と、リードデータレジスタ104の入力に設けられたESD保護回路107とを備えて構成されている。
【0028】
コマンドレジスタ101は、CPU110からのコマンドを送信バッファ106に転送し、アドレスレジスタ102は、CPU110からのアドレスを送信バッファ106に転送し、ライトデータレジスタ103は、CPU110からのライトデータを送信バッファ106に転送する。
【0029】
送信バッファ106は、コマンドレジスタ101からのコマンド、アドレスレジスタ102からのアドレス、およびデータレジスタ103からのライトデータを、信号txでバックアップ領域20にシリアル送信する。リードデータレジスタ104は、バックアップ領域20から送信されたシリアル信号rxを受信してそれに含まれるバックアップRAM210のリードデータをCUP110に転送する。割り込みレジスタ105は、送信バッファ106からの送信完了通知およびリードデータレジスタ104からの受信完了通知を割り込みコントローラ130に転送する。
【0030】
バックアップ側インターフェース回路200は、コマンドレジスタ201と、アドレスレジスタ202と、ライトデータレジスタ203と、受信バッファ204と、送信バッファ206と、受信バッファ204の入力に設けられたESD保護回路207とを備えて構成されている。
【0031】
受信バッファ204は、パワーダウン領域10から送信されたシリアル信号txを受信する。コマンドレジスタ201は、信号txに含まれるコマンドをバックアップRAM210に転送し、アドレスレジスタ202は、信号txに含まれるアドレスをバックアップRAM210に転送し、ライトデータレジスタ203は、信号txに含まれるライトデータをバックアップRAM210に転送する。送信バッファ206は、バックアップRAM210からのリードデータを、信号rxでパワーダウン領域10にシリアル送信する。
【0032】
図3はESD保護回路107および207の構成図である。図3において、パワーダウン側インターフェース回路100のESD保護回路107は、PMOSトランジスタp1と、NMOSトランジスタn1と、抵抗r1とを有し、バックアップ側インターフェース回路200のESD保護回路207は、PMOSトランジスタp2と、NMOSトランジスタn2と、抵抗r2とを有する。
【0033】
また、バッファ104aは、リードデータレジスタ104の入力バッファであり、バッファ106aは、送信バッファ106の出力バッファであり、バッファ204aは、受信バッファ204の入力バッファであり、バッファ206aは、送信バッファ206の出力バッファである。
【0034】
出力バッファ106aには、第1のコア電源E1のVDD/VSS電源が供給され、入力バッファ204aには、第2のコア電源E2のVDD/VSS電源が供給される。また、ESD保護回路207において、PMOSトランジスタp2のソース電極およびゲート電極は、第2のコア電源E2(のVDD電源)に接続され、PMOSトランジスタp2のドレイン電極は、ノードm2に接続され、NMOSトランジスタn2のソース電極およびゲート電極は、接地され(第2のコア電源E2のVSS電源に接続され)、NMOSトランジスタn2のドレイン電極は、ノードm2に接続されている。そして、出力バッファ106a(送信バッファ106)から出力された信号txは、抵抗r2を介してノードm2に入力され、ノードm2から入力バッファ204a(受信バッファ204)に入力される。
【0035】
入力バッファ104aには、第1のコア電源E1のVDD/VSS電源が供給され、出力バッファ206aには、第2のコア電源E2のVDD/VSS電源が供給される。また、ESD保護回路107において、PMOSトランジスタp1のソース電極およびゲート電極は、第1のコア電源E1(のVDD電源)に接続され、PMOSトランジスタp1のドレイン電極は、ノードm1に接続され、NMOSトランジスタn1のソース電極およびゲート電極は、接地され(第1のコア電源E1のVSS電源に接続され)、NMOSトランジスタn1のドレイン電極は、ノードm1に接続されている。そして、出力バッファ206a(送信バッファ206)から出力された信号rxは、抵抗r1を介してノードm1に入力され、ノードm1から入力バッファ104a(リードデータレジスタ104)に入力される。
【0036】
図4はLSI1においてのパワーダウン動作時およびパワーダウンからの復帰動作時のデータ転送のシーケンス図である。システムをパワーダウンモードにするときには、システムの状態のデータ(パワーダウン領域のデータ)をパワーダウン側データインターフェース回路100からバックアップ側インターフェース回路200に転送して、バックアップRAM210にバックアップさせるバックアップルーチンに入る。
【0037】
図4(a)は上記バックアップルーチンのデータ転送シーケンスである。CPU110は、最初にパワーダウン側インターフェース回路100のライトデータレジスタ103にライトデータ(バックアップデータ)をセットし(ステップS1)、その次にアドレスレジスタ102にライトアドレス(バックアップデータを書き込むバックアップRAM210のアドレス)をセットし(ステップS2)、最後にライトコマンドをコマンドレジスタ101にセットする(ステップS3)。
【0038】
パワーダウン側インターフェース回路100では、ライトコマンドがセットされると、送信バッファ106からバックアップ側インターフェース回路200に、シリアル信号txによってライトデータ(バックアップデータ),ライトアドレス,ライトコマンドを順次送信する(ステップS4,S5,S6)。
【0039】
バックアップ側インターフェース回路200では、パワーダウン側インターフェース回路100からシリアル信号txによって送信されたライトデータ(バックアップデータ),ライトアドレス,ライトコマンドを順次受信して、ライトデータレジスタ203,アドレスレジスタ202,コマンドレジスタ201にセットする。
【0040】
