発音制御装置
【課題】ユーザによって配置された物体の位置関係に応じた音を発音させる技術を提供する。
【解決手段】ユーザによって本体装置の配置面にブロックが配置されると、配置されたブロックの姿勢情報が各ブロックから本体装置に送信される。本体装置は、配置された全てのブロックに対する発音指示をユーザから受付けると、配置されたブロック間の距離等の位置関係を検出し、検出した位置関係と各ブロックから送信された姿勢情報に基づいて、各ブロックに対して割当てられている音の発音を行う。
【解決手段】ユーザによって本体装置の配置面にブロックが配置されると、配置されたブロックの姿勢情報が各ブロックから本体装置に送信される。本体装置は、配置された全てのブロックに対する発音指示をユーザから受付けると、配置されたブロック間の距離等の位置関係を検出し、検出した位置関係と各ブロックから送信された姿勢情報に基づいて、各ブロックに対して割当てられている音の発音を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の位置に応じて発音を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、サイコロ等の立方体の面のうち、どの面が上面に位置しているかを検出し、検出した面に応じた音声を出力する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−241906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術の場合、立方体の面の向きに応じた音を出力することができるが、配置された立方体の位置に応じた音を出力することはできない。
本発明は、ユーザによって配置された物体の位置関係に応じた音を発音させる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る発音制御装置は、配置された配置対象物の位置関係を検出する検出手段と、発音指示を受付ける受付手段と、前記配置対象物の位置関係に対応する音を示す音制御情報を、前記位置関係を示す情報と対応づけて記憶する制御情報記憶手段と、前記受付手段が前記発音指示を受付けると、前記検出手段によって検出された前記位置関係に対応する前記音制御情報を取得し、取得した前記音制御情報に従って発音装置に発音させる発音制御手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の請求項2に係る発音制御装置において、配置された前記配置対象物の姿勢を検出する姿勢検出手段を備え、前記制御情報記憶手段は、前記配置対象物の姿勢に対応する音を示す姿勢別音情報を記憶し、前記発音制御手段は、前記検出手段によって検出された前記配置対象物の位置関係に対応する前記音制御情報と、前記姿勢検出手段により検出された姿勢に対応する前記姿勢別音情報とに従って前記発音装置に発音させることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項3に係る発音制御装置において、前記配置対象物が配置される位置に対応する音高を示す音高情報を記憶する位置情報記憶手段を備え、前記検出手段は、配置された前記配置対象物の位置を検出し、前記発音制御手段は、前記受付手段が前記発音指示を受付けると、前記検出手段によって検出された前記配置対象物の位置に対応する音高情報を前記位置情報記憶手段から特定し、前記配置対象物の前記位置関係に応じた前記音制御情報に従って、特定した音高情報に基づく音を前記発音装置に発音させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項4に係る発音制御装置において、前記配置対象物に予め割当てられている音を示す割当音情報を前記配置対象物毎に記憶する割当音情報記憶手段を備え、前記発音制御手段は、前記受付手段が前記発音指示を受付けると、配置された各配置対象物に対応する前記割当音情報を前記割当音情報記憶手段から特定し、特定した前記割当音情報に基づく音を予め定められた順序に従って前記発音装置に発音させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項5に係る発音制御装置は、利用者が把持して配置可能な形状を有する複数の前記配置対象物を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1及び請求項5に係る発音制御装置によれば、配置対象物の位置関係に応じた音を発音させることができる。
【0011】
本発明の請求項2に係る発音制御装置によれば、配置対象物の位置関係だけでなく配置対象物が配置された姿勢に応じた音を発音させることができる。
【0012】
本発明の請求項3に係る発音制御装置によれば、配置対象物の位置に対応する音を配置対象物の位置関係に応じて発音させることができる。
【0013】
本発明の請求項4に係る発音制御装置によれば、配置された配置対象物に割当てられている音を予め定めた順序で発音させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1に係る楽音発音装置の構成例を示す図である。
【図2】(a)及び(b)は、実施形態1に係るブロックを説明する図である。
【図3】(a)は、実施形態1に係るブロックの構成例を示すブロック図である。(b)は実施形態1に係る本体装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】(a)から(d)は、実施形態1に係る本体装置に記憶されている各種テーブルの構成例を表す図である。
【図5】実施形態1に係る楽音発音装置の動作フローを示す図である。
【図6】実施形態2に係る楽音発音装置の本体装置を示す図である。
【図7】実施形態2に係る本体装置の構成を示すブロック図である。
【図8】(a)から(c)は、実施形態2に係る本体装置に記憶されている各種テーブルの構成例を示す図である。
【図9】実施形態2に係る本体装置の動作フローを示す図である。
【図10】実施形態3に係る楽音発音装置を示す図である。
【図11】(a)から(d)は、実施形態3に係る楽音発音装置の本体装置において記憶されている各種テーブルの構成例を示す図である。
【図12】実施形態3に係る本体装置の動作フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
(概要)
図1は、本発明の実施形態1に係る発音制御装置と発音装置とを含む楽音発音装置の例を示している。図1に示すように、楽音発音装置1は、配置対象物である複数のブロック10a〜10d(以下、ブロックを区別しないときはブロック10と呼ぶ)と本体装置20とから構成されている。ブロック10は、立方体の形状を有し、子供の手で把持可能な大きさで構成されている。また、ブロック10には予め定められた音と色が割当てられている。ブロック10には、割当てられている色と同じ色が塗られ、ブロック10の各面には、図1に示すように、面毎に異なる図柄が描かれている。
本体装置20は、ブロック10が配置される水平な面200(以下、配置面と言う)を有し、ブロック10が配置される領域を除く配置面200上には、後述する操作ボタン20a及び20bが設けられている。
本実施形態に係る楽音発音装置1は、本体装置20の配置面200に配置されたブロック10の面の向き(姿勢)に応じた個々のブロック10の音を、ブロック10間の位置関係に応じた長さで発音するものであり、ブロック10の面の向き(姿勢)、ブロック10間の位置関係を変化させることで異なる音楽を生成して楽しむことができる知育玩具として利用することができる。以下、本実施形態に係る楽音発音装置1の詳細について説明する。
【0016】
(ブロック10の構成)
図2(a)は、本実施形態で用いるブロック10a〜10gを示している。これらのブロックには、ピアノ等の楽器の音色でドレミファソラシの各音が割当てられている。これらの各ブロックは全て同様に構成されているブロック10の内部には電池(図示略)が内蔵されており、ブロック10の表面には、電源のオンオフを切替える電源スイッチ(図示略)が設けられている。図2(b)には、便宜上、図柄を描いていないが、図2(b)はブロック10を示している。図2(b)に示すようにブロック10の内部には、3軸(XYZ軸)の加速度センサ12が設けられており、ブロック10の姿勢に応じた重力加速度を含む加速度が各軸方向について検出される。
【0017】
図3(a)は、ブロック10の構成を示すブロック図である。ブロック10は、制御部11、姿勢情報検出部12、通信部13を含んで構成されている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)のメモリとを含んで構成されている。CPUは、ROMに記憶されている制御プログラムを実行することにより制御部11と接続されている各部を制御する。姿勢情報検出部12は、上述した3軸の加速度センサを有しており、ブロック10aに定義された各軸方向における加速度の値を一定時間毎に(例えば5msec)に検出して出力する。
【0018】
通信部13は、例えば通信距離が3cm以内の近接無線通信を行うためのアンテナを含む通信手段であり、本体装置20との間の距離が所定通信距離内であるときに通信を確立してデータ通信を行う。本実施形態では、制御部11の制御の下、姿勢検出部12において逐次出力される各軸方向の加速度値と、ブロック10の識別子として予め設定されているブロックIDとを姿勢情報として本体装置20へ送信する。
【0019】
(本体装置20)
次に本体装置20について説明する。図3(b)は、本体装置20の構成を示すブロック図である。本体装置20は、発音制御装置としての機能を有する制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、位置検出部25と、発音装置としての機能を有する音源部26と音声出力部27を含んで構成されている。制御部21は、CPUと、ROM及びRAMのメモリとを含んで構成されており、RAMをワーキングエリアとしてROMに記憶された制御プログラムを実行することで制御部21と接続された各部を制御する。具体的には、制御部21は、ブロック10から姿勢情報を受信し、受信した姿勢情報に基づいてブロック10の姿勢を検出する姿勢検出手段としての機能と、配置されたブロック10の位置関係を検出する検出手段としての機能と、検出した位置関係と姿勢に応じてブロック10に割当てられている楽音の発音を制御する発音制御手段としての機能を有する。
【0020】
また、記憶部22は、内蔵又は外付けされる不揮発性メモリ等の記憶手段であり、ブロック情報テーブル(割当音情報)、ブロック毎の姿勢別音情報テーブル(姿勢別音情報)、姿勢判定テーブル、ブロック間距離情報テーブル(音制御情報)が記憶されている。ここで、図4(a)は、ブロック情報テーブルの構成例及びデータ例を示している。ブロック情報テーブル410は、各ブロック10を識別するためのブロックIDと、ブロック10に割当てられている色と音高とが対応づけられている。
【0021】
また、姿勢別音情報テーブルは、各ブロック10の各面に割当てられている音の情報を記憶する。図4(b)は、一例として、ブロックID“100”に対応する姿勢別音情報テーブルの構成例及びデータ例を示している。この例では、姿勢別音情報テーブル420は、ブロックID“100”のブロック10の姿勢に対応する音、図柄の情報が対応付けられている。姿勢情報は、ブロック10が水平な面に置かれたときに上面となる面を示し、各面には、当該面に描かれている図柄を示す情報が対応づけられている。
この例では、図柄420aが描かれた面1が上面となる姿勢のときに、所定の音高ドを示す楽音が発音される。また、図柄420bが描かれた面2が上面となる姿勢のときは、上記音高ドを半音上げた楽音が発音され、図柄420cが描かれた面3が上面となる姿勢では、上記音高ドを半音下げた楽音が発音される。また、図柄420dが描かれた面4が上面となる姿勢のときは、面1の音高ドを1オクターブ上げた音高ドを示す楽音が発音される。図柄420eが描かれた面5が上面となる姿勢では、面2の音高を更に半音上げた楽音が発音され、図柄420fが描かれた面6が上面となる姿勢では、面3の音高を更に半音下げた楽音が発音される。
【0022】
このように、本実施形態における本体装置20には、ブロック10の姿勢に応じて、ブロック10に割当てられている音を変化させる情報が記憶される。なお、上記姿勢別音情報テーブル420には、説明の便宜上、姿勢に対応する図柄を示す情報が含まれていたが、ブロック10の姿勢毎に音の情報が対応づけられていれば、図柄を示す情報が含まれていなくてもよい。
【0023】
次に、姿勢判定テーブルについて説明する。図4(c)は、姿勢判定テーブルの構成例及びデータ例を示している。姿勢判定テーブル430は、ブロック10の姿勢と、当該姿勢を判定する判定条件とが対応づけられている。ブロックの姿勢情報は、上述した姿勢別音情報テーブル420の姿勢と同様であり、ブロック10が水平な面に置かれたときに上面となる面を示し、当該面が上面となる姿勢のときに、加速度センサ12によって1Gの重力加速度が検出される軸の正負の方向が、当該面に対応する軸方向として対応づけられている。
【0024】
次に、ブロック間距離情報テーブルについて説明する。図4(d)は、ブロック間距離情報テーブルの構成例及びデータ例を示している。ブロック間距離情報テーブル440は、配置面200におけるブロック10間の位置関係を表すブロック間距離と、距離に対応する音の長さとが対応づけられて記憶されている。この例では、ブロック10間の距離がd1以上d2未満である場合には16分音符の音の長さ、d2以上d3未満であれば8分音符の音の長さが対応づけられており、ブロック10間の距離が長くなるほど音の長さが長くなるように設定されている。本実施形態では、ブロック10が配置された順に各ブロック10の音を発音する。例えば、最初にブロック10aが配置され、その後ブロック10bが配置された場合において、これらのブロック間の距離dがd2以上d3未満であるときには、ブロック10aの姿勢に対応する音を8分音符の音の長さで発音し、最後に配置されたブロック10bの姿勢に対応する音を基準の音の長さである4分音符の音の長さで発音する。なお、本実施形態では、最後に配置されたブロック10の音の長さは、4分音符の音の長さで発音するように構成するが、例えば、音が割当てられていないブロック10を予め設け、当該ブロック10を最後に配置することで、当該ブロック10の前に配置されたブロック10と当該ブロック10との距離に応じた音の長さに調整できるように構成してもよい。
