説明

発光素子の生産装置およびその生産方法、発光モジュールの生産装置およびその生産方法、発光モジュール、光源装置、液晶表示装置

【課題】発光特性のグループ分けの精度を高めずに、各グループの発光特性の組合せ・合成時の狙いとする発光特性に対する発光特性ばらつきの精度を高める。
【解決手段】複数のグループから複数抽出されたLED素子3を組み合わせる場合に、所望する特性の領域中心近くになる組み合わせとなるLED素子3を各グループから選択してLED素子3を基板上に実装するかまたは、複数のグループから複数抽出されたLED子チップ9を組み合わせる場合に、所望する特性の領域中心近くになる組み合わせとなるLEDチップ9を各グループから選択してパッケージ化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の発光ダイオード(LED)などの複数の発光素子チップをパッケージ化して発光素子を生産する発光素子の生産装置およびその生産方法、パッケージ化された複数の発光素子を基板上に実装する発光モジュールの生産装置およびその生産方法、この発光モジュールが複数用いられた光源装置、この光源装置がバックライトとして用いられた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の液晶表示装置は、透過型液晶パネルを有し、この透過型液晶パネルの背後にバックライトを有している。バックライトとして使用される光源装置は、従来はCCFL(冷陰極蛍光ランプ)が主流であったが、近年のLEDの技術進歩により、CCFLに代ってLEDを光源部として利用することが有望視されている。
【0003】
特許文献1では、発光器(LED)を組合せて、狙いとする色度・光度を得る方法が提案されている。この発光器(LED)を、色度や光度の発光特性に応じて、発光特性が重ならないように互いにグループ分け(分類・ソート)してストックしている。互いのグループを組み合せた時に、狙った発光特性に近い組合せパターンを算出し、ストック量などから使用する優先度を決めて、生産する発光特性の組合せ方を選択している。
【0004】
特許文献2では、液晶パネルのバックライト(面光源装置)を製造する方法が提案されている。狙いとする色度に対して、発光色にばらつきがあるLEDを利用するために、狙いの色度を挟んだ両側の2グループ(または3グループ)に分類し、規則性を持って、交互に配列することによって、平均化(平準化)した色度を狙いの色度にしている。
【0005】
特許文献3では、液晶パネルのバックライト(面光源)を製造する方法が提案されている。色度図上で、狙いの色度を両側から挟み込んだ各色度を持つ2つのグループに発光素子(LED)を分類する。2つのペアを1対の発光素子として扱い、2つのグループの各色度の間にある狙いの色度を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2011−515819号公報
【特許文献2】特開2010−175594号公報
【特許文献3】特開2009−158417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されている従来の構成では、各グループを組み合わせてそれらの間の狙いの発光特性を得る場合に、「分散の加法性」によって、各グループ内の特性分散(ばらつき)よりも、組合せ時の特性分散の方が必ず大きくなる。組合せ後の特性分布によって、歩留り低下の懸念がある。組合せ時の特性ばらつきを抑えるために、より細かいグループ分類にすると、それによる精度向上などに伴う測定の手間の増加に留まらず、多ランク化による煩雑性の増加や規格外分布品の廃棄など、生産や管理の煩雑化・コスト増加・歩留り低下を引き起こすという問題がある。
【0008】
特許文献2に開示されている従来の構成では、得られるパネルの規格(許容差)次第であるが、特許文献1の場合と同様、ばらつきの程度は、元のグループのそれよりも、各グループを組み合わせて配列した時の方が大きくなってしまう。その結果、規格外品のパネルができたり、グループ分け精度の更なる向上が必要になったりする。また、予め規則性をもつ配列の設定が必要になる。
【0009】
特許文献3に開示されている従来の構成においても、特許文献2の場合と同様、各グループの組み合わせ・合成時の特性ばらつきは、各グループ内の特性ばらつきよりも大きくなってしまう。
【0010】
特許文献1〜3ではいずれも、パッケージ化された発光素子の規格外品であってもそれらを組み合わせて基板上に実装することにより、狙いとする発光特性の発光モジュールとするものであるが、前述したように、各グループの組み合わせ・合成時の発光特性のばらつきが、各グループ内のばらつきよりも大きくなってしまうという問題があった。
【0011】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、発光特性のグループ分けの精度を高めずに、各グループの発光特性の組合せ・合成時の狙いとする発光特性に対する発光特性ばらつきの精度を高めることができる発光モジュール、この発光モジュールの生産装置およびその生産方法、この発光モジュールが複数用いられた光源装置、この光源装置がバックライトとして用いられた液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の発光モジュールの生産方法は、複数の発光素子を基板上に実装して所望する特性の発光モジュールを生産する発光モジュールの生産方法において、グループ分類手段が、複数の発光素子の特性を測定し、測定した複数の発光素子の特性から、当該特性が近い発光素子同士で複数のグループに分類するグループ分類工程と、グループ選択手段が、所望する特性領域の両側または周囲に特性分布の中心がある一または複数のグループを選択するグループ選択工程と、特性確認手段が、選択した一または複数のグループからそれぞれ複数の発光素子を無作為に抽出し、各グループから抽出された複数の発光素子それぞれの特性を確認する特性確認工程と、当該特性の確認結果に基づいて、素子実装手段が、該各グループから抽出された発光素子を組み合わせる場合に、所望する特性の領域中心近くになる組み合わせの発光素子を該各グループからそれぞれ選択して基板上にそれぞれ実装する素子実装工程とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0013】
本発明の発光モジュールの生産方法は、複数の発光素子を基板上に実装して所望する特性の発光モジュールを生産する発光モジュールの生産方法において、記憶手段が、発光素子製造時の特性測定結果データを、製造された発光素子と1対1に対応するように記憶する記憶工程と、素子決定手段が、該記憶手段に複数記憶された特性の中から狙いの特性の領域中心近くになる発光素子の組合せを計算し、その計算結果から組み合わせる発光素子を決定する素子決定工程と、全素子の中から任意に希望する組み合わせの発光素子が取り出せる手段を持ち、該手段を用いて素子実装手段が、決定した組み合わせの発光素子を基板上に実装する素子実装工程とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。この素子実装工程は、全素子の中から任意に希望する組み合わせの発光素子が取り出せる手段を持つ素子実装手段が、決定した組み合わせの発光素子を基板上に実装する。
【0014】
本発明の発光モジュールの生産方法は、複数の発光素子を基板上に実装して所望する特性の発光モジュールを生産する発光モジュールの生産方法において、発光素子製造時の特性測定結果データを、記憶手段が、製造された発光素子と1対1に対応するように記憶する記憶工程と、素子決定手段が、記憶された特性の中から所定の個数を組み合わせた場合に、所望する特性の領域中心近くになる組合せを計算し、その計算結果から組み合わせる発光素子を決定する素子決定工程と、発光素子の個体をピックアップする順序に応じて、基板上の所望する位置に該個体を実装する手段を持ち、該手段を用いて素子実装手段が、決定した組み合わせの発光素子を基板上の所定位置に実装する素子実装工程とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。この素子実装工程は、発光素子の個体をピックアップする順序に応じて、基板上の所望する位置に該個体を実装する素子実装手段が、決定した組み合わせの発光素子を基板上の所定位置に実装する。
【0015】
本発明の発光素子の生産方法は、複数の発光素子チップをパッケージ化して所望する特性の発光素子を生産する発光素子の生産方法において、グループ分類手段が、該複数の発光素子チップの特性を測定し、該特性が近い発光素子チップ同士で複数のグループに分類するグループ分類工程と、グループ選択手段が、該所望する特性の両側または周囲に特性分布の中心がある一または複数のグループを選択するグループ選択工程と、特性確認手段が、選択した一または複数のグループからそれぞれ複数の発光素子チップを無作為に抽出し、該各グループから抽出された複数の発光素子チップそれぞれの特性を確認する特性確認工程と、素子実装手段が、該各グループから抽出された発光素子チップを組み合わせる場合に、該所望する特性の領域中心近くになる組み合わせの発光素子チップを該各グループから選択して実装してパッケージ化する素子実装工程とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0016】
本発明の発光素子の生産方法は、複数の発光素子チップをパッケージ化して所望する特性の発光素子を生産する発光素子の生産方法において、記憶手段が、発光素子チップ製造時の特性測定結果データを、製造された発光素子チップと1対1に対応するように記憶する記憶工程と、素子決定手段が、該記憶手段に記憶された特性の中から狙いの特性の領域中心近くになる発光素子チップの組合せを計算し、その計算結果から組み合わせる発光素子チップを決定する素子決定工程と、全素子チップの中から任意に希望する組み合わせの発光素子チップが取り出せる手段を持ち、該手段を用いて素子実装手段が、決定した組み合わせの発光素子チップを組み合わせて実装してパッケージ化する素子実装工程とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。この素子実装工程は、全素子チップの中から任意に希望する組み合わせの発光素子チップが取り出せる手段を持つ素子実装手段が、決定した組み合わせの発光素子チップを組み合わせて実装してパッケージ化する。
【0017】