そして、ライトコマンドがセットされたら、コマンドレジスタ201からバックアップRAM210にライトイネーブルwe,チップイネーブルceを出力し、アドレスレジスタ202にセットしたバックアップRAM210のライトアドレスaddr[3:0]に、ライトデータレジスタ203にセットしたライトデータ(バックアップデータ)wdata[15:0]を書き込む(ステップS7)。
【0041】
パワーダウン側インターフェース回路100では、シリアル信号txによってライトデータ,ライトアドレス,ライトコマンドの送信が完了したら、割込みレジスタ105から割り込みコントローラ130を介してCPU110に送信完了を通知する(ステップS8)。
【0042】
CPU110は、ライトデータ,ライトアドレス,ライトコマンドの送信完了が通知されると、ステップS1〜S8と同様にして次のアクセスを開始する。
【0043】
このように、ステップS1〜S8を所定の回数を繰り返して、システムの状態の全てのデータをバックアップ領域20に転送してバックアップしたら、バックアップルーチンを終了する。この実施の形態1では、32[バイト]のデータを16[ビット]幅で転送するので、16回繰り返すことになる。
【0044】
そして、バックアップルーチンが終了したら、パワーダウン領域10の供給電源である第1のコア電源E1をOFFする。
【0045】
第1のコア電源E1を再びONしてパワーダウンから復帰するときには、バックアップRAM210からバックアップデータを読み出し、その読み出したデータをバックアップ側インターフェース回路200からパワーダウン側データインターフェース回路100に転送して、パワーダウン前の状態に復帰する復帰ルーチンに入る。
【0046】
図4(b)は上記復帰ルーチンのデータ転送シーケンスである。CPU110は、第1のコア電源E1が再びONしたら、最初にパワーダウン側インターフェース回路100のアドレスレジスタ102にリードアドレス(バックアップデータを読み出すバックアップRAM210のアドレス)をセットし(ステップS11)、その次にコマンドレジスタ101にリードコマンドをセットする(ステップS12)。
【0047】
パワーダウン側インターフェース回路100では、リードコマンドがセットされると、送信バッファ106からバックアップ側インターフェース回路200に、シリアル信号txによってリードアドレス,リードコマンドを順次送信する(ステップS13,S14)。
【0048】
バックアップ側インターフェース回路200では、パワーダウン側インターフェース回路100からシリアル信号txによって送信されたリードアドレス,リードコマンドを順次受信して、アドレスレジスタ202,コマンドレジスタ201にセットする。
【0049】
そして、リードコマンドがセットされたら、コマンドレジスタ201からバックアップRAM210にリードイネーブルre,チップイネーブルceを出力し、アドレスレジスタ202セットしたバックアップRAM210のリードアドレスaddr[3:0]からバックアップデータを読み出して、そのリードデータ(バックアップデータ)rdata[15:0]を送信バッファ206にセットする(ステップS15)。
【0050】
さらに、リードデータが送信バッファ206にセットされたら、送信バッファ206からパワーダウン側インターフェース回路100に、シリアル信号rxによってリードデータ(バックアップデータ)を送信する(ステップS16)。
【0051】
パワーダウン側インターフェース回路100では、バックアップ側インターフェース回路200からシリアル信号rxによって送信されたリードデータ(バックアップデータ)を受信して、リードデータレジスタ104にセットする。
【0052】
そして、シリアル信号rxの受信が完了したら、割込みレジスタ105から割り込みコントローラ130を介してCPU110に受信完了を通知する(ステップS17)。
【0053】
CPU110は、リードデータの受信完了が通知されると、パワーダウン側インターフェース回路100のリードデータレジスタ104からリードデータ(バックアップデータ)を取得する(ステップS18)。
【0054】
そして、CPU110は、リードデータレジスタ104にセットされたリードデータ(バックアップデータ)を取得したら、ステップS11〜S18と同様にして次のアクセスを開始する。
【0055】
このように、ステップS11〜S18を所定の回数を繰り返して、全てのバックアップデータを取得し、システムをパワーダウン前の状態に戻したら、復帰ルーチンを終了する。
【0056】
以上のように実施の形態1によれば、パワーダウン領域10−バックアップ領域20間で、複数の信号ぞれぞれのデータからなるパラレルデータをシリアルデータに変換してシリアル通信で転送することにより、ESD保護回路の占有面積を削減することができる。
【0057】
この実施の形態1では、32[バイト]のデータをバックアップするのに、従来では39個が必要であったESD保護回路を2個に削減できる。
【0058】
実施の形態2
図5は本発明の実施の形態2のLSIの構成図である。この実施の形態2のLSI2には、パワーダウン側インターフェース回路150およびバックアップ側インターフェース回路250が実装されたコア領域35と、このコア領域35の周囲の領域であってIOセル(LSIに電源を供給するための電源セル、異なる電源を分離するための電源分離セル、LSIに信号を入力のための入力バッファ部を配置した入力バッファセル、LSIから信号を出力するための出力バッファ部を配置した出力バッファセル等)が実装されたIO領域50とが設けられており、IO領域50上には、IO電源配線(IO電源E0の配線)L0と、第1のコア電源配線(第1のコア電源E1の配線)L1と、第2のコア電源配線(第2のコア電源E2の配線)L2とが配設されている。
【0059】