【0025】
図3に戻り、本体装置20の構成の説明を続ける。通信部23は、上述した通信部13と同様、近接無線通信を行うためのアンテナを含む通信手段であり、本体装置20の配置面200に接触したブロック10と無線接続できるように複数のアンテナが設けられている。操作部24は、図1に示す、本体装置20の電源(図示略)のオンオフを切替える操作ボタン20a(以下、電源ボタン20aと言う)と、ユーザから発音指示を受付ける受付手段としての機能を有する操作ボタン20b(以下、発音指示ボタン20bと言う)を有し、ユーザによるボタン操作を示す操作信号を制御部21へ送出する。この発音指示ボタン20bは、ユーザが本体装置20にブロック10を配置し終えたときに、配置されたブロック全体の音の発音を指示する場合に押下される。
【0026】
位置検出部25は、ブロック10が配置される本体装置20の配置面200の裏面側に所定間隔毎に設けられた接触センサ(図示略)を有して構成される。位置検出部25は、接触センサによりブロック10が配置されたか否かを検出し、配置されたブロック10の位置を検出する。配置面200上には、予めXY平面が定義されており、ブロック10が配置された位置を示すXY座標が位置検出部25により検出されて制御部21へ送出される。音源部26は、制御部21の制御の下、ブロック10に割当てられている音の楽音信号を生成して出力する。音声出力部27は、音源部26から出力された楽音信号を増幅する増幅部と、増幅された楽音信号の楽音を放音するスピーカを有し、楽音信号を増幅してスピーカから出力する。
【0027】
(動作)
本実施形態に係る楽音発音装置1の動作について説明する。図5は、本実施形態に係る楽音発音装置1の動作フローを示している。以下の説明において、ブロック10及び本体装置20の電源はオンの状態に設定されているものとする。
【0028】
ブロック10の制御部11は、ブロック10の姿勢情報として、姿勢情報検出部12において各軸方向の加速度を所定時間毎に検出する(ステップS11)。制御部11は、ユーザによってブロック10が本体装置20の配置面200に配置されたときに、本体装置20との間で通信を確立し(ステップS12:YES)、姿勢情報検出部12において検出された各軸方向の加速度とブロックIDとを含む姿勢情報を、通信部13を介して本体装置20へ送信する(ステップS13)。なお、制御部11は、本体装置20との間で一定時間内に通信が確立されなければ(ステップS12:NO)、処理を終了する。
【0029】
本体装置20の制御部21は、位置検出部25からブロック10の位置を示す座標が出力され、本体装置20の配置面200にブロック10が配置されたと判断する(ステップS20:YES)。また、制御部21は、ブロック10が配置された際に、ブロック10から送信された姿勢情報を受信し(ステップS21)、受信した姿勢情報に含まれているブロックIDを抽出し、配置された順に各ブロック10のブロックIDと座標の情報をRAMに記憶する(ステップS22)。
【0030】
また、制御部21は、姿勢情報に含まれている各軸の加速度と、記憶部22内の姿勢判定テーブル430とに基づいて、当該ブロック10の姿勢を判定する(ステップS23)。即ち、制御部21は、各軸について検出された加速度のうち、1Gの重力加速度が検出された軸と方向(正又は負)を特定し、姿勢判定テーブル430において、特定した軸と方向が対応づけられている面を特定する。
【0031】
制御部21は、ステップS23において記憶したブロックIDに対応するブロック10について判定した姿勢に対応する音を姿勢別音情報テーブル420から特定し、特定した音の長さが一定の長さ(例えば、4分音符に対応する長さ)となるように音源部26において楽音信号を生成する。そして、生成した楽音信号を音声出力部27において増幅し、増幅した楽音信号に基づく楽音を1回だけ発音する(ステップS24)。
なお、制御部21により、各ブロックIDについて特定した音と座標の情報はブロックIDと対応づけてブロック10の姿勢が変化するまでRAMに配置された順序でで順次記憶され、ブロック10の姿勢が変化した場合には、当該ブロック10のブロックIDに対応づけられている音と座標の情報は消去される。
【0032】
そして、ユーザは、本体装置20の配置面200に所望する順序で各ブロック10を配置し終えた場合に、発音指示ボタン20bを押下する。これにより、制御部21は、操作部24から発音指示を示す操作信号を取得し、ブロック10の配置が完了したと判断する(ステップS25:YES)。制御部21は、RAMに記憶されているブロックIDの座標に基づいて、配置順にブロック10間の距離を検出し、検出した距離に対応する音の長さをブロック間距離情報テーブル440から特定する。制御部21は、ブロックIDに対応づけられた音の情報と特定した音の長さとに基づく楽音信号を音源部26において生成し、音声出力部27において楽音信号を増幅して順次発音する(ステップS26)。この処理により、ユーザが配置したブロック10の順序で、ブロック10間の距離とブロック10の姿勢に応じた楽音が発音される。
【0033】
なお、ステップS20において、制御部21は、位置検出部25からブロック10の位置を示す座標が出力されなければ(ステップS20:NO)、ブロック10が配置されていないと判断し、本体装置20の電源ボタン20aをオフに切替える操作がなされるまで(ステップ27:NO)、ステップS20の処理を行い、電源ボタン20aをオフに切替える操作がなされたときに(ステップS27:YES)、処理を終了する。また、ステップS25において、制御部21は、発音指示ボタン20bが押下されるまで、即ち、ブロック10の配置が完了するまでは(ステップS25:NO)、ステップS20以下の処理を繰り返し行う。
【0034】
ブロック10の制御部11は、電源スイッチをオフに切替える操作がなされるまで(ステップS14:NO)、ステップS11以下の処理を繰り返し、電源スイッチをオフに切替える操作がなされたときに(ステップS14:YES)、処理を終了する。
【0035】
上述した実施形態では、本体装置20に配置されたブロックの姿勢、及びブロック間の距離に応じた楽音が発音されるため、ブロックの位置や姿勢を変化させることで異なるリズムの音楽を簡単に作ることができる。また、ブロック間の距離によって音の長さを変えることができるので、直感的に音の長さを調整することができる。
【0036】
<実施形態2>
本実施形態に係る楽音発音装置は、実施形態1と同様に、ブロック10と本体装置20とで構成されている。図6は、本実施形態に係る本体装置20を上面から見た図である。本実施形態では、本体装置20の配置面200は画像等を表示する表示面として機能し、図6の破線枠内に、予め定められたブロック10の位置や姿勢(ブロック10の上面の図柄)を示す模範画像30を提示する。そして、模範画像30と同様の配置及び姿勢となるようにユーザが配置したブロック10の配置及び姿勢と模範画像30とが一致している場合には、正解を示す音を報知し、一致していない場合には、不正解を示す音を報知する。
なお、本実施形態で用いるブロック10は、実施形態1と同様の図柄が各面に描かれ、ブロック10毎に異なる色が割当てられているが、実施形態1のようにブロック毎に音が割当てられているものではない。また、図6に示すように、本実施形態における本体装置20には、実施形態1と同様の電源ボタン20a及び発音指示ボタン20bに加え、配置面200に表示する模範画像を選択する選択ボタン20cと、選択された模範画像を決定する決定ボタン20dが設けられている。
【0037】
(構成)
以下、本実施形態に係る楽音発音装置1の構成について説明する。なお、以下の説明において、実施形態1と同様の構成については、実施形態1と同じ符号を用い、実施形態1と異なる部分について説明を行う。図7は、本実施形態に係る本体装置20の構成を示すブロック図である。
【0038】
図7に示すように、本実施形態では、実施形態1の構成に加えて、表示部28を含んで構成されている。表示部28は、液晶ディスプレイ等の表示装置で構成され、制御部21の制御の下、模範画像等の画像を表示する機能を有すると共に、本体装置20の配置面200としても機能する。
【0039】
また、記憶部22には、ブロック情報テーブルと、音制御情報として表示制御情報及び報知音情報と、実施形態1と同様の姿勢判定テーブル430が記憶されている。操作部24は、上述の選択ボタン20cと決定ボタン20dを含み、ユーザによるボタン操作を示す操作信号を制御部21へ送出する。なお、本実施形態では、選択ボタン20cを押下する毎に、表示制御情報において予め定義されている模範画像30が表示部28に順次表示され、決定ボタン20dの押下操作により、表示されている模範画像30が比較対象画像として決定される。
【0040】
制御部21は、ユーザによる操作部24の操作に応じて、表示部28を介して模範画像30をユーザに提示する処理と、配置面200に配置されたブロック10から姿勢情報を受信して、各ブロック10の位置、姿勢及び色に基づいて、各ブロック10と模範画像30を比較し、比較結果に応じた報知音を発音させる処理を行う。
【0041】
ここで、記憶部22に記憶されているブロック情報テーブル、表示制御情報及び報知音情報の詳細について説明する。図8(a)は、本実施形態におけるブロック情報テーブルの構成例及びデータ例を示す図である。ブロック情報テーブル500は、ブロック10に予め定められたブロックIDとブロック10に割当てられている色を示す色情報とが対応づけられており、各ブロック10の表面には当該ブロック10に割当てられている色が塗られている。
【0042】
図8(b)は、表示制御情報の構成例及びデータ例を示す図である。図8(b)に示すように、表示制御情報510は、模範画像の画像種別、配置するブロック10の色を示す色情報と、各色のブロック10が配置される座標を示す配置情報と、ブロック10の姿勢を示す姿勢情報とが対応づけられている。
配置情報で定義されている座標は、表示部28において予め定義されたXY平面上の座標であり、姿勢情報は、ブロック10が配置されたときの上面となる面を示す情報である。なお、この例の姿勢情報として定義されている面は、実施形態1における面と同様である。例えば、画像種別“1”の場合、赤、青、黄の各ブロック10を示す画像を配置座標に従って配置面200に表示すると、図6に示す模範画像30のように表示される。
【0043】
次に、報知音情報について説明する。図8(c)は、報知音情報の構成例及びデータ例を示している。報知音情報520は、正解又は不正解を示す報知内容と、報知内容に対応する音種別とが対応づけられている。なお、本実施形態では、正解又は不正解のいずれかを報知する例であるが、例えば、ブロック10の姿勢を除く色と配置だけが一致している場合、又は、ブロック10の配置だけが一致している場合等、模範画像と比較する条件(位置、色、姿勢)の一部が一致する場合には、一致又は不一致の条件に応じた音を報知するようにしてもよい。
【0044】
(動作)
次に、本実施形態における楽音発音装置1の動作について説明する。本実施形態におけるブロック10は実施形態1と同様である。即ち、ブロック10の制御部11は、姿勢情報検出部12において所定時間毎に検出される加速度の情報とブロックIDを含む姿勢情報を、本体装置20との間の通信距離が所定距離内となったとき、即ち、本体装置20の配置面200にブロック10が配置されたときに本体装置20と接続して送信する。以下、本実施形態における本体装置20の動作について説明する。
【0045】
図9は、本実施形態に係る本体装置20の動作フローを示している。ユーザは、本体装置20に設けられている選択ボタン20cを操作し、所望する模範画像を選択する。本体装置20の制御部21は、選択ボタン20cが操作された場合(ステップS31:YES)、記憶部22内の表示制御情報510において定義されている各模範画像に対応する配置情報に従って、表示部28に模範画像を表示する(ステップS32)。ユーザは、配置面200に表示された模範画像を比較対象画像として決定する場合には、決定ボタン20dを押下する。
【0046】
操作部24は決定ボタン20dが押下されると、決定ボタンの押下を示す操作信号を制御部21へ送出する。制御部21は、操作部24からの当該操作信号により、決定ボタン20dが押下されたと判断すると(ステップS33:YES)、表示部28において表示中の模範画像を比較対象画像とし、所定時間が経過するまで表示を続ける(ステップS34:NO)。また、制御部21は、所定時間が経過したときに(ステップS34:YES)、表示中の模範画像の表示を終了する(ステップS35)。
【0047】
ユーザは、配置面200における模範画像の表示が消えた後、模範画像で示されたブロック10の配置となるようにブロック10を配置し、ブロック10を全て配置し終えたときに、発音指示ボタン20bを押下する。
【0048】
制御部21は、配置面200に配置されたブロック10の座標が位置検出部25から送出され 、ブロック10が配置されたと判断する(ステップS36:YES)。また、制御部21は、ブロック10が配置された際に、ブロック10から姿勢情報を受信し、受信した姿勢情報からブロック10の色と姿勢を特定し、特定した色及び姿勢と、検出されたブロック10の座標をRAMに記憶する(ステップS37)。即ち、制御部21は、受信した姿勢情報からブロックIDを抽出し、当該ブロックIDに対応する色をブロック情報テーブル500から特定する。制御部21は、姿勢情報から加速度の情報を抽出し、1Gの重力加速度が検出された軸方向を特定し、記憶部22内の姿勢判定テーブル430に基づいて、特定した軸方向に対応する姿勢を特定する。また、制御部21は、配置されたブロック10について特定した色及び姿勢を当該ブロック10が配置された座標と対応づけた配置座標情報をRAMに記憶する。