本発明の発光素子の生産方法は、複数の発光素子チップをパッケージ化して所望する特性の発光素子を生産する発光素子の生産方法において、発光素子チップ製造時の特性測定結果データを、記憶手段が、製造された発光素子チップと1対1に対応するように記憶する記憶工程と、素子決定手段が、該記憶手段に記憶された発光特性の中から狙いの特性の領域中心近くになる発光素子チップの組合せを計算し、その計算結果から組み合わせる発光素子チップを決定する素子決定工程と、発光素子チップをピックアップする順序に応じて基板上の所望する位置に発光素子チップをボンディングする手段を持ち、該手段を用いて素子実装手段が、決定した組み合わせの発光素子チップを組み合わせて所定位置に実装してパッケージ化する素子実装工程とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。この素子実装工程は、素子実装手段が、決定した組み合わせの発光素子チップをピックアップする順序に応じて基板上の所望する位置に発光素子チップを実装してパッケージ化する。
【0018】
本発明の発光モジュールの生産装置は、複数の発光素子を基板上に実装して所望する特性の発光モジュールを生産する発光モジュールの生産装置において、予め、特性が近い発光素子同士に分類された複数のグループを保持する素子保持手段と、一または複数のグループからそれぞれ複数の発光素子を無作為に抽出し、該一または複数のグループから抽出された複数の発光素子それぞれの特性を確認する特性確認手段と、該一つ以上のグループから抽出された発光素子を組み合わせる場合に、該所望する特性の領域中心近くになる組み合わせの発光素子を該各グループから選択して当該発光素子を実装する素子実装手段とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0019】
本発明の発光モジュールの生産装置は、複数の発光素子を基板上に実装して所望する特性の発光モジュールを生産する発光モジュールの生産装置において、発光素子製造時の特性測定結果データを、製造された発光素子と1対1に対応するように記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された特性の中から所定の個数を組み合わせた場合に、狙いの特性の領域中心近くになる発光素子の組合せを計算し、その計算結果から組み合わせる発光素子を決定する素子決定手段と、全素子の中から任意に希望する組み合わせの発光素子が取り出せる手段を持ち、該手段を用いて、決定した組み合わせの発光素子を基板上に実装する素子実装手段とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。この素子実装手段は、全素子の中から任意に希望する組み合わせの発光素子が取り出せる手段を用いて、決定した組み合わせの発光素子を基板上に実装する。
【0020】
本発明の発光モジュールの生産装置は、複数の発光素子を基板上に実装して所望する特性の発光モジュールを生産する発光モジュールの生産装置において、発光素子製造時の特性測定結果データを、製造された発光素子と1対1に対応するように記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された特性の中から所定の個数を組み合わせた場合に、狙いの特性の領域中心近くになる発光素子の組合せを計算し、その計算結果から組み合わせる発光素子を決定する素子決定手段と、発光素子をピックアップする順序に応じて、基板上の所望する位置に発光素子を実装する手段を持ち、該手段を用いて、決定した組み合わせの発光素子を基板上に実装する素子実装手段とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。この素子実装手段は、決定した組み合わせの発光素子をピックアップする順序に応じて、基板上の所望する位置に発光素子を実装する。
【0021】
本発明の発光素子の生産装置は、複数の発光素子チップをパッケージ化して所望する特性の発光素子を生産する発光素子の生産装置において、予め、発光特性が近い発光素子チップ同士に分類された複数のグループを保持する発光素子保持手段と、一または複数のグループからそれぞれ複数の発光素子チップを無作為に抽出し、該一または複数のグループから抽出された複数の発光素子チップそれぞれの特性を確認する特性確認手段と、該複数のグループから抽出された発光素子チップを組み合わせる場合に、該所望する特性の領域中心近くになる組み合わせの発光素子チップを該各グループから選択して実装してパッケージ化する素子実装手段とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0022】
本発明の発光素子の生産装置は、複数の発光素子チップをパッケージ化して所望する特性の発光素子を生産する発光 素子の生産装置において、
発光素子チップ製造時の特性測定結果データを、製造された発光素子チップと1対1に対応するように記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された特性の中から所定の個数を組み合わせた場合に、狙いの特性の領域中心近くになる発光素子チップの組合せを計算し、その計算結果から組み合わせる発光素子チップを決定する素子決定手段と、全素子の中から任意に希望する組み合わせの発光素子チップが取り出せる手段を持ち、該手段を用いて、決定した組み合わせの発光素子チップを選択して実装してパッケージ化する素子実装手段とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。この素子実装手段は、全素子の中から任意に希望する組み合わせの発光素子チップが取り出せる手段を用いて、決定した組み合わせの発光素子チップを選択して実装してパッケージ化する。
【0023】
本発明の発光素子の生産装置は、複数の発光素子チップをパッケージ化して所望する特性の発光素子を生産する発光素子の生産装置において、発光素子チップ製造時の特性測定結果データを、製造された発光素子チップと1対1に対応するように記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された発光特性の中から所定の個数を組み合わせた場合に、狙いの特性の領域中心近くになる発光素子チップの組合せを計算し、その計算結果から組み合わせる発光素子チップを決定する素子決定手段と、発光素子チップをピックアップする順序に応じて基板上の所望する位置に発光素子チップをボンディングする手段を持ち、該手段を用いて、決定した組み合わせの発光素子チップを選択して実装してパッケージ化する素子実装手段とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。この素子実装手段は、決定した組み合わせの発光素子チップをピックアップする順序に応じて基板上の所望する位置に発光素子チップを実装してパッケージ化する。
【0024】
本発明の面光源または線光源の発光モジュールにおいて、モジュールの特性規格幅に対して、構成する発光素子の特性規格幅分布が同等以上の広い分布幅に分布している。
【0025】
また、好ましくは、本発明の面光源または線光源の発光モジュールにおいて、モジュールを構成する個々の発光素子の特性分布が、モジュールの特性規格分布と重ならない領域に分布する複数の特性グループの組み合わせからなっている。
【0026】
さらに、好ましくは、本発明の面光源または線光源の発光モジュールにおいて、モジュールを構成する個々の発光素子の特性分布が、複数の特性グループに分類され、その中で少なくとも一つ以上のグループの特性分布の標準偏差幅が、モジュールの特性規格分布の標準偏差幅と重ならないように構成されている。
【0027】
さらに、好ましくは、本発明の面光源または線光源の発光モジュールにおいて、モジュールを構成する発光素子内の発光素子チップの特性分布幅が、モジュール特性分布幅よりも広い範囲に分布している。
【0028】
本発明の光源装置は、本発明の上記発光モジュールが一または複数配設されて面状に光照射するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0029】
本発明の液晶表示装置は、本発明の上記光源装置が液晶パネルの背面側に設けられてバックライトとして用いられたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0030】
上記構成により、以下、本発明の作用を説明する。
【0031】
本発明においては、グループ分類手段が、複数の発光素子の特性を測定し、測定した複数の発光素子の特性から、当該特性が近い発光素子同士で複数のグループに分類するグループ分類工程と、グループ選択手段が、所望する特性領域の両側または周囲に特性分布の中心がある複数のグループを選択するグループ選択工程と、特性確認手段が、選択した複数のグループからそれぞれ複数の発光素子を無作為に抽出し、各グループから抽出された複数の発光素子それぞれの特性を確認する特性確認工程と、当該特性の確認結果に基づいて、素子実装手段が、該各グループから抽出された発光素子を組み合わせる場合に、所望する特性の領域中心近くになる組み合わせの発光素子を該各グループからそれぞれ選択して基板上にそれぞれ実装する素子実装工程とを有している。
【0032】
これによって、複数のグループから複数抽出されたLED素子3を組み合わせる場合に、所望する特性の領域中心近くになる組み合わせとなるLED素子3を各グループから選択してLED素子3を基板上に実装するかまたは、複数のグループから複数抽出されたLED子チップ9を組み合わせる場合に、所望する特性の領域中心近くになる組み合わせとなるLEDチップ9を各グループから選択してパッケージ化するため、各グループの組み合わせ・合成時の発光特性のばらつきが、各グループ内のばらつきよりも大きくならないことから、発光特性のグループ分けの精度を高めずに、各グループの組合せ・合成時の狙いに対する発光特性ばらつきの精度を高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0033】
以上により、本発明によれば、各グループの組み合わせ・合成時の発光特性のばらつきが、各グループ内のばらつきよりも大きくならないため、発光特性のグループ分けの精度を高めずに、各グループの組合せ・合成時の狙いに対する発光特性ばらつきの精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の発光モジュールの生産方法の実施形態1において行われる二つの発光特性のグループを組み合わせて狙いの発光特性を得る場合を色度図上で示す概念図である。