この実施の形態2は、複数の異なる電源系統が存在するLSIにおいて、IO領域の出力バッファ部と入力バッファ部とをワイヤーボンディングで接続し、これら接続した出力バッファ部および入力バッファ部を介して、異なる電源系統に属する回路ブロック間をシリアル通信によって接続することを特徴とする。ただし、電源間保護回路(電源間保護トランジスタ)が、出力バッファ部および入力バッファ部のESD保護回路として働くことを前提とする。
【0060】
この実施の形態2のLSI2には、システムとして低消費電力を実現するためにパワーダウンモードが用意されている。この実施の形態2のLSI2の電源系統は、第1のコア電源E1を供給電源とする電源系統(第1のコア電源E1の系統)と、第2のコア電源E2を供給電源とする電源系統(第2のコア電源E2の系統)と、IO電源(以下、E0とする)を供給電源とする電源系統(IO電源E0の系統)の3つに分割されている。パワーダウン領域15は、第1のコア電源E1の系統であり、バックアップ領域25は、第2のコア電源E2の系統であり、IO電源領域60(図7参照)は、IO電源E0の系統である。
【0061】
コア領域35のパワーダウン側インターフェース回路150は、第1のコア電源E1の系統(パワーダウン領域)15に属し、コア領域35のバックアップ側インターフェース回路200は、第2のコア電源E2の系統(バックアップ領域)25に属する。
【0062】
そして、パワーダウン領域15は、上記実施の形態1のパワーダウン領域10と同様に、パワーダウンモード時にパワーダウンされる領域であり、バックアップ領域25は、上記実施の形態1のバックアップ領域20と同様に、パワーダウンモードのためにパワーダウン領域15のデータをバックアップする領域である。
【0063】
なお、この実施の形態2のLSI2においてのパワーダウン動作時およびパワーダウンからの復帰動作時のデータ転送のシーケンスは、上記実施の形態1のシーケンス(図4参照)と同じである。
【0064】
この実施の形態2のLSI2のように、複数の異なるコア電源系統が存在するLSIにおいては、コア電源系統の数に応じてIO領域に電源セルを設け、それぞれの電源系統のVDD/VSS電源を外部から供給できるようにするとともに、コア電源系統の数に応じてIO領域に電源分離セルを設け、IO領域において異なるコア電源を分離する。
【0065】
それぞれのコア電源セルには、電源間保護回路(電源間保護トランジスタ)が設けられており、その電源間保護回路は、コア電源−IO電源間を保護し、コア電源−IO電源間のESD保護回路としても働く。
【0066】
IO領域50には、4つのIO電源セル500a,500b,500c,500dと、2つの第1のコア電源セル510a,510bと、2つの第2のコア電源セル520a,520bと、第1の出力バッファセル530と、第2の出力バッファセル540と、第1の入力バッファセル550と、第2の入力バッファセル560と、2つの電源分離セル570a,570bとが設けられている。
【0067】
IO電源セル500a,500b,500c,500dのIOパッドには、外部からIO電源E0が供給され、IO電源配線L0が接続されている。第1のコア電源セル510a,510bのIOパッドには、外部から第1のコア電源E1が供給され、第1のコア電源配線L1が接続されている。第2のコア電源セル520a,520bのIOパッドには、外部から第2のコア電源E2が供給され、第2のコア電源配線L2が接続されている。
【0068】
そして、第1のコア電源セル510a,510bに設けられた電源間保護回路(電源間保護トランジスタ)は、第1のコア電源E1−IO電源E0間を保護し、第1のコア電源E1−IO電源E0間のESD保護回路としても働く。また、第2の電源セル520a,520bに設けられた電源間保護回路(電源間保護トランジスタ)は、第2のコア電源E2−IO電源E0間を保護し、第2のコア電源E2−IO電源E0間のESD保護回路としても働く。
【0069】
パワーダウン領域15には、第1のコア電源セル510a,510bから第1のコア電源配線L1を介して第1のコア電源E1のVDD/VSS電源が供給され、バックアップ領域25には、第2のコア電源セル520a,520bから第2のコア電源配線L2を介して第2のコア電源E2のVDD/VSS電源が供給され、IO電源領域60には、IO電源セル500a,500b,500c,500dからIO電源配線L0を介してIO電源E0のVDD/VSS電源が供給される。
【0070】
パワーダウン側インターフェース回路150からは、パワーダウン領域15のデータをバックアップ領域25でバックアップするためのシリアル信号txiが送信され、この信号txiは、ボンディングワイヤーW12で接続されたIO領域50の第1の出力バッファセル530および第2の入力バッファセル560を介し、シリアル信号txbとしてバックアップ側インターフェース回路250で受信される。
【0071】
また、バックアップ側インターフェース回路250からは、バックアップ領域25でバックアップしていたパワーダウン領域15のデータをパワーダウン領域15に返送するためのシリアル信号rxbが送信され、この信号rxbは、ボンディングワイヤーW21で接続されたIO領域50の第2の出力バッファセル540および第1の入力バッファセル550を介し、シリアル信号rxiとしてパワーダウン側インターフェース回路150で受信される。
【0072】
つまり、パワーダウン領域15とバックアップ領域25とは、2つのIOバッファセルを経由した信号txi,txbと、同じく2つのIOバッファセルを経由した信号rxb,rxiのシリアル通信のための2本の信号線で接続されており、シリアル通信する。
【0073】
この実施の形態2において、パワーダウン側インターフェース回路150と、バックアップ側インターフェース回路250と、ワイヤーボンディングされた第1の出力バッファセル530および第2の入力バッファセル560と、同じくワイヤーボンディングされた第2の出力バッファセル540および第1の入力バッファセル550とは、異電源間インターフェースを構成している。
【0074】