【0049】
なお、ブロック10の位置がユーザによって変更された場合には、位置検出部25において当該位置にブロック10が配置されていないことを示す検出結果が制御部21に送出され、制御部21は、RAMに記憶されている当該位置に対応する配置座標情報を消去する。
【0050】
制御部21は、ユーザによって発音指示ボタン20bが押下されるまでは、ブロック10の配置が完了していないと判断して(ステップS38:NO)、ステップS36及びS37の処理を繰り返し行う。そして、ユーザによって発音指示ボタン20bが押下され、操作部24から発音指示を示す操作信号が制御部21に送出されたときに、制御部21は、ブロック10の配置が完了したと判断する(ステップS38:YES)。制御部21は、RAMに記憶されている各ブロックの配置座標情報における座標と、記憶部22内の表示制御情報における比較対象画像の配置情報とを読み出して、配置座標情報の座標に基づくブロック10の配置と模範画像の配置とが一致するか否か判断する(ステップS39)。
【0051】
即ち、制御部21は、配置座標情報の座標に基づくXY平面上の形状と比較対象画像の配置情報に基づくXY平面上の形状とが一致するか否か判断する。形状が一致する場合、配置座標情報の座標を比較対象画像の座標に投影し、配置座標情報の各座標に配置されたブロック10の色と比較対象画像の各座標におけるブロックの色とが一致するか否か判断する。そして、制御部21は、配置座標情報の各座標に配置されたブロック10の色が全て一致していると判断した場合には、配置座標情報の各座標に配置されたブロック10の姿勢と比較対象画像の各座標におけるブロック10の姿勢とが一致しているか否か判断する。このように、制御部21は、ブロック10が配置された形状、各ブロック10の色及び姿勢の各判定条件が比較対象画像と一致しているか否か判断し、全て判定条件を満たしている場合に、比較対象画像と配置されたブロック10の色及び姿勢を含む配置が一致していると判断する。
【0052】
次に、制御部21は、ステップS39において比較対象画像と一致していると判断した場合(ステップS39:YES)、記憶部22内の報知音情報520を参照し、正解を示す音種別「音1」に対応する楽音信号を音源部26において生成し、生成した楽音信号を音声出力部27において増幅して発音する(ステップS40)。
【0053】
また、制御部21は、ステップS39において比較対象画像と一致していないと判断した場合(ステップS39:NO)、報知音情報520を参照して、不正解を示す音種別「音2」に対応する楽音信号を音源部26において生成し、生成した楽音信号を音声出力部27において増幅して発音する(ステップS41)。
【0054】
なお、ステップS31において、選択ボタン20cが操作されなかった場合(ステップS31:NO)、ステップS33において、決定ボタン20dの押下操作がなされるまで(ステップS33:NO)、又は、ステップS36において、位置検出部25においてブロック10の座標が検出されなかった場合(ステップS36:NO)、制御部21は、ユーザによって電源ボタン12が押下されるまで(ステップS42:NO)、ステップS31以下の処理を行い、ユーザによって電源ボタン12が押下されたときに(ステップS42:YES)、処理を終了する。
【0055】
上述の実施形態2に係る楽音発音装置1は、予め設定された模範画像となるようにユーザが本体装置20において配置したブロック10の配置(色と姿勢を含む)が模範画像と一致しているか否かを判定し、判定結果を報知することができるので、ユーザの記憶力や観察力等の判断に用いることができる。
【0056】
<実施形態3>
本実施形態に係る楽音発音装置1は、実施形態2と同様の本体装置20とブロック10とで構成されている。本実施形態では、図10に示すように、本体装置20の配置面200に五線譜とト音記号とを示す画像300(以下、五線譜画像と言う)を表示し、五線譜画像300上に置かれたブロック10a〜10dの位置、色、姿勢に応じた音を発音させる。即ち、本実施形態に係る楽音発音装置1は、五線譜画像300上に配置されたブロック10を音符と見なし、五線譜上のブロック10で指示された音をブロック10の姿勢に応じて発音させるものである。
【0057】
以下、本実施形態に係る楽音発音装置1の詳細について、上述の実施形態2と異なる部分について説明する。なお、以下の説明において、実施形態2と同様の構成については実施形態2と同じ符号を用いるものとする。図11は、本体装置20に記憶されているデータを示す図である。本実施形態に係る記憶部22は、音色情報テーブル610(図11(a))、ブロック情報テーブル620(図11(b))、姿勢情報テーブル630(図11(c))、音情報テーブル(音高情報)640(図11(d))が記憶されている。
【0058】
音色情報テーブル610は、ブロック10の色に対応する音色が定義されており、図11(a)に示すように、ブロック10の色を示すブロック色と音色とが対応づけられている。本実施形態における本体装置20は、五線譜画像300上に配置されるブロック10の色に応じて音色を変えて発音する。例えば、赤のブロック10だけを配置した場合には、ピアノの音色に対応する音が発音され、青のブロック10だけを配置した場合には、オルガンの音色に対応する音が発音され、赤と緑のブロック10を配置した場合には、ピアノとフルートの各音色に対応する音が同時に発音される。
なお、配置されたブロック10の色の組み合わせが、音色情報テーブル610に定義されていない色の組み合わせである場合には、予め定められた音色の音を発音させるようにしてもよいし、発音させないようにしてもよい。
【0059】
ブロック情報テーブル620は、各ブロック10に塗られている色がブロックIDと対応づけられている。また、姿勢情報テーブル630は、ブロック10の姿勢に対応する音が定義されており、ブロック10の姿勢情報と発音態様とが対応づけられている。姿勢情報には、実施形態2と同様、ブロック10の面が定義されており、発音態様は、各面が上面となるときの姿勢に応じた音の長さ、音高、音の強弱等を示す情報が定義されている。
【0060】
例えば、ブロック10の面1を上面とする姿勢で五線譜画像300上に配置した場合には、五線譜上の位置に応じた音(以下、指示音と言う)が四分音符の長さで発音される。面2を上面とする姿勢で配置した場合には、四分音符の長さで指示音を半音上げた音が発音され、面3を上面とする姿勢で配置した場合には、四分音符の長さで指示音を半音下げた音が発音される。また、面4を上面とする姿勢で配置した場合には、指示音が8分音符の長さで発音され、面5を上面とする姿勢で配置した場合には、指示音をフォルテシモで四分音符の長さで演奏した場合の音が発音され、面6を上面とする姿勢で配置した場合には、指示音をピアニシモで4分音符の長さで演奏した場合の音が発音される。本実施形態では、上記姿勢情報テーブル630に基づき、ブロック10の姿勢に応じて、五線譜上で指示された指示音の発音態様を変化させる。なお、この姿勢情報テーブル630は、全てのブロック10に共通して用いられる。
【0061】
音情報テーブル640は、五線譜画像300上における座標と音が定義されており、五線譜画像300が表示されている座標を示すX座標とY座標、X座標及びY座標に対応する音情報が対応づけられている。この場合、各音に対応する五線譜画像300のX座標の範囲は同じであり、各音に応じてY座標の範囲が異なる。例えば、X座標がX1〜Xnの範囲で、Y座標がY2以上Y3未満の位置にブロック10が配置された場合には、レの音が特定される。
【0062】
(動作)
次に、本実施形態に係る楽音発音装置1の動作について説明する。なお、ブロック10の動作フローは実施形態1と同様である。ブロック10の制御部11は、姿勢情報検出部12において所定時間毎に検出される加速度の情報とブロックIDを含む姿勢情報を、本体装置20との間の通信距離が所定距離内となったとき、即ち、本体装置20の配置面200にブロック10が配置されたときに本体装置20と接続して送信する。以下、本実施形態における本体装置20の動作について説明する。
【0063】
図12は、本実施形態における楽音発音装置1の動作フローを示す図である。本体装置20の制御部21は、ユーザによって電源ボタン20aが押下されると(ステップS50:YES)、表示部28において予め定められた五線譜画像300を所定位置に表示する(ステップS51)。
【0064】
ユーザは、本体装置20に表示された五線譜画像300上に、ブロック10を所望する位置に順次配置していく。制御部21は、位置検出部25から五線譜画像300の領域内の座標が送出され、ブロック10が五線譜画像300上に配置されたと判断する(ステップS52:YES)。制御部21は、ブロック10が配置された際にブロック10から姿勢情報を受信して、配置されたブロック10の色と姿勢を検出し、検出した色と姿勢と位置とを対応づけた配置座標情報をブロック10毎にRAMに記憶する(ステップS53)。
【0065】
即ち、制御部21は、ブロック10から受信した姿勢情報からブロックIDを抽出し、当該ブロックIDに対応する色をブロック情報テーブル620から特定する。そして、姿勢情報から加速度の情報を抽出し、1Gの重力加速度が検出された軸方向を特定し、記憶部22内の姿勢判定テーブル430に基づいて、特定した軸方向に対応する姿勢を特定する。そして、制御部21は、配置されたブロック10について特定した色及び姿勢を位置検出部25において検出された座標と対応づけた配置座標情報をRAMに記憶する。制御部21は、RAMに配置座標情報を記憶する毎に、音色情報テーブル610、ブロック情報テーブル620、姿勢情報テーブル630、音情報テーブル640に基づいて、当該配置座標情報に応じた楽音信号を音源部26において生成し、生成した楽音信号を音声出力部27で増幅して1回だけ発音する(ステップS54)。
【0066】
ユーザは、ブロック10を配置し終えると、発音指示ボタン20bを押下する。この操作により、操作部24から発音指示を示す操作信号が制御部21に送出され、制御部21は、ブロック10の配置が完了したと判断する(ステップS55:YES)。そして、制御部21は、RAMに記憶された各配置座標情報を読み出し、各配置座標情報における色の情報から配置されたブロック10の色の組み合わせを特定する。また、特定した色の組み合わせに対応する音色を記憶部22内の音色情報テーブル610から特定する。
【0067】
制御部21は、各配置座標情報におけるX座標の値が小さい順に、各配置座標情報のY座標に対応する音を記憶部22内の音情報テーブル640から特定すると共に、各配置座標情報における各ブロック10の姿勢に対応する発音態様を記憶部22内の姿勢情報テーブル630から特定する。そして、制御部21は、特定した音色と音と発音態様に基づく楽音信号を音源部26において生成し、生成した楽音信号を音声出力部27において増幅して発音する(ステップS56)。これにより、五線譜画像300上に配置されたブロック10の位置、姿勢、色に応じた音が発音される。
【0068】
制御部21は、電源ボタン20aにより電源をオフに切替える操作がユーザによってなされるまで(ステップS57:NO)、ステップS52〜S56の処理を行い、電源をオフに切替える操作がユーザによってなされたときに(ステップS57:YES)、処理を終了する。
【0069】
なお、ステップS50において、ユーザによって電源ボタン20aをオンにする操作がなされなければ(ステップS50:NO)、制御部21は、電源がオンにされるまで待機する。また、ステップS52において、位置検出部25において五線譜画像300における座標が検出されなければ、ブロック10が五線譜画像300上に配置されていないと判断し(ステップS52:NO)、ステップS57の処理を行う。また、ステップS55において、操作部24から発音指示を示す操作信号が制御部21に送出されなければ、制御部21は、ブロック10の配置が完了していないと判断して(ステップS55:NO)、ステップS52〜S54の処理を行う。
【0070】
上述した実施形態3では、五線譜画像300の上に配置されたブロック10の位置、姿勢、色に応じた楽音が発音されるので、ユーザは、所望する色のブロック10を組み合わせることで異なる音色の音楽を作成することができる。また、五線譜画像300の上にブロック10を配置するので、音符と音との関係を直感的に理解することができる。なお、実施形態3では、発音指示ボタン20bが押下された際に、五線譜画像300上に配置された各ブロック10に基づく楽音を1回だけ発音する例であったが、五線譜画像300上に配置された各ブロック10について特定された音色と音と発音態様をRAM又は記憶部22に記憶しておくことで、発音指示ボタン20bがユーザによって繰り返し押下された場合に、記憶している音色と音と音情報に基づく楽音を繰り返し発音させることができる。
【0071】
<変形例>
本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよく、各変形例を組み合わせて実施してもよい。以下、本発明に係る実施形態の変形例について説明する。
【0072】