【図2】本発明の発光モジュールの生産方法の実施形態1において二つの発光特性のグループからLED素子を4個ずつ抽出して各グループ間で効率よく組み合わせて狙いの発光特性を得る場合を説明するための図である。
【図3】(a)は、従来行われている二つの発光特性のグループを組み合わせて狙いの発光特性を得る場合を色度図上で示す概念図、(b)は、従来の発光モジュールの生産方法において二つの発光特性のグループからLED素子を組み合わせて狙いの発光特性を得る場合を説明するための図である。
【図4】図3のように異なるランクの各LED素子を各パッケージリールから単純に1個ずつ順番に抽出して組み合せた場合をシミュレートした合成結果を示す図である。
【図5】図2のように異なるランクの各LED素子を各パッケージリールから4個取り出して最も狙いの領域中心近くになるように各ランク品を組み合せた場合をシミュレートした合成結果を示す図である。
【図6】ランクa,bの各LED素子を複数個取り出して狙いとする領域T1,T2の中心近くになるように各ランク品を組み合せをシミュレーションする場合を示す図である。
【図7】図6のランクa,bからの抽出数に対する狙い領域がT1,T2の場合の歩留り変化のシミュレーション結果を示す図である。
【図8】発光素子チップとしてのLEDチップと、パッケージ状態のLED素子で特性にバラツキが生じる様子と、特性のバラツキに応じたLED素子のランク品を組み合わせて搭載する様子を説明するための図であって、(a)はウエハから多数のLEDチップに個片化する様子を示す図、(b)はLEDチップの特性分布を示す図、(c)はLEDチップをパッケージ化した様子を示す図、(d)は各パッケージ化されたLED素子の特性分布とランクA〜Dを示す図、(e)は各パッケージ化されたLED素子を基板上に実装する様子を示す図である。
【図9】本発明の実施形態1における発光モジュールの生産装置およびその生産方法を示すブロック図である。
【図10】(a)は、複数のLEDチップの波長分布に対する蛍光体塗布による色度変化を色度図上で示す図、(b)は、狙いの色度を得るために使用し得る複数のLEDチップの狭い波長分布に対する蛍光体塗布による色度変化を色度図上で示す図、(c)は、規格外の波長のLEDチップを組み合わせて高精度で狙いの色度を得ることを色度図上で説明するための図である。
【図11】本発明のLED素子の生産方法の実施形態1において二つの色度特性のグループからLEDチップを4個ずつ抽出して各グループ間で効率よく組み合わせて狙いの色度特性のLED素子を得る場合を説明するための図である。
【図12】本発明の実施形態1における発光素子の生産装置およびその生産方法を示すブロック図である。
【図13】本発明のLED素子の生産方法の実施形態2において、記憶されたLEDチップの色度特性から全部または一部の特性データを抽出し、効率よく組み合わせて狙いの色度特性のLED素子を得る場合を説明するための図である。
【図14】本発明の実施形態2における発光素子としてのLED素子3の生産装置およびその生産方法を示すブロック図である。
【図15】本発明のLEDモジュールの生産方法の実施形態2において一つのリールのテープ中に順次複数搭載されたLED素子毎にテスト結果とランクがテストデータとして保持された場合を説明するための図である。
【図16】線光源基板上に図15の一つのリールのテープ中に順次複数搭載されたLED素子を基板上の所定順次搭載する事例を説明するための図である。
【図17】本発明の実施形態2における発光モジュールとしてのLEDモジュールの生産装置およびその生産方法の変形例を示すブロック図である。
【図18】本発明のLED素子の生産方法の実施形態3において、赤、緑および青の発光色を持つ3グループのLEDチップを組み合わせて均質な白色光を得る場合を色度図上で示す概念図である。
【図19】本発明の発光モジュールの生産方法の実施形態3において行われる三つの発光特性としての色度特性の各グループを組み合わせて狙いの発光特性を得る場合を色度図上で示す概念図である。
【図20】本発明の発光モジュールの生産方法の実施形態3において三つの発光特性のグループからLED素子を4個ずつ抽出して各グループ間で効率よく組み合わせて狙いの発光特性を得る場合を説明するための図である。
【図21】本発明の発光モジュールの生産方法の実施形態3において、狙いの発光特性の領域Tの周りにある複数の色度特性から選択したいくつかの色度特性のLED素子を組み合わせて狙いの発光特性を得る場合を色度図上で示す概念図である。
【図22】本発明のLEDモジュールの生産方法の実施形態3において、一つのリールのテープ中に、狙いとする特性範囲よりも広い特性分布幅を持つLED素子の集まりからなるリールから、LED素子を効率よく組み合わせて狙いの発光特性を得る事例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に、本発明の発光モジュールの生産装置およびその生産方法の実施形態1〜3について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図における構成部材のそれぞれの厚みや長さなどは図面作成上の観点から、図示する構成に限定されるものではない。
【0036】
(実施形態1)
図1は、本発明の発光モジュールの生産方法の実施形態1において行われる二つの発光特性としての色度特性のグループを組み合わせて狙いの発光特性を得る場合を色度図上で示す概念図である。この場合の色度図は、全ての色度を表すことができて、中心部分が白色で左に行くほど青味がかり、右側に行くほど赤味がかる。青味がかった色度と赤味がかった色度とを組み合わせると白色になる。ここでは、発光特性として色度特性について主に説明するが、発光特性として光量特性(光束特性)であってもよいし、VF特性(VI特性)であっても本発明を適用することができる。
【0037】
図1に示すように、本実施形態1の発光モジュールの生産方法において、色度特性の各ランクa,bを構成する各グループから予めn個(n≧2)ずつの発光素子としてのLED素子をそれぞれ抽出し、その抽出した各n個のLED素子の色度特性を予めそれぞれ測定しておき、各組み合わせ後の色度特性の結果を計算して狙いとする色度特性の領域T内の組合せとなる2個のLED素子を各ランクa,bから選択して基板上に実装する。本実施形態1の生産方法を、さらに具体的に図2を用いて説明する。
【0038】
図2は、本発明の発光モジュールの生産方法の実施形態1において二つの発光特性のグループからLED素子を4個ずつ抽出して各グループ間で効率よく組み合わせて狙いの発光特性を得る場合を説明するための図である。
【0039】
図2に示すように、本実施形態1の発光モジュールの生産方法は、まず、ソート(分類)された複数のランク、ここでは色度特性の2つのランクa,bのパッケージリール1、2を準備する。これらの2つのランクa,bは、狙いとする色度特性の領域Tの両側に位置し、ランクa,bのLED素子の発光を組み合わせて合成すると、狙いとする色度特性になる。
【0040】
次に、パッケージリール1、2からそれぞれ、複数個(ここでは4個)のパッケージのLED素子3を測定ステージ4上に取り出す。各4個のLED素子3の色度特性を測定するかまたは、予め測定されて記憶された色度特性を元に、ランクaのLED素子3が4個、ランクbのLED素子3が4個で合計16通りの組み合わせがある。この合計16通りの組み合わせ後の色度特性の合成結果を計算する。これらの計算値が狙いとする色度特性の領域T内の領域中心付近の組合せとなる2個のLED素子3のペアをランクa,bからそれぞれ選択する。要するに、合計16通りの組み合わせのうち、狙いとする色度特性の領域T内の領域中心付近の組合せとなる1通り選択することになる。これによって、ランクaのLED素子3とランクbのLED素子3を組み合わせた場合に、狙いとする色度特性の領域T内の領域中心付近に納めることができる。精度よく色度特性の領域T内の領域中心付近に納めるためには各ランクから4個以上、例えば5個や6個程度の抽出が必要であり、それほど精度が要求されない場合には、各ランクから2,3個の抽出でもよい。
【0041】
その後、選択されたペアのLED素子3を、光源の一単位を作る構成の線光源基板5または面光源基板6上に順次実装して発光モジュール7または8を製造する。
【0042】
選択されたLED素子3が実装されたことで生じる、ランクa、bそれぞれの測定ステージ4上のLED素子1個分の空きには、パッケージリール1、2からLED素子3をそれぞれ1個ずつ抽出して各測定ステージに補充する。新たに補充されたLED素子3の特性を測定するかまたは、予め測定されて記憶された特性を元に、新たに計16通りの組み合わせを計算し、狙いとする色度特性の領域T内の領域中心付近の組合せとなる2個のLED素子3のペアを選択する。以後、発光モジュール7または8の完成まで、以上の操作を繰り返す。
【0043】
ここで、本実施形態1の効果を説明するために、従来の狙いとする発光特性を得る場合について図3を用いて説明する。
【0044】
図3(a)は、従来行われている二つの発光特性のグループを組み合わせて狙いの発光特性を得る場合を色度図上で示す概念図、図3(b)は、従来の発光モジュールの生産方法において二つの発光特性のグループからLED素子を単に順次組み合わせて狙いの発光特性を得る場合を説明するための図である。
【0045】
図3(a)および図3(b)に示すように、狙いとする色度図上の領域Tの両側に存在する二つの色度特性のランクa,bの各LED素子3をパッケージリール1、2から単純に順に組み合わせて狙いとする色度特性の色度図上の領域Tとすることができる。このとき、後述する図4に示すように、2個ペアで所望する色度の光学特性を作るランクa,bの各LED素子3を単純・無作為に組み合せた場合には、「分散の加法性」により、狙いとする色度特性の色度図上の領域Tに対するバラツキが元のランクa,bの色度特性のバラツキよりも大きくなる。
【0046】
図4は、図3のように異なるランクの各LED素子を各パッケージリールから単純に1個ずつ順番に抽出して組み合せた場合をシミュレートした合成結果を示す図、図5は、図2の実施形態1のように異なるランクの各LED素子を各パッケージリールから4個取り出して狙いとする領域の中心近くになるように各ランク品を組み合せた場合をシミュレートした合成結果を示す図である。
【0047】
図4および図5では、座標の右上と左下に分布する2つのグループ(ランクa,b)から、座標の中心円を狙いの領域Tとして、組み合わせたときの分布を調べる。サンプル数は各々2,000個、サンプルの分布幅はx、y共に±0.5、狙いの円の半径は±0.71とする。