図6はコア領域35の構成図であり、図2と同様のものには同じ符号を付してある。図6において、コア領域35内のパワーダウン領域15には、バックアップ領域25とのシリアル通信のためのパワーダウン側インターフェース回路150と、CPU110と、バス120と、割込みコントローラ130とが実装されており、バックアップ領域25には、パワーダウン領域15とのシリアル通信のためのバックアップ側インターフェース回路250と、パワーダウン領域15からのバックアップデータを書き込んで保持するバックアップRAM210とが実装されている。
【0075】
パワーダウン側インターフェース回路150は、コマンドレジスタ101と、アドレスレジスタ102と、ライトデータレジスタ103と、リードデータレジスタ104と、割り込みレジスタ105と、送信バッファ106とを備えて構成されている。
【0076】
この実施の形態2のパワーダウン側インターフェース回路150は、上記実施の形態1のパワーダウン側インターフェース回路100(図2参照)において、ESD保護回路107を設けない構成としたものである。
【0077】
また、バックアップ側インターフェース回路250は、コマンドレジスタ201と、アドレスレジスタ202と、ライトデータレジスタ203と、受信バッファ204と、送信バッファ206とを備えて構成されている。
【0078】
この実施の形態2のバックアップ側インターフェース回路250は、上記実施の形態1のバックアップ側インターフェース回路200(図2参照)において、ESD保護回路207を設けない構成としたものである。
【0079】
図7はIO領域50の入力バッファセルおよび出力バッファセルの構成図である。図7において、第1の出力バッファセル530には、第1の出力バッファ部(出力バッファ531と532の2段構成)と、IOパッド533とが設けられており、第2の出力バッファセル540には、第2の出力バッファ部(出力バッファ541と542の2段構成)と、IOパッド543とが設けられており、第1の入力バッファセル550には、第1の入力バッファ部(入力バッファ551と552の2段構成)と、IOパッド553とが設けられており、第2の入力バッファセル560には、第2の入力バッファ部(入力バッファ561と562の2段構成)と、IOパッド563とが設けられている。
【0080】
第1の出力バッファセル530において、初段の出力バッファ531には、第1のコア電源E1のVDD/VSS電源が供給され、2段目の出力バッファ532には、IO電源E0のVDD/VSS電源が供給される。
【0081】
また、第2の出力バッファセル540において、初段の出力バッファ541には、第2のコア電源E2のVDD/VSS電源が供給され、2段目の出力バッファ542には、IO電源E0のVDD/VSS電源が供給される。
【0082】
また、第1の入力バッファセル550において、初段の入力バッファ552には、IO電源E0のVDD/VSS電源が供給され、2段目の入力バッファ551には、第1のコア電源E1のVDD/VSS電源が供給される。
【0083】
また、第2の入力バッファセル560において、初段の入力バッファ562には、IO電源E0のVDD,VSS電源が供給され、2段目の入力バッファ561には、第2のコア電源E2のVDD/VSS電源が供給される。
【0084】
IO領域50において、第1の出力バッファ部の初段の出力バッファ531および第1の入力バッファ部の2段目の入力バッファ551は、第1のコア電源E1の系統(パワーダウン領域)15に属し、第2の出力バッファ部の初段の出力バッファ541および第2の入力バッファ部の2段目の入力バッファ561は、第2のコア電源E2の系統(バックアップ領域)25に属する。
【0085】
また、IO領域50において、第1の出力バッファ部の2段目の出力バッファ532および第2の出力バッファ部の2段目の出力バッファ542ならびに第1の入力バッファ部の初段の入力バッファ552および第2の入力バッファ部の初段の入力バッファ562は、IO電源E0の系統(IO電源領域)60に属する。
【0086】
このように、第1の出力バッファ部の初段の出力バッファ531と、第1の入力バッファ部の2段目の入力バッファ551とは、パワーダウン領域15のバッファであり、第2の出力バッファ部の初段の出力バッファ541と、第2の入力バッファ部の2段目の入力バッファ561とは、バックアップ領域25のバッファであり、第1の出力バッファ部の2段目の出力バッファ532および第2の入力バッファ部の初段の入力バッファ562と、第2の出力バッファ部の2段目の出力バッファ542および第1の入力バッファ部の初段の入力バッファ552とは、IO電源領域60のバッファである。
【0087】
そして、IO領域50では、電源分離セル530aおよび530bにおいて、第1のコア電源E1と第2のコア電源E2とが分離されている。
【0088】
パワーダウン側インターフェース回路150の送信バッファ106から送信されたシリアル信号txiは、第1の出力バッファ部の初段の出力バッファ531に入力され、この出力バッファ541から2段目の出力バッファ532に入力され、この出力バッファ532からIOパッド533に入力される。
【0089】
第1の出力バッファセル530のIOパッド533は、第2の入力バッファセル560のIOパッド563と、ボンディングワイヤW12によってワイヤボンディングされている。従って、第1の出力バッファセル530のIOパッド533から出力された信号は、第2の入力バッファセル560のIOパッド563に入力され、このIOパッド563から第2の入力バッファ部の初段の入力バッファ562に入力され、この入力バッファ562から2段目の入力バッファ561に入力され、この入力バッファ561から、シリアル信号rxbとして、バックアップ側インターフェース回路250の受信バッファ204に転送される。
【0090】