(1)上述の実施形態1及び2では、ブロック10を本体装置20の配置面200に配置させる例であったが、配置面200に配置されたブロック10の上に他のブロック10を積み上げるようにしてもよい。この場合には、各ブロック10間でも近接無線通信を行うように構成する。例えば、配置面200に配置されたブロック10aの上にブロック10bが積まれた場合において、ブロック10bと本体装置20との間は近接無線通信できない距離であるとする。このとき、ブロック10aとブロック10bとの間で各ブロックのブロックIDと加速度を含む姿勢情報を送受信し、ブロック10aがブロック10bの姿勢情報を本体装置20に送信する。本体装置20は、ブロック10aから受信したブロック10bの姿勢情報を、ブロック10aの2段目に配置されたブロック10bの姿勢情報であることを示す情報と共に、ブロック10aのブロックIDと対応づけてRAMに記憶する。これにより、立体的にブロック10が配置された場合であっても、本体装置20において、ブロック10間の位置関係を特定することができる。また、立体的なブロック10の位置関係に応じて各ブロック10の音を変化させる音制御情報(音の長さや音色等)を予め定義するよう構成することで、本体装置20において配置されたブロック10の立体的な配置に応じた音を音制御情報に従って発音させることができる。
なお、上記の構成では、ブロック10aと近接するように他のブロック10cが配置面200に配置されると、ブロック10aとブロック10cとの間で近接無線通信を行い、各ブロックのブロックIDがブロック間で送受信され、本体装置20へ各々の姿勢情報が送信される。この場合、本体装置20の位置検出部25においてブロック10aとブロック10cの位置が検出され、各々のブロックの姿勢情報も本体装置20に送信される。本体装置20は、ブロック10aからブロック10aの姿勢情報を受信した後、ブロック10cのブロックIDを含む姿勢情報をブロック10aから受信する。また、本体装置20は、ブロック10cからブロック10cの姿勢情報を受信した後、ブロック10aのブロックIDを含む姿勢情報をブロック10cから受信する。従って、この場合、本体装置20は、ブロック10a及びブロック10cの姿勢情報を当該ブロックだけなく他のブロックからも受信する。
このように、本体装置20が、一のブロック10に対する複数の姿勢情報を受信した場合には、当該一のブロック10が位置検出部25で検出されたブロックであれば、当該一のブロック10から送信された姿勢情報を本体装置20において記憶するように構成することで、一のブロック10に対する姿勢情報を一意に特定することができる。
なお、実施形態1では、ブロック10を平面に配置する例であったが、ブロック10を取り外し可能な立体形状の物体に取り付けることにより、ブロック10を立体的に配置するようにしてもよい。
【0073】
(2)また、実施形態1では、配置されたブロック10の姿勢に応じた音を、ブロック10間の位置関係、つまり距離に応じて変化させて発音させる例であったが、配置されたブロック10同士の面の向きに応じて変化させてもよい。ブロック10の面の向きは、例えば、配置面200のY軸正方向を正面とした場合の各ブロック10の上面、底面、右側面、左側面、正面、背面を特定し、隣り合うブロック10の面の組み合わせに応じて、音色、音の強弱等の発音態様を変化させるようにしてもよい。なお。この場合には、予め、ブロック10の面の組み合わせに応じて変化させる制御内容を記憶しておくように構成する。また、ブロック10間の位置関係として、ブロック10間の距離と面の向きの組み合わせに応じて各ブロック10の姿勢に応じた音を発音させてもよい。
【0074】
(3)また、実施形態1では、ブロック10の位置関係に応じた音を発音する例として、配置順序が直前のブロック10との距離に応じた音の長さで各ブロック10の音を発音する例を用いたが、ブロック10の位置関係に応じて音を発音させる態様はこれに限らない。例えば、配置順が前後の各ブロック10の向かい合う面に応じて各ブロック10の音の発音を行うようにしてもよい。例えば、配置面200のY軸正方向を正面とした場合の各ブロック10の上面、底面、右側面、左側面、正面、背面を特定し、ブロック10の向かい合う面の組合わせに応じて、各ブロック10の音の発音態様を変えて発音する。
なお、配置順に関わらず、配置されたブロック10から一定の距離範囲内に配置されている他のブロック10と向かい合う面や距離に応じてブロック10の発音を制御するようにしてもよい。この場合、複数のブロック10が各々一定の距離範囲内にある場合には、ブロック10間の距離が最大又は最小のブロック10と向かい合う面や距離に応じた発音態様で発音させてもよい。また、複数のブロック10のうち、向かい合う面が一致しているブロック10との距離や当該向かい合う面の組み合わせに応じた発音態様で発音させてもよい。
【0075】
また、特定のブロック10を基準ブロックとして設定し、基準ブロックと他のブロック10との間の距離や面の向きに応じた発音態様で他のブロック10の音を発音させるようにしてもよい。この場合には、基準ブロックとの距離や向かい合う面の組み合わせに応じて他のブロック10の音に関する発音態様を示す制御情報を本体装置20において記憶させておくように構成する。
【0076】
また、例えば、3つのブロック10が三角形状となる位置関係で配置された場合には、トライアングルの楽音を3/4拍子で発音させるなど、ブロック10が配置される形状に応じて定められた音を示す音制御情報を本体装置20において予め記憶しておき、配置面200に配置されたブロック10の座標に基づく形状に対応する音制御情報に従って発音させるようにしてもよい。即ち、ブロック10間の位置関係を特定するための条件と位置関係に応じた楽音や発音態様等の発音に関する音制御情報が予め設定されていればよい。
【0077】
(4)また、上述した実施形態1では、ブロック10間の位置関係を示す距離を本体装置20において検出する例について述べたが、各ブロック10に距離センサ等の距離検出手段と、ブロック10間で近接無線通信を行う通信手段を設け、ブロック10が他のブロック10との距離、つまり、位置関係を検出して他のブロック10のブロックIDと距離とを本体装置20に送信するようにしてもよい。
【0078】
(5)また、実施形態1では、各ブロック10からの姿勢情報に基づく楽音信号を本体装置20における音源部26において生成して音声出力部27から出力する例であったが、本体装置20を設けず、各ブロック10において、当該ブロック10の姿勢に対応する楽音を生成して発音する音源部と音声出力部が設けられていてもよい。なお、この場合には、机などの水平な面に配置されたブロック全体の音を発音する指示を受付けるための発音指示スイッチを特定のブロック10に設け、発音指示スイッチが押下されたときに、当該特定のブロック10から他のブロック10へ順に発音指示を送信するようにする。この場合、例えば、ブロック10間の距離の大小関係に応じて発音を指示する順序を決定してもよいし、予め発音するブロック10の順序を定めた条件に従って発音指示を送信するようにしてもよい。
【0079】
(6)また、実施形態1では、ブロック10が本体装置20に配置された順に各ブロック10の楽音を発音させるように構成したが、本体装置20の配置面200において予め定めた座標位置(例えば、原点)から特定の方向(配置面200のX軸方向又はY軸方向)に配置されているブロック10の順に発音するようにしてもよいし、配置された全てのブロック10の楽音を同時に発音してもよい。
【0080】
(7)上述した実施形態1に係るブロック10の各面には、特定の1音が定義されている例であったが、例えば、ドミソ等の和音を構成する複数の音データや、小節単位又はフレーズ単位の楽音データ、母音、子音、音節、単語等の音声データ、拍手、波、滝、雷、動物の鳴き声等の音データが各面に対応づけられていてもよい。
【0081】
(8)また、上述した実施形態1では、ブロック10の姿勢に応じた音の情報が姿勢別音情報テーブルに予め定義されている例であったが、ブロック10の姿勢に応じた音の長さや音高等を求めるための予め定められた演算式を用い、配置されたブロック10の姿勢に対応する音を計算により決定するように構成してもよい。
【0082】
(9)上述した実施形態2に係る楽音発音装置1は、正解又は不正解を音で報知する例であったが、各ブロック10の中にLED等の発光手段や、ブロック10を振動させるバイブレータ等の振動手段を設け、配置されているブロック10を光らせたり、振動させる等の方法で正解又は不正解を報知するようにしてもよい。また、実施形態1及び3の場合には、ブロック10に対応する楽音を発音するタイミングで、ブロック10を光らせたり、振動させたりしてもよい。
【0083】
(10)また、上述した実施形態2では、模範画像をユーザに提示する例であったが、ユーザが比較対象となるブロック10の配置情報を生成してもよい。この場合には、ユーザは、まず、本体装置20の配置面200にブロック10を配置し、本体装置20は、配置されたブロック10の位置座標と姿勢情報とを検出し、ブロックIDと対応づけて模範配置情報として記憶しておく。その後、ユーザによって配置されたブロック10の位置及び姿勢が、模範配置情報と一致するか否かを判断し、一致する場合には正解を報知し、不一致の場合には不正解を報知するようにする。
【0084】
(11)また、上述の実施形態3では、五線譜画像300上に配置されたブロック10の姿勢に応じて、配置された位置に対応する音の長さ等を変化させる例であったが、配置されたブロック10の位置関係(距離や面の向き)や予め定められた基準位置又は基準ブロックとのブロック10との位置関係に応じて音の長さ等の発音態様を変化させるようにしてもよい。
つまり、ブロック10間の位置関係に応じて発音態様を変化させる場合には、五線譜画像300上の隣り合うブロック10のX座標が大きい方のブロック10との距離や向かい合う面に応じて音の長さや音色等を変化させてもよい。この場合には、ブロック10間の距離や向かい合う面の組合せ毎に音の長さや音色等の発音態様を定義した音制御情報を本体装置20において記憶するように構成する。
また、予め定められた基準位置又は基準ブロックとの位置関係に応じて発音態様を変化させる場合には、基準位置又は基準ブロックからの距離に応じた音の長さや音色等の音制御情報を本体装置20に記憶するように構成する。
【0085】
(12)上述の実施形態3では、五線譜画像200上の位置に対応する音高が音情報テーブル640において予め定義されている例であったが、五線譜画像200上の位置座標に対応する音高を求めるための予め定義された演算式を用いて、ブロック10が配置された位置座標に応じた音高を計算によって決定するように構成してもよい。
【0086】
(13)また、実施形態3では、五線譜画像300を本体装置20に表示する例であったが、五線譜画像300は本体装置20の配置面200に予め描かれていてもよい。
【0087】
(14)また、上述した実施形態及び変形例において、音制御情報は予め設定されて記憶されている例であったが、例えば、ブロック10間の距離等の位置関係に応じて音の長さや音量等を求めるための予め定義された演算式を用い、計算によって音制御情報を決定するように構成してもよい。
【0088】
(15)また、実施形態1〜3では、配置対象物として立方体状のブロック10を例にして説明したが、配置対象物は立方体状のブロック10に限らず、多面体、球体、円柱等の形状であってもよい。
【0089】
(16)また、実施形態1〜3では、本体装置20においてブロック10の配置に応じた音を発音させる例であったが、本体装置20と有線又は無線接続された音源部及び音声出力部を有する発音装置に対して、配置されたブロック10の姿勢やブロック10間の位置関係に応じた音の発音を指示するようにしてもよい。
【0090】
(17)上述した実施形態及び変形例における楽音発音装置によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。また、インターネットなどの通信手段を用いて楽音再生装置にダウンロードさせることも可能である。
【符号の説明】
【0091】
1…楽音発音装置、10…ブロック、11,21…制御部、12…姿勢検出部、13,23…通信部、20…本体装置、22…記憶部、24…操作部、25…位置検出部、26…音源部、27…音声出力部、28…表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の位置に応じて発音を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、サイコロ等の立方体の面のうち、どの面が上面に位置しているかを検出し、検出した面に応じた音声を出力する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−241906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術の場合、立方体の面の向きに応じた音を出力することができるが、配置された立方体の位置に応じた音を出力することはできない。