【0048】
図4のように、単純に1個ずつ順番に抽出して組み合せた従来の場合には、合成時の分布幅(標準偏差)は0.579で、歩留りは75.8パーセントであった。
【0049】
図5のように、各グループからそれぞれ4個を抽出し、最も狙いの領域T内の領域中心に近くなる組合せを選択した本実施形態1の場合は、合成時の分布幅(標準偏差)が0.252で、歩留りが99.8パーセントとなる。
【0050】
図4の合成結果のバラツキ(従来方法)が、図5の合成結果のバラツキ(本実施形態1)に比べて大幅に広がっているし、元のランクa,bの色度のバラツキに比べても大幅に広がっている。したがって、本実施形態1によれば、発光特性のグループ分けの精度を高めずに、各グループの発光特性の組合せ・合成時の狙いとする発光特性に対する発光特性ばらつきの精度を高めることができる。
【0051】
次に、本実施形態1の場合に各グループからそれぞれ抽出する個数について検討する。
【0052】
図6は、ランクa,bの各LED素子を複数個取り出して狙いとする領域T1,T2の領域中心近くになるように各ランク品を組み合せをシミュレーションする場合を示す図である。この狙いとする領域T1は領域T2よりも広い。
【0053】
図6に示すように、右上のランクaの色度特性領域は、xy座標上で中心(x,y)が(1.5、1.5)で1辺の距離が1の正方形の範囲内でランダムに分布している。また、左下のランクbの色度特性領域は、xy座標上で中心(x,y)が(−1.5、−1.5)で1辺の距離が1の正方形の範囲内でランダムに分布している。ランクaのLED素子とランクbのLED素子を組み合わせる場合に、ランクa,bの各LED素子を複数個抽出し、抽出したランクa,bの各複数のLED素子の中から、狙い領域T1またはT2内の領域中心近くに収まる組み合わせのLED素子のペアを選択して、中心座標(0,0)を狙ってランクa,bを組合わせる。狙いの円の半径は領域T2が0.50で、領域T1が0.71の2通りとしている。
【0054】
図7は、図6のランクa,bからの素子抽出数に対する、狙い領域がT1,T2の場合の歩留り変化のシミュレーション結果を示す図である。
【0055】
図7に示すように、ランクa,bからの組み合わせで狙う領域が広い領域T1をひし形点でプロットし、狙う領域が狭い領域T2を円形点でプロットしている。ランクa,bからの抽出数が7個以上になると、歩留りは100パーセントになるが、組み合わせが7×7の49通りになって演算量が格段に多くなる。一方、ランクa,bからの各抽出数が1個から2個になるだけで、歩留りは、精度のよい狭い領域T2で49パーセントから82パーセントに格段に向上し、歩留りは、広い領域T1で76パーセントから96パーセントに格段に向上する。ランクa,bからの各抽出数が2個の場合に、合計4通りの組み合わせのうち、狙いとする色度特性の領域T内の領域中心付近の組合せのものを1通り選択する。これによって、合成後の色度特性を、狙いとする色度特性の領域T(T1またはT2)内の領域中心付近の色度特性を選択することができてより均質な色度を得ることができる。したがって、ランクa,bからの各抽出数がそれぞれ複数個であれば、色度特性のグループ分けの精度を高めずに、発光特性の組合せ・合成時の狙いとする色度特性に対する色度特性ばらつきの精度を高めることができる。
【0056】
図9は、本発明の実施形態1における発光モジュールの生産装置およびその生産方法を示すブロック図である。
【0057】
図9において、本実施形態1のLEDモジュールの生産装置30は、複数の発光素子としてのLED素子3の色度特性を含む特性を測定し、測定した複数のLED素子3の特性から、この特性が近いLED素子3同士で複数のグループに分類するグループ分類手段31と、所望する特性の両側に特性分布の中心がある複数のグループを選択するグループ選択手段32と、予め、特性が近いLED素子3同士に分類された複数のグループを保持する発光素子保持手段(図示せず)と、複数のグループからそれぞれ複数のLED素子3を無作為に抽出し、複数のグループから抽出された複数のLED素子3それぞれの特性を確認する特性確認手段33と、複数のグループから複数抽出されたLED素子3を組み合わせる場合に、所望する特性の領域中心近くになる組み合わせとなるLED素子3を各グループから選択してLED素子3を基板上に実装する素子実装手段34とを有し、複数のLED素子3を基板上に実装して所望する発光特性の発光モジュールを生産する。
【0058】
本実施形態1のLEDモジュールの生産装置30を用いた本実施形態1のLEDモジュールの生産方法は、グループ分類手段31が、複数の発光素子としてのLED素子3の色度特性を含む特性を測定し、測定した複数のLED素子3の特性から、この特性が近いLED素子3同士で複数のグループに分類するグループ分類工程と、グループ選択手段32が、所望する特性の両側に特性分布の中心がある複数のグループを選択するグループ選択工程と、特性確認手段33が、選択した複数のグループからそれぞれ複数のLED素子3を無作為に抽出し、各グループから抽出された複数のLED素子3それぞれの特性を確認する特性確認工程と、素子実装手段34が、各グループから抽出された発光素子を組み合わせる場合に、所望する特性の領域中心近くになる組み合わせのLED素子3を各グループから選択して基板上に実装する素子実装工程とを有し、複数のLED素子3を基板上に実装して所望する特性の発光モジュールを生産する。
【0059】
これまで、本実施形態1による、発光素子としてのLED素子3から発光モジュール7または8を製造する生産方法について説明したが、LEDチップからLED発光素子3を生産する際にも本実施形態は適用可能である。以下、さらに詳細に本実施形態1を説明する。
【0060】
本実施形態1の発光モジュールの生産方法は、前半チップ形成手段が、ウエハ上にマトリクス状に配列された複数の発光素子などの複数の半導体素子を形成する前半チップ工程と、チップテスト手段が、各LED素子毎にウエハを分断した後に、分断した複数のLED素子をテストし、テスト結果に応じて複数のランクに分けて複数のランクのグループ毎に粘着シート上にLEDチップを載置するチップテスト工程と、パッケージ手段が、LEDチップの発光部上を、蛍光体を含むモールドをドーム状に封止してパッケージ化し、パッケージ化されたLED素子をテストし、そのテスト結果に応じて複数のランクに分けて複数のランクのグループ毎に、例えばリールのテープ上などに搭載するパッケージ工程と、モジュール手段が、テスト結果に応じたグループ毎に例えばテープ上に搭載された複数のLED素子のグループを組み合わせて基板上に実装することにより発光モジュール(ここではLEDモジュール)を生産するモジュール工程とを有している。
【0061】
図8は、発光素子チップとしてのLEDチップ9と、パッケージ状態のLED素子3で特性にバラツキが生じる様子と、特性のバラツキに応じたLED素子3のランク品を組み合わせて搭載する様子を説明するための図であって、図8(a)はウエハから多数のLEDチップ9に個片化する様子を示す図、図8(b)はLEDチップ9の特性分布を示す図、図8(c)はLEDチップ9をパッケージ化した様子を示す図、図8(d)は各パッケージ化されたLED素子3の特性分布とランクA〜Dを示す図、図8(e)は各パッケージ化されたLED素子3を基板上に実装する様子を示す図である。なお、(b)および(d)の縦軸は個数であり、横軸はLED特性を示している。LED特性は色合い(波長)の色度特性および光量特性(光束特性)の発光特性とVI(電圧電流)特性(VF特性)である。ここでは、特に、色合い(波長)の発光特性として色度特性について説明するが、その他の特性についても本発明を適用することができる。
【0062】
図8(b)および図8(d)に示すように、LEDチップ9とパッケージ化されたLED素子3とは製造工程において、特性分布にバラツキが生じる。製品使用の制約から使用できるLEDチップ9やLED素子3(パッケージ品)が限られる。図8(b)の(1)および(2)は規格外品でそれ以外の規格内品のLEDチップ9を組み合わせて図8(c)のパッケージ品のLED素子3を作製している。それでも、図8(d)に示すように、パッケージ化されたLED素子3(パッケージ品)をテストすると、図8(d)の(3)および(4)のように規格外品が発生する。そのテスト結果に応じて特性(発光特性とVI特性)毎に複数のランク、例えばランクA〜Dに分ける。図8(e)に示すように、特性の複数のランクA〜DのLED素子3(パッケージ品)を組み合わせて基板(線光源基板5または面光源基板6)上に実装する。線光源基板5上にLED素子3(パッケージ品)を直線状に並べる場合には、ランクAの間にランクCのLED素子3(パッケージ品)を配置し、ランクBの間にランクDのLED素子3(パッケージ品)を配置する。また、面光源基板6上にLED素子3(パッケージ品)を直線状に並べる場合には、ランクAとランクCのLED素子3(パッケージ品)を交互に配置し、ランクBとランクDのLED素子3(パッケージ品)を交互に配置して行列状でマトリクス状に配列する。なお、ここでは、説明を簡略化するために、線光源基板5または面光源基板6上にLED素子3を1個づつ実装しているが、本実施形態1では、前述したように、選択されたペアの2個のLED素子3で、光源の一単位を作る構成の線光源基板5または面光源基板6上に順次実装して発光モジュール7または8を製造する。また、本実施形態1では、図8(b)の(1)および(2)の規格外品や図8(d)の(3)および(4)のような規格外品を組み合わせて、規格内品を得ることができる。
【0063】
図10(a)は、複数のLEDチップの波長分布に対する蛍光体塗布による色度変化を色度図上で示す図、図10(b)は、狙いの色度を得るために使用し得る複数のLEDチップの狭い波長分布に対する蛍光体塗布による色度変化を色度図上で示す図、図10(c)は、規格外の波長のLEDチップを組み合わせて高精度で狙いの色度を得ることを色度図上で説明するための図である。
【0064】
図10(a)に示すように、LEDチップの波長は青色の短波長であり、色度図上では左端の楕円部分でチップ波長分布位置を示している。狙いの色度(ここでは白色)を得るために黄色を発色する蛍光体が塗布されているが、色度図上では、左端の楕円部分の上下両側のチップ波長分布では、狙いの色度(ここでは白色)を得ることができない。要するに、狙いの色度(ここでは白色)を得ることができるLEDチップの波長域は決まってくる。図10(b)に示すように、狙いの色度を得ようとした場合にはLEDチップの波長域は、左端の楕円部分の中央部の狭い範囲に限られる。この狭い範囲外のLEDチップの波長域(左端の楕円部分の上下両側のチップ波長域)から狙いの色度を得ようとする場合には、これに合った異なる蛍光体が必要となって、蛍光体の種類を別途多数持たなければならなくなる。