また、バックアップ側インターフェース回路250の送信バッファ206から送信されたシリアル信号txbは、第2の出力バッファ部の初段の出力バッファ541に入力され、この出力バッファ541から2段目の出力バッファ542に入力され、この出力バッファ542からIOパッド543に入力される。
【0091】
第2の出力バッファセル540のIOパッド543は、第1の入力バッファセル550のIOパッド553と、ボンディングワイヤW21によってワイヤボンディングされている。従って、第2の出力バッファセル540のIOパッド543から出力された信号は、第1の入力バッファセル550のIOパッド553に入力され、このIOパッド553から第1の入力バッファ部の初段の入力バッファ552に入力され、この入力バッファ552から2段目の入力バッファ551に入力され、この入力バッファ551から、シリアル信号rxiとして、パワーダウン側インターフェース回路150のリードデータレジスタ104に転送される。
【0092】
このようなパワーダウン領域15−バックアップ領域25間の通信において、第1の出力バッファセル530では、第1のコア電源セル510a,510bに設けられた上記第1のコア電源E1−IO電源E0間の電源保護回路が、2段構成の出力バッファ531,532間の等価ESD保護回路534として働く。
【0093】
また、第2の出力バッファセル540では、第2のコア電源セル520a,520bに設けられた上記第2のコア電源E2−IO電源E0間の電源保護回路が、2段構成の出力バッファ541,542間の等価ESD保護回路544として働く。
【0094】
また、第1の入力バッファセル550では、第1のコア電源セル510a,510bに設けられた上記第1のコア電源E1−IO電源E0間の電源保護回路が、2段構成の入力バッファ552,551間の等価ESD保護回路554として働く。
【0095】
また、第2の入力バッファセル560では、第2のコア電源セル520a,520bに設けられた上記第2のコア電源E2−IO電源E0間の電源保護回路が、2段構成の入力バッファ562,561間の等価ESD保護回路564として働く。
【0096】
このように実施の形態2では、パワーダウン側インターフェース回路150から出力された信号txiは、バックアップ側インターフェース回路250に直接入力されるのではなく、ボンディングワイヤーW12で接続された第1の出力バッファ部および第2の入力バッファ部を介して、信号txbとしてバックアップ側インターフェース回路250に入力される。
【0097】
同様に、バックアップ側インターフェース回路250から出力された信号rxbは、パワーダウン側インターフェース回路150に直接入力されるのではなく、ボンディングワイヤーW21で接続された第2の出力バッファ部および第1の入力バッファ部を介して、信号rxiとしてパワーダウン側インターフェース回路150に入力される。
【0098】
上記実施の形態1では、パワーダウン領域とバックアップ領域とをコア領域内で直接的に接続するので、コア領域内にESD保護回路を設ける必要があったが、この実施の形態2では、IO領域50の出力バッファ部および入力バッファ部を介して、パワーダウン領域15とバックアップ領域25とを間接的に接続し、電源間保護回路が出力バッファ部および入力バッファ部のESD保護回路として働く、つまり電源間保護回路がパワーダウン領域15−バックアップ領域25間の通信のESD保護回路として働くので、コア領域35内に新たなESD保護回路を設ける必要はない。
【0099】
以上のように実施の形態2によれば、コア領域にESD保護回路を設けずに異電源間インターフェースを実装することができる。
【0100】
なお、上記実施の形態2では、出力バッファセルと入力バッファセルとを、ワイヤーボンディングによって接続したが、パッケージ・ボード基板上での接続や、パッド同士を直接メタルで接続することも可能である。
【0101】
また、上記実施の形態2において、接続される出力バッファセルと入力バッファセルのそれぞれに、IOバッファ部(出力バッファ部,入力バッファ部)が複数ずつ設けられている場合には、通信プロトコルは必ずしもシリアル通信である必要はなく、IOセル内のIOバッファ部の個数の制約内でデータ転送幅を確保することができ、IOバッファ部の個数に応じた任意の通信プロトコルによってデータ転送することが可能である。
【0102】
例えば、8個のIOバッファ部が余っていれば、8[ビット]のデータ転送幅が実現できる。ただし、出力バッファセル内のそれぞれの出力バッファ部と、入力バッファセル内のそれぞれの入力バッファ部を、個別に接続する必要がある。
【0103】
実施の形態3
図8は本発明の実施の形態3のLSIの構成図であり、図5と同様のものには同じ符号を付してある。この実施の形態3のLSI3には、パワーダウン側インターフェース回路150およびバックアップ側インターフェース回路250が実装されたコア領域35と、このコア領域35の周囲の領域であってIOセル(LSIに電源を供給するための電源セル、LSIに信号を入出力のための入出る力バッファ部を配置した入出力バッファセル等)が実装されたIO領域55とが設けられており、IO領域55上には、IO電源配線(IO電源E0の配線)L0と、第1のコア電源配線(第1のコア電源E1の配線)L1と、第2のコア電源配線(第2のコア電源E2の配線)L2とが配設されている。
【0104】
この実施の形態3は、複数の異なる電源系統が存在するLSIにおいて、IO領域の電源分離の境界に設けた入出力バッファ部を介して、異なる電源系統に属する回路ブロック間をシリアル通信によって接続することを特徴とする。
【0105】
この実施の形態3のLSI3には、システムとして低消費電力を実現するためにパワーダウンモードが用意されている。この実施の形態3のLSI3の電源系統は、第1のコア電源E1を供給電源とする電源系統(第1のコア電源E1の系統)と、第2のコア電源E2を供給電源とする電源系統(第2のコア電源E2の系統)と、IO電源(以下、E0とする)を供給電源とする電源系統(IO電源E0の系統)の3つに分割されている。パワーダウン領域15は、第1のコア電源E1の系統であり、バックアップ領域25は、第2のコア電源E2の系統であり、IO電源領域61(図9参照)は、IO電源E0の系統である。