本発明は、ユーザによって配置された物体の位置関係に応じた音を発音させる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る発音制御装置は、配置された配置対象物の位置関係を検出する検出手段と、発音指示を受付ける受付手段と、前記配置対象物の位置関係に対応する音を示す音制御情報を、前記位置関係を示す情報と対応づけて記憶する制御情報記憶手段と、前記受付手段が前記発音指示を受付けると、前記検出手段によって検出された前記位置関係に対応する前記音制御情報を取得し、取得した前記音制御情報に従って発音装置に発音させる発音制御手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の請求項2に係る発音制御装置において、配置された前記配置対象物の姿勢を検出する姿勢検出手段を備え、前記制御情報記憶手段は、前記配置対象物の姿勢に対応する音を示す姿勢別音情報を記憶し、前記発音制御手段は、前記検出手段によって検出された前記配置対象物の位置関係に対応する前記音制御情報と、前記姿勢検出手段により検出された姿勢に対応する前記姿勢別音情報とに従って前記発音装置に発音させることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項3に係る発音制御装置において、前記配置対象物が配置される位置に対応する音高を示す音高情報を記憶する位置情報記憶手段を備え、前記検出手段は、配置された前記配置対象物の位置を検出し、前記発音制御手段は、前記受付手段が前記発音指示を受付けると、前記検出手段によって検出された前記配置対象物の位置に対応する音高情報を前記位置情報記憶手段から特定し、前記配置対象物の前記位置関係に応じた前記音制御情報に従って、特定した音高情報に基づく音を前記発音装置に発音させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項4に係る発音制御装置において、前記配置対象物に予め割当てられている音を示す割当音情報を前記配置対象物毎に記憶する割当音情報記憶手段を備え、前記発音制御手段は、前記受付手段が前記発音指示を受付けると、配置された各配置対象物に対応する前記割当音情報を前記割当音情報記憶手段から特定し、特定した前記割当音情報に基づく音を予め定められた順序に従って前記発音装置に発音させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項5に係る発音制御装置は、利用者が把持して配置可能な形状を有する複数の前記配置対象物を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1及び請求項5に係る発音制御装置によれば、配置対象物の位置関係に応じた音を発音させることができる。
【0011】
本発明の請求項2に係る発音制御装置によれば、配置対象物の位置関係だけでなく配置対象物が配置された姿勢に応じた音を発音させることができる。
【0012】
本発明の請求項3に係る発音制御装置によれば、配置対象物の位置に対応する音を配置対象物の位置関係に応じて発音させることができる。
【0013】
本発明の請求項4に係る発音制御装置によれば、配置された配置対象物に割当てられている音を予め定めた順序で発音させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1に係る楽音発音装置の構成例を示す図である。
【図2】(a)及び(b)は、実施形態1に係るブロックを説明する図である。
【図3】(a)は、実施形態1に係るブロックの構成例を示すブロック図である。(b)は実施形態1に係る本体装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】(a)から(d)は、実施形態1に係る本体装置に記憶されている各種テーブルの構成例を表す図である。
【図5】実施形態1に係る楽音発音装置の動作フローを示す図である。
【図6】実施形態2に係る楽音発音装置の本体装置を示す図である。
【図7】実施形態2に係る本体装置の構成を示すブロック図である。
【図8】(a)から(c)は、実施形態2に係る本体装置に記憶されている各種テーブルの構成例を示す図である。
【図9】実施形態2に係る本体装置の動作フローを示す図である。
【図10】実施形態3に係る楽音発音装置を示す図である。
【図11】(a)から(d)は、実施形態3に係る楽音発音装置の本体装置において記憶されている各種テーブルの構成例を示す図である。
【図12】実施形態3に係る本体装置の動作フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
(概要)
図1は、本発明の実施形態1に係る発音制御装置と発音装置とを含む楽音発音装置の例を示している。図1に示すように、楽音発音装置1は、配置対象物である複数のブロック10a〜10d(以下、ブロックを区別しないときはブロック10と呼ぶ)と本体装置20とから構成されている。ブロック10は、立方体の形状を有し、子供の手で把持可能な大きさで構成されている。また、ブロック10には予め定められた音と色が割当てられている。ブロック10には、割当てられている色と同じ色が塗られ、ブロック10の各面には、図1に示すように、面毎に異なる図柄が描かれている。
本体装置20は、ブロック10が配置される水平な面200(以下、配置面と言う)を有し、ブロック10が配置される領域を除く配置面200上には、後述する操作ボタン20a及び20bが設けられている。
本実施形態に係る楽音発音装置1は、本体装置20の配置面200に配置されたブロック10の面の向き(姿勢)に応じた個々のブロック10の音を、ブロック10間の位置関係に応じた長さで発音するものであり、ブロック10の面の向き(姿勢)、ブロック10間の位置関係を変化させることで異なる音楽を生成して楽しむことができる知育玩具として利用することができる。以下、本実施形態に係る楽音発音装置1の詳細について説明する。
【0016】
(ブロック10の構成)
図2(a)は、本実施形態で用いるブロック10a〜10gを示している。これらのブロックには、ピアノ等の楽器の音色でドレミファソラシの各音が割当てられている。これらの各ブロックは全て同様に構成されているブロック10の内部には電池(図示略)が内蔵されており、ブロック10の表面には、電源のオンオフを切替える電源スイッチ(図示略)が設けられている。図2(b)には、便宜上、図柄を描いていないが、図2(b)はブロック10を示している。図2(b)に示すようにブロック10の内部には、3軸(XYZ軸)の加速度センサ12が設けられており、ブロック10の姿勢に応じた重力加速度を含む加速度が各軸方向について検出される。
【0017】
図3(a)は、ブロック10の構成を示すブロック図である。ブロック10は、制御部11、姿勢情報検出部12、通信部13を含んで構成されている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)のメモリとを含んで構成されている。CPUは、ROMに記憶されている制御プログラムを実行することにより制御部11と接続されている各部を制御する。姿勢情報検出部12は、上述した3軸の加速度センサを有しており、ブロック10aに定義された各軸方向における加速度の値を一定時間毎に(例えば5msec)に検出して出力する。
【0018】
通信部13は、例えば通信距離が3cm以内の近接無線通信を行うためのアンテナを含む通信手段であり、本体装置20との間の距離が所定通信距離内であるときに通信を確立してデータ通信を行う。本実施形態では、制御部11の制御の下、姿勢検出部12において逐次出力される各軸方向の加速度値と、ブロック10の識別子として予め設定されているブロックIDとを姿勢情報として本体装置20へ送信する。
【0019】
(本体装置20)
次に本体装置20について説明する。図3(b)は、本体装置20の構成を示すブロック図である。本体装置20は、発音制御装置としての機能を有する制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、位置検出部25と、発音装置としての機能を有する音源部26と音声出力部27を含んで構成されている。制御部21は、CPUと、ROM及びRAMのメモリとを含んで構成されており、RAMをワーキングエリアとしてROMに記憶された制御プログラムを実行することで制御部21と接続された各部を制御する。具体的には、制御部21は、ブロック10から姿勢情報を受信し、受信した姿勢情報に基づいてブロック10の姿勢を検出する姿勢検出手段としての機能と、配置されたブロック10の位置関係を検出する検出手段としての機能と、検出した位置関係と姿勢に応じてブロック10に割当てられている楽音の発音を制御する発音制御手段としての機能を有する。
【0020】
また、記憶部22は、内蔵又は外付けされる不揮発性メモリ等の記憶手段であり、ブロック情報テーブル(割当音情報)、ブロック毎の姿勢別音情報テーブル(姿勢別音情報)、姿勢判定テーブル、ブロック間距離情報テーブル(音制御情報)が記憶されている。ここで、図4(a)は、ブロック情報テーブルの構成例及びデータ例を示している。ブロック情報テーブル410は、各ブロック10を識別するためのブロックIDと、ブロック10に割当てられている色と音高とが対応づけられている。
【0021】
また、姿勢別音情報テーブルは、各ブロック10の各面に割当てられている音の情報を記憶する。図4(b)は、一例として、ブロックID“100”に対応する姿勢別音情報テーブルの構成例及びデータ例を示している。この例では、姿勢別音情報テーブル420は、ブロックID“100”のブロック10の姿勢に対応する音、図柄の情報が対応付けられている。姿勢情報は、ブロック10が水平な面に置かれたときに上面となる面を示し、各面には、当該面に描かれている図柄を示す情報が対応づけられている。
この例では、図柄420aが描かれた面1が上面となる姿勢のときに、所定の音高ドを示す楽音が発音される。また、図柄420bが描かれた面2が上面となる姿勢のときは、上記音高ドを半音上げた楽音が発音され、図柄420cが描かれた面3が上面となる姿勢では、上記音高ドを半音下げた楽音が発音される。また、図柄420dが描かれた面4が上面となる姿勢のときは、面1の音高ドを1オクターブ上げた音高ドを示す楽音が発音される。図柄420eが描かれた面5が上面となる姿勢では、面2の音高を更に半音上げた楽音が発音され、図柄420fが描かれた面6が上面となる姿勢では、面3の音高を更に半音下げた楽音が発音される。
【0022】
このように、本実施形態における本体装置20には、ブロック10の姿勢に応じて、ブロック10に割当てられている音を変化させる情報が記憶される。なお、上記姿勢別音情報テーブル420には、説明の便宜上、姿勢に対応する図柄を示す情報が含まれていたが、ブロック10の姿勢毎に音の情報が対応づけられていれば、図柄を示す情報が含まれていなくてもよい。
【0023】
次に、姿勢判定テーブルについて説明する。図4(c)は、姿勢判定テーブルの構成例及びデータ例を示している。姿勢判定テーブル430は、ブロック10の姿勢と、当該姿勢を判定する判定条件とが対応づけられている。ブロックの姿勢情報は、上述した姿勢別音情報テーブル420の姿勢と同様であり、ブロック10が水平な面に置かれたときに上面となる面を示し、当該面が上面となる姿勢のときに、加速度センサ12によって1Gの重力加速度が検出される軸の正負の方向が、当該面に対応する軸方向として対応づけられている。
【0024】
次に、ブロック間距離情報テーブルについて説明する。図4(d)は、ブロック間距離情報テーブルの構成例及びデータ例を示している。ブロック間距離情報テーブル440は、配置面200におけるブロック10間の位置関係を表すブロック間距離と、距離に対応する音の長さとが対応づけられて記憶されている。この例では、ブロック10間の距離がd1以上d2未満である場合には16分音符の音の長さ、d2以上d3未満であれば8分音符の音の長さが対応づけられており、ブロック10間の距離が長くなるほど音の長さが長くなるように設定されている。本実施形態では、ブロック10が配置された順に各ブロック10の音を発音する。例えば、最初にブロック10aが配置され、その後ブロック10bが配置された場合において、これらのブロック間の距離dがd2以上d3未満であるときには、ブロック10aの姿勢に対応する音を8分音符の音の長さで発音し、最後に配置されたブロック10bの姿勢に対応する音を基準の音の長さである4分音符の音の長さで発音する。なお、本実施形態では、最後に配置されたブロック10の音の長さは、4分音符の音の長さで発音するように構成するが、例えば、音が割当てられていないブロック10を予め設け、当該ブロック10を最後に配置することで、当該ブロック10の前に配置されたブロック10と当該ブロック10との距離に応じた音の長さに調整できるように構成してもよい。
【0025】
図3に戻り、本体装置20の構成の説明を続ける。通信部23は、上述した通信部13と同様、近接無線通信を行うためのアンテナを含む通信手段であり、本体装置20の配置面200に接触したブロック10と無線接続できるように複数のアンテナが設けられている。操作部24は、図1に示す、本体装置20の電源(図示略)のオンオフを切替える操作ボタン20a(以下、電源ボタン20aと言う)と、ユーザから発音指示を受付ける受付手段としての機能を有する操作ボタン20b(以下、発音指示ボタン20bと言う)を有し、ユーザによるボタン操作を示す操作信号を制御部21へ送出する。この発音指示ボタン20bは、ユーザが本体装置20にブロック10を配置し終えたときに、配置されたブロック全体の音の発音を指示する場合に押下される。
【0026】
位置検出部25は、ブロック10が配置される本体装置20の配置面200の裏面側に所定間隔毎に設けられた接触センサ(図示略)を有して構成される。位置検出部25は、接触センサによりブロック10が配置されたか否かを検出し、配置されたブロック10の位置を検出する。配置面200上には、予めXY平面が定義されており、ブロック10が配置された位置を示すXY座標が位置検出部25により検出されて制御部21へ送出される。音源部26は、制御部21の制御の下、ブロック10に割当てられている音の楽音信号を生成して出力する。音声出力部27は、音源部26から出力された楽音信号を増幅する増幅部と、増幅された楽音信号の楽音を放音するスピーカを有し、楽音信号を増幅してスピーカから出力する。
【0027】
(動作)
本実施形態に係る楽音発音装置1の動作について説明する。図5は、本実施形態に係る楽音発音装置1の動作フローを示している。以下の説明において、ブロック10及び本体装置20の電源はオンの状態に設定されているものとする。
【0028】
ブロック10の制御部11は、ブロック10の姿勢情報として、姿勢情報検出部12において各軸方向の加速度を所定時間毎に検出する(ステップS11)。制御部11は、ユーザによってブロック10が本体装置20の配置面200に配置されたときに、本体装置20との間で通信を確立し(ステップS12:YES)、姿勢情報検出部12において検出された各軸方向の加速度とブロックIDとを含む姿勢情報を、通信部13を介して本体装置20へ送信する(ステップS13)。なお、制御部11は、本体装置20との間で一定時間内に通信が確立されなければ(ステップS12:NO)、処理を終了する。