【0065】
これに対して、図10(c)に示すように、2個のペアのLEDチップ9で、光源の一単位を作る構成のパッケージ品のLED素子であれば、蛍光体との組み合わせで狙いの色度の領域Tを得ようとした場合に、LEDチップの狭い特定波長域Fが必要になる。要するに、狙いとする色度特性の領域Tを蛍光体とで得るためのLEDチップ9の特定波長域Fの両側の波長域F1,F2の2個のLEDチップ9を組み合わせることにより、特定波長域FのLEDチップになって、これと蛍光体との組み合わせで狙いの色度の領域Tを得ることができる。
【0066】
図11は、本発明のLED素子の生産方法の実施形態1において二つの色度特性のグループからLEDチップを4個ずつ抽出して各グループ間で効率よく組み合わせて狙いの色度特性のLED素子を得る場合を説明するための図である。
【0067】
図11に示すように、本実施形態1の発光素子としてのLED素子(パッケージ品)の生産方法は、まず、ソート(分類)された複数のランク、ここでは色度特性の2つのランクA,BのLEDチップ9が搭載されたシート10,11を準備する。これらの2つのランクA,BのLEDチップ9は、特定波長域Fの両側の波長域F1,F2のLEDチップ9に対応している。
【0068】
次に、シート10,11上からそれぞれ、複数個(ここでは4個)のLEDチップ9をピックアップコレット12で測定ステージ4上に取り出す。各4個のLEDチップ9の色度特性を測定するかまたは、予め測定されて記憶された色度特性を元に、ランクAの波長域F1のLEDチップ9が4個、ランクBの波長域F2のLED素子3が4個で合計16通りの組み合わせがある。この合計16通りの組み合わせ後の色度特性の合成結果を計算する。これらの計算値が特定波長域F内の領域中心付近の組合せとなる2個のLEDチップのペアをランクA,Bからそれぞれ選択する。要するに、合計16通りの組み合わせのうち、特定波長域F内の領域中心付近の組合せの1通りを選択することになる。これによって、ランクAのLEDチップ9とランクBのLEDチップ9を組み合わせた場合に、特定波長域F内の領域中心付近に合成結果を納めることができる。組み合わせの結果を、精度よく特定波長域F内の領域中心付近に合成結果を納めるためには各ランクA,Bから4個以上、例えば5個や6個程度の抽出が必要であり、それほど精度が要求されない場合には、各ランクから2,3個の抽出でもよい。
【0069】
その後、選択されたペアのLEDチップ9で、光源の一単位を作る構成のパッケージ基板13上に、選択されたペアのLEDチップ9を順次実装すると共に、LEDチップ9の発光部上を、所定の蛍光体を含むモールドをドーム状に封止してパッケージ化してLED素子3を生産する。パッケージ化されたLED素子3はさらに特性テストが為される。
【0070】
要するに、最も狙いの特定波長域F内の中心部に近くなる組み合わせとなるLEDチップ9を選択してパッケージ基板13上に移載する。即ち、色度特性の各ランクA,Bを構成する各グループから予めn個(n≧2)ずつ(ここでは4個ずつ)のLEDチップ9をそれぞれ抽出し、その抽出した各n個のLEDチップの色度特性をそれぞれ測定し、各組み合わせ後の色度特性の結果を計算して、特定波長域F内の領域中心付近の組合せとなる2個のLEDチップを各ランクA,Bから選択してパッケージ基板13上に実装する。
【0071】
組合せのチップが実装された後は、各測定ステージに、各ランクのチップを補充、特性測定した後、組合せの計算と選択を繰り返す。
【0072】
図12は、本発明の実施形態1における発光素子としてのLED素子3の生産装置およびその生産方法を示すブロック図である。
【0073】
図12において、本実施形態1のLED素子3の生産装置30Aは、複数の発光素子チップとしてのLEDチップ9の色度特性を含む特性を測定し、測定した複数のLEDチップ9の特性から、この特性が近いLEDチップ9同士で複数のグループに分類するグループ分類手段31Aと、所望する特性の両側に特性分布の中心がある複数のグループを選択するグループ選択手段32Aと、予め、特性が近いLEDチップ9同士に分類された複数のグループを保持する発光素子保持手段(図示せず)と、複数のグループからそれぞれ複数のLEDチップ9を無作為に抽出し、複数のグループから抽出された複数のLEDチップ9それぞれの特性を確認する特性確認手段33Aと、複数のグループから複数抽出されたLED子チップ9を組み合わせる場合に、所望する特性の領域中心近くになる組み合わせとなるLEDチップ9を各グループから選択してパッケージ化する素子実装手段34Aとを有し、複数のLEDチップ9をパッケージ化して所望する特性のLED素子3を生産する。
【0074】
本実施形態1のLED素子3の生産装置30Aを用いた本実施形態1のLED素子3の生産方法は、グループ分類手段31Aが、複数のLEDチップ9の特性を測定し、この特性が近いLEDチップ9同士で複数のグループに分類するグループ分類工程と、グループ選択手段32Aが、所望する特性の両側に特性分布の中心がある複数のグループを選択するグループ選択工程と、特性確認手段33Aが、選択した複数のグループからそれぞれ複数のLEDチップ9を無作為に抽出し、該各グループから抽出された複数のLEDチップ9それぞれの特性を確認する特性確認工程と、素子実装手段34Aが、各グループから抽出されたLEDチップを組み合わせる場合に、所望する特性の領域中心近くになる組み合わせのLED子チップ9を各グループから選択してパッケージ化する素子実装工程とを有し、複数のLEDチップ9をパッケージ化して所望する特性のLED素子3を生産する。
【0075】
以上により、本実施形態1によれば、複数のグループから複数抽出されたLED素子3を組み合わせる場合に、所望する特性の領域中心近くになる組み合わせとなるLED素子3を各グループから選択してLED素子3を基板上に実装するかまたは、複数のグループから複数抽出されたLEDチップ9を組み合わせる場合に、所望する特性の領域中心近くになる組み合わせとなるLEDチップ9を各グループから選択してパッケージ化するため、各グループの組み合わせ・合成時の発光特性のばらつきが、各グループ内のばらつきよりも大きくならないことから、発光特性のグループ分けの精度を高めずに、各グループの発光特性の組合せ・合成時の狙いとする発光特性に対する発光特性ばらつきの精度を高めることができる。
【0076】
(実施形態2)
上記実施形態1では、例えばパッケージ工程において、色度特性の各ランクA,Bから4個ずつ抽出したLEDチップの色度特性をそれぞれ測定し、各組み合わせ後の色度特性の結果が特定波長域F内の領域中心付近の組合せとなる2個のLEDチップを各ランクA,Bから選択してパッケージ基板13上に実装する場合について説明したが、本実施形態2では、ウエハからLEDチップ9に分断後、分断した複数のLED素子をテストし、そのテスト結果の特性データがチップアドレスに対応して記憶された状態で、粘着シート上に複数のLEDチップ9がマトリクス状に載置されているが、パッケージ工程において、ウエハの全チップアドレスの特性データを用いて、複数の色度特性のグループ、もしくはグループ化されない分布からLEDチップの全部または一部を抽出して各グループ間、もしくは分布内で効率よく組み合わせて狙いの色度特性のLED素子を得る場合について説明する。
【0077】
図13は、本発明のLED素子の生産方法の実施形態2において複数の色度特性のグループ、もしくはグループ化されない分布からLEDチップの全部または一部を抽出して各グループ間、もしくは分布内で効率よく組み合わせて狙いの色度特性のLED素子を得る場合を説明するための図である。
【0078】
図13において、本実施形態2のLED素子の生産方法は、ウエハからLEDチップ9に分断後、分断した複数のLEDチップ9が粘着シート14に貼り付けられた状態のウエハ15ごとテストするテスト工程を有している。そのテストは、色度特性(波長特性)と光量特性(光束特性)からなる発光特性の他、VI特性(VF特性)をテストする。テストデータ16は、ハードディスクなど、コンピュータで取り扱える媒体のデータベース(記憶手段)に記憶されていることが望ましい。テスト結果は、粘着シート14上のチップ座標(チップアドレス)と、記憶された特性データとが1対1に対応している。このテスト結果に応じて複数のランクに分ける。粘着シート14上にマトリクス状に配列された複数のLEDチップ9にチップアドレスを付与し、チップアドレスに対応してテストデータ16がデータベース(記憶手段)に記憶されている。要するに、チップテスト時に、全てのテストデータ16をデータベースに保持しておく。上記実施形態1のようにLEDチップはソートしなくてもよい。
【0079】
本実施形態2のLED素子の生産方法は、ウエハ15上のLEDチップ9の特性データの全部または一部(複数)を選択する。複数のLEDチップ9のアドレスに対応するテストデータ16を用いて、各組み合わせ後の色度特性の結果が上記特定波長域F内の領域中心付近の組合せとなる2個のLEDチップ9を選択し、選択したLEDチップ9をピックアップコレット12でパッケージ基板13上に実装し、所定の蛍光体を含むモールドをドーム状に封止してパッケージ化してLED素子3を生産する素子実装工程を有している。
【0080】
要するに、組合せ時に、最も狙いに近くなる2つのLEDチップ9を、テストデータ16のうちの一部または全部(ウエハデータ全部ではおよそ10万個前後)を用いて選択し、選択したペアのLEDチップ9をピックアップコレット12でパッケージ基板13上にダイボンドする。使ったLEDチップ9の座標データは「使用済み」としてデータベースに保持しておく。1枚の粘着シート14のみでは特性が偏り、狙い通りの特性が得られない場合に備えて、2枚またはそれ以上の異なる特性分布を持つ粘着シート14を同時にセットして使える機能を持つとより好ましい。
【0081】
図14は、本発明の実施形態2における発光素子としてのLED素子3の生産装置およびその生産方法を示すブロック図である。
【0082】