【0106】
この実施の形態3のLSI3は、上記実施の形態2のLSI2(図5参照)において、IO領域50をIO領域55に、パワーダウン領域15をパワーダウン領域16に、バックアップ領域25をバックアップ領域26に、IO電源領域60(図7参照)をIO電源領域61(図9参照)に、それぞれ変更したものである。なお、この実施の形態3のLSI3においてのパワーダウン動作時およびパワーダウンからの復帰動作時のデータ転送のシーケンスは、上記実施の形態1のシーケンス(図4参照)と同じである。
【0107】
IO領域55には、4つのIO電源セル500a,500b,500c,500dと、2つの第1のコア電源セル510a,510bと、2つの第2のコア電源セル520a,520bと、第1の入出力バッファセル580と、第2の入出力バッファセル590とが設けられている。
【0108】
この実施の形態3のIO領域55は、上記実施の形態2のIO領域50(図5および図7参照)において、第1の出力バッファセル530,第2の出力バッファセル540,第1の入力バッファセル550,第2の入力バッファセル560を設けず、電源分離セル570a,570bを、それぞれ電源分離セルとしての機能も果たす第1の入出力バッファセル580および第2の入出力バッファセル590に変更したものである。
【0109】
上記実施の形態2では、IO領域50内の電源分離の境界に電源分離セル570a,570bが配置されており、この電源分離の境界のパワーダウン領域15側の任意の位置に第1の出力バッファセル530および第1の入力バッファセル550を配置でき、バックアップ領域25側の任意の位置に第2の出力バッファセル540および第2の入力バッファセル560を配置できたが、この実施の形態3では、第1の入出力バッファセル580および第2の入出力バッファセル590を、上記電源分離の境界(上記実施の形態2においての電源分離セル570a,570bの位置)に配置する。
【0110】
パワーダウン側インターフェース回路150からは、パワーダウン領域16のデータをバックアップ領域26でバックアップするためのシリアル信号txiが送信され、この信号txiは、IO領域55の第1の入出力バッファセル580を介し、シリアル信号txbとしてバックアップ側インターフェース回路250で受信される。
【0111】
また、バックアップ側インターフェース回路250からは、バックアップ領域26でバックアップしていたパワーダウン領域16のデータをパワーダウン領域16に返送するためのシリアル信号rxbが送信され、この信号rxbは、IO領域55の第2の入出力バッファセル590を介し、シリアル信号rxiとしてパワーダウン側インターフェース回路150で受信される。
【0112】
つまり、パワーダウン領域16とバックアップ領域26とは、1つの入出力バッファセルを経由した信号txi,txbと、同じく1つの入出力バッファセルを経由した信号rxb,rxiのシリアル通信のための2本の信号線で接続されており、、シリアル通信する。
【0113】
この実施の形態3において、パワーダウン側インターフェース回路150と、バックアップ側インターフェース回路250と、第1の入出力バッファセル580と、第2の入出力バッファセル590とは、異電源間インターフェースを構成している。
【0114】
図9はIO領域55の入出力バッファセルの構成図である。図9において、第1の入出力バッファセル580には、第1の入出力バッファ部(2段構成の出力バッファ581,582および2段構成の入力バッファ583,584)と、IOパッド585とが設けられており、第2の入出力セル590には、第2の入出力バッファ部(2段構成の出力バッファ591,592および2段構成の入力バッファ593,594)と、IOパッド595とが設けられている。なお、それぞれIOパッド585,595を設けない構成とすることも可能である。
【0115】
第1の入出力バッファセル580において、初段の出力バッファ581には、第1のコア電源E1のVDD/VSS電源が供給され、2段目の出力バッファ582および初段の入力バッファ584には、いずれもIO電源E0のVDD/VSS電源が供給され、2段目の入力バッファ583には、第2のコア電源E2のVDD/VSS電源が供給される。
【0116】
また、第2の入出力バッファセル590において、初段の出力バッファ591には、第2のコア電源E2のVDD/VSS電源が供給され、2段目の出力バッファ592および初段の入力バッファ594には、いずれもIO電源E0のVDD/VSS電源が供給され、2段目の入力バッファ593には、第1のコア電源E1のVDD/VSS電源が供給される。
【0117】
IO領域55において、第1の入出力バッファ部の初段の出力バッファ581および第2の入出力バッファセル部の2段目の入力バッファ593は、第1のコア電源E1の系統(パワーダウン領域)16に属し、第2の入出力バッファ部の初段の出力バッファ591および第1の入出力バッファ部の2段目の入力バッファ583は、第2のコア電源E2の系統(バックアップ領域)26に属する。
【0118】
また、IO領域55において、第1の入出力バッファ部の2段目の出力バッファ582および初段の入力バッファ584ならびに第2の入出力バッファ部の2段目の出力バッファ592および初段の入力バッファ594は、IO電源E0の系統(IO電源領域)61に属する。
【0119】
このように、第1の入出力バッファ部の初段の出力バッファ581と、第2の入出力バッファ部の2段目の入力バッファ593とは、パワーダウン領域16のバッファであり、第2の入出力バッファ部の初段の出力バッファ591と、第1の入出力バッファ部の2段目の入力バッファ583とは、バックアップ領域26のバッファであり、第1の入出力バッファ部の2段目の出力バッファ582および初段の入力バッファ582と、第2の入出力バッファ部の2段目の出力バッファ592および初段の入力バッファ594とは、IO電源領域61のバッファである。