【0029】
本体装置20の制御部21は、位置検出部25からブロック10の位置を示す座標が出力され、本体装置20の配置面200にブロック10が配置されたと判断する(ステップS20:YES)。また、制御部21は、ブロック10が配置された際に、ブロック10から送信された姿勢情報を受信し(ステップS21)、受信した姿勢情報に含まれているブロックIDを抽出し、配置された順に各ブロック10のブロックIDと座標の情報をRAMに記憶する(ステップS22)。
【0030】
また、制御部21は、姿勢情報に含まれている各軸の加速度と、記憶部22内の姿勢判定テーブル430とに基づいて、当該ブロック10の姿勢を判定する(ステップS23)。即ち、制御部21は、各軸について検出された加速度のうち、1Gの重力加速度が検出された軸と方向(正又は負)を特定し、姿勢判定テーブル430において、特定した軸と方向が対応づけられている面を特定する。
【0031】
制御部21は、ステップS23において記憶したブロックIDに対応するブロック10について判定した姿勢に対応する音を姿勢別音情報テーブル420から特定し、特定した音の長さが一定の長さ(例えば、4分音符に対応する長さ)となるように音源部26において楽音信号を生成する。そして、生成した楽音信号を音声出力部27において増幅し、増幅した楽音信号に基づく楽音を1回だけ発音する(ステップS24)。
なお、制御部21により、各ブロックIDについて特定した音と座標の情報はブロックIDと対応づけてブロック10の姿勢が変化するまでRAMに配置された順序でで順次記憶され、ブロック10の姿勢が変化した場合には、当該ブロック10のブロックIDに対応づけられている音と座標の情報は消去される。
【0032】
そして、ユーザは、本体装置20の配置面200に所望する順序で各ブロック10を配置し終えた場合に、発音指示ボタン20bを押下する。これにより、制御部21は、操作部24から発音指示を示す操作信号を取得し、ブロック10の配置が完了したと判断する(ステップS25:YES)。制御部21は、RAMに記憶されているブロックIDの座標に基づいて、配置順にブロック10間の距離を検出し、検出した距離に対応する音の長さをブロック間距離情報テーブル440から特定する。制御部21は、ブロックIDに対応づけられた音の情報と特定した音の長さとに基づく楽音信号を音源部26において生成し、音声出力部27において楽音信号を増幅して順次発音する(ステップS26)。この処理により、ユーザが配置したブロック10の順序で、ブロック10間の距離とブロック10の姿勢に応じた楽音が発音される。
【0033】
なお、ステップS20において、制御部21は、位置検出部25からブロック10の位置を示す座標が出力されなければ(ステップS20:NO)、ブロック10が配置されていないと判断し、本体装置20の電源ボタン20aをオフに切替える操作がなされるまで(ステップ27:NO)、ステップS20の処理を行い、電源ボタン20aをオフに切替える操作がなされたときに(ステップS27:YES)、処理を終了する。また、ステップS25において、制御部21は、発音指示ボタン20bが押下されるまで、即ち、ブロック10の配置が完了するまでは(ステップS25:NO)、ステップS20以下の処理を繰り返し行う。
【0034】
ブロック10の制御部11は、電源スイッチをオフに切替える操作がなされるまで(ステップS14:NO)、ステップS11以下の処理を繰り返し、電源スイッチをオフに切替える操作がなされたときに(ステップS14:YES)、処理を終了する。
【0035】
上述した実施形態では、本体装置20に配置されたブロックの姿勢、及びブロック間の距離に応じた楽音が発音されるため、ブロックの位置や姿勢を変化させることで異なるリズムの音楽を簡単に作ることができる。また、ブロック間の距離によって音の長さを変えることができるので、直感的に音の長さを調整することができる。
【0036】
<実施形態2>
本実施形態に係る楽音発音装置は、実施形態1と同様に、ブロック10と本体装置20とで構成されている。図6は、本実施形態に係る本体装置20を上面から見た図である。本実施形態では、本体装置20の配置面200は画像等を表示する表示面として機能し、図6の破線枠内に、予め定められたブロック10の位置や姿勢(ブロック10の上面の図柄)を示す模範画像30を提示する。そして、模範画像30と同様の配置及び姿勢となるようにユーザが配置したブロック10の配置及び姿勢と模範画像30とが一致している場合には、正解を示す音を報知し、一致していない場合には、不正解を示す音を報知する。
なお、本実施形態で用いるブロック10は、実施形態1と同様の図柄が各面に描かれ、ブロック10毎に異なる色が割当てられているが、実施形態1のようにブロック毎に音が割当てられているものではない。また、図6に示すように、本実施形態における本体装置20には、実施形態1と同様の電源ボタン20a及び発音指示ボタン20bに加え、配置面200に表示する模範画像を選択する選択ボタン20cと、選択された模範画像を決定する決定ボタン20dが設けられている。
【0037】
(構成)
以下、本実施形態に係る楽音発音装置1の構成について説明する。なお、以下の説明において、実施形態1と同様の構成については、実施形態1と同じ符号を用い、実施形態1と異なる部分について説明を行う。図7は、本実施形態に係る本体装置20の構成を示すブロック図である。
【0038】
図7に示すように、本実施形態では、実施形態1の構成に加えて、表示部28を含んで構成されている。表示部28は、液晶ディスプレイ等の表示装置で構成され、制御部21の制御の下、模範画像等の画像を表示する機能を有すると共に、本体装置20の配置面200としても機能する。
【0039】
また、記憶部22には、ブロック情報テーブルと、音制御情報として表示制御情報及び報知音情報と、実施形態1と同様の姿勢判定テーブル430が記憶されている。操作部24は、上述の選択ボタン20cと決定ボタン20dを含み、ユーザによるボタン操作を示す操作信号を制御部21へ送出する。なお、本実施形態では、選択ボタン20cを押下する毎に、表示制御情報において予め定義されている模範画像30が表示部28に順次表示され、決定ボタン20dの押下操作により、表示されている模範画像30が比較対象画像として決定される。
【0040】
制御部21は、ユーザによる操作部24の操作に応じて、表示部28を介して模範画像30をユーザに提示する処理と、配置面200に配置されたブロック10から姿勢情報を受信して、各ブロック10の位置、姿勢及び色に基づいて、各ブロック10と模範画像30を比較し、比較結果に応じた報知音を発音させる処理を行う。
【0041】
ここで、記憶部22に記憶されているブロック情報テーブル、表示制御情報及び報知音情報の詳細について説明する。図8(a)は、本実施形態におけるブロック情報テーブルの構成例及びデータ例を示す図である。ブロック情報テーブル500は、ブロック10に予め定められたブロックIDとブロック10に割当てられている色を示す色情報とが対応づけられており、各ブロック10の表面には当該ブロック10に割当てられている色が塗られている。
【0042】
図8(b)は、表示制御情報の構成例及びデータ例を示す図である。図8(b)に示すように、表示制御情報510は、模範画像の画像種別、配置するブロック10の色を示す色情報と、各色のブロック10が配置される座標を示す配置情報と、ブロック10の姿勢を示す姿勢情報とが対応づけられている。
配置情報で定義されている座標は、表示部28において予め定義されたXY平面上の座標であり、姿勢情報は、ブロック10が配置されたときの上面となる面を示す情報である。なお、この例の姿勢情報として定義されている面は、実施形態1における面と同様である。例えば、画像種別“1”の場合、赤、青、黄の各ブロック10を示す画像を配置座標に従って配置面200に表示すると、図6に示す模範画像30のように表示される。
【0043】
次に、報知音情報について説明する。図8(c)は、報知音情報の構成例及びデータ例を示している。報知音情報520は、正解又は不正解を示す報知内容と、報知内容に対応する音種別とが対応づけられている。なお、本実施形態では、正解又は不正解のいずれかを報知する例であるが、例えば、ブロック10の姿勢を除く色と配置だけが一致している場合、又は、ブロック10の配置だけが一致している場合等、模範画像と比較する条件(位置、色、姿勢)の一部が一致する場合には、一致又は不一致の条件に応じた音を報知するようにしてもよい。
【0044】
(動作)
次に、本実施形態における楽音発音装置1の動作について説明する。本実施形態におけるブロック10は実施形態1と同様である。即ち、ブロック10の制御部11は、姿勢情報検出部12において所定時間毎に検出される加速度の情報とブロックIDを含む姿勢情報を、本体装置20との間の通信距離が所定距離内となったとき、即ち、本体装置20の配置面200にブロック10が配置されたときに本体装置20と接続して送信する。以下、本実施形態における本体装置20の動作について説明する。
【0045】
図9は、本実施形態に係る本体装置20の動作フローを示している。ユーザは、本体装置20に設けられている選択ボタン20cを操作し、所望する模範画像を選択する。本体装置20の制御部21は、選択ボタン20cが操作された場合(ステップS31:YES)、記憶部22内の表示制御情報510において定義されている各模範画像に対応する配置情報に従って、表示部28に模範画像を表示する(ステップS32)。ユーザは、配置面200に表示された模範画像を比較対象画像として決定する場合には、決定ボタン20dを押下する。
【0046】
操作部24は決定ボタン20dが押下されると、決定ボタンの押下を示す操作信号を制御部21へ送出する。制御部21は、操作部24からの当該操作信号により、決定ボタン20dが押下されたと判断すると(ステップS33:YES)、表示部28において表示中の模範画像を比較対象画像とし、所定時間が経過するまで表示を続ける(ステップS34:NO)。また、制御部21は、所定時間が経過したときに(ステップS34:YES)、表示中の模範画像の表示を終了する(ステップS35)。
【0047】
ユーザは、配置面200における模範画像の表示が消えた後、模範画像で示されたブロック10の配置となるようにブロック10を配置し、ブロック10を全て配置し終えたときに、発音指示ボタン20bを押下する。
【0048】
制御部21は、配置面200に配置されたブロック10の座標が位置検出部25から送出され 、ブロック10が配置されたと判断する(ステップS36:YES)。また、制御部21は、ブロック10が配置された際に、ブロック10から姿勢情報を受信し、受信した姿勢情報からブロック10の色と姿勢を特定し、特定した色及び姿勢と、検出されたブロック10の座標をRAMに記憶する(ステップS37)。即ち、制御部21は、受信した姿勢情報からブロックIDを抽出し、当該ブロックIDに対応する色をブロック情報テーブル500から特定する。制御部21は、姿勢情報から加速度の情報を抽出し、1Gの重力加速度が検出された軸方向を特定し、記憶部22内の姿勢判定テーブル430に基づいて、特定した軸方向に対応する姿勢を特定する。また、制御部21は、配置されたブロック10について特定した色及び姿勢を当該ブロック10が配置された座標と対応づけた配置座標情報をRAMに記憶する。
【0049】
なお、ブロック10の位置がユーザによって変更された場合には、位置検出部25において当該位置にブロック10が配置されていないことを示す検出結果が制御部21に送出され、制御部21は、RAMに記憶されている当該位置に対応する配置座標情報を消去する。
【0050】
制御部21は、ユーザによって発音指示ボタン20bが押下されるまでは、ブロック10の配置が完了していないと判断して(ステップS38:NO)、ステップS36及びS37の処理を繰り返し行う。そして、ユーザによって発音指示ボタン20bが押下され、操作部24から発音指示を示す操作信号が制御部21に送出されたときに、制御部21は、ブロック10の配置が完了したと判断する(ステップS38:YES)。制御部21は、RAMに記憶されている各ブロックの配置座標情報における座標と、記憶部22内の表示制御情報における比較対象画像の配置情報とを読み出して、配置座標情報の座標に基づくブロック10の配置と模範画像の配置とが一致するか否か判断する(ステップS39)。
【0051】
即ち、制御部21は、配置座標情報の座標に基づくXY平面上の形状と比較対象画像の配置情報に基づくXY平面上の形状とが一致するか否か判断する。形状が一致する場合、配置座標情報の座標を比較対象画像の座標に投影し、配置座標情報の各座標に配置されたブロック10の色と比較対象画像の各座標におけるブロックの色とが一致するか否か判断する。そして、制御部21は、配置座標情報の各座標に配置されたブロック10の色が全て一致していると判断した場合には、配置座標情報の各座標に配置されたブロック10の姿勢と比較対象画像の各座標におけるブロック10の姿勢とが一致しているか否か判断する。このように、制御部21は、ブロック10が配置された形状、各ブロック10の色及び姿勢の各判定条件が比較対象画像と一致しているか否か判断し、全て判定条件を満たしている場合に、比較対象画像と配置されたブロック10の色及び姿勢を含む配置が一致していると判断する。
【0052】
次に、制御部21は、ステップS39において比較対象画像と一致していると判断した場合(ステップS39:YES)、記憶部22内の報知音情報520を参照し、正解を示す音種別「音1」に対応する楽音信号を音源部26において生成し、生成した楽音信号を音声出力部27において増幅して発音する(ステップS40)。
【0053】
また、制御部21は、ステップS39において比較対象画像と一致していないと判断した場合(ステップS39:NO)、報知音情報520を参照して、不正解を示す音種別「音2」に対応する楽音信号を音源部26において生成し、生成した楽音信号を音声出力部27において増幅して発音する(ステップS41)。
【0054】