図14において、本実施形態2によるLED素子3の生産装置40は、LEDチップ製造時の特性測定結果データを、製造されたLEDチップ9と1対1に対応するように記憶する記憶手段41と、記憶手段41に記憶された特性の中から所定の個数を組み合わせた場合に、狙いの特性の領域中心近くになるLEDチップ9の組合せを計算し、その計算結果から組み合わせるLEDチップ9を決定する素子決定手段42と、全素子の中から任意に希望する組み合わせのLEDチップ9を取り出せる手段を持ち、決定した組み合わせのLEDチップ9をパッケージ化する素子実装手段43とを有し、複数のLEDチップ9をパッケージ化して所望する特性のLED素子3を生産する。
【0083】
この本実施形態2によるLED素子3の生産装置40を用いた本実施形態2のLED素子3の生産方法は、記憶手段41が、LEDチップ製造時の特性測定結果データを、製造されたLEDチップ9と1対1に対応するように記憶する記憶工程と、素子決定手段42が、記憶手段41に記憶された特性の中から狙いの特性の領域中心近くになるLEDチップ9の組合せを計算し、その計算結果から組み合わせるLEDチップ9を決定する素子決定工程と、全素子チップの中から任意に希望する組み合わせのLEDチップ9が取り出せる手段を持ち、決定した組み合わせのLEDチップ9をパッケージ化する素子実装工程とを有し、複数のLEDチップ9をパッケージ化して所望する特性のLED素子3を生産する。
【0084】
ここで、発光モジュールの生産装置およびその生産方法についても、LED素子3の生産装置40およびその生産方法の場合と同様である。
【0085】
図14において、本実施形態2によるLEDモジュールの生産装置40Aは、LED素子製造時の特性測定結果データを、製造されたLED素子3と1対1に対応するように記憶する記憶手段41Aと、記憶手段41Aに記憶された特性の中から所定の個数を組み合わせた場合に、狙いの特性の領域中心近くになるLED素子3の組合せを計算し、その計算結果から組み合わせるLED素子3を決定する素子決定手段42Aと、全素子の中から任意に希望する組み合わせのLED素子3が取り出せる手段を持ち、決定した組み合わせのLED素子3を実装する素子実装手段43Aとを有し、複数のLED素子3を基板上に実装して所望する特性の発光モジュールを生産する。
【0086】
この本実施形態2によるLEDモジュールの生産装置40Aを用いた本実施形態2のLEDモジュールの生産方法は、記憶手段41Aが、LED素子製造時の特性測定結果データを、製造されたLED素子3と1対1に対応するように記憶する工程と、素子決定手段42Aが、記憶手段41Aに記憶された特性の中から狙いの特性の領域中心近くになるLED素子3の組合せを計算し、その計算結果から組み合わせるLED素子3を決定する素子決定工程と、全素子の中から任意に希望する組み合わせのLED素子3が取り出せる手段を持ち、素子実装手段43Aが、決定した組み合わせのLED素子3を実装する素子実装工程とを有し、複数のLED素子3を基板上に実装して所望する特性の発光モジュールを生産する。
【0087】
図15は、本発明のLEDモジュールの生産方法の実施形態2において一つのリールのテープ中に順次複数搭載されたLED素子毎にテスト結果とランクがテストデータとして保持された場合を説明するための図である。図16は、線光源基板上に一つのリール17のテープ18中に順次複数搭載されたLED素子19を順次搭載する事例を説明するための図である。
【0088】
図15および図16において、パッケージ化されたLED素子19をテストし、そのテスト結果に応じて複数のランクに分けされるが、一つのリール17のテープ18中に順次複数搭載されたLED素子19毎にテスト結果とランクがテストデータ(例えば[1−a])としてデータベースに保持されている。
【0089】
要するに、パッケージ化されたLED素子19のテスト結果(特性情報)およびそのランク情報と、リール17へのテープ18の巻取り順(アドレス)とを1対1で対応させて、データをしかるべき手段で記憶手段(データベース)に記憶・保持しておく。記憶された特性情報を元に、基板上で、局所的、及び全体的に、所望する特性(色度、光束、電力)のレイアウトとなるように、基板上のパッケージレイアウトを計算する。リール17のテープ18上で順次整列したLED素子19の特性の順番(アドレス)に従って、予め計算された基板上のパッケージレイアウトに従って、パッケージ化されたLED素子19を基板上に順次移載する。なお、テストされたパッケージの利用手段は、リール17でなくても、順番が管理できる方法であれば何でも構わない。順番が維持できるスリーブやトレイ上でLED素子19を並べていてもよい。トレイを用いるのであれば、使用を予定している基板での使用順に合わせて、トレイの上に順番に配列して搭載する方法でも良い。
【0090】
また、パッケージ化されたLED素子19の特性分布やリールでの順番に応じて、複数の基板への移載が必要となる場合もあり得る。複数の基板を同時にセットできて、移載が可能な構成になっていれば、より利用の効率を上げることができる。
【0091】
図17は、本発明の実施形態2における発光モジュールとしてのLEDモジュールの生産装置およびその生産方法の変形例を示すブロック図である。
【0092】
図17において、本実施形態2のLEDモジュールの生産装置50は、LED素子製造時の特性測定結果データを、製造されたLED素子19と1対1に対応するように記憶する記憶手段51と、記憶手段51に記憶された発光特性の中から所定の個数を組み合わせた場合に、狙いの特性の領域中心近くになるLED素子19の組合せを計算し、その計算結果から組み合わせるLED素子19を決定する素子決定手段52と、LED素子19をピックアップする順序に応じて、基板上の所望する位置にLED素子19を実装する手段を持ち、決定した組み合わせのLED素子3を実装する素子実装手段53とを有し、複数のLED素子19を基板上に実装して所望する特性のLEDモジュールを生産する。
【0093】
この本実施形態2のLEDモジュールの生産装置50を用いる本実施形態2のLEDモジュールの生産方法は、発光素子製造時の特性測定結果データを、記憶手段51が、製造されたLED素子19と1対1に対応するように記憶する工程と、素子決定手段52が、記憶手段51に記憶された特性の中から所定の個数を組み合わせた場合に、狙いの特性の領域中心近くになる組合せを計算し、その計算結果から組み合わせるLED素子19を決定する素子決定工程と、LED素子19の個体をピックアップする順序に応じて、基板上の所望する位置に個体を実装する手段を持ち、素子実装手段53が、決定した組み合わせのLED素子3を基板上に実装する素子実装工程とを有し、複数のLED素子19を基板上に実装して所望する特性のLEDモジュールを生産する。
【0094】
ここで、LED素子19の生産装置およびその生産方法についても、上記発光モジュールの生産装置50およびその生産方法の場合と同様である。
【0095】
図17において、本実施形態2のLED素子19の生産装置50Aは、LEDチップ製造時の特性測定結果データを、製造されたLEDチップ9と1対1に対応するように記憶する記憶手段51Aと、記憶手段51Aに記憶された特性の中から所定の個数を組み合わせた場合に、狙いの特性に近くなるLEDチップ9の組合せを計算し、その計算結果から組み合わせるLEDチップ9を決定する素子決定手段52Aと、LEDチップ9をピックアップする順序に応じて、基板上の所望する位置にLEDチップをボンディングする手段を持ち、決定した組み合わせのLED素子19を実装してパッケージ化する素子実装手段53Aとを有し、複数のLEDチップ9をパッケージ化して所望する特性のLED素子19を生産する。
【0096】
この本実施形態2のLED素子19の生産装置50Aを用いたLED素子19の生産方法は、記憶手段51Aが、LEDチップ製造時の特性測定結果データを、製造されたLEDチップ9と1対1に対応するように記憶する記憶工程と、素子決定手段52Aが、記憶手段51Aに記憶された特性の中から狙いの特性の領域中心近くになるLEDチップ9の組合せを計算し、その計算結果から組み合わせるLEDチップ9を決定する素子決定工程と、LEDチップ9をピックアップする順序に応じて、基板上の所望する位置にLEDチップ9をボンディングする手段を持ち、素子実装手段53Aが、決定した組み合わせのLED素子19を実装してパッケージ化する素子実装工程とを有し、複数のLEDチップ9をパッケージ化して所望する特性のLED素子19を生産する。
【0097】
以上により、本実施形態2によれば、上記実施形態1の場合と同様に、発光特性のグループ分けの精度を高めずに、各グループの発光特性の組合せ・合成時の狙いとする発光特性に対する発光特性ばらつきの精度を高めることができる。
【0098】
(実施形態3)
上記実施形態1,2では、狙いとする色度特性の色度図上の領域Tを得るのにその両側の二つの色度特性の領域の素子を組み合わせる場合について説明したが、本実施形態3では、狙いとする色度特性の色度図上の領域Tを得るのにその周囲の3つまたはそれ以上の色度特性の領域の素子を組み合わせる場合について説明する。
【0099】
図18は、本発明のLED素子の生産方法の実施形態3において、赤、緑および青の発光色を持つ3グループのLEDチップを組み合わせて均質な白色光を得る場合を色度図上で示す概念図である。
【0100】
図18において、本実施形態3のLED素子の生産方法は、赤、緑および青の発光色を持つ各グループより無作為に複数個のLEDチップを抽出し、抽出した複数個のLEDチップに対してそれぞれの色度特性を測定し、狙いとする色度特性の領域T内(白色)の領域中心近くになる組み合わせのLEDチップを各グループから選択して実装しパッケージ化する。これによって、より均質で綺麗な白色光を得ることができる。なお、赤、緑および青の3色に限らず、黄色、シアン(水色)およびマゼンダ(紫色)の3色で均質な白色を作ってもよい。狙いは白色に限らず、他の色であっても、本実施形態3のLED素子の生産方法の活用で均質な特性の発光体パッケージを得ることができる。
【0101】
図19は、本発明の発光モジュールの生産方法の実施形態3において行われる三つの発光特性としての色度特性の各グループを組み合わせて狙いの発光特性を得る場合を色度図上で示す概念図である。ここでは、発光特性として色度特性について主に説明するが、発光特性として光量特性(光束特性)であってもよいし、VF特性(VI特性)であっても本発明を適用することができる。
【0102】