【0120】
そして、IO領域55では、第1の入出力バッファセル580および第2の入出力バッファセル590において、第1のコア電源E1と第2のコア電源E2とが分離されている。
【0121】
パワーダウン側インターフェース回路150の送信バッファ106(図6参照)から送信された信号txiは、第1の入出力バッファセル580の初段の出力バッファ581に入力され、この出力バッファ581から2段目の出力バッファ582に入力され、さらにこの出力バッファ582から初段の入力バッファ584に入力され、この入力バッファ584から2段目の入力バッファ583に入力され、この入力バッファ583から、信号txbとして、バックアップ側インターフェース回路250の受信バッファ204(図6参照)に転送される。
【0122】
また、バックアップ側インターフェース回路250の送信バッファ206(図6参照)から送信された信号rxbは、第2の入出力バッファセル590の初段の出力バッファ591に入力され、この出力バッファ591から2段目の出力バッファ592に入力され、さらにこの出力バッファ592から初段の入力バッファ594に入力され、この入力バッファ594から2段目の入力バッファ593に入力され、この入力バッファ593から、信号rxiとして、パワーダウン側インターフェース回路150のリードデータレジスタ104(図6参照)に転送される。
【0123】
このようなパワーダウン領域16−バックアップ領域26間の通信において、第1の入出力バッファセル580では、第1のコア電源セル510a,510bに設けられた上記第1のコア電源E1−IO電源E0間の電源保護回路が、2段構成の出力バッファ581,582間の等価ESD保護回路586として働き、第2のコア電源セル520a,520bに設けられた上記第2のコア電源E2−IO電源E0間の電源保護回路が、2段構成の入力バッファ584,583間の等価ESD保護回路587として働く。
【0124】
また、第2の入出力バッファセル590では、第2のコア電源セル520a,520bに設けられた上記第2のコア電源E2−IO電源E0間の電源保護回路が、2段構成の出力バッファ591,592間の等価ESD保護回路596として働き、第1のコア電源セル510a,510bに設けられた上記第1のコア電源E1−IO電源E0間の電源保護回路が、2段構成の入力バッファ594,593間の等価ESD保護回路597として働く。
【0125】
このように実施の形態3では、パワーダウン側インターフェース回路150から出力された信号txiは、バックアップ側インターフェース回路250に直接入力されるのではなく、第1の入出力バッファ部を介して、信号txbとしてバックアップ側インターフェース回路250に入力される。
【0126】
同様に、バックアップ側インターフェース回路250から出力された信号rxbは、パワーダウン側インターフェース回路150に直接入力されるのではなく、第2の入出力バッファ部を介して、信号rxiとしてパワーダウン側インターフェース回路150に入力される。
【0127】
上記実施の形態1では、パワーダウン領域とバックアップ領域とをコア領域内で直接的に接続するので、コア領域内にESD保護回路を設ける必要があったが、この実施の形態3では、IO領域55の入出力バッファ部を介して、パワーダウン領域16とバックアップ領域26とを間接的に接続し、電源間保護回路が入出力バッファ部のESD保護回路として働く、つまり電源間保護回路がパワーダウン領域16−バックアップ領域26間の通信のESD保護回路として働くので、コア領域35内に新たなESD保護回路を設ける必要はない。
【0128】
以上のように実施の形態3によれば、上記実施の形態2と同様に、コア領域にESD保護回路を設けずに異電源間インターフェースを実装することができる。
【0129】
さらに、上記実施の形態2のシリアル通信では、2つの入力バッファセルおよび2つの出力バッファセルならびに2つの電源分離セルの合計6セル必要であったが、この実施の形態3では、上記の6セルを2つの入出力バッファセルのみの2セルに削減できるので、確保するデータ転送幅が同じであれば、上記実施の形態2よりもIO領域のオーバーヘッドを低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の実施の形態1のLSIの構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1のLSIにおいてのコア領域の構成図である。
【図3】本発明の実施の形態1のLSIにおいてのESD保護回路の構成図である。
【図4】本発明の実施の形態1のLSIにおいてのパワーダウン動作時およびパワーダウンからの復帰動作時のデータ転送のシーケンス。
【図5】本発明の実施の形態2のLSIの構成図である。
【図6】本発明の実施の形態2のLSIにおいての第1のコア領域および第2のコア領域の構成図である。
【図7】本発明の実施の形態2のLSIにおいてのIO領域の出力バッファセルおよび入力バッファセルの構成図である。
【図8】本発明の実施の形態3のLSIの構成図である。
【図9】本発明の実施の形態3のLSIにおいてのIO領域の入出力バッファセルの構成図である。
【図10】従来の異電源間インターフェースの構成図である。
【図11】従来の異電源間インターフェースにおいてのESD保護回路の構成図である。
【符号の説明】
【0131】
1,2,3 LSI
10,15,16 第1のコア電源の系統(パワーダウン領域)
20,25,26 第2のコア電源の系統(バックアップ領域)
30,35 コア領域
40,50,55 IO領域
60,61 IO電源の系統
100,150 パワーダウン側インターフェース回路
101 コマンドレジスタ
102 アドレスレジスタ
103 ライトデータレジスタ
104 リードデータレジスタ
104a 入力バッファ