なお、ステップS31において、選択ボタン20cが操作されなかった場合(ステップS31:NO)、ステップS33において、決定ボタン20dの押下操作がなされるまで(ステップS33:NO)、又は、ステップS36において、位置検出部25においてブロック10の座標が検出されなかった場合(ステップS36:NO)、制御部21は、ユーザによって電源ボタン12が押下されるまで(ステップS42:NO)、ステップS31以下の処理を行い、ユーザによって電源ボタン12が押下されたときに(ステップS42:YES)、処理を終了する。
【0055】
上述の実施形態2に係る楽音発音装置1は、予め設定された模範画像となるようにユーザが本体装置20において配置したブロック10の配置(色と姿勢を含む)が模範画像と一致しているか否かを判定し、判定結果を報知することができるので、ユーザの記憶力や観察力等の判断に用いることができる。
【0056】
<実施形態3>
本実施形態に係る楽音発音装置1は、実施形態2と同様の本体装置20とブロック10とで構成されている。本実施形態では、図10に示すように、本体装置20の配置面200に五線譜とト音記号とを示す画像300(以下、五線譜画像と言う)を表示し、五線譜画像300上に置かれたブロック10a〜10dの位置、色、姿勢に応じた音を発音させる。即ち、本実施形態に係る楽音発音装置1は、五線譜画像300上に配置されたブロック10を音符と見なし、五線譜上のブロック10で指示された音をブロック10の姿勢に応じて発音させるものである。
【0057】
以下、本実施形態に係る楽音発音装置1の詳細について、上述の実施形態2と異なる部分について説明する。なお、以下の説明において、実施形態2と同様の構成については実施形態2と同じ符号を用いるものとする。図11は、本体装置20に記憶されているデータを示す図である。本実施形態に係る記憶部22は、音色情報テーブル610(図11(a))、ブロック情報テーブル620(図11(b))、姿勢情報テーブル630(図11(c))、音情報テーブル(音高情報)640(図11(d))が記憶されている。
【0058】
音色情報テーブル610は、ブロック10の色に対応する音色が定義されており、図11(a)に示すように、ブロック10の色を示すブロック色と音色とが対応づけられている。本実施形態における本体装置20は、五線譜画像300上に配置されるブロック10の色に応じて音色を変えて発音する。例えば、赤のブロック10だけを配置した場合には、ピアノの音色に対応する音が発音され、青のブロック10だけを配置した場合には、オルガンの音色に対応する音が発音され、赤と緑のブロック10を配置した場合には、ピアノとフルートの各音色に対応する音が同時に発音される。
なお、配置されたブロック10の色の組み合わせが、音色情報テーブル610に定義されていない色の組み合わせである場合には、予め定められた音色の音を発音させるようにしてもよいし、発音させないようにしてもよい。
【0059】
ブロック情報テーブル620は、各ブロック10に塗られている色がブロックIDと対応づけられている。また、姿勢情報テーブル630は、ブロック10の姿勢に対応する音が定義されており、ブロック10の姿勢情報と発音態様とが対応づけられている。姿勢情報には、実施形態2と同様、ブロック10の面が定義されており、発音態様は、各面が上面となるときの姿勢に応じた音の長さ、音高、音の強弱等を示す情報が定義されている。
【0060】
例えば、ブロック10の面1を上面とする姿勢で五線譜画像300上に配置した場合には、五線譜上の位置に応じた音(以下、指示音と言う)が四分音符の長さで発音される。面2を上面とする姿勢で配置した場合には、四分音符の長さで指示音を半音上げた音が発音され、面3を上面とする姿勢で配置した場合には、四分音符の長さで指示音を半音下げた音が発音される。また、面4を上面とする姿勢で配置した場合には、指示音が8分音符の長さで発音され、面5を上面とする姿勢で配置した場合には、指示音をフォルテシモで四分音符の長さで演奏した場合の音が発音され、面6を上面とする姿勢で配置した場合には、指示音をピアニシモで4分音符の長さで演奏した場合の音が発音される。本実施形態では、上記姿勢情報テーブル630に基づき、ブロック10の姿勢に応じて、五線譜上で指示された指示音の発音態様を変化させる。なお、この姿勢情報テーブル630は、全てのブロック10に共通して用いられる。
【0061】
音情報テーブル640は、五線譜画像300上における座標と音が定義されており、五線譜画像300が表示されている座標を示すX座標とY座標、X座標及びY座標に対応する音情報が対応づけられている。この場合、各音に対応する五線譜画像300のX座標の範囲は同じであり、各音に応じてY座標の範囲が異なる。例えば、X座標がX1〜Xnの範囲で、Y座標がY2以上Y3未満の位置にブロック10が配置された場合には、レの音が特定される。
【0062】
(動作)
次に、本実施形態に係る楽音発音装置1の動作について説明する。なお、ブロック10の動作フローは実施形態1と同様である。ブロック10の制御部11は、姿勢情報検出部12において所定時間毎に検出される加速度の情報とブロックIDを含む姿勢情報を、本体装置20との間の通信距離が所定距離内となったとき、即ち、本体装置20の配置面200にブロック10が配置されたときに本体装置20と接続して送信する。以下、本実施形態における本体装置20の動作について説明する。
【0063】
図12は、本実施形態における楽音発音装置1の動作フローを示す図である。本体装置20の制御部21は、ユーザによって電源ボタン20aが押下されると(ステップS50:YES)、表示部28において予め定められた五線譜画像300を所定位置に表示する(ステップS51)。
【0064】
ユーザは、本体装置20に表示された五線譜画像300上に、ブロック10を所望する位置に順次配置していく。制御部21は、位置検出部25から五線譜画像300の領域内の座標が送出され、ブロック10が五線譜画像300上に配置されたと判断する(ステップS52:YES)。制御部21は、ブロック10が配置された際にブロック10から姿勢情報を受信して、配置されたブロック10の色と姿勢を検出し、検出した色と姿勢と位置とを対応づけた配置座標情報をブロック10毎にRAMに記憶する(ステップS53)。
【0065】
即ち、制御部21は、ブロック10から受信した姿勢情報からブロックIDを抽出し、当該ブロックIDに対応する色をブロック情報テーブル620から特定する。そして、姿勢情報から加速度の情報を抽出し、1Gの重力加速度が検出された軸方向を特定し、記憶部22内の姿勢判定テーブル430に基づいて、特定した軸方向に対応する姿勢を特定する。そして、制御部21は、配置されたブロック10について特定した色及び姿勢を位置検出部25において検出された座標と対応づけた配置座標情報をRAMに記憶する。制御部21は、RAMに配置座標情報を記憶する毎に、音色情報テーブル610、ブロック情報テーブル620、姿勢情報テーブル630、音情報テーブル640に基づいて、当該配置座標情報に応じた楽音信号を音源部26において生成し、生成した楽音信号を音声出力部27で増幅して1回だけ発音する(ステップS54)。
【0066】
ユーザは、ブロック10を配置し終えると、発音指示ボタン20bを押下する。この操作により、操作部24から発音指示を示す操作信号が制御部21に送出され、制御部21は、ブロック10の配置が完了したと判断する(ステップS55:YES)。そして、制御部21は、RAMに記憶された各配置座標情報を読み出し、各配置座標情報における色の情報から配置されたブロック10の色の組み合わせを特定する。また、特定した色の組み合わせに対応する音色を記憶部22内の音色情報テーブル610から特定する。
【0067】
制御部21は、各配置座標情報におけるX座標の値が小さい順に、各配置座標情報のY座標に対応する音を記憶部22内の音情報テーブル640から特定すると共に、各配置座標情報における各ブロック10の姿勢に対応する発音態様を記憶部22内の姿勢情報テーブル630から特定する。そして、制御部21は、特定した音色と音と発音態様に基づく楽音信号を音源部26において生成し、生成した楽音信号を音声出力部27において増幅して発音する(ステップS56)。これにより、五線譜画像300上に配置されたブロック10の位置、姿勢、色に応じた音が発音される。
【0068】
制御部21は、電源ボタン20aにより電源をオフに切替える操作がユーザによってなされるまで(ステップS57:NO)、ステップS52〜S56の処理を行い、電源をオフに切替える操作がユーザによってなされたときに(ステップS57:YES)、処理を終了する。
【0069】
なお、ステップS50において、ユーザによって電源ボタン20aをオンにする操作がなされなければ(ステップS50:NO)、制御部21は、電源がオンにされるまで待機する。また、ステップS52において、位置検出部25において五線譜画像300における座標が検出されなければ、ブロック10が五線譜画像300上に配置されていないと判断し(ステップS52:NO)、ステップS57の処理を行う。また、ステップS55において、操作部24から発音指示を示す操作信号が制御部21に送出されなければ、制御部21は、ブロック10の配置が完了していないと判断して(ステップS55:NO)、ステップS52〜S54の処理を行う。
【0070】
上述した実施形態3では、五線譜画像300の上に配置されたブロック10の位置、姿勢、色に応じた楽音が発音されるので、ユーザは、所望する色のブロック10を組み合わせることで異なる音色の音楽を作成することができる。また、五線譜画像300の上にブロック10を配置するので、音符と音との関係を直感的に理解することができる。なお、実施形態3では、発音指示ボタン20bが押下された際に、五線譜画像300上に配置された各ブロック10に基づく楽音を1回だけ発音する例であったが、五線譜画像300上に配置された各ブロック10について特定された音色と音と発音態様をRAM又は記憶部22に記憶しておくことで、発音指示ボタン20bがユーザによって繰り返し押下された場合に、記憶している音色と音と音情報に基づく楽音を繰り返し発音させることができる。
【0071】
<変形例>
本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよく、各変形例を組み合わせて実施してもよい。以下、本発明に係る実施形態の変形例について説明する。
【0072】
(1)上述の実施形態1及び2では、ブロック10を本体装置20の配置面200に配置させる例であったが、配置面200に配置されたブロック10の上に他のブロック10を積み上げるようにしてもよい。この場合には、各ブロック10間でも近接無線通信を行うように構成する。例えば、配置面200に配置されたブロック10aの上にブロック10bが積まれた場合において、ブロック10bと本体装置20との間は近接無線通信できない距離であるとする。このとき、ブロック10aとブロック10bとの間で各ブロックのブロックIDと加速度を含む姿勢情報を送受信し、ブロック10aがブロック10bの姿勢情報を本体装置20に送信する。本体装置20は、ブロック10aから受信したブロック10bの姿勢情報を、ブロック10aの2段目に配置されたブロック10bの姿勢情報であることを示す情報と共に、ブロック10aのブロックIDと対応づけてRAMに記憶する。これにより、立体的にブロック10が配置された場合であっても、本体装置20において、ブロック10間の位置関係を特定することができる。また、立体的なブロック10の位置関係に応じて各ブロック10の音を変化させる音制御情報(音の長さや音色等)を予め定義するよう構成することで、本体装置20において配置されたブロック10の立体的な配置に応じた音を音制御情報に従って発音させることができる。
なお、上記の構成では、ブロック10aと近接するように他のブロック10cが配置面200に配置されると、ブロック10aとブロック10cとの間で近接無線通信を行い、各ブロックのブロックIDがブロック間で送受信され、本体装置20へ各々の姿勢情報が送信される。この場合、本体装置20の位置検出部25においてブロック10aとブロック10cの位置が検出され、各々のブロックの姿勢情報も本体装置20に送信される。本体装置20は、ブロック10aからブロック10aの姿勢情報を受信した後、ブロック10cのブロックIDを含む姿勢情報をブロック10aから受信する。また、本体装置20は、ブロック10cからブロック10cの姿勢情報を受信した後、ブロック10aのブロックIDを含む姿勢情報をブロック10cから受信する。従って、この場合、本体装置20は、ブロック10a及びブロック10cの姿勢情報を当該ブロックだけなく他のブロックからも受信する。
このように、本体装置20が、一のブロック10に対する複数の姿勢情報を受信した場合には、当該一のブロック10が位置検出部25で検出されたブロックであれば、当該一のブロック10から送信された姿勢情報を本体装置20において記憶するように構成することで、一のブロック10に対する姿勢情報を一意に特定することができる。
なお、実施形態1では、ブロック10を平面に配置する例であったが、ブロック10を取り外し可能な立体形状の物体に取り付けることにより、ブロック10を立体的に配置するようにしてもよい。
【0073】
(2)また、実施形態1では、配置されたブロック10の姿勢に応じた音を、ブロック10間の位置関係、つまり距離に応じて変化させて発音させる例であったが、配置されたブロック10同士の面の向きに応じて変化させてもよい。ブロック10の面の向きは、例えば、配置面200のY軸正方向を正面とした場合の各ブロック10の上面、底面、右側面、左側面、正面、背面を特定し、隣り合うブロック10の面の組み合わせに応じて、音色、音の強弱等の発音態様を変化させるようにしてもよい。なお。この場合には、予め、ブロック10の面の組み合わせに応じて変化させる制御内容を記憶しておくように構成する。また、ブロック10間の位置関係として、ブロック10間の距離と面の向きの組み合わせに応じて各ブロック10の姿勢に応じた音を発音させてもよい。