図19に示すように、本実施形態1の発光モジュールの生産方法において、色度特性の各ランクa,b,cを構成する各グループから予めn個(n≧2)ずつの発光素子としてのLED素子をそれぞれ抽出し、その抽出した各n個のLED素子の色度特性を予めそれぞれ測定しておき、各組み合わせ後の色度特性の結果を計算して狙いとする色度特性の領域T内の組合せとなる3個のLED素子を各ランクa,b,cから選択して基板上に実装する。本実施形態3の生産方法を、さらに具体的に図20を用いて説明する。
【0103】
図20は、本発明の発光モジュールの生産方法の実施形態3において三つの発光特性のグループからLED素子を4個ずつ抽出して各グループ間で効率よく組み合わせて狙いの発光特性を得る場合を説明するための図である。
【0104】
図20に示すように、本実施形態3の発光モジュールの生産方法は、まず、ソート(分類)された複数のランク、ここでは色度特性の3つのランクa,b,cのパッケージリール21、22、23を準備する。これらの3つのランクa,b,cは、狙いとする色度特性の領域Tの周囲に位置し、ランクa,b,cのLED素子の発光を組み合わせて合成すると、狙いとする色度特性(領域T)になる。
【0105】
次に、パッケージリール21、22、23からそれぞれ、複数個(ここでは4個)のパッケージのLED素子24を測定ステージ25上に取り出す。各4個のLED素子24の色度特性を測定するかまたは、予め測定されて記憶された色度特性を元に、ランクaのLED素子24が4個、ランクbのLED素子24が4個、ランクcのLED素子24が4個で合計64通りの組み合わせがある。この合計64通りの組み合わせ後の色度特性の合成結果を計算する。これらの計算値が狙いとする色度特性の領域T内の領域中心付近の組合せとなる3個のLED素子3の組をランクa,b,cからそれぞれ選択する。これによって、ランクaのLED素子24とランクbのLED素子24とランクcのLED素子24を組み合わせた場合に、狙いとする色度特性の領域T内の領域中心付近に納めることができる。精度よく色度特性の領域T内の領域中心付近に納めるためには各ランクa〜cからそれぞれ4個以上、例えば5個や6個程度の抽出が必要であり、それほど精度が要求されない場合には、各ランクa〜cから2,3個の抽出でもよい。
【0106】
その後、選択された3つのLED素子24を、光源の一単位を作る構成の線光源基板26または面光源基板27上に順次実装して発光モジュール28または29を製造する。これによって、三つのパッケージ化されたLED素子24を近接して配置することにより、より均質で綺麗な白色光を得ることができる。
【0107】
図21は、本発明の発光モジュールの生産方法の実施形態3において、狙いの発光特性の領域Tの周りにある複数の色度特性から選択したいくつかの色度特性のLED素子を組み合わせて狙いの発光特性を得る場合を色度図上で示す概念図である。
【0108】
図21において、狙いの色度特性の周りに、狙いとする特性範囲よりも広い特性分布幅を持つことが判っている、ソート(分類)されていないパッケージ化されたLED素子のロットであっても、均質な特性の発光体パッケージを得ることができる。
予め、パッケージ化された複数個のLED素子を無作為に抽出し、抽出した複数個のLED素子の色度特性を測定する。さらに、抽出した中から所定個数(ここでは三つ)を組み合わせた場合に、狙いとする色度特性の領域T内の領域中心付近の組合せとなるように3個のLED素子をそれぞれ選択する。このように、狙いに近くなる組み合わせとなる3個のLED素子をそれぞれ選択してこれらを基板上に実装する。
【0109】
図22は、本発明のLEDモジュールの生産方法の実施形態3において、一つのリールのテープ中に、狙いとする特性範囲よりも広い特性分布幅を持つLED素子の集まりからなるリールから、LED素子を効率よく組み合わせて狙いの発光特性を得る事例を説明するための図である。
【0110】
図22において、テストされた、パッケージ化されたLED素子が一つのリールのテープ中に順次複数搭載されている。リール内のLED素子は、ランク分けされておらず、狙いとする特性領域よりも広い特性分布幅を持つことが判っている。
【0111】
当リールより複数個(本図示事例では11個)のLED素子を無作為抽出し、各々のLED素子の特性を測定ステージ25で測定する。しかる後に、抽出した中から所定の複数個数(本図示事例では3個)を組み合わせた場合に得られる特性(例えば色度、光束、電力のうち一つ以上の特性)を計算し(本図示事例では、11個から3個を組み合わせるので計165通り)、所望する特性の領域中心付近の組合せとなる3個のLED素子をそれぞれ選択して、基板上に実装する。選択された素子が実装された後、測定ステージに生じる空隙には、都度リールから無作為に素子を補充、測定して、次の組み合わせを計算する。以後基板上に実装する所定の組み合わせが完了するまで、これらの手順を繰り返す。なお、テストされたパッケージの利用手段は、リールでなくても、スリーブやトレイ上でLED素子を並べていてもよい。トレイを用いるのであれば、使用を予定している基板での使用順に合わせて、トレイの上に順番に配列して搭載する方法でも良い。
【0112】
以上により、本実施形態3によれば、上記実施形態1の場合と同様に、発光特性のグループ分けの精度を高めずに、各グループの発光特性の組合せ・合成時の狙いとする発光特性に対する発光特性ばらつきの精度を高めることができる。
【0113】
なお、上記実施形態1〜3において前述したが、2個ペアで所望する色度の光学特性を作るランクa,bの各LED素子3を単純・無作為に組み合せた場合には、「分散の加法性」により、狙いとする色度特性の色度図上の領域Tに対するバラツキが元のランクa,bの色度特性のバラツキよりも大きくなるのが一般的であるが、本発明を用いれば、狙いとする色度特性の色度図上の領域Tに対するバラツキが元のランクa,bの色度特性のバラツキよりも小さくすることができる。
【0114】
狙いとする色度特性の領域中心近くになるように組み合わせをランクa,bから予め選択する本発明を用いたLEDモジュールは、面光源または線光源の発光モジュールであって、モジュールの特性規格幅に対して、構成する発光素子の特性規格幅分布が同等以上の広い分布幅に分布している。
【0115】
また、面光源または線光源の発光モジュールにおいて、モジュールを構成する個々の発光素子の特性分布が、モジュールの特性規格分布と重ならない領域に分布する複数の特性グループの組み合わせからなっている。
【0116】
さらに、面光源または線光源の発光モジュールにおいて、モジュールを構成する個々の発光素子の特性分布が、複数の特性グループに分類され、その中で少なくとも一つ以上のグループの特性分布の標準偏差幅が、モジュールの特性規格分布の標準偏差幅と重ならないように構成されている。
【0117】
さらに、面光源または線光源の発光モジュールにおいて、モジュールを構成する発光素子内の発光素子チップの特性分布幅が、モジュール特性分布幅よりも広い範囲に分布している。
【0118】
本発明の発光モジュールが一または複数配設されて面状に光照射する光源装置を得ることができる。このような本発明の光源装置が液晶パネルの背面側に設けられてバックライトとして用いることができる。
【0119】
なお、上記実施形態1〜3では、発光素子としてLED素子の場合について説明したが、これに限らず、レーザ素子と発光体の組み合わせであってもよい。
【0120】
以上のように、本発明の好ましい実施形態1〜3を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態1〜3に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態1〜3の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明は、複数の発光ダイオード(LED)などの複数の発光素子チップをパッケージ化して発光素子を生産する発光素子の生産装置およびその生産方法、パッケージ化された複数の発光素子を基板上に実装する発光モジュールの生産装置およびその生産方法、この発光モジュールが複数用いられた光源装置、この光源装置がバックライトとして用いられた液晶表示装置の分野において、各グループの組み合わせ・合成時の発光特性のばらつきが、各グループ内のばらつきよりも大きくならないため、発光特性のグループ分けの精度を高めずに、各グループの組合せ・合成時の狙いに対する発光特性ばらつきの精度を高めることができる。
【符号の説明】
【0122】
1、2 パッケージリール
3 パッケージ化されたLED素子
4 測定ステージ
5 線光源基板
6 面光源基板
7、8 LEDモジュール
9 LEDチップ
10、11 シート
12 ピックアップコレット
13 パッケージ基板
14 粘着シート
15 LEDチップに分割されたウエハ
16 テストデータ
17 リール
18 テープ
19 LED素子
21、22、23 パッケージリール
24 LED素子
25 測定ステージ
26 線光源基板
27 面光源基板
28、29 発光モジュール
30 LEDモジュールの生産装置
30A LED素子の生産装置
31、31A グループ分類手段
32、32A グループ選択手段
33、33A 特性確認手段
34、34A 素子実装手段
40 LED素子の生産装置
40A LEDモジュールの生産装置
41、41A 記憶手段
42、42A 素子決定手段
43、43A 素子実装手段
50 LEDモジュールの生産装置
50A LED素子の生産装置
51 51A 記憶手段
52、52A 素子決定手段
53、53A 素子実装手段
a、b、c、A〜D ランク
T 狙いとする色度特性の色度図上の領域
T1 狙う領域が広い領域
T2 狙う領域が狭い領域
F 中央の特定波長域
F1 ランクaの波長域
F2 ランクbの波長域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子を基板上に実装して所望する特性の発光モジュールを生産する発光モジュールの生産方法において、
グループ分類手段が、複数の発光素子の特性を測定し、測定した複数の発光素子の特性から、当該特性が近い発光素子同士で複数のグループに分類するグループ分類工程と、
グループ選択手段が、所望する特性領域の両側または周囲に特性分布の中心がある一または複数のグループを選択するグループ選択工程と、
特性確認手段が、選択した一または複数のグループからそれぞれ複数の発光素子を無作為に抽出し、各グループから抽出された複数の発光素子それぞれの特性を確認する特性確認工程と、
当該特性の確認結果に基づいて、素子実装手段が、該各グループから抽出された発光素子を組み合わせる場合に、所望する特性の領域中心近くになる組み合わせの発光素子を該各グループからそれぞれ選択して基板上にそれぞれ実装する素子実装工程とを有する発光モジュールの生産方法。