105 割り込みレジスタ
106 送信バッファ
106a 出力バッファ
107 ESD保護回路
110 CPU
120 CPUバス
130 割込みコントローラ
200,250 バックアップ側インターフェース回路
201 コマンドレジスタ
202 アドレスレジスタ
203 ライトデータレジスタ
204 受信バッファ
204a 入力バッファ
206 送信バッファ
206a 出力バッファ
207 ESD保護回路
210 バックアップRAM
500a,500b,500c,500d IO電源セル
510a,510b 第1の電源セル
520a,520b 第2の電源セル
530 第1の出力バッファセル
531,532 出力バッファ
533 IOパッド
534 ESD保護回路
540 第2の出力バッファセル
541,542 出力バッファ
543 IOパッド
544 等価ESD保護回路
550 第1の入力バッファセル
551,552 入力バッファ
553 IOパッド
554 等価ESD保護回路
560 第2の入力バッファセル
561,562 入力バッファ
563 IOパッド
564 等価ESD保護回路
570a,570b 電源分離セル
580 第1の入出バッファセル
581,582 出力バッファ
583,584 入力バッファ
585 IOパッド
586,587 等価ESD保護回路
590 第2の入出バッファセル
591,592 出力バッファ
593,594 入力バッファ
595 IOパッド
596,597 等価ESD保護回路
E0 IO電源
E1 第1のコア電源
E2 第2のコア電源
L0 IO電源配線
L1 第1のコア電源配線
L2 第2のコア電源配線
W12,W21 ボンディングワイヤ
p1,p2 PMOSトランジスタ
n1,n2 NMOSトランジスタ
r1,r2 抵抗


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の信号それぞれのデータを第1の電源の系統に属する第1の回路ブロックから第2の電源の系統に属する第2の回路ブロックに転送する異電源間インターフェースにおいて、
上記複数の信号それぞれのデータからなるパラレルデータをシリアルデータに変換する第1の変換手段と、
上記シリアルデータを上記第1の回路ブロック側から信号線に送信する送信手段と、
上記送信されたシリアルデータを上記信号線から上記第2の回路ブロック側で受信する受信手段と、
上記受信されたシリアルデータをパラレルデータに戻す第2の変換手段と
を備えた
ことを特徴とする異電源間インターフェース。
【請求項2】
請求項1に記載の異電源間インターフェースにおいて、
ESD保護回路を上記信号線の途中に挿入したことを特徴とする異電源間インターフェース。
【請求項3】
請求項1に記載の異電源間インターフェースにおいて、
上記送信手段は、上記シリアルデータを上記第1の回路ブロック側から1本の上記信号線に送信することを特徴とする異電源間インターフェース。
【請求項4】
請求項3に記載の異電源間インターフェースにおいて、
1つのESD保護回路を上記1本の信号線の途中に挿入したことを特徴とする異電源間インターフェース。
【請求項5】
請求項1に記載の異電源間インターフェースにおいて、
半導体集積回路のIO領域に設けられて互いに接続された出力バッファ部および入力バッファ部を上記信号線の途中に挿入し、
上記送信されたシリアルデータを上記出力バッファ部に入力し、上記入力バッファ部から出力されたシリアルデータを上記受信手段で受信することにより、上記出力バッファ部および入力バッファ部を介して上記シリアルデータを転送する
ことを特徴とする異電源間インターフェース。
【請求項6】
請求項5に記載の異電源間インターフェースにおいて、
上記出力バッファ部は、2段構成にした2つの出力バッファを有し、
上記入力バッファ部は、2段構成にした2つの入力バッファを有し、
上記出力バッファ部の初段の出力バッファは、上記第1の電源の系統に属し、
上記入力バッファ部の2段目の入力バッファは、上記第2の電源の系統に属し、
上記出力バッファ部の2段目の出力バッファおよび上記入力バッファ部の初段の入力バッファは、上記第1の電源との間および上記第2の電源との間にそれぞれ電源間保護回路が設けられている第3の電源の系統に属する
ことを特徴とする異電源間インターフェース。
【請求項7】
請求項1に記載の異電源間インターフェースにおいて、
半導体集積回路のIO領域に設けられた入出力バッファ部を上記信号線の途中に挿入し、
上記入出力バッファ部を介して上記シリアルデータを転送する
ことを特徴とする異電源間インターフェース。
【請求項8】
請求項7に記載の異電源間インターフェースにおいて、
上記入出力バッファ部は、2段構成にした2つの出力バッファと、2段構成にした2つの入力バッファとを有し、
上記初段の出力バッファは、上記第1の電源の系統に属し、
上記2段目の入力バッファは、上記第2の電源の系統に属し、
上記2段目の出力バッファおよび上記初段の入力バッファは、上記第1の電源との間および上記第2の電源との間にそれぞれ電源間保護回路が設けられている第3の電源の系統に属する
ことを特徴とする異電源間インターフェース。
【請求項9】
異なる複数の電源系統を有する半導体集積回路において、
第1の電源の系統に属する第1の回路ブロックと、
第2の電源の系統に属する第2の回路ブロックと、
上記第1の回路ブロックから上記第2の回路ブロックに転送する請求項1から6までのいずれかに記載の異電源間インターフェースと
を備えた
ことを特徴とする半導体集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−238074(P2006−238074A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−50014(P2005−50014)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】