【0074】
(3)また、実施形態1では、ブロック10の位置関係に応じた音を発音する例として、配置順序が直前のブロック10との距離に応じた音の長さで各ブロック10の音を発音する例を用いたが、ブロック10の位置関係に応じて音を発音させる態様はこれに限らない。例えば、配置順が前後の各ブロック10の向かい合う面に応じて各ブロック10の音の発音を行うようにしてもよい。例えば、配置面200のY軸正方向を正面とした場合の各ブロック10の上面、底面、右側面、左側面、正面、背面を特定し、ブロック10の向かい合う面の組合わせに応じて、各ブロック10の音の発音態様を変えて発音する。
なお、配置順に関わらず、配置されたブロック10から一定の距離範囲内に配置されている他のブロック10と向かい合う面や距離に応じてブロック10の発音を制御するようにしてもよい。この場合、複数のブロック10が各々一定の距離範囲内にある場合には、ブロック10間の距離が最大又は最小のブロック10と向かい合う面や距離に応じた発音態様で発音させてもよい。また、複数のブロック10のうち、向かい合う面が一致しているブロック10との距離や当該向かい合う面の組み合わせに応じた発音態様で発音させてもよい。
【0075】
また、特定のブロック10を基準ブロックとして設定し、基準ブロックと他のブロック10との間の距離や面の向きに応じた発音態様で他のブロック10の音を発音させるようにしてもよい。この場合には、基準ブロックとの距離や向かい合う面の組み合わせに応じて他のブロック10の音に関する発音態様を示す制御情報を本体装置20において記憶させておくように構成する。
【0076】
また、例えば、3つのブロック10が三角形状となる位置関係で配置された場合には、トライアングルの楽音を3/4拍子で発音させるなど、ブロック10が配置される形状に応じて定められた音を示す音制御情報を本体装置20において予め記憶しておき、配置面200に配置されたブロック10の座標に基づく形状に対応する音制御情報に従って発音させるようにしてもよい。即ち、ブロック10間の位置関係を特定するための条件と位置関係に応じた楽音や発音態様等の発音に関する音制御情報が予め設定されていればよい。
【0077】
(4)また、上述した実施形態1では、ブロック10間の位置関係を示す距離を本体装置20において検出する例について述べたが、各ブロック10に距離センサ等の距離検出手段と、ブロック10間で近接無線通信を行う通信手段を設け、ブロック10が他のブロック10との距離、つまり、位置関係を検出して他のブロック10のブロックIDと距離とを本体装置20に送信するようにしてもよい。
【0078】
(5)また、実施形態1では、各ブロック10からの姿勢情報に基づく楽音信号を本体装置20における音源部26において生成して音声出力部27から出力する例であったが、本体装置20を設けず、各ブロック10において、当該ブロック10の姿勢に対応する楽音を生成して発音する音源部と音声出力部が設けられていてもよい。なお、この場合には、机などの水平な面に配置されたブロック全体の音を発音する指示を受付けるための発音指示スイッチを特定のブロック10に設け、発音指示スイッチが押下されたときに、当該特定のブロック10から他のブロック10へ順に発音指示を送信するようにする。この場合、例えば、ブロック10間の距離の大小関係に応じて発音を指示する順序を決定してもよいし、予め発音するブロック10の順序を定めた条件に従って発音指示を送信するようにしてもよい。
【0079】
(6)また、実施形態1では、ブロック10が本体装置20に配置された順に各ブロック10の楽音を発音させるように構成したが、本体装置20の配置面200において予め定めた座標位置(例えば、原点)から特定の方向(配置面200のX軸方向又はY軸方向)に配置されているブロック10の順に発音するようにしてもよいし、配置された全てのブロック10の楽音を同時に発音してもよい。
【0080】
(7)上述した実施形態1に係るブロック10の各面には、特定の1音が定義されている例であったが、例えば、ドミソ等の和音を構成する複数の音データや、小節単位又はフレーズ単位の楽音データ、母音、子音、音節、単語等の音声データ、拍手、波、滝、雷、動物の鳴き声等の音データが各面に対応づけられていてもよい。
【0081】
(8)また、上述した実施形態1では、ブロック10の姿勢に応じた音の情報が姿勢別音情報テーブルに予め定義されている例であったが、ブロック10の姿勢に応じた音の長さや音高等を求めるための予め定められた演算式を用い、配置されたブロック10の姿勢に対応する音を計算により決定するように構成してもよい。
【0082】
(9)上述した実施形態2に係る楽音発音装置1は、正解又は不正解を音で報知する例であったが、各ブロック10の中にLED等の発光手段や、ブロック10を振動させるバイブレータ等の振動手段を設け、配置されているブロック10を光らせたり、振動させる等の方法で正解又は不正解を報知するようにしてもよい。また、実施形態1及び3の場合には、ブロック10に対応する楽音を発音するタイミングで、ブロック10を光らせたり、振動させたりしてもよい。
【0083】
(10)また、上述した実施形態2では、模範画像をユーザに提示する例であったが、ユーザが比較対象となるブロック10の配置情報を生成してもよい。この場合には、ユーザは、まず、本体装置20の配置面200にブロック10を配置し、本体装置20は、配置されたブロック10の位置座標と姿勢情報とを検出し、ブロックIDと対応づけて模範配置情報として記憶しておく。その後、ユーザによって配置されたブロック10の位置及び姿勢が、模範配置情報と一致するか否かを判断し、一致する場合には正解を報知し、不一致の場合には不正解を報知するようにする。
【0084】
(11)また、上述の実施形態3では、五線譜画像300上に配置されたブロック10の姿勢に応じて、配置された位置に対応する音の長さ等を変化させる例であったが、配置されたブロック10の位置関係(距離や面の向き)や予め定められた基準位置又は基準ブロックとのブロック10との位置関係に応じて音の長さ等の発音態様を変化させるようにしてもよい。
つまり、ブロック10間の位置関係に応じて発音態様を変化させる場合には、五線譜画像300上の隣り合うブロック10のX座標が大きい方のブロック10との距離や向かい合う面に応じて音の長さや音色等を変化させてもよい。この場合には、ブロック10間の距離や向かい合う面の組合せ毎に音の長さや音色等の発音態様を定義した音制御情報を本体装置20において記憶するように構成する。
また、予め定められた基準位置又は基準ブロックとの位置関係に応じて発音態様を変化させる場合には、基準位置又は基準ブロックからの距離に応じた音の長さや音色等の音制御情報を本体装置20に記憶するように構成する。
【0085】
(12)上述の実施形態3では、五線譜画像200上の位置に対応する音高が音情報テーブル640において予め定義されている例であったが、五線譜画像200上の位置座標に対応する音高を求めるための予め定義された演算式を用いて、ブロック10が配置された位置座標に応じた音高を計算によって決定するように構成してもよい。
【0086】
(13)また、実施形態3では、五線譜画像300を本体装置20に表示する例であったが、五線譜画像300は本体装置20の配置面200に予め描かれていてもよい。
【0087】
(14)また、上述した実施形態及び変形例において、音制御情報は予め設定されて記憶されている例であったが、例えば、ブロック10間の距離等の位置関係に応じて音の長さや音量等を求めるための予め定義された演算式を用い、計算によって音制御情報を決定するように構成してもよい。
【0088】
(15)また、実施形態1〜3では、配置対象物として立方体状のブロック10を例にして説明したが、配置対象物は立方体状のブロック10に限らず、多面体、球体、円柱等の形状であってもよい。
【0089】
(16)また、実施形態1〜3では、本体装置20においてブロック10の配置に応じた音を発音させる例であったが、本体装置20と有線又は無線接続された音源部及び音声出力部を有する発音装置に対して、配置されたブロック10の姿勢やブロック10間の位置関係に応じた音の発音を指示するようにしてもよい。
【0090】
(17)上述した実施形態及び変形例における楽音発音装置によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。また、インターネットなどの通信手段を用いて楽音再生装置にダウンロードさせることも可能である。
【符号の説明】
【0091】
1…楽音発音装置、10…ブロック、11,21…制御部、12…姿勢検出部、13,23…通信部、20…本体装置、22…記憶部、24…操作部、25…位置検出部、26…音源部、27…音声出力部、28…表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配置された配置対象物の位置関係を検出する検出手段と、
発音指示を受付ける受付手段と、
前記配置対象物の位置関係に対応する音を示す音制御情報を、前記位置関係を示す情報と対応づけて記憶する制御情報記憶手段と、
前記受付手段が前記発音指示を受付けると、前記検出手段によって検出された前記位置関係に対応する前記音制御情報を取得し、取得した前記音制御情報に従って発音装置に発音させる発音制御手段と
を備えることを特徴とする発音制御装置。
【請求項2】
配置された前記配置対象物の姿勢を検出する姿勢検出手段を備え、
前記制御情報記憶手段は、前記配置対象物の姿勢に対応する音を示す姿勢別音情報を記憶し、
前記発音制御手段は、前記検出手段によって検出された前記配置対象物の位置関係に対応する前記音制御情報と、前記姿勢検出手段により検出された姿勢に対応する前記姿勢別音情報とに従って前記発音装置に発音させることを特徴とする請求項1に記載の発音制御装置。
【請求項3】
前記配置対象物が配置される位置に対応する音高を示す音高情報を記憶する位置情報記憶手段を備え、
前記検出手段は、配置された前記配置対象物の位置を検出し、
前記発音制御手段は、前記受付手段が前記発音指示を受付けると、前記検出手段によって検出された前記配置対象物の位置に対応する音高情報を前記位置情報記憶手段から特定し、前記配置対象物の前記位置関係に応じた前記音制御情報に従って、特定した音高情報に基づく音を前記発音装置に発音させることを特徴とする請求項1に記載の発音制御装置。
【請求項4】
前記配置対象物に予め割当てられている音を示す割当音情報を前記配置対象物毎に記憶する割当音情報記憶手段を備え、
前記発音制御手段は、前記受付手段が前記発音指示を受付けると、配置された各配置対象物に対応する前記割当音情報を前記割当音情報記憶手段から特定し、特定した前記割当音情報に基づく音を予め定められた順序に従って前記発音装置に発音させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発音制御装置。
【請求項5】
利用者が把持して配置可能な形状を有する複数の前記配置対象物を備えることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発音制御装置。
【請求項1】
配置された配置対象物の位置関係を検出する検出手段と、
発音指示を受付ける受付手段と、
前記配置対象物の位置関係に対応する音を示す音制御情報を、前記位置関係を示す情報と対応づけて記憶する制御情報記憶手段と、
前記受付手段が前記発音指示を受付けると、前記検出手段によって検出された前記位置関係に対応する前記音制御情報を取得し、取得した前記音制御情報に従って発音装置に発音させる発音制御手段と
を備えることを特徴とする発音制御装置。
【請求項2】
配置された前記配置対象物の姿勢を検出する姿勢検出手段を備え、
前記制御情報記憶手段は、前記配置対象物の姿勢に対応する音を示す姿勢別音情報を記憶し、
前記発音制御手段は、前記検出手段によって検出された前記配置対象物の位置関係に対応する前記音制御情報と、前記姿勢検出手段により検出された姿勢に対応する前記姿勢別音情報とに従って前記発音装置に発音させることを特徴とする請求項1に記載の発音制御装置。
【請求項3】
前記配置対象物が配置される位置に対応する音高を示す音高情報を記憶する位置情報記憶手段を備え、
前記検出手段は、配置された前記配置対象物の位置を検出し、
前記発音制御手段は、前記受付手段が前記発音指示を受付けると、前記検出手段によって検出された前記配置対象物の位置に対応する音高情報を前記位置情報記憶手段から特定し、前記配置対象物の前記位置関係に応じた前記音制御情報に従って、特定した音高情報に基づく音を前記発音装置に発音させることを特徴とする請求項1に記載の発音制御装置。
【請求項4】
前記配置対象物に予め割当てられている音を示す割当音情報を前記配置対象物毎に記憶する割当音情報記憶手段を備え、
前記発音制御手段は、前記受付手段が前記発音指示を受付けると、配置された各配置対象物に対応する前記割当音情報を前記割当音情報記憶手段から特定し、特定した前記割当音情報に基づく音を予め定められた順序に従って前記発音装置に発音させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発音制御装置。
【請求項5】
利用者が把持して配置可能な形状を有する複数の前記配置対象物を備えることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発音制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−239993(P2011−239993A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115689(P2010−115689)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
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