【請求項2】
複数の発光素子を基板上に実装して所望する特性の発光モジュールを生産する発光モジュールの生産方法において、
記憶手段が、発光素子製造時の特性測定結果データを、製造された発光素子と1対1に対応するように記憶する記憶工程と、
素子決定手段が、該記憶手段に複数記憶された特性の中から狙いの特性の領域中心近くになる発光素子の組合せを計算し、その計算結果から組み合わせる発光素子を決定する素子決定工程と、
全素子の中から任意に希望する組み合わせの発光素子が取り出せる手段を持ち、該手段を用いて素子実装手段が、決定した組み合わせの発光素子を基板上に実装する素子実装工程とを有する発光モジュールの生産方法。
【請求項3】
複数の発光素子を基板上に実装して所望する特性の発光モジュールを生産する発光モジュールの生産方法において、
発光素子製造時の特性測定結果データを、記憶手段が、製造された発光素子と1対1に対応するように記憶する記憶工程と、
素子決定手段が、記憶された特性の中から所定の個数を組み合わせた場合に、所望する特性の領域中心近くになる組合せを計算し、その計算結果から組み合わせる発光素子を決定する素子決定工程と、
発光素子の個体をピックアップする順序に応じて、基板上の所望する位置に該個体を実装する手段を持ち、該手段を用いて素子実装手段が、決定した組み合わせの発光素子を基板上の所定位置に実装する素子実装工程とを有する発光モジュールの生産方法。
【請求項4】
複数の発光素子チップをパッケージ化して所望する特性の発光素子を生産する発光素子の生産方法において、
グループ分類手段が、該複数の発光素子チップの特性を測定し、該特性が近い発光素子チップ同士で複数のグループに分類するグループ分類工程と、
グループ選択手段が、該所望する特性の両側または周囲に特性分布の中心がある一または複数のグループを選択するグループ選択工程と、
特性確認手段が、選択した一または複数のグループからそれぞれ複数の発光素子チップを無作為に抽出し、該各グループから抽出された複数の発光素子チップそれぞれの特性を確認する特性確認工程と、
素子実装手段が、該各グループから抽出された発光素子チップを組み合わせる場合に、該所望する特性の領域中心近くになる組み合わせの発光素子チップを該各グループから選択して実装してパッケージ化する素子実装工程とを有する発光素子の生産方法。
【請求項5】
複数の発光素子チップをパッケージ化して所望する特性の発光素子を生産する発光素子の生産方法において、
記憶手段が、発光素子チップ製造時の特性測定結果データを、製造された発光素子チップと1対1に対応するように記憶する記憶工程と、
素子決定手段が、該記憶手段に記憶された特性の中から狙いの特性の領域中心近くになる発光素子チップの組合せを計算し、その計算結果から組み合わせる発光素子チップを決定する素子決定工程と、
全素子チップの中から任意に希望する組み合わせの発光素子チップが取り出せる手段を持ち、該手段を用いて素子実装手段が、決定した組み合わせの発光素子チップを組み合わせて実装してパッケージ化する素子実装工程とを有する発光素子の生産方法。
【請求項6】
複数の発光素子チップをパッケージ化して所望する特性の発光素子を生産する発光素子の生産方法において、
発光素子チップ製造時の特性測定結果データを、記憶手段が、製造された発光素子チップと1対1に対応するように記憶する記憶工程と、
素子決定手段が、該記憶手段に記憶された発光特性の中から狙いの特性の領域中心近くになる発光素子チップの組合せを計算し、その計算結果から組み合わせる発光素子チップを決定する素子決定工程と、
発光素子チップをピックアップする順序に応じて基板上の所望する位置に発光素子チップをボンディングする手段を持ち、該手段を用いて素子実装手段が、決定した組み合わせの発光素子チップを組み合わせて所定位置に実装してパッケージ化する素子実装工程とを有する発光素子の生産方法。
【請求項7】
複数の発光素子を基板上に実装して所望する特性の発光モジュールを生産する発光モジュールの生産装置において、
予め、特性が近い発光素子同士に分類された複数のグループを保持する素子保持手段と、
一または複数のグループからそれぞれ複数の発光素子を無作為に抽出し、該一または複数のグループから抽出された複数の発光素子それぞれの特性を確認する特性確認手段と、
該一つ以上のグループから抽出された発光素子を組み合わせる場合に、該所望する特性の領域中心近くになる組み合わせの発光素子を該各グループから選択して当該発光素子を実装する素子実装手段とを有する発光モジュールの生産装置。
【請求項8】
複数の発光素子を基板上に実装して所望する特性の発光モジュールを生産する発光モジュールの生産装置において、
発光素子製造時の特性測定結果データを、製造された発光素子と1対1に対応するように記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶された特性の中から所定の個数を組み合わせた場合に、狙いの特性の領域中心近くになる発光素子の組合せを計算し、その計算結果から組み合わせる発光素子を決定する素子決定手段と、
全素子の中から任意に希望する組み合わせの発光素子が取り出せる手段を持ち、該手段を用いて、決定した組み合わせの発光素子を基板上に実装する素子実装手段とを有する発光モジュールの生産装置。
【請求項9】
複数の発光素子を基板上に実装して所望する特性の発光モジュールを生産する発光モジュールの生産装置において、
発光素子製造時の特性測定結果データを、製造された発光素子と1対1に対応するように記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶された特性の中から所定の個数を組み合わせた場合に、狙いの特性の領域中心近くになる発光素子の組合せを計算し、その計算結果から組み合わせる発光素子を決定する素子決定手段と、
発光素子をピックアップする順序に応じて、基板上の所望する位置に発光素子を実装する手段を持ち、該手段を用いて、決定した組み合わせの発光素子を基板上に実装する素子実装手段とを有する発光モジュールの生産装置。
【請求項10】
複数の発光素子チップをパッケージ化して所望する特性の発光素子を生産する発光素子の生産装置において、
予め、発光特性が近い発光素子チップ同士に分類された複数のグループを保持する発光素子保持手段と、
一または複数のグループからそれぞれ複数の発光素子チップを無作為に抽出し、該一または複数のグループから抽出された複数の発光素子チップそれぞれの特性を確認する特性確認手段と、
該複数のグループから抽出された発光素子チップを組み合わせる場合に、該所望する特性の領域中心近くになる組み合わせの発光素子チップを該各グループから選択して実装してパッケージ化する素子実装手段とを有する発光素子の生産装置。
【請求項11】
複数の発光素子チップをパッケージ化して所望する特性の発光素子を生産する発光 素子の生産装置において、
発光素子チップ製造時の特性測定結果データを、製造された発光素子チップと1対1に対応するように記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶された特性の中から所定の個数を組み合わせた場合に、狙いの特性の領域中心近くになる発光素子チップの組合せを計算し、その計算結果から組み合わせる発光素子チップを決定する素子決定手段と、
全素子の中から任意に希望する組み合わせの発光素子チップが取り出せる手段を持ち、該手段を用いて、決定した組み合わせの発光素子チップを選択して実装してパッケージ化する素子実装手段とを有する発光素子の生産装置。
【請求項12】
複数の発光素子チップをパッケージ化して所望する特性の発光素子を生産する発光素子の生産装置において、
発光素子チップ製造時の特性測定結果データを、製造された発光素子チップと1対1に対応するように記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶された発光特性の中から所定の個数を組み合わせた場合に、狙いの特性の領域中心近くになる発光素子チップの組合せを計算し、その計算結果から組み合わせる発光素子チップを決定する素子決定手段と、
発光素子チップをピックアップする順序に応じて基板上の所望する位置に発光素子チップをボンディングする手段を持ち、該手段を用いて、決定した組み合わせの発光素子チップを選択して実装してパッケージ化する素子実装手段とを有する発光素子の生産装置。
【請求項13】
面光源または線光源の発光モジュールにおいて、
モジュールの特性規格幅に対して、構成する発光素子の特性規格幅分布が同等以上の広い分布幅に分布している発光モジュール。
【請求項14】
面光源または線光源の発光モジュールにおいて、
モジュールを構成する個々の発光素子の特性分布が、モジュールの特性規格分布と重ならない領域に分布する複数の特性グループの組み合わせからなっている発光モジュール。
【請求項15】
面光源または線光源の発光モジュールにおいて、
モジュールを構成する個々の発光素子の特性分布が、複数の特性グループに分類され、その中で少なくとも一つ以上のグループの特性分布の標準偏差幅が、モジュールの特性規格分布の標準偏差幅と重ならないように構成されている発光モジュール。
【請求項16】
面光源または線光源の発光モジュールにおいて、
モジュールを構成する発光素子内の発光素子チップの特性分布幅が、モジュール特性分布幅よりも広い範囲に分布している発光モジュール。
【請求項17】
請求項13〜16のいずれかに記載の発光モジュールが一または複数配設されて面状に光照射する光源装置。
【請求項18】
請求項17に記載の光源装置が液晶パネルの背面側に設けられてバックライトとして用いられた液晶表示装置。

【図7】
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【図9】
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【図12】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図15】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−26237(P2013−26237A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156065(P2011−156065)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】